☆避けられない行事
さて2月。今年は2日が日曜でして、生徒会長宅に集う面々。
それはいつものことなんですけど、何故か頭が痛そうでして。
シロエ 「…とうとう明日になったんですけど…」
ジョミー「だよねえ、グズグズしてた間に…」
サム 「昨日から此処に来てる割には、進んでねえよな」
まるで全く、とサム君のぼやき。
サム 「ぶるぅの飯も、おやつも美味いんだけどよ…」
ぶるぅ 「ありがとーっ! 今日も沢山あるからね!」
マツカ 「すみません、お邪魔してしまって…」
ぶるぅ 「ううん、お客様、大好きだも~ん!」
大勢いるほど楽しいもんね、と「そるじゃぁ・ぶるぅ」。
ぶるぅ 「もっと増えても、全然平気!」
シロエ 「ちょ、縁起でもないことを言わないで下さいよ!」
サム 「そうだぜ、口は禍の元って言うじゃねえかよ」
スウェナ「時期が時期だけに、至言だわねえ…」
そもそも昨日から、その話題でしょ、とスウェナちゃんも。
スウェナ「どうするのよ、明日は節分なのよ?」
一同 「「「あー…」」」
ソレだ、と天井を仰ぐ御一同様。
サム 「避けて通れねえ行事だよなあ、節分はよ…」
キース 「いや、考えようによっては、なんとか」
シロエ 「去年は上手くいきましたけど、そう毎年は…」
無理じゃないでしょうか、とシロエ君、深い溜息。
シロエ 「現に昨日から考えていても、答えがですね…」
マツカ 「出てませんしね、どうするべきか」
キース 「しかしだ、節分にも色々あるからな…」
俺たちがこだわりすぎかもしれん、と副住職。
キース 「一年分の福は欲しいが、そのためにだな…」
ジョミー「割を食うのが酷すぎる、って?」
もう風物詩になっちゃってるし、とジョミー君の嘆き節。
ジョミー「誰かさんが来るから、恥をかかされてさ…」
キース 「問題はそこだ、あの連中さえ来なければだな…」
シロエ 「無理ですよ、それ」
来るのがお約束ですからね、と速攻、鋭い指摘が。
お約束ですね…?
2020/02/01 (Sat)
☆こだわらなければ
2月と言えば節分ですけど、その前日に悩んでいる御一同様。
誰かさんに恥をかかされるイベント、それが節分のお約束で。
シロエ 「来るなと言っても、もう絶対に来ますから!」
サム 「とっくに休暇の予定の筈だぜ、今頃はよ…」
ジョミー「でもさ、向こうの世界に節分は無いよね?」
SD体制の世界なんだし、とジョミー君。
ジョミー「節分が無いなら、人類軍も通常勤務だよ?」
スウェナ「そうね、ユニバーサルとかいう役所も同じだわね」
シロエ 「あー…。すると、突然の攻撃があるかもですね」
マツカ 「子供の救出作戦とかも、無いとは言えませんよ」
今まで運が良かっただけで…、と御曹司も。
マツカ 「キースが言うのは、そこなんでしょうか?」
キース 「いや、俺も腐っても坊主だからな…」
他所の世界でも人の不幸を願うわけには…、と合掌を。
キース 「だから、そういうコースは望まん。間違ってもな」
シロエ 「でもですね…。誰かさんが来ないとなると…」
ジョミー「他には考えられないけど?」
キース 「いや、俺たちさえこだわらなければ…」
場合によっては道は開ける、と副住職が繰る数珠レット。
キース 「七福神巡りに行こうとするから、災いを呼ぶんだ」
シロエ 「それは確かにそうですけど…」
スウェナ「福を貰うには、あそこに行くのが一番でしょ?」
人気の開運スポットじゃないの、とスウェナちゃんの反論。
スウェナ「年に一回、お参りしないでどうするのよ!」
キース 「だから、こだわるなと言ってるんだが」
一同 「「「えっ?」」」
キース 「そもそも節分は、七福神巡りとは限っていないぞ」
他にも神社や寺は沢山、と副住職の冷静な言葉。
キース 「そういう所に変えてはどうだ、と言っている」
ジョミー「誰かさんが来ても、メリットの無い所?」
キース 「鬼を追うだけとか、そういうのだな」
一同 「「「うーん…」」」
考えてもみなかった、行き先変更。
一理ありますね?
2020/02/02 (Sun)
☆イベントなら色々
節分はお寺で七福神巡り、それがお約束なシャン学メンバー。
けれど必ずやって来るソルジャー、その災いは避けたい所で。
ジョミー「鬼を追うだけの節分、確かに多いよね…」
シロエ 「バリエーションは豊かなんですけどね」
サム 「うんうん、鬼の着ぐるみが出るとか、色々とよ…」
あるのがアルテメシアだよな、とサム君も頷く節分イベント。
サム 「寺も神社も山ほどあるしよ、ついでに歴史も」
スウェナ「そうなのよねえ…。でも、七福神巡りのお寺は…」
マツカ 「あそこしか無い筈ですよ?」
他に聞いたことがありませんから、と御曹司。
マツカ 「七福神自体は、あちこちにおいでですけれど…」
ブルー 「節分と関連づけているのは、あそこだけだね」
キース 「そうだろう? だから、あそこを避ければだな…」
あの馬鹿野郎は来ない筈だ、と副住職が説く節分の事情。
キース 「開運と厄除けだけとなったら、来ると思うか?」
シロエ 「来ないでしょうねえ、御利益が別になりますから」
サム 「厄除けじゃ話にならねえよなあ…」
あっちのぶるぅにしか使えねえぜ、とサム君も。
サム 「開運にしたって、地球に行けるかは微妙だしよ…」
キース 「ああ。この世界では、地球はデフォ装備だからな」
元から地球の上なんだし、と副住職。
キース 「祈願されても、神仏もお困りになるだろう」
ジョミー「そうかもねえ…。他に開運って言ってもさあ…」
スウェナ「シャングリラには厄除け、要らないんでしょ?」
あの人さえいれば、とスウェナちゃんが傾げる首。
スウェナ「そうなってくると、開運の方も不要だわよ」
シロエ 「せいぜい、おやつの祈願でしょうか」
厨房から多めに貰えるように、とシロエ君。
シロエ 「今の量だと、間に合っていないようですし…」
サム 「健康のためには、食わねえ方がいいのによ…」
キース 「開運はソレだろうな」
祈願するまでもないような…、とキッパリと。
そうですよねえ?
2020/02/03 (Mon)
☆最終兵器を持つ人
節分はお寺で七福神巡り、シャン学メンバーのお約束ですが。
すると乱入するのがソルジャー、なんとか回避したい迷惑。
シロエ 「やっぱり祈願は要らないでしょうか、お菓子だと」
キース 「くすねて来るのは得意な筈だぞ、厨房から」
サム 「無理でも、脅して奪いそうだぜ」
ジョミー「とっくに脅しているんじゃないの?」
最終兵器を持ってるもんね、とジョミー君の発言。
一同 「「「最終兵器?」」」
ジョミー「そう! 絶対、誰でもドン引きだってば!」
シロエ 「……メギドですか?」
ジョミー「それは人類軍のヤツだと思う…」
ミュウには貸してくれないよね、と人差し指をチッチッと。
ジョミー「第一、メギドじゃ、やりすぎだってば」
キース 「冗談にしても、笑えない世代がいるようだしな…」
命からがら逃げ出したという長老どもが、と副住職も。
キース 「お菓子をくれなきゃメギドを出すぞ、ではな…」
ジョミー「貰えるおやつも貰えないよね、当分はさ」
シロエ 「だったら、最終兵器というのは何なんです?」
ジョミー「んーと…。考えれば分かると思うけど…」
あっちの世界の事情なんかを…、と指差す窓の方角。
ジョミー「ヒントを出すなら、一種の生物兵器かな」
一同 「「「生物兵器?」」」
ジョミー「うん。しっかり生きて、息もしてるし」
シロエ 「……えらく逞しいウイルスですね?」
顕微鏡も無しで呼吸が分かるんですか、とシロエ君。
シロエ 「そんなの、向こうにありましたっけ?」
ジョミー「たまに、こっちにも来てるけど?」
一同 「「「ええっ!?」」」
それは大変、と一同、ワタワタ。
サム 「死ぬじゃねえかよ、ウイルスを持ち込まれたら!」
ジョミー「だから必死で避けているよね、ぼくたちだって」
シロエ 「マスクをした覚えはありませんけど!」
ジョミー「ぶるぅだしねえ…」
一同 「「「ぶるぅ?」」」
悪戯小僧か、と全員が愕然、そして納得。
確かに最終兵器かも…。
2020/02/04 (Tue)
☆行き先を変えれば
節分はお寺で七福神巡りが、シャン学メンバーなんですけど。
そこへ乱入するのがソルジャー、なんとかして回避したい今。
ジョミー「お菓子をくれなきゃ、ぶるぅを出すぞ、だよね」
シロエ 「そ、それは…。厨房の人も真っ青ですよね」
サム 「ありったけの菓子を出すんじゃねえの?」
ジョミー「うん、多分…。だから開運は要らないと思う」
七福神巡りしか興味は無さそう、とジョミー君。
キース 「そうだろう? 俺たちが行き先を変えればだな…」
マツカ 「来ない可能性が高いんですね?」
キース 「別行動になると思うぞ、こっちに来ても」
俺たちは他所へ行くんだからな、と副住職、ニヤリ。
キース 「俺たちの方に、七福神にこだわる理由は無いし…」
スウェナ「でも、一年間の福が貰えないわよ?」
シロエ 「そこですよね…。他に七福神のお寺とかは…」
マツカ 「ブルーが無いと言ったからには、無いですよ」
生きている年数が半端ないですし…、と御曹司。
マツカ 「ですから、他所へ行くとなったら、福の方は…」
サム 「諦めるしかねえってことかよ、俺たちはよ…」
それもあんまりな話だよな、とサム君、大きな溜息。
サム 「ただでもツイてねえのによ…。誰かのせいでよ」
ジョミー「あー、疫病仏!」
一同 「「「シーッ!」」」
それは禁句だ、と誰もが唇に人差し指を。
シロエ 「そっちの名前はセットものです、不吉です!」
サム 「キースだけなら疫病菩薩な、忘れちゃダメだぜ」
ジョミー「そうだっけ…。あっちが如来で」
一同 「「「シーッ!」」」
いいから名前を出すんじゃない、とキッツイ視線が。
シロエ 「今、来させない相談をしてるんですから!」
ジョミー「ご、ごめん…。だけど、悪いのはキースだよ?」
キース 「一万歩譲って許してもいいが、それよりもだな…」
サム 「俺たちの福が問題だぜ」
一同 「「「うーん…」」」
福は欲しいだけに、難しいチョイス。
どうすると…?
2020/02/05 (Wed)
☆福が貰えなくても
節分はお寺で七福神巡り、シャン学メンバーのお約束の行事。
けれど乱入して来るソルジャー、なんとしてでも避けたい所。
キース 「あの馬鹿を避けるか、福を選ぶかになるんだが…」
ジョミー「福が貰えないと不安だよねえ、この一年が」
サム 「貰っていたって、毎年、大惨事だしよ…」
誰のせいとは言わねえけどよ、とサム君の視線がチラチラと。
サム 「それを全く貰わねえとよ、どうなるんだか…」
キース 「逆に考えればいいだろう? 貰っていてもソレだ」
シロエ 「貰わなくても、問題ないってことですか?」
キース 「試してみる価値はあると思うぞ」
一年がかりでの検証になるが、と副住職が繰る数珠レット。
キース 「それで例年と変わらなければ、節分はだな…」
スウェナ「七福神巡りに行く必要は無いってわけね?」
キース 「ああ。そうなってくると、節分だけでも…」
シロエ 「災難が減るという勘定ですね!」
誰かさんと行動しない分だけ…、と大きく頷くシロエ君。
シロエ 「いい考えかもしれません。やってみましょう!」
マツカ 「そうですね…。ダメで元々ですしね」
スウェナ「いざとなったら、マツカがいるわよ!」
マツカ 「……ぼくですか?」
何故、ぼくなんです、と御曹司が指差す自分の顔。
マツカ 「何処かのお寺か神社に寄進するんでしょうか?」
サム 「いいよな、ソレ! 特別に祈祷を頼むのな!」
ジョミー「福が来ますように、って護摩焚きとかだね!」
その方が効くかも、と喜びの声が。
ジョミー「大勢がお参りする節分より、効果抜群!」
スウェナ「そうじゃなくって、最終兵器よ」
マツカと言ったらメギド級でしょ、とスウェナちゃん。
スウェナ「誰かさんが災難を持ち込んだ時は、マツカよ!」
マツカ 「頑張りますけど、その前にですね…」
キース 「節分の行き先を決めてしまおう」
一同 「「「オッケー!」」」
何処がいいかな、と一気に盛り上がる御一同様。
行き先変更…。
2020/02/06 (Thu)
☆厄払いでいこう
節分はお寺で七福神巡りが、シャン学メンバーの毎年の行事。
そこへ乱入してくるソルジャー、避けるためには行き先変更。
シロエ 「何処が人気なんでしょうね、節分イベントは?」
キース 「神社も多いが、やはり寺じゃないか?」
ブルー 「アルテメシアだと、有名どころはお寺だよね」
節分は厄除けの行事だからさ、と生徒会長。
ジョミー「あれって厄除けだったんだ?」
ブルー 「考えてみたまえ、鬼を追い払うんだから…」
シロエ 「厄には違いないですね、鬼…」
サム 「待てよ、だったら、あの野郎もよ…」
厄除けで払えるんじゃねえの、とサム君がポンと打った手。
サム 「疫病仏もよ、厄には違いねえんじゃねえかな」
ジョミー「あー! だけど、キースも払っちゃうんじゃあ?」
ブルー 「その場合は、キースの厄が落ちるかもね」
やたら災難を呼び込む体質ってヤツが、と生徒会長も。
シロエ 「いいじゃないですか、厄払い!」
スウェナ「そうよね、誰かさんを払って、キースの厄も…」
マツカ 「落ちるんだったら、お願いする価値はありますね」
ジョミー「それでいこうよ、ダメだった時はマツカがいるし」
怖いキャラになって貰えば安心、とジョミー君もプッシュ。
ジョミー「あのマツカには歯が立たないしさ、誰かさんも」
シロエ 「じゃあ、厄払いで決定ですね?」
サム 「賭けてみようぜ、今年はよ」
スウェナ「何処に行くのがいいのかしら?」
お寺と言っても沢山あるわよ、とスウェナちゃんが傾げる首。
スウェナ「厄払いに一番いいのは何処なの?」
ブルー 「炮烙を奉納するお寺かな」
一同 「「「ホウラク?」」」
なんじゃそりゃ、と誰もがキョトン。
シロエ 「あのぅ…。ホウラクというのは何でしょう?」
ブルー 「調理器具だけど?」
一同 「「「???」」」
ブルー 「ぶるぅ、持って来てくれるかな?」
ぶるぅ 「オッケー!」
待っててねーっ! とキッチンへ駆けてゆくお子様。
調理器具…?
2020/02/07 (Fri)
☆調理器具なんです
節分はお寺で七福神巡り、それがシャン学メンバーのお約束。
けれど今年はソルジャーを避けて行き先変更、そういう計画。
ジョミー「調理器具って、何だろう?」
シロエ 「さあ…? 聞いたこともない名前ですね」
ブルー 「百聞は一見に如かずってね」
ぶるぅ 「お待たせーっ! 炮烙、持って来たよーっ!」
こんなヤツなの! と運んで来たのは、素朴な素焼きのお皿。
スウェナ「あら、ホウラクって、お皿なの?」
ぶるぅ 「違うよ、これを火にかけるの!」
シロエ 「火って…。直火ですか!?」
ぶるぅ 「そだよ、火にかけて、乗っけてある物を炙るの!」
お豆とかゴマとか、他にも色々、と炙る仕草を披露ですけど。
ジョミー「割れそうだよ、ソレ!」
サム 「だよなあ、ヒビが入るんじゃねえか?」
ぶるぅ 「大丈夫、そういう道具だから!」
ブルー 「あのねえ…。昔から、土器は直火で使うよ」
壺とか出土しているだろう、と言われてみれば、その通り。
シロエ 「そうでした! なるほど、耐久性はあるんですね」
ブルー 「うん。これを買って奉納するのが節分だね」
一同 「「「へ?」」」
何の話だ、と一同、ポカーン。
ジョミー「えっと…。さっき言ってたお寺だよね?」
サム 「調理器具を奉納するのかよ?」
ブルー 「そうだけど?」
シロエ 「あのぅ…。本当に厄払いなんですか?」
とてもそうとは思えませんが、とシロエ君。
シロエ 「調理器具で厄除けだなんて、嘘っぽいですけど…」
ジョミー「だよねえ、なんだか御利益なさそう…」
ブルー 「一種の身代わりみたいなものかな」
一同 「「「身代わり?」」」
なんでコレが、と炮烙に集中する視線。
スウェナ「流し雛なら、まだ分かるけれど、調理器具よ?」
シロエ 「人の形もしていませんよね…」
ブルー 「厄を移すって感じかな。後で粉々に割るからね」
一同 「「「割る!?」」」
いったいどんな節分なんだ、と誰もが仰天。
激しそうですね?
2020/02/08 (Sat)
☆纏めてガシャンと
節分はお寺で七福神巡りが、シャン学メンバーの恒例の行事。
けれど乱入するのがソルジャー、行き先変更で避ける計画が。
シロエ 「割るって、奉納した炮烙を割るんですか?」
ブルー 「そうだけど? 山ほど積んで、纏めてガシャンと」
サム 「厄を払うにしても、激しすぎねえか、ソレ?」
ジョミー「奉納しよう、って買ってる隣で割ってるわけ?」
なんか強烈なんだけど、とジョミー君。
ジョミー「効きそうだけどさ、でも、買ってすぐに…」
スウェナ「粉々になるって、あまり買う気になれないわよ」
サム 「だよなあ、調理器具より割高だろうしよ…」
祈祷料と割るための手間賃、入ってるよな、とサム君も。
サム 「いつも行ってる人ならともかく、俺たちにはよ…」
シロエ 「向いてない気がしますよね…」
高校生の懐事情は厳しいですから、とシロエ君も反対の意見。
シロエ 「もっと、こう…。お守りとかの方がいいですね」
ジョミー「割られちゃうのは、キツイよね…」
ブルー 「その場で割るとは言ってないけど?」
一同 「「「えっ?」」」
そうじゃないのか、と顔を見合わせる御一同様。
シロエ 「他所へ持って行って割るとかですか?」
ブルー 「完全に日を改めるんだよ、月単位でね」
一同 「「「月単位?」」」
ブルー 「割るのは何ヶ月も先になるのさ」
それまではお寺で預かるんだよ、と生徒会長の解説が。
ブルー 「キースも知っているだろう? 炮烙割りは」
キース 「話には聞いたことがある。狂言だったか?」
ブルー 「うん。その名もズバリ、炮烙割りって演目でさ…」
キース 「狂言の舞台から落として割るんだったな」
炮烙の山をガシャンガシャンと、と副住職も。
シロエ 「は、はあ…。そういう仕組みになってましたか」
ブルー 「預かってる間は毎日ご祈祷、有難いよね」
キース 「仕上げに割って、厄を落とすというわけだ」
人気なんだぞ、と言っていますけれども。
其処にしますか…?
2020/02/09 (Sun)
☆露店もあります
節分はお寺で七福神巡り、それを変えたいシャン学メンバー。
行き先を変えれば来ないソルジャー、何処にするかが問題で。
ブルー 「炮烙を奉納するお寺だったら、間違いないよ」
キース 「行く人が多いから、露店も出ると聞いてるな」
一同 「「「露店!?」」」
それは美味しい、と誰もがゴクリと唾を。
シロエ 「本当ですか、七福神巡りのお寺には出てませんが」
スウェナ「甘酒のお接待のテントがあるだけよねえ…」
ブルー 「立地条件の差かな、その辺はさ」
露店は確かに並ぶからね、と生徒会長の太鼓判。
ブルー 「節分に露店が並ぶ所は、他には無いかな」
サム 「マジかよ、一番人気じゃねえかよ、其処が!」
ブルー 「うーん…。露店で比べるものじゃないしね」
ジョミー「そうかもだけど、絶対、楽しいよ、ソレ!」
お参りの後は露店だよね、とジョミー君、大いに乗り気。
ジョミー「甘酒もいいけど、露店で色々食べるのもさ…」
シロエ 「悪くないですよね、寒いですけど」
スウェナ「そこは初詣と変わらないわよ」
節分寒波でも、誤差の範囲よ、とスウェナちゃんも。
スウェナ「行き先を変えるなら、もってこいじゃないの!」
サム 「だよなあ、厄が落とせて、露店とくればよ」
ブルー 「其処にするかい?」
一同 「「「さんせーい!!!」」」
今年は露店で食べ歩きだ、と突き上げる拳。
ブルー 「忘れちゃダメだよ、まずは炮烙」
シロエ 「分かってますって、真っ先に買って奉納しますよ」
ジョミー「キースの厄も落ちそうだしね!」
??? 「ダメーっ!!!」
それは勘弁、とソルジャー(会話表記はAブルー)登場。
Aブルー「節分は七福神にお参りなんだよ、他所だとダメ!」
シロエ 「お参りする義理は無いんですけど、ぼくたちは」
サム 「行きたかったら、別行動で行ってくれよな」
Aブルー「それは困るよ、コネが無くなるから!」
他所に行かないで、と叫んでますけど。
コネって、どういう…?
2020/02/10 (Mon)
☆コネが無いそうです
節分は毎年お寺で七福神巡り、それを変えようと出した結論。
露店も出るというお寺に行こうと、決めた所へ飛び込んだ人。
Aブルー「頼むよ、お願い、この通りだから!」
シロエ 「もう決めたんです、今年は炮烙を買いに行きます」
ジョミー「奉納した後は、露店で色々食べるんだからね」
七福神巡りよりも楽しそうだし、とジョミー君の突き放し。
ジョミー「そっちはキャプテンと二人で行ってよ」
マツカ 「路線バスが分からないなら、うちの車でどうぞ」
サム 「運転手つきの高級車な! いいじゃねえかよ!」
それで行けよな、とサム君、手をヒラヒラと。
サム 「ついでに昼飯もつけてやれよ、マツカ」
マツカ 「いいですよ。何処の料亭がお好みですか?」
Aブルー「そんな問題じゃないんだってば!」
とても切実なお願いなんだよ、とソルジャー、真剣な顔。
Aブルー「君たちと行かないとコネが無いから…」
キース 「さっきも聞いたが、コネというのは何なんだ?」
Aブルー「コネはコネだよ、御縁ってヤツだよ!」
七福神様にお参りするためのコネ、と言われましても。
シロエ 「えーっと…? あそこは誰でも行けましたよね?」
ブルー 「そうだね、福笹を頂いて持っていればね」
キース 「入口で福笹を授与して貰えば、お参り出来るが」
何処でも福笹にお札を結んでくれるし…、と副住職。
キース 「心配しないで行ってこい。大丈夫だ」
Aブルー「それだと形だけなんだけど!」
一同 「「「はあ?」」」
Aブルー「お参りしたって、コネが皆無で門前払いで!」
願い事を聞いて貰えないよ、と必死の形相。
キース 「サッパリ意味が分からんのだが…。気は確かか?」
Aブルー「確かだってば、ぼくは君たちとは違うんだよ!」
キース 「ずいぶん失礼な言いようだな、おい」
ブルー 「ぼくたちの方が狂っていると?」
Aブルー「そうじゃなくって!」
別の世界の人間だから、と叫んでますけど。
それが何だと…?
2020/02/11 (Tue)
☆見えないかもな人
今年の節分は露店が出る別のお寺へ。そう結論が出ましたが。
そこへ乱入して来たソルジャー、困ると騒いでいるわけで…。
キース 「あんたが別の世界の人間なのは、知っているが…」
シロエ 「何かと言ったら脅しますよね、SD体制とかで」
サム 「うんうん、自由がねえとか何とか…」
その割に自由にしてるじゃねえかよ、とサム君、呆れ顔。
サム 「今更何だよ、七福神巡りも恒例なんだしよ…」
スウェナ「慣れてる筈よね、それにコネなんか関係ないわよ」
ブルー 「ぼくは一応、あそこでも顔が利くけどさ…」
マツカ 「お忍びって感じで、コネは使っていませんよね?」
一度も見たことがありませんから、とマツカ君の冷静な指摘。
ブルー 「そう! 普通の高校生の方が気楽でいいしね」
キース 「見ろ、ブルーだってこう言っている!」
シロエ 「だからコネなんか要りませんってば、あそこでは」
ジョミー「別行動にしてよね、今年は! ぼくたちは露店!」
タコ焼きとお好み焼きはガチ、とジョミー君が立てる親指。
ジョミー「きっとフライドポテトもあるよね、他にも色々」
ブルー 「期待していいよ、露店は沢山出るからね」
一同 「「「やったー!!!」」」
Aブルー「待って、見捨てないで!」
本当にコネが必要なんだよ、とソルジャー、ワタワタ。
Aブルー「ぼくとハーレイで行っても、ダメだよ!」
キース 「さっきも言ったが、福笹さえ持っていればだな…」
ブルー 「お参りの作法は二の次だから、安心していいよ」
間違えてたって問題無し! と生徒会長、いえ、銀青様。
ブルー 「神様は心が広いからね」
Aブルー「その前に、見えていないかもだよ!」
もう思いっ切りスルーされて、とソルジャーの叫び。
Aブルー「こっちの世界に籍が無いから、サラッと無視で!」
シロエ 「籍って、いわゆる国籍ですか?」
Aブルー「戸籍さえも無いよ!」
きっと見えない存在なんだ、と言ってますけど。
無戸籍ですか…。
2020/02/12 (Tue)
☆戸籍は作れます
今年の節分は露店が並ぶ別のお寺へ、そんな結論ですけれど。
そこへ乱入して来たソルジャー、困ると叫んでおりまして…。
Aブルー「ぼくもハーレイも、こっちで生まれてないからね」
シロエ 「それはまあ…。そうなりますねえ…」
ジョミー「生まれてないなら戸籍も無いよね、絶対に」
キース 「いや、その辺はどうとでもなるんじゃないか?」
俺には出来ないことなんだがな、と副住職。
キース 「特にこの国にこだわらなければ、戸籍くらいは」
サム 「あー! ゆるい国に行って取って来るのな!」
キース 「そういうことだ。…この国でも可能かもしれん」
ブルー 「まあねえ…。まるで出来ないことではないね」
ぼくのサイオンさえあれば、と生徒会長、ニンマリと。
ブルー 「記憶操作を完璧にやれば、後は捏造するだけで…」
シロエ 「なるほど、マツカ先輩に頼めば簡単ですよね!」
マツカ 「ダークなことは勘弁ですけど、人助けなら…」
やらないことはないですよ、と御曹司も。
キース 「聞いたか、やっぱり出来るらしいぞ」
スウェナ「凄いわねえ…。要はサイオンと捏造なのね?」
ブルー 「そう! ブルーには、ちょっと無理だけれどね」
こっちの世界の知識が足りない、とニヤリニヤニヤ。
ブルー 「サイオンの扱いがぼくより上でも、決定的な差!」
シロエ 「はあ…。それで、戸籍はどうするんです?」
キース 「欲しいなら、作ればいいんじゃないか?」
Aブルー「そういう問題じゃないんだってば!」
神様の目を誤魔化せるとは思えないよ、とソルジャーの嘆き。
Aブルー「だって、書類は出さないもんね」
シロエ 「まあ、そうですね」
七五三とかだって、要りませんよね、とシロエ君。
シロエ 「今年で何歳になりますから、は自己申告で」
ジョミー「聞いたことないよね、身分証明書を出すとかは」
Aブルー「ほらね、やっぱり、そうなんじゃないか!」
戸籍を作っても無駄になるだけ、と騒ぐ人。
どうしたいと…?
2020/02/13 (Thu)
☆お友達枠でお願い
今年の節分は七福神巡りをやめて、露店が並ぶ別のお寺へと。
そう決めた所へソルジャー登場、困ると騒いでおりまして…。
Aブルー「戸籍があっても、神様が認めてくれないと…」
シロエ 「どうなるんです?」
Aブルー「さっきも言ったよ、スルーされるんだよ!」
見えない存在にされちゃうんだ、とソルジャー、必死の形相。
Aブルー「いくら福笹を持っていたって、スルーだってば!」
キース 「福笹があれば、お札は結んで貰える筈だぞ」
ブルー 「うん。七福神様がいらっしゃるお寺の役目だし…」
ちゃんと七ヶ所でお札を頂けるよ、と生徒会長も。
ブルー 「だから安心して行って来たまえ、君のハーレイと」
Aブルー「お札は貰えても、御利益の方が問題なんだよ!」
神様にスルーされるんだから、とソルジャー、泣きそうな顔。
Aブルー「お願い、ぼくたちを助けると思って! コネを!」
キース 「そう言われても…。コネというのは何なんだ?」
Aブルー「紹介状だよ、お友達枠!」
一同 「「「お友達枠?」」」
なんじゃそりゃ、と一同、ポカーン。
ジョミー「えっと…? お友達枠って、何なわけ?」
Aブルー「そのまんまだよ、君たちの友達っていうヤツで!」
紹介状の代わりになるよ、とソルジャーの主張。
Aブルー「それならこっちに戸籍が無くても、大丈夫!」
シロエ 「はあ…。神様に紹介するわけですか、ぼくたちが」
Aブルー「そう! 流石、シロエは理解が早いね!」
頭が切れるよ、とヨイショなソルジャー。
Aブルー「機械弄りはダテじゃないねえ、素晴らしいよ!」
シロエ 「いえ、それほどでも…」
Aブルー「謙遜しないで! でもって、みんなも見習う!」
ぼくの窮状を理解してよ、とゴリ押し論法。
Aブルー「脳味噌が錆びてないなら、お願い、助けて!」
キース 「七福神様に、あんたを紹介しに行け、と?」
Aブルー「ピンポーン!」
お友達枠でお願いするよ、と言ってますけど。
紹介しろと…?
2020/02/14 (Fri)
☆友達なら根拠を
今年の節分は七福神巡りの代わりに、露店が並ぶ別のお寺へ。
そう決めた所へソルジャー登場、困ると騒いでおりまして…。
Aブルー「頼むよ、ぼくとハーレイを、お友達枠でお願い!」
キース 「…友達になった覚えは無いが?」
シロエ 「ぼくも無いですね、いつも迷惑かけられるだけで」
サム 「いねえんでねえの、友達ってヤツは」
この中にはよ、とサム君、周りを見回し、キッツイ言葉を。
サム 「少なくとも俺は思ってねえしよ、他のヤツらも…」
マツカ 「そうですね…。大切なお知り合いですけれど…」
ジョミー「友達じゃないよね、うん、ソレは言える」
スウェナ「私もだわねえ、腐れ縁だとは思うんだけど…」
友達だと思ったことはないわね、とスウェナちゃんも。
スウェナ「友達っていうのは、もっと違うと思うのよ」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ 友情っていうヤツだよね!」
ジョミー「そう、そう! ぶるぅは友達なんだよね」
あっちのぶるぅと、とジョミー君の弾ける笑顔。
ぶるぅ 「そうなの! ぶるぅは大事なお友達だよ!」
ジョミー「ほらね、こういうのを言うんだよ。友達ってさ」
Aブルー「ぼくたちは違うと言うのかい?」
サム 「んじゃ、聞くけどよ…。友情、あるかよ?」
俺たちと、あんたたちの間にはよ、とサム君の問い。
サム 「俺は、ねえ気がするんだけどなあ、微塵もよ」
シロエ 「100パーセント、無いですね」
Aブルー「ちょ、ちょっと…! それってゼロだよ!?」
シロエ 「ゼロですけれど?」
それとも、あると言うんですか、とシロエ君のツッコミ。
シロエ 「あるんだったら、いったい何処にあるんです?」
Aブルー「そ、それは…」
何処なんだろう、とソルジャー、目を白黒。
Aブルー「あっ、ほら! ぼくは片付けが下手だからさ…」
シロエ 「すぐには見付けられないと?」
Aブルー「そう!」
キース 「なら、捜すんだな」
友達枠なら、まずは根拠だ、と副住職。
正しいですね?
2020/02/15 (Sat)