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シャングリラ学園つれづれ語り

☆春といえばお花見


さて、四月。今年も入学式を済ませた、シャン学メンバー。
今日は休みで生徒会長宅に集合、お花見について相談中で…。

ジョミー「やっぱりさあ…。穴場はマツカの別荘だよね」
シロエ 「なんと言っても、見頃が遅いですからね」
サム  「次の日曜日頃に満開ってトコが、美味しいよな!」
マツカ 「その代わり、山奥なんですけどね」

周りには何もありませんよ、と御曹司、流石の控えめな姿勢。

マツカ 「普通のお花見感覚で行くと、ガッカリですしね」
ジョミー「そりゃまあ、露店は無いけどさ…。でも…」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ お料理、最高だもんね!」

頬っぺたが落ちそう、と「そるじゃぁ・ぶるぅ」のお墨付き。

ぶるぅ 「食材はいいし、料理人さんも腕がいいから!」
スウェナ「そうなのよねえ…。頼めば露店も出来るでしょ?」
マツカ 「食べ物系なら、出せますよ」
サム  「板前さんが、タコ焼きとかかよ?」

そういうのだったら楽しいぜ、とサム君の意見。

サム  「ちょっと他では食えねえもんな、そんなタコ焼き」
シロエ 「いいですね! お好み焼きとか、他にも色々」
マツカ 「ご希望だったら、手配しますけど…」
一同  「「「やったー!」」」

マツカの別荘でお花見に決定、と一同、突き上げる拳。

シロエ 「けど、誰かさんも来るんでしょうねえ、今回は…」
ジョミー「あー…。インフル、終息しちゃったもんね」
サム  「うつらねえなら、絶対、来るよな」

お彼岸は無観客だったけどよ、とサム君、溜息。

サム  「あの手のラッキー、二度とねえよなあ…」
キース 「いや、いけるかもしれないぞ」

冬場は流行りがちだからな、と副住職。

キース 「もっとも、ヤツには災難だったわけなんだが…」
マツカ 「気付いて良かったですよ、ギリギリとはいえ」
シロエ 「一瞬、マツカ先輩の策かと思いましたよ」
マツカ 「どういう意味です?」

ぼくが何を…、と首を傾げるマツカ君。
策って、いったい…?


2020/04/01 (Wed)

 

☆天然だったそうです


次の日曜はマツカ君の別荘でお花見、そういう計画ですけど。
やって来そうなのが誰かさんなわけで、話は先月のお彼岸へ。

マツカ 「ぼくの策だ、って言われても…。心当たりが…」
シロエ 「ですから、例の無観客ですよ」
マツカ 「確かに、そういう例があるとは話しましたが…」

それが策だと言うんでしょうか、と御曹司、怪訝そうな顔。

マツカ 「ぼくが話したのは、あくまで例というヤツです」
シロエ 「そっちじゃなくって、インフルエンザですね」
マツカ 「インフルエンザ…?」
シロエ 「流行っているから危ない、と指摘したでしょう?」

ぼくたちが健康保菌者かもと…、とシロエ君。

シロエ 「そう言っておけば、誰かさんを断れますしね」
サム  「あー! 嘘も方便っていうヤツな!」
ジョミー「でもさ、実際、流行ってたんだし…」
シロエ 「誰も覚えていませんでしたよ、そんなこと」

気付いたのはマツカ先輩だけで…、とシロエ君、力説。

シロエ 「それで策かと思ったんです、締め出すための」
マツカ 「そ、そんな…。ぼくは本当に心配を…」
ブルー 「うん、そこの所は間違いないね」

実は、ぼくもチラッと思ったからさ、と生徒会長。

ブルー 「だからマツカの心を探ってみたんだけど…」
シロエ 「裏は無かったわけですね?」
ブルー 「そう! マツカは心から心配してたよ」
シロエ 「なるほど、あれは天然でしたか」

ある意味、策より凄いかもです、とシロエ君、感動の面持ち。

シロエ 「気配りだけで、誰かさんを撃退ですよ?」
サム  「そうなるよなあ…。すげえぜ、マツカ!」
ジョミー「キースとは似ても似つかないよね」

あっちは疫病仏だけどさ、とジョミー君も。

ジョミー「マツカは地獄で仏なキャラだよ、正真正銘」
スウェナ「でも、怖いキャラも出来るのよ?」
サム  「そっちでも撃退できるしよ…」
シロエ 「万能ですね…」

素晴らしすぎです、とシロエ君、絶賛。
マツカ君、無敵かも…?


2020/04/02 (Thu) 

 

☆人が好すぎる人


次の日曜日はマツカ君の別荘でお花見な、シャン学メンバー。
誰かさんが来そうなわけで、話題は先月のお彼岸でして…。

シロエ 「マツカ先輩、その腕でもって、今回もですね…」
サム  「あいつらを撃退できねえのかよ?」
ジョミー「お花見だと、キャプテンとぶるぅも来るもんね…」

なんとか防ぐ方法は…、と縋るような視線の御一同様。

スウェナ「何でもいいわよ、こう、効きそうなのは無いの?」
マツカ 「そう言われても…。せっかくのお花見ですしね…」

楽しんで頂きたいですよ、と人が好すぎるのが御曹司な所。

マツカ 「あちらの世界で、普段は苦労をしておいでですし」
キース 「どうなんだかな…。それについては賛同しかねる」
シロエ 「ぼくもです。確かに、昔はそうかもですけど…」

今は大いに楽しんでる気が、とシロエ君も。

シロエ 「何かと言ったら、特別休暇を取っていますよ?」
キース 「まったくだ。ついでに、あの馬鹿野郎単体だと…」

休暇でなくても抜けて来るぞ、と副住職の渋面。

キース 「会議をサボッてこっちに来るとか、常習犯だしな」
ジョミー「そうだよねえ…。エロドクターのトコにもさ…」
サム  「しょっちゅう行ってるみたいだぜ、あいつ」

ランチにディナーに、ドライブとかな、とサム君、ブツブツ。

サム  「どの辺が苦労してやがるんだか、謎だぜ、全く」
キース 「制約があるのは確かだろうが、抜け道もだな…」
シロエ 「ドッサリ確保してますからねえ、本当に」

同情の必要はありませんよ、とシロエ君、キッパリ。

シロエ 「マツカ先輩、今回も、何か…!」
マツカ 「ええっ?」

困ります、とマツカ君、オロオロと。

マツカ 「より楽しんで頂くためなら、努力しますけど…」
サム  「そこを何とか出来ねえのかよ?」
マツカ 「無茶だと思いますが…」
ジョミー「キースと違って才能あるから、頑張ってよ!」

疫病仏とは真逆だからさ、と言ってますけど。
無理があるのでは…?


2020/04/03 (Fri) 

 

☆何とかして欲しい


次の日曜日はマツカ君の別荘でお花見、そういう計画ですが。
やって来そうな誰かさんとオマケ、出来れば回避したい展開。

シロエ 「ジョミー先輩が言う通り、疫病仏とは真逆ですね」
サム  「地獄に仏がマツカなんだし、助けてくれよな」
マツカ 「無理がありすぎですってば…!」

そう簡単にはいきませんよ、とマツカ君の困り顔。

マツカ 「お彼岸だって、企んだわけじゃないですからね」
ジョミー「じゃあ、怖いキャラで!」

そっちでいってよ、とジョミー君の注文が。

ジョミー「怖いキャラなら、計算ずくで作れるんだよね?」
シロエ 「そうでした! マツカ先輩のスキルですしね」
スウェナ「スキルだったら、無理でも何とか出来るでしょ?」
マツカ 「…そういうものでもないんですけど…」

せっかくのお花見を壊すだなんて…、と御曹司、溜息。

マツカ 「楽しみにしてらっしゃるのを、ブチ壊すのは…」
キース 「飲み食いだけだと思うがな?」
ブルー 「まあ、花は二の次、三の次だろうね」

桜が好きなのは確かだけどさ、と生徒会長も。

ブルー 「だけど、お花見の目的の方は…」
キース 「飲食が九割以上だろうな、あいつらは」
ジョミー「ぶるぅだったら、百パーセントじゃないのかな」
一同  「「「あー…」」」

悪戯小僧は花なんか見てない、と誰もが納得。

サム  「そんなヤツらだし、何とかしろよ」
シロエ 「きっと花なんか、桜でなくてもいいんですよ」
一同  「「「へ?」」」
シロエ 「咲いてさえいれば、チューリップでもいいかと」

要は理由が欲しいだけです、とシロエ君、キッパリ。

シロエ 「ですから遠慮なく、その辺を突っ込んでですね…」
ジョミー「怖いキャラの方で断ればいい、と思うけどなあ…」
キース 「確かに、マツカなら出来そうではある」
マツカ 「そう言うキースは、どうなんです?」
キース 「才能が無い!」

認めたくないが、無いものは無い、と白旗を掲げる副住職。
潔すぎ…。


2020/04/04 (Sat)

 

☆出せないキャラ


次の日曜日はマツカ君の別荘でお花見、そう決まりましたが。
やって来そうな迷惑なゲスト、なんとか断りたいわけでして。

シロエ 「キース先輩の場合、断るどころか逆ですからね」
ジョミー「疫病仏だもんね、呼び込む方だよ」
サム  「マツカもキースに振っていねえで、何とかしろよ」

こいつに振ったら最悪だぜ、とサム君の指摘。

サム  「より厄介なことになるしよ、そいつは勘弁!」
スウェナ「そうよね、本人も才能が無いって認めているもの」
キース 「俺が潔く認めた分まで、頑張ってくれ!」
ジョミー「うん、怖いキャラでいけばいいんだよ」

突っ込むポイントはシロエが言ったし…、とジョミー君。

ジョミー「どうせ花なんか何でもいいんだ、って所でさ…」
シロエ 「チューリップでもいい筈ですよ、あんな人たち」

飲み食いが目的なんですから、とシロエ君、指をチッチッと。

シロエ 「芝桜だって、充分なんだと思いますよ」
ブルー 「そうだろうねえ、要は宴会の理由だけかと」
シロエ 「ほら、会長も、こう言ってますし!」

怖いキャラを捻り出して下さい、という注文ですけど。

マツカ 「あのキャラは、ビジネス用のキャラですからね…」
キース 「何か不都合でもあると言うのか?」
マツカ 「お花見は、ビジネスの場合、大事な接待ですよ?」
一同  「「「あっ…」」」

それは確かに、と顔を見合わせる御一同様。

ジョミー「じゃあさ、ブチ壊すなんていうのは…」
マツカ 「残念ですけど、真逆で、やってはダメなんです」

全てを乗り越えて開催する方に意義があります、と正論が。

マツカ 「屋外が荒天で無理な場合も、パッと切り替えて」
一同  「「「あー…」」」

花見の席を用意してこそか、と誰もがガックリ。

シロエ 「つまり、怖いキャラの出番は無いわけですね?」
マツカ 「出すなら、裏方さん向けですよ」
一同  「「「うーん…」」」

無理を通してなんぼなのか、と納得な世界。
料亭とかに…。


2020/04/05 (Sun)

 

☆表面上は笑顔で


次の日曜日はマツカ君の別荘でお花見、来そうなのがゲスト。
なんとか断りたいというのに、マツカ君にも不可能だそうで。

シロエ 「お花見の場合、裏方さんに怖いキャラですか…」
マツカ 「それなら他所にお願いします、というヤツですね」

急な宴会を受けてくれない時は…、と御曹司。

マツカ 「一旦、他所にお願いされたら、次が無いですから」
シロエ 「そうなるんですか?」
マツカ 「もちろんですよ、そちらのお店を立てますからね」

便宜を図ってくれたお店への礼儀ですよ、と温厚な笑み。

マツカ 「接待の他に、個人的にも贔屓すべきです」
キース 「それはまあ…。そうなるだろうな、間違いなく」
シロエ 「断った方のお店は、得意客を失うわけですか?」
マツカ 「ええ。そうなりたいか、と暗に脅すわけです」

表面上は、あくまで笑顔ですけど…、と怖すぎる台詞。

マツカ 「ご無理を言ってすみませんでした、と謝るんです」
サム  「その足で他所に頼むのな?」
マツカ 「当然ですよ、でないと宴会がパアですから」
一同  「「「うわー…」」」

お詫びの言葉を真に受けたら負けか、と誰もがガクブル。

ジョミー「怖すぎだってば、その脅しはさ!」
スウェナ「ホントよ、怖いキャラだわねえ…」
サム  「使えねえのが残念だよなあ…」
キース 「ちょっと待て、笑顔で謝るんだな?」

ということは、謝ったなら…、と副住職が顎に当てる手。

キース 「あの馬鹿野郎を断れないのか、穏便に?」
一同  「「「へ?」」」
キース 「要は謝ればいいんだろうが、すみません、と」
ジョミー「どういう意味さ?」

言ってることが謎なんだけど、とジョミー君の疑問。

ジョミー「謝るって、誰に何をさ、すみません、って」
キース 「決まってるだろう、あの馬鹿どもだ!」
シロエ 「もしかして、誰かさんたちですか?」
キース 「他に誰がいると?」

謝って済むなら済ませたいぞ、と言ってますけど。
どうやって…?


2020/04/06 (Mon)

 

☆御礼を言いたい人


次の日曜日はマツカ君の別荘でお花見、けれど大きな問題が。
やって来そうな嫌すぎるゲスト、出来れば断りたいわけで…。

シロエ 「謝って済ませるって、お花見の件をですか?」
キース 「そう出来るんなら、その手を使いたいんだが…」
ジョミー「うーん…。笑顔で、来ないで下さい、って?」
キース 「いや、そこは、誠に申し訳ありませんが、だ」

今回は御縁がありませんで、といった感じで…、と副住職。

キース 「すみませんでした、とでも言えないだろうか」
シロエ 「そうするには理由が必要ですよ?」
サム  「インフルエンザは、そうそう使えねえからなあ…」
スウェナ「間違えちゃダメよ、あれは本当だったんだから」

マツカは天然だったのよね、とスウェナちゃんの指摘。

スウェナ「真面目に心から心配したのよ、そこが大切!」
??? 「うん、あの時はありがとう!」

感謝してるよ、とソルジャー(会話表記はAブルー)登場。

一同  「「「ひぃぃっ!!!」」」
Aブルー「なにさ、御礼を言ってるのにさ…。失礼だよね」

まあ、手土産は持ってないけど、とソファに、ちゃっかり。

Aブルー「ぶるぅ、ぼくにも紅茶とケーキ!」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ ゆっくりしていってね!」

お客様だぁ! と飛び跳ねてゆく、元気なお子様。

キース 「……来やがったのか……」
Aブルー「ご挨拶だねえ、来ちゃダメなのかい?」
キース 「あんた、いったい、何しに来たんだ!」
Aブルー「決まってるだろう、お花見だよ!」

桜の名所を見て来た帰り、とソルジャー、ニコニコ。

Aブルー「一人でのんびり桜もいいしね」
キース 「だったら、一人で行ってくれ!」

花見は是非とも一人で頼む、と副住職。

キース 「そうしてくれれば、俺たちの方も助かるからな」
Aブルー「えっ、一人って…。何の話さ?」
キース 「だから日曜日の花見の件だ!」
Aブルー「日曜日?」

それが何か、と首を傾げてますけど。
もしや、藪蛇…?


2020/04/07 (Tue)

 

☆言い間違えたんです


次の日曜日はマツカ君の別荘でお花見、断りたいのがゲスト。
迷惑なソルジャー御一行様、其処へソルジャー登場でして…。

Aブルー「日曜日に何かあるのかい?」
キース 「い、いや、それは…。すまん、俺の勘違いだ」
Aブルー「お花見の件って、聞こえたような気がするけど…」
キース 「ち、違う、花祭りと言いたかったんだ!」

お釈迦様のお誕生日でな…、と副住職、必死の言い訳。

キース 「お釈迦様の像に甘茶を供えて、お祭りするんだ」
マツカ 「そうです、真っ白な象も定番ですよね」
Aブルー「象っていうと…。あの、鼻が長い動物かな?」
マツカ 「ええ、ハリボテの象を子供が引いたりしますよ」

幼稚園を併設しているお寺に多いですね、と御曹司の助け舟。

マツカ 「四月と言ったら花祭りなんですよ、お寺では」
キース 「その花祭りを、ウッカリ言い間違えたんだ」

お釈迦様、申し訳ございません、と副住職が繰る数珠レット。

キース 「俺としたことが、酷いミスだった…」
マツカ 「やっぱり、帰ったら罰礼ですか?」
キース 「ああ、自主的にやることにする」

御本尊様の前で百回ほど五体投地だな、と副住職。

キース 「花祭りと花見を間違えるなどは、失礼すぎるし…」
マツカ 「そうですね。次から気を付けて下さいよ」
キース 「まったくだ」

罰礼はキツイが、仕方ないな、とキース君、深い溜息。

キース 「というわけで、日曜日の件は花祭りだ」
Aブルー「えっと…。白い象が定番なんだよね?」
マツカ 「それと小さなお釈迦様の像ですよ」

その像に甘茶をかけるんです、と御曹司の説明。

マツカ 「お釈迦様の誕生を祝うんですよ」
Aブルー「なるほどねえ…」

誕生日だったら固定なんじゃあ、とソルジャーの疑問。

Aブルー「そのお祭りなら、見たんだけどね?」
一同  「「「えっ?」」」
Aブルー「白い象を子供が引っ張ってたよ?」

確かに見たよ、と言ってますけど。
これはヤバイのでは…?


2020/04/08 (Wed) 

 

☆前倒しが基本


次の日曜日はマツカ君の別荘でお花見、ゲストは断りたい所。
けれどソルジャーがやって来まして、話を聞いていたようで。

Aブルー「賑やかに象を引っ張った後は、お茶を飲んでたね」
シロエ 「お抹茶ですか?」
Aブルー「甘い、って喜んでたけれど?」

あれを甘茶と言うんじゃないかな、とソルジャーが傾げる首。

Aブルー「仏像にだってかけていたしね、そのお茶を」
一同  (((ヤバイ…)))

それは本物の花祭りだ、と誰もがガクブル。

Aブルー「お寺というのは、そういう日付にうるさいよね?」
キース 「そうでもないぞ。基本、前倒しで振り替えるんだ」
Aブルー「前倒し?」
キース 「ああ。仏事は前に振り替えるのが大原則だ」

後ろには延ばさないものだ、と副住職の解説が。

キース 「法事も月参りも、振り替えるんなら早めだな」
Aブルー「ふうん…? だったら、花祭りもさ…」

前倒しでないとダメなんだよね、とソルジャーの指摘。

Aブルー「次の日曜だと、延長したことになるけれど?」
一同  (((うわー…)))

大失言だ、とキース君に集中する視線。

Aブルー「おかしいねえ…。アドス和尚は厳しい筈なのに」
キース 「そ、それは…」
Aブルー「ズバリ、お花見の計画だろう?」

ぼくにも一人で行けと言ったし、と赤い瞳に鋭い光が。

Aブルー「隠していないで吐きたまえ!」
キース 「違う、誓って花見などでは…!」
Aブルー「だったら、参列させて貰うよ、花祭りにね」

甘茶を飲んでみたいからさ、と言い出した人。

Aブルー「ぼくは、甘いものなら、何でもオッケー!」
キース 「なら、ティーバッグをプレゼントする!」

親父が貰って来ていたからな、と副住職、必死。

キース 「璃母恩院の花祭りで配った残りを、ドッサリ」
Aブルー「残りってことは、済んでるじゃないか、花祭り」
キース 「うっ…」
一同  (((詰んだ…)))

なんてこった、と一同、ガックリ。
まさに失言としか…。


2020/04/09 (Thu)

 

☆失言の結果は


次の日曜日はマツカ君の別荘でお花見、断りたいのがゲスト。
けれどソルジャーがやって来まして、話を聞いていたわけで。

Aブルー「花祭りが済んでいるってことはさ、お花見だよね」
キース 「い、いや、それは…!」
Aブルー「だったら、心を読んでもいいかな?」

今まで控えていたんだけどさ、と赤い瞳がキラリーン! と。

Aブルー「何もやましい所が無いなら、平気だろう?」
キース 「読んで何をすると?」
Aブルー「もちろん、みんなに生中継だよ!」

君が考えていることを…、とソルジャー、ニンマリ。

Aブルー「隠し事から、今月の月参りのスケジュールまで!」
キース 「ま、待ってくれ…!」
Aブルー「じゃあ、本当のことを話したまえ」

日曜日はお花見に行くんだろう、とソルジャー、ズズイと。

Aブルー「何処へ行くのか、何をするのか、予定を全部!」
キース 「わ、分かった、実はマツカの別荘で…」

プロの料理で露店も出るんだ、と全てを吐いた副住職。

Aブルー「ふうん…。ぼくたちを締め出すつもりだった、と」
キース 「す、すまん…!」
Aブルー「きっと、マツカなら、そうは言わないよねえ?」

ぼくたちを気遣ってくれる筈だよ、と御曹司に視線を。

Aブルー「マツカ、その辺はどうなのかな?」
マツカ 「ええ…。SD体制で苦労してらっしゃいますし…」
Aブルー「ということは、呼んでくれるわけ?」
マツカ 「もちろん、手配させて頂きますよ」

キャプテンとぶるぅの分も、と御曹司の笑顔。

マツカ 「皆さんでお越し下さいね」
Aブルー「ありがとう! それじゃ、日曜日に!」

またねー! と手を振ってパッと消えた人。

シロエ 「キース先輩、どうするんですか、この落とし前を」
サム  「まったくだぜ。次から次へと失言かましやがって」
ジョミー「終わってるよね、もう本当に疫病仏だよ」
キース 「すまない、俺が悪かった…」

この通りだ、と土下座していますけど。
謝って済む問題だと…?


2020/04/10 (Fri) 

 

☆世話係は如何


次の日曜日はマツカ君の別荘でお花見、ソルジャーまで参加。
かてて加えてキャプテンにぶるぅ、フルに面子が揃うわけで。

シロエ 「すまなかった、で済めば警察は要らないんですよ」
サム  「うんうん、世の中、乱れるってな」
スウェナ「どうすればいいのかしら、この疫病仏…」

お祓いってわけにもいかないわよねえ、とスウェナちゃん。

スウェナ「きっとお祓いしても無駄だし、災難だわよ」
ジョミー「誰かさんも大概だけどさ、キースもさ…」
シロエ 「ダテにセットじゃないですよねえ、疫病仏の」

疫病如来と疫病菩薩、とシロエ君も特大の溜息。

シロエ 「詫びて貰っても、もう取り返しがつきませんよ」
ジョミー「罰に不参加っていうのはどうかな、キースだけ」
サム  「いいよな、ソレ! ぼっちで留守番!」
マツカ 「でも…。諸刃の剣じゃないでしょうか、それは」

災いだけ残ってしまうのでは…、とマツカ君、心配そうな顔。

マツカ 「セットものをバラすと、良くない気がします」
シロエ 「あー…。祟りがあるとか、そういうのですね」
マツカ 「そうなんですよ、仮にも疫病仏ですからね…」

もう片方が暴れないでしょうか、と不吉すぎる台詞が。

マツカ 「なにしろ、他にも二人いらっしゃいますから…」
サム  「キャプテンと悪戯小僧の二人な…」

火に油かもしれねえなあ、とサム君が仰ぐ天井。

サム  「どうすりゃいいんだよ、詰んだぜ、マジで」
ジョミー「じゃあさ、お世話係はどうかな?」
一同  「「「お世話係?」」」

なんだそれは、と誰もがキョトン。

シロエ 「お世話係って、誰が何をするんです?」
ジョミー「ズバリ、キースが添乗員だよ!」

ゲスト専属の、とジョミー君。

ジョミー「誰かさんたちの引率係で、思いっ切り下僕!」
シロエ 「なるほど、丸投げするわけですね?」
ジョミー「そう! トラブルも全部!」
一同  「「「イイネ!」」」

いいんじゃないか、と歓声ですけど。
添乗員…?


2020/04/11 (Sat)

 

☆任せてしまえば


次の日曜日はマツカ君の別荘でお花見、嫌すぎるゲストまで。
キース君の失言が原因だけに、責任が問われるわけでして…。

サム  「添乗員かよ、でもって、お世話係なのな?」
スウェナ「安心だわねえ、専属の係がつくっていうのは」
ジョミー「全部キースに任せちゃえばさ、少しはマシだよ」

いくら相手が誰かさんでも…、とジョミー君が立てる親指。

ジョミー「何か言われたら、キースに振ってしまえばいいし」
シロエ 「えーっと…? ぶるぅがお世話好きですけど?」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ おもてなし、大好きだよ!」
ジョミー「その辺は誤差の範囲だよ」

やりたいんなら、それはいいと思う、とジョミー君。

ジョミー「でもさ、他にも絶対、色々、言い出すからさ…」
サム  「間違いねえなあ、それをキースに投げるのな?」
ジョミー「キースがバラしちゃったんだしねえ、お花見を」
キース 「す、すまん…」

申し訳ない、と詫びてますけど、集まる視線は氷点下。

シロエ 「詫びて済む問題じゃない、って言いましたよね?」
キース 「それは重々、承知しているが…」
ジョミー「だったら、添乗員を頑張ってよね!」
キース 「引率と世話をするんだな?」

努力してみる、と副住職。

キース 「とことん下僕で、言いなりになれ、と…」
ジョミー「そう! 責任は取って貰わないとね」
キース 「分かった、なんとかやってみよう」

ただし相手は斜め上だが…、と副住職が抱える頭。

キース 「常識の範囲で収まらない気がするんだが…」
シロエ 「だからこその添乗員ですよ」

ツアーとかだって、そうですよね、とシロエ君。

シロエ 「想定外の人は、何処にだっています!」
サム  「うんうん、マツカに頼っていねえで頑張れよな」
マツカ 「出来るだけフォローはしますけど…」
ジョミー「そこは放置でいいんだってば!」
キース 「マツカの別荘に行くんだが!」

フォロー無しでは…、とキース君、顔面蒼白。
放置されると?


2020/04/12 (Sun)

 

☆フォローは無しで


次の日曜日はマツカ君の別荘でお花見、避けられないゲスト。
キース君に振ってしまえ、と添乗員をさせることに決定で。

ジョミー「添乗員ってヤツにさ、フォローは無いよね」
シロエ 「ありませんねえ、何から何まで、よろず屋ですよ」

お客様の下僕ですよね、とシロエ君、キッパリ。

シロエ 「国内だったら、夜間はお休みで済みますけど…」
サム  「海外じゃ、そうはいかねえよなあ」
マツカ 「大変らしいですよ、夜中でも叩き起こされて」

運が悪いと大使館まで行かされたりと…、と御曹司。

シロエ 「大使館ですか?」
マツカ 「夜中に外出したお客様が、パスポートをですね…」
スウェナ「盗まれるわけね?」
マツカ 「失くすケースも多いようですよ、酔っ払って」

そうなると大使館ですよね、と御曹司、深い溜息。

マツカ 「でもって、最終日まで振り回されます」
サム  「再発行だけじゃ済まねえのかよ?」
マツカ 「日程によっては間に合いませんし、そうなると…」
シロエ 「お客様だけ出国できない展開ですね?」

でも、他の人は帰れるんですし…、とシロエ君も溜息を。

シロエ 「迷惑すぎる話ですけど、ありそうですよね…」
マツカ 「ええ。でも、添乗員は普通、一人ですから…」
スウェナ「どうするのよ?」
マツカ 「そこで手腕を問われるんですよ、添乗員の」

プロなら解決してこそです、と御曹司、キッパリ。

マツカ 「そしてキースに求められているのも、それですね」
キース 「なんだって?」
マツカ 「フォローは無しで、という声が出ていますから…」

この際、頑張ってみて下さい、と穏やかな笑み。

マツカ 「お花見のお世話をするだけですから、楽勝ですよ」
キース 「…怖いキャラの方になっていないか、お前」
マツカ 「そうですか? 皆さんの声を聞いただけですけど」
キース 「しかしだな…!」
マツカ 「大丈夫ですよ、キースなら」

次の日曜日が楽しみですね、とニッコリ。
さて、どうなる?


2020/04/13 (Mon) 

 

☆いよいよ添乗員


やって来ました、マツカ君の別荘へお花見に出掛ける日曜日。
生徒会長のマンション前に集った面々、浮かれていまして…。

ジョミー「いい天気だよねえ、最高のお花見日和だよ!」
サム  「暑くなるって予報でもねえし、ちょうどいいよな」
マツカ 「別荘の桜も満開だそうです、ピッタリでしたね」
一同  「「「やったー!」」」

お花見だ、と万歳の声が響く中、キース君だけが浮かない顔。

キース 「…ツイていないな…」
ブルー 「自業自得と言うんだろう? ほら、ぶるぅ」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ はい、コレ、キースの腕章ね!」
キース 「腕章だって?」

ポカンとするキース君の腕に、サクサク取り付けられた腕章。

シロエ 「あっ、いいですね、添乗員って書いてありますね」
ぶるぅ 「こうしておいたら、誰が見たって分かるでしょ?」
ブルー 「ぶるぅが手作りしたんだよ。はい、名札もつけて」
ぶるぅ 「オッケー! 動かないでね、キース!」

安全ピンの針が刺さっちゃうから、と胸に付けられた名札。

スウェナ「素敵ね、添乗員だと一目で分かるわ!」
マツカ 「別荘の人にも、ちゃんと連絡してありますから」

添乗員がつく話を…、と抜かりないのが御曹司。

サム  「おっ、マジでキースに丸投げなのな?」
マツカ 「ええ。何かあったら、そちらに、と伝えました」
キース 「お、おい…。まさか、別荘でもフォロー無しか?」
マツカ 「皆さん、そういう意向だったでしょう?」

頑張って解決して下さいね、とマツカ君、ニッコリ。

??? 「こんにちはーっ!」
??? 「本日は、お世話になります」

ソルジャー、キャプテン、ぶるぅ(会話表記はAつき)登場。

マツカ 「ようこそ。お世話は、キースがしますから」
Aブルー「へえ? あっ、添乗員をしてくれるんだ?」
マツカ 「何でも、遠慮なくお申し付け下さいね」
キース 「そ、そんな…!」

そんな無茶な、と慌ててますけど。
添乗員なら、乗り切るしか…。


2020/04/14 (Tue) 

 

☆添乗員のお仕事


いよいよマツカ君の別荘へお花見に出発、お天気の方も最高。
迷惑なゲストはキース君に丸投げ、添乗員という腕章なども。

Aブルー「ちょっと聞くけど、添乗員って何をするのかな?」
マツカ 「えっと…? ご質問の意味が、掴めませんが」

添乗員は添乗員ですよ、と御曹司、目をパチクリと。

マツカ 「平たく言えばお世話係で、色々なことを…」
シロエ 「お客様のためにするのが、添乗員ですね」

快適な旅を楽しんで頂くために…、とシロエ君も横から参加。

シロエ 「ご注文から困りごとまで、なんでも引き受けます」
Aブルー「そうなんだ? 添乗員とは縁が無くてねえ…」
A船長 「なにしろ、ミュウはツアーに参加できませんから」
ジョミー「そっか、旅行どころじゃないもんね」

毎日が命の危機なんだっけ、とジョミー君。

ジョミー「こっちでもツアーに行ってないわけ?」
Aブルー「当たり前だよ、時間を拘束されちゃうからね」

ぼくはともかく、ハーレイが無理、とソルジャーの溜息。

Aブルー「豪華寝台列車の旅とか、良さそうだけどさ…」
A船長 「日程に合わせて休暇を取るのは、無理なんですよ」
Aブルー「クルーズにも憧れちゃうんだけどねえ…」
A船長 「我々とは縁が無さそうですね」

添乗員とも御縁が無いんですよ、とキャプテンも。

A船長 「ですから、今回が初になります」
シロエ 「いいですね! 是非、こき使ってやって下さい!」
キース 「お、おい…!」
シロエ 「文句を言う権利は無い筈ですよ」

頑張って添乗して下さい、とキース君の背中をバンッ! と。

シロエ 「さあ、マイクロバスに乗りましょうか」
マツカ 「そうですね。皆さん、どうぞ」

あちらに用意してあります、と御曹司が指差す立派なバス。

Aブルー「ありがとう! 桜が楽しみだよね!」
マツカ 「ちょうど満開らしいですよ」
Aブルー「キース、添乗員をよろしく!」

そっちも楽しみ、とソルジャー、バスへ。
キース君、大丈夫…?


2020/04/15 (Wed) 







 

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