☆お坊さんの日常
さて、五月。ゴールデンウイークも無事に終わった、平日。
学校をサボッたシャン学メンバー、生徒会長宅でのんびりと。
シロエ 「平和でしたね、今年のゴールデンウイークは」
サム 「うんうん、シャングリラ号で豪華な休日な!」
ジョミー「宇宙でクルーズっていうのもいいよね!」
海の上とは違うけどさ、と思い出話に花が咲いてまして。
キース 「まさに命の洗濯だったな、朝晩のお勤めも無くて」
スウェナ「そんなの、キースしかやってないわよ」
マツカ 「あれっ、ブルーはどうなんですか?」
お坊さんですよ、とマツカ君が傾げる首。
マツカ 「おまけに伝説の高僧ですしね、お勤めだって…」
ブルー 「やらないわけにはいかないけどさ…」
キースとは事情が違うんだよね、と生徒会長が見回す部屋。
ブルー 「誰かさんが法要をやらかす時には、此処だけど…」
ぶるぅ 「普段のお勤め、和室だよ!」
マツカ 「あそこだと、何か変わるんでしょうか?」
ブルー 「元老寺の本堂と比べてくれたまえ!」
広さからして違うんだけど、と生徒会長。
マツカ 「そうですが…。そうなると、何が変わるんです?」
ブルー 「お供えしてある花のサイズから、何もかもがだね」
香炉も遥かに小さいしさ、と言われてみれば、その通り。
マツカ 「小さくなると、どうなるんでしょう?」
ブルー 「灰作務にかかる手間が違うね」
一同 「「「ハイサム?」」」
ブルー 「香炉の灰を整えるんだよ、綺麗にキッチリ」
元老寺サイズだと、それだけでも時間が…、とクスクスと。
ブルー 「ぼくの家だと、簡単だけどさ」
キース 「言わないでくれ…。気が滅入って来た」
今朝も親父に怒鳴られたんだ、とキース君、深い溜息。
シロエ 「ヘマしたんですか?」
キース 「不幸な事故だ、灰作務の時にクシャミがな」
サム 「ヤベえじゃねえかよ」
キース 「ああ。灰が思いっ切り…」
飛び散ったんだ、と聞いて一同、ガクブル。
それは大変…。
2020/05/01 (Fri)
☆大掃除なレベル
学校をサボッて生徒会長宅でのんびり、シャン学メンバー。
シャングリラ号での休日の話から、キース君の朝のお勤めへ。
サム 「香炉の灰を、クシャミでぶちまけたのな…」
キース 「相手は灰だし、こう、ブワッとな…」
俺も灰まみれだが、あちこち悲惨で…、と副住職。
キース 「花も仏具も、床も一面、灰だらけに…」
一同 「「「うわー…」」」
大惨事だ、と一同、ドン引き。
ジョミー「それって、後始末が大変だよね?」
キース 「後始末というレベルではないぞ、あそこまでだと」
シロエ 「どうなるんですか?」
キース 「大掃除に近いものがあったな、本堂だぞ?」
天井からも飾りがジャラジャラ、と指差す天井。
キース 「アレにも灰が飛び散ったわけで、親父がだな…」
サム 「まさか、磨けと言われたのかよ?」
キース 「そこまでではないが、ハタキをかけろ、と…」
まず、そこからだと言われたんだ、という後始末。
キース 「だが、その前に作務衣に着替えて、雑巾も用意で」
シロエ 「それは確かに大掃除ですね…」
マツカ 「クシャミ一つで、そうなるんですか…」
怖いですね、と御曹司も。
マツカ 「するとやっぱり、ブルーの場合は…」
キース 「楽だろうなあ、掃除機だって使えるからな」
ぶるぅ 「んとんと…。ぼくは箒でもいいんだけど…」
キース 「ああ、俺にも、こういうのがいれば!」
そうすれば、楽に暮らせるのに…、と副住職の嘆き。
キース 「今朝の灰作務の後始末だって、楽勝なんだ!」
ぶるぅ 「えっと…。お手伝いなら、行ってもいいよ?」
キース 「なんだって?」
ぶるぅ 「呼んでくれたら、お手伝い!」
ぼくはお掃除、大好きだもん、と「そるじゃぁ・ぶるぅ」。
ぶるぅ 「困った時には、思念波でオッケー!」
キース 「本当か?」
ぶるぅ 「うんっ、お掃除、お手伝いする!」
キース 「ありがたい…!」
そうしてくれると非常に助かる、と大感激。
お手伝いですか…。
2020/05/02 (Sat)
☆無料だとマズイ
学校はサボって生徒会長宅でのんびりな、シャン学メンバー。
けれど朝から大変だったのが、お坊さんなキース君でして…。
キース 「ぶるぅが手伝いに来てくれるなら、大掃除でも…」
ぶるぅ 「うんっ、安心して任せてね!」
キース 「なんて有難い話なんだ…!」
これで親父も怖くないぞ、と大喜びな副住職ですけれど。
ブルー 「ちょっと待った! その前に一つ、相談がね」
キース 「相談…?」
ブルー 「バイト料だよ、どれだけ出せる?」
時給じゃなくて、もっと細かく、と割って入った生徒会長。
キース 「有料なのか?」
ぶるぅ 「んとんと…。お掃除大好きだし、タダでいいよ?」
ブルー 「ダメダメ、掃除はキースの修行なんだから!」
それを助けるなら、無料はちょっと…、と銀青様モード。
ブルー 「お布施じゃないけど、タダはマズイね」
ぶるぅ 「そっかぁ…。お掃除、修行だったっけ…」
下っ端のお坊さんがやってるもんね、と無邪気なお子様。
ぶるぅ 「だったらタダだと、邪魔しちゃうんだ…」
ブルー 「そういうこと! キースのためにはならないよ」
しっかり料金を頂きたまえ、と生徒会長、いえ、銀青様。
ぶるぅ 「分かったぁ! でも、いくら貰うの?」
ブルー 「そこの所は、ぼくがキースと相談するよ」
さて、キース…、と副住職の方に向き直りまして。
ブルー 「とりあえず、一分、いくらってことで」
キース 「一分だって?」
ブルー 「当然じゃないか、時給だと割に合わないよ」
ぶるぅなんだし…、と生徒会長、腕組みを。
ブルー 「家事はプロ級、おまけにサイオン持ちで有能!」
シロエ 「確かに、普通の人の尺度じゃ測れませんね」
一時間もあれば、大掃除が出来ます、とシロエ君も。
シロエ 「一分あたりの料金を決めるべきですね」
サム 「うんうん、聞いたこともねえけど、分給な!」
キース 「分給なのか…?」
それはそうかもしれないが…、と考え込む人。
分給ですか…。
2020/05/03 (Sun)
☆お得そうなプラン
平日なのに生徒会長宅でのんびり、お気楽シャン学メンバー。
けれどキース君だけ朝から災難、アドス和尚に叱られた事件。
シロエ 「有料だろうが分給だろうが、価値はありますよ」
サム 「そうだぜ、ぶるぅが来てくれるんだしよ」
どんなに散らかってもアッと言う間に、とサム君たち。
サム 「仏具なんかはピカピカじゃねえの?」
ジョミー「だよねえ、ササッと磨いてくれそう!」
ぶるぅ 「仏具は梅酢で磨くと綺麗になるんだよ!」
おまけにエコだし、と銀青様の同居人だけあって流石な知識。
ぶるぅ 「天井の飾りも磨けちゃうもんね、凄いんだから!」
キース 「そこまでやってくれるのか?」
ぶるぅ 「時間を決めてお掃除するなら、いくらでも!」
時間内なら、お掃除するよ、と「そるじゃぁ・ぶるぅ」。
ぶるぅ 「1分刻みになるんだったら、最後の1秒まで!」
シロエ 「キース先輩、お得だと思いますけどね?」
スウェナ「頼んじゃうべきよ、悩んでないで!」
マツカ 「分給ですから、ものは考えようですよね」
時給で60分の分を払うよりは…、と御曹司も。
マツカ 「掃除を頼む範囲によっては、5分かもですし」
サム 「言えてるよな、ソレ」
ジョミー「5分で済むのに、1時間分は要らないよね…」
5分どころか3分かも、と言われてみればその通りでして。
キース 「3分か…。なんと言っても、ぶるぅだからな」
ぶるぅ 「時間優先なら、うんと頑張ってお掃除するよ!」
3分だったら、3分の間、と飛び跳ねるお子様。
ぶるぅ 「サイオンも使って、手早くキッチリお掃除!」
シロエ 「ほら、超有能じゃないですか!」
ケチるべきではありませんね、とシロエ君、プッシュ。
シロエ 「会長と交渉するべきですよ、お値段の方を」
キース 「やはり、そうするのが吉か…」
ジョミー「オススメだってば、今後のためにも!」
キース 「確かにな…」
親父がキレるとマジで怖いし、と副住職。
交渉しますか…?
2020/05/04 (Mon)
☆頼んでおいた方が
平日も生徒会長宅でのんびり、学校はサボリな面々ですけど。
キース君だけ朝から災難、アドス和尚に叱られた件が問題で。
ジョミー「今朝は香炉の灰だったけどさ、次は花瓶かも…」
サム 「雑巾バケツをひっくり返すかもしれねえぜ」
一同 「「「うわー…」」」
それもありそう、と誰もが震える、本堂で起こりそうな事故。
スウェナ「バケツは悲惨すぎだわねえ…」
シロエ 「でも、起こらないとは言い切れませんよ?」
掃除の間、本堂は全開なんでしょう、とシロエ君。
シロエ 「障子も扉も開け放っている筈ですからね」
キース 「当然だろうが、でないと埃が出ていかないぞ」
シロエ 「そこですよ。出られるってことは、逆もあります」
一同 「「「逆?」」」
どういう意味だ、と一同、キョトン。
サム 「アレかよ、突風で埃が逆戻りかよ?」
シロエ 「もちろん、それもあるでしょうけど…」
もっと厄介なモノがあります、とシロエ君が立てる人差し指。
シロエ 「境内が散歩コースな猫とか、いますよね?」
キース 「ああ、常連なら、けっこういるが」
シロエ 「それが本堂に入って来ないと言い切れますか?」
キース 「うっ…」
確かに、たまに覗いているな、と副住職。
キース 「此処はダメだ、と叱ってるんだが…」
シロエ 「気付けば、そうして叱れますけど…」
サム 「気付かなかったら、入っちまうよな…」
でもって、そこらで爪を研ぐとか、とサム君、ブルッ。
サム 「アドス和尚がブチ切れるぜ、ソレ」
シロエ 「でしょう? そして怒鳴って、追い出したら…」
サム 「雑巾バケツをひっくり返して行くわけな…」
一同 「「「あー…」」」
マジでありそう、と納得するしかない展開。
ジョミー「ヤバイよ、ぶるぅに頼むべきだよ」
シロエ 「起こってからでは遅いですしね、今朝と同じで」
キース 「この際、頼むべきなのか…?」
分給だろうが、と考え込んでいる副住職。
それがいいのでは?
2020/05/05 (Tue)
☆治外法権な世界
学校はサボって生徒会長宅な、シャン学メンバーですけれど。
今の話題はキース君を見舞った災難、朝の本堂で起きた事故。
シロエ 「クシャミ一つで、大変だったわけですからねえ…」
マツカ 「雑巾バケツがひっくり返れば、大惨事ですね」
サム 「しかもキースには、まるで責任、ねえのになあ…」
やらかしたのが猫の場合は、とサム君、冷静な指摘。
サム 「それでもアドス和尚がキレるの、間違いねえし…」
ジョミー「絶対、キースに八つ当たりだよね…」
シロエ 「猫に当たったら、動物虐待になりますからね」
たとえ相手が野良猫でもです、とシロエ君も。
シロエ 「その上、誰かに目撃されたら、警察沙汰ですよ」
スウェナ「動物虐待、犯罪になっているものねえ…」
ジョミー「それを言うなら、キースにやっても虐待だよ?」
児童相談所の出番じゃないかな、とジョミー君の意見。
ジョミー「確か高校生の場合は、通報できたと思うけど…」
キース 「そういう仕組みになってはいるが、だ…」
シロエ 「キース先輩の場合、実年齢が問題ですよ」
一同 「「「あー…」」」
そうだったっけ、と誰もが指差す自分の顔。
マツカ 「見かけも身分も、高校一年生ですけれど…」
キース 「生憎、戸籍の年齢の方は、そうなっていない」
児童相談所の管轄外だ、と副住職の大きな溜息。
キース 「ついでに坊主の修行の場合は、そういうのはだ…」
シロエ 「治外法権なんですね?」
キース 「でないと、修行にならないからな!」
座禅の宗派だと、入門の儀式でアウトになるし、と副住職。
キース 「一度は必ず、力ずくで放り出されるものだ」
一同 「「「うわー…」」」
そこまでなのか、と一同、ガクブル。
シロエ 「ということは、キース先輩の場合も…」
キース 「親父が俺に何をしようが、セーフだな」
サム 「やっぱ、ぶるぅによ…」
ジョミー「分給でさ…」
お助けバイトを頼むべきだよ、と高まる声。
その方が…。
2020/05/06 (Wed)
☆お供え物も危険
学校はサボリで生徒会長宅でのんびりな、シャン学メンバー。
キース君だけが朝から災難、アドス和尚に叱られた件が問題。
ジョミー「ぶるぅにバイトを頼んでおけばさ、安心だよね」
サム 「困った時には、一瞬で来て貰えるしよ…」
シロエ 「分給でバイトって話になるほど、有能ですしね」
キース 「やはり、頼んでおくのが吉か…」
確かに今後もリスクは高い、と副住職。
キース 「俺が気を付けていても、猫はどうにもならんしな」
サム 「そうだぜ、今でも覗いてるんなら、危ねえよ」
マツカ 「お供え物もありますからね…」
シロエ 「でも、猫がお供え物を食べますか?」
魚も肉もありませんよ、とシロエ君が言う、お供え物。
シロエ 「お供えするのは、精進料理なんでしょう?」
マツカ 「お膳は精進料理でしょうけど、他の物ですよ」
一同 「「「へ?」」」
マツカ 「果物以外にも、色々、供えていますよね?」
檀家さんからのお供え物を…、と御曹司。
キース 「ああ。頂戴したものは、御本尊様に…」
マツカ 「お菓子も多いと思いますけど?」
サム 「あー! 菓子は食うかもしれねえな、猫…」
スウェナ「カステラとかは、好きそうだわねえ…」
ケーキが好きな猫もいるもの、とスウェナちゃんも。
スウェナ「それを盗みに入った場合は、大惨事でしょ?」
ジョミー「盗んで逃げてくれればいいけど、その場でさ…」
シロエ 「食べるってこともありますからね…」
そうなると、更に散らかりますよ、とシロエ君、溜息。
シロエ 「マツカ先輩の言う通りです、猫は危険です」
キース 「そこまでは考えていなかった…」
親父の怒りが目に浮かぶようだ、と副住職、肩をブルッと。
キース 「片付けておけ、と怒鳴り散らすんだな…」
サム 「ぶるぅに頼めよ、分給でよ」
キース 「助っ人を、頼むか…」
ブルー 「いいよ、いくらまで出せるんだい?」
まずは値段の交渉から、と生徒会長、ニッコリと。
高そうですね…?
2020/05/07 (Thu)
☆値段の交渉から
学校はサボリなシャン学メンバー、生徒会長宅でのんびりと。
けれど朝から災難だったキース君が問題、バイトが要りそう。
ブルー 「ぶるぅを貸すのは構わないけど、まず金額だね」
キース 「あんたの言い方が、引っ掛かるんだが…」
どうにも不安だ、と副住職が曇らせる顔。
ブルー 「不安って…。ぼくは明朗会計だよ?」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ 要るんだったら、領収書もね!」
ちゃんと出すよ、と「そるじゃぁ・ぶるぅ」も。
ぶるぅ 「経費で出るなら、その方がいいし…」
キース 「親父が出すわけないだろう!」
ブルー 「そうだろうねえ、君の自腹かと」
だからきちんと交渉を…、と生徒会長が取り出す電卓。
ブルー 「分給の件はもう確定だし、いくらにするかを」
キース 「いくらまで出せるか、聞かなかったか?」
ブルー 「聞いたけど?」
キース 「そこが不安だと言うんだ、俺は!」
限界まで毟られそうな気がして…、とキース君、ブツブツ。
キース 「俺の月々の小遣いから出せる、限界までな!」
ブルー 「もちろんだってば!」
だって、ぶるぅを派遣するんだよ、と生徒会長、ニッコリ。
ブルー 「誰もが認める有能ぶりだし、高くて当然!」
シロエ 「えっと…。キース先輩から毟るんですか?」
ブルー 「失礼だねえ、明朗会計だと言った筈だよ」
頂けるものは、きちんと頂く、と人差し指をチッチッと。
ブルー 「ぼったくりとは違うんだしさ、一緒にしないでよ」
キース 「だが、似たようなものだろうが!」
人の弱みにつけこみやがって…、と副住職も必死。
キース 「あんたがその気なら、俺だって値切る!」
ブルー 「なるほどねえ…」
それも正しい交渉だよね、と生徒会長、うんうん、と。
ブルー 「でも、その前に、ぼくの言い値を決めないとね」
キース 「どういう基準で決めるんだ!」
ブルー 「いくら出せるのか、そこからだよ」
限界を教えてくれたまえ、と偉そうな態度。
毟る気ですね…。
2020/05/08 (Fri)
☆計算方法が問題
出席義務が無いシャン学メンバー、学校はサボリですけれど。
今朝は災難だったキース君、生徒会長と交渉が始まりそうで。
キース 「俺の限界というのは何だ!?」
ブルー 「さっき自分で言ったじゃないか、お小遣いから…」
シロエ 「出せる限界のことみたいですよ、キース先輩」
どうぞ御利用は計画的に、とシロエ君、完全に傍観モード。
シロエ 「月に何回、バイトを頼むか謎ですしねえ…」
キース 「そうそう何度も頼んでたまるか、猫なんぞで!」
サム 「でもよ、猫って頭がいいぜ?」
スウェナ「そうよね、一度、美味しい餌場を覚えたら…」
二回、三回とやって来るものなのよ、とスウェナちゃん。
スウェナ「躾けて境内猫にするまで、犯行が続くと思うわ」
キース 「境内猫?」
スウェナ「一種の地域猫だわね。境内で飼うのよ」
餌場を決めれば、荒らされないわ、と猫問題の解決策が。
スウェナ「それまで、ぶるぅに何回頼むか、そこが問題よ」
サム 「躾けるまでって、けっこうかかるぜ」
シロエ 「その前に、猫の餌代ですよ」
月々、どのくらいになるんでしょうか、とシロエ君の疑問。
シロエ 「特売の時に買うにしたって、出費は要ります」
マツカ 「躾けるんなら、特別におやつも要りますよ」
ジョミー「カリカリじゃなくて、猫缶とかかぁ…」
スウェナ「要るわね、それも」
でもって、躾けた後も常備よ、とスウェナちゃんの意見。
スウェナ「本堂に入れて攻撃、来る筈だもの」
キース 「何なんだ、それは?」
スウェナ「たまには入れてよ、って強請られるのよ」
断っても、スルリと入り込むわよ、と指摘な猫の特性。
スウェナ「そういう時には、おやつで釣って出さないと」
一同 「「「あー…」」」
おやつも要るな、と誰もが納得。
シロエ 「キース先輩、キャットフードと、おやつ代です」
ジョミー「必須だよねえ…」
キース 「くっそぉ…」
そこから計算を始めるのか、と唸ってますけど。
餌代ですか…。
2020/05/09 (Sat)
☆猫だらけはマズイ
平日でも生徒会長宅でのんびり、サボりなシャン学メンバー。
キース君だけが朝から災難、そこからバイトを頼む件が浮上。
ジョミー「キャットフードとおやつ、けっこう高いよね?」
シロエ 「毎月となると、それなりにかかってくるでしょう」
ブルー 「そういうことだね、境内猫にするのなら」
それから獣医さんの費用、と生徒会長、追い打ちを。
キース 「獣医だと?」
ブルー 「当然じゃないか、増殖してもいいのかい?」
キース 「そ、それは…」
非常に困る、と副住職の渋面。
キース 「増えれば餌代も嵩むわけだし、悪戯の恐れも…」
ブルー 「もちろんググンとアップするよね、特に子猫は」
サム 「ついでにアレだぜ、親父さんな」
猫まみれでも許してくれるのかよ、とサム君のツッコミ。
サム 「境内猫なら御愛嬌だろうけど、猫だらけはよ…」
スウェナ「一部のマニアには人気だわよね、猫寺で」
ジョミー「でもさあ、檀家さん的には、どうなのかな?」
ブルー 「そっちの方も人によるよね、いくら猫好きでも…」
猫寺までいくとどうだろうか、と生徒会長、思案顔。
ブルー 「しかもガンガン増えていくんだよ、放置するとね」
シロエ 「そういうの、なんて言うんでしたっけ…?」
マツカ 「飼育崩壊ですね、多数飼いの」
よく問題になってますよ、と御曹司。
マツカ 「増えすぎて、面倒を見られなくなるケースです」
シロエ 「それです、それです! 危ないですよね、猫寺も」
ブルー 「無駄にスペースだけはあるから、問題はさ…」
餌なんだよね、と生徒会長、フウと溜息。
ブルー 「キースのお小遣いじゃ足りなくなってさ」
シロエ 「盗みを働くわけですね…」
本堂で盗んで、ご近所でも盗み食いですよ、とシロエ君。
シロエ 「ヤバいですよね、そうなってくると」
ブルー 「そうなる前に、獣医さんだよね」
キース 「避妊手術に去勢なのか…」
高くつきそうだが、と副住職も溜息ですけど。
必須ですよね?
2020/05/10 (Sun)
☆高くつく獣医さん
学校はサボッて生徒会長宅でのんびりな、シャン学メンバー。
なのに朝から災難だったキース君を巡って、バイト料の話が。
キース 「獣医に頼むと、費用が半端なさそうなんだが…」
ブルー 「保険が使えないからねえ…」
それから予防接種も要るよ、と生徒会長、更なる追い打ち。
キース 「予防接種だって!?」
ブルー 「境内猫にするんだったら、当然の義務だね」
飼い主として、と指をビシイ! と。
ブルー 「きちんと注射をしておかないと、病気が怖いよ」
シロエ 「檀家さんにも即バレですよね、病気になったら」
スウェナ「それに治療も高くつくわよ、放置できないし」
なんと言ってもお寺だものね、とスウェナちゃんも。
スウェナ「境内猫を見殺しだなんて、許されないわよ」
ぶるぅ 「ダメダメ、猫ちゃん、死なせちゃダメ~っ!」
ぼくが獣医さんに連れて行くよ、と「そるじゃぁ・ぶるぅ」。
ぶるぅ 「キースがお金を出さないんなら、ぼくが出す!」
ブルー 「聞いたかい? こんな子供でも、健気なんだよ」
だから君だって、治療費をね、と生徒会長の睨み。
ブルー 「それが嫌なら、予防接種の費用を出す!」
キース 「うっ…」
それはそうだが…、と副住職も必死の形相。
キース 「しかし、そこまで小遣いを貰っていないんだ!」
ブルー 「ふうん…? 避妊手術と去勢手術の分は?」
キース 「正直、払えそうもない…」
常連の猫は一匹だけではないからな、と泣きそうな顔。
キース 「しかも、明らかに野良というのが何匹も!」
サム 「流しなのかよ?」
キース 「今のところは、住み着いていない」
だが、餌やりを始めたら…、とキース君、顔面蒼白。
キース 「とはいえ、餌をやらずにいると悪戯が…」
ブルー 「リスクは高いね」
サム 「だからよ、境内猫にするより、ぶるぅによ…」
キース 「バイトを頼むべきなんだろうな…」
毟られるフラグが立っているが、とガックリと。
フラグですよね…。
2020/05/11 (Mon)
☆交渉人を立てろ
平日なのに生徒会長宅でのんびり、気楽なシャン学メンバー。
けれどキース君だけ朝から災難、それを避けるべくお金の話。
ブルー 「毟るだなんて、失礼だねえ…」
キース 「あんた、毟る気、満々だろうが!」
なんだかんだと理屈をつけて、と泣きが入っている副住職。
キース 「小遣いから出せる限界までとか、獣医だとか!」
ブルー 「それはまあ…。だけど、無料にするのはさ…」
シロエ 「キース先輩の修行にならない、ってことですしね」
黙って払うべきですよ、とシロエ君が持つ生徒会長の肩。
シロエ 「それで、いくらまで出せるんですか?」
キース 「お前が言うな!」
シロエ 「いえ、第三者が間に入った方がですね…」
サム 「あー、公正な判断が出来るってヤツな!」
いいじゃねえかよ、とサム君、親指をグッと。
サム 「ここはシロエに仕切って貰えよ、バイト料の話」
ブルー 「いいね、シロエなら頭も切れるし…」
スウェナ「キースとも長い付き合いだものね」
キース 「おい、お前ら…!」
面白がっているだろう、と叫んでますけど、誰もがスルー。
ジョミー「じゃあさ、シロエが代理人ってことで」
マツカ 「委任状も書いて貰いますか?」
シロエ 「そこは口頭でいいですよ」
今だけですしね、とシロエ君の笑顔。
シロエ 「会長も、それでいいですか?」
ブルー 「うん。出来るだけ高値でお願いするよ」
シロエ 「分かりました。ということで、キース先輩…」
分給の話をしましょうか、と交渉人になったシロエ君。
シロエ 「いいですか、境内猫を飼う場合はですね…」
キース 「べらぼうに高くつくんだろうが!」
それよりは安い値段で頼む、と副住職も必死の形相。
キース 「俺は万年金欠なんだ、親父のせいで!」
シロエ 「そうでしょうけど、会長の意向もありますから」
キース 「お前はどっちの味方なんだ!」
シロエ 「中立です」
ぼくは交渉人ですからね、と言ってますけど。
私情抜きですか?
2020/05/12 (Tue)
☆高すぎるバイト料
平日なのに生徒会長宅な、登校義務が無いシャン学メンバー。
キース君を見舞った災難の件から、それを防ぐバイトの話へ。
シロエ 「交渉人になった以上は、中立の立場を守りますよ」
キース 「…本当だろうな?」
シロエ 「ええ。ちょーっと会長寄りかもですけど」
キース 「なんだって!?」
どうしてブルーの方になるんだ、とキース君、ワタワタ。
キース 「俺の方が長い付き合いだろうが、柔道の道で!」
シロエ 「それはそうですけど、会長には恩がありますから」
日頃から、こうして色々と…、とシロエ君が見回す部屋。
シロエ 「たまり場を提供して頂いて、食事もですね…」
サム 「無料で御馳走になっているよな、俺たち全員」
シロエ 「でしょう? ですから、多少は加減するかもです」
キース 「くっそぉ…」
なんてことだ、と天井を仰ぐ副住職。
キース 「つまり、お前もグルになって毟る気なんだな?」
シロエ 「いえ、ぼくの懐には一銭も入りませんからね」
それより早く交渉しましょう、とシロエ君が取り出す電卓。
シロエ 「獣医さんとキャットフードだと、最低でも…」
キース 「俺の小遣いを超えるんだが!」
シロエ 「分かってます。とりあえずですね…」
こんな感じで如何でしょうか、と提示された金額。
キース 「…1ヶ月分か?」
シロエ 「分給ですが」
1分あたりのお値段ですね、と電卓を操作。
シロエ 「3分、頼むと、この値段です」
キース 「破産するだろうが!」
??? 「安いじゃないか!」
バイトだってね、とソルジャー(会話表記はAブルー)登場。
キース 「あんた、何しに現れたんだ!」
Aブルー「バイトと聞いて!」
ぶるぅに頼めるんだって、とソルジャー、ズズイと。
Aブルー「キースなんかより、是非とも、ぼくにね!」
一同 「「「へ?」」」
Aブルー「ぶるぅがバイトに来てくれるんだろう?」
こんなチャンスは逃せないよ、と言ってますけど。
チャンスって…?
2020/05/13 (Wed)
☆バイトを頼みたい人
平日でも生徒会長宅でのんびりと過ごす、シャン学メンバー。
キース君だけ朝から災難、回避するためにバイトを頼む話が。
シロエ 「あのぅ…。あなたも朝はお掃除でしたっけ?」
サム 「んなわけねえだろ、掃除は全くしねえ筈だぜ」
ジョミー「だよねえ、お掃除部隊が突入するって聞くしさ…」
Aブルー「その通り! ぼくは掃除が大の苦手で!」
しなくたって死にやしないから、とソルジャー、威張り返り。
Aブルー「それに服だって、順番に脱ぎ散らかしとけば…」
一同 「「「順番?」」」
Aブルー「青の間の入口から、ベッドに着くまでの間だよ!」
ブーツに、マントに、と脱いだ場所に放置で、と説明が。
Aブルー「そうしておけばね、朝は順番に着て出られるし!」
キース 「あんた、どれだけ無精なんだ!」
Aブルー「合理的だと言って欲しいね、失礼な!」
誰も納得してくれないけどさ、とソルジャー、ブツブツ。
Aブルー「でもねえ、そういう性格なんだし…」
シロエ 「待って下さい、話が脱線しています」
今は、ぶるぅのバイト料の話で、と交渉人なシロエ君。
シロエ 「キース先輩がいくら出せるか、そこが大事です」
キース 「その金額だと、真面目に破産するんだが!」
Aブルー「だから安いと言ってるじゃないか、破格だよ!」
ぼくに回してくれないかな、とソルジャー、電卓を。
Aブルー「ぼくなら、1分、こんな感じで」
一同 「「「うわー…」」」
ゼロが1つ増えた、と誰もがポカーン。
Aブルー「どうかな、シロエ、このお値段で?」
シロエ 「いえ、決めるのは会長ですけど…」
ブルー 「うーん、なかなか大きく出たねえ…」
だったら、これでどうだろうか、と生徒会長、倍額を提示。
ブルー 「キース相手なら、とても言えない値段だけどね」
Aブルー「魅力的だね、これでぶるぅに頼めるんなら」
キース 「正気とは思えないんだが…」
あんたが掃除を頼むなんて、と唸る副住職。
しかも有料で…。
2020/05/14 (Thu)
☆倍でも出します
平日も生徒会長宅なシャン学メンバー、そこへソルジャーが。
キース君がバイトを依頼する件に、横から入って参りまして。
Aブルー「ぼくは至って正気だけどねえ、バイトの話は」
キース 「しかし、あんたが、破格の金を支払ってまで…」
掃除を頼むとは、とても思えん、と副住職がぶつける疑問。
キース 「掃除嫌いというのはともかく、依頼するとは…」
サム 「あー…。だよなあ、しかも無料じゃねえし」
スウェナ「ゼロを1個増やして、おまけに倍よ?」
それでも払うって普通じゃないわ、とスウェナちゃんも。
スウェナ「もしかして、熱が出てるとか…?」
ジョミー「ありそうだよねえ、本人は正気のつもりでも」
ぶるぅ 「んとんと…。おでこは冷たいよ?」
冷たすぎるくらい、と「そるじゃぁ・ぶるぅ」が手をピタリ。
ぶるぅ 「お熱は無いと思うんだけど…」
Aブルー「当たり前だよ、医者も薬も大嫌いだしね!」
熱があっても気合いで治す、とソルジャー、流石な台詞。
Aブルー「でもって、今は熱なんか無いし!」
キース 「だったら、なんで、ぶるぅに掃除を頼むんだ?」
これは1分あたりの額だぞ、と副住職が指差す電卓。
キース 「時給じゃなくて分給だしな」
Aブルー「知ってるってば、君には払えないのもね」
だから交渉中なんだろう、とソルジャー、ニヤニヤ。
Aブルー「払える額まで値切るためにさ」
キース 「その通りだが、あんたが横から出て来てだな…」
勝手に吊り上げたんじゃないか、と副住職も必死。
キース 「よくも値上げをしやがって!」
Aブルー「別にいいじゃないか、払うのはぼくだし」
君に払えとは言っていないよ、と涼しい顔のソルジャー。
Aブルー「ブルーも、バイト料さえ貰えればいいんだろう?」
ブルー 「まあねえ…。だけど、本気で払う気なのかい?」
Aブルー「それはもう! これでぶるぅが雇えるんなら!」
この倍だって払っちゃうよ、と言ってますけど。
何を掃除すると…?
2020/05/15 (Fri)