☆暴れ梅雨は嫌だ
梅雨のシーズンは雨がシトシト、キース君を悩ませる月参り。
雨天順延用にアプリを開発、そういう案が出たんですけど。
キース 「お前たち、よくも知らない顔が出来るな…!」
シロエ 「御免ですってば、アドス和尚の下僕だなんて」
サム 「それによ、シロエは僧籍じゃねえぜ」
巻き込まれる義理は何処にもねえよな、とサム君の指摘。
サム 「でもって、俺とジョミーは僧籍だけどよ…」
ジョミー「月参りが出来る資格は無いよね、ほぼ素人だし」
ブルー 「見習いみたいなものだからねえ…」
棚経のお供が精一杯だよ、と生徒会長、いえ、銀青様も。
ブルー 「諦めたまえ、君の助けは何処からも来ない」
スウェナ「そうねえ、ブルーが行くというのも変だし…」
マツカ 「第一、高いと思いますよ、ブルーですから」
ぶるぅのバイト料でもアレです、とマツカ君。
マツカ 「檀家さんから頂けない分、キースの負担が…」
キース 「言わないでくれ!」
もう諦めた、と副住職、お手上げのポーズ。
キース 「せめて暴れ梅雨にならないように、祈ってくれ」
ブルー 「いいけど、祈祷料をよろしく」
キース 「あんたじゃなくて、他の面子に言っている!」
あんたに頼めば俺は破産だ、と逃げを打つ人。
キース 「てるてる坊主でも何でもいいから、俺をだな…」
ジョミー「タダ働きをしろって言うわけ?」
キース 「そ、それは…」
??? 「こんにちはーっ!」
困ってるって、とソルジャー(会話表記はAブルー)登場。
Aブルー「ぼくで良ければ、いくらでも!」
キース 「あんたでは、役に立たないんだが!」
Aブルー「だけど、てるてる坊主よりはさ…」
役に立てると思うんだよね、とソルジャー、ニッコリ。
シロエ 「まさか、雨雲を消すとかですか?」
Aブルー「やって出来ないことはないけど…」
キース 「本当か!?」
ブルー 「やめたまえ、危険すぎるから!」
絶対、何処かに弊害が出る、と生徒会長。
そうなんですか?
2020/06/16 (Tue)
☆雨雲は消さないで
雨がシトシトな梅雨のシーズン、キース君を困らせる月参り。
土砂降りでも順延出来ないわけで、専用アプリな案も轟沈。
シロエ 「雨雲を消すっていうのは、危険なんですか?」
キース 「サイオンで何処かへ飛ばすんじゃないか?」
それなら確かに危険だろう、と副住職。
キース 「飛ばした先で豪雨になるとか、そういうのだな」
一同 「「「うわー…」」」
Aブルー「そうじゃなくって、消すんだけどね?」
一瞬の内に蒸発させて、パッと快晴、とソルジャー、反論。
Aブルー「ただねえ、やってみたことは無いし…」
ブルー 「蒸発させた雲が何処に行くかは、謎なんだろう?」
Aブルー「そうなんだよねえ、なにしろ、此処は地球だから」
大気の流れが掴めてないし、と考え込む人。
Aブルー「その点、ぼくの世界のアルテメシアなら…」
ブルー 「バッチリ掴んでいるのかい?」
Aブルー「違うよ、あそこは雲海の星で、雲だらけだから…」
ついでに殆ど荒地だから、という別の世界の説明が。
Aブルー「イメージとしては、大抵の場所は安全かな、うん」
ブルー 「それは、住人がいないからだろう!」
Aブルー「そうとも言うねえ!」
何も無いから被害は出ない、とアバウトすぎる話。
Aブルー「だけど、地球では、そういうわけにも…」
ブルー 「当たり前だよ、変なことはしないでくれたまえ!」
超大型の台風が来たらどうしてくれる、と生徒会長。
ブルー 「ハリケーンとか、サイクロンとか、色々とね!」
Aブルー「分かってるってば、それくらいはさ」
キース 「しかし、てるてる坊主よりは…」
役に立つとか言わなかったか、と副住職のツッコミ。
キース 「雨雲を消せないなら、てるてる坊主の方がだな…」
サム 「いくらかマシって気がするぜ、うん」
ジョミー「あっちは綺麗に晴れるんだしねえ、てるてる坊主」
Aブルー「君たち、頭が固すぎないかい?」
もっと柔軟に考えないと、と言ってますけど。
何をですか?
2020/06/17 (Wed)
☆てるてる坊主に期待
梅雨のシーズンは雨がシトシト、キース君が辛いのが月参り。
アプリで雨天順延という案が轟沈、其処へソルジャー登場で。
キース 「てるてる坊主の方がマシだと思うが…」
ジョミー「だよねえ、何処かに被害が出るようなヤツよりは」
Aブルー「どうして晴れにこだわるのさ?」
キース 「なるほど…。下手に晴れると蒸し暑いか…」
無駄に湿度が高いからな、と大きく頷く副住職。
キース 「しかしだ、曇りにするにしたって、気象をだな…」
シロエ 「変えるというのは、全く変わりませんからねえ…」
スウェナ「雨を降らす分を、何処かに飛ばすわけよね?」
サム 「だよなあ、余分な水蒸気をよ」
やっぱり被害が出そうじゃねえか、とサム君の意見。
サム 「やっぱよ、てるてる坊主にしとけよ、キース」
キース 「お前たちも作ってくれるのか?」
ジョミー「それくらいならね」
マツカ 「巻き込まれる心配も無いでしょうしね」
アドス和尚も許してくれそうですよ、と御曹司も。
マツカ 「アプリと違って、没収も有り得ないですし…」
シロエ 「確かに、没収したって意味は無いですね」
お守り以下の代物ですし…、とシロエ君も支持。
シロエ 「それじゃ、てるてる坊主にしましょう」
サム 「おう! みんなで一日一個ってトコな」
キース 「有難い。毎日、部屋に飾らせて貰う」
それで晴れたら御の字だしな、と副住職、合掌。
キース 「礼をしようにも、赤貧だから、どうにもならんが」
シロエ 「その辺は期待していませんよ、誰も」
キース 「多少、引っ掛かるが、恩に着る…!」
Aブルー「あのねえ…!」
ぼくを無視していないかい、とソルジャー、膨れっ面。
Aブルー「もっと柔軟に考えたまえ、と言っただろう!」
キース 「てるてる坊主の、何処が頭が固いんだ!」
シロエ 「微笑ましい解決策じゃないですか」
Aブルー「そうじゃなくって…!」
どうして晴れに走るのかな、と言ってますけど。
梅雨ですしねえ?
2020/06/18 (Thu)
☆サイオンと夏場
雨がシトシトな梅雨のシーズン、キース君を悩ませる月参り。
アプリで雨天順延な案はオシャカで、てるてる坊主ですけど。
Aブルー「晴れにこだわる理由は、全く無いんだろう?」
キース 「それはまあ…。さっきも言ったが、湿度が高いし」
シロエ 「ウッカリ暑いと、蒸し風呂状態になりますよね」
スウェナ「そこへ、お坊さんの衣でしょ?」
あれってサウナになるんじゃないの、とスウェナちゃん。
スウェナ「長袖どころか、足首まで丈があるんだものね」
サム 「それによ、下にも着込むんだぜ、アレ」
ジョミー「お盆の棚経、地獄だもんね…」
熱中症であの世が見えそう、とジョミー君の証言。
ジョミー「今の季節でも、お盆に近い日、あるんだからさ」
マツカ 「気温は真夏に及ばなくても、湿度が怖いですよね」
ブルー 「熱中症で搬送される人は、梅雨でもいるからね」
気の早い人は五月から病院送りだけどさ、と生徒会長も。
ブルー 「でもって、法衣は暑いんだよねえ、本職でもさ」
シロエ 「え? 会長、涼しげに着こなしてましたよ?」
ブルー 「ぼくはサイオンが使えるからね!」
バッチリ冷却できるんだよ、と威張り返る人。
ブルー 「キースなんかとは格が違うよ、そういう意味でも」
キース 「くっそぉ…。あんただったら、雨の月参りも…」
ブルー 「瞬間移動でパパッとね!」
土砂降りだろうが、玄関先まで、とニッコリと。
ブルー 「悔しかったら、君もサイオンを磨きたまえ!」
キース 「出来たら、誰も苦労はせん!」
ついでにタイプ・ブルーでもない、と副住職の渋面。
キース 「やっても出来ないことは多いぞ!」
Aブルー「そうだろうねえ…」
そこで誰かを忘れてないかい、とソルジャー、割り込み。
Aブルー「ぼくだって、タイプ・ブルーだけどね?」
キース 「あんたまで、俺を笑うのか!」
Aブルー「そうじゃなくてさ、月参りだよ」
役に立てると思うんだけど、と大真面目な顔。
この迷惑な人が…?
2020/06/19 (Fri)
☆嫌になる雨の日
梅雨のシーズンは雨がシトシト、キース君が辛いのが月参り。
アプリで雨天順延な案はボツ、てるてる坊主だという所へ…。
Aブルー「本当だってば、ぼくでも役に立てる筈だよ」
キース 「あんたなんぞに、月参りの何が分かるというんだ」
雨で困るという話はともかく…、と副住職、不機嫌そうな顔。
キース 「雨が嫌だという人間なら、いくらでもいるしな」
シロエ 「ですよね、通学だって嫌になりますよ」
サム 「仕事で出勤だと、嫌さは俺たちの比じゃねえよな」
一同 「「「あー…」」」
それは確かに、と大きく頷く御一同様。
シロエ 「学生で言えば、定期試験の日の雨くらいですね」
スウェナ「そうねえ、あれは嫌だと思うわよ」
マツカ 「ぼくたちは、とっくに無縁ですけどね、試験…」
ジョミー「特別生は出席も成績も、全然関係ないもんねえ…」
でも、現役だと嫌だと思う、とジョミー君が眺める外の雨。
ジョミー「傘を差してたら、参考書だって読めないしさ」
サム 「お前の場合は、カンペのチェックじゃねえの?」
ジョミー「そうとも言うけど…って、何を言わせるのさ!」
シロエ 「ジョミー先輩、カンペだったんですね」
まあ、そんな気はしてましたけど、とシロエ君、クスッと。
ジョミー「なんで分かるわけ!?」
シロエ 「テスト勉強、してなかったじゃないですか」
ジョミー「シロエもしてなかったけど!」
シロエ 「頭の出来が違いますから」
それはともかく…、とジョミー君は無視で話の切り替え。
シロエ 「月参りの理解に関してはですね、そこの人も…」
キース 「ああ、ジョミーのテスト勉強並みだと思うがな」
カンペがあっても無理だろう、とソルジャーに注がれる視線。
Aブルー「ちょ、ちょっと…! お役立ちだと言ったのに!」
キース 「どうなんだか…。雨だと困るという所しか…」
シロエ 「理解してない気がしますよね」
それでは役に立たないような…、とシロエ君も。
どうなんでしょう?
2020/06/20 (Sat)
☆月参りを理解して
雨がシトシトな梅雨のシーズン、キース君を困らせる月参り。
アプリで雨天順延な案はパア、てるてる坊主だそうですが…。
Aブルー「月参りの理解がどうだと言うのさ、君たちは!」
キース 「通学だの、出勤だのと同列にしないで貰いたい」
Aブルー「行かなきゃいけないのは、同じだろう?」
シロエ 「…こめられた意味が違うんですよ」
学校だの、会社だのとは全然、とシロエ君が持つ副住職の肩。
シロエ 「きっと、その辺、分かっていないと思いますから」
Aブルー「決められた日に行くってことだろ、月参りだって」
サム 「そりゃまあ、そうには違いねえけど…」
ジョミー「会社とかとは違うよねえ?」
行き先は檀家さんの家だよ、とサム君とジョミー君も参戦。
ジョミー「失礼があったら大変だしさ…。棚経と同じで」
Aブルー「棚経だって?」
シロエ 「そうです、あなたに分かりやすいのはソレですね」
心をこめてお参りなんです、とシロエ君。
シロエ 「毎月一回、檀家さんの家にお伺いして」
Aブルー「えーっと…? 雨天順延とか、アプリとかは?」
キース 「雨の日に行くのは憂鬱だ、と俺が言っただけだ」
そこからシロエが考え出してな、と副住職が説明する事情。
キース 「あれば便利だとは思ったんだが、色々と…」
サム 「アドス和尚っていう壁があるしよ…」
ジョミー「実現不可能か、作ってもさ…」
シロエ 「没収されて、ぼくが巻き込まれるオチなんですよ」
ですから立ち消えになりました、とシロエ君の補足。
シロエ 「それまでに、鐘の音の話とかもですね…」
キース 「やっていたんだ、有難いアプリになるように」
あんたには理解出来んだろうが…、と副住職。
キース 「月参りの心も分からんくせに、どう役に立つんだ」
Aブルー「瞬間移動で送迎くらいは、出来るんだけどね?」
キース 「高くつきそうだが?」
Aブルー「そう思ったけど…」
ウインウインでいけそうだよ、と立てる親指。
えっと…?
2020/06/21 (Sun)
☆ウインウインな月参り
梅雨のシーズンは雨がシトシト、キース君を悩ませる月参り。
雨天順延用のアプリの案がボツって、てるてる坊主ですが…。
キース 「おい。高くつくなら、まだ分かるんだが…」
シロエ 「ウインウインというのは、何なんです?」
Aブルー「そのまんまだよ、ウインウインだってば!」
君にも、ぼくにも、メリットがね、とソルジャー、ウインク。
Aブルー「ぼくが瞬間移動で送れば、そういうことに!」
キース 「…サッパリ意味が分からんのだが…」
シロエ 「ぼくもです。どう転がったら、ウインウインに…」
なるんでしょうか、とシロエ君にも理解不能な今の展開。
シロエ 「元々は、バイト料目当てで、来たみたいですけど」
キース 「ああ。高くつくとか言っていたしな」
しかし、あんたは忘れてないか、とソルジャーをギロリ。
キース 「くどいようだが、俺の小遣いは非常に少ない」
Aブルー「らしいね、先月も困ってたしさ」
ぶるぅのバイト料が払えないとかで…、と涼しい顔。
Aブルー「ぼくには安い値段だったけど、君にはさ…」
キース 「やかましい! だが、分かっているなら…」
高くつく話は無駄骨だぞ、と副住職、不機嫌MAX。
キース 「いったい何を毟る気だったか、知らないが…」
Aブルー「それは、もちろん! お布施だってば!」
一同 「「「お布施!?」」」
Aブルー「うん、キースから毟れるのは、ソレ!」
お布施が一番、高額だしねえ…、とソルジャー、ニッコリ。
Aブルー「ブルーなんかだと、束で貰ってるし!」
キース 「お布施は、俺が貰うんじゃない!」
Aブルー「分かってるってば、法要のためのお金でさ…」
だから、月参りだとウインウインで、と親指をグッと。
Aブルー「お盆の棚経みたいなものだろ、月参りって?」
キース 「そうだが…。檀家さんの家に伺うわけだし」
Aブルー「もちろん、お参りしてくるんだろう?」
月参りだし、と理解はしたようですけど。
ウインウインって…?
2020/06/22 (Mon)
☆月参りの意義
雨がシトシトな梅雨のシーズン、キース君が困るのが月参り。
土砂降りでも雨天順延は不可、アプリで解決な案も轟沈で…。
キース 「それは当然、月参りに行けば、お参りをする」
Aブルー「お盆の棚経と同じなんだよね?」
お参りだから、とソルジャーの問い。
キース 「違うな、中身もお経も違う」
Aブルー「えっと…? でも、檀家さんの家に行くわけで…」
同じじゃないか、と言ってますけど。
キース 「拝む仏様は同じなんだが、意義が全く別物だ」
Aブルー「どういう意味さ?」
キース 「お盆の場合は、戻って来られた仏様にだ…」
お疲れ様です、とお経を唱えて、お食事も…、と副住職。
キース 「お膳をお供えしてるだろうが、あんただって」
Aブルー「ぶるぅが作ってくれているよね、いつも」
キース 「月参りの時には、お膳は無いぞ」
Aブルー「えっ、それじゃ食事は、どうなるわけ?」
面倒だから作らないのかな、とソルジャーが傾げる首。
Aブルー「お盆と違って、休暇中ってわけじゃないもんね」
キース 「そもそも、お盆は、仏様のための休暇だ」
こちらに帰っておいでになるんだから、と副住職の解説。
キース 「お帰りになったら、食事を出すのは常識だろう」
Aブルー「じゃあ、月参りは?」
キース 「あの世においでの仏様にだ、有難いお経を…」
お唱えして喜んで頂くものだ、と説く月参りの意義。
キース 「分かったんなら、ウインウインの意味を説明しろ」
Aブルー「お布施の分、働いて欲しかったんだよね」
君の身体で支払う仕組み、とソルジャー、ニッコリ。
Aブルー「スッポンタケの法要をさ…」
キース 「法要だって!?」
お盆でも、お彼岸でもない時期にか、と副住職、唖然呆然。
キース 「それはルールに反するんだが!」
Aブルー「ダメなのかい?」
キース 「そういう決まりだ、昔から!」
Aブルー「でもさ、月参りは…」
棚経みたいなものなんだろう、と反論が。
まあ、そうですねえ…?
2020/06/23 (Tue)
☆月参りでお願い
梅雨のシーズンは雨がシトシト、キース君を悩ませる月参り。
アプリで雨天順延な案がボツッた所へ、ソルジャーが来て…。
Aブルー「月参りだって、法要の一種だと思うけど!」
キース 「さっきも言ったが、法要にはルールがあるものだ」
お盆とお彼岸、それから年忌法要なんだが、と副住職。
キース 「寺の法要なら他にもあるが、檀家さん絡みだと…」
ブルー 「キースが言った分くらいだねえ、基本はね」
あとはお仏壇の新調だとか、特別なモノ、と生徒会長も。
ブルー 「それに、お彼岸の法要はさ…」
キース 「あんたは此処でやらせているがな、普通は、だ…」
サム 「檀家さんがお寺に行くものなんだぜ」
個人の家ではやらねえよ、と僧籍な人。
サム 「お盆と同じで、墓参りには出掛けて行くけどよ…」
キース 「坊主の方から、家へお参りに行くことは無い」
あんたが迷惑すぎるだけだ、と副住職の苦い顔付き。
キース 「なのに、この上、俺にどうしろと!」
Aブルー「法要だってば、スッポンタケがみなぎるように!」
そうしてくれれば、お金の方は頂かないよ、と満面の笑み。
Aブルー「ぼくが出すべき、お布施の分が料金だから!」
キース 「それでウインウインと言われても…」
出来ないものは出来ないからな、と副住職が繰る数珠レット。
キース 「分かったんなら、サッサと帰れ!」
Aブルー「じゃあ、月参りの日に雨だと困る話は?」
キース 「てるてる坊主に縋ることにする!」
皆が作ってくれるそうだし…、と副住職が見回す面子。
シロエ 「まあ、そのくらいはお手伝いしますよ」
スウェナ「そうよね、手間もかからないし」
Aブルー「効かなかったらどうするのさ?」
その点、ぼくなら瞬間移動で確実に、とソルジャー、譲らず。
Aブルー「月参りだったら、オッケーだろう?」
キース 「月参り?」
Aブルー「そう、月参りの方でお願い!」
月参りなら出来るんだよね、と言ってますけど。
どうしろと…?
2020/06/24 (Wed)
☆月参りをするには
雨がシトシトな梅雨のシーズン、キース君が辛いのが月参り。
土砂降りの日でも行くしかなくて、アプリで解決な案もボツ。
Aブルー「てるてる坊主なんかよりもね、瞬間移動が一番!」
キース 「だが、月参りというのは何だ?」
あんたの家には仏壇が無い筈なんだが、と副住職の疑問。
Aブルー「えっ、仏壇って?」
キース 「あんたも仏壇は知ってるだろうが!」
Aブルー「えっと…? 此処の和室にあるヤツかな?」
阿弥陀様の像が置いてあるトコ、と指差す和室の方向。
キース 「略式ではあるが、あれも仏壇だな」
Aブルー「無いねえ、ぼくの青の間には」
シャングリラにも無いよ、とソルジャー、キッパリ。
Aブルー「月参りには、あれが要るのかい?」
キース 「アレと言うより、位牌だな」
お参りするのは仏様なんだから、と副住職。
キース 「仏壇もけっこう金がかかるし、無い家もあるが…」
ブルー 「位牌は絶対、あるものだよね」
でないと、月参りの意味が無いよ、と銀青様も。
Aブルー「意味が無いって、どういうことさ?」
キース 「亡くなった人の供養に、読経をするわけだからな」
ブルー 「位牌が無ければ、どうにもねえ…」
お経を唱える意味が無いんだよ、と銀青様の説明が。
ブルー 「そもそも月参りは、月命日に行くものだしさ」
Aブルー「月命日?」
ブルー 「仏様の御命日だよ、毎月のね」
亡くなった日と同じ日付が、毎月あるだろ、という解説。
ブルー 「五日なら五日、六日なら六日で」
キース 「仏様が複数おいでの場合は、新しい仏様のだな」
その日に纏めて全員分だ、と副住職の補足。
キース 「しかし、あんたの言う、スッポンタケには…」
ブルー 「位牌も無ければ、命日だって無いからねえ…」
Aブルー「じゃあ、月参りはどうなるのさ?」
キース 「どう考えても、該当せんな」
Aブルー「ちょっと待ってよ、酷いってば!」
立派な仏様なのに、とソルジャー、愕然。
そうですか…?
2020/06/25 (Thu)
☆月参りと提案
梅雨のシーズンは雨がシトシト、キース君を困らせる月参り。
アプリで雨天順延な案がボツッて、頼りはてるてる坊主だけ。
Aブルー「スッポンタケには、月参りが無いだなんて!」
キース 「現に今まで、俺は一度も行っていないが」
提案だってしていない、と副住職、スパッと。
キース 「月参りの提案をしない坊主は、いないぞ」
Aブルー「君が省いただけだろう!」
キース 「いや、それだけは絶対に無い」
どんな仏様の場合も、必ず提案するものだ、と副住職、合掌。
キース 「葬祭センターで初対面だろうが、必ずな」
Aブルー「初対面って?」
キース 「そのままの意味だ、初めて出会ったお施主様だ」
昨今、ありがちな話なんだが…、と副住職が繰る数珠レット。
キース 「菩提寺から遠い所で暮らすと、そうなりがちで」
Aブルー「どういうことだい?」
キース 「葬式を頼む坊主がいない、というケースだ」
それで、同じ宗派の坊主が呼ばれる、と副住職の解説。
キース 「仏様とも初対面だが、その場合でも、月参りは…」
ブルー 「この先、させて頂きますか、と聞くものなんだよ」
Aブルー「聞く、って…。それじゃ、断る人もいるわけ?」
キース 「留守がちの家だと、頼めないしな」
そうでなくても、面倒だという人も多い、と苦笑ですけど。
Aブルー「えーっ!? ぼくなら断らないんだけど!」
キース 「だが、俺は提案していない」
なにしろ、該当しないんだから、と涼しい顔。
キース 「位牌も無ければ命日も無いし、行く意味が無い」
Aブルー「でも、お葬式はしてくれたよね?」
キース 「後付けだろうが!」
あれはイベントに過ぎなかった、と指をビシィ! と。
キース 「何日にしたかも覚えていないし、通夜も無かった」
Aブルー「そ、そんな…! あんなに立派な戒名なのに!」
キース 「法要があるだけマシだと思え!」
Aブルー「酷いよ!」
あんまりだってば、と叫ばれましても。
全部、本当なんですが…?
2020/06/26 (Fri)
☆月参りの場所
雨がシトシトな梅雨のシーズン、キース君が辛いのが月参り。
アプリで雨天順延な案はボツ、てるてる坊主に縋るそうで…。
Aブルー「どうしてそんなに、スッポンタケを嫌うのさ!」
キース 「俺でなくても、嫌がっていると思うがな?」
Aブルー「誰がさ?」
キース 「周りの連中のツラを見てみろ」
既に迷惑そうな顔だぞ、と副住職が見回す部屋の中。
Aブルー「えっと…?」
シロエ 「月参りって騒いでますけど、どうする気ですか?」
サム 「仏壇はともかく、位牌を置くにしたってよ…」
ジョミー「青の間じゃないと思うんだけど?」
それじゃキースが行けないもんね、とジョミー君の鋭い指摘。
ジョミー「絶対、此処に置く気なんだよ、どう考えても」
マツカ 「そうなるでしょうね、お仏壇だって買うかもです」
スウェナ「ありそうだわねえ、高級なのを」
ついでに仏具も高級品よ、とスウェナちゃん。
スウェナ「純金の鐘とか、職人さんのこだわりの鐘とか」
Aブルー「うん、同じ買うなら高級品だね!」
スッポンタケも喜ぶよ、とソルジャー、ニコニコ。
Aブルー「ブルーの鐘に負けないヤツをね!」
ブルー 「それで、お仏壇は何処に置くんだい?」
Aブルー「もちろん、此処で!」
いつもお世話になっているしね、と悪びれない人。
Aブルー「というわけで、お仏壇を買って来るからさ…」
キース 「月参りをよろしく、と言いたいんだな?」
Aブルー「そう! でもって、ウインウイン!」
雨の日の月参りは任せてよ、とソルジャー、笑顔全開。
Aブルー「玄関先まで、瞬間移動でパパッとね!」
キース 「実に有難い申し出だが…」
俺も命が惜しいからな、と副住職。
キース 「長生きしたいし、てるてる坊主の方にしておく」
Aブルー「なんでそういうことになるのさ!」
キース 「月参りをすることになったら、この連中が…」
シロエ 「迷惑しますからねえ…」
巻き込まれるのは確実ですし、という声が。
それは確かに…。
2020/06/27 (Sat)
☆月参りの参加者
梅雨のシーズンは雨がシトシト、キース君を悩ませる月参り。
アプリで雨天順延な案はボツ、残るは、てるてる坊主でして。
Aブルー「巻き込まれるって、どういう意味だい?」
シロエ 「月参りですよ、スッポンタケの」
一人で済ませてくれるんですか、とシロエ君の瞳に厳しい光。
シロエ 「普通の家だと、お年寄りだけかと思うんですが」
キース 「そうだな、後は幼児と母親くらいだ」
明らかに留守番組なパターンだ、と副住職の証言が。
キース 「小さな子供がいない家だと、ほぼ、ご老人だな」
Aブルー「えっ? だって、法要みたいなものだと…」
キース 「いいか、毎月あるものなんだぞ、しかも平日に」
土日と祝日に月参りは無い、と副住職、ピシャリと。
キース 「そういう日には、普通の法事が入るからな」
Aブルー「決まった日だと言わなかったかい?」
キース 「だから、御命日が土日や祝日と被った場合は…」
ブルー 「別の日に行くのが月参りだよ」
前倒しにするのが大原則で…、と生徒会長、いえ、銀青様。
ブルー 「法事は前倒しでやるものだから、月参りもね」
キース 「平日にしか伺わない上、毎月となると…」
留守番組だけになるだろうが、と副住職が繰る数珠レット。
キース 「つまり、あんたが月参りを依頼した場合…」
ブルー 「お約束でいくなら、君だけ参加になるんだよ」
大丈夫、用意はしておくから、と生徒会長、ニンマリと。
ブルー 「ぼくとぶるぅは登校するけど、家の鍵はさ…」
ぶるぅ 「開けておいて、管理人さんにも言っとくから!」
キースが来たら入れてあげてね、って、と無邪気なお子様。
ぶるぅ 「月参りが済んだら、鍵はそのままで…」
ブルー 「帰ってくれればいいんだよ、うん」
セキュリティーなら完璧だから、と生徒会長も。
ブルー 「そういう感じでお願いしたいね」
シロエ 「それなら、別にかまいませんけど」
好きに月参りを頼んで下さい、という声が。
さて、どうなる…?
2020/06/28 (Sun)
☆月参りのお約束
雨がシトシトな梅雨のシーズン、キース君を困らせる月参り。
てるてる坊主に縋ることにするか、誰かさんに頼るかが問題。
Aブルー「ちょっと待ってよ、ぼく一人だけで月参りを?」
キース 「間違えるな。月参りに来るのは俺の方だぞ」
あんたは俺を迎えるだけだ、と副住職が指差す玄関の方向。
キース 「チャイムが鳴ったら、玄関のドアを開けてだな…」
ブルー 「本日はよろしくお願いします、とお辞儀なんだよ」
それからキースを御案内、と生徒会長、いえ、銀青様の解説。
ブルー 「お仏壇の前まで、こう、丁重にね」
キース 「俺が座布団に座る前にだ、蝋燭と線香をつけて」
Aブルー「それも、ぼくの役目?」
キース 「坊主がやってもかまわないんだが、普通はだな…」
檀家さんが気を利かせるものだ、と副住職。
キース 「それから、これは細かいことだが、読経の後は…」
ブルー 「お茶とお菓子をお出しするのが、お約束だからね」
Aブルー「なんだって!?」
そんなの出したことが無いけど、とソルジャー、仰天。
Aブルー「毎月あるのに、どうして、もてなす必要が!」
キース 「いいか、御足労頂いたんだぞ?」
土砂降りだろうが、暑かろうが、と副住職、至極当然な顔。
キース 「ありがとうございました、と心をこめて、だ…」
ブルー 「おもてなしするのは、常識だよね」
頑張って、お茶を淹れたまえ、と生徒会長もニヤニヤと。
ブルー 「お菓子はお皿に入れておくから、ラップを外して」
ぶるぅ 「出せばいいけど、お茶はダメーッ!」
淹れたてでなくちゃ失礼なの! と「そるじゃぁ・ぶるぅ」。
ぶるぅ 「お茶の葉っぱは用意しとくけど…」
ブルー 「お湯を沸かして淹れるのは君だね」
適温で、ちゃんと蒸らしてからね、と生徒会長、細かい注文。
ブルー 「一人でも、なんとかこなせるだろう?」
Aブルー「ぼく一人では、無理だってば!」
せめて、お茶の係を誰か、と慌ててますけど。
誰が志願すると…?
2020/06/29 (Mon)
☆月参りには御礼を
梅雨のシーズンは雨がシトシト、キース君が辛いのが月参り。
てるてる坊主に縋ることにするか、誰かさんに助けて貰うか。
Aブルー「頼むよ、お茶の係を誰か! 誰でもいいから!」
シロエ 「それを巻き込むと言うんですよね、どう考えても」
Aブルー「全員でなくても、一人来てくれればいいんだよ!」
ぼくはお茶なんか淹れられないよ、とソルジャー、ワタワタ。
Aブルー「省略するのはダメなのかい、それは?」
キース 「檀家さんのご都合にもよるが、あんたの場合は…」
ブルー 「出せない理由が全く無いしね、お茶もお菓子も」
だから、きちんともてなしたまえ、と銀青様も。
ブルー 「それが無理なら、月参りを頼む資格は無いね」
キース 「まったくだ。月参りの心が理解できないようでは」
Aブルー「どうして、お茶とお菓子になるのさ!」
キース 「いいか、仏様を供養して頂いたんだぞ?」
心をこめて御礼をするものだ、と副住職が繰る数珠レット。
キース 「お布施だけでは、気持ちを表せないからな」
Aブルー「そ、そんな…。ぶるぅ、頼むよ、お茶を淹れてよ」
ぶるぅ 「んとんと…。ブルーがダメって言うと思うの!」
ブルー 「当然だねえ…」
出来ないなら潔く諦めるんだね、と銀青様のキッツイお言葉。
ブルー 「でもって、キースは、てるてる坊主で」
キース 「心得た。みんな、作ってくれるんだったな?」
シロエ 「もちろんですよ、月参りより遥かにマシですから」
任せて下さい、というシロエ君の声に、大きく頷く御一同様。
ジョミー「晴れるといいよね、てるてる坊主で」
キース 「期待してるぞ」
あんたは帰れ、とソルジャーに向かって、シッシッと。
キース 「話は済んだし、もういいだろう」
Aブルー「待ってよ、スッポンタケの月参りは?」
キース 「仏壇も無ければ、資格も無いから、諦めておけ」
Aブルー「酷いってば!」
雨の日にはお役立ちなんだよ、と叫んでますけど。
今月、これにて中継終了~。
2020/06/30 (Tue)