☆危なかったフラグ
さて、八月。夏休みの季節で、シャン学メンバーも満喫中。
マツカ君の山の別荘から戻って、今日は生徒会長宅ですが。
ジョミー「楽しかったよねえ、山の別荘!」
シロエ 「ええ。キース先輩のフラグも、阻止しましたし」
サム 「でもよ、そのために急流のボート遊びがよ…」
スウェナ「コケちゃったのよね…」
ボートで遡ってみたかったわ、とスウェナちゃんの溜息。
スウェナ「絶対、最高だった筈なのよ、アレ」
マツカ 「山の別荘なら、来年も御用意しますから」
シロエ 「ありがとうございます。でも、来年も状況は…」
ジョミー「変わらないよね、漕ぎ手が二人なんだから」
残る面子が二人な所は同じだよ、とジョミー君の嘆き節。
ジョミー「誰が残るかで、また揉めちゃってさ…」
シロエ 「やめておくことになるんですよね…」
誰かさんが来そうですから、とシロエ君、お手上げポーズ。
シロエ 「なにしろ、漕ぎ手が足りないんですし」
ブルー 「サイオンでボートを漕ぐとなるとねえ…」
ぼくと、ぶるぅの他にはアレしか…、と生徒会長。
ブルー 「危なかったよ、あのまま揉め続けていたら…」
サム 「あの野郎が来たかもしれねえしなあ…」
ジョミー「堂々と混ざれるチャンスだもんね…」
本当に危なかったってば、とジョミー君が竦める肩。
ジョミー「漕ぎ手が増えたら、みんなボートに乗れるしさ」
シロエ 「断る理由が無いんですよね、まるで全く」
サム 「でもって、居座られちまうんだぜ」
湧いて出て、山の別荘に…、とサム君、ブルブル。
サム 「どうせ暇だとか、なんとか言ってよ…」
シロエ 「ぼくの部屋は、と言い出すんですね…」
目に見えるようです、とシロエ君、遠い目。
シロエ 「危機一髪というヤツでしたね」
キース 「言っておくがな、俺はフラグを立てていないぞ」
ジョミー「そうなのかな?」
キース 「当然だろう!」
俺は全く無関係だ、と主張している副住職。
そうなんですかねえ…?
2020/08/01 (Sat)
☆想定外に弱い人
楽しかった山の別荘ライフの後は、生徒会長宅でのんびり。
そういうシャン学メンバーですけど、別荘で起きた問題が。
キース 「ボート遊びの件に関しては、俺は完全に潔白だ」
サム 「でもよ、元はといえば、お前がよ…」
ジョミー「ジャンケンに混ざったらマズイ、って話で…」
シロエ 「ヒートアップが怖かったですしね、あの場合」
なにしろ、モノがジャンケンですから、とシロエ君の指摘。
シロエ 「キース先輩がアッサリ勝ったら、別ですけど…」
スウェナ「アッサリ負けとか、引き分け続きはマズイわよ」
キース 「何故、そうなるんだ!」
サム 「特にコレって理由はねえけど、なんとなく」
キースだしよ、とサム君、キッパリ。
サム 「想定外の事態ってヤツだと、なんてえのか…」
シロエ 「フラグ体質と、あるあるが炸裂しがちですしね」
ジョミー「だよねえ、例の戒名からしてさ…」
ソレの典型だったんだしさ、とジョミー君、深い溜息。
ジョミー「戒名をつけろ、って、不意打ち食らって…」
ブルー 「その場のノリだと言っているけど、実際はさ…」
あるあるが炸裂しただけだろう、と生徒会長も。
ブルー 「キースが本当に冷静だったら、色々とさ…」
シロエ 「先々のことまで考えますよね、つけるより前に」
キース 「そうなるのか!?」
俺にはジョークも許されないのか、とキース君、愕然。
キース 「あの戒名をつけた時には、軽い気持ちで…」
シロエ 「鯨の戒名をパクったんですよね、知ってます」
サム 「なんで立派なのをパクったんだよ…」
真面目に泣けるぜ、とサム君が仰ぐ天井。
サム 「アレが手順を踏んで来てたら、違うと思うぜ」
キース 「手順だと?」
どういう意味だ、と副住職の問い。
サム 「だからよ、こう、正式に枕経からよ…」
シロエ 「亡くなった時のお経でしたっけ?」
サム 「うん。其処からだとよ…」
冷静に断ってたんでねえの、と言ってますけど。
さて…?
2020/08/02 (Sun)
☆身元確認が必要
山の別荘ライフの後は、生徒会長宅でのんびりな御一同様。
けれど話題はキース君のフラグ体質、別荘で問題だった件。
ブルー 「なるほどねえ…。枕教から頼まれた場合、ね」
シロエ 「其処は断るべきなんですか?」
お坊さん的には、とシロエ君が傾げる首。
シロエ 「サム先輩とジョミー先輩は、僧籍ですけど…」
マツカ 「ぼくたちは、全くの素人ですから」
門外漢というヤツですね、と御曹司も。
マツカ 「どうなんでしょうか、枕教を依頼されたなら…」
ブルー 「まず、仏様の身元確認が必要だよね」
一同 「「「身元確認?」」」
ブルー 「そう。パスポートとか、免許証だとか…」
そんなのは要求しないけどさ、と生徒会長、いえ、銀青様。
ブルー 「でもねえ、一応、必須になるかな」
シロエ 「死亡証明書とかでしょうか?」
アレは役所に出すモノでは…、とシロエ君、怪訝そうな顔。
シロエ 「でも、その前に、お坊さんに見せるんですか?」
ブルー 「違うね、確認するのは所属だよ」
一同 「「「所属?」」」
なんのこっちゃ、と誰もがキョトン。
シロエ 「所属って言うと、組織ですよね?」
マツカ 「定年後だと、会社には所属していませんし…」
スウェナ「老人会とか、そんなのかしら?」
それとも、老人ホームかしらね、とスウェナちゃんの疑問。
スウェナ「だけど、人生を満喫中のご老人だと…」
シロエ 「無所属ってことも多いですよね…」
マツカ 「ええ。家庭菜園とかが趣味の場合は…」
所属しなくても楽しめますし、と御曹司にも謎なのが所属。
マツカ 「そういう方だと、どうなるんです?」
ブルー 「それは全然、関係無いね」
所属というのは、お寺だからさ、と銀青様。
ブルー 「何処のお寺の管轄なのか、それが問題!」
シロエ 「あー…。家の宗派というヤツですか?」
ブルー 「そう! まず、その点を確認しないと…」
枕教以前の問題だよね、と銀青様の解説が。
まず確認、と…?
2020/08/03 (Mon)
☆今後も立つフラグ
山の別荘を楽しんだ後は、生徒会長宅でのんびりですけど。
キース君のフラグ体質が問題、想定外の事態に弱いとかで。
シロエ 「確かに、宗派の確認は大事な感じですねえ…」
ブルー 「そう。霊園とかはさ、別の宗派の仏様でもさ…」
サム 「受け入れてる場合が多いんだけどよ…」
枕教となれば別だぜ、とサム君、大真面目な顔。
サム 「うちのお経はコレじゃない、ってなったらよ…」
ジョミー「悲惨だもんねえ、呼んだ方も、呼ばれた方もさ」
シロエ 「なるほど…。だったら、キース先輩の場合も…」
サム 「枕教から頼まれていたら、違った筈だぜ」
あんなブツは供養しねえだろ、とサム君、指をチッチッと。
サム 「もう思いっ切り門前払いで、戒名なんかは…」
ブルー 「つけていないね、間違いなく」
真っ当な坊主のやることじゃないし、と銀青様も。
ブルー 「つまりさ、キースはノリだと言っているけど…」
シロエ 「想定外の展開で、ついていけなかったんですね」
ブルー 「そういうことだね、いくら頭脳が優秀でもさ」
オーバーヒートはしていなくても、と銀青様の深い溜息。
ブルー 「だから今後も、フラグはバンバン立つと思うよ」
一同 「「「うわー…」」」
キース 「貴様ら、俺を何だと思っていやがる!」
シロエ 「えっ、フラグ体質で、あるあるでしょう?」
もう諦めの境地ですよ、とシロエ君、お手上げのポーズ。
シロエ 「そうでなくても、お盆が近いですしね」
サム 「言わねえでくれよ、今年も暑いんだからよ」
ジョミー「炎天下の自転車、キツイんだよ…」
また棚経で走る季節だ、と僧籍な人たち、ゲンナリ。
サム 「ジョミーはマシだろ、瞬間移動が入る分だけ」
ジョミー「でもさあ、アレは誰のサービス?」
シロエ 「例の人がやってくれるんですよね…」
ジョミー「だから気持ちが複雑なんだよ」
一同 「「「うーん…」」」
確かにそうかも、と誰もが納得ですけれど。
この夏も…?
2020/08/04 (Tue)
☆お相手をするのは
マツカ君の山の別荘の後は、生徒会長宅でのんびりな面々。
けれどお盆が近いわけでして、お盆と言えば棚経がお約束。
シロエ 「今年も頼みに来るんでしょうねえ、例の人は…」
ジョミー「瞬間移動のサービス自体は、悪くないけどさ…」
自転車で走らなくてもいいから、とジョミー君の複雑な顔。
ジョミー「だけど、サービスがあるってことはさ…」
サム 「誰かさんが棚経を頼んだ結果だしよ…」
スウェナ「そっちの方は嬉しくないわね、どう考えても」
シロエ 「でもですね…。あの件で損をしてるのは…」
実は、ぼくたちではないでしょうか、とシロエ君。
シロエ 「サム先輩は、ほぼ無関係ですし…」
サム 「あー…。俺はアドス和尚と棚経だしなあ…」
マツカ 「ジョミーも、キースと走ってますよね」
此処で棚経をする時以外は…、と御曹司の相槌。
マツカ 「それ以外の間、誰かさんのお相手はですね…」
シロエ 「ぼくたちってことになるんですよね、完全に」
スウェナ「言われてみれば、そうだわねえ…」
棚経の用意をする段階からよね、とスウェナちゃんも。
スウェナ「ぶるぅは、もっと前からだわよ」
ぶるぅ 「そだね、お膳を作ってるから」
今年は何にしようかな、と、やる気満々なお子様。
ぶるぅ 「精進料理も、色々なのが出来てくるもん」
シロエ 「えっ、あんなのが進化するんですか?」
ぶるぅ 「だって、お料理なんだも~ん!」
精進料理だけのお坊さんも多いよ、と弾ける笑顔。
ぶるぅ 「だから、工夫をする人も沢山!」
シロエ 「なるほど…。すると、ぶるぅにとっては…」
マツカ 「棚経は、腕を披露する舞台なんですね」
ぶるぅ 「うんっ!」
今年も楽しみ! と張り切ってますけど。
シロエ 「でも、ぼくたちは、楽しめませんしね…」
スウェナ「思いっ切りババってことだわよ」
マツカ 「楽しむ方法が、あったらいいんですけどね…」
いっそ発想の転換だとか…、と言われましても。
どうやって…?
2020/08/05 (Wed)
☆楽しめれば勝ち
マツカ君の山の別荘から戻って、生徒会長宅で過ごす面々。
けれど、もうすぐ来るのがお盆で、棚経がお約束でして…。
シロエ 「発想の転換って、どうやるんですか?」
マツカ 「それは、ぼくにも分かりませんけど…」
楽しめれば勝ちだと思うんですよ、と御曹司。
マツカ 「ババだと思えば、更に気分がマイナスですから」
シロエ 「あー…。それはあるかもしれませんね」
スウェナ「怖いと思うと怖くなるのと、理屈は同じね」
マツカ 「そうなんです。ただ、問題は方法で…」
全く思い付かないんですよ、とマツカ君の困り顔。
マツカ 「なにしろ、棚経は門外漢ですし…」
サム 「けどよ、それならキースは思い付くのかよ?」
ジョミー「棚経を楽しんでるかどうかも謎だよね…」
その点、どうなの、とジョミー君、副住職に突撃。
ジョミー「キースは棚経、楽しんでるわけ?」
キース 「では、逆に聞くが、そう見えるのか?」
一緒に行くから分かるだろうが、と副住職からも質問が。
キース 「どうなんだ、蝋燭と線香係?」
ジョミー「……大変そうかな、と」
キース 「よし、お前の目は節穴ではないな」
というわけだ、とキース君でも楽しめないのが棚経らしく。
シロエ 「困りましたねえ、プロでもダメだとなると…」
マツカ 「やっぱり無茶な話でしょうか?」
スウェナ「待ちなさいよ、上には上がいるわよ」
プロ中のプロが、とスウェナちゃんの視線が生徒会長に。
シロエ 「そうでした! 会長は高僧でしたっけ!」
マツカ 「何かありませんか、棚経を楽しむ方法は?」
ブルー 「そりゃ、発想の転換だろうね」
それしかないよ、と生徒会長、アッサリと。
ブルー 「視点を変えれば、おのずと道が開けるかもね」
シロエ 「それはマツカ先輩の発想と同じですよ!」
マツカ 「思い付いても、先が展開しないんですけど…」
ブルー 「ヒントは開き直りかな」
毎年、一定数はいるよ、と言われましても。
何がですか…?
2020/08/06 (Thu)
☆湧いて出る人たち
マツカ君の山の別荘の後は、生徒会長宅でのんびりな面々。
けれど迫って来るのがお盆で、逃れられないのが棚経で…。
シロエ 「一定数はいるって、どういう人がです?」
ブルー 「たった今、ヒントは言ったけど?」
マツカ 「もしかして、開き直っている人でしょうか?」
あのヒントだと、とマツカ君が傾げる首。
マツカ 「それも、棚経に対しての開き直りで…?」
ブルー 「うん。ちゃんと一定数はいるものなんだよ」
毎年、棚経の季節になると湧いて出るね、と生徒会長。
ブルー 「普段は潜伏しているんだけど、こう、一斉に」
マツカ 「開き直ってしまうんですか?」
ブルー 「そうなんだよねえ、追い詰められた挙句にさ」
ナチュラルハイになるのかもね、と生徒会長、クスクスと。
ブルー 「マツカじゃないけど、楽しめればいい、と」
シロエ 「あー…。なんとなく分かる気はします」
マツカ 「ぼくもですけど、その人たちって…」
棚経で困っている人ですよね、とマツカ君の問い。
マツカ 「ぼくたちのような人は、多いんでしょうか?」
シロエ 「そこなんですよね、ぼくもてっきり…」
レアケースだと思ってました、とシロエ君。
シロエ 「何処の家でも、単にお坊さんが来るだけで…」
スウェナ「お経を上げたら、サッサと次に行くんでしょ?」
それだけなのに、何故、困るの、とスウェナちゃんも。
スウェナ「そりゃあ、中には、私たちみたいな人だって…」
シロエ 「まるでいないとは言いませんけど…」
マツカ 「一定数とまで、言うほどですか?」
そこが気になる、と棚経を迎える立場の誰もが疑問。
マツカ 「その辺も、聞きたいんですけれど」
シロエ 「ぼくもです!」
多いんだったら、諦めも…、と頷く人たち。
シロエ 「お仲間がいるわけですからね」
マツカ 「そうなんですよ」
ブルー 「なるほどね…。流石はマツカ、と言うべきかな」
鋭いってば、と生徒会長、褒めてますけど。
開き直る人って…?
2020/08/07 (Fri)
☆真逆だそうです
マツカ君の山の別荘を楽しんだ後、生徒会長宅な御一同様。
近付いて来るお盆の棚経、なんとも困った話ですけれど…。
シロエ 「マツカ先輩が鋭いってことは、もしかして…」
マツカ 「その開き直る人というのは、ぼくたちとは…」
立場が違うんじゃないんですか、とマツカ君のツッコミ。
マツカ 「そんな感じがするんですけど、どうでしょう?」
シロエ 「ですよね…。会長、ストレートにお願いします」
この件の返事、とシロエ君も。
シロエ 「持って回った返事をされても、ぼくたちでは…」
マツカ 「阿吽の呼吸が分かりませんから、素人向けに」
解説をして貰えませんか、と御曹司、控えめながらも真剣。
マツカ 「答えによっては、絶望するしかないですから」
シロエ 「ええ…。どうなんですか、そこの所は?」
ブルー 「ぶっちゃけ、君たちとは真逆な立場の連中だね」
棚経に回って来る方だから、と生徒会長、ズバリと。
ブルー 「つまりはキースの御同輩だよ」
マツカ 「やっぱり、そういうことですか…」
シロエ 「終わりましたね、マツカ先輩」
マツカ 「本当に…。あれっ、でもですね…」
ちょっと待って下さいよ、とマツカ君の視線が副住職に。
マツカ 「キースは棚経、楽しんでませんよね?」
キース 「そうだが、何か?」
マツカ 「…ということは、開き直っている人とは…」
違うんですよね、とマツカ君、今度は生徒会長に視線を。
マツカ 「開き直ると、楽しむ方法があるってことは…」
ブルー 「何か質問があるのかな?」
マツカ 「はい。その方法は、どんなものなんでしょう?」
ぼくたちにも応用できそうでしょうか、と大真面目な顔。
マツカ 「そうだとしたなら、検討したいと思いますから」
ブルー 「うん、切り替えの早さも流石だね」
マツカ 「それより、応用が利くかどうかです」
ブルー 「いけると思うよ、毎年、待ってる連中が…」
一定数はいるものだから、と言ってますけど。
また一定数…?
2020/08/08 (Sat)
☆楽しめる人たち
マツカ君の山の別荘の後にやって来るものが、お盆の棚経。
生徒会長宅に来ている面々、誰も避けられないイベントで。
マツカ 「一定数というのは、お坊さんの方ではなくて?」
シロエ 「さっき、そっちが一定数だと言いましたよね?」
ブルー 「真逆な方にも、待っている人はいるんだよ」
毎年、楽しみにしてる人がね、と生徒会長、いえ、銀青様。
ブルー 「早い人だと、六月の頭からやってるからさ」
一同 「「「え?」」」
流石にソレは早すぎないか、と誰もがポカーン。
マツカ 「あのぅ…。六月の初めだと、キースもですね…」
ジョミー「まだテンパっていない頃だよ、お盆なんかで」
サム 「だよなあ、卒塔婆も、まだ書いてねえし」
ブルー 「うん、サムはいい所に来てるよね」
卒塔婆なんだな、と生徒会長、ニッコリ。
ブルー 「そこから毎年のお楽しみだよ、どっちの側も」
マツカ 「卒塔婆ですか?」
ブルー 「そう! 元老寺でも、そうだろうけど…」
その頃に束で届くものだから、と生徒会長が立てる親指。
ブルー 「まずは届いた卒塔婆の山をさ、写真に撮って」
シロエ 「まさかのインスタ映えでしょうか?」
ブルー 「違うね、上げるのはツイッターだよ」
これだけ書くぞ、と決意をこめて…、とUPだとか。
ブルー 「イイネとリツイートで、やる気をチャージで」
マツカ 「確かに、開き直っていますね」
シロエ 「凄い数だって聞きますもんね…」
キース先輩も今、地獄ですけど、とシロエ君。
シロエ 「すると、一般人もそれを見るわけですね?」
ブルー 「アレだよ、坊さんあるある盆だよ」
例のハッシュタグが其処から始まる、と銀青様の解説が。
ブルー 「初ハッシュタグを待ってる連中、いるからね」
マツカ 「一定数というのは、そういう人たちですか…」
シロエ 「まとめサイトも出来るそうですけど…」
ブルー 「そうなんだよね」
その立場なら楽しめるよ、と言ってますけど。
ツイッターで…?
2020/08/09 (Sun)
☆楽しむためには
じきにやって来るお盆の棚経、誰も避けられないイベント。
どう考えても地獄ですけど、楽しめる人種がいるそうで…。
マツカ 「ぼくたちもツイッターをやるわけですか?」
シロエ 「棚経のためだけに、アカウントですか…」
それ以外の時期は放置な気が、とシロエ君。
シロエ 「LINEだったら、サム先輩がですね…」
ブルー 「ダメダメ、LINEじゃ拡散出来ないからね」
キース 「あんた、俺の行動を晒す気なのか!?」
親父に知れたらどうしてくれる、と副住職、ガクブル。
キース 「ツイッターは、やっていない筈だが…」
シロエ 「何処からバレるか分かりませんよね」
マツカ 「まとめサイトがあるそうですしね…」
リスクが高くありませんか、と御曹司、慎重な姿勢。
マツカ 「後でキースに恨まれそうです、万一の時に」
シロエ 「ですよね、ネットで拡散したら消せませんから」
ブルー 「そうでもないよ?」
ぼくならサイオンで無かったことに…、と生徒会長の笑み。
ブルー 「タイプ・ブルーはダテじゃないしね」
サム 「でもよ、ソレって高くつくよな?」
ブルー 「そこはサービス、と言いたいんだけど…」
ツイッターを始める必要は無いね、と生徒会長、キッパリ。
ブルー 「やってるつもりで、エアでいいんだよ」
一同 「「「エア!?」」」
ブルー 「うん。コレは是非ともツイートしたい、と…」
思うネタ探しに集中したまえ、と生徒会長のアドバイスが。
ブルー 「そういう視点で追っていったら、棚経もさ…」
マツカ 「確かに、楽しめるかもしれませんね」
シロエ 「マツカ先輩が言う、発想の転換ってヤツですね」
それは考えてもみませんでした、とシロエ君。
シロエ 「坊さんあるあるは、知ってましたけど…」
スウェナ「話題にはなっていたわよね、ソレ」
ブルー 「どうかな、ネタを探すのは?」
一同 「「「イイネ!」」」
いける気がする、と上がる賛同の声。
エアでツイッター…。
2020/08/10 (Mon)
☆バズるつもりで
もうすぐ来るのがお盆の棚経、避けては通れないイベント。
けれど発想を転換したなら、楽しむことも出来そうな感じ。
シロエ 「今年の棚経は、ネタ探しですね!」
ブルー 「棚経そのものにこだわらなくても、色々とね」
一同 「「「へ?」」」
ブルー 「準備の段階からツイートしてるよ、楽しむ人は」
卒塔婆の束が届く頃から…、と生徒会長、いえ、銀青様。
ブルー 「だから当日も、朝っぱらからツイートだよね」
サム 「棚経の日に、そんな余裕があるのかよ?」
ブルー 「出発前に自分を鼓舞だよ、そして、その後は…」
棚経に追われて沈黙だよね、と生徒会長、クスクスと。
ブルー 「帰る頃にはバズってないかな、と期待しながら」
シロエ 「バズる人って、いるんでしょうか?」
ブルー 「たまにいるねえ、だから君たちも頑張りたまえ」
スウェナ「ツイートしたら、バズりそうなネタを探すのね」
その方向ならいけそうだわ、とスウェナちゃんの笑顔。
スウェナ「なんと言ってもキースだものねえ、お坊さんが」
キース 「どういう意味だ!」
スウェナ「やらかしそうな気しかしないのよ」
??? 「ええっ、キースは完璧だよ?」
最高だってば、とソルジャー(会話表記はAブルー)登場。
キース 「あんた、何しに現れたんだ!」
Aブルー「もちろん、棚経を頼みにだよ!」
もうじきだしね、とソルジャー、ニコニコ。
Aブルー「ちょうど棚経の話もしてるし、ピッタリかと」
キース 「くっそぉ…」
Aブルー「そう言わないでさ、今年もよろしく!」
自転車で移動中の瞬間移動は任せてよ、と胸を叩く人。
Aブルー「でもって、他のみんなはさ…」
シロエ 「参加ですよね、分かってます」
朝イチで此処に集合で…、とシロエ君、サラッと。
シロエ 「もう慣れましたよ、パターンですから」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ お膳も任せてね!」
Aブルー「ありがとう!」
話が早くて助かるよ、と言ってますけど。
ネタ探しは…?
2020/08/11 (Tue)
☆任せるそうです
じきにお盆の棚経ですけど、今年は発想を転換する方向で。
ネタを探して楽しむことに決めた所へ、ソルジャーが登場。
Aブルー「みんなも今年は、棚経を楽しんでくれるって?」
シロエ 「どうせ逃げられないイベントですしね」
マツカ 「大丈夫ですよ、ぼくたちからは仕掛けませんし」
その辺の礼儀は心得てます、と御曹司、流石な気配り。
マツカ 「ですから、どうぞ安心していらして下さい」
Aブルー「感謝! それじゃ例年通り、任せていいかな?」
マツカ 「えっと…。当日の準備でしょうか?」
Aブルー「そう! お供えの花とか、そういうのをね」
ぼくの世界じゃ手に入らないものも多くて、と言い訳が。
Aブルー「仏様用のフラワーアレンジメントとかね」
シロエ 「なんだか、別物な感じがしますね」
スウェナ「フラワーアレンジメントだものねえ…」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ そういうのも任せてね!」
お盆仕様で揃えておくから、と「そるじゃぁ・ぶるぅ」。
ぶるぅ 「お供え物の野菜とかも!」
Aブルー「助かるよ! それじゃ、また棚経の日に!」
シロエ 「もう帰るんですか?」
Aブルー「実は、ハーレイが休暇を取れそうでねえ…」
貴重な時間を潰したくないから、と、あくまで自己中。
Aブルー「じゃあ、棚経の準備をよろしくねーっ!」
キース 「おい、それだけか!? …って…」
シロエ 「もういませんね…」
なんて逃げ足が速いんでしょう、とシロエ君も呆れ顔。
シロエ 「でもまあ、いなくなったんですから…」
マツカ 「棚経の日までは、平和ですよね」
キース 「それで、お前たちは、本当にだな…」
ネタを探す方で行く気なのか、と副住職の問い。
キース 「だったら、俺も頑張らないといけないしな」
シロエ 「ネタを提供してくれるんですか?」
キース 「逆だ、逆! 提供しないように注意しないと」
シロエ 「あるあるに期待してますよ」
きっと何かが起こる筈です、と言ってますけど。
さて…?
2020/08/12 (Wed)
☆バズるのは嫌だ
もうすぐお盆の棚経ですけど、今年は発想を転換する方針。
ネタを探して楽しむわけで、気分はエアツイッターだとか。
キース 「何なんだ、あるあるというヤツは?」
シロエ 「キース先輩の定番ですよね、あるあるは」
スウェナ「フラグとセットで、得意技でしょ?」
棚経あるあるに期待だわね、とスウェナちゃんも。
スウェナ「きっと、キースがやらかさなくても…」
シロエ 「今、帰って行った人が何かしますよね、絶対に」
マツカ 「そうならなければ、御の字ですよ」
ネタが無い代わりに、平穏無事に終了です、と御曹司。
マツカ 「そっちの方なら、誰も文句は無いでしょう?」
シロエ 「無いですねえ…」
スウェナ「バズるか、平和に終わるかなのね」
どっちかしらね、とスウェナちゃん、悩んでますけど。
キース 「俺は平穏無事な終了を祈りたいぞ」
ジョミー「ぼくもかな」
サム 「俺は後から聞くだけだしよ、どっちでもいいぜ」
シロエ 「サム先輩はいいですよねえ…」
外野ですから、とシロエ君の溜息。
シロエ 「一度、ジョミー先輩と代わりませんか?」
サム 「アドス和尚の御指名だからよ、まあ無理だよな」
キース 「ああ。ジョミーに親父のお供は務まらないぞ」
ハイスペックを要求されるし、と副住職。
キース 「あのポジションは、当分、サムのものだな」
ジョミー「だよねえ…。あーあ、今年も…」
此処でババかぁ、とジョミー君が仰ぐ天井。
ジョミー「バズる勢いなネタの提供、誰だろう?」
キース 「お前になるかもしれないな」
ジョミー「えーっ!?」
キース 「可能性ならゼロではないぞ」
まあ、当日を楽しみにしておけ、と副住職の冷たい笑み。
キース 「俺も自重しつつ、ネタ探しに邁進するからな」
シロエ 「ということは、ぼくたちもですね…」
マツカ 「自重ですよね、頑張らないと」
スウェナ「バズったら後がないものねえ…」
ネタ提供は回避しないと、と誰もが決意。
棚経の行方は…?
2020/08/13 (Thu)
☆ウチワで扇いで
いよいよ棚経の日がやって来まして、朝から集合した面々。
生徒会長宅が会場ですけど、今年はネタを探す方向でして。
シロエ 「おはようございます。いよいよですね」
ブルー 「朝早くからご苦労様。今日も暑いね」
マツカ 「ええ。でも、此処は涼しくて助かります」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ クーラーもおもてなしだもん!」
棚経の日は特に喜ばれるよ、と「そるじゃぁ・ぶるぅ」。
ぶるぅ 「お坊さんたち、暑い中を回っているもんね!」
スウェナ「そうよね、ホントに大変そうだわ」
シロエ 「おまけに衣が暑そうですしね…」
扇風機も人気な気がします、とシロエ君が眺めるエアコン。
シロエ 「ご高齢の方は、クーラーが苦手だそうですし」
ブルー 「扇風機ねえ…。アレは裏目に出るんだよね」
一同 「「「え?」」」
クーラーに及ばないからだろうか、と誰もがキョトン。
シロエ 「あのですね…。確かに涼しさは劣りますけど…」
マツカ 「裏目に出ると言うほどでしょうか?」
スウェナ「無いよりマシでしょ、暑いんだもの」
おもてなしの心だわよ、とスウェナちゃん。
スウェナ「それともアレなの、ウチワの方がいいだとか?」
ブルー 「そう言われてるね」
シロエ 「ちょっと厚かましすぎませんか?」
ウチワで扇いでくれだなんて、とシロエ君、苦々しい顔。
シロエ 「何様なんだ、って感じですよ」
マツカ 「和尚様ではありますけどね…」
スウェナ「だけど、所詮はお坊さんでしょ?」
そこまで有難い存在かしら、とスウェナちゃんの疑問。
スウェナ「ブルーみたいな高僧だったら、まだ分かるけど」
シロエ 「そうですよねえ…」
ウチワで扇げは無いと思います、とシロエ君、キッパリ。
シロエ 「そんな坊主には、ミニ扇風機で充分ですよ」
マツカ 「卓上型ですね、確かにそうかも…」
ブルー 「うん、その方が喜ばれるね」
一同 「「「へ?」」」
どういうことだ、と一同、ポカーン。
何故、ミニの方が…?
2020/08/14 (Fri)
☆ウチワの理由は
いよいよ今日はお盆の棚経、生徒会長宅に集った御一同様。
今年はネタを探す方向、暑くてクーラーが嬉しい話から…。
シロエ 「何故、ミニ扇風機の方が喜ばれるんですか?」
マツカ 「明らかにパワーが落ちますよ、アレは」
スウェナ「ハッキリ言って、あまり効かないわよ?」
謎だ、と誰もが口々に疑問を。
スウェナ「ウチワで扇げって言うほどなんでしょ、変よ」
シロエ 「ですよね、そこまで偉そうに言うなら…」
マツカ 「ミニ扇風機にも、文句をつけそうですけれど…」
ブルー 「違うね、ウチワもミニ扇風機も、大事なんだよ」
どっちも裏目に出ないからね、と生徒会長、いえ、銀青様。
ブルー 「そこの所が重要なんだな、涼しさよりも」
一同 「「「はあ?」」」
ブルー 「要は風力、パワーが問題になるんだよ」
ウチワで扇げば、そよ風だよね、と手で扇ぐ仕草。
ブルー 「でもって、ミニの扇風機だと…」
シロエ 「あんまり風は来ませんね」
ブルー 「そう! 扇風機は確かに涼しいんだけど…」
向きによっては大変なことに…、と指差す先に蝋燭が。
ブルー 「アレだよ、アレが消えるんだってば」
シロエ 「あー! 扇風機の風が直撃するわけですね」
スウェナ「確かに、一瞬でパアだわねえ…」
マツカ 「ミニ扇風機なら、そこまで届きませんよね」
お坊さんの身体が盾になって…、と御曹司も。
マツカ 「棚経の最中に消えたりすると、大変そうです」
ブルー 「うん。消えたままではダメなんだよ」
必ず、蝋燭を再点火だよ、と説明が。
ブルー 「だから時間がかかってしまうし…」
シロエ 「次を急ぐだけに、ヤバイんですね」
時間が押していますもんね、とシロエ君も納得な理由。
シロエ 「ウチワがいいのは、そのせいでしたか…」
ブルー 「扇風機の角度のチェックは、大切なんだよ」
一同 「「「角度?」」」
ブルー 「棚経の心得事だよね」
忘れた坊主は痛い目を見る、と銀青様。
扇風機チェック…。
2020/08/15 (Sat)