☆要注意な扇風機
いよいよお盆の棚経の日でして、生徒会長宅に集合ですが。
今年はネタを探す方向、そこへいきなり扇風機の話が。
シロエ 「何故、扇風機の角度なんです?」
マツカ 「忘れたお坊さんは痛い目を見るんですね?」
ブルー 「そう。さっきからの話で分からないかな」
蝋燭が消えたら、再点火が必要なんだよ、と銀青様。
ブルー 「しかも、お経も中断するから…」
シロエ 「あー! 扇風機の風で蝋燭が消えないように…」
マツカ 「注意しないと、お経が途切れてしまうんですね」
スウェナ「その上、時間も押して来るわねえ…」
蝋燭を点け直していた時間の分だけ、とスウェナちゃんも。
スウェナ「それは確かに大変だわよ、後の棚経が」
シロエ 「つまり、棚経を始める前にチェックですか…」
マツカ 「お坊さんの心得事なのも納得ですよ」
棚経は時間との戦いですしね、と御曹司も納得。
マツカ 「そうなってくると、首振り式のは危険そうです」
シロエ 「最初は良くても、後が怖いですよね」
ブルー 「そうなんだよねえ、アレはホントに危険だよ」
焦っていると見落とすヤツで…、と銀青様の苦笑い。
ブルー 「大丈夫だな、と思った角度がアウトだとかね」
スウェナ「でも、事前に確認するんでしょ?」
ブルー 「読経の間に、お坊さんのポーズは変わるよ?」
座ったまんまじゃないからね、と銀青様、指をチッチッと。
ブルー 「棚経の時しか、やらない動作があるんだってば」
シロエ 「そうでしたっけ?」
マツカ 「全然、記憶にありませんけど…」
ブルー 「そうだろうねえ、君たちは素人だから」
だけどあるよね、とプロならではの解説が。
ブルー 「仏様を供養する動作の間は、腕を大きく…」
シロエ 「言われてみれば、何かやってた気もしますね」
ブルー 「その間はさ、お坊さんの身体でのガードが…」
マツカ 「解けちゃうんですね、扇風機の風の防風壁…」
それで蝋燭を直撃なのか、と理解した事情。
落とし穴が…。
2020/08/16 (Sun)
☆今年は余裕かも
棚経の日がやって来まして、生徒会長宅に集った御一同様。
今年はネタを探す気ですけど、いきなり話題が扇風機で…。
シロエ 「まさか扇風機が危険だなんて、思いませんよね」
マツカ 「本当に。ご高齢の方だと、気が付きませんよ」
ブルー 「しかも言えないしね、ソレがダメです、とは」
だから坊主も気を遣うわけで…、と銀青様の説明が。
ブルー 「角度を変えて頂けませんか、と控えめにね」
シロエ 「ですよね、そうとしか言えそうにないです」
マツカ 「ウチワの方がいいんですが、なんて無理ですよ」
スウェナ「それこそ、何様だってことになるものねえ…」
和尚様には違いないけど、とスウェナちゃんも。
スウェナ「此処はエアコンだし、キースも安心だわね」
ブルー 「うん、その点ではいいんだけどさ…」
シロエ 「他の面では、ほぼ最悪なポイントですよね」
マツカ 「なにしろ、お施主様が問題ですから」
ついでに、お迎えしている仏様も…、と御曹司。
マツカ 「ネタを探して、乗り切りたいんですけど…」
シロエ 「今の時点で、ネタは無いですね…」
スウェナ「ちょっと待ちなさいよ、冷静にならないと」
今からネタがあってどうするのよ、と入ったツッコミ。
スウェナ「私たちしかいない間は、安全圏でしょ」
シロエ 「そうでした! 例の人がまだ来ていませんね」
マツカ 「危険になる前に、準備を進めておきましょうか」
祭壇とか、お供え物だとか…、と御曹司。
マツカ 「もっとも、ぶるぅが殆どやってくれてますけど」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ 後はお膳を供えるだけだよ!」
シロエ 「流石ですねえ、やっぱりぶるぅは凄腕ですよ」
お膳も、今年も完璧でしょうし、とシロエ君、絶賛。
シロエ 「ということは、暫く余裕がありそうですね」
マツカ 「そうですね。扇風機の問題もありませんから」
スウェナ「ウチワの準備も要らないものねえ…」
例の人が来るまでのんびりしよう、という声が。
今年は余裕…?
2020/08/17 (Mon)
☆ネタの提供者は
いよいよ今日は棚経の日で、生徒会長宅に集う一般人たち。
今年はネタを探す方向、それで乗り切るつもりなわけで…。
シロエ 「やっぱりネタは、例の人が出すんですよね?」
マツカ 「どうなんでしょう、キースということも…」
スウェナ「ジョミーは、ただのお供だものね」
蝋燭とお線香の係でしょ、とスウェナちゃん。
スウェナ「ネタを提供しようがないわね、それだけじゃ」
シロエ 「そうですねえ…。扇風機があれば別ですけど」
マツカ 「扇風機ですか?」
シロエ 「ジョミー先輩、蝋燭を点ける係ですから…」
扇風機の風で消えたら、出番ですよ、とシロエ君の指摘。
シロエ 「その時に何か、やらかすかもです」
マツカ 「でも、扇風機は無いですからね」
スウェナ「無いわね、エアコン完備だもの」
クーラーが気持ちいいだけよ、と指差すエアコン。
スウェナ「サーキュレーターだって、要らないんだもの」
シロエ 「アレも最近、人気らしいですね」
ブルー 「そうだね、エアコンの効率が良くなるとかで」
でもまあ、此処には無用の物だね、と生徒会長の笑み。
ブルー 「なにしろ、こだわりの家なんだから」
シロエ 「フロア丸ごと、会長用ですしね…」
快適に設計されてますよね、とシロエ君が眺める部屋。
シロエ 「なのに、棚経の会場なんかになるなんて…」
ブルー 「もう諦めたよ、毎年だから」
マツカ 「今年は何が起こるんでしょうねえ…」
??? 「こんにちはーっ!」
来たよ、とソルジャー(会話表記はAブルー)登場でして。
Aブルー「今年のテーマは、扇風機だって?」
一同 「「「へ?」」」
Aブルー「棚経には欠かせないんだってねえ!」
全然、知らなかったんだけど、と何か勘違いしている人。
Aブルー「扇風機があったら、お坊さんがさ…」
シロエ 「思い切り迷惑するようですけど?」
Aブルー「違うよ、気配りしてくれるんだよ!」
扇風機が置いてあるだけで…、と笑顔ですけど。
違うのでは…?
2020/08/18 (Tue)
☆気配りが欲しい
やって来ました、棚経の日。生徒会長宅で準備中ですけど。
そこへソルジャー登場でして、話を半端に聞いていた模様。
Aブルー「棚経の時には、扇風機があれば気配り万全!」
シロエ 「いえ、クーラーの方がいいんですけど!」
マツカ 「そうですよ。扇風機は要注意なんですから」
Aブルー「それだよ、それ! 他所よりも気を配るから…」
いい棚経になりそうだよね、とソルジャー、ニコニコ。
Aブルー「本当に気が付かなかったよ、扇風機なんて!」
シロエ 「ですから、間違いですってば、それ!」
マツカ 「お坊さんには喜ばれないそうですよ、扇風機は」
ミニならともかく…、と御曹司も間違いをキッチリ指摘。
マツカ 「そうでなければ、ウチワの方がいいんですよね」
スウェナ「ウチワの方がいいらしいわよ、本当に」
シロエ 「扇風機なんて言っていないで、ウチワですよ」
キース先輩のためを思うんだったら…、とシロエ君も。
シロエ 「ウチワで扇いであげて下さい、喜びますから」
スウェナ「いいわね、おもてなしの心を示すべきだわ」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ ウチワだったら、色々あるよ!」
有名な画家さんが描いたのも、と「そるじゃぁ・ぶるぅ」。
ぶるぅ 「あとね、お坊さんが書いてくれたヤツとか…」
ブルー 「沢山あるから、お好みでどうぞ」
出し渋るなんてことはしないよ、と生徒会長、太っ腹。
ブルー 「是非とも、ウチワの風でもてなしたまえ」
Aブルー「えーっ? それは違うと思うんだけど…」
それだと、ぼくが気配りじゃないか、と不満そうな人。
Aブルー「ぼくが欲しいのは、キースの気配り!」
ブルー 「棚経は、そういうものじゃないから!」
ウチワが嫌ならクーラーで、と生徒会長、ピシャリと。
ブルー 「お坊さんには、余計な手間をかけさせない!」
Aブルー「でも、せっかくの棚経なんだし、気配りで…」
ブルー 「逆だってば!」
気を配るのは君の方だ、と重ねて訂正。
さて、どうなる…?
2020/08/19 (Wed)
☆迷惑なアイテム
いよいよ今日は棚経の日で、今年はネタを探す方向なのに。
話を半端に聞いたソルジャー、扇風機に注目してまして…。
ブルー 「ダメダメ、扇風機は迷惑をかけるモノだから!」
シロエ 「それと手間です、蝋燭が消えたら大変ですよ」
扇風機の角度が問題なんですからね、とシロエ君も。
シロエ 「消えてしまったら、点け直すしかないんですし」
Aブルー「なるほどねえ! それで気配りになるんだね?」
マツカ 「ええ。今ので、お分かり頂けましたか?」
お坊さんに御迷惑なのが…、と御曹司、大真面目な顔。
マツカ 「キースの場合は、ジョミーがいますけど…」
ブルー 「お供をつけて回るお坊さんは、少数派だよ」
シロエ 「そうですか? アドス和尚にも、サム先輩が…」
ブルー 「元老寺の方が例外だってば、普通は一人!」
アドス和尚だって、今日以外は一人だよ、と生徒会長。
シロエ 「あー…。お盆前にも棚経、あるらしいですね」
ブルー 「お寺から遠い檀家さんの家は、そうなるしね」
でもって、お供もついていないよ、と解説が。
ブルー 「そして殆どのお坊さんは、今日も単独だってば」
スウェナ「蝋燭係がいないのね?」
ブルー 「うん。全部、自分でやらないとね」
Aブルー「ほらね、やっぱり気配りじゃないか!」
お坊さんが気を配る方、とソルジャー、威張り返り。
Aブルー「扇風機を置いたら、いい棚経になりそうだよ」
ブルー 「だから、キースには逆だってば、ソレ!」
Aブルー「キースよりも、スッポンタケが大切!」
おまけに偉い仏様だし…、と譲らない人。
Aブルー「しっかり気配りして欲しいよね!」
ブルー 「違うと言っているだろう!」
迷惑をかけてどうするんだ、と生徒会長が吊り上げる眉。
ブルー 「ウチワで扇いで差し上げるくらいの心で!」
シロエ 「そうですよ。お経を上げて貰うんですから」
Aブルー「偉い仏様にね!」
気を配るのが当然だろう、と言ってますけど。
逆ですってば…。
2020/08/20 (Thu)
☆偉いのは戒名だけ
今日はお盆の棚経の日で、ネタを探す方向でいた筈なのに。
話を半端に聞いたソルジャー、扇風機を置く気満々でして。
Aブルー「いいかい、スッポンタケは偉い仏様なんだよ!」
シロエ 「戒名だけだと思いますけど!」
スウェナ「しかもキースが、ノリでつけただけでしょ」
ちっとも偉くないじゃないの、と入ったツッコミ。
スウェナ「ただのキノコで、松茸とは格が違うわよ!」
シロエ 「松茸は、ついに絶滅危惧種になりましたしね」
Aブルー「そうなのかい?」
マツカ 「ええ。食べるのはかまわないんですけどね」
その辺りはウナギと同じですよ、と御曹司の説明。
マツカ 「けれど、絶滅の恐れがある、という扱いです」
Aブルー「ふうん…。だけど、スッポンタケだって…」
ウナギと同じで効くんだよね、と妙な台詞が。
マツカ 「えっ、何にですか?」
シロエ 「マツカ先輩、訊いちゃダメです!」
Aブルー「流石、シロエは察しがいいねえ!」
ウナギと言ったら精力だよね、とソルジャー、ニコニコ。
Aブルー「スッポンタケも、実に良く効くからさ…」
ブルー 「その件は、君の思い込みだろう!」
Aブルー「ぼくのハーレイに効くんだけれど?」
ブルー 「自己暗示と変わらないってば!」
効くと思えば効くだけなんだ、と生徒会長。
ブルー 「だから、偉そうなのは戒名だけ!」
Aブルー「でも、偉いのは確かだろう?」
ブルー 「それはまあ…。院殿号だし…」
とても偉いことは認めるけれど…、と生徒会長の渋面。
ブルー 「そうは言っても、扇風機は…」
シロエ 「ジョミー先輩にも迷惑ですよ!」
蝋燭係なんですからね、とシロエ君。
シロエ 「風で消えたら、即、点けないと…」
Aブルー「その回数が多いほど、有難味がありそう!」
ブルー 「一度目でキースが言うと思うよ、角度の変更!」
スウェナ「言うわよねえ…」
Aブルー「そこで首振り式!」
スイッチオンだ、と言ってますけど。
首振り式に切り替え…?
2020/08/21 (Fri)
☆扇風機は何処だ
お盆の棚経の日ですけれども、ネタを探す話は何処へやら。
ソルジャーが扇風機を置く気満々、風前の灯火になる蝋燭。
シロエ 「首振り式って…。角度を変更した後にですか?」
Aブルー「決まってるだろう! 最初の内はさ…」
角度は固定で、一発で消す、とソルジャー、キッパリ。
Aブルー「それで角度を変えさせられたら、首振り式だよ」
シロエ 「迷惑すぎる話ですから!」
マツカ 「蝋燭係も大変ですけど、キースだって…」
キレると思うんですけれど、と御曹司の心配そうな顔。
マツカ 「棚経の途中で放棄されたら、どうするんです?」
Aブルー「その心配は無いんだよねえ、なんと言っても…」
偉い仏様で、キースの直弟子、とソルジャー、ニッコリ。
Aブルー「というわけでね、今年は此処に扇風機!」
シロエ 「扇風機なんか、ありましたっけ?」
マツカ 「さあ…? ぼくは見たこと無いですね」
スウェナ「私も一度も見ていないわよ?」
此処はエアコン完備だもの、とスウェナちゃん。
スウェナ「ぶるぅ、扇風機って、この家にあるの?」
ぶるぅ 「んとんと…。ずうっと昔なら…」
ブルー 「エアコンが無い時代だったら、持ってたね」
でも、今は無い、と生徒会長、スパッと。
ブルー 「ついでに言うなら、ノルディの家にも…」
ぶるぅ 「無いもんね!」
残念でしたぁ! と「そるじゃぁ・ぶるぅ」。
ぶるぅ 「あそこもエアコン完備だもん!」
ブルー 「そういうことだよ、諦めたまえ」
扇風機を買うなら別だけどね、と生徒会長、ニヤニヤ。
スウェナ「そうよね、私の家にも無いし…」
マツカ 「ぼくの家にも無いですね」
シロエも、あっても貸さないでしょうし、と御曹司。
マツカ 「多分、無いとは思いますけどね」
シロエ 「今どき、あんなの、キース先輩くらいしか…」
Aブルー「ふうん、キースかあ…」
シロエ 「い、いえ、ぼくの勘違いです!」
無かったですよ、とシロエ君、ワタワタ。
ピンチ…?
2020/08/22 (Sat)
☆口を滑らせた人
お盆の棚経の日なんですけど、ネタを探す話は消滅した今。
ソルジャーが扇風機を置く気満々、蝋燭の炎の危機でして。
Aブルー「キースの家には、今も扇風機があるんだね?」
シロエ 「ですから、勘違いですってば!」
暑いですから、ついウッカリ…、とシロエ君、必死。
シロエ 「あんなレトロなモノ、キース先輩だって…」
マツカ 「持ってませんよね、元老寺もクーラーですから」
本堂にもちゃんとありますよ、と御曹司の助け舟が。
マツカ 「最近の暑さは酷すぎますから、本堂に無いと…」
スウェナ「熱中症で倒れる人が出ちゃうわよねえ…」
ブルー 「そうだね、特にお盆の施餓鬼が危険」
暑い真っ盛りにやるんだから、と生徒会長ならぬ銀青様も。
ブルー 「檀家さんが大勢やって来る上、ご高齢の人が…」
シロエ 「普段以上に多いでしょうしね」
マツカ 「扇風機なんかじゃ、間に合いませんよ」
隅々まで冷えませんからね、と御曹司の指摘。
マツカ 「扇風機は、シロエの勘違いです」
Aブルー「そうなのかい?」
シロエ 「そうです、そうです!」
Aブルー「だけど、さっきの慌てっぷりはさ…」
怪しいよね、とソルジャーが顎に当てる手。
Aブルー「そういえば、夏休みの前だったかなあ…」
一同 「「「へ?」」」
Aブルー「卒塔婆書きで文句を言ってたような…」
とても暑いという件で…、と首を傾げるソルジャー。
Aブルー「クーラーがあるなら、言わないよねえ?」
シロエ 「いえ、それはアドス和尚の方針で…」
Aブルー「クーラー禁止?」
シロエ 「ええ、扇風機しかダメなんですよ」
一同 「「「わーっ!」」」
バカが、と頭を抱える面々。
スウェナ「何やってるのよ、そこでバラしちゃ終わりよ!」
マツカ 「なんで喋ってしまうんですか、本当のことを!」
シロエ 「す、すみません…! ぼくとしたことが…」
Aブルー「なるほどねえ…」
つまり扇風機はあるんだね、とニヤつく人。
終わったかも…。
2020/08/23 (Sun)
☆共犯になりそう
お盆の棚経の日ですけれども、蝋燭が風前の灯火っぽい今。
ソルジャーが扇風機で消す気満々、まさにピンチな状態で。
Aブルー「キースの家には扇風機、と…。いい情報だよ!」
ブルー 「扇風機はダメだと言ってるだろう!」
Aブルー「君も止めるんなら、もう確実だね」
さて扇風機は何処なのかな、とサイオンで調べている模様。
Aブルー「えーっと、キースの部屋は庫裏だから…」
ブルー 「やめたまえ!」
Aブルー「あったぁ! ちょっと行ってくる!」
誰もいないから借りちゃおう! と瞬間移動で消えた人。
ぶるぅ 「んとんと…。取りに行っちゃったよ?」
スウェナ「シロエ、なんとか言いなさいよ!」
シロエ 「そ、そのぅ…。すみません、としか…」
マツカ 「シロエがバズりそうですね、コレ…」
今回のA級戦犯で…、とマツカ君の深い溜息。
マツカ 「何故、扇風機があるのか、という問題ですし…」
スウェナ「そうね、間違いなく戦犯だわね」
シロエ 「だ、黙ってて貰えませんか…?」
キース先輩にバレたら殺されます、とシロエ君、ガクブル。
シロエ 「例の人が、勝手に見付けて来た、という方向で」
マツカ 「でも、扇風機がある理由にはなっていませんよ」
スウェナ「ちょっと待ってよ、ヤバいわよ、ソレ!」
扇風機の話は、単独では不可能だわよ、とスウェナちゃん。
スウェナ「独演会をするわけないでしょ、扇風機ネタで」
マツカ 「坊さんあるあるには詳しいですけど…」
ブルー 「そういう話になった理由がある筈だよね」
確かに単独犯では無理だ、と生徒会長も。
ブルー 「そうなってくると、全員、共犯かな…」
マツカ 「マズイですよね…」
キースの怒りが炸裂しますよ、とマツカ君が竦める肩。
マツカ 「シロエの失言の件はもちろん、扇風機も…」
スウェナ「誤魔化すしかないわね、こうなったら」
シロエ 「そうして下さい!」
もう全員でバックレましょう、と言ってますけど。
でも、どうやって…?
2020/08/24 (Mon)
☆お盆玉でサービス
お盆の棚経の日なんですけど、蝋燭が扇風機で消されそう。
しかもソルジャー、キース君の扇風機を取りに行きまして。
ブルー 「全員でバックレるとなると、扇風機ネタは…」
シロエ 「会長にして貰えませんか?」
なんと言っても伝説の高僧ですから、とシロエ君。
シロエ 「棚経をしないだけで、現場の事情に詳しいかと」
ブルー 「それはまあ…。でも、高くつくよ?」
シロエ 「ど、どのくらいですか…?」
ブルー 「これだけは欲しい、と言いたいけどさ…」
生徒会長が立てた指が三本、多分、一本の単位が百。
シロエ 「そ、そんなには払えません…!」
ブルー 「だろうね、お盆玉ってことでサービスしとくよ」
シロエ 「ありがとうございます!」
恩に着ます、とシロエ君が土下座な所へ、帰って来た人。
Aブルー「ただいまぁーっ! これがキースの扇風機!」
マツカ 「本当に持って来たんですね…」
Aブルー「もちろんだよ! えっと、コンセントは…」
此処だ、と差し込んだソルジャー、難しい顔。
Aブルー「この部屋、無駄に広すぎないかい?」
ぶるぅ 「んとんと…。お客様をお迎えする部屋だし…」
ブルー 「青の間に比べれば、うんと狭いけれどね?」
Aブルー「広すぎるってば!」
扇風機のコードが足りないじゃないか、と文句をブツブツ。
Aブルー「キースの部屋だと、ジャストだったのに!」
ブルー 「仕方ないよね、その辺は」
Aブルー「ぶるぅ、延長コードを貸して!」
ぶるぅ 「分かった、うんと長いヤツだね!」
でないと祭壇まで届かないし、と跳ねて行ったお子様。
ぶるぅ 「はい、お待たせーっ!」
Aブルー「うん、この長さなら、充分いけるね」
後は角度の調節だよ、と据えられてしまった扇風機。
Aブルー「蝋燭の場所が此処だから、と…」
シロエ 「やっぱり、本気で消すつもりですね?」
Aブルー「一発で消して、次は首振り式でね!」
楽しみだってば、とセットしてますけど。
風前の灯火…。
2020/08/25 (Tue)
☆まずはお出迎え
いよいよ棚経の日ですけれども、用意されたものが扇風機。
蝋燭の火を消す気満々なソルジャー、只今、セット中で…。
Aブルー「よし、っと…。角度はこんな感じでいいよね」
ブルー 「キース的には、最低最悪な角度だけどね」
一発で消えてしまうじゃないか、と生徒会長、苦々しい顔。
ブルー 「まあ、キースの方も、そこはプロだし…」
Aブルー「消えても、それほどキレないのかな?」
ブルー 「棚経が始まってみれば分かるよ、その辺は」
Aブルー「ふうん…? じゃあ、楽しみにしておくよ」
おっと、お迎えを忘れちゃダメだ、と窓の方に視線を。
Aブルー「瞬間移動で送り迎えも、おもてなしだしね!」
シロエ 「この暑さですし、それは確かに最高ですよね」
マツカ 「ええ。でも、その後が心配ですよ」
スウェナ「いいわね、扇風機ネタはブルーってことで」
しっかり口裏を合わせなくちゃ、とスウェナちゃん。
スウェナ「お盆玉でタダになったんだものね」
シロエ 「お蔭でバズらずに済みましたよ」
マツカ 「バズるどころか、キースに恨まれますってば」
扇風機では…、と御曹司が言った所へ、ソルジャーの声が。
Aブルー「次だよ、スッポンタケの棚経!」
一同 「「「うわー…」」」
ついに扇風機の出番なのか、と一同、ガクブル。
Aブルー「さてと、瞬間移動でお出迎え!」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ 凄いね、もう着いちゃった!」
自転車を置いて、もう玄関だよ、と無邪気なお子様。
ぶるぅ 「いらっしゃあーい! 暑い中、お疲れ様ぁ!」
キース 「邪魔するぞ」
ジョミー「暑かったぁ…。此処は天国!」
キース 「天国じゃなくて、極楽と言え!」
坊主ならな、と僧籍な二人が到着。
Aブルー「来たね、今年もお世話になるよ」
キース 「ああ。ジョミー、蝋燭と線香だ」
ジョミー「オッケー!」
キース 「…ん? ちょっと待て、其処を動くんじゃない」
マズイぞ、とキース君、制止のポーズ。
何か問題でも…?
2020/08/26 (Wed)
☆角度が問題です
いよいよスッポンタケの棚経、キース君たちも無事に到着。
ソルジャーが扇風機を置いてますけど、どうなることやら。
ジョミー「えっと…? 其処を動くな、って言われても…」
キース 「よく見ろ、これで蝋燭を点けたら終わりだ」
扇風機が回っているだろうが、と副住職が指差す先。
ジョミー「本当だ…。ウッカリしてたよ」
キース 「此処で扇風機は初だしな。まったく…」
誰が置いたんだ、と副住職、ジョミー君に指示を。
キース 「その扇風機を、もう少し後ろで、少し右だな」
ジョミー「このくらいかな?」
キース 「ああ。よし、蝋燭だ」
ジョミー「了解! うん、ちゃんと点いたよ」
蝋燭の火でお線香も点火、棚経の準備が整いまして…。
Aブルー「うーん…」
キース 「何かあるのか?」
Aブルー「なんでもないよ。どうぞ、始めて」
キース 「では、始めるぞ」
ハハーッ! とキース君とジョミー君、平伏ですけど。
一同 (((げっ、扇風機が首振りに…!)))
キース 「ん…?」
ジョミー「蝋燭が…!」
消えた、と身体を起こした僧籍な人たち。
キース 「誰だ、首振り式にしたのは!」
シロエ 「ぼ、ぼくたちじゃありません…!」
マツカ 「そうです、動いていませんから!」
キース 「そうなると…」
あいつか、と副住職のアイスブルーの瞳がソルジャーに。
キース 「首振り式は、あんたの仕業か!?」
Aブルー「涼しくて、いいかと思ってさ」
おもてなしだよね、とソルジャー、ニコニコ。
Aブルー「遠慮しないで、棚経の方を続けてよ」
キース 「ジョミー、扇風機のスイッチを切れ」
それから蝋燭に再点火だ、と副住職。
キース 「スイッチを切れば、安心だからな」
ジョミー「オッケー!」
パチンとスイッチが切られ、蝋燭も再び点されて…。
キース 「過剰な接待は、余計なお世話だ」
Aブルー「ええっ?」
キース 「必要ない!」
さあ、棚経だ、と仕切り直しに。
大丈夫ですかねえ…?
2020/08/27 (Thu)
☆点滅もオシャレ
スッポンタケの棚経を始めた途端に、消えてしまった蝋燭。
ソルジャーが置いた扇風機の仕業、スイッチを切ることに。
キース 「まったく…。もう扇風機は御免だからな」
ジョミー「ホントだよ。蝋燭が消えたら、点け直しだしさ」
キース 「蝋燭の焔は大事なものだと覚えておけ!」
仏様のための灯りだからな、と法話もどきが。
Aブルー「いいねえ、法話も入る所が!」
キース 「やかましい! 二度と邪魔をするなよ」
さて…、と副住職、読経を始めて、真言も。
キース 「のうまく さらば たたぎゃた ばろきてい…」
一同 (((ん?)))
カチッと微かな音が聞こえて、扇風機の風と首振りが。
一同 (((うわー…)))
キース 「おん さんばら さんばら うん…」
ハハーッと平伏、途端に消えてしまった蝋燭。
キース 「……誰だ?」
シロエ 「い、いえ、ぼくじゃないですから…!」
Aブルー「おもてなしだよ、サイオンでスイッチオン!」
キース 「それが余計だと言っている!」
いい加減にしろ、とキース君、キレそうな顔。
キース 「ジョミー、扇風機のコードを引っこ抜け!」
ジョミー「う、うん…!」
キース 「よし。蝋燭を点け直すんだ」
ジョミー「分かってるって!」
今度こそ消えませんように、とジョミー君、点火。
ジョミー「もう大丈夫だよ、コードは抜いたし」
キース 「蝋燭の意味を知らない輩は、これだから…」
仏様の道を照らす光を消すな、と副住職が繰る数珠。
キース 「ライトアップとは違うんだ!」
Aブルー「なるほどねえ…。でも、せっかくだし…」
点滅するのもオシャレじゃないかな、と笑顔な人。
Aブルー「すぐに点くなら、イルミネーション感覚で!」
キース 「棚経は、そういうイベントではない!」
Aブルー「ライトアップ用品、売ってるじゃないか!」
キース 「なんだって?」
Aブルー「スーパーとかで!」
確かに見たよ、と言ってますけど。
ライトアップ用品…?
2020/08/28 (Fri)
☆コードを抜いても
スッポンタケの棚経ですけど、二回も消えてしまった蝋燭。
扇風機のせいでして、電源コードを引っこ抜かせた副住職。
キース 「スーパーのお盆用品と言えば、お供え物だが」
Aブルー「それもあるけど、もっと素敵なインテリアがね」
キース 「インテリアだと?」
Aブルー「そう! 仏様とか蓮の絵がついた提灯だよ!」
蝋燭じゃなくて電気で点くヤツ、とソルジャー、ニコニコ。
Aブルー「光が回転するヤツもあるし、オシャレだってば」
キース 「…盆提灯か…」
Aブルー「ほらね、やっぱりお盆用だよ、その名前なら!」
点滅式のヤツもあるかも、とソルジャー、グッと拳を。
Aブルー「アレみたいなものでさ、イルミネーション!」
キース 「盆提灯は、初盆の仏様だけだ!」
それ以外の場合は置いていないぞ、と副住職の反撃。
キース 「此処は初盆どころじゃないしな、要らんのだ!」
Aブルー「えっ、そんな…!」
キース 「そんなも何も、そういう決まりになっている!」
分かったんなら、二度と消すなよ、と吊り上げる眉。
キース 「あんたの場合は、コードを抜いても不安が残る」
Aブルー「そこは気にしないで、棚経をね!」
キース 「まあいいか…」
気を取り直して…、と副住職とジョミー君、合掌を。
キース 「のうぼう あきゃしゃ きゃらばや…」
一同 (((えっ?)))
またもカチッと微かな音で、扇風機がブーンと首振り式で。
一同 (((消えた…!)))
キース 「あんた、どういうつもりなんだ!」
ジョミー「コードは抜いたよ?」
キース 「それは見れば分かる!」
だが、扇風機は回っているぞ、とキース君、怒りMAX。
キース 「いったい何処の製品なんだ、あの扇風機は!」
Aブルー「さあ…? なにしろ君の部屋のヤツだし」
キース 「俺の?!」
Aブルー「君の部屋には、あるって聞いてさ」
一同 (((うわー…)))
怒りの矛先がこっちに向く、と一同、顔面蒼白。
ヤバそう…。
2020/08/29 (Sat)
☆止まらない扇風機
スッポンタケの棚経の最中、まさかの三回目に消えた蝋燭。
扇風機のコードは抜いてあるのに、順調に回転してまして。
キース 「俺の扇風機は、充電式ではない筈なんだが!」
Aブルー「だろうね、ぼくのサイオンを電気に変えてさ…」
首振り式で回してるんだよ、とソルジャー、得意満面。
Aブルー「ほら、こうするとね、棚経がさ…」
キース 「どうなると言うんだ!」
Aブルー「蝋燭が消えた回数の分だけ、丁寧になるよ!」
キース 「くっそぉ…。誰だ、扇風機をチクッたのは!」
蝋燭が消える件もそうだが、俺の部屋のも…、と副住職。
キース 「扇風機は初だし、誰かチクッた奴がいる!」
ブルー 「まあねえ、チクッたと言うよりはさ…」
キース 「あんただったのか!?」
一同 (((た、助かった…!)))
本当にお盆玉で助けてくれた、と一同、銀青様に心で感謝。
キース 「なんだって、あんたが棚経の邪魔をするんだ!」
ブルー 「坊さんあるあるの話をしてたら、ブルーがね…」
Aブルー「いい話を聞いたものだから!」
扇風機をゲットするしかないよね、とソルジャー、力説。
Aブルー「そしたらシロエが、君の部屋にさ…」
シロエ 「あーっ!!!」
キース 「そうか、貴様も戦犯か!」
ブルー 「シロエを責めないであげて欲しいな、そこは」
素直に喋っただけなんだから、と銀青様のお言葉。
ブルー 「それより棚経、時間が押していないかい?」
キース 「そ、そうだった…!」
既に普通の三軒分は消費したぞ、と副住職、真っ青。
キース 「続けるから、扇風機を回さないでくれ!」
Aブルー「えーっ!?」
もっと時間を割いて欲しいよ、とソルジャーの我儘。
Aブルー「年に一度の棚経なんだし、もっとじっくり!」
キース 「しかし、俺にもノルマがあるんだ!」
Aブルー「お布施だったら出すからさ!」
キース 「他にも回ると言ってるだろうが!」
檀家さんにも御迷惑だ、と怒り炸裂。
そうですよねえ…?
2020/08/30 (Sun)
☆扇風機の許可を
スッポンタケの棚経ですけど、扇風機の風で消される蝋燭。
コードを抜いても止まらないわけで、今も順調に送風で…。
キース 「とにかく、扇風機を止めてくれ!」
Aブルー「お布施を増やせば、十軒分くらいいけるかな?」
キース 「だから、そういう問題ではないと!」
ブルー 「許可した方がマシだと思うよ、扇風機」
気が済むまで消させて、清算したまえ、と銀青様の仰せ。
ブルー 「何軒分ほど浪費したのか、最後に纏めて計算で」
キース 「そう言われても、他の檀家さんが…!」
ブルー 「時間は待ってはくれないんだよ、よく考えて」
キース 「うう…。ジョミー、蝋燭を点けてくれ」
何回消えるか分からないが、と悄然とする副住職。
キース 「消えたら点けるで、乗り切るしかない」
ジョミー「分かったよ…。此処でスタンバイする」
邪魔にならない至近距離で、とジョミー君、蝋燭の側に。
キース 「よし、それで頼む。南無阿弥陀仏…」
ジョミー(消えた、よし、点けた!)
キース 「南無阿弥陀仏…」
ジョミー(消えたら、点ける!)
扇風機の風とジョミー君の戦い、消えている間は読経中断。
キース 「南無阿弥陀仏、南無阿弥陀仏…」
ジョミー「南無阿弥陀仏…」
ハハーッと平伏、なんとか今年も終わった棚経。
キース 「よし、次へ急ぐぞ!」
ブルー 「待ちたまえ。先に、お布施の清算を」
キース 「急ぐんだが!」
ブルー 「大丈夫。今年はブルーが奉仕するから」
此処で浪費した時間の分だけ、瞬間移動で、と銀青様。
ブルー 「いいね、遅れを取り戻すまでは、キッチリと!」
Aブルー「ええっ、今日はハーレイが特別休暇を…!」
取ってくれるのに、とソルジャー、ワタワタ。
Aブルー「棚経の効果を味わいたいしね、うんと早めに!」
ブルー 「終わってからだね、帰っていいのは」
キース 「お布施の方は、十軒分だな」
Aブルー「えーっ!?」
酷すぎるよ、と騒いでますけど。
今月、これにて中継終了~。
2020/08/31 (Mon)