☆蒸し返されたお盆
さて、九月。楽しかった夏休みも終了なシャン学メンバー。
とはいえ休日は生徒会長宅でのんびり、そんな具合でして。
シロエ 「暑いですねえ、外はまだまだ夏ですよ」
ジョミー「残暑だなんてさ、絶対、暦が間違ってるよね」
ブルー 「あれは元々、旧暦だしね…。ホントだったら…」
立秋は九月になるんだよね、と生徒会長の説明が。
ブルー 「それなら、少しは秋らしいだろう?」
サム 「そうでもねえよ、とても秋って感じじゃねえぜ」
スウェナ「クーラー無しでは過ごせないわよ、この季節」
キース 「まったくだ。扇風機では辛いものがある」
お盆の頃を思えばマシだが…、という声に凍り付く空気。
シロエ 「そ、そうですよね、あの頃よりは涼しいですよ」
キース 「昼間は暑いが、朝晩はかなりマシになったぞ」
マツカ 「ええ。その辺は秋の気配ですよね」
シロエ 「早く涼しくなるといいですね、秋らしく」
秋と言ったら食欲の秋で…、とシロエ君の台詞ですけど。
キース 「いや、その前に、秋のお彼岸がある」
シロエ 「そうでした! でもですね…」
キース 「扇風機の件では世話になったな、棚経の時に」
シロエ 「うっ…」
グッと言葉に詰まるシロエ君、他の面子も悪い顔色。
シロエ 「あ、あの話は、もう時効ですってば…!」
ブルー 「そうだよ、お布施も沢山貰っただろう?」
マツカ 「十軒分ですし、余分に貰えた勘定ですよね」
九軒分も…、と御曹司。
マツカ 「ついでに、後の移動も楽々でしたよ」
ブルー 「うん。結局、殆ど終わりの頃まで…」
スウェナ「瞬間移動だったわよねえ、遅れたせいで」
時間を食った分が取り戻せなくて…、とスウェナちゃんも。
スウェナ「その分、楽をしたでしょ、今年は」
キース 「それはそうだが、檀家さんにだな…」
ジョミー「遅刻のお詫びもしてたしね…」
一同 「「「うっ…」」」
キース 「分かったか?」
扇風機の罪は重いんだがな、と副住職。
ヤバい感じが…。
2020/09/01 (Tue)
☆ネタを振った人は
休日は生徒会長宅でのんびり、そういうシャン学メンバー。
けれど残暑が厳しいわけで、蒸し返されたのがお盆の棚経。
キース 「あの扇風機のせいで、俺がどれほど困ったか…」
ジョミー「ぼくも大変だったんだよねえ、蝋燭係が」
何度消えたと思ってるのさ、とジョミー君も副住職派。
ジョミー「普通だったら、消えるのなんて、ほぼ無いから」
キース 「まったくだ。棚経の前に、チェックするしな」
扇風機の風が当たるかどうか、と副住職、腕組みを。
キース 「そこはきちんと調整したのに、その後がだ…」
ジョミー「いきなり首振り式だもんねえ…」
キース 「あまつさえ、電源コードを抜いてもだな…」
ジョミー「回っちゃった所が半端ないよね、あの扇風機」
充電式でもないのにさ…、とジョミー君も深い溜息。
ジョミー「扇風機ネタを振った人はさ、ブルーでもさあ…」
キース 「俺の部屋にあると証言したのは、シロエだしな」
まさにA級戦犯だ、と副住職、シロエ君をギロリと。
キース 「しかも、あの場の雰囲気からして…」
ジョミー「ホントはシロエが振ったんじゃないの、アレ」
扇風機ネタ、とジョミー君も、シロエ君をジロジロ。
ジョミー「ブルーが振るとは、あんまり思えないんだよね」
キース 「あの日、棚経の後に、そういう話になってな」
ジョミーと打ち上げしていた時に、と副住職。
キース 「どうも怪しい、と踏んでいるんだが?」
ジョミー「その辺、実際、どうだったわけ?」
シロエに訊いても無駄だろうし、と視線が他の面子へ。
ジョミー「扇風機ネタは、本当にブルーだったのかな?」
マツカ 「そうなんですけど…」
信じて貰えないかもですが…、と御曹司、控えめに反論。
マツカ 「棚経の件で雑談中に、話がそっちに行きました」
キース 「ほほう…。ブルーが坊さんあるある、を?」
マツカ 「そうなんですよ」
キース 「怪しいな」
グルかもしれん、とキース君、疑いの瞳。
バレそうな感じが…。
2020/09/02 (Wed)
☆お詫びが無い人
生徒会長宅で休日なシャン学メンバー、話題がお盆の方へ。
棚経の時の扇風機事件、ネタを振った人を副住職が詮索中。
キース 「坊さんあるあるは、ブルーも承知の筈だが…」
ジョミー「でも、その前に伝説の高僧なんだよねえ…」
棚経の日にネタを振るかな、とジョミー君も傾げている首。
ジョミー「ぼくたちが困るの、確実なんだし…」
キース 「思い出しても、口には出さない気しかしないな」
それでこそ伝説の高僧だろう、と副住職、もっともな説を。
キース 「そういった点を考慮するとだ、ネタ元はだな…」
ジョミー「ホントにシロエが怪しいんだよね、真っ黒に」
シロエ 「違いますから!」
マツカ 「疑わないであげて下さい、気の毒ですよ」
扇風機の在り処を喋ったことは本当ですけど、と御曹司。
マツカ 「ブルーだって、たまにはジョークも言いますよ」
キース 「扇風機の件はジョークで片付かないぞ」
ジョミー「今までの棚経で、一番大変だったかも…」
労力の点では、とジョミー君、お手上げのポーズ。
ジョミー「蝋燭が消える度に点けるの、ハードだったよ」
キース 「俺も読経が中断ばかりで、酷い目に遭った」
なのに、ブルーから詫びが無いんだ、と副住職。
キース 「あの時は急いでいたから、ともかく…」
ジョミー「棚経が全部終わった後なら、フリーだしね…」
差し入れの一つもあっていい筈、とジョミー君の指摘。
ジョミー「瞬間移動でサッとお届け、そういう感じで」
キース 「ああ。ぶるぅの料理でなくてもだな…」
ジョミー「アイスとかでも充分だったよ」
でも来なかった、と僧籍な人たち。
ジョミー「だからさ、やっぱり犯人はブルーじゃなくて…」
キース 「シロエだろうと踏んでるんだが、どうなんだ?」
マツカ 「違いますってば、シロエは潔白ですよ」
シロエ 「そうです、ぼくは何も…!」
キース 「しかし、ブルーの言葉が無いぞ」
この期に及んで詫びが無いが、とツッコミが。
それは確かに…。
2020/09/03 (Thu)
☆名乗り出た人
生徒会長宅でのんびりな休日、けれど話題は棚経での事件。
扇風機の元凶になったのは誰か、副住職が厳しく追及中。
キース 「本当にブルーがやらかしたんなら、詫びる筈だ」
ジョミー「だよねえ、シロエに疑いがかかってるんだし」
自分がやったと言う筈だよね、とジョミー君も。
ジョミー「なのに、さっきから黙ってるしさ…」
キース 「やはり戦犯はシロエだとしか思えないんだが」
シロエ 「ですから、ぼくじゃありません!」
ブルー 「ほら、本人もこう言ってるしさ…」
そろそろ許してあげたまえ、と生徒会長、いえ、銀青様。
ブルー 「お詫びの件は、ぼくもウッカリしていたよ」
ぶるぅ 「んとんと…。ごめんね、気が付かなくて…」
差し入れ、行けばよかったね、と、お子様からもお詫びが。
ぶるぅ 「その分、今日は、お料理、頑張る!」
ジョミー「やったぁ! おやつも期待していい?」
ぶるぅ 「うんっ! 何でも好きなの、リクエストしてね」
サム 「俺もリクしていいのかよ?」
此処には来てねえけど、棚経してたし、とサム君の声。
サム 「なんかパァーッとさ、派手にやりてえよな」
ジョミー「いいね、棚経の打ち上げパーティー!」
キースと二人でやっただけだし、とジョミー君も賛成。
ジョミー「みんな、お疲れ様ってことでさ」
キース 「それはいいんだが、戦犯の件が問題だ」
スウェナ「えっ、その件なら、ブルーじゃないの」
さっき、本人が名乗り出たわよ、とスウェナちゃん。
スウェナ「だから、ぶるぅがお詫びに御馳走コースでしょ」
キース 「いや、出て来たのが、ぶるぅだからな…」
全くアテにならない気が…、と副住職が引き摺る問題。
キース 「ぶるぅは確かに、とても素直ないい子だが…」
ジョミー「その分、ブルーが右と言ったら右かもね」
サム 「そういう傾向はあるよな、うん」
キース 「パーティー自体は賛成なんだが…」
シロエがシロかはキッチリしたい、と副住職。
ヤバイ感じが…。
2020/09/04 (Fri)
☆懸賞金が出るなら
休日は生徒会長宅でのんびり、けれど扇風機の事件が問題。
ネタを振ったのは誰だったのか、キース君が追及中でして。
キース 「俺が思うに、真犯人はシロエの筈だ」
シロエ 「違いますってば!」
マツカ 「もう、その件はいいじゃないですか」
棚経の打ち上げパーティーですよ、と御曹司も助け舟を。
マツカ 「ぶるぅはともかく、ぼくは中立ですから」
スウェナ「そうよ、私も中立だわよ」
シロエが犯人だったら言うわ、とスウェナちゃん。
スウェナ「でも、違うものは仕方ないでしょ」
キース 「どうだかな…。懸賞金もかかっていないし」
一同 「「「懸賞金?」」」
キース 「そうだ、いわゆる賞金首だな」
それなら事情が変わるかもしれん、と副住職の怖い発言。
キース 「真犯人を突き出した場合、懸賞金が出るなら…」
サム 「あー…。賞金目当てに裏切るパターンな!」
キース 「その通りだ。しかし、残念ながらだな…」
先立つモノに不自由していて…、と副住職、溜息。
キース 「懸賞金をかけようにも、金が無いんだ!」
ジョミー「だよねえ、万年金欠だから」
キース 「実に辛いが、諦めるしか…」
ぶるぅ 「んとんと…。それって、お金でないとダメ?」
お金以外じゃダメなのかな、と「そるじゃぁ・ぶるぅ」。
ぶるぅ 「ぼくのお料理でいいんだったら、作るけど…」
キース 「有難い! だったら、リクエスト権でいくか」
サム 「誰が犯人か、喋ったら料理をリクできるのな!」
いいじゃねえかよ、とサム君も賛成。
サム 「くっそぉ、俺は別口で棚経だったし…」
ジョミー「ぼくもキースと棚経だったし…」
お互い、リクエスト権は無いよね、と僧籍な人たち。
ジョミー「いいなあ、真犯人を知ってる人ってさ…」
キース 「ちょっと待て。今ので、ブルーが除外されたぞ」
一同 「「「え?」」」
キース 「リクできるブツだ」
ブルーが真犯人なら出ない、という指摘。
ぶるぅの料理ですしね…。
2020/09/05 (Sat)
☆裏切った人には
生徒会長宅で過ごす休日ですけど、扇風機の事件が問題に。
ネタを振ったのが誰だったのか、キース君が厳しく追求中。
キース 「いいか、犯人を突き出したヤツにはだな…」
ジョミー「ぶるぅの料理のリクエスト権が来るんだよね」
サム 「うーん…。ブルーが犯人だった時にはよ…」
キース 「ブルーを裏切ったヤツが、ぶるぅにだ…」
料理をリクエスト出来るわけだ、と副住職、腕組み。
キース 「ぶるぅは、ブルーが大好きなんだし…」
ジョミー「ブルーを裏切ったような人にはさ…」
サム 「美味い料理は作らねえよな、絶対に」
美味そうに見えても、不味いんだぜ、とサム君、ブルブル。
サム 「でなきゃ激辛で、とても食えねえとか」
ジョミー「そうだよねえ…」
キース 「しかし、それだと、懸賞金としての意味が無い」
美味い料理を作るしかないんだ、と副住職の鋭い指摘。
キース 「どんなに腹が立っていたって、料理だぞ?」
ジョミー「うわー…。いくら、ぶるぅがいい子でもさぁ…」
サム 「やりてえわけがねえよな、ソレ…」
キース 「つまり、そういうことなんだ」
真犯人はブルーではない、と副住職、キッパリ断言。
キース 「そして、ブルーではないとなったら…」
ジョミー「ブルーが庇った誰か、っていうことになるよね」
サム 「やっぱ、シロエが真っ黒だよな」
ヤツしかいねえよ、とサム君の視線がシロエ君に。
サム 「なにしろ、面子が面子だしよ…」
キース 「ああ。マツカということは有り得ないしな」
ジョミー「スウェナも、そんなネタなんかはさ…」
キース 「当日、口には出さないぞ」
その辺は心得ている筈だ、と副住職。
キース 「元ジャーナリスト志望なんだし、慎重だろう」
ジョミー「ぼくも、そう思う。すると残ってくるのはさ…」
サム 「シロエしかいねえ、って結論だぜ、うん」
キース 「それ以外に、無いな」
犯人はシロエだ、と副住職の指がビシィ! と。
そうなりますよね…。
2020/09/06 (Sun)
☆逃げ場が無い家
生徒会長宅で過ごす休日、始まった扇風機事件の犯人捜し。
懸賞金を出す話から、浮上したのがシロエ君でして…。
キース 「よし。懸賞金を出さなくても、これで解決だ!」
ジョミー「シロエだよねえ?」
サム 「他にいねえよ、シロエだぜ、うん」
シロエだ、シロエだ、と揃って指差す僧籍な人たち。
キース 「どうだ、俺の名推理に文句があるか?」
ジョミー「サッサと吐いたら楽になれるよ、こういう時は」
サム 「まさか逃げたりしねえよなあ?」
キース 「ぶるぅ、入口を封鎖してくれ」
其処のテーブルでバリケードだ、と副住職の指示。
ぶるぅ 「オッケー! えっと、これでいい?」
ジョミー「うわぁ、サイオンで一発だよ!」
サム 「デカくて重いヤツなのによ…」
キース 「どうする、シロエ? もう逃げられんぞ」
窓から出ようにも最上階だ、と副住職、ニヤリ。
キース 「それとも逃げるか? 逃げおおせたら…」
ジョミー「許しちゃうわけ?」
キース 「当然だろうが、いい余興だしな」
なにしろ窓から飛ぶんだから…、と副住職。
キース 「そうだ、クッションでもサービスするか」
一同 「「「クッション?」」」
キース 「ぶるぅに頼めば、サイオンで下に布団とか…」
受け止め用のアイテムを用意できる、とニヤニヤニヤ。
キース 「それに向かって、ダイブするなら…」
ジョミー「あー! 確かに面白そうだよね、ソレ!」
サム 「命の危険はねえってわけだな、飛び降りてもよ」
キース 「そうなるんだが、度胸は半端なく要るぞ」
それでも飛ぶなら、許してやろう、と副住職が眺める窓。
キース 「どうする、シロエ?」
シロエ 「そ、そんな…!」
酷いですよ、とシロエ君、ガクブル。
シロエ 「こんなトコから、誰が飛べるって言うんです!」
キース 「語るに落ちるな、やはり貴様が犯人か!」
シロエ 「えっ!?」
一同 (((バカだ…)))
思いっ切り墓穴、と溜息をつく御一同様。
自白…。
2020/09/07 (Mon)
☆ジャンプするべき
生徒会長宅で休日ですけど、扇風機事件の犯人が明らかに。
シロエ君がウッカリ自白したわけで、間抜けすぎるオチで。
キース 「そうか、貴様か…。窓から飛ぶか?」
シロエ 「い、いえ、あの…!」
サム 「往生際が悪いぜ、シロエ」
今更だしよ、とサム君も呆れ顔。
サム 「窓から飛んで許して貰うか、謝るかだぜ」
キース 「俺はどっちでもかまわないんだが…」
シロエ 「と、飛ぶなんて無理ですよ!」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ クッション、用意できるよ?」
落ちても痛くないように、と「そるじゃぁ・ぶるぅ」。
ぶるぅ 「他の人にも、見えないようにするから!」
シロエ 「えっ?」
キース 「確かにな。知らずに見たなら飛び降り自殺だ」
ぶるぅ 「でしょ? 通報されたら大変だもん!」
だから安心して飛び降りてね、と無邪気なお子様の笑顔。
ぶるぅ 「バンジージャンプみたいなものだし!」
ブルー 「あっちの方が怖いと思うよ、飛んだ後がね」
回収されるまで宙吊りだから、と生徒会長。
ブルー 「その点、シロエは落ちるだけだし」
ジョミー「だよねえ、きっと一瞬だってば」
サム 「やっぱアレかよ、盛り上げねえと…」
キース 「やる気が出ないかもしれないな」
おい、と副住職の視線が、棚経の時の留守番組に。
キース 「マツカとスウェナも、応援してやれ」
マツカ 「応援…ですか?」
スウェナ「何をするのよ?」
キース 「ジャンプ、と叫ぶだけでいい」
手拍子もつけて賑やかにな、と怖すぎる提案。
キース 「シャンパンコールのような感じで」
ブルー 「なるほど、ホストクラブのヤツだね」
それは大いに盛り上がるよ、と生徒会長、ニッコリ。
ブルー 「みんなでジャンプコールといこうか」
サム 「いいよな、ソレ! 鳴り物も入れてよ」
ぶるぅ 「んとんと…。それって、木魚と鐘とか?」
キース 「面白い。洋楽器よりも…」
木魚と鐘で派手にいくか、と言ってますけど。
法要ですか…?
2020/09/08 (Tue)
☆コールなら任せて
生徒会長宅で過ごす休日、扇風機事件の犯人が見事に自白。
許して貰うには窓からジャンプ、とシロエ君に酷い注文が。
サム 「木魚と鐘かよ、だったら、お経もいいかもな!」
ジョミー「そうだね、いつもは法要ばっかりだしさ…」
キース 「あの馬鹿野郎のいない所で、祭りにするか」
飛び降りたシロエを回収したら、宴会だ、と副住職。
キース 「棚経の打ち上げをする筈だったし、法要の分も」
ジョミー「いいね、ソレ! 法要には宴会がセットだしさ」
サム 「それでいこうぜ、まずは読経で盛り上げてよ」
祭りだから法衣なんかは抜きで、とサム君、ウキウキ。
サム 「ぶるぅ、木魚と鐘を頼むぜ」
ぶるぅ 「オッケー! んとんと、三人分でいいよね?」
キース 「そうだな、ブルーもやるなら四人分なんだが…」
ブルー 「ぼくは手拍子でやらせて貰うよ、音頭取りでね」
シャンパンコールもどきは任せてくれたまえ、と生徒会長。
ブルー 「なにしろ、ダテに遊んでないからね」
キース 「あんた、ホストもやっていたのか?」
ブルー 「そこまでは…。だけど、夜の街には詳しいよ」
キースなんかよりも、よっぽど、と生徒会長、自信満々。
ブルー 「さてと、シロエのジャンプに備えて…」
ぶるぅ 「木魚と鐘と、クッションだね!」
ブルー 「うん。マツカとスウェナは、コールを頼むよ」
こんな感じで、と手拍子つきで始まったお手本。
ブルー 「いいかい、ジャンプ入りまーす、って合図で…」
マツカ 「え、えっと…?」
ブルー 「ほら、ぼくと一緒に、ジャンプ、ジャンプ、と」
マツカ 「こうですか…?」
ジャンプ、と手拍子を打つマツカ君。
ブルー 「そうそう、そんな調子でね。スウェナもだよ」
スウェナ「ジャンプ、ジャンプ、と…。盛り上がりそうね」
ブルー 「それはもちろん! キースは木魚と鐘とお経で」
キース 「バックコーラスだな」
承知した、と大きく頷く副住職ですけど。
シロエ君の運命は…?
2020/09/09 (Wed)
☆練習してみよう
扇風機事件の犯人だったとバレたシロエ君、大ピンチ。
最上階の窓からジャンプで、ジャンプコールが始まりそう。
ブルー 「まずは読経で盛り上げてから、ジャンプだよね」
キース 「ジャンプコールが入ったら、読経がBGM、と」
ブルー 「そう! ジャンプコールに合わせて、木魚を」
キース 「叩きまくって、鐘も鳴らすんだな」
俺とジョミーとサムが揃って、と副住職、やる気満々。
キース 「おい、ジョミー。ちょっと練習しておかないか」
ジョミー「いいね、マツカとスウェナも一緒に」
サム 「やろうぜ、ブルーの合図でよ」
ブルー 「了解。ぶるぅ、木魚と鐘を頼むよ」
クッションの用意は後でいいから、と生徒会長。
ブルー 「シロエの気分を盛り上げるために、景気づけに」
ぶるぅ 「オッケー! はい、どうぞ!」
いい音がする木魚と鐘、と、お子様、瞬間移動で用意。
ぶるぅ 「えとえと…。ぼくもジャンプコールだよね?」
ブルー 「そうだね、手拍子で賑やかにね。それじゃ…」
キース 「一発、予行演習といくか」
チーン、とキース君が鐘を鳴らして、木魚をポクポク。
キース 「南無阿弥陀仏、南無阿弥陀仏…」
ジョミー「南無阿弥陀仏…」
サム 「南無阿弥陀仏…」
ブルー 「盛り上がって来た所で、ジャンプ入りまーす!」
ジャンプ、と生徒会長の音頭で、ジャンプコールが。
一同 「ジャンプ、ジャンプ!」
僧籍な人「南無阿弥陀仏、南無阿弥陀仏!」
ブルー 「いいねえ、コールのリズムで南無阿弥陀仏!」
キース 「其処は任せろ、南無阿弥陀仏、と!」
景気よく行くぞ、と実に盛り上がったコールの練習。
ブルー 「よーし、こんな感じでいこうか、本番もね」
キース 「シロエが飛んだら、拍手喝采なんだな」
ブルー 「もちろんだよ! 鐘と木魚の鳴り物入りでね」
キース 「分かったか、シロエ? 頑張れよ」
シロエ 「そ、そんな…!」
死ねる気しかしません、とシロエ君、ガクブル。
どうなる…?
2020/09/10 (Thu)
☆景気よく飛んで
扇風機事件の犯人だとバレたシロエ君、窓から飛ぶことに。
ジャンプコールで最上階からダイブ、そういう運命で…。
シロエ 「無理ですよ、飛んだら死にますってば!」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ クッションがあるから大丈夫!」
羽根布団をドッサリ積んだよ、と「そるじゃぁ・ぶるぅ」。
ぶるぅ 「ちゃんと下を見て、確認してね!」
キース 「ほほう…。見てみろ、シロエ、完璧だぞ」
シロエ 「嫌です、突き落とすつもりでしょう!」
キース 「馬鹿か、お前は。自分で飛んで貰わないとな」
ジャンプコールで景気よく、と副住職が指差す窓。
キース 「とにかく、コールを始めるとするか」
ジョミー「そうだね、早く宴会したいし」
サム 「シロエのジャンプの勇気も讃えるんだしよ…」
サッサと飛べよな、とスタンバイする僧籍な人たち。
キース 「では、先に読経を始めるぞ。南無阿弥陀仏…」
僧籍な人「南無阿弥陀仏、南無阿弥陀仏…」
ブルー 「シロエ、ジャンプの用意はいいかな?」
シロエ 「え、えええ…?」
本当に飛ばなきゃダメなんですか、とシロエ君、泣きそう。
シロエ 「ジャンプコールと言われてもですね…!」
ブルー 「バンジージャンプと変わらないってば」
僧籍な人「南無阿弥陀仏、南無阿弥陀仏…」
ブルー 「ジャンプ、入りまーす!」
生徒会長の音頭で、鐘と木魚と手拍子でジャンプコールが。
一同 「ジャンプ、ジャンプ!」
僧籍な人「南無阿弥陀仏、南無阿弥陀仏!」
ブルー 「さあ、思いっ切り、ジャンプ入りまーす!」
??? 「ジャンプ、ジャンプ!」
手拍子が増えてソルジャー(会話表記はAブルー)登場。
Aブルー「ジャンプ、ジャンプ!」
シロエ 「なんで、あなたが言うんです!」
誰のせいだと思ってるんです、とシロエ君、ブチ切れ。
シロエ 「あなたが飛べばいいでしょう!」
Aブルー「えっ、お祭りだと聞いたんだけど…?」
なんでキレるのさ、と怪訝そうな人。
話を聞いてませんね?
2020/09/11 (Fri)
☆手伝うそうです
扇風機事件の犯人だとバレて、飛ぶ羽目になったシロエ君。
最上階の窓からダイブで、ジャンプコールの最中ですけど。
シロエ 「コレの、どの辺がお祭りなんです!」
Aブルー「えっ、だって…。何処から見たってお祭りだよ」
一同 「ジャンプ、ジャンプ!」
僧籍な人「南無阿弥陀仏、南無阿弥陀仏!」
鐘と木魚と手拍子だよね、とソルジャーも手拍子。
Aブルー「シロエが飛んだら宴会だってね、頑張って!」
シロエ 「全部、あなたのせいなんですから!」
Aブルー「どうしてだい?」
シロエ 「棚経の時の扇風機ですよ!」
あなたが蝋燭を消しまくったせいです、とシロエ君の怒り。
シロエ 「お詫びに飛べと言われたんです、その窓から!」
Aブルー「なるほどねえ…。下に羽根布団が積んであるね」
シロエ 「だから大丈夫だと、皆で囃すんです!」
ジャンプコールで、とシロエ君が握り締める拳。
シロエ 「ぼくが飛ばないと終わらないとか、酷いです!」
Aブルー「了解。じゃあ、手伝ってあげるから」
シロエ 「え?」
Aブルー「ぼくのせいだろ、お手伝いするよ」
喜んで! とソルジャー、シロエ君をヒョイと肩の上に。
シロエ 「ちょ、ちょっと、何をするんです!」
Aブルー「窓から飛ばせてあげるんだよ」
よいしょ、とベランダの柵の向こうへ、シロエ君をグイと。
シロエ 「やめて下さい、死にますってば!」
Aブルー「死なない、死なない!」
一同 「ジャンプ、ジャンプ!」
Aブルー「ぼくが投げてもいいんだよね、コレ?」
ジャンプにカウントしてくれるよね、とソルジャーの笑顔。
シロエ 「殺されるーっ!」
ブルー 「まあねえ、余興には違いないから」
キースの意向はどうなのかな、と生徒会長、副住職に視線。
ブルー 「投げられても、カウントしていいのかな?」
キース 「ネタを振ったヤツと実行犯だし、いいだろう」
シロエ 「そんな…!」
殺す気ですか、と暴れてますけど。
落っこちますよ…?
2020/09/12 (Sat)
☆投げられた人
扇風機事件の犯人とバレて、飛ぶしかなさそうなシロエ君。
最上階からダイブな運命、しかもソルジャーが投げる気で。
シロエ 「嫌です、こんな高さからなんてーっ!」
キース 「つべこべ言わずに、投げられておけ」
飛ばないのならな、とキース君、読経を続行。
キース 「南無阿弥陀仏、南無阿弥陀仏!」
ブルー 「ほら、みんなもね! ジャンプ、ジャンプ!」
一同 「ジャンプ、ジャンプ!」
Aブルー「ほらね、そういうことだからさ…」
投げちゃおう! とソルジャー、更にズズイと。
シロエ 「ギャーッ! 死にたくないーっ!」
Aブルー「えっ?」
ベランダの柵にシロエ君の足、そして見事な巴投げ一本。
Aブルー「えーーーっ!?」
一同 「「「投げた…?」」」
ソルジャーを、と誰もが愕然、シロエ君が握っている柵。
サム 「マジかよ、逆に投げちまったぜ!」
シロエ 「し、死ぬかと思った……」
ゼイゼイと柵をよじ登り、ベランダに戻ったシロエ君。
シロエ 「まさか、もう飛べとは言いませんよねえ…?」
キース 「あ、ああ…。素晴らしい余興ではあった…」
お前もベランダからぶら下がったし、とキース君、承諾。
キース 「それで、あの馬鹿はどうなったんだ?」
シロエ 「さあ? 思いっ切り投げましたから…」
真っ直ぐ落ちてはいないのでは、とシロエ君が眺める外。
サム 「だったら、布団のクッションはねえな」
キース 「だが、それで死ぬようなヤツでもないぞ」
ブルー 「確かにねえ…。あれっ、お客様かな?」
ぶるぅ 「そうみたい!」
ピンポーン、とチャイムの音で、跳ねてゆくお子様。
キース 「宅配便でも頼んでいたのか?」
ブルー 「頼んでないから、お客様は、多分…」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ 珍しく玄関から入って来たの!」
一同 「「「げっ!!!」」」
Aブルー「こんにちはーっ! さっきは、どうも!」
投げられちゃったよ、とソルジャー、御帰還。
タフですよねえ…。
2020/09/13 (Sun)
☆戻って来た人
扇風機事件の犯人とバレて、窓から飛ぶ筈だったシロエ君。
けれど投げようとしたソルジャーを、逆に巴投げ一本で…。
Aブルー「ぼくとしたことが油断したよね、柔道だなんて」
シロエ 「窮鼠猫を噛むとか言うんですよ!」
投げようとするから悪いんです、とシロエ君、ブチ切れ。
シロエ 「ぼくは絶対、謝りませんしね、この件は!」
Aブルー「まあまあ、布団も回収しておいたしさ…」
キースも許してくれたんだろう、とソルジャー、ニッコリ。
Aブルー「扇風機のことは水に流して、打ち上げしようよ」
ぶるぅ 「そだね、みんなでパーティーだよね!」
キース 「あんた、どうやって戻って来たんだ?」
Aブルー「それはまあ…。投げられた直後に、瞬間移動で」
玄関先まで移動しましたー! と得意げな人。
Aブルー「でもって、布団も瞬間移動で回収で…」
ぶるぅ 「ちゃんとお部屋に戻ってるよね、ありがとー!」
Aブルー「それくらい、お安い御用だってば」
それよりパーティー、とソルジャーの関心は宴会へ。
Aブルー「ほら、木魚と鐘も片付けてね!」
キース 「まあ、いいか…。素晴らしいものを見たからな」
ジョミー「だよねえ、あそこから巴投げなんて…」
流石はシロエだ、とジョミー君も大感激。
ジョミー「どうやったわけ、あの体勢から?」
シロエ 「必死でしたし、全く覚えていないんですよ」
ブン投げたトコしか…、とシロエ君、苦笑。
シロエ 「気が付いたら、柵にぶら下がってました」
マツカ 「その技、ぼくには無理そうですよ」
キース 「俺も正直、自信が無いな」
最高の余興を見せて貰った、と柔道部な人たちも感動な技。
キース 「よし、切り替えてパーティーといくか」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ お料理、用意するねーっ!」
Aブルー「いいねえ、みんなでパァーッとやろうよ!」
ジョミー「シロエの生還を祝って、乾杯!」
Aブルー「ぼくは?」
祝ってくれないのかい、と言ってますけど。
生還して当然…。
2020/09/14 (Mon)
☆生還を祝して
最上階の窓からダイブな運命だった、シロエ君ですけれど。
投げようとしたソルジャーを巴投げして、無事に生還で…。
キース 「なんで、あんたの生還を祝う必要がある?」
サム 「シロエだったら分かるけれどよ、あんたはよ…」
落ちても絶対、死なねえだろうが、とサム君、溜息。
サム 「シロエを抱えて飛んでやれよな、ああいう時は」
キース 「まったくだ。共犯なんだし、一緒にダイブで」
Aブルー「うーん…。その発想は無かったよね」
シロエ 「つまり、殺す気だったんですね?」
放り投げて、とシロエ君が吊り上げる眉。
シロエ 「殺す気満々だったでしょう!」
Aブルー「クッションがあったし、死なないってば」
シロエ 「気持ち的には死にますってば!」
投げられて落ちていく間に…、とキレまくる人。
シロエ 「ぼくは自力で生還しました、巴投げで!」
キース 「ああ、賞賛に値する。ぶるぅ、乾杯の方は?」
ぶるぅ 「お料理は始めてるから、いつでもオッケー!」
シャンパンだよね、と出て来たボトルとグラス。
ぶるぅ 「一番いいのを用意したよ!」
ブルー 「それじゃ、改めて、ぼくの音頭でいいかな?」
一同 「「「はーい!」」」
ブルー 「それでは、シロエの生還を祝して…」
それから、棚経の打ち上げも、と生徒会長の乾杯の音頭。
ブルー 「乾杯!」
一同 「「「かんぱーい!!」」」
カチン、カチン、とグラスが触れ合い、めでたく乾杯。
ブルー 「棚経も、シロエも、お疲れ様!」
シロエ 「頑張りました!」
キース 「俺たちも、あの暑さの中、頑張ったよな」
ジョミー「ホントにね…。とにかく乾杯!」
さあ、打ち上げだ、と賑やかに始まるパーティー。
ぶるぅ 「お料理、沢山あるから、どんどん食べてね!」
キース 「そうだな、しっかり体力をつけないと…」
シロエ 「先輩、何かありましたっけ?」
キース 「野暮用がな」
坊主の宿命というヤツだ、と副住職の嘆き節。
月参りですか?
2020/09/15 (Tue)