☆野暮用だそうです
ソルジャーを巴投げしてシロエ君が生還、今はパーティー。
御馳走が沢山な中、キース君は体力をつけるのだそうで。
シロエ 「体力で勝負な野暮用ですか…。暑いですしね」
ジョミー「残暑と言っても、夏の延長戦だしね」
スウェナ「そりゃ、月参りも辛いわよ。しっかり食べて!」
そしてキリキリ回るといいわ、とスウェナちゃんのエール。
スウェナ「この暑い中で、月参りだって自転車だものね」
サム 「スクーターの許可、下りねえもんなあ…」
マツカ 「暑さ寒さも彼岸まで、とは言うんですけどね…」
シロエ 「最近はソレって、当てはまりませんよね」
いつまで経っても暑いんですよ、とシロエ君もウンザリ顔。
シロエ 「キース先輩、頑張って下さい、月参り!」
キース 「誰が月参りだと言ったんだ?」
シロエ 「野暮用と言ったら、月参りでしょう?」
しかも坊主の宿命ですし、とシロエ君、キョトン。
シロエ 「体力勝負も当然ですしね、月参りで決まりです」
キース 「さっき、マツカが言っただろうが!」
マツカ 「え? あ、ああ…。お彼岸ですね」
Aブルー「そう、ソレ、ソレ!」
ウッカリ忘れる所だったよ、とソルジャー、手をポンと。
Aブルー「大事なイベントがあるんだっけね、今月も!」
キース 「し、しまった…」
サム 「あーあ、今度はキースが墓穴パターンかよ」
ずっとシロエのターンだったのによ、とサム君が仰ぐ天井。
サム 「自分でバラしてどうするんだよ、今の状況でよ」
キース 「くっそぉ…。俺としたことが…」
Aブルー「よろしく頼むね、お中日のヤツ!」
スッポンタケがまた漲るよ、とソルジャー、ウキウキ。
Aブルー「ほらほら、もっと栄養をつけて、いい法要を!」
キース 「なんでそういうことになるんだ、毎回、毎回!」
ブルー 「君が戒名をつけるからだよ、あんなのに」
シロエ 「それに今回は、先輩の失言が原因です」
責任は自分で取って下さい、とシロエ君。
それは確かに…。
2020/09/16 (Wed)
☆責任は取るべき
棚経の打ち上げとシロエ君の生還祝い、楽しくパーティー。
ところがキース君がウッカリ、お彼岸などと言いまして…。
シロエ 「いいですか? 責任は自分で取るものです」
サム 「今のシロエだと、説得力がありまくりだぜ」
ジョミー「ジャンプの危機から、自力で生還したもんね…」
しかもソルジャーを巴投げだよ、とジョミー君。
ジョミー「投げ落とされると思ったのにさ…」
マツカ 「ええ。落ちるしか無いと思いましたよ、ぼくも」
スウェナ「なのにキッチリ逆転だものね、凄すぎだわよ」
扇風機事件の責任を取って、しかも生還、と褒め称える声。
スウェナ「だからキースにも、責任は取って貰わないと」
サム 「まったくだぜ。自分で墓穴を掘ったんだしよ」
シロエ 「出来れば、チャラにする方向ですよね」
お彼岸の法要を無しにするとか…、とシロエ君の意見。
シロエ 「そこのお施主様を、こう、巴投げ一本で!」
一同 「「「イイネ!」」」
お彼岸の法要はもう沢山だ、と誰もが「イイネ」を。
サム 「キース、一発、投げちまえよ!」
キース 「そ、そんな無茶を言われても…!」
Aブルー「ふうん…? キースが、ぼくを窓からねえ…」
チャレンジするなら受けて立つよ、とソルジャーの笑み。
Aブルー「見事に投げたら、法要は無しでもいいけれど」
キース 「本当か!?」
Aブルー「でも、投げられたら、法要だよね!」
例年通りに、いい法要を、とソルジャー、ニコニコ。
Aブルー「ぶるぅ、クッションを用意してくれるかな?」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ さっきのお布団だね!」
キース 「ま、待ってくれ!」
それでは俺の分が悪すぎる、とキース君、必死。
キース 「何故、落とされても法要をせねばならんのだ!」
シロエ 「それが責任というものでしょう?」
ジョミー「それに、余興も欲しくなるよね」
サム 「うんうん、参加者側としてはよ」
巻き込まれるのは俺たちだぜ、とサム君も。
余興ですか…。
2020/09/17 (Thu)
☆自発的に飛んで
棚経の打ち上げとシロエ君の生還祝いな、パーティーの席。
キース君がウッカリお彼岸発言、責任を取れという方向に。
サム 「この際、キースもチャレンジするべきだよな?」
シロエ 「そう思いますね、自発的に飛ぶのもアリですが」
飛び降りて下さってもいいんですよ、とシロエ君の笑み。
シロエ 「投げられるのは見苦しい、と思うんでしたら」
サム 「あー…。潔いのはそっちだよなあ、確かによ」
ジョミー「そうだね、投げられるのを待たなくてもさ…」
窓から飛べばいいんじゃないの、とジョミー君も。
ジョミー「こう、お念仏を唱えてからさ、颯爽と!」
シロエ 「いいですねえ! ジャンプコールより凄いです」
スウェナ「責任を取るって感じだわねえ、キマッてるわよ」
そっちの方にしたらどうなの、とスウェナちゃんも賛成。
スウェナ「それなら、投げられ損でもないでしょ?」
ブルー 「キースの勇気を示せるチャンスだね、それは」
鮮やかにキメてみたらどうだい、と生徒会長が指差す窓。
ブルー 「合掌してから、迷いなくダイブ!」
キース 「どう考えても死ぬだろうが、それは!」
Aブルー「クッションがあるから、平気だってば」
死にやしないよ、とソルジャーも笑顔。
Aブルー「そこまでやってくれるんだったら、法要はさ…」
シロエ 「諦めて下さるんですね?」
Aブルー「もちろんだよ。ただし、今回限りだけれど」
ジョミー「でも、お彼岸はどうするわけ?」
そりゃ、ぼくたちは嬉しいけれど、とジョミー君の疑問。
ジョミー「法要無しだと、困るんじゃない?」
Aブルー「大丈夫! 一種の通過儀礼だから!」
一同 「「「へ?」」」
なんのこっちゃ、と誰もがポカーン。
ジョミー「通過儀礼って、何の話さ?」
Aブルー「キースが窓から飛ぶヤツだってば、ダイブだよ」
シロエ 「意味がサッパリなんですが?」
Aブルー「ズバリ、バンジー!」
勇気を示す通過儀礼だろう、と言ってますけど。
バンジー…?
2020/09/18 (Fri)
☆勇気のパワーを
キース君がウッカリお彼岸な失言、責任を取れという方向。
窓から自発的に飛んだら、お彼岸の法要は無しになるとか。
シロエ 「バンジーって、バンジージャンプでしょうか?」
Aブルー「そう! 元々は通過儀礼なんだと聞いたよ」
ブルー 「確かにね。発祥の地では、元は儀式だよ」
飛べる勇気を示して初めて一人前で…、と生徒会長。
ブルー 「だからブルーは間違ってないよ」
シロエ 「はあ…。でも、それとキース先輩の関係は?」
Aブルー「分からないかな、勇気を示してくれるんだし…」
そのエネルギーを貰うんだよね、とソルジャー、笑顔全開。
Aブルー「勇気のパワーを、スッポンタケに!」
一同 「「「ええっ!?」」」
Aブルー「きっと大いに漲る筈だよ、間違いなく!」
なにしろキースの弟子なんだから、と赤い瞳がキラキラと。
Aブルー「師匠のパワーを分けて貰って、パワーアップ!」
シロエ 「は、はあ…。でもまあ、それなら法要は…」
Aブルー「1回休みでいいと思うよ、次のお彼岸まで!」
ぼくは全く気にしないよね、とニコニコニッコリ。
Aブルー「そういうわけだし、キース次第かな、お彼岸は」
キース 「あんた、どういう発想なんだ!」
シロエ 「いい話だと思いますけどね?」
法要が1回無くなるのなら…、とシロエ君。
シロエ 「キース先輩が飛び降りさえすれば、休みです!」
サム 「人柱みてえなモンだよな、うん」
ジョミー「でもさあ、死ぬってわけじゃないしさ…」
スウェナ「此処は飛ぶべきだと思うわよ」
飛びなさいよ、とスウェナちゃんも。
スウェナ「円満解決に向けてダイブよ、頑張って!」
キース 「し、しかし…!」
俺の勇気を例のキノコが持って行くのか、と顔面蒼白な人。
キース 「それはあまりに、あんまりな気が…!」
Aブルー「そんなことないと思うけどなあ、立派な師匠で」
キース 「やかましい!」
あんたの都合で進めるな、と叫んでますけど。
どうなりますやら…。
2020/09/19 (Sat)
☆飛んだ場合には
ウッカリお彼岸な失言をしたキース君、窓から飛ぶ方向へ。
飛んだ場合は、お彼岸の法要が1回お休み、そんな話で…。
Aブルー「君の勇気で、スッポンタケが漲るんだしね!」
シロエ 「キース先輩、思いっ切り飛んで下さいよ!」
Aブルー「そうだよ、そしたら、ぼくのハーレイもさ…」
いつも以上にビンビンのガンガン、とソルジャーの笑顔。
Aブルー「法要だったら、マンネリ感があるかもだけど」
キース 「なんだと!?」
Aブルー「うんと刺激も貰えるからねえ、ジャンプだと!」
だから飛んでよ、と指差す窓。
Aブルー「法要より、断然、そっちだってば!」
キース 「断固、断る!」
なんだって、そんな理由のために、と副住職、怒りMAX。
キース 「供養だったらまだしも分かるが、違うだろう!」
Aブルー「えっ? スッポンタケが漲るんだよ?」
キース 「その後の話が問題だ!」
誰が飛ぶか、とキース君、視線を周りの面子に。
キース 「聞いたか、お彼岸のお中日には法要だ!」
一同 「「「ええっ?」」」
キース 「嫌だというなら飛んでもいいが、同罪だぞ」
お前たちもな、と指をビシィ! と。
キース 「この馬鹿野郎の、最悪な目的のためにだな…」
Aブルー「何処が最悪だって言うのさ!」
キース 「あんたの世界のハーレイの話だ!」
盛り上げてやる気は無いからな、と副住職が吊り上げる眉。
キース 「それを支持する輩も同罪、見学に行け!」
Aブルー「ああ、なるほど…。覗きだったら大歓迎だよ!」
一同 「「「げっ!」」」
キース 「俺が窓から飛んだ場合は、見学ツアーだ」
こいつの世界で楽しんで来い、と据わっている瞳。
シロエ 「ぜ、全力でお断りします、そのお話は…!」
サム 「是非、法要をやってくれよな、いつも通りに!」
キース 「そうか、それなら喜んで厳修させて貰おう」
Aブルー「えーっ、酷いよ、あんまりだよ!」
法要よりジャンプ、と叫んでますけど。
無駄ですよね?
2020/09/20 (Sun)
☆平和のためには
キース君が窓から飛ぶ話ですが、土壇場に来て情勢が激変。
ソルジャー以外は法要を希望、そんな展開になっている今。
Aブルー「ぼくはジャンプがいいんだってば、本当に!」
シロエ 「いえ、法要の方がいいです!」
ジョミー「ぼくたち、ちゃんと出席するから、法要だよね」
いい法要にしなくっちゃ、とジョミー君まで燃える法要。
ジョミー「ぼくも法衣を着てもいい、っていうくらいに!」
サム 「俺だって着るぜ、いい法要にするためならよ」
キース 「ほほう…。お前たち、いい心がけだな」
サム 「そりゃ、お彼岸は大切だしよ…」
法要は絶対、やるべきだよな、とサム君も。
サム 「1回休みだなんて、有り得ねえって!」
シロエ 「そうですよ! キース先輩、頑張って下さい!」
キース 「もちろんだ。というわけでだ、お中日はだ…」
元老寺のは抜けて来るから、此処で法要、と副住職。
キース 「朝一番に集合だからな、忘れるなよ?」
一同 「「「オッケー!」」」
Aブルー「酷いってば!」
キース 「だったら、あんたは欠席でいいが」
どうせ遅れて来るんだしな、と副住職の鋭い指摘。
キース 「俺たちだけで勝手にやるから、休みにしておけ」
Aブルー「それも嫌だよ、もう、こうなったら…!」
ヤケ食いだーっ! と御馳走に突っ走る人。
Aブルー「ぶるぅ、どんどん持って来て! もっと沢山!」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ 栄養つけるんだね!」
Aブルー「でなくちゃ、やってられないよ!」
ぼくのハーレイとヤリまくるために、と凄い食べっぷり。
キース 「こいつのためにジャンプは、無いな」
シロエ 「そうですね…」
分かりますよ、とシロエ君も深い溜息を。
シロエ 「お中日は法要の方が、平和のためだと思います」
ブルー 「まあ、そうだろうね、これではねえ…」
キース 「いいな、お彼岸は法要だ!」
一同 「「「はーい!」」」
分かりましたぁ! と元気な返事。
いつも通りに法要ですね!
2020/09/21 (Mon)
☆僧籍な人と法衣
暑さ寒さも彼岸まで。そんなお中日が来て、いよいよ法要。
生徒会長宅に朝から集合な、シャン学メンバーですけれど。
シロエ 「ジョミー先輩、法衣は持って来たんですか?」
ジョミー「えっ、なんで?」
シロエ 「法衣を着てもいいって言っていたでしょう?」
今日は法要だと決まった時に…、とシロエ君が傾げる首。
シロエ 「いい法要にするために、と聞きましたけど…」
ジョミー「あー、アレ…。まあ、言ったけどさ…」
サム 「その場のノリっていうヤツだよなあ…」
俺にしたって、と同じく僧籍なサム君、頭をポリポリ。
サム 「あの流れだとよ、言うしかねえだろ?」
ジョミー「そうだよ、でないと誰かさんがさ…」
変な方向に突っ走るしね、とジョミー君。
ジョミー「第一、ぼくは法衣なんかは持ってないしさ」
シロエ 「そうなんですか!?」
サム 「俺だって、持っていねえんだけど?」
僧籍なだけで、坊主じゃねえし…、とサム君も。
サム 「いつか修行を始める時まで、要らねえしよ」
シロエ 「じゃあ、棚経の時の法衣は何なんです?」
ジョミー「元老寺で用意してくれるんだよ」
キースのじゃないと思うけどさ、とジョミー君の答え。
ジョミー「それともアレかな、キースのかな?」
サム 「そうかもなあ…。アレも着物だし…」
マツカ 「体格の差は、さほど響きはしないでしょうね」
キースのに手を入れたのでは…、とマツカ君。
マツカ 「イライザさんなら、得意そうですよ」
ジョミー「それって、キースのお古ってこと?」
マツカ 「いえ、新品を仕立て直しじゃないですか?」
数は持ってると思うんですよ、と、もっともな説が。
マツカ 「なにしろ、キースの仕事着ですから」
サム 「確かに普段に着るヤツだよなあ、あの法衣はよ」
ジョミー「そっかぁ、元はキースのヤツだったんだ…」
シロエ 「じゃあ、先輩が持って来る可能性が…」
あるんですよね、とシロエ君が顎に当てる手。
法衣を持参…。
2020/09/22 (Tue)
☆持参コースかも
お彼岸のお中日は法要で、当日を迎えたシャン学メンバー。
けれど、法衣だと言ったジョミー君とサム君、法衣は無し。
ジョミー「持って来る可能性って、何さ?」
シロエ 「法衣ですってば、ジョミー先輩とサム先輩の」
キース先輩、記憶力は半端ないですよ、とシロエ君。
シロエ 「いくら、その場のノリでもですね…」
マツカ 「着せるつもりで、用意しているかもですね…」
ジョミー「そ、そんな…!」
サム 「マジかよ、なんで俺たちまで…!」
あんなブツの法要に駆り出されるんだよ、とサム君、愕然。
サム 「そのコースは、ねえと思いてえけど…!」
ぶるぅ 「あっ、チャイムだぁ!」
キースかな、と玄関へ跳ねてゆく「そるじゃぁ・ぶるぅ」。
スウェナ「ねえ、キースにしては早すぎないかしら?」
シロエ 「そういえば…。いつも、もう少し遅いですよね」
マツカ 「嫌な予感がしませんか?」
ぼくじゃなくて、サムとジョミーですけど、と御曹司の声。
マツカ 「こう、早めに来る理由がありそうな気が…」
サム 「言わねえでくれよ、縁起でもねえ!」
ジョミー「そうだよ、それは無いってば…!」
たまたま早いだけだってば、とジョミー君、必死の形相。
ジョミー「どう間違っても、法衣は持って来ないって!」
サム 「うんうん、そこまでマメじゃねえって…」
思いてえよな、とサム君が言った所で、開いたドア。
ぶるぅ 「かみお~ん♪ やっぱりキースだったよ!」
キース 「待たせたな。遅くなってすまん」
支度に時間がかかったもので…、と副住職の登場。
キース 「昨夜、おふくろに頼んでおくのを忘れてな」
ジョミー「な、何をさ…?」
キース 「見て分からんか?」
お前とサムの法衣なんだが…、と突き出された法衣専用鞄。
キース 「今回は、お前たちも勉強なんだと言っておいた」
僧籍な人「「げっ!」」
キース 「遠慮は要らんぞ」
親父も喜んでいたからな、と言ってますけど。
まさかの法衣…。
2020/09/23 (Wed)
☆法衣に着替えを
お彼岸のお中日はスッポンタケの法要、到着したキース君。
ジョミー君とサム君の法衣を持参で、着せる気満々な顔。
キース 「お前たちも法衣を着るそうだからな、今回は」
ジョミー「あ、あれは、その場のノリってヤツで…!」
サム 「本気で言ってたわけじゃねえしよ、俺たちも…」
そこの所を分かってくれよな、とサム君、懸命に愛想笑い。
サム 「あるじゃねえかよ、そういうのもよ」
キース 「なら、聞くが…。今日の仏様の戒名はだな…」
どうしてついてしまったんだ、と副住職の問い。
キース 「アレもその場のノリだったんだぞ、元々は!」
サム 「そ、そういや、そういう流れだったよな…」
ジョミー「だからクジラのパクリだっけね…」
キース 「分かったか? ノリの後始末の恐ろしさが!」
サッサと法衣に着替えやがれ、と差し出す法衣専用鞄。
キース 「俺も着替えるんだが、お前たちはだ…」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ お供の人は別の部屋だよね!」
キース 「ああ。導師と下っ端は格が違うからな」
風呂場の脱衣室でもいいくらいだが…、と副住職。
キース 「とはいえ、法衣に失礼だしな」
ぶるぅ 「オッケー! ジョミーたちはこっち!」
僧籍な人「「はーい…」」
分かりました、と連行されて、着替えにお出掛け。
シロエ 「キース先輩、やっぱり覚えていましたね…」
マツカ 「今回は、法衣が三人ですか…」
??? 「うん、有難い話だよねえ!」
最高だってば、とソルジャー(会話表記はAブルー)登場。
Aブルー「お坊さんが三人だなんて、素敵だよ!」
シロエ 「ジョミー先輩たちは、見習いですよ?」
Aブルー「だけど、見た目はお坊さんだし!」
お坊さんの名前も持っているよね、と弾ける笑顔。
Aブルー「スッポンタケも大感激だよ、お坊さんが三人!」
ブルー 「まあねえ…。役僧つきになるし」
一同 「「「役僧つき?」」」
それはどういう意味なんだ、と一同、キョトン。
役僧つきって…?
2020/09/24 (Thu)
☆役僧のお仕事
スッポンタケの法要ですけど、キース君が持って来た法衣。
ジョミー君とサム君も法衣で法要、そういう流れでして…。
シロエ 「あのぅ、会長…。役僧つきって、何なんです?」
Aブルー「ぼくも聞きたい! 麻雀用語じゃないよね?」
ブルー 「役満と一緒にしないでくれたまえ!」
役僧つきと言えば役僧、と生徒会長、いえ、銀青様。
ブルー 「主役のお坊さんが導師で、お供が役僧だよ」
シロエ 「なるほど、お供がつくから、役僧つきですね」
ブルー 「そういうことだね、しかも二人も」
スッポンタケも偉くなったものだよ、と生徒会長の苦笑。
ブルー 「とはいえ、コスプレと大して変わりは…」
キース 「残念ながら、さほど無いようだな」
特にジョミーは、と法衣に着替えたキース君、登場。
キース 「あいつの場合は、もう完全に口パクなんだし」
シロエ 「サム先輩は、多少はお経が読めますよね?」
キース 「ああ。だが、それだけでは役僧は…」
正確に言えば務まらないな、と副住職。
キース 「読経に合わせて鳴り物などが、本来のだな…」
ブルー 「役僧の仕事のメインなんだよ」
Aブルー「鳴り物と言うと、木魚とかだよね」
サムなら叩けそうだけど…、とソルジャーの疑問。
Aブルー「棚経の時は、アドス和尚についてるし…」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ ジョミーたちも来たよ!」
ジョミー「あーあ、なんで、ぼくたちまで法衣なのさ!」
サム 「仕方ねえだろ、逆らえるかよ」
やるしかねえよ、と僧籍な二人も法衣な姿。
サム 「逆らったら、後が怖いしよ…」
Aブルー「ありがとう! 今日はよろしくお願いするよ」
ところで質問があるんだけれど…、と赤い瞳がサム君に。
Aブルー「今日の法要、サムなら鳴り物、出来そうだけど」
サム 「鳴り物かよ? やったことねえしなあ…」
Aブルー「えっ、木魚だよ?」
ブルー 「違うんだよね、鳴り物は」
木魚とは別、と銀青様の仰せですけど。
それなら、何だと…?
2020/09/25 (Fri)
☆リズムを取るには
お中日はスッポンタケの法要、ジョミー君とサム君も法衣。
役僧になるらしいですけど、本物の役僧には及ばないとか。
Aブルー「木魚じゃないなら、鳴り物って何さ?」
ブルー 「割笏くらいかな、この規模だとね」
一同 「「「カイシャク?」」」
なんだソレは、と顔を見合わせる御一同様。
ブルー 「小さな拍子木みたいなものだよ、知らないかな」
サム 「うーん…。デカい法要は出たことねえしよ…」
ジョミー「璃母恩院でも、修行体験だけだしね…」
ブルー 「こういうヤツでさ、お経のリズムを取るんだよ」
百聞は一見に如かずだよね、と銀青様の手に現れたブツ。
ブルー 「叩き方にも色々あるけど、こんな感じで」
シロエ 「へええ…。けっこうキンキンした音ですね」
キース 「響き渡らないと、リズムの意味が無いからな」
Aブルー「ジョミーたちには無理なわけ、ソレ?」
コスプレなお坊さんだから、とソルジャーの問い。
Aブルー「サムも見たことないみたいだし…」
キース 「ハッキリ言うが、叩き方さえ分かってないな」
Aブルー「そうなんだ…。でもさ、せっかくなんだしさ…」
その鳴り物を取り入れたいな、とソルジャーが眺める割笏。
Aブルー「スッポンタケも喜びそうだよ、賑やかでさ!」
キース 「賑やかだって?」
Aブルー「そう! ソレでリズムを取るんだろう?」
踊れそうな感じでいきたいよね、と赤い瞳がキラキラと。
Aブルー「ぼくにやらせてよ、ソレを叩くの!」
一同 「「「ええっ!?」」」
Aブルー「大いに盛り上げていきたいからさ、法要を!」
キースたちは、それに合わせてお経、とソルジャーの笑顔。
Aブルー「キースはプロだし、出来るよね?」
キース 「あんた、お経を何だと思ってるんだ!」
Aブルー「スッポンタケが漲る呪文だってば!」
キース 「なんでそうなる!」
Aブルー「法要の度にパワーが漲るからね!」
ぼくも、たまにはお手伝いを、と言ってますけど。
迷惑でしか…。
2020/09/26 (Sat)
☆リズム感がある人
スッポンタケの法要ですけど、今回は僧籍な人たちも法衣。
けれど皆無な役僧のスキル、鳴り物も鳴らせないそうで…。
Aブルー「スッポンタケが漲るためなら、お手伝いだよ!」
キース 「どう考えても迷惑だろうが、あんたの場合は!」
割笏の叩き方も知らないくせに、とキース君、キレそう。
キース 「サムでも無理だと言っているんだ、割笏は!」
Aブルー「だからこそだよ、誰がやっても同じだよ!」
ぼくにリズムを取らせて欲しい、とソルジャー、ニコニコ。
Aブルー「こう見えたって、リズム感はある方だから!」
シロエ 「そうなんですか?」
Aブルー「音痴じゃ、ソルジャーは務まらないよ!」
一同 「「「へ?」」」
何故、音痴ではダメなんだ、と誰もがキョトン。
シロエ 「あ、あのぅ…。歌なんか、いつ歌うんです?」
サム 「人類軍に追われてるんだろ、そんな中でよ…」
カラオケとかでもねえだろうし、とサム君たちが傾げる首。
サム 「のど自慢だって、無さそうだしよ…」
Aブルー「それじゃ聞くけど、シャングリラ号にはさ…」
劇場がある筈だけどね、とソルジャーの指摘。
Aブルー「シャングリラの構造は同じなんだよ、どっちも」
スウェナ「そういえば、劇場、あったわねえ…」
ジョミー「まさか、あそこで歌ってるわけ?」
Aブルー「もちろん、そのための劇場だってば!」
残念ながら、ぼくの独演会は無いけど、とソルジャー。
Aブルー「誰もやらせてくれなくってねえ…」
シロエ 「何故なんです?」
Aブルー「ソルジャーの品位がどうとか、こうとか…」
だけど、いつかは歌いたいから、とグッと拳を。
Aブルー「その日のためにも、リズム感をね!」
シロエ 「まさか、歌って踊る気ですか?」
Aブルー「決まってるだろう、人気商売なんだから!」
ブルー 「まあねえ、否定はしないけれどね」
Aブルー「だから、割笏も任せてよ!」
見事に叩いてみせるからさ、と自信満々。
何か違う気が…。
2020/09/27 (Sun)
☆音痴ではない人
スッポンタケの法要で、割笏を叩きたいらしいソルジャー。
リズム感はあると言ってますけど、本来は役僧の担当で…。
キース 「リズム感だけの問題ではないんだ、割笏は!」
Aブルー「別にいいだろ、スッポンタケが喜ぶんなら!」
法要というのは、そういうものだろ、とソルジャー、反撃。
Aブルー「仏様に喜んで頂くために、こう、色々と…」
キース 「そ、それはそうだが…」
Aブルー「じゃあ、問題は無いよね、何も!」
スッポンタケのための法要だから、と笑顔全開な人。
Aブルー「それとも、君が自信が無いとか…?」
キース 「何の自信だ!」
Aブルー「ぼくの割笏に合わせる自信!」
実はリズム感が皆無だとか…、とソルジャー、ニヤニヤ。
Aブルー「普通のお経はなんとか読めても、アドリブは…」
シロエ 「あー…。出来ない可能性はありますね」
マツカ 「普段のリズムと違った場合は、ダメかもですね」
大いに有り得る、と頷き合っている御一同様。
マツカ 「小さい頃からやっていますし、経験値だけは…」
シロエ 「高いでしょうけど、アドリブとなると…」
ジョミー「全く通用しないよね、ソレ…」
サム 「うんうん、外しまくりになるってこともよ…」
起こりそうだぜ、と僧籍な人たちも。
サム 「下手をしたらよ、お経をすっ飛ばすとかよ…」
ジョミー「まるで無いとは言えないよねえ…」
キース 「おい、貴様ら!」
揃って俺を馬鹿にする気か、と副住職が吊り上げる眉。
キース 「ダテに修行は積んでいないし、音痴でもない!」
Aブルー「それなら、実地で証明だよね!」
ぼくのリズムで法要だってば、とソルジャーが立てる親指。
Aブルー「出来ると自分で言ったもんねえ、たった今!」
キース 「誰もやるとは言っていないが!」
Aブルー「ダメダメ、確かに聞いたからねえ、この耳が!」
キース 「そ、そんな…!」
Aブルー「はい、決定!」
割笏は、ぼくが叩くからね、と強引に。
大丈夫ですか…?
2020/09/28 (Mon)
☆アドリブでやるしか
スッポンタケの法要ですけど、ソルジャーが割笏の担当に。
お経のリズムに必須なアイテム、それを素人が叩くわけで。
キース 「あんたが割笏を叩くと言っても、お経の方は…」
Aブルー「お経がどうかしたのかい?」
キース 「一つも覚えていないと思うが、どうなんだ!」
Aブルー「だからリズムを取るだけだってば!」
その場のノリで叩くんだよ、とソルジャー、ニコニコ。
Aブルー「こう、盛り上げていかなくっちゃね、法要を!」
キース 「どんどん速くなっていくのか?」
Aブルー「その辺は、ぼくの気分次第で!」
サムとジョミーも口パクよろしく、とウインクする人。
Aブルー「でもまあ、ちょっと練習を…」
一同 「「「練習?」」」
Aブルー「こんなの叩いたことがないしね、一回も!」
ソルジャー、割笏を両手に一本ずつ持って、一発、キンと。
Aブルー「うん、音は大丈夫みたいだね」
キース 「そう持って叩くものではないが!」
Aブルー「別にいいだろ、音に変わりはないからさ!」
予行演習、行ってみようか、と割笏をキンキン。
Aブルー「はい、お経!」
キース 「このリズムでか!?」
Aブルー「君は音痴じゃないんだろう?」
キース 「く、くっそぉ…」
やってやる、と副住職、数珠をジャラッと。
キース 「願我、身浄、如、香炉! 願我、心如…!」
Aブルー「オッケー、そんな感じでね!」
サム 「なんか、お経とも思えねえよな…」
シロエ 「リズムには合ってますけどね」
今日の法要は一味違いそうですよ、とシロエ君。
シロエ 「賑やかと言うか、明るいと言うか…」
ブルー 「ノリがいいのは確かだよ、うん」
まあいいだろう、と銀青様のゴーサイン。
ブルー 「仏様がそれで喜ぶんなら、やるしかないね」
キース 「最後までアドリブでやれというのか!」
ブルー 「お施主様の意向も大切だよ」
キース 「そうなんだが…!」
墓穴も俺が掘ったんだが、と嘆き節。
でも、やるしか…。
2020/09/29 (Tue)
☆賑やかに法要
お彼岸のスッポンタケの法要、ソルジャーが割笏を叩く役。
リズムはその場のノリなのだそうで、やるしかない副住職。
Aブルー「ほらね、ブルーのお許しも出たし、景気よく!」
ブルー 「墓穴を掘った自覚があるなら、仕方ないよ」
グダグダ言わずに始めたまえ、と生徒会長、いえ、銀青様。
ブルー 「お施主様と仏様には絶対服従、それが坊主だよ」
キース 「いや、お施主様の注文が常識外れな時は…!」
ブルー 「でもねえ、内輪の法要となると…」
無茶な注文でも聞くものだろう、と銀青様の正論が。
ブルー 「バースデーケーキでお祝いだって、あるからね」
一同 「「「えっ?」」」
ブルー 「仏様のお誕生日なんです、っていう法要!」
そういうのだって存在するよ、と視線をキース君に。
ブルー 「まさか知らないとは言わないよね?」
キース 「う、うう…。確かに美談で知られてはいる…」
ブルー 「じゃあ、諦めて、お施主様と仏様、第一で!」
Aブルー「いいねえ、だったら、始めようか!」
このリズムでね、とソルジャー、割笏をキンキン。
Aブルー「でもって、いつかは、お誕生日も祝いたいし!」
キース 「た、誕生日…?」
Aブルー「あるみたいだしね、そういう法要!」
キース 「断固、断る!」
誕生日など存在しないだろうが、と副住職の渋面。
キース 「とにかく、今はお彼岸の方だ!」
Aブルー「うーん…。まあいいけどねえ、今日の所は」
キース 「サムもジョミーも、準備はいいか?」
僧籍な人「「オッケー!」」
口パクなら任せろ、と法衣でスタンバっている人たち。
Aブルー「よーし、スタート!」
坊主一同(((は、速い…!)))
なんてリズムだ、と驚きながらも始まる読経。
キース 「願、我、身、浄! 如、香、炉!」
一同 (((ビートが利いてる…)))
Aブルー『もっと景気よく!』
キース 『掛け声は要らん!』
思念波に重なる割笏の音。
賑やかな中、今月、これにて、中継終了~。
2020/09/30 (Wed)