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シャングリラ学園つれづれ語り

☆連休の無い十月


さて、十月。行楽と食欲の秋、そういうシーズンの始まり。
休日に生徒会長宅に集った面々、今日も楽しく歓談中で…。

ジョミー「秋はやっぱり、グルメだよねえ!」
シロエ 「レジャーの方も捨て難いですよ」
サム  「その辺は、マツカが頼りになるんでねえの?」

両方セットでセッティングだぜ、とサム君の発言。

サム  「なんたって、あちこちに別荘だしよ」
スウェナ「だけど、学校はどうするのよ?」
キース 「いくら俺たちに出席義務が無いとはいえ…」

サボッて旅行はマズイような、と副住職。

キース 「グレイブ先生の嫌味が、容易に想像できるぞ」
ジョミー「あー…。「いい御身分だな、諸君」ってヤツ…」

確かにね、とジョミー君も頭に浮かんだ様子。

ジョミー「そうなってくると、日帰りだとか?」
シロエ 「いいトコ、一泊二日ですよね」

今月は連休がありませんから、とシロエ君。

シロエ 「マツカ先輩の家、近場の別荘も多いですけど」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ 松茸山とかは?」
一同  「「「松茸山?」」」
ぶるぅ 「うんっ! 松茸狩りと、御馳走がセット!」

楽しいんだよ、と「そるじゃぁ・ぶるぅ」の笑顔。

ぶるぅ 「採れた松茸を、その場でお料理!」
ブルー 「いいねえ、焼き松茸とかね」
マツカ 「松茸山なら、いつでも手配できますよ」
一同  「「「やったー!」」」

それでいこう、と歓声の中で、副住職だけが浮かない顔。

キース 「……松茸山か……」
ジョミー「あれっ、松茸、嫌いだったっけ?」
キース 「そういうわけではないんだが…」

嫌な予感がしないでもない、と副住職。

キース 「なにしろ相手はキノコ狩りだぞ」
一同  「「「あー…」」」

キノコといえば、と誰もが即座に連想したブツ。

シロエ 「やっぱり、アレもいるんでしょうか?」
キース 「お前は、いないと言い切れるか?」
シロエ 「い、いいえ…」

断言できる自信はゼロです、とシロエ君の溜息。
アレって…?


2020/10/01 (Thu) 

 

☆松茸山とアレ


行楽と食欲の秋ですけれども、松茸山という案が登場な今。
賛成の声が多数な中で、キース君だけが浮かない表情で…。

シロエ 「キース先輩の懸念は、アレなんですね?」
キース 「ああ。万が一ということもあるしな」

可能性だけで来そうなヤツが…、と副住職が顰める眉。

キース 「しかも、お出掛けは大好きと来た」
ジョミー「だよねえ、アレにかこつけて…」
キース 「いや、そこは松茸山の方がメインだろうな」

美味い料理が食えるんだから、と副住職。

キース 「ついでにアレに遭遇出来たら、ラッキー、と」
一同  「「「あー…」」」

その方向かも、と誰もが納得。

サム  「そうなってくると、他にも不安はあるぜ」
シロエ 「他にもって…。何なんです?」
サム  「松茸山にいそうってことは、シーズンだろ?」

つまりは生えて来るんだよな、とサム君が顎に当てる手。

サム  「生えて来たなら、そこで誕生日にならねえか?」
シロエ 「まあ、そうですけど…。それが何か?」
サム  「忘れたのかよ、お彼岸の件」

俺も詳しくは知らねえけどさ、とサム君の視線が副住職に。

サム  「誕生日祝いの法要がある、って言ったよな?」
キース 「あ、ああ…。しかしだ、アレは…」
ジョミー「ネタを振ったの、ブルーだったよね?」
ブルー 「そうだったかもねえ…」

思い出したくないんだけど、生徒会長、スルーな姿勢。

ブルー 「元凶はキースだし、そっちに聞いてよ」
キース 「なんでそうなる!」
ブルー 「スッポンタケは君の一番弟子だろう?」
キース 「どうして、アレで済まさないんだ!」

わざわざ名前を出しやがって、とキース君、ブチ切れ。

キース 「その上、俺にネタを振るとは、無茶だろうが!」
ブルー 「ズバリ、戒名をつけたのが君で、師僧だから!」
キース 「だからと言って、俺に押し付けられても!」
ブルー 「その前にさ…」

質問に答えてあげたまえ、と生徒会長、涼しい顔。
それは確かに…。


2020/10/02 (Fri) 

 

☆仏様と誕生日


行楽と食欲の秋が来まして、松茸山へ行く案が出ましたが。
松茸山だけにキノコがいそうで、スッポンタケも可能性大。

シロエ 「キース先輩、会長も、こう言っていますし…」
サム  「説明しろよな、誕生日祝いの法要ってのを」
スウェナ「そうよね、知っているんなら」

説明する義務がある筈でしょ、とスウェナちゃんも。

スウェナ「ブルーには、借りが山ほどあると思うのよ」
シロエ 「言われてみれば、そうですよね」
マツカ 「アドス和尚に関する件だけでも、かなりですよ」

偉そうなことは言えないのでは…、と御曹司までが。

マツカ 「誕生日祝いの法要というのは、何なんです?」
ジョミー「まさか、ご先祖様の誕生日だとか…?」
サム  「それはねえだろ、って…。いや、そうかも…」

生きてるんならパーティーだよな、とサム君が傾げる首。

サム  「おい、仏様の誕生日かよ?」
キース 「そうなんだが…」
一同  「「「ええっ!?」」」

何故、仏様の誕生日、と誰もが仰天。

シロエ 「あのですね…。お亡くなりなら、誕生日は…」
マツカ 「意味が無い気がするんですけど…」
キース 「そこで法要をやったからこそ、美談なんだ」

法話に使われるようになった、と副住職が繰る数珠レット。

キース 「ご存命なら百歳だという、めでたい日にな」
ジョミー「百歳の記念に法要なわけ?」
キース 「ああ。バースデーケーキに、赤飯とかで」

そして坊主も呼んで来たんだ、と副住職。

キース 「仏様が喜ぶものは、法要だからな」
シロエ 「それ、誰かさんも言ってましたよね?」
マツカ 「聞いたような気がしますよね…」

門前の小僧というヤツですか、と苦笑する人たちですけど。

キース 「その通りなんだ、あの馬鹿野郎めが!」
サム  「あー…。だったら、誕生日が出来るとよ…」
ジョミー「誕生日祝いの法要ってこと?」
キース 「そう思わないか?」

あいつだからな、と副住職の苦々しい顔。
誕生日祝い…。


2020/10/03 (Sat)

 

☆ネタを振った人


行楽と食欲の秋が到来、松茸山へ行こうという案が浮上中。
ところがキース君が言うには、松茸山にいそうなのがアレ。

キース 「アレに誕生日が出来た場合は、危ないぞ」
ジョミー「やっぱり法要って言い出すのかな?」
キース 「では、言わないと思うのか?」

逆に質問せて貰うが…、と副住職。

キース 「何かと言えば法要なのが、あの馬鹿なんだが」
ジョミー「そ、それは…。言わない方がおかしいかな…」
キース 「まあ、確実に言い出すだろうな」
シロエ 「そうなった時は、誕生日祝いをするんですか?」

バースデーケーキと御赤飯で、とシロエ君も不安そうな顔。

シロエ 「お供え物はおめでたいのに、法要なんですよね」
キース 「俺も正直、やりたくはないが…」
サム  「お施主様の意向が一番、ってえのもよ…」

この前、ブルーが言っちまったよな、とサム君、ボソッと。

サム  「だから法要、頼まれちまった場合はよ…」
キース 「やるしかないのが、坊主の立場というヤツだ!」

でもって、たった今、気付いたんだが…、と吊り上げる眉。

キース 「戦犯は、ブルーだと思うんだがな?」
一同  「「「へ?」」」
キース 「今回の件だ、誕生日祝いの法要だ!」

ネタを振ったのはブルーなんだぞ、と視線を生徒会長へ。

キース 「俺に説明しろと言ったが、元々は、だ…」
シロエ 「そういえば、会長の発言でしたね」
スウェナ「お施主様が一番も、そうじゃなかったかしら?」
キース 「ビンゴだ、スウェナが言うのが正しい」

ヤバイ方向へ行ったらブルーが戦犯、と副住職、キッパリ。

キース 「こいつが余計なことを喋ったせいだ!」
ブルー 「ちょっと待ってよ、そもそもはさ…」

誰が呼び込んだ仏様なのさ、と生徒会長。

ブルー 「君が戒名をつけなかったら、いないんだよ?」
サム  「うんうん、それは言えてるぜ」
キース 「だが、今回は、だ…」

戦犯はブルーだと思う、とリピートですけど。
どうでしょう?


2020/10/04 (Sun)

 

☆別の人がやっても


行楽と食欲の秋は松茸山へ、そういう意見が出てますけど。
松茸山にはいそうなのがアレ、キノコなだけに可能性大で。

キース 「誕生日祝いの法要な上に、お施主様の意向だぞ」
シロエ 「誰かさんが喜びそうな感じですよね…」
キース 「俺には不安しか無いわけなんだが!」

松茸山は楽しそうでも…、と副住職が繰る数珠レット。

キース 「戦犯は明らかにブルーでも、だ…」
サム  「法要をさせられるのは、キースだよなあ…」
ブルー 「それは当然のことだろう?」

だって、キースの一番弟子だよ、と生徒会長、ニッコリと。

ブルー 「ぼくがやるのは筋違いだしさ、遠慮しないと」
キース 「たまには、あんたがやってみやがれ!」

あの馬鹿野郎が有難がるぞ、と副住職の反撃。

キース 「伝説の高僧が導師となったら、最高だからな!」
ジョミー「そうかもねえ…。キースとは格が違うんだしさ」
サム  「キースだと、緋色の衣も当分、着られねえよな」

緋色が最高なんだからよ、と僧籍な人。

サム  「ブルーがやったら、何か問題あるのかよ?」
一同  「「「え?」」」
サム  「いや、法要の導師だけどよ…」

ブルーがやってもいいんでねえの、とサム君の意見。

サム  「実際、やるかどうかは別でよ、俺の疑問な」
キース 「そこの所は、全く問題ないと思うが」
ブルー 「無いねえ、特に今回はね」

いつもの法要と違うわけだし、と生徒会長、いえ、銀青様。

ブルー 「普段のヤツでも、ぼくがやってもいいけどさ…」
キース 「突発的な法要になると、尚更なんだ」

特別に導師を頼むという話はよくあるぞ、と副住職も。

キース 「寺で大きな法要をやる時などは、ほぼ常識だな」
シロエ 「そうなんですか?」
ブルー 「考えてごらんよ、ゲストが大勢来るんだよ?」
キース 「ご来賓より格下の坊主が、導師はマズイ」
シロエ 「だったら、会長が導師でも…」

いけるんですね、と頷き合うシロエ君たち。
問題なし…。


2020/10/05 (Mon) 

 

☆お布施を貰っても


行楽と食欲の秋は松茸山だ、という声が出ている今ですが。
松茸山と言えばキノコで、アレがいそうな可能性も大で…。

サム  「やっぱ、ブルーでいけるのな…。誕生日祝いは」
シロエ 「キース先輩でなくても、いいわけですね」
ブルー 「でもねえ、ぼくは、やりたくないし!」
キース 「それは俺だって、毎回、同じだ!」

なんだって、アレの法要を…、と副住職の愚痴。

キース 「やったところで、俺に利益は何も無いのに!」
ジョミー「そういえば、タダ働きだっけ…」
シロエ 「お布施は、懐に入らないんでしたね…」

形だけの受け渡しで…、と一同、其処は納得。

シロエ 「じゃあ、会長でも、そうなりますか?」
ブルー 「それは無いねえ、ぼくならキッチリ頂くよ!」
一同  「「「へ?」」」

タダじゃないのか、と誰もがポカーン。

シロエ 「あのぅ…。何故、会長はタダじゃないんです?」
ブルー 「考えてみれば分かるだろう? 銀青なんだよ」
サム  「キースとは格が違うってか?」
ブルー 「それも大きいけど、決定的な違いはさ…」

後ろめたい所がゼロなことだね、と威張り返る人。

ブルー 「キースの場合は、アドス和尚にバレたらさ…」
シロエ 「終わるんでしたね、いろんな意味で」
ブルー 「そう! コッソリ法要もマズイんだけど…」

あの戒名を付けたのが最高に罪が重いね、とニンマリと。

ブルー 「なにしろ、院殿号だから…」
キース 「親父に知れたら、殺されるのは確実だな」

だからアレから逃れられん、と副住職、苦悶の表情。

キース 「しかし、お布施を懐に入れると…」
ブルー 「アドス和尚にバレた時には、地獄だってば」

殺されるだけじゃ済まないよ、と生徒会長、いえ、銀青様。

ブルー 「その点、ぼくには縛りが無いから、大丈夫!」
シロエ 「だったら、お布施次第になるんですか?」
ブルー 「でも、アレだしねえ…」

仏様が…、と銀青様でも嫌がるブツ。
そりゃそうですねえ…。


2020/10/06 (Tue)

 

☆立ち寄ったそうです


行楽と食欲の秋は松茸山が楽しそうだ、と思った御一同様。
とはいえ、松茸山だけにキノコがいそうで、当然、アレも。

シロエ 「お布施が貰えても、会長は断るわけですか?」
ブルー 「誰がやりたいと言うんだい? アレの法要」

キースは仕方ないけどね、と生徒会長、いえ、銀青様。

ブルー 「もう宿命と言ってもいいから、断れないけど」
キース 「縁起でもないことを言わないでくれ!」
??? 「こんにちはーっ!」

お邪魔するよ、とソルジャー(会話表記はAブルー)登場。

Aブルー「いい季節だねえ、食欲の秋!」
キース 「あんた、何処から聞いていたんだ!」
Aブルー「えっ?」
キース 「俺たちの話だ、どの辺からだ!?」

最初から聞いていたのでは…、とキース君、悪い顔色。

Aブルー「どの辺から、って…。えっと…?」
キース 「しらばっくれるな、法要の件だ!」
Aブルー「法要って…?」

お彼岸なら、もう済んだだろう、とソルジャー、キョトン。

Aブルー「それともアレかな、思い出話をしてたわけ?」
一同  「「「へ?」」」
Aブルー「あのねえ…。この服を見て分からない?」

何処から見たってお出掛け用だよ、と指差す私服。

Aブルー「朝からノルディと朝食デートで、今、帰り!」
シロエ 「じゃあ、立ち寄っただけですか?」
Aブルー「そうだよ、他に何があると?」

ぶるぅの料理とおやつを食べに…、とソルジャー、上機嫌。

Aブルー「だから話は聞いてないけど、何だって?」
キース 「いや、なんでもない!」

こっちの話だ、とキース君、ワタワタ。

キース 「それより、朝食デートというのは?」
Aブルー「料亭のヤツだよ、朝限定の!」

美味しかったぁ! と嬉しそうな人。

Aブルー「特に名物の朝粥と卵料理がね!」
キース 「そうか、そいつは良かったな」
Aブルー「それはもう! ところで、さっきの話ってさ…」

何だったんだい、とソルジャーが傾げる首。
ヤバくないですか…?


2020/10/07 (Wed)

 

☆口を滑らせた人


松茸山に行く案が出ていた所で、キノコ繋がりで別件へと。
其処へソルジャー登場でして、話は聞いていなかった模様。

Aブルー「何処からも何も、本当に今、来たばかりでさ…」
マツカ 「朝粥と卵料理が名物の料亭だったんですね?」
Aブルー「そうだよ、朝だけなんだってね」

だから早起きしたんだよね、とソルジャー、ニコニコ。

Aブルー「普段だったら、あんな時間には起きないけどさ」
マツカ 「ええ、あの料理を出すのは朝だけですよ」

昼と夜は普通の懐石料理ですから、と御曹司。

マツカ 「特に卵が有名なんです、あのお店は」
Aブルー「そうらしいねえ、美味しかったんだけどさ…」

やっぱりキースの話が気になる、と副住職の方に視線が。

Aブルー「法要の件って言っていたけど、お彼岸とは別?」
キース 「いや、お彼岸の方なんだが…!」
Aブルー「だったら、何も焦らなくても良さそうだよね」

賑やかな法要だったけどさ、と赤い瞳がキース君をジロリ。

Aブルー「他にも何かありそうな気が…」
キース 「違う、松茸山の話で…!」
一同  「「「あーっ!!!」」」

そこで言うか、と誰もが悲鳴で、ソルジャー、手をポンと。

Aブルー「なるほど、松茸山に行こう、って?」
キース 「ち、違うんだが…!」
Aブルー「だけど、みんなが悲鳴ってことはさ…」

松茸山に行くわけだよね、と鋭い考察。

Aブルー「ぼくも是非ともお邪魔したいね、松茸山!」
シロエ 「キース先輩、どうするんですか、この始末を!」
キース 「す、すまん…!」
Aブルー「オッケー、やっぱり松茸山ってことらしいよね」

この流れだし…、とソルジャー、パチンとウインク。

Aブルー「もちろん松茸山もいいけど、気になるのがさ…」
キース 「充分だろうが、松茸山だと分かったら!」
Aブルー「なんで松茸山で法要なのか、そこのトコがね…」
キース 「松茸山とは無関係だ!」

法要は別の話なんだ、と話を逸らしてますけど。
大丈夫ですか?


2020/10/08 (Thu) 

 

☆喋らされた法要


松茸山へ行こうという案、そこから誕生日祝いの法要の話。
朝食デート帰りのソルジャー、何一つ知らなかったのに…。

Aブルー「無関係って…。そうとは思えないけどね?」
キース 「いいや、全く関係は無い!」
Aブルー「どうなんだか…。いいけど、奥の手があるから」
キース 「奥の手だと?」

何だソレは、と副住職、不安そうな顔。

Aブルー「大丈夫、拷問なんて真似はしないよ」
キース 「言っておくがな、親父は何も聞いていないぞ」
Aブルー「なるほどねえ…。つまり、内緒の法要なんだ?」

アドス和尚が知らないならね、とソルジャー、顎に手を。

Aブルー「そうなってくると、ますます知る価値があるよ」
キース 「なんだって?」
Aブルー「アドス和尚には、とても言えない法要だろう?」

君の正規の仕事じゃないね、と鋭すぎる読み。

Aブルー「つまりさ、ズバリ、スッポンタケの法要かと!」
キース 「違う!」
Aブルー「ふうん? じゃあ、何なのか、教えてよ」

言わなきゃ心を読むまでだよね、とソルジャー、ニヤニヤ。

Aブルー「ぼくの奥の手、君の深層心理まで!」
キース 「そ、そんな無茶な…!」
Aブルー「心配しなくても、一瞬だってば」

それとも喋ることにするかい、と赤い瞳に物騒な光。

Aブルー「内緒の法要って、どんなものだい?」
キース 「……誕生日祝いというヤツだ」
Aブルー「誕生日って?」
キース 「お亡くなりになった仏様の誕生日だ!」

つまり、アレとは無関係だ、と副住職、必死。

キース 「なにしろ、誕生日が無いんだからな!」
Aブルー「ああ、それで松茸山だったんだね」

色々なキノコが生えているから、と大きく頷くソルジャー。

Aブルー「松茸山にスッポンタケがあったら、誕生日で!」
キース 「既に生えていたら、誕生日は特定できないぞ」
シロエ 「キース先輩、ナイスです!」
キース 「任せておけ!」

法要は回避してみせる、と副住職、決意の表情。
出来ますか…?


2020/10/09 (Fri) 

 

☆追加で手配を


松茸山へ出掛ける案から、出て来た誕生日祝いの法要の件。
ソルジャーにバレてしまったんですけど、副住職が抵抗中。

Aブルー「確かに生えてしまっていたら、ダメかもねえ…」
キース 「キノコは成長が早いと聞く分、難しいかと」

いつ生えたのかは分からんだろう、とキース君の正論が。

キース 「誕生日を知ろうというのは無理だ」
Aブルー「うーん…。で、松茸山はマツカの管轄かな?」
マツカ 「ええ。ぼくが手配をするんですけど」
Aブルー「だったら追加で、ぼくも頼むよ」

誕生日祝いの件とは別で、とソルジャーの注文。

Aブルー「せっかくだしねえ、お邪魔したいよね!」
シロエ 「誰も呼んではいないんですけど!」
サム  「そうだぜ、勝手に来たんじゃねえかよ」
Aブルー「文句だったら、キースに言ってくれるかな?」

松茸山の話をしたのはキース、とソルジャー、しれっと。

Aブルー「ぼくは寄っただけで、何も聞いてはいないしさ」
ジョミー「そうだっけ…。今回の戦犯、キースだよね」
シロエ 「誕生日祝いの法要だけではなかったですね…」

どうするんです、とシロエ君、グッと拳を。

シロエ 「余計な面子が増えそうですけど!」
キース 「す、すまん…!」
Aブルー「そうそう、追加は三人でね!」

ぼくのハーレイと、それから、ぶるぅ、と指を折る人。

Aブルー「まさか嫌とは言わないだろう?」
シロエ 「言いたいです!」
Aブルー「ふうん…。SD体制で苦労しているのにさ…」

君も体験してみるかい、と恐ろしすぎるお誘いが。

Aブルー「ユニバーサルに放り出すから、サバイバルで!」
一同  「「「うわー…」」」

それは確実に死亡なコース、と誰もがガクブル。

シロエ 「つ、謹んで遠慮しておきます!」
Aブルー「だったら、松茸山に追加を三人分でね!」
シロエ 「マツカ先輩、お願いします!」
マツカ 「分かりました、三名様ですね」

かまいませんよ、とマツカ君、温厚な笑み。
追加で三人…。


2020/10/10 (Sat)

 

☆要らない法要


松茸山へ行こうという案から、誕生日祝いの法要の話へと。
其処へ出て来た人がソルジャー、法要は回避可能でも…。

Aブルー「やったね、みんなで松茸山だよ!」
マツカ 「どうぞ、皆さんでお越し下さい」
Aブルー「ありがとう! 流石、マツカは話が分かるね!」

でもって、後は法要だけど…、とソルジャー、顎に手を。

Aブルー「スッポンタケが出て来た時はさ、誕生日かな?」
一同  「「「へ?」」」
Aブルー「スッポンタケだよ、生まれたばかりの!」

ソレがあったら誕生日だろう、という指摘。

Aブルー「法要をして貰えそうだよ、誕生日祝いの!」
一同  「「「げっ!!!」」」
Aブルー「何か文句があるのかい?」
キース 「大いにあるな」

そいつは生きているだろうが、と副住職が吊り上げる眉。

キース 「いいか、誕生日祝いは、あくまで仏様のだ!」
Aブルー「えっと…?」
キース 「お亡くなりになった人のでないと…」

法要をする意味などは無い、とピシャリと。

キース 「仮に生まれたばかりのがあっても、誕生日は…」
シロエ 「ソレのですよね、明らかに…」
キース 「ああ。何処から見たってご存命だぞ」

祝えるのは普通の誕生日だ、と大真面目な顔の副住職。

キース 「法要ではなくて、ハッピーバースデーだな」
ジョミー「だよね、死んではいないんだしさ」
Aブルー「じゃあ、誕生日祝いの法要は?」
キース 「どう転がっても、やる必要など無いだろう!」

誕生を祝ってやるんだな、とソルジャーにキッツイ視線を。

キース 「それなら、あんたが自分で出来るし」
サム  「うんうん、キースは必要ねえよな」

誕生日祝いに坊主なんかは要らねえぜ、とサム君も。

サム  「ケーキと蝋燭があればいいんでねえの?」
シロエ 「ゼロ歳ですよ、蝋燭、要りますか?」
スウェナ「要らないわよねえ…」
Aブルー「酷いよ、法要じゃないなんて!」

スッポンタケが漲らないよ、と言ってますけど。
正論ですしね?


2020/10/11 (Sun) 

 

☆潰すのはダメ


松茸山へお出掛けな案に、割り込んで来た人がソルジャー。
スッポンタケの誕生日祝いの法要も、やる気満々ですけど。

キース 「仏様の誕生日ならともかく、ご存命ではな…」
Aブルー「法要はダメだと言うのかい?」
キース 「当然だろうが!」

あんた、何年、法要をやっているんだ、と副住職の渋面。

キース 「法要は仏様を供養するものと決まっている!」
Aブルー「普通の誕生日しか祝えない、って?」
キース 「その通りだが、だからと言ってだな…」

ブチ殺すのは論外だぞ、とキース君、釘をキッチリと。

キース 「スッポンタケを、その場で潰すとかだな」
Aブルー「ええっ!?」
キース 「やはり潰す気だったか、あんた」
Aブルー「潰さないけど、サイオンでジュッと…」

蒸発させればいいんじゃないかと、とソルジャー、真っ青。

Aブルー「だけど、それだとダメなわけ…?」
キース 「ブチ殺しておいて、誕生日祝いは無いだろう!」

そういう場合の法要は、たった一つだけだ、と副住職。

キース 「あんたが自分の過ちを悔いて、殺した仏様を…」
ブルー 「弔って貰うしか道は無いねえ、その場合はね」

ついでに髪を下ろすと完璧、と銀青様も口添えを。

Aブルー「髪を下ろす、って何さ?」
ブルー 「出家だってば、それが一番喜ばれるよ」

殺してしまったという時は…、と銀青様のお言葉。

ブルー 「そうするんなら、そのスッポンタケもさ…」
キース 「喜んで、あんたを守ってくれるだろうな」

そうするのもいいと思うんだが…、と副住職。

キース 「どうだ、あんたも出家するか?」
Aブルー「冗談じゃないよ、坊主になるなんて!」

御免蒙る、とソルジャー、ガクブル。

Aブルー「もういいってば、普通に松茸山だけで!」
キース 「では、法要は要らないんだな?」
Aブルー「頼んだら、坊主にされそうだからね!」
一同  「「「やったー!!!」」」

キースの勝利だ、と湧き上がる大歓声。
逆転劇…。


2020/10/12 (Mon)

 

☆潰した場合は


行楽の秋は松茸山へ、その案に割り込んだのがソルジャー。
スッポンタケの誕生日祝いの法要も、と欲張りましたが…。

Aブルー「せっかく素敵な法要が出来そうだったのに…」
ブルー 「もちろん出来るよ、君が出家するなら完璧に!」
キース 「俺も喜んで導師をさせて貰うが」

仏様がアレであろうとも…、とキース君、ニヤニヤ。

キース 「しかし、あんたが出家となると、師僧はだな…」
サム  「キースってわけにはいかねえよなあ…」
キース 「当然だろうが、単なる副住職ではな」

其処はやっぱりブルーだろう、と視線が生徒会長に。

キース 「伝説の高僧、銀青様なら、問題無しだ」
ブルー 「そうだね、そしてサムとジョミーも出世だよね」
一同  「「「えっ?」」」

どういう意味だ、と一同、キョトン。

シロエ 「あのぅ…。どうして先輩たちが出世なんです?」
マツカ 「ぼくにも仕組みが謎なんですが…?」
サム  「俺にもサッパリ…。どうなってんだよ?」
ブルー 「分からないかな、ぼくが師僧になるんだから…」

つまりブルーが弟子になるんだよ、と銀青様。

ブルー 「でもって、サムとジョミーは既に弟子だし…」
キース 「こいつよりも格が上になるんだ」
サム  「あー! 俺とジョミーが先輩なのな!」
ブルー 「そういうこと! 坊主の世界は厳しいからさ…」

古参には絶対服従だよね、と銀青様のお言葉が。

ブルー 「師僧のぼくは絶対だけど、サムとジョミーも…」
サム  「偉そうな口を利いていいのな!」

すげえじゃねえか、とサム君、感激。

サム  「聞いたかよ、ジョミー?」
ジョミー「うん、聞いた!」

スッポンタケを潰して欲しいよね、と喜ぶ僧籍な人たち。

ジョミー「誕生日祝いの法要、やってもいいよ!」
サム  「潰した時点で、出家コースだしよ」
キース 「で、どうするんだ、あんた?」
Aブルー「お断りだってば!」

どう考えてもドツボじゃないか、と絶叫が。
法要は無し、と…。


2020/10/13 (Tue)

 

☆逃げて帰った人


行楽の秋は松茸山へお出掛け、ソルジャーも便乗ですけど。
スッポンタケの誕生祝いの法要の件は、お流れになりそう。

キース 「そうか、法要は要らないのか…」
Aブルー「坊主にされるだけじゃ済まないみたいだし!」

なんだって、ぼくがサムとジョミーより格下、とブツブツ。

Aブルー「そんなの、絶対、御免だってば!」
ブルー 「いい話だと思ったけどねえ、君にとっても」
Aブルー「冗談じゃないよ、君にも絶対服従だなんて!」

あんまりすぎる、とソルジャー、不満MAXな顔。

Aブルー「松茸山だけで充分だから、今回は、ソレで!」
キース 「分かった。マツカ、よろしく頼む」
マツカ 「ええ。三名様を追加ですよね」
Aブルー「それじゃ、お願い! また当日に!」

よろしく、と帰ろうとしている人。

ぶるぅ 「えっ、ご飯は食べて行かないの?」
Aブルー「これ以上いたら、フラグが立ちそうだから!」
サム  「あー…。坊主なフラグな」
Aブルー「そう! だから止めないで欲しいんだけど!」

でも、お持ち帰りが出来るなら…、と、そこはちゃっかり。

ぶるぅ 「オッケー! ちょっと待っててねーっ!」
キース 「あんた、大概、厚かましいな」
Aブルー「貰えるものは、喜んで、ってね!」
ぶるぅ 「はい、お待たせ! 折詰とお菓子、三人分だよ」

どうぞ、と差し出される風呂敷包み。

Aブルー「ありがとう! じゃあ、またねーっ!」
キース 「もう消えやがった…」
シロエ 「よほど坊主が嫌なんですねえ、分かりますけど」

ぼくだって、同じ立場なら逃げます、とシロエ君。

シロエ 「でも、今回は凄かったですよ」
スウェナ「撃退だわよねえ…」

詰んでいたのに、と誰もが感心。

ジョミー「まさかのキースが逆転ってね」
サム  「松茸山も、上手く切り抜けてえよな」
シロエ 「そこは、みんなで頑張りましょう!」
一同  「「「おーっ!」」」

徹底的にピンチを回避、と突き上げる拳。
ファイトですね!


2020/10/14 (Wed)  

 

☆いいお天気です


やって来ました、松茸山へお出掛けな休日。お天気も最高。
朝から生徒会長のマンション前に集合、張り切る御一同様。

ジョミー「おはよう! いい天気になって良かったよね!」
ブルー 「せっかくだしねえ、お天気はいいに限るよね」
キース 「ああ。あの馬鹿どもは、まだのようだが」
シロエ 「どうせ来るのはギリギリですって!」

いつものことです、とシロエ君、スパッと。

シロエ 「キャプテンも来るからには、休暇ですしね」
サム  「休みは有意義に使うってことな…」

早起きしねえでいい分だけ、とサム君の相槌。

サム  「キャプテンは朝が早そうだしよ…」
キース 「修行僧には負けるがな」
ブルー 「座禅のトコだと、朝の3時だったりするからね」
一同  「「「うわー…」」」

それはキツイ、と誰もがドン引き。

シロエ 「朝の3時って、夏でも真っ暗ですよ?」
キース 「早起きも修行の内なんだ」
ブルー 「ブルーを坊主に仕立てるんなら、そっちかな」
スウェナ「嫌がって二度と来そうにないわよ、ソレ」

普通のお坊さんでも逃げたんだもの、とスウェナちゃん。

スウェナ「だけど、あんな手があったのねえ…」
キース 「まったくだ。命拾いというヤツだな」
シロエ 「誕生日祝いの法要なんかは、御免ですしね」
ブルー 「ホントにねえ…」

詰んだと思っていたんだけどな、と生徒会長も。

ブルー 「回避できるとは思わなかったよ」
キース 「俺もだ。ところで、マツカ。松茸山だが…」

例のキノコはいないだろうな、とキース君の問い。

キース 「あいつらのことだし、万一が怖い」
マツカ 「大丈夫だと思いますけど…」

きちんと頼んでおきましたから、と御曹司。

マツカ 「キノコの毒は怖いですしね、そうでなくても」
サム  「排除しといて貰ったわけな、松茸以外は」
マツカ 「ええ。それが一番、安心ですし」
一同  「「「やったー!!!」」」

これで大丈夫だ、と上がる歓声。
松茸だけなら安心…。


2020/10/15 (Thu)  






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