☆紅葉を見るなら
さて、十一月。今年も紅葉のシーズン到来、そういう季節。
休日に生徒会長宅に集った面々、お出掛けを計画中ですが。
サム 「やっぱ、紅葉とグルメだよなあ、今月はよ」
ジョミー「うんうん、紅葉見物と美味しい御馳走!」
キース 「弁当もいいが、豪華な料理も良さそうだしな…」
シロエ 「マツカ先輩、何処かオススメはありますか?」
豪華料理と紅葉なスポット、とシロエ君の問い。
シロエ 「この時期、何処も混みますけどね…」
マツカ 「そこが問題なんですよ。紅葉渋滞だけは…」
ぼくでも、どうにも出来ませんし…、と御曹司の溜息。
マツカ 「裏技のヘリも、ヘリポートが無いと…」
一同 「「「あー…」」」
それはキツイ、と顔を見合わせる御一同様。
キース 「ヘリポートか…。ホテルならいけそうだが…」
スウェナ「料理旅館とか、料亭は無理ね」
ジョミー「ヘリなんか、想定してないもんね…」
駐車場も車で一杯だろうし、と容易に想像できる状況。
サム 「そうなると、マツカの別荘かよ?」
キース 「名所ではないが、紅葉は確かにありそうだな」
ついでにヘリも降りられそうだ、と副住職。
キース 「マツカ、そういう別荘は持っていないのか?」
マツカ 「ありますけど…。それでいいんですか?」
ただの別荘の紅葉ですよ、と御曹司ならではの謙虚な発言。
マツカ 「もっと素晴らしい名所は沢山ありますが…」
ジョミー「混んでないのが一番だよ!」
スウェナ「そうよね、松茸山も貸し切りだったし」
シロエ 「…松茸山ですか…」
嫌なことを思い出しました、とシロエ君、遠い目。
シロエ 「誰かさんのために、デコらされましたよね…」
一同 「「「うっ…」」」
そんな事件があったんだった、と一同、悪い顔色。
キース 「例の竹籠だな、ヒノキの葉っぱと」
サム 「忘れていたいぜ、あの件はよ…」
シロエ 「でもですね…」
別荘となれば来そうですよ、とシロエ君の指摘。
それは確かに…。
2020/11/01 (Sun)
☆ほぼ来そうな人
紅葉のシーズン到来とあって、お出掛けしたい面々ですが。
マツカ君の別荘に行くとなったら、来そうな人がいる現実。
シロエ 「あの誰かさんが、スルーするわけないですよ」
キース 「松茸山にも、揃って来やがったしな…」
お蔭で酷い目に遭ったんだ、とキース君、憂鬱そうな顔。
キース 「松茸泥棒認定されるわ、デコらされるわで…」
ジョミー「ホントにね…。オジサンも凄く怖かったけど…」
サム 「あのキノコをデコらされたのがよ…」
マジで心の傷ってヤツで…、とサム君も。
サム 「デコってみたって、進物用じゃねえのによ…」
シロエ 「見た目が立派そうだから、って理由でしたよね」
ジョミー「そう! おまけに、全員参加でさあ…」
シロエ 「ぼくが一人でやらされるより、マシですよ!」
その可能性もあったんですし、とシロエ君、ブツブツ。
シロエ 「最初に1本持っていたのが、ぼくでしたしね…」
キース 「仕方ないだろう、お前が採ったんだから」
シロエ 「発見者の宿命ってヤツですけどね…」
最近、ババが多い気がして…、とシロエ君の深い溜息。
シロエ 「なんだか、やたらと災難に遭ってる気がします」
ジョミー「そういえば…。日頃の行いが悪いのかな?」
シロエ 「ジョミー先輩には、そう見えるんですか?」
喧嘩だったら買わせて頂きますよ、とシロエ君、ジト目。
シロエ 「ついでに災難な運命も、お譲りしましょうか?」
ジョミー「ソレ、要らないし!」
ただでも誰かさんが出そうなのに、とジョミー君。
ジョミー「紅葉見物の話をしようよ、別荘のさ!」
シロエ 「別にいいですけど、ほぼ来ますよね…」
あの迷惑な誰かさんたち…、とシロエ君が仰ぐ天井。
シロエ 「まあ、別荘にアレは無いでしょうけど」
キース 「そうだな、山とは違うわけだし」
サム 「でもよ、条件が揃えばヤバイんでねえの?」
一同 「「「あー…」」」
キノコだけに…、と顔を見合わせる御一同様。
条件次第…?
2020/11/02 (Mon)
☆条件が揃えば
マツカ君の別荘で紅葉見物、渋滞を避けてヘリで行く案が。
けれど来そうな誰かさんたち、例のキノコもあるかもで…。
シロエ 「キノコが出て来る条件ですか…」
キース 「季節としては、まだまだ危ない気がするな…」
サム 「だろ? 適度な湿気と日当たりでねえの?」
例のキノコが出る条件な、とサム君、複雑な顔。
サム 「この前、俺たちが追い掛けられた山だってよ…」
シロエ 「手入れはしていませんでしたしね…」
スウェナ「その割に、キノコ天国だったのよねえ…」
キース 「どちらかと言えば、無法地帯に近かったがな」
松茸は見かけなかったわけだし…、と副住職。
キース 「だが、他のキノコが多かったのは間違いない」
サム 「な? だからよ、マツカの別荘でもよ…」
シロエ 「条件が揃えば、アレが出て来るわけですね?」
ブルー 「有り得るだろうね、なにしろキノコは…」
胞子を飛ばして増えるんだから、と生徒会長も溜息を。
ブルー 「マツカ、別荘というのは、お花見と同じかな?」
マツカ 「そうですね。一番近いのは、其処になります」
ブルー 「うーん…。そうなると、山が近いから…」
胞子は充分、飛んで来そうだ、と嫌すぎる読み。
ブルー 「絶対に無いとは、言い切れないねえ…」
シロエ 「不吉な予言をしないで下さい!」
ブルー 「でも、現実を直視すべきだよ」
後はマツカに賭けるしかない、と生徒会長。
ブルー 「別荘だけに、手入れは松茸山以上だろうしね」
マツカ 「確かに、雨でも降らない限りは、庭掃除ですね」
朝一番に庭師さんたちが綺麗に…、と御曹司の答え。
マツカ 「隅々まで掃除している筈です」
ブルー 「やっぱりね。そうなると、キノコは…」
もれなく排除の方向だよね、と生徒会長。
ブルー 「つまり、庭師さんたちがいる限りはさ…」
シロエ 「出ても無駄だというわけですね?」
ブルー 「そうなるね」
顔を出したら処刑だってば、と冷静な意見。
排除ですね?
2020/11/03 (Tue)
☆ヘリに乗るなら
何処も混み合う紅葉のシーズン、マツカ君の別荘が狙い目。
ヘリでお出掛け出来そうですけど、誰かさんが来そうで…。
シロエ 「片っ端から処刑してくれれば、安心ですよね」
ブルー 「庭師さんは、それが仕事だからね」
キース 「心配無用というわけだな」
だったらマツカの別荘に行くか、とキース君。
キース 「アレが無いなら、普通に紅葉見物なんだし…」
ジョミー「御馳走も期待出来るしね!」
スウェナ「絶品なのよね、あそこのお料理!」
サム 「例のキノコが出て来ねえのなら、決まりだぜ」
紅葉見物はマツカの別荘、とサム君、親指をグッと。
サム 「しかもヘリだろ、VIP待遇って感じだよな!」
ジョミー「いいよね、空から見る紅葉もさ」
遊覧飛行もつけられないかな、とジョミー君の声。
ジョミー「別荘の近くの山だって、紅葉が綺麗だろうし」
シロエ 「いいですねえ! 空だと渋滞しませんしね」
サム 「道路の渋滞を見るってのもよ、一興じゃねえの」
紅葉渋滞で動けないのを、空から見物、とサム君の提案。
サム 「これがホントの高みの見物、っていうヤツだぜ」
キース 「確かにな。駐車場に入るまでが地獄らしいし…」
スウェナ「今のシーズン、報道ヘリも飛んでるわよ?」
紅葉と渋滞をセットで中継、とスウェナちゃんも。
スウェナ「道路の方は大渋滞です、ってリポーターが…」
シロエ 「そういえば…。是非、やりましょう!」
空から見物するコースで…、とシロエ君も大賛成。
シロエ 「マツカ先輩、それでお願い出来ますか?」
マツカ 「いいですよ。遊覧飛行をつけるんですね」
コースは自由にお選び頂けますよ、と御曹司。
マツカ 「アルテメシアから別荘までの間なら、何処でも」
ブルー 「飛行計画が要るんだっけね、ああいうのは」
マツカ 「ええ。其処は、きちんとしておきますから」
一同 「「「やったー!!!」」」
空の旅までついてくるんだ、と誰もが歓声。
素敵ですよね!
2020/11/04 (Wed)
☆何処か似ている人
紅葉の季節は何処も渋滞、けれどヘリなら安心なお出掛け。
スッポンタケの心配も無用な、マツカ君の別荘に決定で…。
ジョミー「ヘリから見るなら、紅葉の名所も大丈夫だよね」
シロエ 「そうなりますよね、角度が違い過ぎですけど」
地上で見るのと空からとでは…、とシロエ君が傾げる首。
シロエ 「とはいえ、紅葉は紅葉ですから…」
サム 「赤けりゃ、何でもいいんでねえの?」
スウェナ「アバウトだわねえ…。サムらしいけど」
サム 「おう! 俺は絵心とかはねえしよ」
ただのシーズンイベントだよな、とサム君、ニヤッと。
サム 「要は遊べて、美味いものさえ食えればよ…」
ブルー 「いいってわけだね、サムの場合は」
サム 「何か問題あるのかよ?」
ブルー 「それは無いけど、似た人がいたな、って…」
思わないでもないんだよねえ…、と生徒会長。
ブルー 「別の方面が凄すぎるから、目立たないけどさ」
一同 「「「へ?」」」
ブルー 「遊んで美味しいものってだけなら、さほど…」
ぼくたちは迷惑を蒙らないし…、と思慮深げな顔。
ブルー 「だからさ、影が薄いんだよねえ、その面ではさ」
シロエ 「会長、それって、もしかしなくても…」
キース 「あの馬鹿野郎か?」
ブルー 「ピンポーン!」
基本はそういう人間の筈、と言われてみれば、そんな人が。
ジョミー「そっか、サムって、似てるんだ、アレと…」
シロエ 「全く気付きませんでしたよね…」
マツカ 「見た目のタイプが似ていませんから…」
けれど、タフさは共通かも…、と御曹司も。
マツカ 「なるほど、サムに似てたんですね」
スウェナ「ビックリだわねえ…」
月とスッポンほど違うんだけど…、とスウェナちゃん。
キース 「確かにな。見た目だけなら、あっちは美形で…」
シロエ 「サム先輩は、並みと言うよりもですね…」
サム 「お前ら、なんか酷すぎねえか?」
人が黙って聞いていればよ、と膨れてますけど。
似てるかも?
2020/11/05 (Thu)
☆味方しに来た人
今年の紅葉はマツカ君の別荘、ヘリでお出掛けですけれど。
紅葉を空から見る話から、浮上したサム君に似た人の話。
サム 「俺がよ、アレに似てるだなんて…」
ジョミー「そりゃさ、見た目は似てないけどさ…」
シロエ 「アバウトな所は、確かに似ているかもですよ」
あっちが凄すぎて目立たないだけで…、と頷く面々。
シロエ 「遊べて、美味しいものさえあれば、でしょう?」
サム 「お前たちだって、そうじゃねえかよ」
キース 「しかし、紅葉を見に行くんだぞ」
多少は景色にこだわるだろう、と副住職の真っ当な意見。
キース 「赤ければ何でもいい、とまでは言わない筈だ」
スウェナ「そうよ、あんまりすぎるわよ、それ」
ジョミー「誰かさんの発想と変わらないよね」
??? 「なになに、何が変わらないって?」
何の話、とソルジャー(会話表記はAブルー)登場。
一同 「「「出たーっ!!!」」」
Aブルー「失礼だねえ、君たちは!」
人の噂をしていたくせに…、とソルジャー、ブツブツ。
Aブルー「分かるものなんだよ、悪口ってさ!」
キース 「誰も呼んではいないんだが!」
Aブルー「大丈夫、時間の問題だから!」
一同 「「「へ?」」」
どういう意味だ、と誰もがキョトン。
シロエ 「呼ぼうだなんて、誰も言ってませんけど?」
Aブルー「紅葉見物の話だよね?」
そのために集まってるんだろう、とソルジャー、ニッコリ。
Aブルー「話が纏まったら、お邪魔しようかと」
キース 「とっくの昔に纏まったんだが!」
Aブルー「それはラッキー! 聞き逃してたんだね」
他の方に意識が行っていたかな、と喜ぶ人。
Aブルー「紅葉の話は後でいいとして、さっきの悪口…」
サム 「あんたじゃねえよ、俺が言われているんだぜ!」
Aブルー「そうみたいだけど、味方してもいいよ?」
サム 「はあ?」
Aブルー「紅葉見物したいしね!」
味方がいると心強いし、とパチンとウインク。
サム君を支持…?
2020/11/06 (Fri)
☆お試しだそうです
紅葉見物はマツカ君の別荘へ、ヘリでお出掛けなんですが。
やって来たのがサム君に似た人、サム君に味方するそうで。
サム 「味方ってえのは、何なんだよ!」
Aブルー「もちろん、君の肩を持つことだってば!」
それ以外に何があると言うのさ、とソルジャーの問い。
Aブルー「ぼくさえサムの味方についたら、強い筈だよ!」
サム 「そうとは思えねえけどなあ…?」
Aブルー「だったら、ちょっと試してみようか?」
そこの君たち、と赤い瞳が見回す面々。
Aブルー「今から、お試しタイムなんだけどね?」
一同 「「「お試しタイム?」」」
Aブルー「そう! 君たちの中から、一人選んで…」
ぼくが味方についてあげるよ、とソルジャーの笑み。
Aブルー「サムのつもりで来たんだけどね、お試しだから」
シロエ 「お試しというのは、どんなのでしょう?」
サッパリ意味が分かりませんが、とシロエ君が傾げる首。
シロエ 「サム先輩だって、多分、そうですよ」
サム 「おっ、流石、分かってくれてたのな!」
シロエ 「それはまあ…。話を聞くのが一番でしょう」
サム 「だよなあ…。それで、お試しって言うのはよ…」
どんな感じになるんだよ、とサム君からも質問が。
サム 「俺も見てから考えてえよな、どうするかをよ」
Aブルー「了解。平たく言えば、試供品ってトコかな」
一同 「「「試供品?」」」
Aブルー「お試しだからね、試供品だろ?」
よくお店とかに置いてあるよね、と言われましても。
キース 「馬鹿野郎! 言葉の意味くらい理解している!」
Aブルー「そうなのかい? それは失礼」
知らないのかと思ってさ、と失礼すぎる台詞。
Aブルー「お試しタイムは、誰でもいいから一人だけ…」
キース 「試供品が貰えるんだな?」
Aブルー「ぼくが味方につくってヤツをね!」
キース 「一人だけか…」
シロエ 「そのようですね…」
それ以外の人は…、と顔を見合わせる御一同様。
一人だけ…。
2020/11/07 (Sat)
☆試供品を貰えば
今年の紅葉はマツカ君の別荘、ヘリで出掛ける計画ですが。
やって来たのがソルジャー、サム君に何処か似ている人で。
キース 「試供品が貰える一人は、こいつが味方に…」
シロエ 「つくんですよね、百パーセント…」
どんな無理でも通るのでは…、とシロエ君の複雑な顔。
シロエ 「他の面子は奴隷にするとか、いけそうですよ」
ジョミー「奴隷って…。それは無理すぎないかな?」
キース 「有り得るぞ。なにしろ、こいつなんだから…」
殆ど最終兵器じゃないか、とキース君、ガクブル。
キース 「いいか、この前の松茸山の、ぶるぅの刑も…」
スウェナ「言い出したのは、この人だったわね…?」
ジョミー「そういえば…。此処にぶるぅはいないけど…」
シロエ 「連れて来るとか言いかねませんよ!」
ぶるぅの刑は恐ろしすぎます、とシロエ君も悪い顔色。
シロエ 「あの時は、全員、泥棒認定を覚悟でですね…」
キース 「隣の山に入ったんだぞ、でもって、追われて…」
ジョミー「危なかったよね、捕まりそうでさ…」
スウェナ「救助したのも、この人なのよね…」
瞬間移動で、とスウェナちゃん。
スウェナ「私たちの命運を左右できるのは、間違いないわ」
シロエ 「それも全員、纏めてですよ」
Aブルー「ピンポーン! どうかな、お試しタイムは?」
誰がお試ししたいのかな、とソルジャー、ニコニコ。
Aブルー「キースでもいいし、シロエでもいいけど」
ジョミー「あっ、ずるい! なんでキースとシロエ?」
キース 「俺に決まったわけではないが!」
シロエ 「ぼくもですよ!」
たまたま名前が挙がっただけです、と呼ばれた人たち。
シロエ 「キース先輩、悪いですけど、お試しは、ぼくが」
キース 「なんだって!?」
抜け駆けするか、と非難の声が。
キース 「それくらいなら、俺がだな…!」
ジョミー「ぼくだって!」
シロエ 「早い者勝ちです!」
試供品だってそうでしょう、と言ってますけど。
どうなる…?
2020/11/08 (Sun)
☆お試しは無しで
紅葉見物はマツカ君の別荘、ヘリで出掛ける予定ですけど。
其処へ来たソルジャー、サム君に似ているという話から…。
キース 「早い者勝ちは無いだろう! 公平にだな…!」
ジョミー「ジャンケンとかで決めるべきだよ!」
スウェナ「そうよ、最強の味方がつくのよ?」
サム 「あー、悪いけどよ…」
お試しタイムは無しで頼むぜ、とサム君の割り込み。
シロエ 「何ですって? どういうことです、サム先輩!」
サム 「お試ししなくても、もう分かったしよ…」
味方について貰えばどうなるかがよ、とサム君、苦笑。
サム 「試供品無しで、俺で頼むのが一番だよな」
キース 「おい! お前、まさか、俺たちを奴隷に…!」
シロエ 「ぶるぅの刑かもしれません。仕返しですしね」
一同 「「「げっ!」」」
えらいことになった、と誰もが顔面蒼白。
キース 「と、取り消す! そいつに似てると言った件!」
シロエ 「ぼくもです! 謝りますから、許して下さい!」
ジョミー「ぼくだって!」
だから許して、と悲鳴と嘆願。
キース 「頼むから、そいつを味方につけないでくれ!」
サム 「うーん…。それを頼む気だったのによ…」
一同 「「「へ?」」」
サム 「俺の味方についてくれたら、その件をよ…」
無かったことにして貰う気だった、とサム君、困惑。
サム 「けどよ、謝って貰っちまうと…」
シロエ 「えーっと…? どうなるんですか?」
サム 「味方して貰っても、意味ねえなあ、って…」
試供品でも要らねえよ、と弾ける、人が好すぎる笑み。
サム 「今の話は無しってことな!」
Aブルー「ええっ? せっかく、ぼくがさ…!」
味方になるって言ってるのに、とソルジャーも仰天。
Aブルー「もったいないと思わないのかい?」
サム 「そりゃまあ…。でもよ、みんな、友達!」
キース 「お前ってヤツは…」
シロエ 「最高ですよ!」
やっぱり全然似ていませんね、とシロエ君。
いい人ですしね!
2020/11/09 (Mon)
☆誘って欲しい人
今年の紅葉はマツカ君の別荘へ、ヘリでお出掛けする予定。
サム君がソルジャーに似ているとかで、脱線でしたけど…。
ジョミー「ありがとう、サム! 断ってくれて!」
サム 「訂正してくれりゃ、それでいいんだよ、俺は」
似ているっていう話をよ、とサム君、素晴らしい人柄。
サム 「そいつに似てなきゃ、問題ねえし」
Aブルー「なんで、そこまで言われるのさ、ぼくが!」
キース 「日頃の行いが悪いからに決まっているだろう」
Aブルー「うーん…。まさか、断られるなんて…」
君たちだって、争奪戦の勢いだったのに…、と溜息な人。
Aブルー「まあいいけどね。それより、紅葉は?」
一同 「「「へ?」」」
Aブルー「保留にしていた紅葉の件だよ、お出掛けだよ!」
何処へ行くわけ、とソルジャーが乗り出す膝。
Aブルー「もちろん、誘ってくれるよねえ?」
シロエ 「マツカ先輩、誘っちゃダメです!」
キース 「馬鹿か、お前は!」
なんだって口を滑らせるんだ、とキース君の怒声。
キース 「今ので半分、バレただろうが!」
ジョミー「そう言うキースも、裏付けたよねえ?」
スウェナ「どうしてスルーしなかったのよ!」
ブルー 「そして君たちが、残りを補強したってね」
脊髄反射で喋るからだよ、と生徒会長、お手上げのポーズ。
サム 「俺とマツカは、喋ってねえぜ」
ブルー 「うん。君たちは、いいんだけどさ…」
Aブルー「ねえねえ、マツカに頼めばいいんだよね?」
何処に行くのか知らないけどさ、とソルジャーの問い。
Aブルー「スポンサーは、マツカみたいだし…」
マツカ 「その通りですね」
否定はしません、と素直に頷く御曹司。
マツカ 「別荘へ行こうと言ってるんです、ヘリで空から」
Aブルー「いいねえ、ソレ! 行ってもいいかい?」
マツカ 「ええ、皆さんでいらして下さい」
一同 「「「げっ!」」」
Aブルー「何か?」
スポンサーが承知したのにさ、と正論が。
間違ってませんね…。
2020/11/10 (Tue)
☆会議だそうです
紅葉見物はマツカ君の別荘、ヘリで空からお出掛けですが。
ソルジャーも行きたいと言い出しまして、マツカ君が承諾。
Aブルー「マツカの別荘へ出掛けるんだし、問題無し!」
キース 「し、しかしだな…!」
Aブルー「みんなでどうぞ、と言ってくれたしねえ…」
ハーレイも、ぶるぅもOKだよね、と笑顔のソルジャー。
マツカ 「もちろんですよ。皆さんで、是非」
シロエ 「人が好すぎです、マツカ先輩!」
キース 「そもそも、お前が喋ったせいだぞ!」
シロエ 「キース先輩だって、怒鳴ったでしょう!」
ぼくだけのせいにしないで下さい、と揉めてますけど。
ブルー 「あのねえ…。とっくの昔に手遅れだから」
サム 「それによ、俺とマツカ以外は、連帯責任だぜ」
一同 「「「うっ…」」」
それはそうかも、と口ごもるしかない御一同様。
Aブルー「じゃあさ、お出掛けは、三人追加でね!」
マツカ 「分かりました。あれっ、もう、お帰りですか?」
Aブルー「ちょっとね、会議があるものだから」
サボッたら、おやつが貰えなくてね、とソルジャー、苦笑。
Aブルー「ぶるぅのおやつには、劣るんだけどさ…」
キース 「貰わないと怪しまれる、というわけだな?」
Aブルー「そう! おやつは食事よりも大切だしね!」
食べに帰るよ、とパッと姿が消え失せまして…。
ジョミー「あーあ…。やっぱり来るってさ…」
スウェナ「来るとは思っていたのよねえ…」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ みんなでお出掛けだよね!」
とっても楽しみ! と「そるじゃぁ・ぶるぅ」。
ぶるぅ 「それにヘリにも乗れちゃうし!」
サム 「おう! 前向きに考えようぜ」
文句を言っても仕方ねえしよ、とサム君の意見。
サム 「召喚しちまったものは、どうしようもねえよ」
ジョミー「毎回、召喚しちゃうんだよねえ…」
キース 「誰かがな…」
ブルー 「呪文も無しだし、最強だってば」
呼ばれた方は、と言われましても。
それって、どういう…?
2020/11/11 (Wed)
☆呪文が無い場合
紅葉見物はマツカ君の別荘ですけど、ゲストが三名も追加。
断れないわけで、ヘリでソルジャーたちとお出掛けですが。
ジョミー「呼ばれた方は最強って、それ、どういう意味?」
キース 「あの馬鹿は、元々、最強だろうが!」
たまにマツカが勝利するが、とキース君。
キース 「だが、それ以外は、ほぼ無敵でだな…」
シロエ 「呼ばれなくても来ますしね…」
迷惑この上ないですよ、とシロエ君も。
シロエ 「あんなのを呼ぶ呪文なんかは、無くていいです」
スウェナ「あったら真面目に困るわよ!」
サム 「唱えたヤツは、フルボッコでねえの?」
ジョミー「当たり前だよ!」
今日みたいなのは仕方ないけど、とジョミー君の相槌。
ジョミー「明日は我が身だから、許すだけでさ…」
サム 「うんうん、何が切っ掛けになるか謎だしよ…」
責められねえよな、とサム君も同意。
サム 「だからよ、呪文なんかはねえ方がよ…」
ブルー 「どうなんだか…。ぼくが言うのは其処だから」
一同 「「「は?」」」
ブルー 「呪文も無しだし、最強ってヤツ!」
君たちも、よく考えたまえ、と生徒会長。
ブルー 「召喚する時に呪文を唱える理由は、何かな?」
ジョミー「えっと…? それは呼びたいからで…」
スウェナ「そうよね、呼びたい理由はともかく」
ブルー 「呼ぶために唱えるんだろう? つまりさ…」
一種の儀式なわけだよね、と生徒会長の解説が。
ブルー 「手順を踏んで呼び出したんなら、帰す時には?」
シロエ 「お帰り願わないとダメですね」
ブルー 「うん。こっくりさんでも、そうだよね」
お帰り下さい、という儀式が必要、と生徒会長の指摘。
ブルー 「だったら、呪文も無しで出て来た魔物とかは?」
キース 「祈祷で追い払うか、バトルしかないな」
ブルー 「ブルーは、まさにその状態だよ」
シロエ 「お帰り願えないんですね…」
ブルー 「そう!」
分かったかな、と見回されましても。
怖すぎですって…。
2020/11/12 (Thu)
☆呪文を唱えても
紅葉見物はマツカ君の別荘、ソルジャーたちも来るそうで。
ヘリでお出掛けなんですけれど、そのソルジャーが問題。
シロエ 「お帰り頂く呪文が無いって、最悪ですよ!」
スウェナ「怖すぎるわよ、その状態!」
ジョミー「祈祷かバトルか、それしか無いんだ…?」
なんとか帰って貰うには…、とジョミー君もブルブル。
ジョミー「今日は、サッサと帰ったけどさ…」
サム 「普段だったら、居座るんだぜ」
キース 「ぶるぅの料理と、菓子目当てでな」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ お客様、大好き!」
帰っちゃったから残念だよう、と「そるじゃぁ・ぶるぅ」。
ぶるぅ 「ゆっくりしてって欲しかったのに…」
シロエ 「要りませんから!」
ジョミー「どうせ、紅葉で振り回されるよ」
キース 「くっそぉ…。また、あいつらか…」
嫌な予感しかしないんだが、とキース君の眉間に皺が。
キース 「最強の魔物らしいしな…」
マツカ 「どうでしょう? 紅葉見物に限っては…」
一同 「「「え?」」」
マツカ 「呪文を唱えたことにならないでしょうか?」
ぼくが御招待しましたしね、と御曹司。
マツカ 「皆さんでどうぞ、と言いましたし…」
ジョミー「あー! それが召喚の呪文になるんだ!」
マツカ 「そうじゃないかと思うんですけど…」
如何でしょうか、と御曹司の問い。
マツカ 「今日とは事情が違って来ますよ」
キース 「なるほどな…。確かにそうだ」
ジョミー「じゃあ、最強じゃなくなるのかな?」
ブルー 「うーん…。問題は、お帰り頂く呪文で…」
そっちの呪文があるだろうか、と生徒会長。
ブルー 「どうなんだい、マツカ?」
マツカ 「言われてみれば…」
お客様は追い返せませんね、とマツカ君の困り顔。
マツカ 「おもてなししてこそですから…」
キース 「お帰り願えないんだな?」
マツカ 「そうなりそうです、この場合…」
一同 「「「あー…」」」
ダメか、と一同、肩を落としてガックリ。
残念すぎ…。
2020/11/13 (Fri)
☆運任せでいこう
紅葉見物はマツカ君の別荘、ヘリでお出掛けでゲストつき。
ソルジャーたちが来るわけですけど、どうしようもなくて。
キース 「召喚の呪文は唱えていても、帰す呪文か…」
マツカ 「すみません。お客様を御招待した以上は…」
シロエ 「お帰り願うのは、失礼ですしね…」
勝手にお帰りになるならともかく…、とシロエ君。
シロエ 「そういう場合は、引き止める方が失礼ですけど」
ジョミー「あっ、ソレ! ソレを使えないかな?」
一同 「「「は?」」」
ジョミー「引き止める方が失礼ってヤツだよ!」
お帰りになるなら止められないよ、とジョミー君の意見。
ジョミー「止めようって方が失礼なんだし、いけるかも…」
サム 「いいかもなあ…。でもよ、相手がアレだしよ…」
スウェナ「帰りたくなるようなことって、あるかしら?」
なんと言っても最強なのよ、とスウェナちゃん。
スウェナ「どちらかと言えば、私たちの方が…」
シロエ 「帰りたい気分になりそうですよね…」
キース 「まったくだ。もう諦めるしかないだろう」
紅葉見物は運任せだ、と副住職が繰る数珠レット。
キース 「運が良ければ、ヘリで空から観光してだな…」
サム 「美味いものを食って、楽しめるってな!」
キース 「そういうことだ。悪かった時は、仕方ない」
シロエ 「考えない方が良さそうですね…」
悪かった時のことなんて…、とシロエ君も深い溜息。
シロエ 「紅葉日和に期待しましょう、それが一番です」
ジョミー「そうだね、天気が悪かったらさ…」
キース 「何も言うな、言霊というのがあるぞ」
ブルー 「うん。いいことだけを考えたまえ」
それでこそ福を呼べるというもの、と生徒会長も。
ブルー 「マツカ、別荘とヘリをよろしく頼むよ」
マツカ 「ええ。手配の方は任せて下さい」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ お出掛け、楽しみ!」
一同 「「「おーっ!!!」」」
いいことを考えて福を呼ぶぞ、と突き上げる拳。
福が来ますように…。
2020/11/14 (Sat)
☆肩書が同じ人
やって来ました、紅葉見物でマツカ君の別荘に出掛ける日。
生徒会長のマンションに集合ですけど、いつもと違う場所。
シロエ 「会長、おはようございます!」
ブルー 「おはよう、みんな揃っているね」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ いいお天気で良かったよね!」
お出掛け日和! と「そるじゃぁ・ぶるぅ」が歓声な屋上。
キース 「屋上にヘリポートというのが流石だな…」
ジョミー「駐車場からだと思ってたよねえ…」
マツカ 「ぼくもです。そしたら、ブルーが…」
屋上にあるから、と言ったんですよね、と御曹司。
マツカ 「流石、ソルジャーの家ともなると違いますよ」
サム 「その肩書だと、誰かと変わらねえけどよ…」
ブルー 「仕方ないよね、役職名が同じだからさ」
??? 「悪かったねえ!」
肩書が同じで、とソルジャー(会話表記はAブルー)登場。
ぶるぅ 「わぁーい、いらっしゃい!」
Aブルー「多分、君の方がパクリだからさ、ソレ!」
ブルー 「だろうね、なにしろシャングリラ号が…」
A船長 「私たちの船と同じだそうですからねえ…」
設計図が流出したとかで…、とキャプテンも登場。
A船長 「なんとも由々しき問題ですが…」
Aブルー「いいじゃないか、お蔭でこうしてさ…」
Aぶるぅ「地球のある世界に来られるもーん!」
最初に来たのは、ぼくだもんね、と悪戯小僧の「ぶるぅ」。
Aぶるぅ「美味しいものが沢山あるし、楽しいし…」
Aブルー「そういうこと! 流出のことは気にしない!」
原因は多分、ぼくだろうけど、とソルジャーの苦笑。
Aブルー「人類軍に漏れたわけじゃないから、オッケー!」
ブルー 「設計図の件は感謝してるよ」
無意識にしても…、と生徒会長。
ブルー 「でも、その件と、君の迷惑度とは…」
Aブルー「別件だって?」
ブルー 「当然だろう! 毎回、毎回…」
マツカ 「皆さん、ヘリの用意が出来てますから」
続きはヘリの中でどうぞ、と言ってますけど。
この続きを…?
2020/11/15 (Sun)