☆紅葉と駐車料金
マツカ君の別荘にヘリでお出掛け、屋上のヘリポートから。
最高の紅葉日和ですけど、ヘリに乗る前から揉める人たち。
Aブルー「ぼくが毎回、何だって言うのさ!」
ブルー 「いつも色々やらかすだろう!」
今日だって、嫌な予感しか…、とヘリに乗り込む生徒会長。
ブルー 「そもそも、押し掛けて来たトコからして…」
Aブルー「御招待だから!」
A船長 「私も、そのように聞いておりますが…」
マツカさんですよね、とキャプテン、穏やかな笑み。
A船長 「いつもありがとうございます。松茸山の時も」
マツカ 「いえ、お礼を言って頂くほどでは…」
当然のことをしたまでです、とマツカ君、あくまで控えめ。
マツカ 「それじゃ、出発していいですか?」
ブルー 「うん。みんな着席してるしね」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ しゅっぱぁーつ!」
ヘリが離陸で、たちまち屋上から空の旅へと。
ジョミー「凄いや、ホントに遊覧飛行だ!」
マツカ 「別荘までの間、お好きな所を飛べますよ」
サム 「最高だぜ! おっ、道路は渋滞してるのな!」
ブルー 「何処も車で一杯だよねえ、紅葉だからさ」
駐車場に入るのも一苦労だよ、と生徒会長。
ブルー 「それを見越して、駐車料金も上がるしさ…」
Aブルー「そうなのかい?」
ブルー 「もう思いっ切り、足元を見た価格設定になるね」
Aブルー「足元って?」
高値をつけてくるのは分かるけど…、とソルジャーの疑問。
Aブルー「普段の三倍とか、そういう感じ?」
ブルー 「もちろんだけどさ、それ以外にもさ…」
キース 「賑わう時間ほど、高い料金になるのが多いな」
Aブルー「昼間は高くなるのかい?」
賑わいそうだし、とソルジャーが傾げる首。
Aブルー「でもって、夜は安くするとか…?」
ブルー 「そんな具合だね、しかも細かく!」
キース 「普段は一律、安い所でもな」
ブルー 「稼ぎ時だからねえ…」
あの辺は特に有名だね、と指差してますけど。
紅葉名所ですね…?
2020/11/16 (Mon)
☆紅葉名所と渋滞
マツカ君の別荘へ紅葉見物に出発、ヘリでの遊覧飛行つき。
あちこち車が渋滞していて、駐車場に停めるのも大変そう。
Aブルー「ああ、あそこ…。七福神巡りの近くだよね?」
ブルー 「そうだね、節分の時期に紅葉は無いけど」
だから、そのシーズンは空いてるよね、と生徒会長。
ブルー 「駐車場だって底値になるよ」
Aブルー「ふうん…。その時期だったら安いんだ?」
キース 「ついでに終日、価格設定は同じだな」
それでも空きが出るくらいだ、とキース君も。
キース 「その分、紅葉で稼がないとな」
Aブルー「高くても、みんな停めるからだね?」
ブルー 「停められないまま、動けない車も多いけどね」
抜け道が無いものだから、と生徒会長の苦笑。
ブルー 「一旦、入り込んでしまうと、ドツボなんだよ」
キース 「抜け道の方も、最終的には行き詰まるからな」
Aブルー「どういう意味さ?」
キース 「抜けて行く先も幹線道路で、渋滞なんだ」
そこまでの間の生活道路で動けなくなる、という答え。
キース 「お蔭で、近辺の人は迷惑しているらしいぞ」
ブルー 「スーパーにも出掛けられないからねえ…」
車を出したら帰れないから、と生徒会長が指差す方角。
ブルー 「休日はヒッキー覚悟だってさ、近所の人は」
Aブルー「へええ…。どんな具合か、気になるよね」
マツカ 「あちらの方を見に行きますか?」
Aブルー「お願いするよ!」
文字通り高みの見物だから、とソルジャー、ウキウキ。
Aブルー「空は渋滞しないしねえ…」
マツカ 「そうですね。ほら、近付いて来ましたよ」
ジョミー「うわぁ…。もう、この辺から大渋滞だよ」
少しも動きそうにないね、とジョミー君が眺める渋滞。
ジョミー「観光バスまで巻き込まれてるよ」
Aブルー「辿り着けなかったら、どうなるんだい?」
ブルー 「途中下車して、歩くしかないね」
一同 「「「うわー…」」」
そこまでなのか、と一同、ガクブル。
観光ツアーなのに…。
2020/11/17 (Tue)
☆降ろされる観光客
ヘリでマツカ君の別荘へお出掛け、遊覧飛行で紅葉名所へ。
渋滞を空から見物ですけど、観光バスも巻き込まれる状態。
シロエ 「途中下車して歩くだなんて、酷いですよね」
サム 「だよなあ、バスもツアー料金の内なのによ」
スウェナ「動けないからって、歩かせるのは無いでしょ」
なんとか駐車場に入れなさいよ、とスウェナちゃんも。
スウェナ「降ろされるお客さんは、いい迷惑じゃないの」
ブルー 「それが、そうとも言えないんだよね」
一同 「「「えっ?」」」
ブルー 「食事の時間とかは、どうするんだい?」
遅れたらパアになっちゃうんだよ、と生徒会長。
ブルー 「予約してても、到着しないと食べられないしさ」
ジョミー「そっか、食べてる時間が足りなくなっちゃうね」
キース 「時間不足で済んだら、マシな方だろう」
店はシビアに営業するしな、とキース君の指摘。
キース 「次の客を入れる時間になったら、おしまいだぞ」
シロエ 「あー…。着いても、席が無いわけですね」
ブルー 「料理の方は、折詰になるかもしれないけどね…」
でも、それを食べる場所は無いね、と生徒会長、キッパリ。
ブルー 「そうなるのが嫌なら、歩くしかないよ」
一同 「「「うーん…」」」
バスの料金より、食事が大事か、と一同、納得。
ジョミー「食事が出来ないのはショックだよねえ…」
サム 「文句も言いたくなるってもんだぜ」
シロエ 「歩きますか、って言われたら、歩きますよね」
Aブルー「そうだろうねえ…。あっ、アレがそうかな?」
バスから降りてる人たちがいるよ、と指差すソルジャー。
Aブルー「駐車場でもないのにさ」
ブルー 「まだまだ遠いし、その口だろうね」
此処から歩くとキロ単位だよ、と生徒会長が眺める先。
ブルー 「気の毒にねえ…」
ジョミー「あれっ、こっちを見上げてるよ?」
シロエ 「手も振ってますね、何でしょう?」
あの人たちは、と誰もがキョトン。
何故、観光の人たちが…?
2020/11/18 (Wed)
☆観光地を飛ぶヘリ
マツカ君の別荘までヘリですけれど、途中で遊覧飛行な今。
大渋滞でバスから降ろされた観光客が、何故か、こちらを。
キース 「ヘリに手を振ると、いいことでもあるのか?」
サム 「あれじゃねえかな、ホラ、観光地の列車でよ…」
外に手を振るヤツらがいるだろ、とサム君の意見。
サム 「畑とかにいる一般人によ、こう、楽しそうに」
ジョミー「そういえば…。川下りとかの人もやるよね」
シロエ 「でも…。相手は観光バスツアーですよ?」
しかもバスから降りちゃってます、とシロエ君。
シロエ 「乗車中なら、手を振るパターンもありますけど」
キース 「降りてしまったら、ただの観光客だな…」
スウェナ「団体だっていうだけだわねえ…」
いくら相手がヘリにしても、とスウェナちゃんが傾げる首。
スウェナ「手を振るメリット、無さそうだけれど…」
ジョミー「ピースサインの人もいるよね…って、そうか!」
一同 「「「え?」」」
なんだ、と一同、ジョミー君に注目。
サム 「おいおい、何か分かったのかよ?」
ジョミー「うん。多分、間違いないと思うな」
シロエ 「何なんです?」
ジョミー「報道ヘリだよ、テレビ局のさ」
アレと間違えてるんだと思う、とジョミー君。
ジョミー「生中継か、今日のニュースか、そんな感じで」
一同 「「「あー!」」」
ソレか、と閃いた御一同様。
サム 「ニュースに出るなら、手も振るぜ、うん」
キース 「なるほどな…。残念ながら、違うんだがな」
Aブルー「報道ヘリかあ…。それはいいねえ」
A船長 「勘違いしているわけですね」
お気の毒に、とキャプテン、同情ですけど。
Aブルー「よし! それっぽく旋回しようよ、この辺を」
A船長 「騙す気ですか、ただでも降ろされたお客さんを」
Aブルー「テレビに出るかも、って元気が出そうだしさ!」
A船長 「エールですか?」
Aブルー「そう!」
元気に歩いて行けるように、と言い出した人。
詭弁だとしか…。
2020/11/19 (Thu)
☆嬉しい報道ヘリ
マツカ君の別荘で紅葉見物、ヘリで向かう道中は遊覧飛行。
大渋滞な名所の近くで、観光客たちが手を振って来まして。
Aブルー「テレビで放送されるとなったら、最高だろう?」
A船長 「そうなのですか、こちらの世界は?」
Aブルー「目立ちたがる人が多いからねえ!」
SD体制の世界とは事情が違うね、とソルジャーの弁。
Aブルー「あっちじゃ、一般人っていうのは、全く…」
シロエ 「何か違うと言うんですか?」
Aブルー「目立たず、横並びが理想な世界なんだよ」
目立つのはエリートだけでいいのさ、とキッパリと。
Aブルー「だからこういう、渋滞なんかの中継もさ…」
ジョミー「無いってわけ?」
Aブルー「無いねえ、一般人は注目されないしね」
スポットライトはエリートにしか当たらない、という話。
Aブルー「だけど、こっちは違うわけだし…」
A船長 「そうかもしれませんが、騙すんですよ?」
我々は中継しませんから、と渋るキャプテン。
A船長 「手を振ってらっしゃるだけでも、お気の毒で…」
Aブルー「いいんだってば、生中継なら見られないしね」
シロエ 「スマホで見られると思いますけど?」
Aブルー「ああやって手を振りながら、かい?」
まず不可能だと思うけどね、と言われてみれば、その通り。
キース 「確かに無理だな、あの状態では」
Aブルー「ね? それに録画でも、編集されたら…」
シロエ 「映らないこともあるんでしたね…」
Aブルー「そういうことだよ、運次第ってね!」
映るかもってだけで満足だろう、とソルジャー、ウインク。
Aブルー「マツカ、旋回の指示を出してよ」
マツカ 「分かりました。報道ヘリっぽくですね」
早速パイロットに届いた注文、ヘリが旋回し始めまして。
Aブルー「やってる、やってる! さっき以上に!」
ジョミー「やっぱり間違えていたんだね」
Aブルー「足取りに元気が出て来たよ!」
映るとなったら張り切るんだね、と見下ろす人。
そのようですね…。
2020/11/20 (Fri)
☆撮影されるヘリ
ヘリでマツカ君の別荘へ向かう途中で、遊覧飛行ですけど。
大渋滞に巻き込まれた観光バスの乗客に、報道ヘリのふり。
キース 「スマホを向けているヤツまでいるな」
A船長 「中継されているか、見ているのでしょうか?」
ジョミー「違うんじゃないかな、多分、撮影中だよ」
Aブルー「こっちをかい?」
そんなもの、撮ってどうするのさ、とソルジャーの問い。
Aブルー「テレビに映るのは、あっちの方なのに…」
シロエ 「いいえ、ジョミーの言う通りでしょう」
A船長 「どういう意味です?」
シロエ 「SNSに上げるんですよ」
それならテレビに映らなくても…、とシロエ君。
シロエ 「編集でカットされていたって、証拠があります」
ジョミー「そう! 報道ヘリも来てました、ってね」
Aブルー「なるほどねえ…! 中継なう、と」
ジョミー「そう言われたら、テレビをつける人もいるしさ」
生中継なら見て貰えるよ、とジョミー君が立てる親指。
ジョミー「映ってなくても、イイネが沢山!」
キース 「そういう輩は多いだろうな、確かに」
Aブルー「元気に歩いていけるわけだね、納得だよ」
本当にいいことをしてあげてるよ、とソルジャーの笑顔。
Aブルー「ということは、ここだけじゃなくて…」
一同 「「「は?」」」
Aブルー「他の所でも、報道ヘリは喜ばれるんだね?」
映して貰えるかもとなったら…、とソルジャーの問い。
Aブルー「観光の人が注目してくれて、手を振って…」
シロエ 「そうでしょうねえ、報道ヘリなら」
Aブルー「だったら、あちこち行ってみようよ!」
A船長 「騙しにですか?」
それはあまりにお気の毒な…、とキャプテン、眉間に皺を。
A船長 「勘違いをして、ああして手を振る皆さんが…」
Aブルー「いいんだってば、勘違いでも喜ばれたら!」
A船長 「しかしですね…!」
Aブルー「善行は、積んでなんぼなんだってば!」
そうだったよね、とソルジャーの視線がキース君に。
何故、そこ?
2020/11/21 (Sat)
☆善行を積んでも
マツカ君の別荘へ向かう途中のヘリを、勘違いした観光客。
報道ヘリだと思ったわけで、手を振る人やら、撮影やらで。
Aブルー「勘違いでも喜んで貰えるのは、いいことだしさ」
キース 「あんた、どうして俺に同意を求めるんだ」
他のヤツらの意見も聞け、とキース君、苦々しい顔。
キース 「俺には決定権なぞは無いぞ、まるで全く」
Aブルー「そうだろうけど、善行を積むことに関しては…」
君は立派にプロじゃないか、とソルジャー、真剣。
Aブルー「だからさ、君の同意があればいけるかと」
キース 「どういう理屈でそうなるんだ!」
Aブルー「口癖とまでは言わないけどさ、お約束でさ…」
よく言ってるよ、とソルジャー、指を一本立てまして。
Aブルー「善行ってヤツを積めば積むほど、極楽往生!」
一同 「「「げっ!!!」」」
ソレか、と一同、ヘリの中でドン引き。
Aブルー「どうしたんだい、君たちは?」
シロエ 「い、いえ、何でもありません!」
Aブルー「ふうん…? それでキースは、どうなのさ?」
何か異存があるだろうか、と畳み掛ける人。
Aブルー「善行を積んで、スッポンタケの供養をね!」
キース 「…少し違うと思うんだが?」
Aブルー「どの辺がさ?」
キース 「あんたが善行を積むというなら、その功徳は…」
あんたのために使われるんだ、とキース君、副住職モード。
キース 「つまり、お浄土が近くなるのは、あんただな」
Aブルー「スッポンタケじゃなくて?」
キース 「そういうことだ」
で、善行を積みに行くのか、と副住職が指差す窓の外。
キース 「とりあえず、今は名所の上空だがな」
Aブルー「うーん…。手を振ってる人も増えたけど…」
みんな見上げてくれてるけど、と見下ろすソルジャー。
Aブルー「ぼくの功徳にしかならないわけ?」
キース 「そう言ったが?」
Aブルー「こんなに大勢、喜んでくれてるのに…」
もったいないよね、とソルジャー、残念そう。
それはまあ…。
2020/11/22 (Sun)
☆宣言した場合は
マツカ君の別荘へ向かう途中に、遊覧飛行で紅葉の名所へ。
報道ヘリと間違えた人が、撮影したり、手を振ったりで…。
Aブルー「これだけの人を喜ばせたら、功徳もたっぷり…」
キース 「あるかもしれんが、例のヤツとは無関係だ!」
宣言をしていない以上はな、と副住職の突き放し。
キース 「マツカ、この馬鹿が調子に乗らない内にだな…」
シロエ 「別荘に行ってしまいましょうよ、切り上げて」
ジョミー「そうだね、報道ヘリのふりも楽しいけどさ…」
一カ所だけで充分だよね、とジョミー君も。
ジョミー「それより別荘! 紅葉と御馳走!」
マツカ 「分かりました。では、そのように…」
Aブルー「ちょっと待ったぁ!」
その前に、キースに質問がね、とソルジャーの割り込み。
Aブルー「サラッと気になることを言ったし!」
一同 「「「え?」」」
Aブルー「善行だってば、さっき、宣言がどうとかって!」
それはどういうものなのかな、と赤い瞳がキラリと。
Aブルー「それをやったら、功徳がスッポンタケ用に…」
A船長 「変化しそうな感じでしたね、そういえば」
一同 「「「うっ…」」」
言われてみれば、と顔を見合わせる御一同様。
シロエ 「そんな風にも聞こえましたね…」
スウェナ「聞き流してたけど、そうだわね…」
ジョミー「もしかして、キース、余計な台詞を…」
また吐いたわけ、とジョミー君が吊り上げる眉。
ジョミー「それこそ、キースのお約束だけど」
シロエ 「疫病仏と言われてましたっけね…」
キース 「そ、それは…」
Aブルー「この流れだと、大いに期待できそうだよねえ…」
どうなのかな、とソルジャー、副住職の方へズズイと。
Aブルー「宣言をする方法があって、スッポンタケにさ…」
A船長 「功徳を転送できるのですか?」
キース 「ほ、法要はそのためのもので…」
Aブルー「本当かい!?」
一同 (((うわー…)))
嫌すぎる、と誰もがガクブルですけど。
運命や如何に…?
2020/11/23 (Mon)
☆転送する方法
マツカ君の別荘で紅葉見物、行く途中にヘリで遊覧飛行を。
報道ヘリと間違えた人が、手を振ったりして大喜びで…。
Aブルー「法要をすれば、功徳を転送できるんだね?」
キース 「そういう仕組みになっているわけで…」
Aブルー「法要自体が、宣言なのかな?」
キース 「いや、そうではなく…。最初の方で、だ…」
そこまで言って、口を押えた副住職。
Aブルー「ふうん…? 何か都合が悪そうだよねえ…」
キース 「なんでもない!」
Aブルー「失言したように見えるけれどね?」
法要が宣言ではなさそうだよね、とソルジャー、ニンマリ。
Aブルー「何かあるねえ、転送するための呪文なのかも?」
A船長 「その可能性はありますね」
シロエ 「キース先輩、どうなんですか?」
法要か呪文か、どっちなんです、とシロエ君の問い。
シロエ 「正直、どっちも迷惑ですけど、時間的には…」
ジョミー「呪文の方がマシだよね…」
サム 「けどよ、そんなの、あったっけか?」
あったら覚えていそうだけどよ、と僧籍な人。
サム 「法要だったら、散々、付き合わされて来たしよ」
ジョミー「うーん…。でもさ、呪文で済むんだったら…」
この際、それで済ませて欲しい、とジョミー君の注文。
ジョミー「せっかく紅葉でご馳走なのにさ、法要はさ…」
スウェナ「勘弁願いたいわよねえ…」
キース 「本当か?」
サム 「おいおい、渡りに船ってかよ?」
失言したのは認めるのな、とサム君、腕組み。
サム 「やっぱ、呪文があるってか?」
Aブルー「あるんだったら、お願いしたいね!」
キース 「う、うう…」
シロエ 「サッサとやったらどうなんです!」
呪文で一発、済ませて下さい、とシロエ君も。
シロエ 「早く別荘に行きたいですしね」
キース 「分かった、やるから恨むんじゃないぞ?」
ジョミー「早くってば!」
Aブルー「スッポンタケに功徳をね!」
転送よろしく、と期待なソルジャーですけど。
呪文って、どんな…?
2020/11/24 (Tue)
☆受取人を指定
マツカ君の別荘へ紅葉見物にお出掛け、ヘリで遊覧飛行中。
報道ヘリと間違えた観光客が、喜んで手を振るわけでして。
キース 「本日、積むところの功徳は、倫王院殿…」
Aブルー「嬉しいねえ、スッポンタケの戒名だよ!」
A船長 「これが宣言なのですか…」
キース 「謹んで、敬って申す~…」
ハハーッ! と頭を深々と下げる副住職。
キース 「おい、終わったぞ」
シロエ 「ええっ? 普通でしたよ、呪文じゃなくて」
サム 「でもよ、そういや法要の時によ…」
もっと長々と唱えてねえか、と僧籍な人の指摘。
サム 「お浄土がどうのとか、菩提がどうとか」
シロエ 「そういえば、あった気もしますね」
キース 「当たりだ、法要の理由を仏様にお伝えするんだ」
何のためにやるかを伝えないと、と副住職の説明が。
キース 「でないと、せっかくの読経がだな…」
ブルー 「法要の主人公じゃなくって、全ての仏様に…」
捧げたことになっちゃうんだよ、と生徒会長も。
ブルー 「お経を唱えて欲しい人なら、山ほどいるから」
Aブルー「なるほどねえ! 受取人を指定なんだね」
キース 「ひらたく言えば、そうなるな」
Aブルー「でもって、観光の人たちを喜ばせた功徳も…」
今ので、スッポンタケの所に、とソルジャー、感激。
Aブルー「ありがたいよねえ、マツカ、次に行こうよ!」
マツカ 「は?」
Aブルー「別荘までの間に、もっと、紅葉の名所!」
一同 「「「げっ…!」」」
まだやる気か、と誰もがゲンナリですけど。
Aブルー「嫌なら、向こうでスッポンタケをね!」
一同 「「「え?」」」
Aブルー「ナマだよ、ナマ!」
探してくれるなら、直行でいい、とソルジャー、ニッコリ。
Aブルー「功徳もいいけど、ナマもいいしね!」
一同 「「「うっ…」」」
Aブルー「嫌なんだったら、報道ヘリで功徳だよ!」
一同 「「「うわー…」」」
報道ヘリか、と諦めるしかない御一同様。
探すよりはマシ…。
2020/11/25 (Wed)
☆紅葉より功徳
マツカ君の別荘へ向かう途中で、紅葉の名所へと遊覧飛行。
報道ヘリと間違えられて、喜ばれたのを功徳と主張する人。
Aブルー「スッポンタケを探す代わりに、功徳をね!」
A船長 「素晴らしいですね、今夜は漲りそうですよ」
Aブルー「今夜と言わずに、明日も明後日も、その次も!」
うんと功徳を積んでおこう、とソルジャーが突き上げる拳。
Aブルー「マツカ、他の名所も寄り道よろしく!」
マツカ 「はい。他の皆さんも、それでいいんですね?」
シロエ 「背に腹は代えられませんからね…」
サム 「スッポンタケ探しは避けてえもんなあ…」
仕方ねえや、というサム君の声に、頷くしかない御一同様。
ジョミー「此処からだと、直線で行っても一カ所あるよね」
スウェナ「寄り道の範囲だと、もっとあるわよ」
Aブルー「嬉しいねえ! キース、功徳の転送、お願い!」
キース 「分かっている…」
もうヤケだ、と副住職も諦めモード。
キース 「サッサと済ませて、別荘で紅葉見物だ!」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ 御馳走、楽しみ!」
Aぶるぅ「ぼくも、ぼくもーっ!」
マツカ 「とにかく、先を急ぎましょうか」
お次はあそこになりますね、と指差す先に渋滞中の道路。
Aブルー「やったね、あそこも期待できそう!」
A船長 「近付いて来ましたよ。あっ、手を振る人が…」
ブルー 「間違えてるねえ、報道ヘリと…」
ジョミー「この状況でヘリが飛んでたら、そうなるよね…」
撮影組はSNSに投稿だってば、とジョミー君。
ジョミー「ぬか喜びとしか言えないんだけど…」
Aブルー「カットされたと思うだけだろう?」
だからオッケー、とソルジャー、満面の笑み。
Aブルー「さあ、キース、功徳をどんどん転送してよ!」
キース 「本日、積むところの…」
Aブルー「此処が済んだら、次に行くからね!」
A船長 「頑張りましょう!」
一同 「「「はーい…」」」
なんてこった、と溜息MAXな遊覧飛行。
紅葉より、功徳…。
2020/11/26 (Thu)
☆騙される観光客
マツカ君の別荘へ紅葉見物に向かう道中、ヘリで遊覧飛行。
とはいえ名所で報道ヘリのふり、ソルジャーが大喜びで…。
Aブルー「いいねえ、何処へ行っても手を振られるよ!」
シロエ 「報道ヘリだと思ってますから、当然ですよ」
A船長 「スマホを向ける人も、大勢いますね」
ジョミー「SNSにUPしなくちゃだしね…」
良心が痛んじゃうんだけど、とジョミー君の深い溜息。
ジョミー「こっちは遊覧飛行なのにさ…」
Aブルー「喜んでるから、いいんだってば! 善行だよ!」
A船長 「それをキースが、スッポンタケに転送ですしね」
Aブルー「御利益が大いに期待できるよ、漲りまくりの!」
もう今夜からビンビンのガンガン、とソルジャーの笑顔。
Aブルー「さあ、次でラストになるんだっけ?」
マツカ 「ええ。山を越えたら、田舎ですしね」
渋滞は次で最後ですよ、と御曹司。
マツカ 「流石に、何もない田舎は渋滞しませんから」
スウェナ「いよいよ別荘に到着ってわけね?」
マツカ 「はい。紅葉を見ながら、お食事をして頂けます」
一同 「「「やったー!」」」
もうすぐだ、と歓喜の声が溢れるヘリの中。
サム 「報道ヘリのふりも、やっと終わりな!」
シロエ 「あと一カ所です、キース先輩、頑張って下さい」
Aブルー「ほら、見えて来たよ、転送よろしく!」
キース 「そうだな、既に注目されているしな」
なんて気付くのが早いんだ、と副住職が唱える文言。
キース 「本日、積むところの…」
ジョミー「みんな目ざといよね、渋滞中だから…」
シロエ 「動けない中、ヘリの音がしたら気付きますよね」
でも、此処が最後のスポットですから、とシロエ君。
シロエ 「騙されてますねえ、皆さん、順調に…」
Aブルー「功徳だと言ってくれたまえ!」
A船長 「有難いですねえ、本当に…」
Aブルー「スッポンタケのために、功徳をうんと沢山!」
それでこそだ、と主張する人と、旋回するヘリ。
パイロットもノリノリ…。
2020/11/27 (Fri)
☆報道ヘリと取材
紅葉見物にマツカ君の別荘へ、その道中で報道ヘリのふり。
大渋滞な紅葉の名所で、観光客が手を振り、スマホで撮影。
Aブルー「うん、最高だよ、此処でも注目されてるし!」
シロエ 「パイロットさんも、慣れちゃいましたね」
サム 「技術はともかく、飛び方が完全に報道ヘリだぜ」
旋回してる範囲にしても、近付き方も…、とサム君も感心。
サム 「報道ヘリなら、こう飛ぶぜ、ってヤツな」
ジョミー「そっちの仕事もやってるのかな?」
マツカ 「いえ、うちの専属パイロットですから…」
一同 「「「専属…」」」
流石、と誰もが目を剥く御曹司っぷり。
シロエ 「マツカ先輩、先輩の家って凄すぎですよ…」
ブルー 「何を今更、って感じだよ。別荘に行くんだよ?」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ 御馳走も待ってるもんね!」
ジョミー「そうだっけ…。一流の料理人さんと、食材…」
ホントに今更な話だったよ、とジョミー君。
ジョミー「でも、御馳走は楽しみだよね!」
マツカ 「そろそろ、向かっていいですか?」
Aブルー「うん! 功徳はバッチリ積んだからね!」
さあ、行こうか! という声で、ヘリは別荘の方角へと。
Aブルー「まだ手を振ってる人がいるねえ…」
キース 「望遠レンズなら、まだ充分に写せるからな」
Aブルー「なるほどね! でも、バレないかな?」
渋滞が無い方へ飛んじゃって、とソルジャーの疑問。
Aブルー「違ったかも、って思われちゃったら…」
A船長 「功徳が無くなるかもですね…」
キース 「いや、その点なら大丈夫だ」
Aブルー「積んだ功徳は、減らないのかい?」
それとも返せと言われないとか…、とソルジャーの問い。
Aブルー「もう積みました、で通せばいいとか?」
キース 「仏様は心が広いし、それにだな…」
Aブルー「他にも何か?」
キース 「報道ヘリは、飛んだからには各地で取材だ」
Aブルー「それなら安心!」
紅葉以外の取材なんだね、と安心する人。
いざ、別荘へ!
2020/11/28 (Sat)
☆大盛りでお願い
報道ヘリのふりを終えて、ようやくマツカ君の別荘に到着。
別荘の庭も近くの山も、見応えたっぷりな素晴らしい紅葉。
ぶるぅ 「かみお~ん♪ 紅葉が、すっごく綺麗!」
マツカ 「皆さん、こちらのお座敷へどうぞ」
よく見える部屋を選びました、とマツカ君の案内。
マツカ 「外で食べるには、少々、風が冷たいですしね」
Aブルー「気が利くねえ! 御馳走も期待出来そうだね」
マツカ 「料理人さんが、朝早くから仕入れたそうです」
旬の食材をご賞味下さい、とマツカ君。
マツカ 「松茸も、土瓶蒸しと御飯の他にも…」
ジョミー「色々、あるんだ?」
マツカ 「そのようですよ。もう運ばれて来ますから」
最初の品が…、と言い終える前に、使用人さんたちが。
ぶるぅ 「わぁーい、美味しそう!」
Aぶるぅ「美味しそうだけど、ちょっぴりだよう…」
これじゃ足りない、と悪戯小僧の大食漢。
ぶるぅ 「まだまだ来るけど、ぶるぅだもんね…」
使用人A「もっとお持ちしますか?」
Aぶるぅ「貰えるんなら、うんと沢山!」
使用人A「かしこまりました。すぐお持ちします」
こちらのぼっちゃまに、大盛りで、と飛ばされる指示。
使用人B「少々、お待ちを!」
Aぶるぅ「次のも、その次も、大盛りがいいな!」
使用人A「承知いたしました、そのように」
使用人B「ぼっちゃま、大盛りでございます」
ドーン! と盛り付けられた大皿、悪戯小僧も大満足。
Aぶるぅ「ありがとー! 次もこれでお願い!」
使用人A「お任せ下さい」
大盛りで運ばせます、という言葉通りに、次から大盛り。
Aぶるぅ「みんな、そんなにちょっとでいいの?」
キース 「普通は、これで足りるものだが」
風情も何もあったものではないな、と副住職。
キース 「凝った盛り付けも、味わいの内だが…」
シロエ 「誰の連れだと思ってるんです?」
キース 「そうだったな」
Aブルー「ええ?」
そんな、とソルジャー、心外そうですけど。
問題でも…?
2020/11/29 (Sun)
☆帰りも報道ヘリ
マツカ君の別荘で食事ですけど、大盛りなお子様が約一名。
大食漢の悪戯小僧で、バクバクと食べているわけでして…。
キース 「誰の連れかを考えてみたら、納得なんだが?」
Aブルー「それって、どういう意味なのさ!」
シロエ 「日頃の行いだとしか言えませんよね」
サム 「うんうん、誰でも納得だぜ」
どうせ帰りも報道ヘリのふりなんだぜ、とサム君、溜息。
サム 「逆方向が渋滞するしよ、それに向かって」
ジョミー「ちょ、ちょっと…!」
シロエ 「ヤバイですよ、今の発言は!」
Aブルー「へええ…。帰りも渋滞してるんだ?」
確かに、帰り道も混むよね、と大きく頷くソルジャー。
Aブルー「ということは、帰り道でも功徳をバッチリ!」
A船長 「積めそうですねえ、有難いことです」
Aぶるぅ「んとんと、今夜から覗いてもいい?」
Aブルー「覗きは禁止!」
やるなら、ハーレイにバレないように、と釘をドスッと。
Aブルー「萎えてしまうとダメだから!」
Aぶるぅ「はぁーい!」
A船長 「そういう問題ではないのだが…!」
Aブルー「細かいことは気にしない!」
でもって、帰りも報道ヘリだよ、とソルジャー、ウキウキ。
Aブルー「キースは功徳の転送よろしく!」
キース 「なんで、そういうことになるんだ!」
Aブルー「サムがアイデアをくれたからね!」
シロエ 「サム先輩、覚悟は出来てるでしょうね?」
今の失言、とシロエ君が吊り上げる眉。
シロエ 「キース先輩だと、あるあるですけど…」
スウェナ「サムっていうのはレアケースだわね」
マツカ 「けれど、帰り道を飛んだら、気が付きますよ」
道が渋滞していることに…、と御曹司の助け舟。
マツカ 「ですから、時間の問題だったかと…」
一同 「「「あー…」」」
Aブルー「さあ、御馳走を食べて、帰りにも期待!」
Aぶるぅ「覗きも楽しみ!」
A船長 「頼むから、それは…!」
しないでくれ、と大騒ぎですけど。
今月、これにて中継終了~。
2020/11/30 (Mon)