☆プロ級の腕な人
GWを宇宙で過ごして、朝夕の勤行を怠けていたキース君。
読経がすっかりなまったとかで、アドス和尚に食らう罰礼。
Aブルー「ろくでもないことって、どういう意味さ?」
キース 「どうせ、あんたに理解は出来ん!」
デリカシーの欠片も無いんだからな、と副住職。
キース 「分かって欲しいとも思っていない!」
Aブルー「酷い言いようだねえ、腰は大事にすべきだよ?」
腰は男の命だからね、とソルジャー、真顔。
Aブルー「もちろん、お尻も大事だけどさ!」
キース 「そう思うんなら、俺の件は放っておいてくれ!」
Aブルー「座薬だったら、ぼくのハーレイも上手いかと…」
ハーレイに頼んでくれてもいいよ、とソルジャーの笑顔。
Aブルー「ほら、こっちのハーレイは柔道部の顧問だし…」
キース 「それがどうした!」
Aブルー「部員が怪我をした時なんかは、出番だろう?」
湿布を貼ったり、色々とさ…、という質問。
Aブルー「応急手当は大切だよねえ、その場ですぐに!」
シロエ 「まあ、そうですね」
マツカ 「教頭先生は、経験豊富でらっしゃいますから…」
柔道部員も安心なんです、と部員な人たち。
マツカ 「その気になったら、開業出来ると思いますよ」
シロエ 「柔道整復師ってヤツですよね!」
Aブルー「なるほど、プロ級の腕なんだ?」
その点は、ぼくのハーレイも、とソルジャーが立てる親指。
Aブルー「ぼくのお尻をほぐし続けて、三百年のプロ!」
キース 「黙ってくれ!」
Aブルー「ダメダメ、同じハーレイなんだし…」
目を瞑ってればいいと思うよ、とソルジャー、ウインク。
Aブルー「こっちのハーレイのつもりでさ!」
シロエ 「確かに、一理ありますね…」
見た目は全く同じですから、とシロエ君。
シロエ 「キース先輩、どうでしょう?」
キース 「貴様、裏切る気か!」
シロエ 「ぼくは意見を述べただけです」
あくまで第三者の観点から、と言ってますけど。
どうですかねえ…?
2021/05/16 (Sun)
☆なまるのは論外
GWを宇宙で満喫、朝夕の勤行をスルーしていたキース君。
読経の調子が狂ってしまって、アドス和尚が食らわす罰礼。
シロエ 「いい薬なのは確かですしね、考えようですよ」
キース 「だったら貴様は、あんな野郎に任せられるか?」
俺の立場になったとして…、とキース君、キレそう。
キース 「目を瞑っていれば大丈夫だとか、言えるのか!」
シロエ 「ぼくは副住職じゃないですし、お坊さんでも…」
ありませんしね、とシロエ君、涼しい顔付き。
シロエ 「ついでに、ぼくが副住職だった場合はですね…」
キース 「なんだと言うんだ!」
シロエ 「朝晩の勤行、サボりませんから」
何処かで時間を作りますよ、とニッコリと。
シロエ 「なにしろ、職業ですからねえ…」
サム 「あー! 真面目にやろう、っていうことな?」
シロエ 「そうなんです。日々の研鑽は大切ですよ」
自主トレと同じことでしょう、と立てる人差し指。
シロエ 「なまってしまうだなんて、論外ですしね」
ジョミー「だよねえ、きちんとやってればさ…」
スウェナ「罰礼レベルまで落ちないわよね」
キース 「うっ…」
しかし…、と副住職、タラリ冷汗。
キース 「あれだけ遊びまくっていたんだ、時間などは…」
シロエ 「睡眠時間を少し削れば、いけましたよ?」
マツカ 「徹夜はしていませんでしたしね…」
自主トレの時間を充てても良かったかも、と御曹司も。
マツカ 「自業自得な面は、確かにあるかもです」
Aブルー「えーっと、つまり…。問題はお経なのかな?」
シロエ 「そうなりますねえ、なまったのはソレです」
Aブルー「上手く詠めなくなったとか?」
それで罰礼で、腰の危機かな、とソルジャーの問い。
Aブルー「そんな具合に聞こえるんだけど、どうだろう?」
キース 「あんたに言われたくはない!」
Aブルー「そういうことなら…」
シロエ 「喉の薬でもありますか?」
それこそ効き目は神がかりの…、とシロエ君。
声が治るとか?
2021/05/17 (Mon)
☆喉のもあります
GWを宇宙で過ごして、朝夕の勤行をスルーしたキース君。
読経の調子がなまったそうで、アドス和尚から食らう罰礼。
シロエ 「凄い座薬があるんだったら、喉の薬もですね…」
サム 「なんか、すげえのがありそうだよな?」
舐めれば一発、喉の痛いのが吹っ飛ぶとかよ、とサム君も。
サム 「ブリッジクルーとか、声も大事な感じだしよ…」
ジョミー「掛け声、必須な部署だもんねえ…」
スウェナ「キャプテンが声が出ないとかだと、悲惨だわよ」
ヨーソロー! だって言えないわ、とスウェナちゃん。
スウェナ「まさか身振りで出来ないでしょ、アレは?」
Aブルー「まあ、思念波で代用は出来るけどねえ…」
士気が下がるのは間違いないね、とソルジャー、肯定。
Aブルー「機関部とかでも、声はやっぱり大事だよ」
シロエ 「機関部ですか?」
Aブルー「船の心臓部だからねえ…。意思の疎通は…」
それこそ命と言えるだろうね、とソルジャーの説明。
Aブルー「点検とかがさ、声を使わずに出来るとでも?」
シロエ 「確かに、ぼくの機械弄りでも、指差し確認で…」
気付いたら声が出ていますね、と大きく頷くシロエ君。
シロエ 「ということは、喉の薬もあるんでしょう?」
Aブルー「あるねえ、効き目は神がかりなのが!」
スプレー式のも、舐めるヤツもね、とソルジャーの笑顔。
Aブルー「声が嗄れていても、もう劇的に!」
ジョミー「すっかり回復しちゃうんだ?」
Aブルー「もちろんだよ!」
シロエ 「キース先輩、聞きましたか?」
そっちの薬ならいいでしょう、とシロエ君の問い。
シロエ 「座薬なんかじゃないですしね!」
キース 「それはそうだが、何か違う気が…」
俺は風邪など引いていないぞ、と副住職の難しい顔。
キース 「声質の問題ではないからな…」
シロエ 「あー…。それじゃ駄目ですよね…」
Aブルー「薬とは言っていないけど?」
決め付けないでくれたまえ、と言ってますけど。
じゃあ、何だと…?
2021/05/18 (Tue)
☆話が見えません
GWを宇宙で満喫、読経の調子がなまってしまった副住職。
アドス和尚から罰礼を食らう日々、腰が心配なほどでして。
シロエ 「薬じゃない、って…。じゃあ、何なんです?」
キース 「まさかサイオンを使うのか?」
ジョミー「さっき言ってた、手かざし系かな?」
不思議パワーより凄い筈だもんね、とジョミー君。
ジョミー「最強のタイプ・ブルーなんだし、いけるかも…」
シロエ 「暗示をかけるとか、そんなのでしょうか?」
キース 「なるほど、催眠療法か…」
それなら調子も戻るかもな、と副住職も納得な治療法。
キース 「それで治るというんだったら、有難いが」
サム 「だよなあ、治れば罰礼も来ねえしよ」
シロエ 「待って下さい、いい話だとは思いますけど…」
この人に借りが出来るんですよ、とシロエ君の鋭い指摘。
シロエ 「悪戯小僧に借りを作るより、酷い気がします」
ジョミー「あー! なんか絶対、後が怖いよね…」
キース 「まったくだ。実に危ない所だったぞ」
感謝する、とキース君、シロエ君に頭をペコリと。
キース 「というわけでな、今の話は無かったことに…」
Aブルー「そう言わないでさ、話は最後まで聞いてよね」
借りなんか出来やしないから、とソルジャーが立てる親指。
Aブルー「なにしろ、ウインウインな方法だしねえ…」
一同 「「「ウインウイン?」」」
何だそれは、と誰もがキョトン。
キース 「…ウインウインとは、どういう意味だ?」
Aブルー「そのまんまだけど?」
言葉通りでいいんだよ、とソルジャー、即答。
Aブルー「キースは、借りを作らなくってさ…」
キース 「あんたの方は、どうだと言うんだ?」
どうも話が見えないんだが、と副住職の問い。
キース 「タダで治すとは思えないしな、あんたの場合」
Aブルー「だからさ、そこがウインウインなんだよ!」
キース 「はあ?」
Aブルー「ぼくにもメリット!」
ちゃんとあるから、と言ってますけど。
謎ですよね…?
2021/05/19 (Wed)
☆治りそうな方法
GWを宇宙で過ごして、読経の調子がなまっている副住職。
アドス和尚が食らわす罰礼、腰がヤバいかもな状況でして。
キース 「…ウインウインで、あんたにもメリットだと?」
Aブルー「そうなんだよ! だから借りなんか出来ないよ」
其処は安心してくれたまえ、とソルジャーの笑顔。
Aブルー「読経の調子もちゃんと戻るし、いい案かと…」
キース 「どういう治療で、あんたのメリットは何だ?」
どうも話がうますぎるしな、と副住職のもっともな疑問。
キース 「美味しい話には裏がある、と昔から言うし…」
シロエ 「そうです、油断大敵ですよ」
サム 「録音しといた方がいいんでねえの?」
この会話をよ、とサム君も。
サム 「後からグダグダ言われた時に、証拠になるぜ」
シロエ 「そうしましょうか」
シロエ君がサッと取り出すスマホ。
シロエ 「こういう時のために、ちょっと改造したんです」
サム 「最高の音質で録れるのかよ?」
シロエ 「ノイズも綺麗に除去出来ますよ」
電力も殆ど消費しません、と自慢のアイテム。
シロエ 「というわけで、続きをどうぞ!」
Aブルー「その必要は無いと思うけどねえ?」
キース 「いいや、大いにあると思うが」
Aブルー「ウインウインだよ、君も賛成する筈だしね」
なにしろ法要をするだけだから、とソルジャー、ニッコリ。
Aブルー「今から、ぶっつけ本番でさ!」
キース 「法要だと?」
Aブルー「うん、法要! いつもみたいにフルコースで!」
一時間ほど、ありとあらゆるお経だよね、とニコニコニコ。
Aブルー「嫌でも調子が戻ると思うよ、完璧に!」
サム 「あー…。言えてるよなあ…」
鳴り物も必須なんだしよ、と大きく頷く僧籍な人。
サム 「トチッた所で、誰も文句は言わねえし…」
シロエ 「治りそうですね…」
Aブルー「ぼくは法要をして貰えるしね!」
キース 「ちょっと待て!」
いったい何の法要なんだ、と言ってますけど。
愚問なのでは?
2021/05/20 (Thu)
☆心当たりがゼロ
GWを宇宙で満喫、読経の調子がなまったらしいキース君。
アドス和尚に罰礼を食らう毎日、腰がヤバそうな状況の今。
キース 「今の時期に法要と言われても、心当たりが…」
Aブルー「全く無い、って?」
キース 「お彼岸は済んだし、お盆は当分、先なんだぞ」
何の法要があると言うんだ、と副住職、怪訝そうな顔。
キース 「それにあんたは、こっちの世界に親族などは…」
Aブルー「いるわけがないね!」
ぼくの世界にもいやしないって、とソルジャー、キッパリ。
Aブルー「SD体制に血縁関係なんかは、無いからさ!」
キース 「そうなると、誰の法要なんだ?」
真面目に分からん、と副住職が傾げる首。
キース 「親族がいるなら、忘れた頃に年忌法要も…」
ブルー 「まあ、珍しくはないよね、うん」
三百回忌とかだと、もはや誰だか、と生徒会長の相槌。
ブルー 「とはいえ、ブルーが言っているのが…」
シロエ 「誰の法要かは、ぼくでも分かりますけれど?」
キース 「お前、こいつの親戚だったのか?」
シロエ 「親族はいないと言ってましたが?」
天然なんだか、わざとなんだか…、とシロエ君、溜息。
シロエ 「頼まれる法要、一つだけだと思いますけどね?」
サム 「他にねえよな」
ジョミー「もう思いっ切り、迷惑だけどね…」
出来れば忘れていたかったよ、とジョミー君も。
ジョミー「キースが忘れているのにさ…」
シロエ 「まったくです。…本当に心当たりはゼロだと?」
キース 「そう言われてもだな…」
Aブルー「どうかと思うよ、一番弟子を忘れるなんてね!」
こんな師僧じゃ、弟子もグレそう、とソルジャーの嘆き。
Aブルー「やってられなくて、家出しそうだよ」
シロエ 「その方が、ぼくたちは嬉しいんですけど…」
スウェナ「法要の度に、巻き添えだものね、毎回、毎回」
キース 「もしかして、それは…」
シロエ 「思い出しました?」
ダメなら力技ですね、とシロエ君、指をボキボキ。
殴ると…?
2021/05/21 (Fri)
☆絞めてしまえば
GWを宇宙で過ごして、読経の調子が出ないらしい副住職。
アドス和尚が食らわす罰礼、腰がヤバいかもな状況でして。
シロエ 「思い出せないなら、思い出させてあげますよ」
ジョミー「もうさ、そのまま絞めちゃったら?」
サム 「いいと思うぜ、首をキュッとよ」
シロエ 「そうですね…。でもって、鍋にするわけですね」
逆さに吊るして血抜きをして、とシロエ君の指がボキボキ。
シロエ 「少しばかり、肉が硬いかもですけど…」
スウェナ「地鶏だったら、そんなものじゃないかしらね?」
マツカ 「放し飼いの鶏だと、肉は硬めになりますね」
やっぱり筋肉がつきますから、と御曹司。
マツカ 「それを美味しく調理するのが、プロなんですよ」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ お酒を使うとか、方法、色々!」
シロエ 「分かりました。じゃあ、絞めときましょうか」
思い出せないみたいですから、とシロエ君の冷たい笑み。
シロエ 「絞めてしまえば、世の中、平和になりますよ」
キース 「ま、待ってくれ、思い出したから!」
Aブルー「それにキースを絞めちゃ困るよ、ぼくだって!」
せっかくウインウインな話なのに、とソルジャーの助け舟。
Aブルー「元気にお経を唱えて貰ってこそだしさ!」
シロエ 「なまってしまって、下手だそうですけど?」
Aブルー「いいんだってば、気は心だし!」
それに誰だって最初は下手だし、とソルジャーも必死。
Aブルー「だから絞めずに、法要、よろしく!」
キース 「スッポンタケの法要だな?」
Aブルー「ピンポーン!」
スッポンタケが喜ぶよ、とソルジャー、ニッコリ。
Aブルー「いつも通りにお願いしたいね!」
シロエ 「法要の理由が無いんですけど?」
お彼岸でも、お盆でもありませんから、とシロエ君。
シロエ 「この際、絞めておきたいんですよ、その人を!」
スウェナ「やっちゃいなさいよ!」
Aブルー「ちょっと…!」
絞めないでよ、と悲鳴ですけど。
確かに理由は無いですね?
2021/05/22 (Sat)
☆絞めていいです
GWを宇宙で満喫、読経の調子がなまってしまった副住職。
アドス和尚に食らう罰礼、腰がヤバいのを何とかしたい今。
Aブルー「キースを絞めて貰っちゃ困るよ、本当に!」
シロエ 「でもですね…。何もかも、この人のせいですし」
スウェナ「いなくなったら、ホントに平和になるものね」
法要をする理由も無いのに法要なんて、とスウェナちゃん。
スウェナ「巻き添えを食らう私たちの方も、限界なのよ!」
サム 「分かるぜ、僧籍な俺でも、こう、なんつーか…」
ジョミー「ゲンナリするよね、法要の度にさ…」
お盆は、ぼくはキースのお供なんだけど、とジョミー君も。
ジョミー「でも、春と秋のお彼岸はさ…」
サム 「俺たちも、此処で巻き添えだもんな…」
シロエ 「というわけです、理由も無いのに法要なんか…」
論外ですね、とシロエ君、バッサリ切り捨て。
シロエ 「諸悪の根源は、絞めときましょう!」
ぶるぅ 「んとんと…。キースを、お鍋にするの?」
シロエ 「調理をお願い出来ますか?」
ぶるぅ 「いいけど、警察、来ちゃいそうだよ?」
殺人になると思うんだけど、と「そるじゃぁ・ぶるぅ」。
ぶるぅ 「でもでも、アレかな、食べてしまえば…」
ブルー 「バレないと思うね、単に失踪したってことで」
原因はアドス和尚の罰礼だよね、と生徒会長、ニンマリ。
ブルー 「嫌気がさして出奔するのは、よくあるからさ」
サム 「坊さんあるある、っていうヤツかよ?」
ブルー 「うん。家から逃げるのも、お寺からのも…」
両方あるから、問題無し! とブチ上げる、恐ろしい理論。
ブルー 「やっちゃって良し!」
シロエ 「了解です!」
言い残すことはありませんか、とシロエ君、目がマジ。
シロエ 「あるなら、聞いておきますけど」
Aブルー「ダメだってば、絞めちゃ!」
キース 「俺だって、まだ死にたくはない!」
シロエ 「聞こえませんね」
助命嘆願の方は無しです、とビシッと。
キース君、ピンチ…。
2021/05/23 (Sun)
☆絞めるのは困る
GWで読経の調子がなまってしまった、キース君ですけど。
治すために法要とソルジャーが提案、けれど周りは迷惑で。
シロエ 「言い残すことが無いなら、もういいですね?」
サム 「早く絞めろよ、うるせえからよ」
キース 「お、お前たち…!」
マジで犯罪に手を染める気か、とキース君、ガクブル。
キース 「いくらバレないからと言っても…!」
Aブルー「そっちはいいけど、ぼくが困るんだよ!」
スッポンタケはどうなるのさ、とソルジャーも泣きそう。
Aブルー「キースがいなくなってしまったら、大変だよ!」
ブルー 「無縁仏でいいと思うね!」
世の中、そういうケースは沢山、と銀青様の仰せ。
ブルー 「お盆とお彼岸に、纏めて法要して貰えるよ」
Aブルー「それって、略式ってことだろう!」
ブルー 「施餓鬼法要だから、正式な法要ではあるねえ…」
うんと短いヤツだけどね、と生徒会長、しれっと。
ブルー 「だから問題無いと思うよ、その件も!」
キース 「あんた、高僧のくせに、殺生する気か!」
ブルー 「手を下すのは、ぼくじゃないから!」
シロエ 「お念仏くらいは唱えてくれると思いますよ」
だから安心して下さい、とシロエ君の冷ややかな笑み。
シロエ 「さて、絞めますか!」
Aブルー「待ってよ、法要の理由があれば…!」
キースの命は助かるんだよね、とソルジャー、必死。
Aブルー「ただ練習ってだけじゃなくって、何か理由が!」
シロエ 「それはまあ…。でも、無いですから!」
時季外れですし、年忌法要も…、とシロエ君の反撃。
シロエ 「ですから、絞めていいんです!」
Aブルー「じゃあ、誕生日で!」
それでお願い、とソルジャーの叫び。
Aブルー「今の季節なら、スッポンタケが生えるよね?」
シロエ 「えっと…。山とか林とかですか?」
Aブルー「そう! だから、誕生日ということで!」
一同 「「「誕生日!?」」」
なんだそれは、と一同、目が点ですけど。
誕生日…?
2021/05/24 (Mon)
☆誕生日でもアリ
GWで読経の調子がなまったキース君、治すには法要とか。
ソルジャーが提案したわけですけど、周りは大迷惑でして。
シロエ 「誕生日って…。法要と言えば、命日でしょう!」
サム 「そうだぜ、宗祖様とかでも、命日に法要で…」
スウェナ「誕生日なんて、聞かないわよねえ?」
マツカ 「強いて言うなら、花祭りでしょうか?」
お釈迦様の誕生日が花祭りですよね、と御曹司。
マツカ 「他にも何かあったでしょうか?」
ブルー 「ソレイド八十八ヶ所を開いた、御大師様なら…」
青葉祭りがあるけどね、と生徒会長、いえ、銀青様の仰せ。
ブルー 「だけど他には、有名どころは無いような気が…」
Aブルー「でも、皆無ってわけじゃないんだろう?」
それにさ、前に聞いたんだよね、と食い下がるソルジャー。
Aブルー「亡くなった仏様の、お誕生日の法要ってヤツを」
一同 「「「はあ?」」」
Aブルー「確かに聞いたよ、ご存命なら百歳だから、って」
誕生日祝いの法要をしたって…、とソルジャー、目がマジ。
Aブルー「言っていたのは、キースだったかなあ?」
シロエ 「そ、そういえば、そんな話がありましたっけ…」
ジョミー「お赤飯とバースデーケーキで、法要だっけ?」
マツカ 「お坊さんも招いて、誕生日パーティーでしたね」
法要の後で賑やかに…、とマツカ君たちも思い出した話。
マツカ 「その法要をするんですか?」
Aブルー「そう! それなら、理由になるだろう?」
それにパーティーもついてくるよ、とソルジャーの笑顔。
Aブルー「法要の後は、みんなでパーティー!」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ パーティー、大好き!」
御馳走、作っちゃうもんね! と飛び跳ねるお子様。
ぶるぅ 「パーティーしようよ、せっかくだから!」
シロエ 「美味しい話な気がしますね…」
Aブルー「君たちだって、ウインウインだよ?」
一同 「「「イイネ!」」」
パーティー歓迎、と歓声を上げる御一同様。
法要ですよ?
2021/05/25 (Tue)
☆借りが出来た人
GWでなまってしまった、キース君の読経を治すには法要。
反対の声が多数でしたけど、ソルジャーの案で一転でして。
シロエ 「法要はともかく、パーティーは大歓迎ですよ!」
ジョミー「御馳走がドッサリ出そうだもんね!」
ぶるぅ 「ぼく、頑張っちゃう!」
その間に法要の支度をしてよ、と「そるじゃぁ・ぶるぅ」。
ぶるぅ 「今から、買い出しに行って来るから!」
スウェナ「でも…。市場って、朝が早いんじゃないの?」
サム 「終わっちまってるよな、卸売市場?」
ぶるぅ 「直接、仕入れに行くんだもーん!」
それに外国なら、これから朝だよ、と頼もしい答え。
ぶるぅ 「エスニックとかも出来ちゃうもんね!」
ブルー 「ぶるぅはプロだし、仕入れの心配は無用だよ」
Aブルー「それじゃ、お願い出来るかな?」
ぶるぅ 「うん、行って来るねーっ!」
お買い物、とパッと姿を消したお子様。
シロエ 「楽しみですねえ、色々作って貰えそうですよ」
スウェナ「食材も最高のが揃うわけよね!」
Aブルー「というわけだし、こっちはキースに…」
法要をして貰おうか、とソルジャー、ニコニコ。
Aブルー「トチっちゃっても、ご愛敬でさ!」
ブルー 「そうだね、どうせ間違えても、誰も文句は…」
シロエ 「言わないですよ、お経は分かりませんからね」
すっ飛ばしても無問題です、とシロエ君。
シロエ 「キース先輩、法要で調子を戻しましょう!」
キース 「そうだな、絞められるかと思ったが…」
マツカ 「命拾いをしましたね、キース」
サム 「思いっ切り、借りが出来たんでねえの?」
命拾いをしたんだからよ、とサム君の指摘。
サム 「誕生日とパーティーの話が無けりゃよ…」
ジョミー「絞められてたよね、確実に…」
キース 「…この馬鹿に借りが出来たのか、俺は?」
Aブルー「えっと…。どうしようかな?」
キース 「頼むから、ツケにしないでくれ!」
全力の法要で恩を返すから、と言ってますけど。
さて…?
2021/05/26 (Wed)
☆借りを返すには
GWでなまったキース君の読経、治すためには法要が一番。
スッポンタケの誕生日祝い、法要の後はパーティーだとか。
キース 「あんたに借りを作ったとなると、色々と…」
シロエ 「困りそうですけど、難しいんじゃあ?」
サム 「功労者ってことになりそうだしよ…」
キース 「分かってはいるが、其処をなんとか!」
この通りだ、とキース君、ソルジャーに土下座。
キース 「確かに読経の調子は悪いが、誠心誠意!」
Aブルー「うーん…。でもねえ、ツケにしないとなると…」
君が作った借りをチャラにする方法が…、と首を傾げる人。
Aブルー「貸しにしとけば、使い道もあると思うんだけど」
キース 「そ、そんな…!」
ジョミー「じゃあさ、タダ働きでどうかな?」
一同 「「「タダ働き?」」」
なんだそれは、と一同、キョトン。
シロエ 「それって、どういう意味なんです?」
ジョミー「そのまんまだよ、お布施は無しって!」
Aブルー「お布施が必要だったのかい!?」
ただの練習なんだけど、とソルジャーの目が真ん丸に。
Aブルー「お布施なんかは要らないだろう?」
ジョミー「でもさ、パーティーまでつくんだよ?」
サム 「うんうん、本格的だしよ…」
やっぱ、お布施は要るんでねえの、とサム君も。
サム 「功徳を積むには、お布施だからよ」
ブルー 「サムの意見が正しいね、うん」
気付いた以上は、お布施が必要、と銀青様も。
ブルー 「気付いてなければ、タダだったけどね!」
Aブルー「払わなかったら、どうなるんだい?」
ブルー 「踏み倒したってことで、功徳はゼロ!」
それでいいなら踏み倒したまえ、と伝説の高僧のお言葉。
ブルー 「嫌なら、お布施をするしかないよ」
キース 「其処を無料でやらせて貰うが!」
タダ働きで、と副住職、すかさず提案。
キース 「ツケにする代わりに!」
Aブルー「功徳がゼロだと困るしねえ…」
それでいいかな、と頷くソルジャー。
貸し借り無し、と…。
2021/05/27 (Thu)
☆衣装もよろしく
GWでなまったキース君の読経を、法要をやって治す方法。
スッポンタケの誕生日祝いだそうで、パーティーもセット。
Aブルー「それじゃ、キースはタダ働きということで!」
キース 「有難い。お蔭で借りを作らずに済む」
Aブルー「その代わり、キッチリやって貰うよ!」
衣装も込みで、とソルジャーの要求。
キース 「衣装?」
Aブルー「お坊さんのヤツだよ、着て貰わないと!」
キース 「クリーニングはどうなるんだ!」
Aブルー「自分で洗えないのかい?」
坊主のくせに、と言ってますけど。
キース 「襦袢とかはいいが、衣の方は俺には無理だ!」
Aブルー「クリーニング代なら、払うけれどね?」
キース 「本当か?」
Aブルー「ぼくのシャングリラでも、洗えないから…」
専門の店に任せるよ、とソルジャー、丸投げコースを選択。
Aブルー「それでいいだろ、直ぐ取り寄せてくれたまえ!」
キース 「ぶるぅが留守にしているんだが!」
Aブルー「あっ、そうか…。食材の仕入れに行ったから…」
だったら、ぼくが、とソルジャーの笑み。
Aブルー「瞬間移動なら、ドンとお任せ!」
キース 「そういえば、あんたもプロだったな」
Aブルー「で、何処にあるって?」
キース 「俺の心を読んでくれ」
思い浮かべるから、と副住職。
キース 「法衣が此処で、お袈裟がこっちの箪笥だな」
Aブルー「オッケー!」
どうぞ、と瞬時に出て来た法衣と袈裟の包みですけど。
キース 「…おい。お袈裟が違うぞ」
Aブルー「だってさ、君が選んだヤツはさ…」
地味だったし、とソルジャーの答え。
Aブルー「せっかくだから、派手なのがいいよね!」
キース 「お袈裟には決まりがあるんだが!」
これは親父の最上級のだ、とキース君、ガクブル。
キース 「俺が使ったことがバレたら…」
Aブルー「罰礼なのかい?」
キース 「罰礼どころか、一生、タダ働きだ!」
地味な方と早く取り替えてくれ、と顔面蒼白。
ピンチ到来…。
2021/05/28 (Fri)
☆まだ無理な袈裟
GWでなまったキース君の読経、治すためには法要が一番。
スッポンタケの誕生日祝いだそうで、パーティーもセット。
キース 「早く戻してくれ、でないとヤバイ!」
Aブルー「箪笥なんか、そうそう覗かないだろ?」
キース 「明日は檀家さんの法事があるんだ、午前中に!」
だから親父が箪笥を開けるぞ、とキース君、ブルブル。
キース 「他のヤツなら気付かんだろうが、これだけは!」
Aブルー「バレるって?」
キース 「大事なヤツだし、開けた時は必ず点検なんだ!」
虫が食ったら大変だからな、と慌てまくりな副住職。
キース 「親父が来る前に戻せ、頼むから!」
Aブルー「分かったよ…」
パッと入れ替わった、袈裟入りの包み。
Aブルー「なんだかねえ…。あっちの方がいいのになあ…」
キース 「俺が親父に絞められるだろうが!」
シロエ 「でもって一生、タダ働きになるんですね?」
キース 「お袈裟に相応しい坊主になるまでな!」
今の俺には、アレは無理だ、と副住職。
キース 「坊主の世界では、まだまだヒヨコの内だしな」
Aブルー「決まりって、そういうヤツなのかい?」
キース 「そうだ、坊主の位で決まるんだ」
Aブルー「じゃあ、派手なのを着けるためには…」
偉くなるしかないんだね、とソルジャー、納得。
Aブルー「そういうことなら、協力するから!」
キース 「はあ?」
Aブルー「これからも、色々と法要をこなすんだよ!」
そうすればスキルもアップするよね、とニコニコニコ。
Aブルー「月に一度は法要なんか、どうだろう?」
シロエ 「それ、パーティーもつきますか?」
Aブルー「もちろんだよ!」
法事って、そういうものだよね、とソルジャーの笑顔。
Aブルー「ぶるぅさえ良ければ、毎回、パーティー!」
ぶるぅ 「ただいまーっ! えっと、何のお話?」
Aブルー「毎月、パーティーはどうだろう、ってね」
ぶるぅ 「ホント!?」
おもてなし大好き! と跳ねてますけど。
毎月、法要…?
2021/05/29 (Sat)
☆上手くてもダメ
GWでなまったキース君の読経を、法要で治すという方法。
スッポンタケの誕生日祝いで、法要の後はパーティーつき。
ぶるぅ 「ねえねえ、毎月、パーティーって、なあに?」
Aブルー「毎月、法要をするんだよ! スッポンタケの!」
誕生日があるなら何でもいける、とソルジャー、強気。
Aブルー「入学式とか、卒業式は流石に無理だけれどね」
シロエ 「でも、文化祭とかはいけそうですよね」
サム 「運動会は、動けねえから無理だよなあ…」
ジョミー「見学ってことなら、いけるんじゃないの?」
保護者とかは見に行くものなんだしさ、とジョミー君。
ジョミー「修学旅行はキツそうだけどね」
Aブルー「どうだろう? 合宿とかも、いい感じだよ」
スウェナ「それを言うなら、夏休みとかもいけそうだわよ」
Aブルー「そうだ、祝日があったっけねえ!」
それを祝えばいいんじゃないかな、とソルジャーの意見。
Aブルー「だいたい、毎月、ありそうな気が…」
マツカ 「来月は無いんですけどね?」
Aブルー「うーん…。でもまあ、何か考えれば…」
とにかく毎月、法要ってことで、と強力なプッシュ。
Aブルー「キースはスキルアップ出来るし、みんなはさ…」
シロエ 「パーティーで御馳走なんですね?」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ それって、楽しそう!」
ぼくも、お料理、頑張るもん! と大喜びのお子様。
ぶるぅ 「だから、キースも頑張ってね!」
キース 「…俺だけの問題じゃないんだが?」
一同 「「「は?」」」
キース 「スキルだけの問題ではない、と言っている!」
坊主の位は、そう簡単な仕組みではない、と副住職の渋面。
キース 「いくら読経が上手くなっても、それだけではな」
Aブルー「ダメなのかい?」
他には何が必要だと、とソルジャーの問い。
Aブルー「お金かな?」
キース 「金で坊主の位は買えんぞ、年季だ!」
Aブルー「…年季?」
それって何さ、とソルジャー、キョトン。
年季ですか…?
2021/05/30 (Sun)
☆マンネリは困る
GWでなまったキース君の読経、法要で治すんですけれど。
毎月やってスキルアップは、やるだけ無駄になるという話。
Aブルー「年季というのは、何のことだい?」
キース 「そのままの意味だ、要は年数が大切なんだ!」
坊主として何年やって来たかということだ、と副住職。
キース 「坊主の世界に、基本、飛び級は無いからな」
Aブルー「じゃあ、二階級特進とかは…」
キース 「宗祖様クラスでないと、まず不可能だが」
Aブルー「コツコツやっていくしかない、って?」
あの派手なヤツを着るためには…、とソルジャー、呆然。
Aブルー「それじゃ、毎月、法要をしても…」
キース 「読経のスキルがアップするだけだ」
Aブルー「うーん…。スッポンタケは喜びそうだけど…」
シロエ 「どうでしょう? マンネリ化とも言いますし…」
ぼくたちは気にしませんけどね、とシロエ君。
シロエ 「毎月、パーティーというのは大歓迎です!」
ジョミー「だよねえ、それでいこうよ、キース!」
キース 「まあ、俺としても、やぶさかでは…」
Aブルー「ダメダメ、マンネリは絶対、ダメ!」
そんなの困る、とソルジャーの叫び。
Aブルー「大人の時間にマンネリは大敵、禁物なんだよ!」
一同 「「「???」」」
Aブルー「ダメなんだってば、毎月はダメ!」
誕生日祝いのヤツだけでいい、とソルジャー、必死。
Aブルー「今日だけ法要、でもって、パーティー!」
キース 「よく分からんが、今日だけなんだな?」
Aブルー「そう、今回だけ!」
マンネリになったら大変だから、と百八十度の方向転換。
Aブルー「というわけでね、早速、法要!」
ぶるぅ 「御馳走も期待していてね!」
仕入れはバッチリ! ということでして…。
キース 「ならば、着替えて始めるとするか」
Aブルー「よろしく頼むよ、みんなもいつも通りにね!」
一同 「「「オッケー!!!」」」
終わったらパーティー、と上がる歓声。
今月、これにて中継終了~。
2021/05/31 (Mon)