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シャングリラ学園つれづれ語り

☆気分が下がる雨


さて、六月。梅雨のシーズンで雨がシトシト、毎年の光景。
週末は生徒会長宅でのんびり、そういう面々ですけれど…。

キース 「来週の予報も雨だったな?」
シロエ 「そうですね。梅雨前線が停滞しますから…」

梅雨の晴れ間も無さそうですよ、とシロエ君。

シロエ 「雨の日が続くと、気分も下がって来ますよね」
サム  「言えてるよなあ、なんつーか、こう…」
ジョミー「テンションが上がらないんだよねえ…」

何をするにも、イマイチ気分が、とジョミー君も。

ジョミー「ぶるぅの料理は、美味しいんだけどさ…」
スウェナ「晴れた日のようにはいかないわよねえ…」
シロエ 「ちょっとお出掛け、っていうのが無理ですし…」
マツカ 「いいお天気なら、屋上でもいいんですけどね」

椅子を並べてピクニック気分で、と御曹司も相槌。

マツカ 「最近、そういうのが流行りらしいですよ」
ジョミー「らしいね、椅子がポイントだって?」
シロエ 「あー、知ってます! チェアリングですよね」

椅子を持って外に行くんですよね、とシロエ君。

シロエ 「定番と言えば、レジャーシートでしたけど…」
ジョミー「地面に座るより、椅子なんだってね」
マツカ 「ええ、河川敷とかが人気という話ですね」

梅雨の季節は無理ですけど、とマツカ君が眺める窓の外。

マツカ 「こんな雨だと、外で椅子なんて、濡れますし…」
ぶるぅ 「シールドを張ったら、大丈夫だけど…」
ジョミー「でもさ、シールドの外は雨だし…」
サム  「やっぱ、気分は上がらねえよな」

晴れてねえとよ、とサム君も溜息。

サム  「まあ、根性の据わったヤツらは、別だけどよ」
シロエ 「お坊さんですか?」

キース先輩みたいな、とシロエ君の問い。

シロエ 「月参りは雨でも休めませんしね」
キース 「言わないでくれ、気が滅入る」
サム  「だよな、芋煮には負けるよな…」
一同  「「「は?」」」

何の話だ、と顔を見合わせる御一同様。
芋煮ですって…?


2021/06/01 (Tue)

 

☆芋煮に負ける理由


梅雨の季節は雨がシトシト、どうしても気分が下がるもの。
生徒会長宅に集った面々、それを嘆いているんですけど…。

ジョミー「芋煮には負けるって、何の話さ?」
サム  「根性の据わったヤツらってことだぜ」
シロエ 「どうして、其処で芋煮なんです!」

芋煮と言ったら食べ物なのでは、とシロエ君のツッコミ。

シロエ 「芋の根性が据わっているとは、聞きませんよ?」
スウェナ「そうよね、芋は芋だわねえ…」
キース 「芋煮と言ったら、北の地方の名物料理だが…」

根性については聞かないな、と副住職も。

キース 「季節になったら、薪が売られているとは聞くが」
シロエ 「薪ですか?」
キース 「ああ。コンビニにも積まれているらしいぞ」
一同  「「「コンビニ?」」」

其処までなのか、と誰もがポカーン。

ジョミー「コンビニで薪って、つまり定番商品だよね?」
キース 「そういうことだな、地元では普通なんだろう」

俺たちには想像もつかないんだが、と副住職。

キース 「だが、俺が知っているのは、其処までで…」
シロエ 「根性の件は、謎なんですね?」
キース 「薪を買うのに、根性なんぞは要らん筈だぞ」

コンビニで売られているほどだしな、という指摘。

キース 「場所取りにしても、恐らく、花見と…」
シロエ 「変わらないでしょうね、まあ、根性は…」
ジョミー「要ると思うけど、それは何処でも同じだし…」

芋煮限定ってわけじゃないよね、とジョミー君が傾げる首。

ジョミー「ついでに、雨とも繋がらないよ?」
シロエ 「雨なら、場所取りしませんしね…」

雨の日に花見はしませんから、とシロエ君も同意。

シロエ 「ますます芋煮が謎なんですけど? サム先輩」
サム  「近い線まで行ってるぜ、ソレ」
ジョミー「えっと…。まさか、雨の日に場所取りとか?」
サム  「今の流れだと、ソレしかねえだろ」
一同  「「「えっ!?」」」

芋煮は雨の日に場所取りなのか、と驚く面々。
本当に…?


2021/06/02 (Wed)

 

☆雨でも場所取り


梅雨の季節は雨がシトシト、それだけで気分が下がりがち。
生徒会長宅で過ごす週末、嘆き節な面々なんですけれど…。

ジョミー「芋煮って、雨の日でも場所取りするわけ!?」
シロエ 「雨の中では、芋煮は無理だと思いますけど…」

やってやれないことはなくても、とシロエ君。

シロエ 「芋煮って、鍋を囲むんでしょう?」
スウェナ「雨の日にやって、どうするのよ、ソレ?」
マツカ 「まさか全員、雨合羽を装備で芋煮ですか?」

それは確かに根性ですけど、と御曹司も半ば呆れ顔。

マツカ 「そのくらいなら、普通は諦めますしね」
シロエ 「場所取りってことは、ライバルがいますよね…」
ジョミー「一部の人だけのことじゃないよね、その根性…」

芋煮、恐るべし、と誰もが驚く雨の日の場所取り。

ジョミー「やってる地方じゃ、人気が高いらしいけど…」
キース 「雨でも場所取りという所がな…」
サム  「らしいぜ、いいスポットを取るためにはよ」
シロエ 「確認しますけど、雨の中でもやるんですね?」

場所取りだけではないんですよね、とシロエ君の質問。

シロエ 「場所だけ取って、晴れた日にやるとか…」
キース 「そっちだったら、分からないでもないな」
ジョミー「ライバル、激減してそうだしね」
サム  「そうじゃなくって、雨天決行だぜ?」

だからこそ熾烈な争いでよ、とサム君、キッパリ。

サム  「雨でも出来る場所、押さえねえとよ…」
シロエ 「なんだか矛盾していませんか?」
キース 「雨でもやるなら、場所は何処でも同じだろうが」
サム  「ところが、そうじゃねえらしいんだよ」

芋煮は場所が肝心だってよ、とサム君が立てる人差し指。

サム  「まずは河原な、これは絶対、譲れねえ、って」
ジョミー「河原って…。すぐ側を川が流れているアレ?」
シロエ 「雨の日に河原って、マジなんですか?」
サム  「河原でやらねえとよ…」

芋煮じゃねえ、って話だぜ、と言ってますけど。
雨の日に?


2021/06/03 (Thu)

 

☆雨でも出来る場所


雨がシトシトな梅雨の季節は、気分が下がってしまうもの。
生徒会長宅で嘆く面々、其処へ出て来た根性な芋煮の話題。

シロエ 「そういえば、芋煮は河原でしたっけ?」
キース 「確信は無いが、河原だったという気がするな」
サム  「河原なんだってよ、芋煮は河原のものだってよ」

それだけで場所が限られるよな、とサム君の説明。

サム  「公園とかだと、芋煮にならねえんだし」
ジョミー「でもさあ、雨の日なんだよね?」
スウェナ「河原なんかで、どうやって雨を防ぐのよ?」
サム  「そのために場所取りするんじゃねえかよ」

いいスポットを取らねえと、とサム君、指をチッチッと。

サム  「河原で、雨が防げる所って、そうそうねえぜ?」
シロエ 「それ以前に、防げる気がしませんけど?」
キース 「思いっ切りの野外だろうが!」
サム  「分かんねえかな、川には橋があるんだぜ?」

橋と言ってもピンキリだけどよ、とサム君、ニヤリ。

サム  「デカイ橋だと、幅だって半端ねえじゃねえかよ」
ジョミー「まさか、橋の下で芋煮なわけ!?」
サム  「おうよ、雨でも濡れねえしよ…」

ちゃんと河原で川もあるしよ、と解説が。

サム  「そういうデカイ橋を狙って、場所取りってな!」
シロエ 「あー…。地面、それほど湿らないかもですね」
キース 「立派な橋の下なら、排水設備も…」

整っているだろうしな、とキース君。

キース 「それで雨でも芋煮をする、というわけか…」
サム  「らしいぜ、薪をガンガン燃やして」
ジョミー「確かに根性、据わってるよね…」

ぼくたちには、ちょっと無理な世界、とジョミー君の溜息。

ジョミー「そこまでやってさ、雨の中でさ…」
スウェナ「やりたいイベントって、無いわよねえ…」

芋煮に負けたわ、とスウェナちゃんも。

スウェナ「キースの月参りは、いい勝負だけど…」
キース 「あれは遊びじゃないんだが!」

あくまで仕事だ、と副住職の苦い顔付き。
仕事ですね?


2021/06/04 (Fri)

 

☆人によるそうです


梅雨の季節は雨がシトシト、どうしても気分が下がりがち。
生徒会長宅に集う面子も、その辺の事情は同じなわけで…。

キース 「いいか、月参りは坊主の宿命というヤツで…」
シロエ 「仕事だから、イベントとは違うんですね?」
キース 「当然だろう!」
ブルー 「うーん、どうかな、それに関しては…」

ぼくとしては賛同しかねるかも、と生徒会長が横から口を。

ブルー 「人によっては、アレは立派なイベントだしね」
一同  「「「はあ?」」」

どの辺がだ、と誰もがキョトン。

シロエ 「えっと…? 今は月参りの話ですよね?」
キース 「その筈だが?」
シロエ 「法事だったら、イベントで分かりますけれど…」

誰かさんが毎月やろうとした程ですし、とシロエ君。

シロエ 「宴会もセットでついて来ますし、そっちなら…」
スウェナ「確かに、一種のイベントだわねえ…」

親戚とかが集まるんだし、とスウェナちゃんも。

スウェナ「でも、月参りは違うでしょ?」
シロエ 「キース先輩、どうなんです?」
キース 「家にもよるが、普通は家族も揃っていないぞ」

ご高齢の方だけが基本だろうか、と副住職。

キース 「お嫁さんが専業主婦なら、プラスされる程度で」
シロエ 「後は、幼稚園に入る前の子供ですか?」
キース 「そうなるな。月参りに行くのは平日だから」

熱心な檀家さんだと、たまに大学生がいる、という話。

キース 「講義が無い日もあるからな」
シロエ 「なるほど…。でも、そこまでというわけですね」
スウェナ「イベントとは、ほど遠いわねえ…」

人数だけでも寂しいじゃないの、とスウェナちゃん。

スウェナ「とてもイベントとは呼べないわよ?」
シロエ 「同感です」

会長の意図が分かりませんよ、とシロエ君が傾げる首。

シロエ 「人によると言われてもですね…」
キース 「そもそも、参加者少なめだぞ」
ブルー 「まだまだ甘いね!」

坊主のくせに、と生徒会長、いえ、銀青様。
えっと…?


2021/06/05 (Sat)

 

☆檀家さんの心境


雨がシトシトな梅雨の季節は、気分が下がってしまうもの。
生徒会長宅に集うシャン学メンバーも、嘆き節ですけれど。

キース 「甘いだと? 俺が、坊主としてか?」
ブルー 「そう思うけどね、さっきの話を聞いているとさ」
キース 「しかし、月参りはイベントではなくて…」
ブルー 「それだよ、まるでなっていないね、君は!」

月参りは大事なイベントだよ、と生徒会長、いえ、銀青様。

ブルー 「月に一回、檀家さんのお宅に伺うんだよ?」
キース 「それはまあ…。伺う方の俺から見たなら…」

確かに大事なイベントではある、と副住職、同意。

キース 「忘れたりしたら大惨事だしな、いろんな意味で」
シロエ 「アドス和尚のお仕置きですね?」
スウェナ「罰礼、千回くらいかしら?」
キース 「それだけで済むかどうかも怪しいぞ」

殺す勢いで殴られかねん、とキース君、肩をブルッと。

キース 「檀家さんにも、なんと詫びればいいやら…」
ブルー 「其処だよ、其処で気が付かないかな?」

自分の甘さというヤツに、と銀青様。

ブルー 「檀家さんへのお詫びが第一、それは何故だい?」
キース 「忘れてしまって、伺わなかったわけで…」
ブルー 「そうなると、檀家さんはどうなるのかな?」

待てど暮らせど、お坊さんが来ないんだよ、という質問。

ブルー 「約束の時間は、とっくに過ぎているのにね?」
キース 「…無駄にお待たせすることになるかと…」
シロエ 「あー…。出掛けるわけにもいきませんしね」
サム  「買い物にだって、出られねえよな?」

迷惑すぎる話じゃねえかよ、とサム君も。

サム  「詫びるしかねえよな、もう、全力でよ」
スウェナ「そうねえ、だけどイベントと、どう繋がるの?」
ジョミー「公演だったら、チケットの払い戻しとかさ…」
シロエ 「ありますけれども、それでしょうか?」
ブルー 「それに近いね、檀家さんの心境は」

キースは気付いてないけどさ、と言ってますけど。
払い戻し…?


2021/06/06 (Sun)

 

☆準備する檀家さん


梅雨の季節は雨がシトシト、気分も下がりがちですけれど。
生徒会長宅に集った面々も同じ、生徒会長宅で嘆き節な今。

シロエ 「えーっと…? 月参りで払い戻しですか?」
マツカ 「お布施は、先払いだったでしょうか?」
サム  「違うと思うぜ、お経が済んでから払うモンだろ」
ブルー 「言い方はアレだけど、後払いだね」

其処は差し上げると言ってくれたまえ、と銀青様の訂正が。

ブルー 「読経のお礼に、気持ちを包むものなんだから」
シロエ 「はあ…。それはいいですけど、後払いですね?」
ブルー 「まだ言ってるし…。でも、それで合ってる」
サム  「んじゃ、払い戻しはねえじゃねえかよ」

忘れられてても実害はねえぜ、とサム君の指摘。

サム  「出掛けられねえのは、困るけれどよ…」
ブルー 「うん、それだけな檀家さんだって、多いけど…」

そうじゃない人には切実なんだよ、と銀青様。

ブルー 「月参りに来て下さるから、と準備する人だね」
シロエ 「あー! お茶菓子とかを用意してるんですね?」
ブルー 「ピンポーン! 喜んで頂こうと、心を配って!」

特に最近は、お取り寄せだってあるからね、と妙な台詞が。

一同  「「「お取り寄せ?」」」
ブルー 「通販だってば、全国の銘菓が揃うだろう?」

それこそ洋菓子や和菓子も色々、と銀青様も詳しい通販。

ブルー 「檀家さんは、ご高齢でネットに疎くってもさ…」
ジョミー「お嫁さんに頼むとか、そんなのかな?」
ブルー 「その通り! 月参りの日は此処だから、とね」

人気のお菓子をお取り寄せだよ、と語られる月参り事情。

ブルー 「キースも、心当たりがある筈!」
キース 「それは確かに…」

バラエティー豊かな菓子が出るな、と頷く副住職。

キース 「取り寄せました、と笑顔で仰るわけで…」
ブルー 「其処だよ、イベントというのはね!」
シロエ 「…お取り寄せがですか?」

普通なのでは、とシロエ君が傾げる首。
よくありますよね…?


2021/06/07 (Mon)

 

☆月参りもイベント


雨がシトシトな梅雨のシーズン、気分が下がりがちな面々。
生徒会長宅で嘆き節でして、其処から話題はイベントへと。

シロエ 「お取り寄せって、イベントなんでしょうか?」
スウェナ「昔はともかく、今は普通の話よねえ?」
ジョミー「通販はしません、ってお店の方が貴重だってば」

お土産とかで喜ばれるよね、とジョミー君の指摘。

ジョミー「わざわざ行かないと、買えないんだしさ」
マツカ 「そうですね…。そっちの方が希少価値ですし…」

ぼくの家でも、よく使いますよ、と御曹司。

マツカ 「お取り寄せじゃなくて、買いに行くんですけど」
サム  「やっぱ、専門の係がいるのかよ?」
マツカ 「いえ、其処までは…。買い出し係はいませんね」

百貨店とかじゃありませんから、と御曹司の苦笑。

マツカ 「でも、喜んで頂けますよ、そういう贈り物は」
シロエ 「イベントと呼ぶなら、買い出しですよね…」

ただの通販では、違う気がします、とシロエ君の疑問。

シロエ 「お取り寄せの何処がイベントなんです?」
ブルー 「分かってないねえ、ご高齢の檀家さんだよ?」

キースは月に一度のお客様でさ、と生徒会長。

ブルー 「お茶とお菓子でおもてなしするのが、月参り!」
シロエ 「それも普通じゃないんですか?」
ブルー 「お坊さんだよ、ただのお客様とは違うんだよね」

仏様の供養をして下さるし、と銀青様モード。

ブルー 「喜んで頂けるお菓子を出すのも、大切なんだよ」
サム  「あー! 其処で功徳を積むわけな!」
ブルー 「その通り! お坊さんへのおもてなしは大事!」

それも仏様への供養になるから、と銀青様のお言葉が。

ブルー 「だから色々と心を配って、準備するんだよ」
シロエ 「お取り寄せで始まるイベントですか…」

まあ確かに、とシロエ君、納得。

シロエ 「月参りもイベントだったんですね…」
ブルー 「分かったかい?」

それを仕事と言うなんて、とキース君に非難の視線。
坊主失格?


2021/06/08 (Tue)

 

☆喜んで行くべき


雨がシトシトな梅雨の季節は、気分も下がりがちですけど。
そういう時でもイベントだったら、張り切る人がいる現実。

ブルー 「檀家さんにとっては、立派ないベントだしね」
シロエ 「キース先輩も、そう心得るべきなんですね?」
ブルー 「そういうことだね、芋煮で根性な人を思って!」

張り合うくらいの勢いで、と生徒会長、いえ、銀青様。

ブルー 「雨でも場所取り、その根性を見習うべきだよ!」
サム  「喜んで行け、っていうことな?」
ブルー 「その通り! 檀家さんとの出会いも大切!」

月に一度は会うお相手でも、一期一会の心掛けで、と。

ブルー 「なにしろ、あちらは、お取り寄せもしてさ…」
シロエ 「キース先輩を、お待ちなんですしね…」
マツカ 「一大イベントというわけですね」
ジョミー「特に雨だと、檀家さんも出掛けられないしね…」

ご高齢の方だと出にくいよね、とジョミー君も。

ジョミー「その分、キースが来るのが楽しみだろうし…」
サム  「芋煮な勢いで、朝から待機ってトコだよな…」
キース 「そ、そうか…。言われてみれば…」

俺は間違っていたかもしれん、と副住職、神妙な面持ち。

キース 「雨天決行な、仕事だとばかり思っていたが…」
ブルー 「自分の立場と、役割を心得なくっちゃね」

坊主たるもの、そうであるべき、と銀青様のお言葉が。

ブルー 「文句を言わずに、心をこめて月参りだよ!」
キース 「だが、出にくいのは変わらないしな…」
シロエ 「法衣が濡れるからですか?」

普通の服とは違いますしね、とシロエ君。

シロエ 「傘では、雨は防げないような…」
キース 「一応、合羽はあるんだが…」

心許ないな、と副住職の溜息。

キース 「それにウッカリ濡れてしまうと、行き先で…」
サム  「御迷惑をかけちまうよなあ、ずぶ濡れだとよ…」
キース 「畳も座布団も、すっかり濡れてしまうしな…」

其処も頭が痛い所だ、という梅雨の月参り。
そうですよね…。


2021/06/09 (Wed)

 

☆座布団も濡れます


雨がシトシトな梅雨のシーズン、気分も下がりがちですが。
そんな季節もイベントは別物、盛り上がる人がいるわけで。

シロエ 「確かに、法衣が濡れるのは問題ですね…」
スウェナ「檀家さんの方も、後でゲンナリしそうよねえ…」
サム  「だよなあ、座布団は乾きにくいしよ…」

おまけに梅雨だと干せねえしな、とサム君が指差す外の雨。

サム  「布団乾燥機って手もあるけどよ…」
ジョミー「なんか、イマイチな感じだよえね…」
ぶるぅ 「んとんと、ちゃんと中まで乾かせるけど…」

お日様で干すのが一番だよね、と家事万能のお子様も。

ぶるぅ 「そっちの方が、フカフカするもん!」
シロエ 「ご高齢だと、一層、こだわりそうですしね…」
キース 「坊主用の座布団は、特別だからな」
一同  「「「えっ?」」」

特別とは、と一同、キョトン。

スウェナ「何よ、それ? 素材が違うって言うの?」
キース 「素材については、特に指定は無いんだが…」
ブルー 「色と模様だよ、覚えが無いかな?」

法要の度に見てる筈なんだけど、と生徒会長。

ブルー 「キースが座る座布団だよね」
シロエ 「えっと…? 何か特別でしたっけ?」
スウェナ「ぶ厚かったかしら?」
マツカ 「色と模様ですよ、ほら、紫でですね…」

有難そうな模様がついていますよ、と御曹司の指摘。

マツカ 「模様の方は、多分、色々あるんでしょうけど」
ブルー 「ピンポーン! こう、極楽のイメージとかで…」
キース 「模様が入ってくるわけなんだが、色は紫だな」

来客用とは違うんだ、と副住職の説明が。

キース 「坊主専用になってるわけだな」
シロエ 「お坊さんにしか使えないんですか?」

その座布団は…、とシロエ君の問い。

シロエ 「殆ど出番が無さそうですけど?」
キース 「月参りに棚経、後は家での法要だけだ」
スウェナ「でも、専用のが要るわけね?」
キース 「そうなるな」

それだけに気を遣うんだ、と副住職。
濡らすと大変…。


2021/06/10 (Thu)

 

☆乾燥機では無理


梅雨の季節は雨がシトシト、どうしても気分が下がりがち。
けれどイベントとなれば別物、盛り上がる人もいるわけで。

シロエ 「お坊さん専用の座布団だと、気を遣いますよね」
キース 「ああ。俺が濡らしてしまうとだな…」
サム  「檀家さんに、余計な手間をかけちまうのな…」

梅雨の晴れ間に座布団干しかよ、とサム君、溜息。

サム  「ただでも洗濯物が多そうなのによ…」
スウェナ「でも、洗濯物には乾燥機があるでしょ?」
ぶるぅ 「えとえと、使えないヤツもあるんだけど…」

乾燥機をかけると縮むとか、と「そるじゃぁ・ぶるぅ」。

ぶるぅ 「それに大きなシーツとかだと、普通の家のは…」
シロエ 「無理っぽいですね、容量からして」
ぶるぅ 「そうなの! コインランドリーに行かないと…」

乾燥機でやるのは無理だよね、と家事万能なお子様の声。

ぶるぅ 「お年寄りだと、持って行くのも大変だから…」
シロエ 「自然と、家で干す方向になりますか…」
キース 「そうなんだ。ある時、見掛けてしまってな…」
ジョミー「何をさ?」

何を見ちゃったのさ、とジョミー君が傾げる首。

ジョミー「コインランドリーに行く、檀家さんとか?」
サム  「手押し車に、洗濯物を山積みとかかよ?」
キース 「いや、そうじゃなくて…」

俺の寺とは離れた所で見たんだが、と副住職。

キース 「晴れた日に、通りかかった家の庭に、だ…」
ジョミー「ドッサリ干された洗濯物?」
キース 「それもあったが、こう、端の方に…」
シロエ 「座布団が干してありましたか?」

お坊さん用の、とシロエ君の問い。

シロエ 「紫だったら、目立ちますしね」
キース 「まあ、座布団には違いなかったが…」

ついでに紫だったんだが、と副住職の顔に陰りが。

キース 「元は紫だったんだろうな、という色で…」
一同  「「「は?」」」
キース 「色褪せた、年代物だったんだ!」

使い込まれた座布団だった、という説明。
要は古い、と…。


2021/06/11 (Fri)

 

☆大切そうな座布団


雨がシトシトな梅雨のシーズン、気分も下がりがちなもの。
けれどイベントとなれば別物、月参りがそれにあたる人も。

シロエ 「色褪せるくらいに古い、紫の座布団ですか…」
キース 「大切そうに干してあってな、他のとは別に」

シーツとかは適当だったんだが、と語る副住職。

キース 「座布団だけは、とても気合いが入っていたんだ」
サム  「気合いの入った干し方かよ?」
ジョミー「どんなのさ、ソレ?」
キース 「他のは、とにかく乾けばいい、という感じで…」

ただ、ぶら下げてあっただけだが、と副住職。

キース 「座布団は、平らになるようにだな…」
シロエ 「台にでも乗っけてありましたか?」
キース 「専用ではないんだろうが、台だったな」

何かを転用してたんだろう、というのが座布団干し用の台。

キース 「その上に乗せて、端でも日当たりのいい所に…」
スウェナ「きちんと干してあったのね?」
キース 「ああ。熱心に手入れをしてるんだな、と…」

思うと同時に気が咎めた、と副住職の深い溜息。

キース 「新しい座布団を買うには、ご高齢すぎて…」
ジョミー「予算不足かも、って?」
キース 「いや、買っても、そうそう出番がだな…」

来ない間に、お迎えが来そうな方なんだろう、という解釈。

キース 「其処に費用をかけるよりかは、別の方に、と…」
サム  「お布施とか、お茶菓子とかに、ってことな?」
キース 「そう思わないか?」
ジョミー「確かにね…」

座布団よりかは、そっちだよね、とジョミー君も。

ジョミー「だけど、座布団は必要だから…」
キース 「頑張って、干してらっしゃったわけだ」

うちの檀家さんにも、そういう方がおいでかも、と副住職。

キース 「そうでなくても、座布団一つにも心をこめて…」
シロエ 「迎えて下さるわけですね?」
キース 「だから、濡らしてしまうのは…」
サム  「申し訳ねえよなあ…」

でも、梅雨なんだしよ、とサム君が言う通り。
雨ですよね…。


2021/06/12 (Sat)

 

☆土下座したくても


雨がシトシトな梅雨の季節は、気分が下がりがちですけど。
たとえ雨でもイベントがあれば、楽しめる人もいるわけで。

キース 「まして、イベントということになるとだ…」
ジョミー「水を差すのは避けたいよねえ…」

キースが帰った後には濡れた座布団なんて、とジョミー君。

ジョミー「せっかく、お菓子も取り寄せたのにさ…」
サム  「なんかこう、ガックリ来そうだよなあ…」
キース 「一層、気が滅入りそうなんだが…」

法衣が濡れる件に関して、と副住職の深い溜息。

キース 「前から充分、気になっていたが…」
シロエ 「鬱になりそうな勢いですか?」
キース 「いや、土下座して詫びたいような気持ちだな」

濡らしてしまってすみません、と、と副住職。

キース 「しかし、それだと、恐縮なさってしまうし…」
サム  「だよなあ、謝らせてしまったなんてよ…」
ジョミー「相手は、お客様だしね…」
マツカ 「それに加えて、お坊さんですよ?」

わざわざ足を運んで下さったわけで…、と御曹司の指摘。

マツカ 「仏様の供養に来て下さった、有難いお客様です」
シロエ 「キース先輩の年は関係ないですよね…」
キース 「若造だろうと、目上で賓客扱いだな」

だから土下座は出来そうにない、と副住職の困り顔。

キース 「申し訳ないのに、どうにもならんし…」
ぶるぅ 「代わりに干します、って言えないよね…」

晴れた日に干しに行ってあげるとか、と家事万能なお子様。

ぶるぅ 「お坊さんにさせることじゃないしね…」
シロエ 「そうですね…。体力は余っていそうですけど…」
キース 「干しに行くのは、簡単なんだが…」

自転車で走れば楽勝だしな、と副住職も。

キース 「月参りとは別に、晴れた日に端から回ったら…」
ジョミー「干して、取り入れて、完璧だけどね…」
キース 「坊主の仕事じゃないからな…」
サム  「違い過ぎるよなあ…」

座布団干しはよ、とサム君たちも頷く違い。
お坊さんですしね…。


2021/06/13 (Sun)

 

☆代わりに干したら


雨がシトシトな梅雨のシーズン、何かと気分が下がりがち。
けれどイベントがあればオッケー、月参りを待つ人だって。

キース 「ただの高校生なら、ボランティアで済むが…」
シロエ 「明らかに、お坊さんですからねえ…」

それも月参りに来て下さったばっかりの、とシロエ君。

シロエ 「座布団を干しに行っても、お布施が来そうです」
サム  「あー…。それは言えるよな、坊主だしよ…」
ジョミー「手伝って貰って嬉しい気持ちで、お布施だよね」
キース 「そうなるだろうな…」

ボランティアどころか、バイトになるぞ、と副住職の溜息。

キース 「臨時収入欲しさで来た、と思われても…」
ジョミー「仕方ないよねえ…」
サム  「坊主の仕事に、座布団干しが入ってればよ…」

お布施でもいいかもしれねえけどよ、とサム君の見解。

サム  「座布団を干しながら、ちょいと法話でよ…」
シロエ 「いいですね! イベントが一つ増えますよ」
ジョミー「だよねえ、梅雨のシーズン限定でさ…」

晴れたらキースが来るんだよね、とジョミー君も相槌。

ジョミー「喜ばれそうだよ、座布団も干して貰えるしさ」
サム  「でもよ、座布団干しは坊主の仕事じゃねえし…」
ブルー 「そうと決まったわけでもないよ?」

修行中なら、仕事の内だね、と生徒会長、いえ、銀青様。

ブルー 「晴れた日に、廊下にズラリと並べて干すんだよ」
キース 「確かに、そういうのもあるが…」
??? 「なになに、座布団がどうしたって?」

教えてよ、とソルジャー(会話表記はAブルー)登場。

Aブルー「季節限定イベントだってね!」
キース 「なんで、出て来る!」

あんたは関係無いだろうが、と副住職が吊り上げる眉。

キース 「座布団を干す話なんぞには!」
Aブルー「限定って聞いたら、気になるってば!」
シロエ 「ついでに、イベントだからですか?」
Aブルー「ピンポーン!」

限定イベントなんだしね、と言ってますけど。
月参りですよ?


2021/06/14 (Mon)

 

☆イベント好きな人


梅雨の季節は雨がシトシト、気分も下がりがちですけれど。
イベントさえあれば気分は上昇、そういう人もいるわけで。

Aブルー「座布団で季節限定イベントって、何なのさ?」
キース 「逆だ、逆! 今の季節は、座布団だがだな…」
シロエ 「問題だという話なんですけど?」

分かってますか、とシロエ君、ソルジャーをジロリ。

シロエ 「それにイベントは、例えというヤツで…」
キース 「いわゆるイベントとは、全く別だぞ」

ただの月参りの話だしな、と副住職の渋面。

キース 「月参りがイベントな人もいる、というだけで…」
ジョミー「梅雨に行ったら、座布団が濡れる話だよね…」
Aブルー「ええっ? たったそれだけなのかい?」

盛り上がっていそうだったのに、とソルジャー、ガックリ。

Aブルー「もっと楽しい話なのかと思ったけどなあ…」
キース 「悪かったな! そんなにガッカリしたんなら…」
シロエ 「帰って下さってもいいんですよ?」

誰も困りませんからね、とシロエ君、ニッコリ。

シロエ 「お帰りになるなら、お止めしませんけど」
ぶるぅ 「ダメダメ、お客様なのにーっ!」

お茶とお菓子を用意したのに、と「そるじゃぁ・ぶるぅ」。

ぶるぅ 「んとんと、もちろん食べて行くでしょ?」
Aブルー「ありがとう、ぶるぅはいい子だね!」
ぶるぅ 「ぼく、おもてなし、大好きだも~ん!」
一同  (((そうだった…)))

また居座られる、と一同、ゲンナリ。

Aブルー「なんだか、露骨に嫌そうな顔だねえ?」
キース 「不景気な顔と言ってくれ…」

ただでも梅雨で気が滅入るのに、と副住職。

キース 「お祭り野郎は、気楽でいいがな」
Aブルー「ぼくのことかい?」

酷い言いようだねえ、とソルジャーが尖らせる唇。

Aブルー「もうちょっと、他に言い方は…」
キース 「芋煮並みだと言われたいのか?」
Aブルー「なんだい、それは?」

悪口なのは分かるけどさ、と首を傾げる人。
通じませんよね?


2021/06/15 (Tue)






 

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