☆フェアプレイの逆は?
運動会、次の種目はパン食いリレー。しかし…。
ジョミー「えぇっ、ブルーは出場しないの?」
キース 「アンカーで教頭先生と一騎打ちかと思ったんだが…」
ブルー 「お断りだね。ハーレイはどうでもいいけど、種目がちょっと」
シャングリラ・ジゴロ・ブルーにパン食いリレーは似合わない、と生徒会長。
代わりに「そるじゃぁ・ぶるぅ」がアンカーで出て…。
ぶるぅ 「ごめんね、頑張ったんだけど…」
サム 「仕方ねえよな、先生チームの本気は半端じゃなかったし!」
シロエ 「教頭先生、あのパンを一気食いでしたもんねえ…」
スウェナ「ぶるぅには無理よ、口のサイズが違うもの」
キース 「あっちのぶるぅなら軽々いけたと思うんだがな」
ブルー 「シッ! ぶるぅとブルーの話は内緒だ」
キース 「す、すまん…。次は玉入れなのか」
マツカ 「また先生チームが来るんでしょうね…」
ジョミー「そうそう負けてられないよ! 今度はぼくらが勝たなくちゃ」
雪辱戦に燃えるジョミー君たち。玉入れはクラス対抗ですが。
キース 「くそっ、B組とE組に負けちまったか…」
ブルー 「フェアプレイだから当然だよ。ぼくらの実力はこんなものさ」
ジョミー「でもさ、先生チームが来なかったのはどうしてかな?」
シロエ 「他の学年の部に出場するんじゃないですか?」
スウェナ「そうね、上の学年がいるものね」
2年、3年の部と続いたものの、先生チームは出てこないまま昼休み。
生徒会長が私物化したテントでお弁当タイムです。
ブルー 「なんだって!? ハーレイたちがトレーニングを?」
リオ 「は、はい…。玉入れの間に校舎の裏で」
ブルー 「まずいな、どこからバレたんだろう」
リオ 「準備係の職員さんが出会い頭にゼル先生と衝突したんです」
ブルー 「衝突したはずみに思念が漏れたか…」
サイオンが裏目に出てしまったらしく、先生チームに種目がバレている模様。
トレーニングの成果は出るのか?
先生チーム、卑怯なり!
2011/10/01 (Sat)
☆反則な先生たち
シャングリラ学園初の運動会、ぶっつけ本番が売りであります。
なのに先生チームに種目がバレて、トレーニングをされてしまって…。
キース 「おい。ザル引き競争というのは何だ?」
ブルー 「ザルを紐で引っ張りながら走るんだよ。ザルにボールが入ってる」
シロエ 「ボール…ですか?」
ブルー 「サッカーボールだし大きさはあるさ。それを落とさずに走るわけ」
サム 「へえ…。なんか難しそうな感じだな」
マツカ 「先生方がそれの練習を?」
ブルー 「そうらしい。まさかバレるとは思わなかった」
学年別のザル引き競争、いざスタート!
ジョミー「ボールの扱いには自信あったのに…」
サム 「足で蹴る方だろ? ザルを引くのとはまた違うって!」
スウェナ「バランスが難しいのよねえ…。カーブだとすぐに落ちちゃうし」
キース 「ゆっくり走れば落ちないんだが、そうすると抜かれてしまうしな」
マツカ 「ボールが落ちたら、落ちた場所からやり直しですしね」
ブルー 「ぶっつけ本番に似合いの種目だと思ったのになあ…」
ぶるぅ 「ゼルとかハーレイとか、上手すぎだよう…」
個人競技だったので弊害はさほどありませんでしたが、先生チームの秘密の
特訓は大いに成果を上げたようです。
ブルー 「種目がバレたのはまずかったな」
リオ 「どうするんですか? 休憩を挟んでフィナーレですが」
ブルー 「あれを練習されたとなると、最後に勝たれてしまう可能性大か…」
なんとか対策を考える、と生徒会長。
先生チームがフィナーレを飾るというのは大人げなさの極めつけ!
でも、それを平気でやりそうなのがシャングリラ学園の先生方です。
ブルー 「…仕方ない。これも生徒会長の使命だよね…」
悲壮な決意を固めたらしい生徒会長。
フィナーレは全クラス対抗ムカデ競走!
1クラス全員が連なって走るのでチームワークが欠かせません。
トレーニングをしていたという先生チーム、勝利を確信してそうですよ~!
2011/10/02 (Sun)
☆仁義なき戦い
運動会のフィナーレを飾るのは全クラス対抗ムカデ競走。
全学年が一度に走るわけにはいきませんから、まずは1学年ずつ走ります。
上位の2クラスで最後に競って真の勝者を決めるのですが。
ジョミー「いきなり来ちゃったよ、先生チーム…」
シロエ 「1年生に恨みがあるんでしょうか? 他の学年に行けばいいのに」
キース 「俺たちのクラスがあるからなあ…」
サム 「負けちゃったけどな…。先生チームとC組に」
ブルー 「ムカデ競走は本来、チームワークで勝負だからね。今回は運だ」
スウェナ「でも、先生チームはコッソリ練習していたんでしょ?」
ブルー 「そうらしい。決勝戦でも勝つ気だよ、きっと」
先生チームは2年と3年のムカデ競走には出ませんでした。
いよいよ全学年の上位2クラスで決勝戦!
でも1年生からはC組と先生チームが出場で…。
ゼル 「いよいよじゃな。特訓の成果を見せてやるわい」
ブラウ 「あんたには大いに感謝してるよ。その石頭のお蔭だね」
ヒルマン「ぶつかった相手も良かったのだよ。さて、行こうか」
スタート地点に揃った出場チーム。紐が配られ、足を結ぶという段になって。
ブルー 「ちょっと待って! ぼくも先生チームに入る」
全校生徒「「「えぇっ!?」」」
ブルー 「ぼくの担任はハーレイだ。本来、ぼくはこのチームかと」
ゼル 「い、いや…。そのう、決勝戦じゃしな…」
ブルー 「どうせぶっつけ本番なんだ。ぼくが増えても問題ないだろ?」
ここに決めた、と割り込んだのは先頭に立つ教頭先生のすぐ後ろ。
ブルー 「うーん、肩に手を置くのはちょっとキツイや。腰にしとくね」
ハーレイ「う、うむ…。気をつけて走りなさい」
生徒会長と両足を結び合わされた上に、腰に手を回された教頭先生。
心臓はバクバク、気もそぞろです。そんな状態の中、競技スタート!
平常心を失っている教頭先生を先頭にした先生チームは勝てるのか?
教頭先生の腰に掴まって走る生徒会長の運命や如何に!?
2011/10/03 (Mon)
☆捨て身の勝利
ついに始まった全クラス対抗ムカデ競走の決勝戦。
各学年の上位2クラス、1年生からはC組と先生チームが出場です。
密かにトレーニングをしていたらしい先生チームに生徒会長が加わって…。
キース 「先生チーム、ヤバくないか? 教頭先生、顔が真っ赤だぞ」
ジョミー「ブルーがピッタリくっついてるしね…」
シロエ 「並ぶ順番も問題ですよ。会長のせいでメチャクチャですし」
ムカデ競走は背の高い人を先頭にして順に後ろへと小さくなるのがお約束。
生徒会長が割り込んだのは教頭先生とグレイブ先生の間でした。
そこでガクンと低くなるため、グレイブ先生も非常に走りにくそうです。
ジョミー「わっ、転んだ!」
サム 「うわわわ…。何やってんだよ、教頭先生! あぁぁ、ブルーが…」
足がもつれた教頭先生が転んだはずみに先生チームは将棋倒しに。
生徒会長も思い切り転び、グレイブ先生の下敷きです。
一度転ぶと起き上がるのに時間がかかるのがムカデ競走。
先生チームが悪戦苦闘している間に生徒チームは次々ゴールイン!
キース 「あいつ、自分を犠牲にして先生チームを…。意外に漢だったんだな」
マツカ 「怪我をしてなきゃいいんですけど…」
スウェナ「足を引き摺っているみたい。捻挫したんじゃないかしら」
サム 「ひでえや、教頭先生のせいじゃねえかよ!」
先生チーム、さっきまでの勢いはどこへやら。
ビリでゴールに辿り着いた後、生徒会長は救護テントに運ばれて…。
ブラウ 「大丈夫かい? ハーレイの下敷きでなくて良かった」
ブルー 「それだと骨折コースだよ。いや、死ぬかも…」
ブラウ先生に支えられて1年A組のテントに戻った生徒会長。
右足首の湿布と包帯が痛そうですけど、全校生徒から感謝の拍手が。
ゼル 「ハーレイ、お前のせいで負けたんじゃ! 色ボケしおって!」
ハーレイ「す、すまん…。まさかブルーが割り込むとは…」
身体を張って先生チームの勝利を阻んだ生徒会長、グンと男を上げましたよ!
2011/10/04 (Tue)
☆運動会、閉幕。
コソコソと特訓していた先生チームを見事に封じた生徒会長。
捻挫した右の足首が痛そうですが…。
ぶるぅ 「ひどいや、ハーレイ! ブルーにこんな怪我させちゃって…」
サム 「転ぶんだったら自分が捻挫すりゃいいじゃねえかよ!」
キース 「柔道で鍛えておいでだからなあ…。転ぶのも多分、上手いだろう」
シロエ 「身体が自然に動くでしょうしね。会長は不幸だったとしか…」
ブルー 「あの体重で引っ張られたら逆らえないさ。これは腫れるかもね」
マツカ 「動かさない方がいいですよ。負担をかけると酷くなります」
ブルー 「分かってるよ。でも…」
閉会の挨拶をしなくっちゃ、と立ち上がろうとする生徒会長。
ブルー 「いたた…。キース、肩を貸してくれるかな?」
キース 「無理するな。俺が背負っていってやる」
ブルー 「それはちょっと…。あれっ、ハーレイ?」
ハーレイ「さっきは転んで悪かった。閉会の挨拶に行くのだろう?」
任せておけ、と生徒会長を軽々と抱き上げる教頭先生。
いわゆる「お姫様抱っこ」です。
教頭先生、ドサクサに紛れてなんという真似を!
ゼル 「むっ、いかん! 止めろ、ハーレイを止めるんじゃ!」
ブラウ 「アイサー!」
ダッと飛び出す先生チーム。
生徒会長を教頭先生の手から奪って、どっこいしょ、と車椅子へ。
ミシェル先生が車椅子を押し、教頭先生は追い払われて…。
ブルー 「みんな、運動会を楽しんでくれたかい?」
全校生徒「「「はーい!」」」
ブルー 「ありがとう。生徒会主催の運動会はこれで終了!」
パパパーン! と花火が上がって運動会は終わりました。
生徒会長の名誉の負傷は教頭先生が治療費と慰謝料を支払うことに。
サム 「ブルー、その足じゃ帰れねえだろ? タクシー呼ぼうか」
ブルー 「瞬間移動で帰れるさ。ぶるぅの部屋からパパッとね」
そこまで送って、と生徒会長。
シャン学メンバー、車椅子を押すサム君を囲んで校舎へと。
生徒会長、これは当分欠席かな…?
2011/10/05 (Wed)
☆その後の戦士たち
運動会も無事に終わって、翌日からは普通に授業。
えっ、代休は無いのかって?
学校行事じゃありませんから、そういうものはございません。
ジョミー君たちも真面目に登校してきましたが。
サム 「あれっ?」
キース 「どうした、忘れ物か?」
サム 「そうじゃなくって…。なんだろう、これ」
サム君が机の中から取り出したのは封筒でした。
キース 「シャングリラ学園教師一同より…?」
サム 「俺、まずいことでもやらかしたっけ?」
ジョミー「呼び出しだったらグレイブ先生が直接言うんじゃないかな」
シロエ 「開けてみたらどうですか?」
サム 「だよな。呼び出しじゃありませんように…」
サム君の手元に注目しているシャン学メンバー。
封筒の中から出てきたものは…。
ジョミー「ランチ券!?」
マツカ 「一緒に手紙が入っていますよ」
サム 「えーっと…。なになに、ランチ券が貰えなかった君へ…?」
全員 「「「えぇっ!?」」」
運動会でランチ券を貰えたのは団体競技で1位になったクラスの人たちと
個人競技で1位を獲得した人です。
1年A組はどの競技も1位を逃してますから、個人競技で負けてしまえば
1枚も貰えないわけで。
キース 「先生方は俺たちの勝ち負けをきちんと調べておられたのか…」
ジョミー「サムは1位を取ってないしね。ランチ券はブルーに貰ってたけど」
スウェナ「そのランチ券って、もしかして…」
キース 「先生チームが勝ちまくってゲットしていた分だろうな」
サム 「そっか…。俺みたいなヤツに配るために頑張ってくれてたのか…」
ランチ券を貰った生徒は感動、先生方の人気はウナギ昇り!
キース 「しかし、だ。対象者全員に配れる数は無かった筈だぞ」
シロエ 「きっと買い足したんでしょうね…」
先生方は勝ちを奪いまくった罪滅ぼしにランチ券を配ったようです。
足りない分の資金はカンパ。
そこまでしても生徒に勝ちたかったとは、本当にお祭り好きなんですねえ…。
2011/10/06 (Thu)
☆只今、療養中。
さて、運動会で右足首を捻挫してしまった生徒会長。
登校していないかと思いきや…。
ぶるぅ 「かみお~ん♪ 授業、お疲れさま!」
ブルー 「やあ。明日から三日間、連休だね」
ジョミー「えっと…。もしかして、また増えた?」
キース 「増えたようだな…」
「そるじゃぁ・ぶるぅ」のお部屋を見渡すシャン学メンバー。
所狭しと花が飾られています。
カサブランカに薔薇、秋らしく木の実をあしらったアレンジメントなどなど。
ブルー 「今日も朝イチで花束が届いて、お昼休みに花籠が来たよ」
キース 「そうか…。教頭先生も頑張ってるな」
ジョミー「だけど部屋には入れてあげてないんでしょ?」
ブルー 「もちろんさ。ぶるぅが受け取って運び込んでる」
キース 「たまには会おうという気にならんのか?」
ブルー 「なんで? ぼくは全治1週間の重傷なんだ。安静にしないと」
歩くなんてもっての他、と生徒会長は澄ましています。
教頭先生はお見舞いの花を毎日欠かさず届けに来ているようですが…。
サム 「全治1週間かあ…。連休中も安静だよな」
シロエ 「仕方ないですよ。キッチリ治さないと癖になりますしね」
ブルー 「そういうこと。もう本当に癖になりそう」
キース 「ちゃんと治せよ。癖になったら大変なんだぞ」
ブルー 「うん、ハーレイは大変だろうね」
全員 「「「は?」」」
ブルー 「治療費と慰謝料、それに花束。次のチャンスが欲しくなる」
ぶるぅ 「当たり屋を始めるんだっけ? 教頭室の前の廊下で」
全員 「「「当たり屋!?」」」
ペロリと舌を出し、ヒョイと立ち上がった生徒会長。
全治1週間だったのでは?
ブルー 「ハーレイから慰謝料を取るんだって言ったらノルディも乗り気で」
キース 「捻挫というのは嘘だったのか!?」
ブルー 「決まってるじゃないか。転んだのは演技じゃないけどね」
学校中がコロッと騙されていた捻挫騒動。
生徒会長が当たり屋を始めたら、教頭先生、破産するかも…?
2011/10/07 (Fri)
☆快気祝い
今日から連休。
シャン学メンバー、捻挫の快気祝いとやらで生徒会長の家に来ています。
キース 「快気祝いなら店でやれ、店で!」
ブルー 「ぼくは全治1週間の重傷なんだよ。連休中は安静だってば」
キース 「だったら快気祝いは連休明けでいいだろうが!」
ブルー 「捻挫してないってバラした以上、けじめをつけておかないとね」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ 御馳走、届いたよ!」
ブルー 「ケータリングを頼んだのさ。資金はたっぷりあるからねえ…」
ニヤリと笑う生徒会長。
教頭先生から毟った慰謝料の一部が御馳走に化けたらしいです。
分かってはいても、美味しそうな料理を見ると食べたくなるのが人情で…。
ジョミー「教頭先生には悪い気もするけど、美味しいね、これ」
ぶるぅ 「でしょ? ブルーとぼくのお気に入りのお店だし!」
キース 「昨日から気になっていたんだが…。診断書は誰が書いたんだ?」
ブルー 「ノルディだけど? 乗り気だったって言っただろ?」
キース 「聞き間違いじゃなかったのか。…あんた、あいつの病院に?」
ブルー 「家の隣の診療所だよ、日曜だったし」
サム 「それって危なすぎるじゃねえかよ!」
ブルー 「ゼルが付き添ってくれていたから大丈夫さ」
シロエ 「じゃあ、ゼル先生も捻挫が嘘だということを…」
ブルー 「知らないよ? ノルディとは思念波で打ち合わせたんだ」
キース 「…妙な時だけ気が合うんだな、あんなヤツと…」
誰もが呆れ返っていますが、生徒会長は涼しい顔。
教頭先生、生徒会長をエロドクターの魔手から何度も救っているのに、この
仕打ちとは気の毒な…。
ブルー 「細かいことは気にしない! それよりさ…」
明日は泊まりに来ないかい、と全員にお誘いがかかりました。
ブルー 「10月9日は十三夜なんだ。お月見をしないと縁起が良くない」
キース 「じゅ、十三夜…」
やばい、と叫んだキース君。
十三夜とは何なのか? 気になる方は9月12日の記事をクリック!→こちら
2011/10/08 (Sat)
☆今宵は十三夜
10月9日は十三夜。
中秋の名月が十五夜で、お月見は本来は十五夜と十三夜の両方を見るものと
されております。
片方だけしか見ないのは「片見月」と言われ、あまり縁起が良くないとか…。
というわけで、9月12日に中秋の名月を見たシャン学メンバー、十三夜の月を
皆で見ようと生徒会長の家でお泊まりです。
ブルー 「いい月だねえ…。今夜も綺麗に晴れて良かった。ね、キース?」
シロエ 「十三夜が雨になったら先輩が月をやる予定でしたもんねえ…」
キース 「やかましい! 昨日は本当にゾッとしたんだ」
ブルー 「この時期は予報も外れやすいし、ちょっとは期待したんだけどな」
キース 「しなくていいっ!」
マンションの屋上でお月見中のシャン学メンバー。
前回と同じくススキが飾られていますけれども、栗と大豆のお供えが。
ブルー 「どっちも今が旬だしね。十三夜は栗名月とか豆名月と呼ぶんだよ」
ジョミー「ふうん…。なんだか美味しそうだね」
サム 「それで月餅じゃなくて栗饅頭か…」
ぶるぅ 「栗たっぷりのメニューにしてみたよ! 沢山食べてね♪」
月を見ながら賑やかな宴会となっておりますが…。
ブルー 「せっかくの月だ。…高貴な人になった気分でお月見しようか」
全員 「「「え?」」」
ブルー 「昔、高貴な身分の人は月を見上げるなんてことはしなかったのさ」
スウェナ「それじゃお月見できないじゃない?」
ブルー 「水に映った月を見るんだ。池だと見上げずに済むだろう?」
マツカ 「池ですか…。でも屋上に池は無いですよ?」
ブルー 「うん。だから月を…ね」
こうやって、と宙に杯を取り出す生徒会長。
すかさず「そるじゃぁ・ぶるぅ」が銘酒を持ち出し、トクトクトク…と。
ブルー 「名月を映したお酒というのもオツなものだよ。あ、でも…」
君たちは未成年だっけ、と生徒会長。
お茶やジュースに映した月では今一つ風情がありません。
高貴なお月見、シャン学メンバーは諦めるしかないのでしょうか…?
2011/10/09 (Sun)
☆地上の名月
中秋の名月とセットだという十三夜の月。
片方しか見ない片見月は良くないとかで、運悪く雨になった場合は月の役を
キース君が務めることに決まっていました。サイオニック・ドリーム仕立ての
坊主頭を月に見立てて懐中電灯で照らすのです。
ブルー 「いいお天気になっちゃったからキースの出番は無かったねえ…」
キース 「日頃の行いがいいからな。てるてる坊主も作ったんだぞ」
ジョミー「えっ、晴れ乞いの祈祷じゃないの?」
キース 「私的なことで仏様に縋るのは俺の主義に反する」
サム 「へえ…。俺、色々頼んでいるけどなあ…」
ブルー 「最初は身近なことからお願いするのが一番だよ。人間だもの」
頑張って、とサム君を励ます生徒会長。
ブルー 「高みへのステップは一歩一歩を着実に! それが大切」
キース 「そのとおりだな。背伸びは良くない」
ブルー 「でもさ、高みというのは憧れだよね。不自由もあるけど」
キース 「なんの話だ?」
ブルー 「月を見上げてもいけない、とかさ」
シロエ 「さっきのお月見の話ですね。高貴な人も大変そうです」
マツカ 「池に映った月も風情がありますけどね」
ブルー 「高貴なお月見、したいだろう? お酒は無理でも実現可能」
全員 「「「え?」」」
ブルー 「見上げずに済めばいいんだからね。出番だよ、キース」
キース 「ちょっと待て! なんで俺が!?」
悲鳴が響き渡りましたが、無駄な抵抗というもので。
ブルー 「うん、本当にいい月だ。懐中電灯も要らないや」
ぶるぅ 「お月様もキースもピカピカだよね♪」
墨染めの衣に着替えさせられたキース君の坊主頭に十三夜の月が煌々と。
マンションの屋上と空の上とで名月の共演でございます。
ブルー 「さあ、飲んで、飲んで。君は大学生だろう?」
キース 「くっそぉ、飲まずにいられるかぁ!」
ヤケ酒を呷るキース君。
連休最終日は二日酔いで潰れていたとか、いないとか…。
生徒会長の家でゴロゴロするだけの怠惰な休日も、たまにはいいかも?
2011/10/10 (Mon)
☆生徒会長の復活
連休が終わり、登校してきたシャン学メンバーを待っていたのは…。
ブルー 「やあ、キース。二日酔いは治ったかい?」
キース 「人聞きの悪いことを言うな!」
ブルー 「まだ先生は来てないよ。それにさ、君は大学生だし…」
キース 「誰が飲ませたんだ、誰が!」
教室のあちこちで「飲酒ですって」「補導だ」「停学だ」と囁く声が。
この状態でグレイブ先生が来るとマズイのは確か。キース君は仏頂面で。
キース 「あんたは何をしてるんだ? またイベントの予感でもしたか?」
ブルー 「捻挫が治ったのをアピールしにね。みんなに心配かけちゃったし」
ジョミー「なんだあ…。じゃあ、授業は?」
ブルー 「そっちはパス。朝のホームルームが済んだらサボリ」
言葉通りに姿を消した生徒会長。けれど復活の噂は広まるのも早く…。
ゼル 「ブルーの足が治ったそうじゃな」
ブラウ 「そうらしいねえ、あたしはお目にかかってないけど。…おや?」
昼休みに休憩中の長老の先生方の所に生徒会長がやって来ました。
ヒルマン「おお、足の具合はもういいのかね?」
ブルー 「お蔭様で。…ハーレイはまだ仕事中かな?」
ブラウ 「仕事が溜まったみたいだよ。あんたの捻挫で落ち着かなくて」
ゼル 「見舞いの花を届けることしか頭になかったみたいじゃからのう」
ブルー 「そっか。じゃあ、このメンバーでもかまわないか…」
エラ 「何か相談ごとですか?」
ブルー 「うん。快気祝いをしたいんだよ。みんなに心配かけたから」
長老たち「「「快気祝い?」」」
ブルー 「そう。生徒会主催の運動会の締めが車椅子での挨拶じゃねえ…」
全校生徒に申し訳ないと言う生徒会長に先生方も納得です。
ブラウ 「でも、快気祝いって何をするんだい?」
ブルー 「定番はお赤飯だよね。ただ、高校生にはウケそうにないし…」
敬老の日じゃないんだから、と生徒会長。どうやら何かを配るようです。
教頭先生から毟った慰謝料で大盤振舞い開催ですか?
2011/10/11 (Tue)
☆大盤振舞い計画中
捻挫の快気祝いをしたいのだ、と長老の先生方に頼みに行った生徒会長。
お赤飯ならぬ何かを全校生徒に配りたいらしく…。
ブルー 「カレーにしようと思うんだ」
ブラウ 「レトルトカレーを配るのかい?」
ゼル 「赤飯よりはウケそうじゃが、レトルトはあまり感心せんのう」
ブルー 「ううん、出来たてのカレーだってば」
ヒルマン「なるほど、学食のランチ券だね」
ブルー 「そうじゃなくって、ホントの本物! カレーの炊き出し!」
長老たち「「「炊き出し!?」」」
ブルー 「出張して作ってくれるお店があるんだよ」
本場モノの本格派、とカレー専門店のチラシを取り出す生徒会長。
ゼル 「ほほぉ…。本場の味をお届けします、と書いてあるのう」
ブルー 「辛さも色々調節できるし、激辛カレーに挑戦もいいね」
ブラウ 「挑戦? 早食い競争でもする気かい?」
ブルー 「どうせなら賑やかにやりたいじゃないか。賞品も出して」
ヒルマン「全校生徒の分のカレーと賞品…。高くつくんじゃないのかね」
ブルー 「ぼくの捻挫が癖になっていたら大変だよ? それを思えば…」
ゼル 「なんじゃと? まさか、金を出すのは…」
ブルー 「あ、分かった? ハーレイに頼もうと思ってさ」
長老たち「「「ハーレイ!?」」」
愕然とする先生方ですが、生徒会長はニッコリ笑って。
ブルー 「本当は当たり屋をやりたいんだけど、破産されても困るしね」
ゼル 「当たり屋?」
ブルー 「うん。教頭室の前の廊下で」
長老たち「「「………」」」
そこへ仕事が一段落した教頭先生がやって来ました。
ハーレイ「ブルー、捻挫はもういいのか? 本当にすまなかった」
ブルー 「心の底からそう思ってる?」
ハーレイ「もちろんだ。謝って済むものでもないが…」
ブルー 「じゃあ、態度」
ハーレイ「態度?」
ブルー 「態度で誠意を示して欲しいな」
ちょうど相談してたんだ、と長老の先生方に視線を向ける生徒会長。
教頭先生の運命や如何に…?
2011/10/12 (Wed)
☆カレーなる快気祝い
捻挫の快気祝いに全校生徒にカレーを振舞おうという生徒会長。
資金源にロックオンされたのは…。
ブルー 「ハーレイ。本当に悪いと思っているなら出資して欲しいね」
ハーレイ「出資だと?」
ブルー 「全校生徒に快気祝いに振舞うカレーと、賞品代」
ハーレイ「カレー? なんだそれは」
ゼル 「高校生には赤飯よりもカレーじゃろう。賞品は御愛嬌じゃな」
ブルー 「そういうこと。激辛カレーの早食い競争もしようかな、って」
ブラウ 「いつやるんだい?」
ブルー 「今週の金曜日はどう? お昼休みに」
ゼル 「面白そうじゃのう。要は許可すればいいんじゃな」
エラ 「晴れたらグラウンド、雨なら体育館でいいのかしら?」
ブラウ 「そんなとこだろ。じゃ、決まりだね」
ハーレイ「わ、私の返事はまだなのだが…」
ヒルマン「ブルーが捻挫したのは君のせいなのだよ? 諦めたまえ」
というわけで、終礼の時に全校生徒にお知らせの紙が配られました。
生徒会長の快気祝いにカレーの御馳走。
更に希望者は激辛カレーの早食い競争に挑戦可能!
ジョミー「ブルーが教室に来るのはイベントの時かと思ってたけど…」
キース 「自分がイベントをやらかす時にも来るんだな」
シロエ 「激辛カレーの早食いですか…。どうしようかな?」
シャン学メンバー、あれこれ話しつつ「そるじゃぁ・ぶるぅ」のお部屋へと。
ぶるぅ 「かみお~ん♪ 金曜日のお昼はカレーなんだよ!」
ジョミー「うん、知ってる。早食い競争もあるんでしょ?」
ブルー 「優勝すると学食のランチが1ヶ月間、無料になるんだ」
キース 「1ヶ月か…。あんたも太っ腹だな」
マツカ 「カレーのお金も出すんですよね、会長が…。素晴らしいです」
ブルー 「誰が自分で出すって言った? 今頃、ハーレイは真っ青だよ」
その頃の教頭先生、カレー専門店に電話をかけて団体割引をして貰えるのか
脂汗を流しながら交渉中。
破産とまではいかないでしょうが、今月の生活は厳しいかも…?
2011/10/13 (Thu)
☆カレーの日
やってきました、金曜日。
生徒会長の快気祝いで、お昼休みに全校生徒に本格派カレーの大盤振舞い!
ブルー 「早食い競争は登録済みだよね」
ジョミー「もちろん! 激辛カレー、どんなのかな?」
サム 「一口で汗が噴き出すって話だぜ」
シロエ 「登録者は殆ど男子みたいですね」
スウェナ「そりゃそうよ。私も登録してないもの」
キース 「俺はどうでもよかったんだが、逃げるのかって言われるとな…」
ブルー 「君の家ではカレーは滅多に出ないんだろう? 楽しまないとね」
キース君の家はお寺ですから、匂いの強いカレーはタブー。
年に数回しか出てこない幻の「おふくろの味」でございます。
ブルー 「グラウンドのテントでカレー作りが始まってるよ」
マツカ 「御飯もあそこで炊くんですね。美味しそうです」
イベント好きの生徒会長、朝から1年A組に出席中。
そして昼休み前の4時間目、シャン学メンバーにサボリの指令が。
キース 「おい。なんでぶるぅの部屋なんかに…。授業中だぞ」
ブルー 「出席義務は無いだろう? 早食い競争の件で打ち合わせ」
全員 「「「は?」」」
ブルー 「優勝者が多いほどハーレイの財布に大ダメージなんだ」
シロエ 「え? 優勝者は一人だけでしょう?」
ブルー 「同時に完食すれば複数になる。目標は五人」
全員 「「「五人?」」」
ブルー 「そう。君たち男子組と同じ人数さ」
キース 「なんだと? それじゃエントリーしろと煽っていたのは…」
マツカ 「優勝しろってことですか?」
ブルー 「ハズレ。君たちは優勝候補のサポート係!」
全員 「「「サポート係?」」」
優勝候補が激辛カレーを完食するのをサポートしろ、と生徒会長。
瞬間移動でお皿からお皿へカレーを転送してくるらしいです。
キース 「つまり、俺たちに余分に食べろと?」
ブルー 「うん。優勝候補は適当に選ぶ」
食べて食べて食べまくれ、と言われてしまった男子たち。
胃袋と舌は大丈夫なのか…?
2011/10/14 (Fri)
☆大盤振舞い開催中
昼休みになり、全校生徒がグラウンドに集合でございます。
特設テントでは御飯が炊き上がり、幾つもの大鍋でカレーがグツグツ。
美味しそうな匂いが漂う中で進み出たのは生徒会長。
ブルー 「運動会では心配かけて悪かったね。お蔭様で足はもう大丈夫」
快気祝いにカレーを御馳走するよ、との挨拶に全校生徒は大歓声です。
用意された食器を持ってテントに行けば盛りつけて貰える本格派カレー。
更に、予め登録済みの生徒には…。
ブルー 「激辛カレーは向こうのテント! 配り終えるまで食べないように」
一番早く食べ終えた人は学食のランチが1ヶ月間無料と聞いて、また歓声。
生徒会長の挨拶が済むとテントにたちまち行列が…。
ブラウ 「やっぱりカレーは大人気だねえ。赤飯じゃこうはいかないか…」
ゼル 「無理じゃろうな。ハーレイには赤飯の方が良かったじゃろうが」
ヒルマン「赤飯の方が安いからな」
ハーレイ「ブルーがやりたいと言った以上は仕方ない。責任は全て私にある」
ブラウ 「あんたのせいで捻挫だしね。で、あたしたちの分もあるのかい?」
ハーレイ「教職員の分も用意した。毒を食らわば皿までだ」
というわけで、先生方もカレーのお相伴に与ることに。
一方、激辛カレーの挑戦者たちは…。
ブルー 「配り終わったみたいだね。それじゃ、スタート!」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ 頑張ってね!」
グラウンドの一画に集められた挑戦者たち、一斉にスプーンを握りました。
一口で汗が噴き出すと噂のカレーに見物客も集まっています。
ブラウ 「おやおや、ずいぶん大勢いるもんだ」
ゼル 「わしも生徒だったら挑んだんじゃが、誰が勝つかのう?」
グレイブ「私のクラスの特別生たちもエントリーしているようですな」
ブラウ 「まさかヤラセじゃあるまいね?」
ゼル 「それは無いじゃろ。誰が勝っても大して変わらん」
カカカと笑うゼル先生。
ジョミー君たちが激辛カレーを余分に食べる運命だとは知らぬが仏…?
2011/10/15 (Sat)
☆贔屓な結末
先生方もカレーを食べながら見守っている激辛カレーの早食い競争。
言い出しっぺの生徒会長はカレーを食べつつ、思念波を使ってコソコソと…。
ブルー 『この調子だと五人同時に優勝させられそうだね』
ぶるぅ 『うん! 激辛カレーも美味しいね♪』
ブルー 『サムのお皿にはココナッツミルクを転送する予定だったのに…』
ぶるぅ 『味見したらハマっちゃったんだもん!』
サム君と公認カップルを名乗る生徒会長、贔屓するつもり満々でした。
激辛カレーもココナッツミルクを入れれば普通の辛さになりますし!
ところがサム君のお皿から瞬間移動で味見した「そるじゃぁ・ぶるぅ」が気に
入ってしまい、サム君に転送する分の激辛カレーを自分でパクパク。
ブルー 『ぼくは味見で充分かな。やっぱり辛いや』
まだ口の中がヒリヒリする、と言う生徒会長が味見したのもサム君のお皿。
つまりサム君、「そるじゃぁ・ぶるぅ」と生徒会長がコッソリ試食した分だけ
カレーが少ないわけですね。
余分に転送されても来ませんし! そして…。
ブルー 「全員、ストーップ!」
カラン、カラン…と「そるじゃぁ・ぶるぅ」が鐘を鳴らして。
ブルー 「食べ終えた人は手を挙げて!」
ぶるぅ 「五人いるよ!」
ブルー 「じゃあ、五人が同時に優勝だね。おめでとう!」
生徒会長、目録を書いて五人に渡しに行きました。
1ヶ月分のランチ代を五人分も背負う羽目になった教頭先生、顔面蒼白。
優勝者のサポートを頑張ったキース君たちは激辛カレーで真っ赤な顔。
ジョミー「サムって辛さに強かったんだ…」
サム 「おう! あの程度なら大丈夫だぜ」
キース 「俺は胃袋が焼けそうだがな…。余分に食うのは二度と御免だ」
サム君が贔屓されていた事実が明るみに出るのは放課後のこと。
他の男子には「そるじゃぁ・ぶるぅ」が胃に優しいハーブティーを用意していた
ようです。
教頭先生の財布とジョミー君たちに大打撃だった快気祝いは、これにて終了!
2011/10/16 (Sun)