☆生徒会長の優雅な休日
今日は月曜。
運動会の準備が始まって以来、練習だの敬老の日だのと週末と休日は殆ど
揃って過ごしたシャン学メンバー、昨日と一昨日は久しぶりにそれぞれの
休日を満喫できたみたいです。
ぶるぅ 「かみお~ん♪ これ、デートのお土産に貰ったんだよ!」
ジョミー「デートのお土産って…なに?」
ブルー 「ぼくとフィシスのデートのお土産! ぶるぅは留守番」
キース 「最悪だな。子供を放っておいて優雅にデートか…」
ブルー 「だって、ぶるぅは全然気にしてないし!」
ぶるぅ 「お留守番だって楽しいもん。お料理しながら待ってたんだ♪」
良い子の「そるじゃぁ・ぶるぅ」は生徒会長とフィシスさんのために夕食まで
作っていたらしく…。
キース 「いじらしいと言うか、なんと言うか…」
シロエ 「そりゃ、お土産も貰えますよね」
ジョミー「でもさぁ…。キャンデーくらいで丸めこむなんて…」
キース 「そうだな。ぶるぅ、次からもっと沢山お願いしておけ」
ぶるぅ 「えっ、キースも欲しいの? どの味がいい?」
分けてあげるね、とニコニコ顔の「そるじゃぁ・ぶるぅ」。
キース 「いや、そうじゃなくて…。まあ…いいか…」
マツカ 「本人が気にしていないんですから、いいんじゃないですか?」
ぶるぅ 「よく分かんないけど、みんなの分もキャンデーあるよ♪」
ジョミー「じゃあ、オレンジ!」
キース 「こらぁ、調子に乗るヤツがあるか!」
ぶるぅ 「いいんだもん。気に入ってるのは入れ物だもん」
スウェナ「あらら…。キャンデーよりも入れ物なの?」
ぶるぅ 「この季節にしか買えないでしょ?」
サム 「確かに季節限定だよな…」
キャンデーが入っているのはオレンジ色のカボチャの器。
いわゆるジャック・オー・ランタンというヤツでございます。
貰って御機嫌の「そるじゃぁ・ぶるぅ」は気前よくキャンデー配布中!
なんとも安上がりなお土産ですけど、生徒会長にはいつものことかな…?
2011/10/17 (Mon)
☆ハロウィンは無いの?
生徒会長のデート土産はハロウィン仕様の器に詰まったキャンデー色々。
キース 「もうちょっと土産を工夫すりゃいいのに」
シロエ 「美味しいですけど、他にクッキーもつけるとか…」
ブルー 「間違えないでほしいね。ちゃんと注文は取ったんだ」
ぶるぅ 「可愛いカボチャの入れ物がいいな、ってお願いしたよ!」
キース 「だからだな、なんで1個で満足するんだ」
ぶるぅ 「えっ? 同じのを幾つも要らないよ」
キース 「この時期、カボチャの入れ物に入った菓子は色々あるだろう?」
スウェナ「そうよ、持ち切れないほど買ってきて、って言えばいいのに」
ワイワイ騒ぐシャン学メンバー。生徒会長、旗色悪し…?
しかし。
ジョミー「よく考えたら今月の末ってハロウィンだよね」
サム 「考えなくてもハロウィンじゃねえか」
そこら中カボチャで一杯だ、とサム君。
ジョミー「そうなんだけど、ウチの学校にハロウィンは無いよね…」
マツカ 「学校でハロウィンっていうのは珍しいんじゃないですか?」
シロエ 「運動会とか学園祭ほどメジャーな行事じゃないですよねえ…」
ブルー 「ハロウィンをやりたいって言うのかい? 学校で?」
ジョミー「もしかして、やれば出来るとか? 運動会みたいに?」
ブルー 「さあ、どうかな? 今の状態じゃ難しそうだけど」
全員 「「「え?」」」
ブルー 「先生たちに掛け合えるのはぼくだけだ。…ぼくの機嫌は?」
ジョミー「…そ、そのぅ…。非常に悪い…です……」
ブルー 「久しぶりのデートを散々けなされまくっちゃねえ…」
ジョミー「やばいよ、キース! 謝ってよ!」
キース 「ちょ、なんで俺が!?」
とはいえ、率先して文句を言っていたのはキース君です。
生徒会長は勝ち誇った顔でニヤニヤと…。
キース 「うう…。俺が悪かった。このとおりだ」
坊主にハロウィンは関係ないが、と断りつつも土下座一発!
土下座に免じてハロウィンは実現可能なのか…?
2011/10/18 (Tue)
☆ハロウィンを目指せ
キース君の土下座で機嫌を直した生徒会長。
キャンデーが入ったカボチャの器を弄びながら…。
ブルー 「実際問題、ハロウィンをやりたいと持ち掛けるのは難しいんだよ」
キース 「おい。だったら俺の土下座はどうなる?」
ブルー 「五体投地をしたと思っておけば? …冗談だってば」
ジョミー「やっぱり学校でハロウィンっていうのは無理なわけ?」
シロエ 「ただのお祭り騒ぎですしねえ…」
マツカ 「必要だって主張する理由が見当たりませんね」
ブルー 「そこなんだよね。開催するにはそれなりの根拠が要るわけで…」
サム 「そっか…。遊びたいだけっていうんじゃダメか…」
スウェナ「学校は遊ぶ所じゃないものね」
ブルー 「先生たちはお祭り好きだし、OKは出そうなんだけど…」
キース 「それなら頼めばいいだろう? 俺はきちんと土下座したんだ」
ブルー 「どうやって頼むかが問題なんだ。生徒会主催は通らない」
生徒会長曰く、生徒会は腐っても生徒会。
全校生徒の利益のためにある団体で、新しい行事をやるには理由が必要。
ブルー 「運動会は大抵の学校にあるから主催できた。でもハロウィンは…」
キース 「もういい。要するに俺はあんたに騙されたんだな」
土下座して損した、とキース君は溜息ですが。
ブルー 「そうでもないよ? 主催するのは生徒会でなくてもいいし」
全員 「「「は?」」」
ブルー 「学園祭とかの実行委員会ってあるだろう? ウチには無いけど」
シロエ 「よく聞きますね、そういうのは」
ブルー 「ハロウィンの実行委員会を結成しよう。それを母体に交渉する」
ジョミー「ま、まさか…ぼくが委員長ってオチじゃないよね?」
ブルー 「実行委員長はぼくがやるのさ。君たちはオマケ」
全員 「「「オマケ?」」」
ブルー 「これだけの人数を揃えました、って形が大事! 分かったかな?」
かくしてハロウィン実行委員会の出来上がり。頑張れ、実行委員長!
2011/10/19 (Wed)
☆ハロウィン実行委員会
シャングリラ学園初のハロウィン開催を目指す実行委員会が誕生です。
自ら実行委員長を買って出た生徒会長ですが…。
ブルー 「先生たちとの交渉に行く前に色々と決めておかなくちゃ」
ジョミー「何を?」
ブルー 「具体的には何をするのか、そういうのをね」
サム 「やっぱ仮装は外せねえぜ!」
シロエ 「飾り付けとかもしたいですよね」
キース 「学校中を飾れってか? 俺たちだけでは無理があるぞ」
スウェナ「やりたい人はいくらでもいるんじゃないかしら?」
ブルー 「多分ね。飾り付けは全校生徒に任せて安心!」
キース 「だったら俺たちが決めるようなことは特に無いんじゃ…」
ブルー 「そうでもないさ。悪戯はOKなのかとか、その辺を」
ジョミー「生徒同士で悪戯じゃないよね?」
ブルー 「もちろん、やるなら先生相手だ。授業中では無理があるし…」
放課後かな、と生徒会長。
ブルー 「そうだ、先生たちにも仮装して貰うのはどうだろう?」
キース 「仮装した先生には悪戯禁止か?」
ブルー 「それじゃつまらないよ。無差別攻撃で行こう」
ジョミー「じゃあ、生徒は仮装が基本なんだね」
ブルー 「授業も仮装で受けるのはどう? 華やかだよ」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ 授業には興味ないけど、仮装はしたいな♪」
額を集めて相談していたハロウィン実行委員会。
プランが固まった所で生徒会長が交渉をしにお出掛けです。
長老の先生方は本館の休憩室でのんびりなさっている模様。
ブルー 「失礼します」
ゼル 「なんじゃ? わしらは休憩中じゃぞ」
ブルー 「ハロウィン実行委員会の委員長としてお願いをしに…ね」
ブラウ 「ハロウィン実行委員会? なんだい、それは」
ブルー 「出来たてほやほやの委員会だよ。ハロウィンの開催が目的なんだ」
ハーレイ「ハロウィンだと?」
ブルー 「うん。賑やかにやりたいと思わないかい?」
パチンとウインクする生徒会長。先生方の承諾は得られるのか?
2011/10/20 (Thu)
☆ハロウィン決定!
俄か仕立てのハロウィン実行委員会。
放課後、休憩中の長老の先生方の所へ突撃したのは委員長の生徒会長です。
ブルー 「ハロウィンってさ、ウチの学校にお似合いの行事だと思うんだよ」
ハーレイ「何処がだ?」
ブルー 「先生も生徒もお祭り好きだし、やったら絶対楽しめるって!」
ヒルマン「しかしだね…。授業日数は決まっているのだよ」
ブラウ 「ハロウィンは生憎、月曜日だね。それとも前日にやるのかい?」
ブルー 「当日でなくちゃ意味無いよ。だから実行委員会!」
生徒会だと縛りがキツイ、と生徒会長。
ブルー 「心配しなくても授業時間は確保する。悪戯するのは放課後限定」
ゼル 「ほお…。悪戯とな? わしらにか?」
ブルー 「お菓子を用意してれば避けられるってば。ハロウィンなんだし」
ブラウ 「ふうん、なかなか楽しそうじゃないか」
エラ 「具体的には何をやりたいのです?」
ブルー 「悪戯と仮装、それと校内の飾り付け! ハロウィンっぽくね」
ハーレイ「お前たちが飾り付けるのか?」
ブルー 「そんな面倒なことはしないよ。実行委員会は指示を出すだけ」
ヒルマン「確かに皆喜んでやるだろうが…。ハロウィンか…」
ブラウ 「いいんじゃないかい、授業に支障が出ないなら」
ゼル 「特に反対する理由はないのう。…どうじゃ、ハーレイ」
ハーレイ「校長先生に伺ってこよう。ブルー、お前も一緒に来なさい」
校長先生の許可は簡単に下り、生徒会長は御満悦です。
ブルー 「校長先生のOKは出たし、ハーレイたちも仮装すれば?」
ブラウ 「いいねえ、お祭り気分が盛り上がりそうだ」
ハーレイ「仮装か…。一応、考えておこう」
こうしてハロウィン、開催決定!
生徒会長が立ち去った後の休憩室では…。
ハーレイ「やはり保険に入っておくのが一番だろうな」
ブラウ 「あー…。ロッカーとか机は危ないかもね」
用心深く保険に加入。飾り付けだの悪戯だので備品の破損は有り得るかも?
2011/10/21 (Fri)
☆頑張る実行委員会
ハロウィン開催の許可を貰って無事に帰還した生徒会長。
実行委員会、本格始動?
ジョミー「やったね、今月の末はハロウィンだ!」
キース 「しかし責任重大だぞ。俺たちは実行委員会だし…」
シロエ 「色々と用事がありそうですね。楽しむだけじゃ済まないかも…」
ブルー 「そうでもないと思うけど? 実動部隊はアテがあるから」
全員 「「「は?」」」
ブルー 「生徒会はノータッチだけど、生徒会役員を個人的に呼ぶのはOK」
キース 「どういう意味だ?」
ブルー 「ほら、ぼくだって生徒会長だし! リオを呼んでも問題ないよ」
マツカ 「リオさん…ですか?」
ブルー 「書記と言いつつ生徒会の仕事は殆どリオがやってるからねえ…」
きっと色々役に立つ、と生徒会長は自信満々。
実行委員会のお手伝い役としてメンバーに加えるつもりだそうで。
ブルー 「ぼくから連絡しておくよ。今日の所はこれで解散!」
キース 「おい、みんなへの告知とかは?」
ブルー 「その辺も全部任せておいて。こういうことは急がないとね」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ また明日、みんなで遊ぼうね!」
というわけで実行委員会の面々は下校。
本当にハロウィンに間に合うのかな、と誰もが不安だったようですが…。
一夜が明けて登校してみたシャングリラ学園の校内は。
ジョミー「わあっ、ハロウィンのポスターだ!」
スウェナ「凝ってるわね。リオさんが作ったのかしら?」
キース 「だろうな。ブルーが仕事をするとは思えん」
オレンジと黒のハロウィンカラーなポスターが掲示板に貼られています。
曰く、『10月31日はハロウィンだよ!』。
他にも「お楽しみに」とか「仮装歓迎」などなどの文字が。
もちろんカボチャやオバケのイラストはお約束!
キース 「詳細はお知らせプリントを見て下さいね、か。仕事が早いな」
ポスターの前に群がる生徒たち。
グッと盛り上がってまいりました。初のハロウィン、期待大!
2011/10/22 (Sat)
☆ハロウィンのお知らせ
ハロウィンの開催告知でシャングリラ学園は朝から賑やか。
実行委員会のメンバーが1年A組の教室に行くと…。
ブルー 「おはよう。なかなか素敵なポスターだろう?」
シロエ 「リオさんの仕事なんですね?」
ブルー 「もちろんさ。お知らせプリントも頑張ってくれた」
生徒会長がやったのは仕上がりのチェックだけのようです。
ポスターを貼り出したのもリオさん。お知らせプリントの手配もリオさん。
ブルー 「朝のホームルームで配れるようにクラス担任に渡しに行ったよ」
ジョミー「じゃ、じゃあ……ウチのクラスは…」
言い終わらない内に教室の扉が開いてグレイブ先生が入ってきました。
グレイブ「諸君、おはよう。やはりブルーが来ていたか…」
ブルー 「ぼくはイベントに敏感なんだ。ハロウィンのプリントは?」
グレイブ「不本意ながら持ってきている。お前が実行委員長らしいな」
ブツブツと文句を言いつつプリントを配るグレイブ先生。
グレイブ「いいな、当日はあくまで授業優先だ。分かったか?」
生徒たち「「「はーい!」」」
グレイブ「あまり信用できそうもないが…。注意事項は守るのだぞ」
お知らせプリントをよく読むように、とガッチリ釘が。
それでも休み時間はハロウィンの話題で持ち切りです。
放課後ともなれば話題騒然!
実行委員会の面々もプリントにじっくり目を通し…。
ぶるぅ 「かみお~ん♪ 授業、お疲れさま!」
ブルー 「やあ。真面目に出席、素晴らしいよね」
キース 「ホームルームだけで帰りやがって…。まあ、いつものことだが」
ジョミー「それよりさ、お知らせプリントについてたクーポンって何?」
ブルー 「そのまんまだけど? 仮装衣装の割引クーポン」
ハロウィンはやっぱり仮装しないと、と力説している生徒会長。
日頃、シャン学メンバーが仮装パーティーの衣装でお世話になっている
店が薄利多売の精神で全面的に協力してくれるとか。
華やかなハロウィンになりそうですよ~!
2011/10/23 (Sun)
☆カボチャなお祭り
ハロウィンといえばカボチャにオバケに様々な仮装。
お祭り好きの生徒会長、大々的に仮装を推奨です。
ブルー 「仮装衣装を作ったりするのは大変だろう? だからクーポン」
ずいぶん安くなるんだよ、とニッコリ笑う生徒会長。
ブルー 「5割、6割は当たり前! 物によっては9割引きとか」
キース 「大サービスだな…。それで赤字にならないのか?」
ブルー 「その辺はちゃんとしているさ。商売だもの」
売れ筋の物ほど割引率が高いのだとか。ハロウィンだけにカボチャとか?
ブルー 「天使や悪魔が人気らしいよ。それにドラキュラとか」
シロエ 「本場で人気のヤツですよね。魔女と妖精も多いと聞きます」
ブルー 「だから、そういうのは安いわけ。君たちは何にするのかな?」
キース 「俺たちも仮装しろってか?」
ブルー 「当然じゃないか。実行委員が仮装しなくてどうすると?」
ジョミー「キースは仮装したいと思わないわけ? ぼくはしたいな」
サム 「俺もやりたい! 何にするかは決めてねえけど」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ ぼくも絶対仮装するんだ!」
スウェナ「私、妖精にしようかしら?」
マツカ 「仮装ですか…。似合うのがあるといいんですけど」
ブルー 「意外性を狙うというのもいいね。かぶりもの系も楽しいよ」
全員 「「「かぶりもの…?」」」
ブルー 「それこそジャック・オー・ランタンとか」
全員 「「「もっと普通のがやりたいです…」」」
ブルー 「そっか…。残念」
ウケるのにね、と生徒会長は心底ガッカリした様子。
キース 「ウケ狙いなら自分でやればいいだろうが」
ジョミー「そうだね、ブルーが実行委員長だし!」
せっかくだからカボチャにすれば、とワイワイ騒ぐシャン学メンバー。
そりゃハロウィンにはカボチャですけど、生徒会長がカボチャの仮装を?
言い出しっぺがババを引くのか、それとも上手く切り抜けるか。
ジャック・オー・ランタンを振られた生徒会長の明日はどっちだ!?
2011/10/24 (Mon)
☆カボチャな生徒会長
カボチャの仮装は自分がやれ、と言われてしまった生徒会長。
まさに口は災いの元でございます。
首尾よくカボチャ役を生徒会長に押し付けたシャン学メンバー、足取りも
軽く下校して…。
その翌日の休み時間にピンポンパーン♪ と校内放送のチャイムの音が。
ブルー 『生徒の皆さん、ハロウィン実行委員会からのお知らせです』
キース 「な、なんだ?」
ジョミー「何も聞いてないよ?」
ブルー 『実行委員会で協議した結果、委員長の衣装が決まりました』
全校生徒「「「???」」」
ブルー 『委員長は当日、カボチャのマスクを被って登校します』
たちまち巻き起こる悲鳴と怒号。女子生徒たちは怒り心頭!
1年A組では実行委員会のジョミー君たちに掴みかからんばかりです。
そこへ校内放送の続きが…。
ブルー 『この決定に反対の方は本館入口の目安箱に票をお願いします』
賛成の人は賛成票を、と告げて校内放送は切れました。
目安箱が設置されるのは昼休み。
ジョミー君たちがコソコソと様子を見に出掛けると…。
女子A 「すみません。ちょっと顔を貸して頂けますか?」
女子B 「皆さん、実行委員ですよね? 校舎の裏までお願いします」
キース 「穏やかじゃないな。何の用だ?」
女子C 「親衛隊を結成しました。生徒会長がカボチャだなんて…」
女子集団「「「私たち、絶対許せません!!!」」」
柔道部で鍛えたキース君たちも女子相手にはどうしようもなく、校舎の裏
まで連行されてフルボッコならぬ土下座三昧。
目安箱には反対票が溢れるほどに詰め込まれてゆき、そして放課後。
ブルー 「それで? ぼくがカボチャでいいのかな?」
全員 「「「や、やめて下さい…」」」
命が幾つあっても足りない、と悲鳴を上げるシャン学メンバー。
生徒会長、鮮やかな逆転勝ちを決めました。
ブルー 「だけどカボチャはハロウィンの華ってヤツだしねえ…」
やっぱり一人は欲しいんだよね、と生徒会長。
危うし、実行委員会!
2011/10/25 (Tue)
☆カボチャの使い道
ハロウィンの仮装にカボチャが一人は欲しい、と主張している生徒会長。
誰かが犠牲になるしかないと悟ったシャン学メンバー、ジャンケン勝負を
始めましたが…。
ジョミー「なんでスウェナは除外なわけ?」
キース 「お前、女子まで巻き込むつもりか!?」
サム 「信じられねえな…。こういう時は男が犠牲になるもんだろ?」
女子にカボチャをやらせるなんて、と非難轟々。
生徒会長も呆れ顔です。
ブルー 「女の子にカボチャのかぶりものっていうのはねえ…」
シロエ 「ドレスならアリなんですけどね…」
ブルー 「うん。仮装用にちゃんと売られてるし! …ん? ドレス…?」
待てよ、と指先を顎に当てる生徒会長。
ブルー 「そうか、カボチャは人でなくてもいいわけだ」
キース 「元からカボチャお化けの仮装だろうが」
ブルー 「いや、そうじゃなくて。人間がカボチャに化けなくっても…」
要はカボチャがあればいいんだ、と何やら閃いた様子です。
ブルー 「実行委員会は目立たなくちゃ! 一番大きなカボチャでいこう」
全員 「「「は?」」」
ブルー 「カボチャを馬車に変えて見せるんだ。ぶるぅのサイオンで」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ シンデレラの馬車だね!」
全員 「「「シンデレラ!?」」」
ブルー 「本物の馬車と入れ替えれば絶対ウケると思うよ、魔法っぽく」
キース 「なるほどな…。それはいいかもしれん」
ブルー 「決まりだね。じゃあ、君たちはネズミ役で」
全員 「「「ネズミ?」」」
ブルー 「ネズミの仮装からお供と御者に大変身! ぶるぅが魔法使い役」
ジョミー「え? そ、それじゃブルーは…」
ブルー 「シンデレラを実行委員長以外の誰がやると?」
すっかりやる気の生徒会長、仮装衣装店に早速電話を。
カボチャの馬車も何処からか借りられるツテがあるようで…。
ブルー 「みんなの仮装も早く決まって良かったよね。でも…」
考え込んでいる生徒会長。何か良からぬ企みでも…?
2011/10/26 (Wed)
☆流転のカボチャ
ハロウィン実行委員会の仮装はシンデレラ。
衣装も発注して準備OK!
校内はハロウィンに向けて飾り付けをしている生徒も数多く…。
ジョミー「ロッカーにペイントしちゃっていいのかな?」
キース 「恐らく止めても無駄だと思うが」
先生方が危惧したとおり、ロッカーにはカボチャや骸骨のイラストが。
個人の机も似たようなことになっております。
教室も廊下もカボチャだのコウモリだのとオーナメントが所狭しと。
生徒たちは当日の仮装で話題沸騰!
実行委員会を立ち上げた甲斐があった、とシャン学メンバーも大喜びです。
ジョミー「ブルー、カボチャは諦めたんだよね?」
サム 「馬車で満足したんだろ。あれっきり何も言わないし…」
シロエ 「ちょっと心配してたんですけど、杞憂でしたね」
良かった、良かった…と放課後の溜まり場に出掛けたシャン学メンバー。
ブルー 「やあ。ちょっと付き合ってくれるかな?」
ジョミー「何処へ?」
ブルー 「教頭室だよ。シンデレラをやるなら王子がいないと」
ハーレイが適役なんだ、と先頭に立って出掛けた生徒会長。
教頭先生、王子の仮装をしろと言われて目を白黒。
ハーレイ「私がか? 仮装衣装はとっくに注文したのだが…」
ブルー 「衣装はこっちで用意するよ。それに変身は昼休み以降」
ハーレイ「変身?」
ブルー 「うん。シンデレラだから変身するのさ」
それまでは全員違う衣装だ、と説明してから。
ブルー 「ぼくがシンデレラ姫なんだけど、王子は嫌かな?」
ハーレイ「…わ、私でいいのか…?」
大感激の教頭先生、二つ返事で引き受けました。
さて、溜まり場に戻った実行委員会ですが…。
ブルー 「やったね。これでカボチャは確保した」
全員 「「「え?」」」
ブルー 「王子様の衣装はカボチャパンツがお約束だろ?」
こんな感じで、とデザイン画を見せる生徒会長。
既に発注済みというのが極悪です。回り回ってカボチャ役も決まり、後は
当日を待つのみですよ~!
2011/10/27 (Thu)
☆ハロウィン開幕!
いよいよハロウィンがやって来ました。
仮装での登校は禁止ですから、指定の場所で着替えです。
シャン学メンバーは「そるじゃぁ・ぶるぅ」のお部屋で着替えるのですが。
ジョミー「…ネズミって言わなかったっけ?」
ブルー 「ネズミだよ?」
ジョミー「確かにスウェナはネズミだけど…」
スウェナは一足お先に着替え済み。白いネズミ耳に白いケープとスカート、
可愛いハツカネズミです。しかし…。
キース 「俺たちの分の耳は何処だ?」
ブルー 「耳が無くてもネズミだってば。その服があれば」
男子全員「「「???」」」
首を捻りながら奥の小部屋に入った男子。戻って来た時には…。
ブルー 「うん、上出来。仕上げにコレをね」
渡されたのは顔から左右にはみ出すネズミのヒゲ。
そして男子が纏う衣装は引き摺りそうな長さで灰色、フードつき。
キース 「おい。…この格好はネズミ男と言わないか?」
ブルー 「ネズミ男さ。フードは絶対外しちゃダメだよ」
シンデレラでなければ目玉親父も欲しい所だ、と生徒会長。
シロエ 「ネズミ男は妖怪じゃないかと思うんですけど…」
ブルー 「だからハロウィンらしくていいだろ? 普通のネズミより」
キース 「これでネズミだと主張するのは難しそうだが」
ブルー 「カボチャが馬車に変わった後ならピンとくるさ」
大丈夫、と言う生徒会長は地味なドレスにエプロン姿。
魔法使い役の「そるじゃぁ・ぶるぅ」は昼休みまで出て来ないそうで…。
ブルー 「じゃあ、行こうか。ネズミ男の集団というのもオツなものだよ」
キース 「ハロウィンだけに妖怪ときたか…」
溜息をつきつつ教室に向かったネズミ男なシャン学メンバー。
もちろん生徒会長も一緒ですが。
ジョミー「…ネズミ男が何人いたって目立たないかもね…」
キース 「……確かにカオスだ……」
天使に悪魔に骸骨お化け。着ぐるみ、かぶりものと何でもアリな状態です。
百鬼夜行の巷と化したシャングリラ学園、ハロウィン開幕!
2011/10/28 (Fri)
☆カオスな先生たち
生徒も先生もお祭り好きのシャングリラ学園。
仮装していない生徒の姿は皆無と言っていいでしょう。
そんな中でも授業はきちんと行うというのが先生方とのお約束で…。
グレイブ「諸君、おはよう。いや、ハッピー・ハロウィンと言うべきか?」
生徒全員「「「……スゴイ……」
1年A組に現れたグレイブ先生、なんとドラキュラでございます。
立派な牙まで生やしていたり…。
グレイブ「いいかね、悪戯は放課後まで禁止だ。秩序は守ってもらいたい」
生徒全員「「「はーい!」」」
グレイブ「では、今日は存分に楽しみたまえ」
ドラキュラらしい高笑いを残してグレイブ先生は去ってゆきました。
1時間目の授業は厳格なエラ先生。仮装は期待出来なさそうですが…。
エラ 「皆さん、ハッピー・ハロウィン!」
生徒全員「「「えぇっ!?」」」
出現したのは甲冑で固めた女騎士。羽根飾りつきの兜を抱えています。
これはなかなか凄いかも…。休み時間になると早速情報交換が。
生徒A 「ブラウ先生は女海賊だったってよ」
生徒B 「ゼル先生が孫悟空をやっていたって聞いたわ」
生徒C 「え、どっちの? まさかカメハメ波?」
生徒D 「それじゃ地味すぎるだろうが! 頭に輪っかの方のヤツだよ」
ワイワイと騒ぐクラスメイトたちに生徒会長も満足そうです。
ブルー 「いいねえ、先生も生徒も百花繚乱! これぞハロウィン」
キース 「まさかここまでド派手なことになるとはな…」
シロエ 「ヒルマン先生は地味らしいですよ?」
サム 「へえ…。何だろう?」
ジョミー「ほら、フライドチキンの店先のアレ」
マツカ 「似合ってるかもしれませんね…」
スウェナ「教頭先生は?」
ブルー 「ウチのクラスが最初の授業! 現時点では目撃者はゼロ」
ゴクリ、と唾を飲み込むシャン学メンバー。
教頭先生、最終的にはカボチャパンツの王子の仮装になるわけですが…。
自前で用意した仮装衣装はカボチャパンツよりも似合ってるかな?
2011/10/29 (Sat)
☆ハロウィン開催中
教頭先生が何の仮装かは目撃者無し。
最初の授業が行われる1年A組、生徒もシャン学メンバーもワクワクです。
ガラリ、と前の扉が開いて…。
ハーレイ「ハッピー・ハロウィン!」
生徒全員「「「!!!」」」
これはスゴイ、と誰もが仰天。
教頭先生の首を貫くぶっといボルト。顔には縫い目が描かれています。
体格の良さを生かしたフランケンシュタイン、よくお似合いで…。
ブルー 「うんうん、自分を知るというのはいいことだよね」
ハーレイ「何か言ったか?」
ブルー 「いえ、何も」
そう言いつつもクスクス笑い続ける生徒会長。
教頭先生、開き直って授業を始めました。私語や他所見には雄叫びで注意。
非常に人気を博したようで、授業が終わると追いかけて写真撮影する人も。
そして昼休み前の最後の休み時間に校内放送がピンポンパーン♪ と。
リオ 『ハロウィン実行委員会からのお知らせです』
ジョミー「何かあったっけ?」
キース 「注意事項の確認じゃないか?」
リオ 『ジャック・オー・ランタン・コンテストの投票をお願いします』
シロエ 「ああ、そういえばありましたっけね、コンテスト」
キース 「思い切り後付け設定のな…」
ブルー 「カボチャを主役にしたかったんだよ。カボチャの馬車だし!」
絶対目立ちたかったのだ、と言う生徒会長の思い付きがコンテスト。
希望する生徒はカボチャを貰ってジャック・オー・ランタンを作るのです。
もちろんすぐには作れませんから、事前申し込み制になっていて…。
リオ 『出品作品はグラウンドで展示中、投票時間の締切は…』
昼休み開始後15分で投票締切、即、開票…と続く放送。
リオ 『そのまま表彰式となります。皆さん、昼休みはグラウンドへ!』
ワッと湧き立つ全校生徒。グラウンドは恐らく大賑わいかと…。
ブルー 「よし、いい感じに人が集まりそうだ」
カボチャの馬車は派手にやらなくっちゃ、と生徒会長。
ちゃんとカボチャは用意したのか…?
2011/10/30 (Sun)
☆カボチャの大変身
ハッピー・ハロウィン!
やって来ました、昼休み。
グラウンドではジャック・オー・ランタン・コンテストを開催中。
シャン学メンバーも急いで投票!
ジョミー「個性的なカボチャが多いよね…」
キース 「普通に彫っても目立たないしな。ウケを取るのも大切だ」
ズラリと並んだカボチャの群れ。彫られた顔も様々ですけど、くり抜いて
残った皮を使って耳や角を生やしたカボチャも。
コンテストの結果は大接戦! 優勝したのは3年の男子。
リオ 「優勝おめでとうございます! 実行委員会から表彰状です」
委員長、お願いします、と促すリオの仮装もネズミ男。
ドレスにエプロンの生徒会長が表彰状を渡した相手はお化けコウモリ。
集まっている全校生徒も仮装ですから、なんともカオス。
そこへ…。
ぶるぅ 「かみお~ん♪ 遅くなっちゃった!」
これも一緒に置かせてね、と抱えているのはジャック・オー・ランタン。
そして仮装は魔法使いのトンガリ帽子とローブです。
ぶるぅ 「えとえと、邪魔にならない所がいいよね」
どっこいしょ、とグラウンドの真ん中にカボチャを置いて取り出したのは
星の飾りがついた杖。それでカボチャをトンと叩くと…。
全校生徒「「「わわっ!?」」」
カボチャが馬車に大変身! 続いて生徒会長とシャン学メンバーたちも…。
生徒A 「シンデレラだわ!」
生徒B 「すげえや…。あの馬車、本物かな?」
騒然とする全校生徒に生徒会長は御満悦。
ブルー 「カボチャの馬車は本物だよ。記念撮影も乗るのもOK!」
ワッと駆け寄る生徒たち。カボチャの馬車に骸骨やお化けが乗り込みます。
女子生徒たちはシンデレラな生徒会長と実行委員に突撃で。
女子A 「記念撮影、お願いします!」
女子B 「この中の誰かが王子様ですよね!?」
お供の男子も御者のスウェナも華麗な宮廷衣装です。
生徒会長、勘違いを否定することもなくスマイルを振りまいておりますが。
カボチャ王子な教頭先生、出番は果たしてあるのでしょうか…?
2011/10/31 (Mon)