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シャングリラ学園つれづれ語り

☆意外な人気者


カボチャの馬車が置かれたグラウンドは仮装した生徒で大賑わい。
先生方も様子を見に来て…。

ブラウ 「こりゃ凄いや。学食がガラガラなのも納得だね」
ゼル  「今日は麺類が人気らしいのう、食うのに時間がかからんし」
エラ  「人気と言えば、亀仙人って何かしら?」
ヒルマン「亀仙人? なんだね、それは」
ブラウ 「あー、あちこちで言ってたねえ。ゼルにだろ?」
エラ  「そうなのよ。孫悟空もいいけど、亀仙人も見たかったって」
ブラウ 「分かる、分かる。ゼルならそのものズバリってね」
ゼル  「むむう、選択を誤ったか…。おお、そうじゃ!」

ぶるぅ! と手招きをするゼル先生。
トコトコ駆けて来た「そるじゃぁ・ぶるぅ」に耳打ちをして…。

ぶるぅ 「かみお~ん♪ ゼルも変身だね!」

星の杖が振られ、ボワン! とゼル先生は甲羅を背負った亀仙人に。
ハマりすぎな姿はたちまち生徒に大人気!
衣装はサイオニック・ドリームですが。

ブルー 「う~ん、注目度ではゼルも負けていないか…」
キース 「王子を出せば一発逆転できると思うが」
ブルー 「タイミングってものがあるからね。今は譲るさ」

にこやかに女子生徒との記念撮影に応じる生徒会長。
一方、ゼル先生を除く長老の先生方は…。

ブラウ 「ハーレイ。あんた、元気が無いねえ。その格好も人気だろ?」
ハーレイ「それはそうなのだが…」
ヒルマン「ゼルが一気に人気者だし、ショックを受けているのかね?」
ハーレイ「いや、そういうわけでは…」
ブラウ 「なんだい、なんだい、しっかりしな!」

もうすぐ午後の授業なんだよ、と教頭先生の背中を叩くブラウ先生。

ハーレイ「そ、そうか…。もうすぐ予鈴か…」

フランケンシュタインな教頭先生、ガックリ肩を落としています。
シンデレラな生徒会長の王子様役を大喜びで引き受けたのに、音沙汰なし。
騙されたのか、とションボリするのも無理はなく…。
亀仙人に人気を奪われたまま、昼休みは終わってしまうのか?

2011/11/01 (Tue)

 

☆カボチャの王子様


生徒会長の王子様になれる筈だったのにアテが外れた教頭先生。
ジョミー君たちの宮廷衣装を羨ましそうに眺めています。

ハーレイ「王子があんなに大勢いてはな…」
ブラウ 「ん? 何か言ったかい?」
ハーレイ「い、いや。賑やかでいいな、と」
ヒルマン「ああ。ハロウィンもなかなかいいものだねえ」

と、キンコンカーン…と昼休み終了5分前の予鈴。
授業の準備がある先生方はグラウンドを後にしようとしたのですが。

ブルー 「ハーレイ! ちょっと待ったぁ!」
先生方 「「「?」」」

先生方の目に映ったのはドレスの裾をバッとめくった生徒会長。
履いていたガラスの靴を片方、引っ掴むなり…。

ブルー 「てぇぇぇーいっ!」
ハーレイ「うわぁっ!?」

パッコーン! と小気味よい音が響いて、ガラスの靴は教頭先生にヒット!
額のド真ん中に決まった瞬間、「そるじゃぁ・ぶるぅ」が魔法の杖を。
教頭先生、ボワンと変身!

生徒A 「な、なんだ、あれ…」
生徒B 「カボチャ大王?」
ブルー 「みんな、お待たせ! 王子様の登場だよ!」
全校生徒「「「えぇぇっ!?」」」
ブルー 「ハロウィンだからね、王子様もハロウィン仕様!」

教頭先生の衣装はオレンジ色のカボチャの袖にカボチャのパンツ。
パンツにはジャック・オー・ランタンの顔が描かれています。
胴着とタイツは真っ黒ですし、オレンジ色のマントでハロウィンカラー!
頭上には立派なカボチャの王冠。
生徒も先生方も大爆笑の中、生徒会長が進み出て。

ブルー 「王子様はシンデレラ姫を探さなくっちゃね」
ハーレイ「…は…?」
ブルー 「放課後の悪戯タイム終了までにガラスの靴を履かせられたら…」

ぼくと一緒にカボチャの馬車で結婚パレード、とニッコリ笑う生徒会長。
そこでキンコンカーン…と本鈴が。

ブルー 「魔法の時間は、とりあえず終わり!」

授業だ、授業だ…と教室に駆けてゆく全校生徒。
ガラスの靴を手にして呆然と立つ教頭先生の運命や如何に?

2011/11/02 (Wed)

 

☆顔傷の王子様


カボチャの王子様に変身を遂げた教頭先生。
衣装は見事に変わったものの、フランケンシュタインのメイクはそのまま。
「そるじゃぁ・ぶるぅ」の担当は衣装だけだったのです。
本鈴が鳴った後ではメイクを落とす暇は無く…。

生徒A 「シュールだったよなぁ、教頭先生」
生徒B 「カボチャの衣装もアレだけどさあ、やっぱり顔の縫い目がな…」
生徒C 「シンデレラの王子様の顔には名誉の負傷は無いものねえ…」

といった感じで授業に行った教室で笑われ、廊下で会った生徒に笑われ…。

ハーレイ「…ブルーは私の仮装が何か知っていたのか? まったく…」
ブラウ 「おや、顔傷の王子様じゃないか」

ププッと噴き出すブラウ先生。教頭先生はムスッとして。

ハーレイ「変だというのは分かっている。メイクを落としに行く所だ」
ブラウ 「ああ、あんたも6時間目は無かったねえ。手伝おうか?」
ハーレイ「は?」
ブラウ 「あたしの授業も終わったのさ。その衣装じゃ顔も洗えないだろ」

下手にやったら汚しちまうよ、と言われて教頭先生も納得です。

ハーレイ「ふむ…。クレンジングクリームを借りるつもりだったのだが」
ブラウ 「演劇部のかい? 無理無理、あんたにゃ扱えないよ」

使ったことが無いだろう? とケラケラ笑うブラウ先生。

ブラウ 「縫い目メイクを考えた時は石鹸で洗う気だったと見たね」
ハーレイ「何故分かるのだ?」
ブラウ 「やっぱり図星か…。メイクのことは本職に任せな」
ハーレイ「…本職?」
ブラウ 「あたしゃ、これでも女性だよ? あ、エラ!」

ブラウ先生、通りかかったエラ先生を呼び止めました。

ブラウ 「あんたも6時間目は暇だろ? ちょうどいいや」
エラ  「あら、何か用事?」
ブラウ 「いや、ちょっとハーレイのメイクをね」
エラ  「ああ…。その縫い目はダメよ、チンピラみたい」

メイク落としはプロにお任せ、とウインクしているブラウ先生とエラ先生。
心強い助っ人登場で教頭先生も一安心かな?

2011/11/03 (Thu)

 

☆美肌の王子様


不評だった縫い目メイクを落とすことになった教頭先生。
ブラウ先生とエラ先生は教頭室に押し掛けて行って…。

ブラウ 「あんたは座ってるだけでいいからね」
ハーレイ「う、うむ…」

カボチャの王冠はとりあえず外され、衣装が汚れないよう肩に化粧ケープ。
演劇部の部室から拝借したメイクボックスも置かれています。
メイク落としにメイクボックスが要るのかって? さあ…?

ブラウ 「ちゃんと目を瞑っているんだよ。目に入ったら大変だから」
エラ  「そうそう。痛いなんてレベルじゃないもの」

女海賊なブラウ先生と女騎士のエラ先生、縫い目メイクを綺麗に落として。

ブラウ 「あー…。やっぱり肌に負担がかかっちまったか」
エラ  「放っておくと荒れると思うの。ちゃんとお手入れした方が…」
ハーレイ「い、いや。私は別に気にしないが」
ブラウ 「ダメダメ、お肌の荒れた王子様なんて全くサマにならないよ」
エラ  「王子様でなければお肌はどうでもいいんだろうけど…」

お手入れしないと絶対ダメ、とエラ先生。
まずはマッサージから始めるようです。うーん、結構本格的!
教頭先生、顔傷の王子様から美肌の王子様に華麗に変身できちゃうかも?
そうこうする内に6時間目終了のチャイムがキンコンカーン…と。

ブラウ 「おっと、終礼に行かなくちゃ」
エラ  「終礼の後は悪戯タイムね? お菓子を確認しておかないと」

アタフタと出てゆく女性陣二人に教頭先生は大感謝。

ハーレイ「悪いな、手間を取らせてしまって」
ブラウ 「気にしなさんな。しっかりシンデレラ姫を探すんだよ?」
エラ  「ロマンチックよねえ、ガラスの靴。頑張ってね!」

綺麗なお肌に自信を持って、と激励された教頭先生、冠を頭に載せながら。

ハーレイ「よし。なんだかやる気が漲ってきたぞ」

念入りなマッサージを受けたお蔭でお肌に自信が持てたようです。
イカツイ顔立ちで美肌もクソも…、という気はしますが、本人はその気。
頑張れ、美肌の王子様!

2011/11/04 (Fri)

 

☆もうすぐ悪戯


先生も生徒も仮装だというカオスなハロウィン、終礼の時間でございます。
1年A組にはドラキュラなグレイブ先生が再び登場。

グレイブ「諸君、終礼の後がお楽しみの悪戯タイムだ」

ちゃんと注意は読んだだろうな、とグレイブ先生。
終礼直後から悪戯OKでは先生方は逃亡する暇もありません。
そこで10分間の休憩タイムが設けられていて、その間に先生方はお菓子の
用意を確認したり、場合によっては逃亡も可能。

グレイブ「私は逃げも隠れもしない。存分にハロウィンを楽しみたまえ」

終礼を終えたグレイブ先生、マントを翻して颯爽と去ってゆきました。
休憩タイム終了はチャイムでお知らせ。
生徒たちはワクワクしながらチャイムが鳴るのを待っています。
もちろんシャン学メンバーも…。

ジョミー「狙うならやっぱりゼル先生かな?」
サム  「だろうな、お菓子が期待できそうだぜ」
スウェナ「みんな狙っているみたいよ? ゼル特製が貰えるかも、って」

ゼル特製とは特別生しか注文できない学食の隠しメニューです。
パティシエ並みの腕を持つゼル先生のお手製スイーツは学校中の噂の的。
悪戯しに行けばそれをゲットできるかも、というので狙う生徒も数多く…。

キース 「悪戯か…。俺は乗り気じゃないんだがな」
ブルー 「付き合いが悪いと嫌われるよ? カボチャ王子も来るんだし」
キース 「ああ、シンデレラ姫を探しにか」
ブルー 「うん。ぼくは靴さえ返してくれれば王子は必要ないんだけれど」

どうにも歩きにくくって、とドレスの裾をたくし上げて見せる生徒会長。
左足にはガラスの靴ですが、右足はなんと便所スリッパ。

キース 「どういうセンスをしてるんだ…。体育館シューズがあるだろう」
ブルー 「え、王子様が恭しく脱がせてくれるんだよ?」

でないとガラスの靴を履かせられない、と生徒会長は得意げです。
教頭先生、便所スリッパを押し頂く羽目になるのでしょうか?
マジックで『教職員用トイレ』と書かれた文字は冗談ですよね…?

2011/11/05 (Sat)

 

☆悪戯タイム開始!


悪戯タイム開始のチャイムを今か今かと待ち焦がれている全校生徒。
その頃、魔法使いの衣装を纏った「そるじゃぁ・ぶるぅ」はウキウキと。

ぶるぅ 「ブルー、歩きにくいって言ってたもんね」

靴を取り返してあげようっと、と中庭をスキップしてゆきます。
生徒会長が存分に悪戯タイムを楽しめるようにとの心遣い。
なんとも良い子じゃありませんか!
本館に入り、教頭室へと…。

ぶるぅ 「かみお~ん♪」
ハーレイ「なんだ? お菓子の時間にはまだ早いぞ」

もう少しだけ待ちなさい、と寸暇を惜しんで書類と戦う王子様。
ずり落ちそうなカボチャの王冠を左手で押さえているのが律儀です。

ぶるぅ 「えとえと、ガラスの靴を貰いに来たんだけれど…」

あそこかな? とクローゼットに向かう「そるじゃぁ・ぶるぅ」。
教頭先生、ガラスの靴を持ってゆかれては生徒会長とパレードできません。
それはマズイ、とガバッと書類から顔を上げ…。

ハーレイ「待ちなさい、ぶるぅ!」

キャーッ!!! という悲鳴を残して「そるじゃぁ・ぶるぅ」は廊下へと。
教頭先生はホッと一息、クローゼットからガラスの靴を取り出して…。

ハーレイ「これをブルーに履かせられれば結婚パレードが出来るのだな」

頑張るぞ、と気合を入れた所でキンコンカーンとチャイムの音。
悪戯タイム、ついに開始でございます。
学校中で歓声が上がり、1年A組の生徒も一斉に外へ。

ブルー 「始まったね。誰に悪戯しに行こうかな」
キース 「あんたの狙いは教頭先生じゃなかったか?」
ブルー 「向こうが探しに来てくれるんだよ? それまで暇だし…。ん?」

開け放たれたままの扉から駆け込んできたのは「そるじゃぁ・ぶるぅ」。
ゼイゼイと息を切らしています。

ぶるぅ 「うわぁぁぁん、怖いよ、怖かったよう!」
ブルー 「ぶるぅ? い、いったい何が…」

おんおん泣いている「そるじゃぁ・ぶるぅ」。
悪戯どころではないようですけど、何があったというんでしょうか…?

2011/11/06 (Sun)

 

☆怖いの、なあに?


怖いよ、怖いよ、と泣き叫んでいる「そるじゃぁ・ぶるぅ」。
生徒会長やキース君たちが事情を尋ねてもサッパリ話が通じません。

ぶるぅ 「オバケ怖いよ、怖かったよう~!」
ブルー 「ハロウィンなんだし、お化けがいるのは仕方がないよ」
ぶるぅ 「でもでも、ホントに怖いんだよう~!」
キース 「こりゃダメだな。とても一人で放っておけない」
ジョミー「そうだね…。悪戯は諦めようかな」
ブルー 「みんなは行ってくれてもいいよ? ぼくはいいから」
サム  「ぶるぅが落ち着いたらみんなで行こうぜ。時間はあるさ」
スウェナ「そうよ、みんなで楽しまなきゃね」
ブルー 「ごめん…。でも場所は移った方がいいかも」
キース 「ああ、王子様か。確かに此処だと即バレだな」
シロエ 「何処でも同じじゃないですか? ぶるぅの泣き声でバレますよ」
サム  「そりゃマズイな。俺、ちょっとお菓子を調達してくる!」
マツカ 「ぼくも行きます! ゼル先生のなら泣きやむかも…」
ジョミー「じゃあ、ぼくも行く!」

なんだかんだで残ったのは生徒会長とキース君と「そるじゃぁ・ぶるぅ」。
教頭先生が来たらヤバイんじゃあ…?

ブルー 「いざとなったらコレがあるしね」
キース 「便所スリッパが役に立つのか?」
ブルー 「多分。…いくらハーレイでも押し頂くのが限界かと」
キース 「あんた、またロクでもないことを考えてるな」
ぶるぅ 「わぁぁぁん、怖いよ~!」
キース 「ブルーの方が怖いと思うんだが…」

さて、お菓子の調達に行ったジョミー君たち。
集中攻撃を受けていたゼル先生を首尾よく発見、ゼル特製を見事にゲット!
これで「そるじゃぁ・ぶるぅ」も泣きやむだろう、と戻る途中で。

生徒A 「マジかよ、それ?」
生徒B 「うん。この学校、まだまだ奥が深いわ…」

あの恐ろしさは半端ない、と噂している生徒が多数。
彼らは何を見てしまったというのでしょう?
大泣きしている「そるじゃぁ・ぶるぅ」と無関係とは思えませんが…?

2011/11/07 (Mon)

 

☆悪戯進行中


ゼル先生特製のお菓子を持って1年A組に戻ったジョミー君たち。
美味しいクッキーを食べ、「そるじゃぁ・ぶるぅ」も落ち着いた様子。

キース 「良かったな、ぶるぅ。美味いだろう?」
ぶるぅ 「うん! えとえと、ゼルもオバケだったの?」
ジョミー「ううん、亀仙人で頑張ってたよ。悪戯している人もいたから」

剣道と居合の達人のゼル先生、亀仙人の杖で懸命に応戦していたのだとか。
え、杖もサイオニック・ドリームじゃないのかって?
本体は孫悟空の如意棒ですから大丈夫!

サム  「グレイブ先生も見かけたぜ。意外と人気」
シロエ 「マントからお菓子を出すんですよね、マジックで」
マツカ 「悪戯も炸裂してましたけどね…」

グレイブ先生、頭からホイップクリームをぶっかけられたりしたようです。
それでも頑張る孤高のマジシャン!

ジョミー「そうそう、なんだか怖いのが一人いるらしいんだよ」
キース 「なんだ、それは?」
ジョミー「学校中で噂になってた。見たら呪われそうだって」
ブルー 「ふうん? ぶるぅが出会ったオバケかな?」
スウェナ「多分…。でも、呪われそうな仮装って何かしら?」

うーん、と悩む一同を他所に「そるじゃぁ・ぶるぅ」はクッキーに夢中。
そこへ「ハッピー・ハロウィン!」と野太い声が響いて…。

ハーレイ「ブルー、シンデレラ姫を迎えに来たぞ。ほら、ガラスの靴だ」
全員  「「「!!!」」」

ガラスの靴を大事そうに捧げ持った教頭先生が入って来ました。
カボチャ王子な衣装のマントを靡かせ、自信に満ちておられますが。

ブルー 「えっと…。それって王子様かな?」
キース 「そうなんだろうな…」
ぶるぅ 「うわぁぁぁん、怖いよ、オバケ怖いよ~!」

おんおん泣き出す「そるじゃぁ・ぶるぅ」。
教頭先生の顔にはドーランが塗られ、どぎついメイクが施されています。
黒々と縁取られた目の大きさは半端ではなく、目力アップ!
これって女性だけで構成された某歌劇団の男役メイクと言うのでは…?

2011/11/08 (Tue)

 

☆目力の王子様


素敵メイクで目力アップの教頭先生、自信満々でございます。
生徒会長に拒絶されるとは思ってもいないらしくって…。

ハーレイ「ブルー、足を出しなさい。ガラスの靴を履くのだろう?」
全員  「「「………」」」
ハーレイ「ん? どうした、私の顔に何かついているか?」

縫い目メイクは落とした筈だが、と首を傾げる教頭先生。

ブルー 「念のために聞くけどさ。やっぱり王子様なわけ?」
ハーレイ「もちろんだ。縫い目メイクとは一味も二味も違う筈だぞ」
ブルー 「あ、ああ…。それはそうだろうね」
ハーレイ「肌が荒れては台無しだとかで、マッサージをして貰ってきた」
ブルー 「マッサージ?」
ハーレイ「うむ。エラとブラウが念入りにな。どうだ、美肌の王子様は?」
全員  「「「び、美肌の王子様…」」」

呆然とするシャン学メンバー。
「そるじゃぁ・ぶるぅ」は顔も上げずにガクガクブルブル震えています。
生徒会長もポカンと口を開けていましたが、ようやく正気に返ったようで。

ブルー 「そ、そうなんだ…。なるほど、エラとブラウがねえ…」
ハーレイ「自信を持つよう励ましてくれた。…姫、靴をどうぞ」
ブルー 「…美白の王子様でなかったことを二人に感謝すべきかな?」
ハーレイ「どういう意味だ?」
ブルー 「トイレで鏡を見てきたら? 美白よりかはマシだと思う」
ハーレイ「いったい何が言いたいんだ…」

教頭先生、ガラスの靴をしっかり抱えてトイレの方へ。
間もなく「うわぁぁっ!?」という悲鳴が聞こえてきたとか来ないとか…。

ブルー 「悪戯タイムのフライングか。エラとブラウもやってくれるね」
キース 「オバケが教頭先生だったとはな…」
ブルー 「ぶるぅだって泣いちゃうわけだよ。でもさ…」

今まで全く気付かなかったのが凄いよね、とクスクス笑う生徒会長。
見ただけで呪われそうだと学校中で噂の教頭先生、美白だったら白塗りに
されていたのでしょうか?
目力メイクも大概ですけど、王子様は再起できるのか…?

2011/11/09 (Wed)

 

☆メイクで開運?


トイレの鏡で自分の顔がどうなっているかを知ってしまった教頭先生。
そのまま悶絶しているらしく、戻ってこないみたいです。

ブルー 「よし、今の間に逃げちゃおう」
キース 「便所スリッパで殴るんじゃないのか?」
ブルー 「それは悪戯とは言わないしね。暴力反対! 行くよ、ぶるぅ」
ぶるぅ 「オバケは? オバケは何処に行ったの?」
ブルー 「アレはどう見たってハーレイだろ? 大丈夫だよ」
ぶるぅ 「えっ…。あれってハーレイだったの!?」

本物のオバケが出たと思った、と「そるじゃぁ・ぶるぅ」。
姿形はカボチャの王子様なのに…。よほどビックリしたのでしょう。
オバケの正体が判明した途端、元気になるのは子供の常で。

ぶるぅ 「逃げるって、何処へ? ブルーの靴は?」
ブルー 「便所スリッパにも存在意義があるってね。グラウンドへ行こう」
シロエ 「木の葉を隠すなら森の中、ですね」
ブルー 「そういうわけでもないんだけれど…」

カボチャの馬車もグラウンドだし、とスタスタ出て行く生徒会長。
右足に便所スリッパを履いてますから、ちょっとバランス悪そうですが…。

ブルー 「うーん、やっぱり足元がイマイチ」
ジョミー「左足もスリッパに替えちゃえば? その方がいいよ」
ブルー 「ダメダメ、王子様を召喚するにはガラスの靴が必須アイテム」
キース 「その割に逃げようとしてないか? 支離滅裂だぞ」
ブルー 「ぼくたちだけしかいない所で召喚したって楽しさ半減!」
全員  「「「は?」」」
ブルー 「分からないかな、王子様には傅いてもらってなんぼなんだよ」

みんなの前で跪かせる、と生徒会長は意気盛ん。

ブルー 「せっかく素敵なメイクをしていることだしねえ?」
キース 「おい、ガラスの靴を履くつもりなのか? まさかパレードも?」
ブルー 「あそこまで突き抜けられたらパレードしたい気分にもなるさ」

逃げる気だった生徒会長、パレードに乗り気でございます。
教頭先生、目力メイクで運気上昇?

2011/11/10 (Thu)

 

☆走れ! 王子様


生徒会長御一行様が逃亡した後、トイレで我に返った教頭先生。
マントを翻して校内を必死に駆け抜け、向かった先は…。

ハーレイ「ブラウ! なんだこれは!」

自分の顔を指差す教頭先生。
ブラウ先生とエラ先生は群がる生徒にお菓子を配布中でございます。
噂の教頭先生の目力メイクを目の当たりにして、悲鳴を上げる生徒も多数。

ブラウ 「知らないのかい? 王子様と言えばそのメイクだよ」
エラ  「そうそう、舞台映えするのよね。主役は輝いていなくっちゃ!」
ハーレイ「し、しかしだな…。似合っていない気がするのだが」
ブラウ 「そりゃそうだろうさ。イカツイ顔には合わないってね」
ハーレイ「ブラウ! た、頼むからコレを落としてくれ…!」
ブラウ 「いいけどね。でも、悪戯タイムが終わっちまうよ?」
エラ  「ガラスの靴を届けられなくてもいいのかしら?」
ハーレイ「むむぅ…。くそっ、なんでこういうことになるのだ!」

止むを得ん、と腹をくくった教頭先生、再び走り出しました。
目力メイクで「ブルーは何処だ!?」と迫られた生徒たちは顔面蒼白。
呪われてはたまらない、とばかりに「あ、あっちです」と指さしたので…。

ハーレイ「見付けたぞ、ブルー!」
ブルー 「マッハの速さで来ちゃったよ…。時間切れかと思ったのに」

グラウンドには仮装した生徒が群れていますが、教頭先生登場で阿鼻叫喚。
けれど目力メイクのカボチャ王子様は開き直ってズカズカと。

ハーレイ「さあ、姫。ガラスの靴をお持ちしました」
ブルー 「履かせてくれるって言ってたよね? どうぞ」

ドレスの裾をたくし上げる生徒会長に今度は女子の黄色い悲鳴が。

ブルー 「まず靴を脱がせてくれないと。…ついでにキスもお願いするよ」
ハーレイ「き、キスしても…いい…のか…?」
ブルー 「うん、この靴に。ガラスの靴の代わりに頑張ってくれたし」

労ってあげて、と生徒会長。
いきなり靴にキスをしろとは、教頭先生、下僕フラグが立ちましたか?

2011/11/11 (Fri)

 

☆ヘタレな王子様


生徒会長にガラスの靴を履かせる前に、まずはキスだと言われてしまった
教頭先生。それも靴に、でございます。
おまけに靴というのは生徒会長が右足に履いている便所スリッパ。

ハーレイ「…く、靴にキスだと? 私には靴に見えないのだが」
ブルー 「ガラスの靴の代用品だよ? 本当にお役立ちだったんだ」

バランスを取りにくいのが難だけど、と生徒会長は澄まし顔です。

ブルー 「ぼくはこの靴に感謝している。挨拶も無しに別れるのはねえ…」
ハーレイ「し、しかしだな…」
ブルー 「ぼくの気持ちはどうでもいいんだ? 愛着のある靴なのに」

思いやりのない王子様なんてお断りだ、と冷たい視線の生徒会長。
便所スリッパにキスをしないと王子様失格、もちろん結婚パレードも無し。
教頭先生、大ピンチ!

ハーレイ「う、うう…。あ、足の甲ならいいのだが…」
ブルー 「足の甲にキスだって? 厚かましいにも程があるよ」

そういう台詞は王子様の座を獲得してから言ってくれ、と生徒会長は鼻で
笑っています。
教頭先生が固まっている中、グラウンドに走り込んで来た人影が…。

ゼル  「ほほう、これが噂の呪われそうなメイクじゃな? 実に見事じゃ」

特製お菓子が品切れになったので逃げてきたらしいゼル先生。
追って来た生徒たちを杖で蹴散らし、悠然と。

ゼル  「で、ハーレイは何をしておる? ガラスの靴の出番じゃろう」
ブルー 「それがねえ…。王子様がヘタレなものだから」
ゼル  「ヘタレ?」
ブルー 「うん。履き替えさせる前に靴にキスを、って言ったんだけど…」

どうも決心がつかないらしい、と生徒会長は大袈裟な溜息。

ゼル  「靴にキスとな? 求婚するならそれくらい…。ん?」

生徒会長の足元を眺めたゼル先生の目は便所スリッパに釘付けです。

ゼル  「ブルー。…このスリッパは本物かのう?」

もちろんさ、と微笑んでいる生徒会長。
本物の便所スリッパにキスをしろとは、あまりにも気の毒すぎるのでは…。

2011/11/12 (Sat)

 

☆王子様の条件


生徒会長の右足を飾る便所スリッパ。
これにキスをするのがガラスの靴を履かせるための必須条件。
教頭先生、目力メイクなカボチャ王子でキメてはいてもどうにもならず…。

ゼル  「ええい、何をグズグズしておるのじゃ! 見苦しいわい!」
ブルー 「そうなんだよね。せっかく一緒にパレードしようと思ったのに」

悪戯タイムが終わってしまうよ、と生徒会長は唇を尖らせています。

キース 「その条件を撤廃すればいいだろう? そもそも無茶だ」
シロエ 「そうですよ! 便所スリッパはあんまりです」
スウェナ「衛生面から見てもどうなのか…って気がするわよね」
ブルー 「ふうん? でも、君たちは教職員用トイレを知らないだろう?」
ジョミー「知ってるよ! 生徒は立ち入り禁止だけどさ」
ブルー 「だから知らないって言ってるんだよ。このスリッパって…」

最後に使ったのはいつだっけ? とゼル先生に視線を向ける生徒会長。

ゼル  「ふむ? ウオシュレットに替える前じゃし、かなり経つのう」
ブルー 「だよねえ? 今も一応置いてはあるけど…」
ゼル  「インテリアといった所じゃな。便所スリッパは様式美じゃ!」

なんと! 教職員用トイレの便所スリッパは飾りでしたか!
扉を開けると専用の棚があり、そこに置かれているのだとか。
もちろん履き替える人はいなくて、ゼル先生が言うとおりインテリア。
しかも掃除係の職員さんが毎朝消毒し、シーズンごとに新品に替えて…。

ジョミー「なぁんだ、本物って言っても名前だけじゃん」
キース 「まさか飾りだとは思わなかったぜ」
ブルー 「飾りだから平気で履けるんだよ。共用は絶対お断り!」

ハーレイが履いたかもしれないスリッパなんて、と言われてみれば…。
あの生徒会長がそういうヤツを嬉々として履くわけないですよね。

ブルー 「見た目の問題だけなんだけどなあ…。それともプライド?」

ぼくよりも自分が大切なんだ、と生徒会長は氷の眼差し。
教頭先生、ますますピンチ?

2011/11/13 (Sun)

 

☆波乱の王子様


そろそろ生徒会長に見捨てられそうな気配が漂う教頭先生。
便所スリッパを履いた生徒会長は舌打ちをして。

ブルー 「君の気持ちはよく分かったよ。王子様には代役を立てる」
ハーレイ「い、いや、それは…。わ、私にも心の準備というものが…」
ブルー 「そう言ってる間に悪戯タイムが終了ってね。あと何分?」
キース 「5分くらいだ。で、代役は?」
ブルー 「君たちの中から…と思っていたけど、亀仙人も魅力的かな」
ゼル  「ほほう、わしがカボチャの馬車でパレードとな?」

ゼル先生、亀仙人の杖で教頭先生をシッシッと追い払いながら。

ゼル  「わしは便所スリッパなんぞは気にせんわい。どれ、キスを…」

愛さえあれば一発なんじゃ、とゼル先生はノリノリです。
生徒会長の足元に跪き、便所スリッパな足を押し頂いて熱いキスを…って、
王子様は亀仙人で決定ですか!?

ハーレイ「ま、待ってくれ、ブルー!」
ブルー 「もう遅いね。キスしてくれたのはゼルなんだしさ」
ゼル  「そうじゃ、そうじゃ! ガラスの靴を寄越さんかいっ!」
ハーレイ「そ、そんな……そんな馬鹿な……」

カボチャ王子な教頭先生、お払い箱でございます。
亀仙人にガラスの靴を奪われ、もう終わりかとガックリ肩を落とした所へ。

ブラウ 「おーっと、王子様をないがしろにするとは頂けないねえ」
エラ  「そうよ、私たちの力作なのよ!」
ハーレイ「ブラウ…。エラ…。た、助けに来てくれたのか…?」

目力メイクの恨みも忘れて感涙にむせぶ教頭先生。
その間にブラウ先生とエラ先生は素早く情報収集を終えて…。

ブラウ 「ハーレイ。あんた、ゼルにキスしな」
ハーレイ「は?」
ゼル  「な、なんじゃと!?」
エラ  「ゼルとキスすれば間接キスになると思うの」
ブラウ 「そうそう、便所スリッパにキスしたことになる筈だよね」

これでハーレイが王子様! とブチ上げているエラ先生とブラウ先生。
起死回生の奇策ですけど、王子様の座は果たしてどうなる?

2011/11/14 (Mon)

 

☆悪戯の名手


教頭先生がグズグズしている間に、王子様の代役は亀仙人なゼル先生に。
窮地に陥った教頭先生に救いの神が出現したのはいいのですけど…。

ゼル  「お断りじゃ! なんでハーレイとキスせにゃならん!」
ブラウ 「だってさ、主役は王子様だよ? あんたが横から奪ったんだ」
エラ  「ハーレイ、意地を見せなきゃダメよ!」
ハーレイ「し、しかしだな…」

ゼル先生とキスしてしまえば便所スリッパに間接キス。
王子様の座とガラスの靴を奪回するには、これ以上の策は無さそうですが。

ブルー 「エラとブラウも面白いことを考えるねえ」
キース 「あのメイクといい、もしかして悪戯の天才なのか?」
シロエ 「ホントに凄い才能ですよね。今日の悪戯のナンバーワンかも…」

悪戯タイム終了が近付き、グラウンドには生徒が集まり始めています。
お目当ては無論、カボチャの馬車でのパレードとあって王子様の座を巡る
争いの行方は注目の的。

生徒A 「やっぱりハロウィンの主役はカボチャだよなあ」
生徒B 「亀仙人よりカボチャ王子が断然いいって!」
ゼル  「ええい、やかましい! わしが王子じゃ!」
生徒C 「頑張れ、カボチャの王子様!」
ブルー 「どうする、ハーレイ? 学校中の期待が君に集まってるよ」
エラ  「あと少しで悪戯タイム終了だけど、本当にいいの?」
ブラウ 「うーん、煮え切らないったら…。やるっきゃないね」

行くよ! と叫んだブラウ先生、ゼル先生の首根っこを引っ掴みました。
同時に飛び出したエラ先生は身長の差をモノともせずに教頭先生の首を。

ゼル  「な、何をするんじゃ!」
ブラウ 「せーのっ」

エラ先生とブラウ先生が声を合わせて「トリック・オア・トリート?」。
そして二人に選択の暇も与えず背中をドンッ!

全校生徒「「「!!!」」」
ブルー 「やっちゃったよ…」

カボチャ王子と亀仙人は押されたはずみにブチューッとキッス。
視覚の暴力としか言えない光景、これもハロウィンならではですか?

2011/11/15 (Tue)

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