☆思い出のクリスマス
小学校時代、サンタクロースに『いりこスナック』を貰っていたキース君。
クリスマス会とはそういうものだ、と思い込んでいるようでございます。
キース 「俺の思い出の何処が変だと言うんだ! ちゃんとサンタだ」
ジョミー「そりゃそうだけど、いりこスナックは絶対違うよ」
サム 「だよな、ポップコーンなら分かるけどさ」
スウェナ「給食って縛りがあるでしょう? でもゼリーとかプリンとか…」
キース 「いりこスナックは駄目なのか?」
シロエ 「それはハレの日のおやつじゃないです。非日常が必要です!」
ジョミー「クリスマスだもんね、貰って嬉しいヤツじゃないと」
マツカ 「定番はサンタブーツですよね。クリスマスには付き物ですし」
クリスマスのパーティーなんかでも貰いましたよ、とマツカ君。
御曹司のマツカ君でもサンタブーツは嬉しかったらしいです。
マツカ 「あの思い出が無いなんて…。ちょっと寂しい気がします」
サム 「分かる、分かる。ホントに楽しみだったもんなあ」
ジョミー「朝からワクワクしてたよね。早くサンタが来ないかなぁ、って」
シロエ 「雪が降らないと橇が走れないんじゃあ、って心配しました」
スウェナ「私もよ。先生は大丈夫って言ってくれるんだけど、心配で」
ワイワイ盛り上がるシャン学メンバー。キース君はすっかり置いてけぼり。
話についていけないんですから仕方がないんですけれど…。
ジョミー「あ、そうだ。いくらなんでも家には来たよね、サンタクロース」
キース 「家?」
ジョミー「うん。幼稚園には来なかったかもしれないけどさ…」
家には来たでしょ、とジョミー君。子供はサンタを待つものですし!
「いい子にしないとサンタさんが来ないわよ」は定番の脅し文句です。
しかし…。
キース 「いや、俺の家には来なかった」
全員 「「「えぇっ!?」」
キース君の家にはサンタクロースが来なかった…?
サンタクロースにも断られるほど悪ガキだったというオチですか?
2011/12/01 (Thu)
☆サンタが来ない?
クリスマスと言えばサンタクロース!
イブの夜には小さな子供はドキドキです。
靴下を吊るしたり、枕元を何度も確認したりと楽しい夜の筈なんですが…。
ジョミー「本当にキースの家にはサンタクロースが来なかったの?」
キース 「くどいぞ。来なかったと言っているだろうが!」
シロエ 「先輩、悪ガキだったんですか? サンタクロースも来ないほど?」
キース 「人聞きの悪い…。なんでそういうことになる」
サム 「良い子にしてればサンタクロースが来るからじゃねえか」
キース 「それは誰にでも当てはまるという話ではないぞ」
全員 「「「は?」」」
キース 「良い子の所にはサンタクロース! それくらいは俺も知っている」
ジョミー「だったらいい子にすればいいじゃん」
キース 「分かってないな。俺は良い子だから来なかったんだ」
スウェナ「なによ、それ…」
キース 「俺は親父の言いつけを守った。サンタクロースが来るわけがない」
自信に溢れたキース君。
お父さんの言いつけを守る良い子の所にサンタクロースが来なかった…?
そんなケースってアリですか?
ジョミー「ちょっと、全然分からないよ! なんで来ないのさ!」
キース 「幼稚園にも来なかったんだぞ? 家に来てどうする」
サム 「決まってるじゃねえかよ、良い子のためにプレゼントをだな…」
キース 「話を聞いていなかったな? 異教徒の祭りだと言った筈だぞ」
俺の家は寺だ、とキース君は大真面目。
キース 「幼稚園の時に親父が言った。ウチはクリスマスはやらん、とな」
全員 「「「え?」」」
キース 「こっそりクリスマスツリーを飾る寺もあるが、それは邪道だ」
お寺は仏様をお祭りする所。クリスマスツリーは論外だそうでございます。
キース 「親父に厳しく叩き込まれた。ツリーもケーキも無しだとな」
将来はお坊さんになって元老寺を継ぐ、と決めていた子供時代のキース君。
アドス和尚に言われるままにクリスマス無しって、なんたる悲劇…。
2011/12/02 (Fri)
☆お寺とクリスマス
キース君の家のクリスマスはクリスマスツリーもケーキも無し。
確かにお寺にツリーというのは如何なものか、って気はしますけど…。
ジョミー「えっと…。ツリーは人に見られたらマズイかもだけど…」
サム 「お寺だしなあ…。でもさ、サンタはバレないぜ?」
シロエ 「そうですよ! 子供の枕元にプレゼントを置くだけですからね」
ぶるぅ 「うん! サンタさんは人に見られないように来るんだよ!」
ぼくだって一度も見たことないもん、と「そるじゃぁ・ぶるぅ」。
いくらお寺でも、こっそりプレゼントを貰うくらいは許されるんじゃあ…?
キース 「檀家さんに見つからなければサンタが来てもOKだと?」
ジョミー「決まってるじゃん! サンタクロースは子供の特権!」
マツカ 「檀家さんだって許してくれますよ。子供なんですから」
ブルー 「そうそう、それこそ子供の特権! だけどアドス和尚は違った」
今でも頑固親父だろう、と生徒会長。
アドス和尚といえばキース君の長髪が気に食わなくて何度も騒ぎが…。
ブルー 「アドス和尚はサンタクロースが来るのが許せなかったのさ」
全員 「「「は?」」」
ブルー 「頑張って元老寺を守っているのにコッソリ入って来るんだよ?」
仏様とは無関係な神様の所のお使いが…、と言われてみればそうなのかも。
キリスト教の神様の直属の部下ではありませんけど。
ブルー 「だからね、アドス和尚はしっかりガードを固めたわけ」
キース 「よく知ってるな。俺の心を読んだのか?」
ブルー 「そりゃ、面白いネタだもの。クリスマスは結界が二重だよね?」
全員 「「「結界?」」」
ブルー 「木で作った格子みたいな柵さ。山門に置いてあるだろう」
シロエ 「あれって結界だったんですか? 車止めかと…」
ブルー 「石段の上が山門だよ? 車が入ってくるとでも?」
結界は俗世間とお寺を仕切るアイテムらしいです。
元老寺のクリスマスには結界が二重。サンタクロースの立ち入りを禁ず…?
2011/12/03 (Sat)
☆サンタクロースお断り
子供の頃にサンタクロースが家に来なかったキース君。
お寺はクリスマスとは無縁のもの、というアドス和尚のせいでございます。
ブルー 「流石に結界を二重にされればサンタクロースも来ないだろう?」
シロエ 「あの程度の柵、ちょっとズラせば通れますよ」
サム 「だよな! それに夜は山門を閉めるじゃねえか」
ぶるぅ 「うん! サンタさんは橇で飛んでくるんだから関係ないもん」
キース 「ブルーの説明をちゃんと聞いたか? 結界なんだぞ」
ブルー 「そう。この中は外の世界とは違いますよ、という印なんだ」
ジョミー「サンタクロースは要りません、って意味なわけ?」
キース 「そんなところだ。ウチは関係ありません、とな」
スウェナ「だけどサンタに通じるの? それ…」
ブルー 「二重になってりゃ流石にねえ? 如何にも入るなって感じだし」
キース 「橇も止められると親父は言ったぞ。シロエが言ってた車止めだ」
元老寺のサンタクロース対策は万全だった、とキース君は得意げですが…。
サンタクロース立ち入り禁止って子供には酷くないですか?
マツカ 「キースは納得してたんですか? サンタクロースお断りなんて」
キース 「もちろんだ。良い子は父親の言いつけを守るものだぞ」
ジョミー「でもさあ、良い子にしている意味が無いじゃん」
サム 「サンタクロースが来ねえんじゃなあ…。最悪じゃねえか」
シロエ 「ツリーもケーキもサンタも無しって、悲しいですよねえ…」
キース 「そういうものか? 別に困りはしなかったが」
ブルー 「どうだろう? そういうことが積もり積もって反抗的に…とかね」
ジョミー「お坊さんにはならないって言ってたもんねえ、最初の頃は」
キース 「あれは坊主頭が似合わなかったからだ!」
ブルー 「それだけじゃないかもしれないよ? 自分に自覚が無いだけで」
良い子にし続けてストレスが溜まった結果かも、と生徒会長。
サンタクロースが来てくれないのに良い子にするのは確かにストレス…?
2011/12/04 (Sun)
☆クリスマス不要
良い子にしていてもキース君にはサンタクロースのプレゼントは無し。
それがストレスになったかも…、というのが生徒会長の見解でございます。
ブルー 「無意識の内にストレスが溜まることって、ありがちだしね」
キース 「いや、俺は…」
ジョミー「だけどサンタが来なかったんでしょ? キースの家だけ」
サム 「友達がプレゼントを貰った話は聞いた筈だぜ。羨ましくねえ?」
キース 「そういうものだと思っていたしな…」
ジョミー「じゃあさ、アドス和尚は代わりに何かくれたわけ?」
シロエ 「サンタクロースを断るんですしね、せめてお菓子とか…」
キース 「プレゼントの類は無かったな。ツリーもケーキも無いんだし」
元老寺はクリスマスとは無関係だ、と強調しているキース君。
今でこそ「そるじゃぁ・ぶるぅ」のお誕生日に合わせてパーティーですが、
それが無ければクリスマス無しで過ごすとか…?
キース 「もちろんだ。坊主の世界にクリスマスは要らん」
ジョミー「それって寂しい…。お寺が全部そうじゃないでしょ?」
ブルー 「うん。小さな子供がいるお寺では祝っているよ」
キースも言っていただろう、と生徒会長。
檀家さんからクリスマスケーキの差し入れがあったり、色々前向き。
ブルー 「キースの幼稚園時代には既に多かった筈だけどねえ?」
ジョミー「じゃあ、アドス和尚が前向きだったらサンタクロースは…」
ブルー 「来ていただろうね。キースは良い子だったんだから」
スウェナ「なんだか凄く可哀想…」
マツカ 「クリスマスの思い出が皆無ですもんね」
クリスマス会も無ければサンタも来ないクリスマス。
あまりに悲しすぎるのでは、とキース君以外の誰もが思っているようです。
ジョミー「そうだ、今からでも遅くないよ!」
サム 「何がだ?」
ジョミー「キースのための思い出作り!」
子供時代のクリスマスの分を取り戻すのだ、とジョミー君。
思い出作りって、まさか元老寺にサンタクロースを召喚するとか…?
2011/12/05 (Mon)
☆クリスマスを目指せ
キース君のためにクリスマスの思い出作りをするのだ、と言うジョミー君。
いったい何をやらかす気だか…。
キース 「俺はクリスマスは要らんと言った筈だぞ」
ジョミー「それって絶対普通じゃないし! 何かが変だし!」
シロエ 「ですよね…。キース先輩が平気だと言っても、ちょっと」
サム 「うんうん、真っ当なクリスマスを知って欲しいよな」
キース 「だからどうしてクリスマスなんだ!」
ジョミー「楽しいからだよ、子供にはサンタ! 大人はパーティー!」
スウェナ「クリスマスが近づくとワクワクするでしょ?」
キース 「そういうものか? 俺には今一つ分からんが…」
ジョミー「クリスマスを知らないからそうなるんだよ、絶対良くない!」
マツカ 「ですよね、楽しい気分が分からないんじゃあ…」
サム 「良くねえな。人生、損をしてるんじゃねえか?」
クリスマスを理解出来ないのはよろしくない、と意見が一致いたしました。
やはり素晴らしい思い出を作ってあげなくては!
ブルー 「いいねえ、キースのために思い出作り。元老寺でやるのかい?」
キース 「俺の家にはクリスマスは無い!」
ジョミー「元老寺でやろうだなんて言わないよ。やっぱり学校…?」
シロエ 「学校でクリスマス…って、クリスマス会ですか?」
ジョミー「それが一番早そうだしね。…高校生だとおかしいかな?」
ブルー 「大丈夫だと思うけど? やってる学校も沢山あるよ」
ジョミー「え、ホント? だったら先生の許可をもらってくれば…」
ブルー 「うん、問題なく開催できる」
シロエ 「いいですね! やりましょう、キース先輩のために」
サム 「良かったな、キース! 人生初のクリスマス会だぜ!」
キース 「いや、俺は別に…」
サム 「遠慮しねえで受け取れって! なあ、ジョミー?」
ジョミー「そうだよ、クリスマスパーティーとは別物だしね」
楽しいクリスマス会にしなくっちゃ、とシャン学メンバーは意気盛ん。
どんな企画が出てくるのやら…?
2011/12/06 (Tue)
☆クリスマス会、企画中
クリスマス会をやることに決めたシャン学メンバー。
まだ内容は未定ですけど、先生方の許可を貰わないと話は前に進みません。
ブルー 「授業の邪魔にならなかったら多分OKは出ると思うよ」
ジョミー「ハロウィンだって出来たんだもんね」
ブルー 「クリスマス当日は冬休みに入ってしまってるから、その前だね」
シロエ 「22日が終業式ですし、21日くらいでしょうか」
ブルー 「終業式の日はお歳暮争奪戦がメインだし…。21日が妥当かな」
シャングリラ学園の終業式では先生方からお歳暮が出ます。
これの争奪戦は大人気ですし、クリスマス会は別の日にすべきでしょう。
ブルー 「それじゃ21日ってことで許可を貰いに行ってくるよ」
ジョミー「えっと…。今度は生徒会主催? それとも実行委員会?」
ブルー 「実行委員会に決まっているだろう? 生徒会はノータッチ!」
サム 「じゃあ、実行委員長は誰になるんだ?」
ブルー 「言い出しっぺはジョミーだけれど、ぼくがやるのが無難だよね」
先生方の心象が違う、と生徒会長は早速お出掛けして行きました。
シャン学メンバーの名前を連ねたクリスマス実行委員会の名簿を持って。
お祭り好きな先生方は快く承諾してくれたらしく…。
ブルー 「決まったよ、12月21日はクリスマス会!」
ジョミー「やったあ! これでキースもいい思い出が出来るよね!」
キース 「俺はクリスマスはどうでもいいんだが…」
ジョミー「ダメダメ、この際、楽しまないと」
スウェナ「そうよ、せっかく実行委員会まで作ったんだし!」
ブルー 「好意は有難く受けるものだよ。…ところで、ジョミー」
ジョミー「なに?」
ブルー 「マリア役は君でいいのかな?」
全員 「「「は?」」」
ジョミー「なにさ、それ…」
ブルー 「クリスマス会でマリアと言えば聖母に決まっているだろう」
そんなことも知らないだなんて情けない…、と生徒会長。
確かにクリスマスには聖母マリアですけど、クリスマス会とどう関係が…?
以下、ちょこっと蛇足。
明日、12月8日はアニテラ・ブルー様の御命日かもしれない日です。
気になる方はカテゴリーの「ソルジャー・ブルー」をクリック!→こちら
2011/12/07 (Wed)
☆クリスマスいろいろ
クリスマス実行委員会を立ち上げてしまったシャン学メンバー。
12月21日にクリスマス会の開催が決まり、先生の許可も貰ったのですが…。
ジョミー「どうしてぼくがマリア役なのさ! 意味不明だよ!」
ブルー 「単に、ぼくがやりたくないってだけだけど?」
シロエ 「クリスマス会にマリアは関係ないですよ」
サム 「うん、サンタクロースなら分かるけどな」
ブルー 「そうかい? マツカは理解していそうだよ」
マツカ 「え、えっと…。多分…」
スウェナ「どんな意味なの?」
マツカ 「幼稚園のクリスマス会で降誕祭の劇があったんですよ」
全員 「「「劇!?」」」
マツカ 「ええ。イエスが馬小屋で生まれるまでの短いヤツで」
キース 「それでマリアが出てくるのか…」
ブルー 「天使もね。ぼくはマリアより天使がいい」
受胎告知の大天使ガブリエルが降誕劇の花形だそうでございます。
目立ちたがりの生徒会長にはピッタリですけど、クリスマス会で劇ですか?
ブルー 「クリスマス会をやる高校では降誕劇がメインなんだよ」
ジョミー「…嘘…」
ブルー 「本当だってば、検索すれば一目瞭然」
アルテメシアだとこの学校とか…、とホームページを示す生徒会長。
確かに降誕劇の案内などが載っております。
キース 「あんた、坊主のくせに、どうしてこんなのに詳しいんだ!」
ブルー 「だってさ、見応えがあるんだよ。クリスマスっぽいし」
シロエ 「ということは、見に行ったことがあるんですね?」
ブルー 「決まってるだろう。フィシスと一緒に何度も行ってる」
キース 「な、な…。あんたに坊主のプライドは無いのか!」
ブルー 「他の宗教に敬意を払うのも大切だよ? 宗教サミットもあるし」
キース 「それはそうかもしれないが…。あんたのは違う気がするぞ」
ブルー 「…バレたか。クリスマスのデートにはピッタリでねえ」
教会よりも敷居が低いし、と生徒会長はウインクしています。
高僧のプライドはいったい何処へ…?
…本日も蛇足。12月8日だなぁ…、と。
アニテラ・ブルーの御命日ってクリスマス・シーズン真っ只中っすか?
(カテゴリー内の「ソルジャー・ブルー」参照)→こちら
2011/12/08 (Thu)
☆高僧のクリスマス
他所の学校のクリスマス会に行っていたらしい生徒会長。
お目当てはイエス・キリストの降誕劇でございます。お坊さんのくせに…。
キース 「デートか何だか知らないがな、よりにもよって降誕劇か!?」
ブルー 「別にいいじゃないか。教会のミサに出たわけじゃなし」
キース 「どうだか…。そっちにも行ったとか言い出すなよ?」
ブルー 「フィシスにせがまれて何回かね」
ジョミー「お坊さんなのに? お寺のクリスマスはコッソリやるって…」
ブルー 「子供のいるお寺だけだってば。基本はやらない」
シロエ 「だったらクリスマス・ミサは論外なんじゃあ…」
ブルー 「クリスマスのミサは信者さんでなくても参加できるよ」
坊主が見に行って何が悪い、と生徒会長は澄まし顔です。
そんな人だけに、キリスト教系の学校の降誕劇に出掛けるくらいは朝飯前。
ブルー 「降誕劇そのものもいいけど、聖歌隊が素敵でね」
全員 「「「聖歌隊…?」」」
ブルー 「讃美歌を歌いながら蝋燭の光で入場してくるのは荘厳だよ」
キース 「坊主に讃美歌は関係ないっ!」
ブルー 「そうかなぁ…。グレゴリオ聖歌と声明の共演もあるじゃないか」
サム 「へえ…。そんなのもアリなのか…」
ブルー 「うん、CDも発売されてる。だから全く無問題!」
キース 「無問題って…。あんた、讃美歌を歌ってきたのか?」
ブルー 「全員参加のパートは歌うよ? きよしこの夜とか」
一般客も歌える降誕劇。
帰り際には聖歌隊が合唱しながら見送ってくれることもよくあるそうで…。
ブルー 「夜だと蝋燭の灯りが映えて綺麗なんだよ」
スウェナ「蝋燭と讃美歌でお見送りなんて、ロマンチック…」
ブルー 「だろう? そこで雪が降ってくれればパーフェクト!」
ホワイト・クリスマスを先取り出来て最高だとか。
そりゃ、デートにはピッタリでしょうが…。
この人は本当に高僧なのか、と頭を抱えるシャン学メンバー。
積極的にクリスマスだなんて、有難味も何もあったものでは…。
2011/12/09 (Fri)
☆クリスマス会の行方
降誕劇どころかクリスマスのミサも経験していた生徒会長。
しかも「デートにピッタリだから」出掛けるというのが不謹慎の極み。
キース 「あんたは何を考えてるんだ! 親父が聞いたら号泣するぞ」
ブルー 「別にいいじゃないか。法衣で参加したわけじゃなし」
キース 「坊主だとバレなければいいと言うのか、あんたってヤツは!」
ブルー 「バレてもいいけど、雰囲気を壊しちゃ申し訳ない」
クリスマスを祝う集いに坊主は似合わないそうでございます。
それでもクリスマス気分を満喫したい生徒会長、正体を隠して堂々と参加。
ブルー 「やっぱり空気を読まなきゃね。郷に入りては郷に従え!」
キース 「…もういい…。その調子でクリスマス会をやる気なんだな?」
ブルー 「もちろんさ。君もマリア役はジョミーがいいと思うかい?」
ジョミー「ちょ、ちょっと待ってよ、なんでぼくが!」
シロエ 「そうですよ。降誕劇をやるんだったらジョミーでなくても…」
ブルー 「おやおや、君がやりたいのかい? 立候補は大いに歓迎だけど」
シロエ 「違いますってば! スウェナ先輩がいるじゃないですか!」
サム 「スウェナがマリアかぁ…。適役かもな」
ジョミー「だよね! やっぱりマリアは女の子の方が…」
ブルー 「分かってないねえ…。それじゃヨセフは誰なんだい?」
全員 「「「え?」」」
ブルー 「マリアとヨセフはセットもの! 男女のペアだと生々しくて…」
神聖さ半減どころではない、と言われてみれば確かにそうかも?
ブルー 「幼稚園なら男女混合も微笑ましいけど、高校生では無理がある」
ジョミー「だったら、やらなきゃいいじゃない!」
シロエ 「ですよね。クリスマス会はやりたいですけど、降誕劇は別に…」
ブルー 「ふうん? じゃあ、どんなクリスマス会を希望なわけ?」
ジョミー「サンタが来れば充分だよ!」
キースの思い出作りなんだし、とジョミー君。
生徒会長のせいでズレかけた趣旨がようやく原点に戻りましたか…?
2011/12/10 (Sat)
☆間違った贈り物
クリスマス会にはサンタクロースがいればいい、とジョミー君。
生徒会長お勧めの降誕劇は要らないそうでございます。
ジョミー「クリスマス会にはサンタクロース! それで完璧!」
ブルー 「なるほどね…。でもって、またまたキースが間違えるわけか」
ジョミー「間違えるって…何を?」
ブルー 「サンタクロースの訪問の意味! いりこスナックを貰うんだし」
ジョミー「違うよ、もっといいものだってば!」
ブルー 「お菓子とかサンタブーツとか?」
ジョミー「高校生でもサンタブーツでいいじゃない。懐かしのアイテム!」
サム 「いいかもな、それ! この年じゃ貰えないもんなぁ」
シロエ 「詰めるお菓子を工夫すれば充分楽しめますよ」
スウェナ「そうね、キャンデーの代わりにスナック菓子とか」
サンタブーツが良さそうだ、と意見が一致したシャン学メンバー。
中身を高校生向けのお菓子にすれば大いに喜んで貰えそうです。しかし…。
ブルー 「残念だけどサンタブーツは絶対無理! いりこスナック!」
ジョミー「どうしてそれにこだわるわけ? いりこスナックは大却下!」
ブルー 「もっと現実を直視したまえ。サンタブーツとどっちが安い?」
ジョミー「え? え、えっと……。いりこスナックかな?」
ブルー 「いりこスナックの方が格段に安い。それなら全員に配れるんだ」
費用の問題を考えたかい、と生徒会長。
生徒全員に配るプレゼントとなると数も半端ではありません。
ブルー 「第一、サンタは誰がやるんだい?」
ジョミー「先生にお願いしようかなぁ、って…」
ブルー 「その点はぼくも賛成だけど、プレゼント代までは頼めないよ」
シロエ 「じゃあ、いりこスナックなら生徒会の予算で買えるんですか?」
ブルー 「いや、その程度だったら先生もカンパしてくれるかな、って」
クリスマス会には先生扮するサンタが登場!
でも配るのは『いりこスナック』。
キース君にとってのクリスマスって、何処まで行っても『いりこスナック』?
2011/12/11 (Sun)
☆資金が足りない
シャングリラ学園のクリスマス会でも配られるものは『いりこスナック』。
先生にカンパをお願いする以上、安価でないといけないのです。
ジョミー「えっと…。それってどうにかならないわけ?」
ブルー 「先生にカンパを頼むんでなければ、サンタブーツも買えるけどさ」
シロエ 「そうなってくると資金源が問題ですよね…」
ブルー 「だろう? 生徒全員から集金しようと言うのかい?」
マツカ 「会費制ならパーティーの方が喜ばれそうですよ」
ブルー 「ぼくもそう思う。でもパーティーは準備が大変だしねえ…」
サム 「あーあ、サンタが一番お手軽なのになあ」
ジョミー「ツリーとかを飾ってサンタクロースが来るのが理想なのに…」
キース 「いりこスナックの何処がいけない? それでいいじゃないか」
ジョミー「分かってないキースに言われたくないよ!」
いりこスナックは駄目なのだ、とジョミー君は力説しております。
キース君の間違った認識を正し、真っ当なクリスマスの思い出を作らねば!
ジョミー「格安でサンタブーツが買えるお店って無いのかな?」
ブルー 「いりこスナック並みの値段では無理! それなりにかかる」
キース 「いりこスナックをサンタブーツに詰めて配ればいいと思うが」
ぶるぅ 「ブーツだけなら作ってもいいよ? 面白そうだし」
キース 「ぶるぅも協力してくれるそうだ。出来る範囲でやるべきだぞ」
ジョミー「喜ばれないモノを配っても意味が無いんだよ!」
サム 「そうだぜ、クリスマスのプレゼントってヤツは大切なんだ」
スウェナ「キースはホントに分かってないわね…」
シロエ 「でも、このままだと、いりこスナックになっちゃいますよ」
ブルー 「回避する方法が無いこともない。君たち次第なんだけど」
全員 「「「え?」」」
ブルー 「マザー農場がね、クリスマスのチャリティーをやっているんだ」
おおっ、チャリティーに便乗ですか!
今年はシャングリラ学園にも寄付をよろしく、とお願いに行けばOKとか?
2011/12/12 (Mon)
☆寄付金でいこう
資金不足で『いりこスナック』しか配れそうにないクリスマス実行委員会。
そこへ生徒会長が持ち出してきたのがマザー農場のチャリティーです。
ジョミー「そっか、クリスマスのチャリティーなら出資してくれるかも!」
ブルー 「うん、クリスマスのチャリティーなら…ね。でも…」
シャングリラ学園のクリスマス会に出資するのは何かが違う、と生徒会長。
学校の運営資金が足りないから寄付を、というならチャリティーですが…。
ブルー 「マザー農場は恵まれない子供たちのために寄付してるんだよ」
シロエ 「クリスマス会のために寄付してくれなんて言えませんね…」
キース 「当然だろう! 俺たちも寄付に協力します、というのが筋だ」
ブルー 「そう、それなんだよ。ぼくたちも寄付を集めようかと」
キース 「ちょっと待て! 寄付を集めてクリスマス会をやるってか?」
ブルー 「そのまんまでは流石にマズイし、マザー農場に頼もうか…とね」
スウェナ「何を頼むの?」
ブルー 「マネー・ロンダリング」
全員 「「「はぁ?」」」
ブルー 「つまりさ、学校で寄付を募るわけ。それをマザー農場に届ける」
キース 「すると、どうなる?」
ブルー 「マザー農場のチャリティー金額と寄付する先は決まってるんだ」
貰う方にも都合があるから、と生徒会長は説明しております。
アテにしていた寄付金が来ないと困る施設もあるそうで…。
ブルー 「だから、ぼくたちが寄付を届けると、その分、お金が余るわけ」
キース 「そりゃそうだろうな…」
ブルー 「マザー農場が出すべきお金が浮くだろう? それで御礼を」
チャリティーに協力してくれた生徒にサンタブーツをプレゼント!
なんとも素敵な話です。
マネー・ロンダリングというアヤシイ単語を聞いたことさえ忘れれば…。
ブルー 「もしも沢山集まるようなら、余った分は真面目に寄付しよう」
マザー農場の名前は出さずに歳末助け合い運動とかに、というアイデア。
でも、寄付なんて集まるのかな?
2011/12/13 (Tue)
☆チャリティーと下心
全校生徒から寄付を集めてマザー農場のチャリティーをお手伝い。
その御礼としてサンタブーツを貰えばいい、と生徒会長は申しております。
ブルー 「寄付の見返りにプレゼントが貰えることは内緒にしてさ」
キース 「純粋に善意の寄付でいこうってか?」
ブルー 「うん。だから目標額に届かない可能性も出てくるけれど…」
キース 「そっちの方がありそうだぞ。多く集まる筈が無い」
シロエ 「みんな学生ですもんねえ…。小銭の率が高そうです」
ブルー 「まあね。でも先生はどうだろう? 生徒が寄付を集めてるんだ」
見ないふりは絶対できない、と言われてみればその通り。
ただのクリスマス会にカンパするのと、チャリティーとでは金額も自然に
変わって来そうなものですし!
ブルー 「目標額はこのくらいです、と届け出ておけば完璧だね」
キース 「なるほどな。生徒だけでは無理だと思えば助けてくれるか…」
ブルー 「そういうこと! ついでにサンタ役も頼みやすくなるよ」
サム 「えっ? サンタと寄付は関係ないぜ」
ブルー 「チャリティーを頑張った御礼にプレゼントが貰えるわけだから」
シロエ 「ああ、自分たちで買うより重みがありますね」
ブルー 「だろう? それを配って欲しいんです、と頼めばいいんだ」
キース 「確かに断りにくい雰囲気があるな…」
ブルー 「黙ってても引き受けてくれそうだけど、こっちの方が好印象!」
スウェナ「ただの遊びじゃないものね」
ブルー 「じゃあ、寄付金を集めるってことでいいのかな?」
ジョミー「サンタブーツが貰えるんなら断然それだよ!」
キース 「チャリティーの精神だけは評価できるか…」
多少アヤシイ部分もあるが、と言いつつキース君も納得した様子。
生徒会長は早速、先生方の所へお出掛け。
ブルー 「OKだってさ、寄付金集め!」
サンタブーツのプレゼント目指してチャリティー始動でございます。
下心がちょっと気になりますけど、高校生のやることですから所詮はお祭り!
2011/12/14 (Wed)
☆チャリティーでGO!
寄付金集めの許可を貰った生徒会長、早速マザー農場に電話を入れました。
事後承諾で大丈夫なのかって? そこは腐ってもソルジャーですから…。
ブルー 「よし! サンタブーツはプレゼントしてくれるってさ」
ジョミー「やったあ! これでキースもサンタブーツが貰えるよ」
キース 「だから、俺はクリスマスはどうでもいいと…」
ブルー 「どうでもいい段階は過ぎちゃったんだよ。チャリティーだよ?」
スウェナ「そうよ、子供たちのために頑張らないと」
キース 「サンタブーツの代金はともかく、余った分は寄付と言ったか…」
ブルー 「うん。目標額を越えた場合は純粋に寄付! だからね…」
人助けとして努力すべきだ、と生徒会長。
ブルー 「そりゃクリスマスではあるけどさ。宗派を越えて協力しないと」
キース 「人助けだと言われてしまうと知らん顔は出来ないな」
ブルー 「そうだろう? 人助けが出来て人生初のクリスマス会も出来る」
シロエ 「一石二鳥ってヤツですね。サンタクロースですよ、キース先輩!」
サム 「そうそう、サンタクロースはいりこスナックじゃねえんだよ」
ぶるぅ 「でも本物のサンタじゃないでしょ? 先生だもんね」
スウェナ「本物は子供の家にしか来てくれないのよ」
マツカ 「ぼくたちの年だと無理ですよね。ぶるぅは大丈夫ですけれど…」
ブルー 「そのサンタ役もついでにお願いしてきたよ」
ジョミー「誰に?」
ブルー 「職員会議をやってる所に押し掛けたから、誰ってわけでも…」
先生方は寄付金集めの話に感動。サンタクロースは任せておけ、と満場一致。
誰がサンタ役を引き受けるのかは分からないそうで…。
ブルー 「誰になるのか楽しみだよね。中庭の使用許可も貰ってきたし」
全員 「「「中庭?」」」
ブルー 「寄付金集めの活動場所! あそこが一番目立つんだよ」
気付いてもらえないと話にならない寄付金集め。
シャン学メンバー、募金箱を持って中庭に立つことになりそうですよ~!
2011/12/15 (Thu)