☆朝イチで来ない人
お盆はスッポンタケの棚経、朝イチで生徒会長宅に集合。
とはいえ、僧籍な面子は棚経、それ以外の面々だけでして。
シロエ 「何故、ぼくたちだけ、朝早くからですね…」
スウェナ「此処へ来なくちゃいけないのかしら…」
ブルー 「心構えというヤツだよね」
キースたちの朝は、もっと早いよ、と生徒会長。
ブルー 「一軒目のお宅に到着するのが、朝の6時だしさ」
マツカ 「出発前にも、色々、準備がありますよね?」
ぶるぅ 「そだよ、着替えもしなくちゃ駄目だし…」
朝のお勤めもしなくっちゃ、と「そるじゃぁ・ぶるぅ」も。
ぶるぅ 「サムもジョミーも、朝の5時には元老寺だもん」
シロエ 「そうでした! キース先輩は4時起きですよね」
ブルー 「甘いね、3時半だと思うよ」
マツカ 「ぼくたちは、まだまだマシな方ですね」
それに比べれば…、と御曹司。
マツカ 「ですから、仕方ないですけれど…」
シロエ 「例の人は爆睡中でも、ですか?」
マツカ 「起こせると思っているんですか?」
あの人を、と御曹司の問い。
マツカ 「此処で怒鳴っても、届きませんよ?」
シロエ 「目覚ましも、かけていないでしょうしね…」
スウェナ「当たり前でしょ、来るだけマシよ!」
直前でもね、とスウェナちゃんの指摘。
スウェナ「流石に、サボる気は無いみたいだし…」
マツカ 「棚経がかかってますからねえ…」
シロエ 「来なかった時は、スルー確定ですしね…」
キース先輩が次のお宅に行ってしまって、とシロエ君。
シロエ 「例の仏様は、放置で終わってしまいますし…」
スウェナ「放置の場合は、どうなるのかしらね?」
一同 「「「は?」」」
どういう意味だ、と皆の視線がスウェナちゃんに。
シロエ 「どうなるのかって、何がですか?」
スウェナ「例の仏様よ、お迎え出来ないわけでしょう?」
シロエ 「あー…」
マツカ 「どうなるんでしょう?」
お迎えしないと…、と首を傾げる面々ですけど。
どうなると?
2021/08/16 (Mon)
☆放置された場合は
お盆と言えばスッポンタケの棚経、生徒会長宅に集う面々。
キース君たちは棚経だけに、僧籍以外の面子ですけれど…。
シロエ 「放置で終われば、お迎えが無いわけですよね?」
スウェナ「そうなのよ。幼稚園バスが来ない状態だわね」
マツカ 「凄い例えですけど、それと似ていますね」
お迎えを待っているんですし、と頷く御曹司。
マツカ 「棚経をする家の数だけ、幼稚園バスですか…」
スウェナ「来たら、乗り込んで出発でしょ?」
シロエ 「この場合は、家に帰る方のバスですけどね」
幼稚園を出て、とシロエ君も。
シロエ 「棚経が放置だと、そのバスが無いってことで…」
スウェナ「帰りたくても、帰れない気がするのよね」
マツカ 「どうでしょう? 幼稚園児もいそうですけど…」
大人の仏様の方が多いのでは、と御曹司が傾げる首。
マツカ 「大人だったら、自分で何とかしませんか?」
スウェナ「でも、路線バスとかは走ってないでしょ?」
シロエ 「列車があるとも聞きませんよね…」
歩きでは、辿り着けないでしょうし、とシロエ君。
シロエ 「休みな地獄で留守番でしょうか?」
スウェナ「気になるでしょ?」
マツカ 「ええ。…ブルー、答えは分かってるんですか?」
銀青様ですし、と御曹司の問い。
マツカ 「棚経が無かった仏様は、どうなるんです?」
ブルー 「一応、救済策はあるけど?」
スウェナ「路線バスなの?」
シロエ 「まさか、列車が走ってますか?」
文字通り、帰省列車というヤツが、とシロエ君は列車説。
シロエ 「お盆限定で運行するとか、そういうのが…」
ブルー 「鉄の仏様が好きそうだね、ソレ」
一同 「「「鉄?」」」
なんのこっちゃ、と一同、キョトン。
シロエ 「えーっと…? 鉄製の仏様ですか?」
ブルー 「違うよ、鉄道オタクだってば」
マツカ 「なるほど、限定運行ですしね…」
ブルー 「垂涎ものだよ!」
乗り鉄、撮り鉄、どっちにもね、と言ってますけど。
お盆限定…?
2021/08/17 (Tue)
☆鉄道オタクなら
お盆はスッポンタケの棚経、今年も生徒会長宅に集う面々。
僧籍な面子は棚経中で、それ以外のメンバーですけれど…。
シロエ 「乗り鉄と、撮り鉄の仏様ですか…」
マツカ 「ホームが溢れそうですね…」
スウェナ「帰りそびれる人が出そうよ、撮り鉄をしてて」
棚経で来るバスに間に合わなくて、とスウェナちゃん。
スウェナ「だって、ご先祖様を乗せていくバスでしょ?」
シロエ 「あー…。置き去りにされるわけですね?」
マツカ 「他の仏様は、早く帰りたいのが普通ですよね…」
限定列車を見ているよりも、と御曹司も。
マツカ 「最終列車は、置き去りにされた人用でしょうか」
シロエ 「乗車率が200パーセントを超えそうですね」
スウェナ「乗れれば、それで本望じゃないの?」
鉄道オタクの仏様よ、とスウェナちゃんの指摘。
スウェナ「もう乗れません、とは言わないでしょ?」
マツカ 「臨時列車を出すかもですね」
シロエ 「そうなると、それを撮ろうとしませんか?」
鉄道オタクなんですから、とシロエ君の読み。
シロエ 「レアになるほど、価値が上がりそうですし…」
スウェナ「悪循環というヤツだわねえ…」
マツカ 「本当にそれでいいんですか、ブルー?」
地獄を運営している人は、と御曹司が傾げる首。
マツカ 「限定列車だと、現場が大変そうですよ?」
ブルー 「うん。だから、そういう列車は無いね!」
一同 「「「え?」」」
だったら救済策というのは…、と顔を見合わせる御一同様。
シロエ 「じゃあ、どうやって帰るんです?」
マツカ 「帰る方法があるんですよね?」
ブルー 「まあ、一応は…」
交通機関は何も無いけど、と生徒会長、いえ、銀青様。
ブルー 「三途の川の渡し船だけは、あるけどね」
シロエ 「何処が救済策なんですか!」
マツカ 「救われる気がしませんけれど…?」
ブルー 「交通機関は、諦めるしかないけどさ…」
他はなんとかなるんだよね、と言ってますけど。
どの辺が…?
2021/08/18 (Wed)
☆救済策は何処に
お盆はスッポンタケの棚経、僧籍な面子は棚経にお出掛け。
生徒会長宅に集う面々、お盆と棚経について質問中でして。
シロエ 「交通機関が無いなら、キツイじゃないですか!」
マツカ 「キュウリの馬とかも無いわけですね?」
ブルー 「棚経も無い仏様にさ、そんなのがあるとでも?」
スウェナ「お供えしてくれる人が無いわね…」
じゃあ、どうするのよ、とスウェナちゃん。
スウェナ「何処に救済策があるって言うの?」
ブルー 「他はなんとかなる、と言ったんだけど?」
シロエ 「他って、何です?」
ブルー 「仏様だよ、ズバリ、お経と食事だってば!」
お盆に欲しいものと言えばね、と銀青様の仰せ。
ブルー 「お経を読んで貰えるだけでさ、もう充分に…」
マツカ 「満足なんですか?」
ブルー 「なんと言っても、仏様だからね」
其処へ食事があれば最高、と生徒会長、親指をグッと。
ブルー 「棚経が無かった仏様にも、それはあるから」
シロエ 「そんなサービス、誰がするんです?」
マツカ 「何処の家でも、ご先祖様で手一杯ですよ?」
スウェナ「それに、人間のお客様だってドッサリだわよ」
棚経があるような家には、帰省の人も…、という指摘。
スウェナ「田舎の家だと、民宿状態になるんでしょ?」
シロエ 「そう聞きますねえ、お孫さんとかが大勢で…」
マツカ 「其処へ、ご先祖様の分のお膳ですしね…」
他所の仏様まで手が回らないと思いますけど、と御曹司も。
マツカ 「いくら功徳を積めると言っても、無理ですよ」
シロエ 「現金が貰えるならともかく、功徳ですしね…」
スウェナ「やりたがる人が、何処にいるのよ?」
それとも当番制かしら、とスウェナちゃんの質問。
スウェナ「お寺が当番を決めて来るなら、仕方ないわね」
シロエ 「拒否ったら、棚経を断られそうですね…」
マツカ 「そうなんですか?」
ブルー 「檀家さんに逃げられるよ!」
それは流石に、とのお言葉ですけど。
じゃあ、誰がやると…?
2021/08/19 (Thu)
☆お寺の役目です
お盆はスッポンタケの棚経、生徒会長宅に集っている面々。
僧籍以外の面子なだけに、お盆と棚経について質問でして。
シロエ 「当番制でもないと言うなら、どうなるんです?」
マツカ 「有志の人を募るにしても、お盆ですよ?」
普通は休みたいのでは、と御曹司の疑問。
マツカ 「それとも、ご高齢の方が引き受けるんですか?」
スウェナ「お年寄りなら、そういうこともありそうねえ…」
シロエ 「やれば、極楽に行けそうですしね」
他所の仏様のお世話なだけに、とシロエ君の見解。
シロエ 「食事を作るのが、ちょっと大変そうですけど…」
ブルー 「お盆用に、フリーズドライのセットもあるよ」
でも、そうじゃないから、と生徒会長、いえ、銀青様。
ブルー 「棚経が無い仏様のお世話は、専門家の仕事!」
一同 「「「は?」」」
ブルー 「坊主だってば、お寺のお盆の行事なんだよ」
シロエ 「えっと…? それは、棚経以外に、ですか?」
棚経だけでもハードなのに、とシロエ君が傾げる首。
シロエ 「もしかして、キース先輩も…?」
ブルー 「当然だよね、棚経だけで、バテるとでも?」
サムやジョミーじゃないんだからさ、と銀青様のお言葉。
ブルー 「ハードな修行もやってたんだよ、キースはね」
シロエ 「棚経の他に、何をするんです?」
ブルー 「お経と、食事でおもてなしだよ!」
食事の用意は、イライザさんがいるけれど、との仰せ。
ブルー 「裏方がいないお寺の場合は、食事作りも…」
マツカ 「お坊さんの仕事になるわけですか?」
ブルー 「そうなるねえ!」
一同 「「「うわー…」」」
なんてハードな行事なんだ、と誰もがガクブル。
シロエ 「お盆って、其処までキツイんですか…」
マツカ 「キースが消耗するわけですよね…」
スウェナ「なのに、例の仏様の棚経まであるのね…」
ブルー 「自業自得だよ、ソレに関するあれこれはね!」
自分で蒔いた種なんだし、と生徒会長、ピシャリ。
確かに…。
2021/08/20 (Fri)
☆目が黒い内は
お盆はスッポンタケの棚経、朝から生徒会長宅に集う面々。
僧籍な面子は棚経中で、それ以外のメンバーですけれど…。
シロエ 「そうですよね…。キース先輩が、戒名なんか…」
マツカ 「つけなかったら、棚経も無かったわけですし…」
スウェナ「私たちだって、朝早くから集まらなくても…」
よかったのよね、とスウェナちゃんの深い溜息。
スウェナ「キースは自業自得だけれど、私たちの方は…」
シロエ 「巻き添えというヤツですからねえ…」
マツカ 「しかも一生、ついて回ると思うんですけど」
ブルー 「誰かさんの目が、黒い内はね…」
ぼくだって、毎年、家を提供、と生徒会長も嘆き節。
ブルー 「ぶるぅも、お膳を作るしかないし…」
??? 「目が黒い人って、誰か、いたっけ?」
誰だろう、とソルジャー(会話表記はAブルー)、登場。
Aブルー「そういや、サムがちょっぴり、黒っぽいかな?」
ブルー 「やっと来たわけ?」
思いっ切り、重役出勤だよね、と生徒会長の嫌味。
ブルー 「いいかい、他のみんなは、朝早くから…」
Aブルー「それよりサムだよ、有難いねえ…!」
一同 「「「は?」」」
Aブルー「だって、サムの目が黒い内はさ…」
棚経をやってくれるわけだし、とソルジャー、ニコニコ。
Aブルー「サムは、とっても若いからねえ!」
ブルー 「誰かさんというのは、君のことだから!」
Aブルー「…ぼくの目は、黒くないんだけれど?」
ブルー 「決まり文句というヤツだよ!」
知ってて言っているだろう、と生徒会長が吊り上げる眉。
ブルー 「棚経の巻き添えにしておいてさ!」
Aブルー「でもねえ、君は、お坊さんだし…」
もっと仕事をしてくれたって、とソルジャー、反論。
Aブルー「他所の仏様の面倒を見るのが、お盆だろう?」
ブルー 「それは、お寺の話だから!」
Aブルー「何処が違うわけ?」
ブルー 「ぼくはフリーだし!」
お寺なんかは持ってないしね、と生徒会長。
その通りですね…。
2021/08/21 (Sat)
☆赤の他人です
お盆はスッポンタケの棚経、僧籍な面子にはハードな一日。
それ以外の面子も、生徒会長宅に集うしかないわけでして。
ブルー 「フリーだからこそ、お盆を満喫出来るのに…」
シロエ 「誰かさんのせいで、無理になったんですね?」
ブルー 「一生モノな勢いでね…」
君たちだってそうなんだけど、と生徒会長、フウと溜息。
ブルー 「なんだって、家で棚経なんかを!」
Aブルー「お盆をスルーとは、思えないけどねえ?」
昨夜も何かやってただろう、とソルジャーの指摘。
Aブルー「お香を焚いて、何かお経を…」
ブルー 「ぼくにも、ご先祖様はいるから!」
人工子宮から生まれたわけじゃないし、と生徒会長。
ブルー 「基本の供養は、ちゃんとするってば!」
Aブルー「だったら、ケチっていないでさ…」
他所の仏様の面倒だって、とソルジャー、ズズイと。
Aブルー「それに、スッポンタケは他人じゃないし…」
ブルー 「赤の他人だよ!」
Aブルー「もう充分に、知り合いだってば!」
家族同然でもいいくらい、とソルジャーの笑顔。
Aブルー「うんと付き合い、長いしね!」
ブルー 「付き合ってないから!」
Aブルー「スッポンタケとは、ヤれないからねえ…」
一同 「「「は?」」」
なんのこっちゃ、と顔を見合わせる御一同様。
シロエ 「やれないって、何をですか?」
マツカ 「意思の疎通のことでしょうか?」
スウェナ「確かに、キノコは喋れないわねえ…」
お付き合いには無理があるかも、とスウェナちゃん。
スウェナ「目と目で分かる、も出来ないでしょ?」
マツカ 「肝心の目が、ありませんしね…」
付き合う以前の問題ですよ、と御曹司も。
マツカ 「お付き合いは、無いも同然かと…」
シロエ 「出来ないことは、やれないですしね…」
Aブルー「十八歳未満は、黙っててくれる?」
一同 「「「は?」」」
Aブルー「君たちだよ!」
ぼくはブルーと話をね、と言ってますけど。
十八歳未満って…?
2021/08/22 (Sun)
☆お付き合いが問題
お盆はスッポンタケの棚経、ソルジャーも来ていますけど。
僧籍な面子は棚経中で、集っているのは、それ以外の面々。
Aブルー「スッポンタケとの、お付き合いの話なんだし…」
シロエ 「ですから、マツカ先輩たちが言う通りで…」
意思の疎通が不可能ですよ、とシロエ君。
シロエ 「いくら会長が、最強のサイオンの持ち主でも…」
マツカ 「キノコが相手では、手も足も出ませんし…」
Aブルー「まさか、この話に混ざりたいわけ?」
一同 「「「えっと…?」」」
何の話だ、と更に深まる謎。
シロエ 「まさかも何も、ぼくたちはですね…」
マツカ 「事実を挙げているだけですけど?」
Aブルー「手も足もだなんて、大胆だねえ…!」
実は猥談が好きなのかな、とソルジャー、ニヤリ。
Aブルー「十八歳未満でも、お年頃ではあるしね、うん」
ブルー 「やめたまえ!」
Aブルー「シロエたちが振って来たんだよ?」
ぼくは黙れと言ったのに、とソルジャーが尖らせる唇。
Aブルー「スッポンタケ相手に、手だの足だの…」
ブルー 「意思の疎通の話だから!」
Aブルー「そうは聞こえなかったけど?」
テクのことを言っているんだろう、とソルジャーの指摘。
Aブルー「どう触ったら、スッポンタケが喜ぶか!」
一同 「「「は?」」」
Aブルー「何処が感じるポイントなのか、そういうヤツ!」
ブルー 「違うから!」
君の思考が歪んでるだけ、と生徒会長、拳をグッと。
ブルー 「いい加減にしないと、叩き出すよ!?」
Aブルー「付き合いは、ソレだけじゃないからねえ…」
ヤれなくても、長い付き合いだろう、と言い張る人。
Aブルー「それとも、ヤれない相手はダメだ、と?」
ブルー 「どうして、そっちの方に行くかな!」
ただでも迷惑してるのに、と生徒会長、怒りMAX。
ブルー 「おとなしく、キースを待ちたまえ!」
Aブルー「そう言わないでさ…」
スッポンタケのために何か、と食い下がる人。
無理では…?
2021/08/23 (Mon)
☆サービスをすると
お盆はスッポンタケの棚経、僧籍な面子は暑い中で格闘中。
生徒会長宅に集っているのは、それ以外の面々ですけれど。
Aブルー「君も坊主なら、何か特別サービスをね!」
ブルー 「なんで、そういうことになるのさ!」
Aブルー「とても偉いんだろう、銀青様は?」
スッポンタケにも、お盆の何か、とソルジャー、譲らず。
Aブルー「スッポンタケだって、喜ぶんだし!」
ブルー 「無縁仏にしてもいいわけ?」
Aブルー「えっと…? 無縁仏って?」
ブルー 「供養してくれる人がいない仏様だよ!」
家族も、親類縁者も全部、と生徒会長、いえ、銀青様。
ブルー 「それでいいなら、お経と食事をサービスするよ」
Aブルー「普通に御馳走してくれないかな?」
プラスお経、とソルジャーの注文。
Aブルー「ぶるぅに、お膳を追加して貰って…」
ブルー 「ぼくにお経を読んで欲しい、と?」
Aブルー「その通り! 君のお経なら、スッポンタケも…」
大感激に違いないしね、とソルジャー、ニコニコ。
Aブルー「ぶるぅ、お膳を作ってくれる?」
ぶるぅ 「かまわないけど、ホントにいいの?」
なんだか心配なんだけど、と「そるじゃぁ・ぶるぅ」。
ぶるぅ 「んとんと、お膳が増えるってことは…」
ブルー 「ズバリ、施餓鬼になるってね!」
一同 「「「施餓鬼?」」」
ブルー 「無縁仏様向けのサービスだってば!」
棚経の無い仏様だよ、と生徒会長、ニンマリ。
ブルー 「つまり今日から、スッポンタケは…」
シロエ 「無縁仏になるんですか?」
ブルー 「キースが泣いて喜ぶね、これは!」
ようやく縁が切れるんだから、とニヤニヤニヤ。
ブルー 「長年、苦労して来たけれどさ…」
スウェナ「それが終わりになるわけね?」
いいじゃないの、とスウェナちゃんも。
スウェナ「私たちも楽になるんだし…」
シロエ 「最高ですよ!」
Aブルー「ちょ、ちょっと…!」
待ってよ、とソルジャー、泣きそうな顔。
何か問題でも…?
2021/08/24 (Tue)
☆お膳を用意して
スッポンタケの棚経の日で、生徒会長宅に集合ですけれど。
僧籍な面子は棚経中で、それ以外の面々とソルジャーで…。
Aブルー「そういうのは、とても困るから!」
ブルー 「どの辺がだい?」
ぼくがお経を唱えるんだよ、と生徒会長、いえ、銀青様。
ブルー 「キースとは格が違うからねえ、最上級ってね!」
Aブルー「そうかもだけど、それをやられたら…」
スッポンタケが大変なことに、とソルジャー、ガクブル。
Aブルー「キースとの縁が、切れちゃうんだろう?」
ブルー 「完全に切れるわけじゃないけど?」
Aブルー「本当かい?」
ブルー 「でも、棚経に来る義務は無くなるねえ…」
元老寺の本堂で纏めて読経、と銀青様の仰せ。
ブルー 「なにしろ、施餓鬼の対象だから!」
Aブルー「そんなの困るよ、もっと普通にお経をさ…!」
ブルー 「棚経に、ダブルは有り得ないんだよ!」
シロエ 「ダブルって、何です?」
お坊さんが被ることでしょうか、とシロエ君の問い。
シロエ 「キース先輩と会長は、両立しない、と?」
ブルー 「うん。棚経をするお寺は、一つだけ、ってね!」
マツカ 「この場合は、元老寺だけになるわけですか?」
ブルー 「そうだよ、だから、ぼくが元老寺の所属なら…」
キースと一緒に読経もアリ、と銀青様。
ブルー 「だけど違うし、スッポンタケとも無縁だし…」
スウェナ「無縁仏として扱うわけね?」
ブルー 「その通り!」
ぶるぅ、お膳を用意して、と指差すキッチンの方向。
ブルー 「キースが来る前に、片付けちゃおう!」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ お施餓鬼用だね!」
Aブルー「待って、待ってってば!」
お願いだから、とソルジャー、泣きそう。
Aブルー「無縁仏として扱われたら、元に戻せないよね?」
ブルー 「キースの腕では、無理だろうねえ…」
Aブルー「じゃあ、要らないから!」
ブルー 「そう言わずにさ…」
遠慮しないで、と笑顔の生徒会長ですけど。
怖すぎですよねえ…?
2021/08/25 (Wed)
☆腕を披露したい人
スッポンタケの棚経のために、生徒会長宅に来ている面々。
僧籍以外の面子ですけど、実は高僧なのが生徒会長でして。
ブルー 「せっかくだしねえ、ぼくも久しぶりに…」
シロエ 「棚経をやってみたいんですね?」
マツカ 「毎年、見ているだけですしね…」
スウェナ「ブルーだったら、やっぱり緋の衣かしら?」
銀青様だものね、とスウェナちゃん。
スウェナ「でも、やることはキースと同じなのよね?」
ブルー 「お経も所作も、変わらないしね」
とはいえ、ぼくがやるわけだから…、とニコニコと。
ブルー 「キースと違って、気品溢れる所作ってね!」
シロエ 「それは是非とも、見てみたいですね」
マツカ 「ええ。話の種にもなりますしね」
Aブルー「やめてよ、怖い冗談は!」
無縁仏は勘弁して、とソルジャーも必死。
Aブルー「ブルーは何もしなくていいから、本当に!」
ブルー 「うーん…。キースも喜ぶと思うんだけどなあ…」
Aブルー「ぼくが泣くから!」
頼むからやめて、とソルジャー、土下座。
Aブルー「スッポンタケとは、末永いお付き合いをさ…」
ブルー 「したいわけだね、はいはい、分かった」
これに懲りたら、ぼくには期待するな、と生徒会長。
ブルー 「フリーだからって、何かさせるのは…」
Aブルー「しないよ、忘れてしまわなければ!」
ブルー 「忘れるのは、如何にもありそうだけどね…」
仕方ないか、と生徒会長、壁の時計に目を遣りまして。
ブルー 「それで、キースの今年のスケジュールは?」
Aブルー「スケジュール…?」
ブルー 「棚経だってば、コースと到着時間だよ」
例年だったら、そろそろでは…、と指差す時計。
ブルー 「まさか、忘れていやしないよね、今の流れで?」
Aブルー「えっと…? え? ええっ!?」
シロエ 「もしかして、忘れてたんですか?」
Aブルー「次なんだってば!」
一同 「「「ええっ?」」」
忘れていたのか、と誰もが愕然。
間に合うんですか…?
2021/08/26 (Thu)
☆忘れられた人たち
スッポンタケの棚経の日ですけど、次だという棚経の順番。
ソルジャーが忘れていたわけでして、僧籍な面子の方は…。
ジョミー「なんだかさあ…。次の檀家さんの家がさ…」
キース 「近付いているような気がするな…」
瞬間移動はどうなったんだ、と炎天下を自転車で走る二人。
キース 「例年だったら、こんなコースは走っていないぞ」
ジョミー「だよねえ、ピックアップされてブルーの家で…」
エアコンだけは効いてた筈で、とジョミー君、汗だく。
ジョミー「忘れられたのかな、暑くて死にそう…」
キース 「泣くな、体力を消耗するぞ!」
俺だって泣きたい気持ちなんだ、とキース君もバテそう。
キース 「仕方ない、次のお宅で棚経をしたら…」
ジョミー「どうするわけ?」
キース 「すみませんが、と水を一杯、お願いしよう」
次を急ぐから、お茶はダメだ、と副住職。
キース 「淹れて頂いたのでは、時間がかかる」
ジョミー「冷蔵庫に麦茶があったらいいな…」
キース 「そうだな、それならキンキンに冷えたのを…」
キューッと一杯、ひっかけられる、と気分はビアガーデン。
キース 「期待はするなよ、今でさえ、この有様だ」
ジョミー「瞬間移動とエアコンがぁ~…」
忘れられるなんて、と悲鳴な所で、青いサイオンが。
ジョミー「あれ?」
キース 「移動したか?」
ブルーの家の玄関前だぞ、と副住職。
キース 「よし、自転車を置いて…」
ジョミー「お邪魔しまぁ~す…」
もう死にそう、とジョミー君が押す玄関チャイム。
ぶるぅ 「かみお~ん♪ いらっしゃい!」
キース 「す、すまんが、水を…」
貰えないか、と言わない内から差し出された麦茶。
ぶるぅ 「はい! 二人とも、暑かったでしょ!」
キース 「た、助かった…! 生き返ったぞ…」
ジョミー「凄く涼しい…!」
ぶるぅ 「でしょ?」
キース 「まさかと思うが、あの馬鹿がだ…」
忘れていたんじゃないだろうな、と副住職。
どうなる…?
2021/08/27 (Fri)
☆とにかく棚経を
スッポンタケの棚経ですけど、忘れ去られた僧籍な人たち。
瞬間移動の発動が遅れて、炎天下を自転車で走ったわけで。
キース 「どう考えても、瞬間移動が遅すぎるんだが…?」
ジョミー「そうだよ、いつもなら、あんなトコはさ…」
自転車で走らないんだよね、とジョミー君も。
ジョミー「次の檀家さんの家が、すぐそこだったよ」
キース 「まったくだ。此処はパスして次かと思った」
ピックアップが来ないからな、とキース君、家の奥へと。
キース 「とにかく、棚経を急いで、だ…」
ジョミー「次の家に行かないと、遅れがさ…」
どんどんズレていっちゃうしね、とリビングへ。
キース 「邪魔するぞ」
シロエ 「キース先輩、ジョミー先輩、お疲れ様です!」
キース 「おい、蝋燭と線香だ!」
シロエ 「は?」
ぼくですか、とシロエ君が言う横で、ジョミー君が準備を。
ジョミー「オッケー、完了!」
キース 「よし、始めるぞ」
一同 (((バレてないとか…?)))
ソルジャーが忘れ去っていた件、と誰もが黙って合掌。
キース 「のうまく さらば たたぎゃた ばろきてい…」
一同 (((いつも通り…)))
キース 「おん さんばら さんばら うん」
ハハーッと平伏、そして陀羅尼でお念仏。
キース 「南無阿弥陀仏、南無阿弥陀仏…」
ジョミー「南無阿弥陀仏、南無阿弥陀仏…」
お念仏だけは、口パクじゃないのがジョミー君でして。
キース 「南無阿弥陀仏…。皆さん、よくお勤めでした」
Aブルー「ありがとう!」
今年も、どうも、とソルジャー、お布施を。
Aブルー「じゃあ、次の家まで送るから」
キース 「その件なんだが…」
あんた、忘れていただろう、と副住職の目に鋭い光が。
キース 「迎えが、うんと遅かったからな!」
Aブルー「気のせいだってば、ほら、急がないと…」
キース 「とっくにリーチだ!」
Aブルー「え…?」
リーチって、とソルジャー、キョトン。
どういう意味…?
2021/08/28 (Sat)
☆遅刻が連鎖です
スッポンタケの棚経なのに、迎えを忘れていたソルジャー。
炎天下を自転車で走った上に、時間もギリギリなキース君。
キース 「リーチと言ったら、言葉通りだろうが!」
ジョミー「次の檀家さんの家にさ、着く時間がさ…」
予定だと、もう今なんだよね、とジョミー君が指す腕時計。
ジョミー「今すぐ、送って貰ったってさ…」
キース 「色々な意味で、間に合わんのだ!」
仏間に瞬間移動は許されないしな、とキース君、鬼の形相。
キース 「此処の玄関を出て、自転車に乗って、だな…」
ジョミー「誰も見てない所へ移動で、其処から走って…」
自転車を停めて、衣を整えて行かないと、とジョミー君も。
ジョミー「それだけで5分は、絶対、かかるし…」
キース 「遅刻した上、次の檀家さんの家も必然的に…」
遅刻だろうが、と副住職が吊り上げる眉。
キース 「この落とし前を、どうつける気だ!」
Aブルー「ぼ、ぼくはウッカリ忘れてなんかは…!」
キース 「あんたに聞いても、誤魔化すだろうが!」
他のヤツらに聞かないとな、と副住職。
キース 「シロエ、どうなんだ、其処の所は?」
シロエ 「ぶっちゃけ、忘れてましたよ、綺麗に」
スウェナ「そうなのよねえ、来てはいたんだけれど…」
マツカ 「キースたちの送迎は、頭に無かったようですよ」
たちまち揃った不利な証言、ソルジャー、真っ青。
Aブルー「そ、それは…! ぼくも色々、事情があって…」
キース 「やかましい! そういう場合は棚経をだな…」
辞退しやがれ、とキース君、グッと拳を。
キース 「お盆の前に、寺にお布施を届けておくんだ!」
ブルー 「来て頂けないので、よろしくお願いしますとね」
それが作法というもので…、と銀青様のお言葉が。
ブルー 「もっとも、君の場合はさ…」
シロエ 「当日、忘れたわけですしね…」
キース 「坊主が一番、キレるヤツだぞ、これは!」
分かってるのか、と怒鳴ってますけど。
どうなるんでしょう…?
2021/08/29 (Sun)
☆断られた場合は
スッポンタケの棚経ですけど、ソルジャーが忘れたお迎え。
瞬間移動でのピックアップが遅れて、棚経の後が大変な今。
キース 「棚経に行ったら、鍵がかかって留守とかはだ…」
ブルー 「もう、有り得ないミスだからねえ…」
病気とかなら仕方ないけど、と銀青様も。
ブルー 「それにしたって、今は携帯電話もあるしさ…」
キース 「余程でなければ、家の誰かが連絡するぞ!」
無断で留守は無礼の極みというヤツで…、と副住職。
キース 「次の年から、棚経を断られてしまっても…」
ブルー 「文句は言えなくなっちゃうんだよ」
やらかしてしまった檀家さんは、と銀青様の深い溜息。
ブルー 「棚経が無いと、お盆が楽だと思うかもだけど…」
シロエ 「そうじゃないんですか?」
ブルー 「お寺に断られたとなったら、アッと言う間に…」
キース 「檀家さんのネットワークで拡散なんだ!」
大恥だぞ、とキース君、左手首に巻いた数珠をジャラッと。
キース 「まあいい、此処も来年からはパスだ」
Aブルー「ええっ!?」
キース 「忘れた上に、誤魔化そうとまでしたからな!」
行くぞ、ジョミー、と次に向かう姿勢。
キース 「大遅刻だから、この先はハードになるが…」
ジョミー「いいよ、来年から此処は無いなら」
そう思ったら頑張れるしね、とジョミー君。
ジョミー「一軒減ったら、楽になるしさ」
キース 「同感だ。さあ、急ぐぞ」
Aブルー「ちょっと待ってよ!」
スッポンタケが無縁仏になっちゃう、とソルジャーの悲鳴。
Aブルー「そんなコースは困るんだよ!」
キース 「だったら、働いて誠意を見せろ!」
この先の遅れを取り戻すんだ、と副住職。
キース 「俺たちの移動を、瞬間移動でサポートで!」
Aブルー「そうすれば、許してくれるって?」
キース 「許すが、かなり遅れているからな…」
Aブルー「夕方まででも、ちゃんと働くってば!」
だから来年も棚経を…、とソルジャー、必死。
そりゃねえ…?
2021/08/30 (Mon)
☆ギュッと絞って
お盆はスッポンタケの棚経、ソルジャーが忘れた瞬間移動。
迎えが遅れてズレ込んだ時間、キース君、ブチ切れ寸前で。
キース 「本当に、キリキリ働くんだろうな!?」
Aブルー「嘘は言わないよ、だから来年も棚経、お願い!」
この通りだから、とソルジャー、土下座。
Aブルー「次の家にも、その次の家にも送るから!」
キース 「いいな、何処の家でも遅れたお詫びが必要で…」
その分、余計に時間を食うから、急ぐんだぞ、と念押しが。
キース 「自転車では、とても遅れは取り戻せんしな…」
ジョミー「だよねえ、ホントだったら今頃はさ…」
キース 「此処よりも三軒も先のお宅で、棚経中だ!」
シロエ 「其処まで遅れてるんですか!?」
だったら急いで行った方が、とシロエ君が指差す玄関の方。
シロエ 「檀家さんだって、お困りでしょうし…」
ブルー 「棚経が済まないと、買い物にも行けないしね」
キース 「そうは思うが、この馬鹿に説教が必要だしな!」
ブルー 「分かるよ、後は引き受けるから…」
急ぎたまえ、と生徒会長も。
ブルー 「しっかり絞っておくからさ」
キース 「ああ。雑巾レベルで、よろしく頼む」
行くぞ、とジョミー君を促して、副住職の退場で…。
ブルー 「ほら、キースたちを次へ送って!」
Aブルー「もう送ったよ!」
次の注文も思念で来てる、とソルジャー、泣きそう。
Aブルー「夕方まで、ちゃんと頑張らないと…」
ブルー 「棚経から外されるコースだからねえ…」
ボロボロになるまで働きたまえ、と生徒会長。
ブルー 「キースたちの下僕モードでね!」
Aブルー「それで済むなら…」
棚経をして貰えるんなら、と瞬間移動に励んでいる模様。
ブルー 「ぼくのお説教も、聞き流さないで!」
Aブルー「もう、身も心もボロ雑巾だよ…」
ブルー 「まだまだ、もっと絞れるから!」
一同 (((やってる、やってる…)))
いい感じかも、と一同、スッキリ。
今月、これにて中継終了~。
2021/08/31 (Tue)