☆暦だけは秋です
さて、九月。暦は秋で、新学期もスタートな季節ですけど。
まだまだ残暑が厳しいわけで、休日は涼しい生徒会長宅へ。
シロエ 「暑いですねえ、秋って暦の上だけですよね」
ジョミー「ホント、9月は夏だと思うよ」
マツカ 「正確に言えば、先月から秋だったんですけどね」
立秋は8月7日でしたから、と御曹司。
マツカ 「ですから、とっくに秋なんですけど…」
サム 「これだけ暑いと、秋じゃねえって!」
スウェナ「お盆も、しっかり暑かったわよ」
アレは立秋より後じゃないの、とスウェナちゃんの指摘。
スウェナ「お盆が秋だと思っている人、いないでしょ?」
シロエ 「残暑見舞いとは言いますけどねえ…」
ジョミー「立派に夏だよ、今年もガッツリ暑かったしさ!」
自転車で走り続けるのが、とジョミー君の嘆き節。
ジョミー「だけど今年は、後半、得をしたけどね」
シロエ 「そうでした! 誰かさんが運んでましたしね」
瞬間移動で、せっせ、せっせと、とシロエ君、相槌。
シロエ 「一番最後のお宅に着くまで、自転車の出番は…」
ジョミー「ほぼ無かったよね、ちょっと走るだけで」
人目につかない所までね、とジョミー君が立てる親指。
ジョミー「棚経を忘れられてた時はさ、焦ったけどさ…」
キース 「お前は、ただのお供だったからな!」
移動が楽ならいいんだろうが、とキース君、苦い顔付き。
キース 「しかし俺はだ、檀家さんの家に着く度に…」
ジョミー「お詫びだっけね、遅れました、って…」
キース 「あの馬鹿が、ヘマをするからだ!」
棚経の時間を忘れやがって、とブツブツブツ。
キース 「しかも忘れた理由と言うのが…」
ブルー 「ぼくにも何か、ってヤツだしねえ…」
欲張るからだよ、と生徒会長、いえ、銀青様。
ブルー 「坊主なんだし、サービスしろと言われても…」
キース 「厚かましいんだ、あの馬鹿は!」
シロエ 「ですよね…」
結果的に下僕でしたけど、とシロエ君の苦笑。
確かに…。
2021/09/01 (Wed)
☆無縁仏なチャンス
まだまだ残暑が厳しい休日、生徒会長宅で過ごす御一同様。
暦の上では秋と言っても、暑い外よりエアコンがいい季節。
シロエ 「こき使えたのは、嬉しかったでしょう?」
キース 「それについては、否定はせんな」
あれで懲りるとは思えんが…、とキース君、溜息。
キース 「喉元過ぎればで、忘れていやがるだろうしな…」
ジョミー「あの程度のサイオン、楽勝だろうしね…」
ブルー 「文句はブツブツ言ってたけどねえ…」
もう疲れたとか、泣きたいだとか、と生徒会長。
ブルー 「とはいえ、大事な仏様のためだし、努力はさ…」
シロエ 「放棄しませんでしたね、なんだかんだで」
キッチリ勤め上げましたよ、とシロエ君も。
シロエ 「途中で逃げたら、来年の棚経が無いですし…」
キース 「当然の報いというヤツだ!」
坊主を馬鹿にしやがって、と副住職が吊り上げる眉。
キース 「無縁仏になればいいんだ、あんなキノコは!」
シロエ 「やってしまえば良かったですねえ…」
スウェナ「そうよ、チャンスはあったのよね」
ブルーが棚経をやっていれば、とスウェナちゃん。
スウェナ「そしたら、無縁仏になったんでしょ?」
ブルー 「厳密に言えば、そういうわけでもないけどね」
一同 「「「え?」」」
そう言わなかったか、と僧籍以外の面々、キョトン。
シロエ 「会長がやれば、無縁仏だと聞きましたけど?」
マツカ 「ぼくもです。あの人も、それで諦めましたし…」
ブルー 「まあ、間違ってもいないんだけど…」
施餓鬼扱いでやった場合は…、と生徒会長、いえ、銀青様。
ブルー 「あの戒名を読まなかったら、そうなるね」
シロエ 「えっと…?」
キース先輩がつけたアレですか、とシロエ君の問い。
シロエ 「棚経って、戒名、読みましたっけ?」
マツカ 「読んでましたよ」
ブルー 「其処が大事なポイントなんだよ」
スウェナ「お経じゃなくて?」
そっちなの、とスウェナちゃんが傾げる首。
戒名ですって…?
2021/09/02 (Thu)
☆戒名がポイント
まだまだ残暑が厳しいのが九月、休日は生徒会長宅が一番。
エアコンが効いた部屋で過ごす面々、話題は先月の棚経で。
シロエ 「戒名を読むかどうかが、ポイント…ですか?」
スウェナ「すると、お経は関係無いのかしら?」
無縁仏にするかどうかは…、とスウェナちゃんの問い。
スウェナ「ブルーがお経を読んだだけでは、駄目なのね?」
ブルー 「戒名を読むと、その仏様用になるからね」
棚経がかぶる件は別にして…、と生徒会長、いえ、銀青様。
ブルー 「あの戒名を読んだ場合は、普通の棚経扱いだよ」
シロエ 「無縁仏には、ならないんですね?」
ブルー 「逆に、喜ぶだけだろうねえ…」
ぼくの有難い棚経でね、と生徒会長、苦笑い。
ブルー 「逆に、読まなかった場合はさ…」
スウェナ「どうなっちゃうのよ?」
ブルー 「ただの施餓鬼で、無縁仏様用になるから…」
無縁仏と同列になってしまうんだよ、という解説。
ブルー 「例の仏様用の棚経じゃなくて、その他大勢!」
シロエ 「そういう扱い、というだけですか?」
スウェナ「無縁仏になるんじゃないのね?」
じゃあ、例の人は騙されたわけ、とスウェナちゃん。
スウェナ「困る、って悲鳴だったけど…」
ブルー 「騙していないよ、最後まで聞く!」
棚経がかぶると言っただろう、と銀青様の指摘。
ブルー 「棚経は、一つのお寺だけしかやらないし…」
シロエ 「キース先輩もいるじゃないですか!」
ブルー 「ぼくが済ませた、と言ったらどうなる?」
それでもキースは来るのかな、と質問が。
ブルー 「どうだい、キース?」
キース 「俺が改めて、来る義理は無いな」
此処は飛ばして次に行くだけだ、とキース君、即答。
キース 「もう済ませたと言うんだったら、余計だし…」
ブルー 「戒名を読んだか、そうでないかは…」
キース 「確認する義務は、俺には無いぞ」
ブルー 「ほらね、こうだよ」
本当に確認の義務は無いから、と銀青様の仰せ。
どうなると…?
2021/09/03 (Fri)
☆棚経は一回だけ
まだまだ残暑が厳しい季節で、涼しい生徒会長の家が一番。
休日を過ごすシャン学メンバー、話題は先月の棚経でして。
シロエ 「キース先輩は、確認しないで次なんですね?」
キース 「既に済んだと言うんだからな」
棚経は一つの寺しかやらないものだ、と副住職。
キース 「さっき、ブルーも言っただろうが」
シロエ 「かぶることは絶対、無いんですね?」
キース 「無いな、別の寺が引き受けることはあるんだが」
菩提寺が近くない時だとか…、と副住職の説明が。
キース 「そういう場合は、別の寺から来てくれるが…」
ブルー 「菩提寺からは誰も来ないね、頼まれてないし」
だから棚経は一回だけ、と生徒会長、いえ、銀青様も。
ブルー 「つまり、ぼくが棚経を済ませた以上は…」
キース 「俺はパスして、次に行くのが正しいわけだ」
二回もやるのは有り得ないぞ、とキース君、キッパリ。
キース 「でもって、俺がパスした上に、だ…」
ブルー 「ぼくが戒名を読んでいないと、自動的にさ…」
キース 「棚経は無かったことになるんだ」
帰る所が無い仏様だな、とキース君、ニヤッと。
キース 「そうなれば、無縁仏と同じで…」
ブルー 「お盆の間、施餓鬼だけが頼りになるってね!」
おもてなしをして欲しければ、と銀青様。
ブルー 「お寺の施餓鬼で、食事が出るから」
シロエ 「ぶるぅのお膳は、どうなるんです?」
ブルー 「戒名を読まないと、施餓鬼だからさ…」
無縁仏様に提供したことに、と銀青様もニンマリと。
ブルー 「例の迷惑な仏様の分でもあるけれど…」
キース 「その他大勢の仏様にも、お出しするわけだ」
どうぞお召し上がり下さいとな、と副住職。
キース 「扱いとしては、無縁仏と全く変わらんぞ」
シロエ 「無縁仏にしたかったですよ、この際!」
キース 「まったくだ。棚経を忘れるような輩は…」
ブルー 「そうしたいけどね…」
絶対、後でうるさいから、と生徒会長の溜息。
確かに…。
2021/09/04 (Sat)
☆お彼岸が近いです
新学期とはいえ残暑が厳しく、休日は生徒会長の家な面々。
エアコンが効いて涼しいわけで、話題は先月の棚経でして。
シロエ 「後でうるさいのは、分かるんですけど…」
スウェナ「あと少しで、無縁仏だったのよねえ…」
残念だわ、とスウェナちゃん。
スウェナ「あの仏様がいなくなったら、楽になるのに…」
シロエ 「抹香臭いイベントと縁が切れますからね」
サム 「そういや、じきにお彼岸が来るぜ」
今月はソレ、と僧籍なサム君が指差す壁のカレンダー。
サム 「今年は連休にならねえけどよ」
マツカ 「秋分の日ですね、23日ですから…」
シロエ 「いつもより、少し遅めですよね」
でもって、お彼岸と言えば…、とシロエ君、悪い顔色。
シロエ 「例の仏様の法要ですか…」
サム 「さっき言ったろ、今月はソレ、ってよ」
ジョミー「また、法要なわけ…?」
やっと棚経が終わったのに、とジョミー君が仰ぐ天井。
ジョミー「もっと休ませて欲しいんだけど…!」
キース 「お前は、一日限りだろうが!」
贅沢を言うな、とキース君、ジョミー君をギロリと。
キース 「俺の場合は、ぶっ続けだぞ!」
シロエ 「そうなるんですか?」
キース 「卒塔婆書きが終わったら、お盆でだな…」
ブルー 「お盆が終わると、お彼岸ってね」
坊主にはキツイ季節なんだよ、と生徒会長、いえ、銀青様。
ブルー 「ただでも、お盆でヘトヘトなのにさ…」
キース 「ろくに休めもしない間に、お彼岸なんだ!」
しかも暑いし、と副住職の嘆き節。
キース 「なのに、例のキノコの法要までが…!」
シロエ 「無縁仏にするべきでしたね…」
そしたら法要は無かったですよ、とシロエ君。
シロエ 「でも、無縁仏にし損ねましたし…」
ジョミー「いっそ、忘れたらどうかな、お彼岸?」
一同 「「「は?」」」
ジョミー「忘れるんだよ、みんなで綺麗サッパリ!」
祝日なんだし、お出掛けとか、と言ってますけど。
出来ますかねえ…?
2021/09/05 (Sun)
☆お出掛けも良さそう
まだまだ残暑が厳しい新学期、休日は生徒会長の家が一番。
エアコンが効いて快適ですけど、今月は秋のお彼岸な現実。
ジョミー「みんな揃って出掛けちゃったら、法要もさ…」
シロエ 「出来ませんよね、留守なんですから」
スウェナ「素敵じゃないの、ソレでいきましょ!」
そうするべきだわ、とスウェナちゃんも乗り気。
スウェナ「日帰りになるわね、何処がいいかしら?」
ジョミー「絶対、何処も混んでるよねえ…」
シロエ 「そういう時には、マツカ先輩が一番ですよ!」
何処かありませんか、とシロエ君の視線が御曹司に。
シロエ 「遊べて、美味しいモノが食べられる場所で」
マツカ 「松茸狩りには、まだ早いですしね…」
ジョミー「紅葉も、ちょっと早すぎるけど…」
マツカだったら、何処かありそう、とジョミー君の輝く瞳。
ジョミー「バーベキューとかでもいいんだけど!」
マツカ 「別荘の近くに、綺麗な川がありましたっけ…」
サム 「いつも行ってる、山奥のトコかよ?」
マツカ 「ええ。夏はアユ釣りの穴場だそうですよ」
わざわざ行く人は少ないので…、と御曹司。
マツカ 「郊外どころじゃない距離ですしね、あそこは」
ジョミー「バーベキューは出来そう?」
マツカ 「お盆は、帰省した人で賑わうみたいです」
サム 「いいじゃねえかよ!」
バーベキューのために遠出もよ、とサム君が立てる親指。
サム 「天気が悪けりゃ、別荘もあるし…」
シロエ 「ですね、みんなで出掛けましょう!」
マツカ 「分かりました。その方向で手配しますね」
キース 「ちょっと待て!」
俺だけ置いて行くつもりか、とキース君の割り込みが。
キース 「お前たちだけで、バーベキューだと?」
ジョミー「違うよ、みんなって言ったじゃない!」
シロエ 「キース先輩も、数に入っていますよ」
キース 「お彼岸なんだが…!」
ジョミー「だからこそだよ!」
例の仏様は放置しちゃってさ、とジョミー君。
最高ですよねえ…?
2021/09/06 (Mon)
☆抜け出せない人
まだまだ残暑が厳しい休日、生徒会長宅で過ごす御一同様。
秋のお彼岸が近いんですけど、バーベキューに行く計画が。
ジョミー「棚経を忘れかけてた人だし、ぼくたちだって…」
シロエ 「お彼岸を忘れたって、いいと思いますよ」
みんなで留守にしてしまいましょう、とシロエ君、力説。
シロエ 「キース先輩も、あんな仏様は忘れてですね…」
ジョミー「バーベキューだよ、河原でさ!」
サム 「法要が無けりゃよ、キースの罪もよ…」
誰にも問われねえんだぜ、とサム君もプッシュ。
サム 「戒名なんかをつけるからだ、っていうヤツな!」
シロエ 「文句を言う理由が無いですからねえ…」
法要自体が無いんですから、とシロエ君の相槌。
シロエ 「秋のお彼岸は、是非、楽しんで下さいよ!」
キース 「お前たち、何か忘れていないか?」
シロエ 「何をです?」
キース 「俺を何だと思っているんだ!」
ただの高校生ではないぞ、とキース君の渋面。
キース 「副住職と二足の草鞋で、親父にだな…!」
ジョミー「こき使われているんだよねえ、知ってるってば」
キース 「だったら、想像出来るだろうが!」
俺のお彼岸がどんなものか、と副住職が吊り上げる眉。
キース 「秋分の日は、お中日でだ…」
サム 「あー…。元老寺でも法要、あるよなあ…」
いつもサボっているだけで、と僧籍なサム君。
サム 「ブルーの所で、お彼岸の手伝いだ、ってよ…」
キース 「その理由だから、抜けられるんだ!」
バーベキューでは抜け出せないぞ、とブツブツブツ。
キース 「必然的に、俺は居残り組で…」
ジョミー「アドス和尚に、しごかれるって?」
でも、バレるとは思えないけど、とジョミー君。
ジョミー「法要をしてたか、バーベキューに行ったかは…」
シロエ 「アドス和尚は、確認出来ませんしね…」
サム 「バレねえんでねえの?」
キース 「そう思うか…?」
いけるかもしれん、とキース君、腕組み。
サボりますか?
2021/09/07 (Tue)
☆バレない筈です
まだまだ残暑が厳しい新学期、休日は生徒会長の家が一番。
けれど近付く秋のお彼岸、法要をサボッて逃げるという案。
キース 「確かに親父は、確認しては来ないしな…」
ブルー 「そうだね、ぼくに信用があるから」
なんと言っても伝説の高僧、と生徒会長、得意げな顔。
ブルー 「ぼくの手伝いで通ってるんだし、サボッても…」
ジョミー「バレないと思うよ、裏切り者が出なければさ」
サム 「告げ口するヤツ、俺たちの中にはいねえだろ?」
法要が無くなれば喜ぶヤツしかいねえぜ、とサム君。
サム 「だからよ、お彼岸は抜け出してよ…」
シロエ 「バーベキューでいいと思いますけどね?」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ みんなでお出掛けだね!」
楽しそう! と「そるじゃぁ・ぶるぅ」もピョンピョン。
ぶるぅ 「んとんと、バーベキュー用の食材は、と…」
マツカ 「御用意させて頂きますよ」
もちろん、炭や道具なんかも、と御曹司の頼もしい言葉。
マツカ 「あとは、お天気次第でしょうか」
スウェナ「そうねえ、晴れるといいんだけれど…」
キース 「お彼岸の頃は、だいたい晴れるものだがな」
経験的に、と副住職。
キース 「子供の頃から、いい天気なのが恨めしかった」
一同 「「「あー…」」」
お寺の子供だったっけ、と誰もが納得。
シロエ 「晴れても、お出掛け出来ませんしね…」
キース 「そうなんだ! 連休だったりすると、特にだ…」
悔しかったな、と副住職の嘆き節。
キース 「友達は皆、レジャーなのに…」
サム 「キースだけ、家にいるしかないのな…」
キース 「しかも、本堂に座らされるんだぞ!」
子供用の法衣を着せられて、とブツブツブツ。
キース 「一生、これが続くんだな、と子供心に…」
シロエ 「辛かったんですね…」
ジョミー「じゃあ、その分もさ、今年はさ…」
サム 「楽しめよな!」
キース 「よし!」
どうせ親父にはバレないんだし、と副住職。
サボリ決定…。
2021/09/08 (Wed)
☆釣りも楽しそう
まだまだ残暑が厳しいシーズン、生徒会長宅で過ごす休日。
エアコンが効いて快適な中で、お彼岸のプランも決定で…。
キース 「お彼岸に遊びに行くというのは、初めてだな」
ジョミー「いいお天気になるといいよね、バーベキュー!」
サム 「そりゃ別荘でも楽しめるけどよ、河原がよ…」
シロエ 「バーベキューには、一番ですしね」
楽しみですよ、とシロエ君もワクワク。
シロエ 「せっかくですから、魚も釣れたらいいですね」
マツカ 「釣り竿も用意しましょうか?」
ジョミー「うん、お願い! 釣った魚を焼くのもさ…」
スウェナ「きっと楽しいわよ、それに新鮮だし!」
問題は釣りの腕だけど、とスウェナちゃん。
スウェナ「私なんかでも、釣れるかしら?」
サム 「いけるんでねえの?」
キース 「俺は、釣りの方は遠慮しておく」
ジョミー「えっ、なんで?」
下手だったっけ、とジョミー君が傾げる首。
ジョミー「そんな話は聞いてないけど…」
キース 「いいか、お彼岸のお中日だぞ?」
ただでも法要をサボリなのに…、と副住職。
キース 「その上、殺生をするというのは、流石に…」
サム 「あー…。マズイよな、ソレ…」
キース 「残念ではあるが、またにしておく」
釣りは任せた、とキース君の苦笑。
キース 「食うだけだったら、大丈夫だろうし…」
ブルー 「まあねえ…。ぼくは、釣らせて貰うけどね」
キース 「あんた、それでも高僧なのか!?」
ブルー 「何を今更」
お寺を持ってるわけじゃないし、と生徒会長、しれっと。
ブルー 「気にしてたら、やってられないよ」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ 人生、楽しまなくちゃね!」
ぼくも釣るもん、と「そるじゃぁ・ぶるぅ」も。
ぶるぅ 「いっぱい釣って、美味しく焼こうね!」
シロエ 「競争するのもいいかもですね」
サム 「キースが釣らねえなら、審判もいるしよ…」
キース 「俺なのか?」
釣らないんだから、いいんだろうか、と悩む人。
さて…?
2021/09/09 (Thu)
☆初のお休みです
まだまだ残暑が厳しい休日、生徒会長宅で過ごす御一同様。
秋のお彼岸のプランも決まって、河原でバーベキューで…。
キース 「釣れた魚をカウントするのは、許されるのか?」
ブルー 「数えるだけだし、いいと思うよ」
活じめにしろとは言っていないし、と生徒会長。
ブルー 「命を奪うわけじゃないしね、審判は」
キース 「そういうことなら…」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ 審判、キースで決まりだね!」
釣り大会だぁ! と「そるじゃぁ・ぶるぅ」も大喜び。
ぶるぅ 「秋のお彼岸、すっごく楽しみ!」
サム 「だよなあ、今年はゴージャスだぜ」
ジョミー「キースも、初のお休みだしね」
キース 「一生無理だ、と諦めていたが…」
人生、捨てたものではないな、と副住職が繰る数珠レット。
キース 「御本尊様に感謝しないと…」
シロエ 「なんで、そっちに行くんですかね、先輩は」
スウェナ「職業病っていうヤツでしょ?」
坊主が染みついているのよね、とスウェナちゃん。
スウェナ「でも、釣った魚にお経とかは…」
ジョミー「勘弁してよね、いくらお彼岸でも」
キース 「俺だって、ちゃんと空気は読むぞ!」
??? 「どうなんだか…」
疑問だよね、とソルジャー(会話表記はAブルー)登場。
一同 「「「わーっ!!!」」」
Aブルー「酷い挨拶だねえ…」
君たちも空気が読めていないよ、とソルジャー、仏頂面。
Aブルー「そんな調子で、誤魔化せるとでも?」
キース 「な、なんの話だ?」
Aブルー「ズバリ、お彼岸の法要だよ!」
逃亡する気なんだってね、と赤い瞳に物騒な光が。
Aブルー「キースは人生初の休暇で…」
キース 「聞いてたのか、あんた」
話が早いと思っておくか、と副住職。
キース 「どうせ、当日にはバレるんだしな!」
Aブルー「逃げる気なのかい?」
キース 「逃げて悪いか?」
シロエ 「キース先輩、ファイトです!」
休暇を勝ち取って下さいね、とシロエ君のエール。
どうなる…?
2021/09/10 (Fri)
☆お彼岸はセルフで
まだまだ残暑が厳しいシーズン、休日は生徒会長宅な面々。
秋のお彼岸は河原でバーベキュー、決まった所へ乱入者が。
Aブルー「本気で、サボって逃げる気なんだ?」
キース 「あんたに止める権利は無いぞ!」
どう過ごそうと俺の勝手だ、とキース君、グッと拳を。
キース 「ガキの頃からの夢が叶うんだしな!」
Aブルー「スッポンタケは、どうなるわけ?」
キース 「あんたが拝めばいいだろうが!」
お彼岸の日は合掌して、お念仏で…、と拝み方の指導が。
キース 「南無阿弥陀仏を、十回唱えておけばいいんだ!」
Aブルー「それって、酷いと思うけど!」
キース 「仏壇が無い家も多いぞ、最近は」
当然、お彼岸も放置だしな、と副住職。
キース 「その点、お念仏を唱えておけば、だ…」
ブルー 「充分、喜ぶと思うけどねえ、スッポンタケも」
問題無いよ、と銀青様も。
ブルー 「そもそも、スッポンタケのためだけにさ…」
キース 「お彼岸の法要というのが、贅沢過ぎだ!」
普通は寺で纏めてやるぞ、と副住職が突き付ける指。
キース 「というわけでだ、俺は休暇を取ることにする!」
Aブルー「そうなんだ…。だったら、ぼくにも…」
考えってヤツがあるからね、と赤い瞳に冷たい光が。
Aブルー「君たちが出掛けたら、電話をするよ」
キース 「電話だと?」
Aブルー「そう、元老寺に!」
アドス和尚がいる筈だよね、とソルジャー、目がマジ。
Aブルー「君のことで、ちょっとお話が、ってさ」
キース 「甘いな、あんた」
坊主の世界も知らないくせに、とキース君、勝ち誇った顔。
キース 「ブルーじゃないのは、秒でバレるぞ」
ブルー 「そうなるだろうねえ…」
まして、お彼岸の当日ではね、と銀青様もクスクスと。
ブルー 「せがれが何か失礼でも、って言い出すよ」
Aブルー「失礼じゃないか!」
キース 「詳しく説明出来るのか、それを?」
逃げました、では通らないぞ、と副住職。
そうですよねえ…?
2021/09/11 (Sat)
☆業界用語な喋り
まだまだ残暑の季節なだけに、休日は生徒会長の家な面々。
秋のお彼岸は河原でバーベキュー、そう決めた所へ乱入者。
Aブルー「法要を放って逃げたんだけど、でいいだろう!」
キース 「出だしは、それで済むとは思うが…」
ブルー 「問題は、其処から後だよねえ…」
逃げた行き先とかなら、ともかく…、と生徒会長も。
ブルー 「ぼくと勘違いしてるからには、絶対にさ…」
キース 「専門用語が飛び出して来るぞ」
坊主の世界で使うヤツな、とキース君、ニヤニヤ。
キース 「ただでも、お彼岸モードなだけに…」
ブルー 「もう容赦なく、坊主の世界な喋りだろうね」
Aブルー「た、例えば、どんな…?」
ブルー 「さあねえ、自分で考えてみれば?」
教えたら意味が無いじゃないか、と銀青様の仰せ。
ブルー 「どんな質問が来ても、ぼくならバッチリだしさ」
キース 「まったくだ。坊主にしか通じない愚痴でもな」
シロエ 「あー、そういうのもあるわけですか…」
キース 「当然だろうが、坊主も一種の業界だぞ?」
同業者にしか通じない言葉は多いな、と副住職。
キース 「でないと、威厳が保てない面も色々あるし…」
ブルー 「いわゆる隠語も多いよね、うん」
お酒とか、肉とかを指してる言葉、と銀青様も相槌を。
ブルー 「サボリにしたって、高飛びだとかさ…」
キース 「道場を抜け出す時はソレだな、確かに」
だが、今回が該当するかは教えない、と意地の悪い笑み。
キース 「最悪、サボって逃げました、と言うだけでだ…」
ブルー 「ぼくじゃないな、と見抜かれるかもね」
さあ、どうする、と副住職と伝説の高僧の最強タッグ。
ブルー 「それでいいなら、好きに電話をしていいよ」
キース 「親父は何だと思うだろうなあ…」
ブルー 「いたずら電話で決定だろうね、声真似のさ」
キース 「そうか、ジョミーとかが…」
ジョミー「ぼくなわけ!?」
なんでぼくが、とジョミー君、ワタワタ。
いたずら電話って…。
2021/09/12 (Sun)
☆犯人も捜しません
まだまだ残暑が厳しいシーズン、休日は生徒会長宅が一番。
秋のお彼岸のプランも決定、バーベキューという計画で…。
ジョミー「どうして、ぼくがいたずら電話になるのさ!」
キース 「いや、単に、思い付いただけだが」
親父を恨んでいそうだしな、とキース君、クックッと。
キース 「棚経で苦労していただろう?」
ジョミー「ぼくは、キースのお供だったし!」
直接、恨みはぶつけないよ、とジョミー君の反論。
ジョミー「それに、ブルーの声真似も無理!」
Aブルー「なるほど、いたずら電話になるんだ?」
ブルー 「そういうことだね、真面目に取っては貰えずに」
切られるのがオチ、と生徒会長、いえ、銀青様。
ブルー 「忙しいので、とガチャンだよ、うん」
キース 「間違いないな、でもって法要で忙しいから…」
ブルー 「忘れて終わりになるだろうねえ…」
犯人捜しもするわけがない、と銀青様のお言葉。
ブルー 「それで良ければ、好きにすれば?」
キース 「まったくだ。俺は、痛くも痒くもないな」
だから、お彼岸はバーベキューだ、とキース君。
キース 「あんたは自分で、お念仏をだ…」
ブルー 「十回唱えておけばオッケー!」
スッポンタケも、それで満足だから、と銀青様の太鼓判。
ブルー 「大丈夫だって、いつも法要してるから!」
Aブルー「そう言われても、困るんだよ!」
大事な仏様なのに、とソルジャー、ブツブツ。
Aブルー「今回は出来ませんでした、なんて…」
キース 「たまには許されると思うがな?」
ブルー 「お彼岸は、毎年、2回ずつあるしね」
またの機会でいいじゃないか、と銀青様も。
ブルー 「というわけでさ、今年の秋のお彼岸はパスで!」
シロエ 「バーベキューで決定ですね!」
Aブルー「坊主じゃない人なら、どうかな、電話は?」
一同 「「「は?」」」
Aブルー「だから、坊主じゃない人だってば!」
いたずら電話にならないだろう、と言ってますけど。
えっと…?
2021/09/13 (Mon)
☆忘れ去られた存在
まだまだ残暑が厳しい休日、生徒会長宅で過ごす御一同様。
秋のお彼岸はバーベキューにお出掛け、そういう計画で…。
ブルー 「坊主じゃない人って、どういう意味さ?」
Aブルー「そのまんまだよ、電話したのが一般人なら…」
専門用語は出て来ないだろう、とソルジャーの指摘。
Aブルー「だから、そういう人がかければ…」
ブルー 「君が声真似をするのかい?」
シロエとかの、と生徒会長の問い。
ブルー 「でもねえ、シロエとかの声だと…」
キース 「やはり、いたずら電話な扱いだろうな」
親父も馴染みのある声だから、と副住職。
キース 「逆に怒鳴られて終わると思うが?」
シロエ 「でもって、忘れて終わりですよね」
ブルー 「うん。いい加減、お彼岸の法要は諦めたまえ」
当日は、お念仏を十回唱えて…、と銀青様の仰せ。
ブルー 「それで済むから、心をこめて合掌を!」
Aブルー「…誰か忘れていないかい?」
一同 「「「は?」」」
Aブルー「ぼくのハーレイという存在をだよ!」
誰かさんに声がそっくりだよね、とソルジャー、ニヤリと。
Aブルー「ほら、君たちの学校のさ…」
一同 「「「教頭先生!?」」」
ゲッ、と誰もが仰天な名前。
キース 「ま、まさか、あんたは…」
Aブルー「確かハーレイ、柔道部の顧問だったよねえ?」
つまりは君のお目付け役で…、とソルジャー、ニヤニヤ。
Aブルー「そのハーレイが電話したなら、どうなるかな?」
キース 「教頭先生の名前を騙るつもりか!?」
Aブルー「本物に頼んでもいいんだよ?」
ブルーに惚れてる人だからね、と恐ろしい台詞が。
Aブルー「ぼくの頼みも、聞いてくれると思うけど?」
ブルー 「やめたまえ!」
頼み事なんかしないでくれ、と生徒会長、顔面蒼白。
ブルー 「ロクな結果にならないから!」
Aブルー「ぼくのハーレイにしておけ、って?」
ブルー 「当然だよ!」
そっちでお願い、と震え上がってますけど。
どうなる…?
2021/09/14 (Tue)
☆電話をされたら
まだまだ残暑が厳しいシーズン、休日は生徒会長宅が一番。
お彼岸はバーベキューにお出掛け、そういう計画ですけど。
ブルー 「こっちのハーレイに頼むのだけは、勘弁だよ!」
Aブルー「分かったよ。それなら、ぼくのハーレイをさ…」
ちょっとこっちに連れて来るから、とソルジャーの笑顔。
Aブルー「電話をかける程度だったら、仕事中でも…」
キース 「抜けて来られるとか、言わないだろうな!?」
Aブルー「簡単だってば、そのくらいはね!」
休憩して来る、で出ればいいから、とソルジャー、ニヤリ。
Aブルー「そして、こっちの世界に来てさ…」
キース 「親父に電話をすると言うのか!?」
Aブルー「ピンポーン!」
シャングリラ学園の教頭ですが、と口真似なソルジャー。
Aブルー「御子息の件でお電話しました、と丁寧に!」
キース 「俺がサボって逃亡した、と…?」
Aブルー「そうだよ、こっちのハーレイだったら…」
アドス和尚も納得だよね、とソルジャー、勝ち誇った顔。
Aブルー「そういう噂を聞きましたが、でバッチリだよ!」
キース 「やめてくれ!」
親父にバレたらブチ殺される、とキース君、ガクブル。
キース 「教頭先生の通報だったら、もう絶対に…」
シロエ 「裏を取りますよね、逃げたかどうか…」
キース 「そうなんだ!」
親父のことだし、人を寄越すぞ、と震え上がる人。
キース 「この家に来て、俺がいるかを確認で…」
ジョミー「それって、留守だと即バレだよね?」
キース 「ブルーに頼めば、あるいはなんとか…」
誤魔化しようがあるかもだが…、と視線を生徒会長に。
キース 「其処は、サイオンでなんとか出来そうか?」
ブルー 「出来るんだけど…」
でもね、と生徒会長、ソルジャーをチラリと。
ブルー 「ブルーと、サイオン勝負になるから…」
キース 「どうにもならん、と?」
ブルー 「ブルーなんだよ?」
勝てるとでも、と肩を竦めてますけど。
無理っぽいですよね…?
2021/09/15 (Wed)