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シャングリラ学園つれづれ語り

☆新年度スタート


やって来ました、新年度。
恒例の春休みの旅行なども無事に終わって、今日から4月でございます。
まだ学校は始まらないので、生徒会長の家でのんびりと…。

ジョミー「すっかり春だよね、もうすぐ桜も咲きそうだしさ」
ブルー 「早い所では咲いてるらしいよ。学校の桜はまだ先かな」
キース 「毎年、入学式の頃に咲くしな。あれは見事だ」
シロエ 「旅行中に見かけた桜も花が咲いたら凄いんでしょうね」

ちょっと行くのが早すぎたかな、と誰もが思っておりますが。
入学式よりも遅く見頃になりそうな桜、見に出掛けるのは難しく…。

ブルー 「みんな入学式から後は出席する気満々だしね」
サム  「新年度だぜ? いきなりサボッて旅行はねえよ」
キース 「そのとおりだ。それに旅行と言ったらあいつが来るしな」
ブルー 「気分も新たな新1年生なのに、余計な輩は要らないって?」
ジョミー「当然じゃない! ソルジャー、こないだの旅行でもさ…」

色々と迷惑をかけられたんだ、とジョミー君が言い、頷く面々。
春の旅行は短めですけど、何故か来たがるのがソルジャーです。

ブルー 「そういえば話すのを忘れてたっけ。あまりのことに」
全員  「「「え?」」」
ブルー 「雛祭りの宴会の時のことだよ。飲み直しにって消えただろ?」
キース 「ああ、あいつと教頭先生だな」
ブルー 「明くる日にさ…。ブルーが着物を返しに来たんだけれど」

ソルジャーの振袖も、おかまバーのママから拝借した教頭先生の着物も、
見る影もなく皺だらけだった上、酷く汚れていたそうで。

ブルー 「二人で気持ち良く酔った挙句に過ちを犯したらしいんだよね」
全員  「「「過ち?」」」
ブルー 「そう。…まさかハーレイが童貞を卒業しちゃうなんてさ」

大惨事だよ、と溜息をつく生徒会長にシャン学メンバー、真っ青ですが。
生徒会長が笑って指差す先には4月1日のカレンダー。
教頭先生の脱童貞は大ウソですか、そうですか…。
エイプリルフールに乾杯!

2012/04/01 (Sun)

 

☆隠された真実


エイプリルフールに生徒会長がついた大ウソ。
教頭先生がソルジャーを相手に脱童貞と聞いて、誰もが仰天しましたが。
生徒会長曰く、この日に備えて何も語らずに来たのだそうで…。

ブルー 「ふふ、見事に騙されてくれたよね。事実なわけがないだろう」

もしも本当に脱童貞なら教頭先生は無事では済まない、と生徒会長。
記憶を消去するだけでなく、相応の仕返しは確実だとか。

ジョミー「し、仕返しって…」
ブルー 「さあねえ、恥ずかしい服でも着せようかな」
キース 「コスプレか?」
ブルー 「ううん、裸の王様逆バージョン! 見えてないのは自分だけ」
シロエ 「えっと…。それって服を着てる自覚が無いんですか?」
ブルー 「違うよ。他の人には見えてる筈だ、問題無いって不安で一杯」
キース 「それは惨いな…。会う人の視線が気になるわけだな」
ブルー 「そういうこと! 見えるというのが嘘だったら…と怖いよね」

それに加えて身体に落書き、と生徒会長は笑っております。
背中一杯に「エロ教師」と書き、お尻に「スケベ」。
更に下腹部に「祝・脱童貞」の文字と矢印、矢印の先にはエロい分身。
そんな状態で裸の王様逆バージョンでは、出歩くこともキツイのでは?

ブルー 「決まってるじゃないか。でも、そのくらいはしないとね」

懲りて貰わないと自分の身が危ない、と生徒会長の目は本気。
ソルジャーが返しに来た着物が皺だらけだったのは本当らしく…。

ブルー 「いやもう、ホントに焦ったよ。ぼくもブルーに騙されたんだ」
全員  「「「は?」」」
ブルー 「記憶に無いけどヤっちゃったらしい、って言われたし!」

実際の所は二人揃って酔っ払った末に着物のままで寝ていただけ。
なのにソルジャーが派手に脚色、生徒会長も騙されて。

ブルー 「ハーレイの家に殴り込もうとしたら嘘だと白状したってわけ」

本当に心臓に悪かったんだ、と生徒会長は深い溜息。
そんな体験のお裾分けをされても、貰った方が迷惑ですよね?
 
2012/04/02 (Mon)

 

☆嘘つきの後始末


エイプリルフールだから、と生徒会長にドッキリ体験のお裾分けをされ、
寿命が縮んだシャン学メンバー。
教頭先生が脱童貞だなんて、冗談にも程があるというもので。

キース 「あんたが仰天したのは分かるがな、俺たちにまで言うな!」
ジョミー「そうだよ、わざわざ今日まで取っておかなくてもさあ…」
ブルー 「エイプリルフールにピッタリのネタだと思ったんだけど」
シロエ 「もっとマシなのにして下さい! 分かりやすいヤツに」
ブルー 「せっかく嘘をつける日なんだよ? 心臓に悪いくらいが丁度」

生徒会長曰く、ソルジャーに騙されたのは教頭先生も同じだそうで。
お互い着物を着たままだっただけに「ヤっていない」ことは明白ですが、
「セクハラまがいのことをされた」と嘘をつかれて慰謝料を…。

キース 「悪質だな…。あいつはちゃんと撤回したんだろうな?」
ブルー 「撤回するわけないじゃないか。慰謝料も全部使ったらしいよ」
シロエ 「そ、それじゃ教頭先生は勘違いしたままなんですか?」
ブルー 「まさか。キッチリ教えに行ったさ、真実をね」

教頭先生の家に押し掛けた生徒会長、真実を教えるついでに詰ったとか。
酔っ払ってもセクハラすら出来ないヘタレ男に嫁など来ない、と。
もちろん「嫁」とは生徒会長自身のことでございます。

ブルー 「悔しかったらセクハラしてみせろ、と言っといた」
全員  「「「えぇっ!?」」」
ブルー 「長老主催の花見の宴会があるんだよ。そこでやれ、って」
キース 「そんな所でセクハラしたら大惨事だろうが!」
ブルー 「そりゃもう。公開処刑しか無いだろうねえ」
ジョミー「ゼル先生の秘蔵の刀で一刀両断とか、ありそうだよねえ…」

なんて悲惨な、と起こり得ないセクハラの末路の話がひとしきり。
長老主催の花見の宴、なかなかに楽しそうですが。

ジョミー「いいなぁ、ぼくたちも宴会したいな」

お花見のさ、とジョミー君。
宴会はいい加減懲りた頃かと思ってましたが、まだやりたいと?

2012/04/03 (Tue)

 

☆お花見がしたい


長老主催の花見の宴会と聞いたジョミー君、自分も宴会したいのだとか。
もちろん花見の宴会ですけど、本当にそれでいいんでしょうか?

キース 「おい、まだ宴会に懲りてないのか?」
ジョミー「懲りるって、何さ?」
シロエ 「坊主宣言に決まっているじゃないですか。前科三犯です」
ブルー 「既に三犯っていうのがねえ…。まだ増やす気かい?」
ジョミー「誰も飲むって言っていないし!」

今度こそ酒には飲まれない、とジョミー君は強気でございます。

ジョミー「ぼくたちだけなら大丈夫だって! アルコール禁止!」
ブルー 「うーん…。確かにお酒が無ければ酔いはしないか…」
ジョミー「でしょ? アルコール持ち込み禁止にすればいいんだよ」
キース 「桜を見て弁当を食うだけの宴会か?」

つまらなくないか、と言うキース君は大学生活体験者。
もちろん花見で宴会なんかも経験済みというわけですが…。

ブルー 「アルコール禁止もいいんじゃないかな、場所が場所だし」
全員  「「「は?」」」
ブルー 「花見は場所取りが命なんだよ。そうだよね、キース?」
キース 「ああ。大学だと新入生の役目なんだぞ」

前の晩からロープを張ったりシートを敷いたり、まず場所を確保。
更にキープした場所を奪われないよう、その場で番をしなければならず。

キース 「俺の時は良かったが、今年はキツイかもしれないな」
ブルー 「夜中に冷え込むと寝袋に毛布でも凍えちゃうよね」
シロエ 「それって飲まずにやってられない感じですけど?」
ブルー 「まあね。だから場所取りの苦労が無い場所がいいかと」
キース 「なるほど…。アルコール禁止が相応しいとなると……寺か?」

桜の名所がお寺の境内というのはよくあるパターン。
お寺の境内にお酒を持ち込んでドンチャン騒ぎは顰蹙かも…。

ブルー 「違うんだな、これが」

もっと身近で素敵な場所だよ、と微笑んでいる生徒会長。
アルコール禁止が相応しい桜の名所って、お寺の他にもありましたっけ?

2012/04/04 (Wed)

 

☆お花見の穴場


今度こそ酒に飲まれないよう気を付けるから、と宴会希望のジョミー君。
アルコールは持ち込み禁止だなどと言っております。
お花見にお酒は付き物ですけど、アルコール禁止が似合いの桜の名所が
あるそうで…。

ブルー 「場所取りをする苦労が無いお花見なら、学校だってば」
全員  「「「学校!?」」」
ブルー 「そう、シャングリラ学園の校庭の桜。あれは最高」
キース 「し、しかし…。いくら出席義務が無いと言っても、宴会は…」
ブルー 「誰が平日にやるって言った? 入学式の頃が見ごろだよ?」
ジョミー「あ、そうか! 入学式の次の日、土曜日だっけ…」
ブルー 「そういうことさ。土曜の昼間は貸し切り状態!」
シロエ 「生徒会長の権限で貸し切るんですか?」
ブルー 「まあね。駄目ならソルジャー命令でゴリ押し」
サム  「学校の桜だったら確かに酒は似合わねえよな…」
ブルー 「おまけに全員、生徒の身だしね。お茶とジュースで宴会かな」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ お花見弁当も作らなくっちゃね!」

豪華なお弁当に期待しててね、と「そるじゃぁ・ぶるぅ」も燃えてます。
というわけで、4月7日は学校でお花見。
ソルジャーの肩書きを持ち出されたら長老の先生方でも断れません。

ジョミー「アルコール持ち込み禁止だよ? 絶対だからね!」
ブルー 「分かってるってば、ぼくも花見酒は諦めるよ」
キース 「俺も今回は諦める。…桜には酒が似合うんだがな」

この件については貸しにしておく、とキース君が言えば、ジョミー君は。

ジョミー「貸しはいいけど、坊主関係は除外だからね!」
キース 「つまらんな。予防線を張ってきやがったか…」
ブルー 「なにしろ前科三犯だしねえ、流石に慎重になってくる頃だよ」

これで学習してなかったら大馬鹿者だ、と生徒会長。

ブルー 「じゃあ、アルコール抜きのお花見で」

4月7日は押さえておくよ、と生徒会長は自信満々。
校庭の桜を貸し切って花見の宴とは、特別生の特権ですよね!

2012/04/05 (Thu)

 

☆校庭でお花見


特別生にとっては恒例というか年中行事の一つと呼ぶべきか、なんとも
微妙な入学式。
今年も校庭の桜が見事に咲いて、新入生も保護者も大喜びで記念撮影を。
翌日の4月7日は土曜でお休みなのに、登校してきた生徒が何名か。

ジョミー「やったね、今日もいい天気! 最高のお花見日和だよね」
キース 「酒が無いのが残念だがな」
シロエ 「仕方ないですよ、学校ですしね。…誰もいませんけど」
ブルー 「今日はバッチリ貸し切ってあるし! 楽しくやろうよ」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ レジャーシートはこの辺に敷く?」

休日に揃って現れたのはシャン学メンバーたちでございます。
新入生と呼ぶのもおこがましいような1年A組の主(ぬし)の御一行様、
それに三百歳を超える生徒会長と「そるじゃぁ・ぶるぅ」。
ここまでの古狸ともなれば、校庭を貸し切ってお花見くらいは朝飯前で。

ブルー 「シートを敷いたら次はコレだね」
キース 「緋毛氈まで持ってきたのか?」
ブルー 「やっぱり雰囲気を出したいじゃないか。お花見だよ?」

レジャーシートだとイマイチなんだ、と生徒会長は申しております。
更にビーチパラソルならぬ爪折傘まで出て参りました。
一気に高まるお花見気分。
アルコール抜きの宴会とはいえ、御馳走の方はゴージャスですし…。

ぶるぅ 「はい、お花見弁当三段重ね! 沢山食べてね♪」
サム  「すげえや、これが一人前かよ? よーし、食うぞー!」
ジョミー「おせち料理みたいで豪華だよね! いっただっきまーす!」

お花見と言いつつ花は添え物、メインは宴会。
桜の花なぞ誰も気にしておりません。
ノンアルコールなお茶やジュースでドンチャン騒ぎでございますが。

??? 「誰じゃ、こんな荷物を置いておるのは!」
全員  「「「えっ?」」」
ゼル  「そこの荷物じゃ! 脇へよけんか」

邪魔なんじゃから、と桜の下に置かれた荷物を指差すゼル先生。
今日は貸し切りだと聞いていたのに、連絡ミスでもありましたか…?

2012/04/06 (Fri)

 

☆お花見の邪魔者


校庭の桜でお花見中のシャン学メンバーと生徒会長たち。
お弁当やお菓子をドッサリ持ち込み、桜の下に積み上げていたのですが。

ゼル  「邪魔じゃと言っておるじゃろう! 早くどけんか」
シロエ 「は、はいっ!」
ゼル  「そこだと余計に邪魔なんじゃ。此処を空けんかいっ!」
キース 「す、すみません…」

どっこいしょ、とシロエ君と二人がかりで荷物をどけるキース君。
ゼル先生は満足そうに頷いて。

ゼル  「うむ、それでいいんじゃ。危ないから少し離れておれ」
全員  「「「は?」」」
ゼル  「見て分からんか、わしは忙しいんじゃぞ!」

早く避けろ、とシッシッと追っ払うゼル先生は脇に脚立を抱えています。
それを桜の木の下に据え、ヒョイと上ると。

ジョミー「何? あれ」
シロエ 「電線にしか見えませんけど…」

ゼル先生は鼻歌交じりに桜の枝に黒いコードを絡めております。
確かにそれは電線らしく、電球もついているようですが…。

サム  「あんなの何に使うんだよ?」
ブルー 「見てのお楽しみだと思うけど?」
ゼル  「今度はそっちじゃ。荷物をどけて貰おうかのう」
ブルー 「もう少し右が良くないかい? そう、その辺りがベストかな」
ゼル  「ふむ…。言われてみればいい枝ぶりじゃな」

此処にするか、と脚立を置いたゼル先生は手際よく桜の枝に電線を。
次から次へと渡り歩いて桜を電線で繋いでゆきます。
それが終わると今度は大きな袋を持ってきて。

ゼル  「ほれ、ボーッと突っ立っとらんで手伝わんかい!」
全員  「「「えっ?」」」
ゼル  「立っている者は親でも使えと言うからのう…」

若者は手伝って当然なんじゃ、と袋から取り出したのは提灯でした。
艶やかな白とピンクの地色に『桜まつり』の文字。
下には『シャングリラ学園』と書かれた金色の短冊がくっついています。

ゼル  「今夜はわしらが花見をするんじゃ」

長老主催のお花見会の準備でしたか!
お手伝いをすれば御褒美が…?

2012/04/07 (Sat)

 

☆お手伝い志願


校庭の桜を貸し切ってお花見中だったシャン学メンバー。
そこへ現れて電線を設置し始めたのがゼル先生です。
長老主催のお花見会の準備だそうで、手伝えと手渡されたのは花見提灯。

ジョミー「桜まつり…?」
ゼル  「そうじゃ、祭りじゃ。花見は賑やかにやらんといかん」
ブルー 「夜桜となれば余計に…だよね。それで今夜の御馳走は?」
ゼル  「ふっふっふ、準備万端、ぬかり無しじゃぞ」
ブルー 「それは楽しみ。期待してるよ」
ジョミー「えっ? ブルーは夜も宴会なわけ?」
ブルー 「そうだよ、ぶるぅも参加するんだ」
ジョミー「いいなぁ…。昼も夜も宴会で御馳走なんだ…」
ゼル  「なんじゃ、お前たちも参加希望か? …しかしのう…」
ブルー 「長老主催の宴会だしねえ…。生徒の参加は例が無いよね」
ゼル  「そうなんじゃ。じゃが…」
ブルー 「ソルジャー命令ならOKせざるを得ないってね」

命令する気は無いけれど、と生徒会長。
せっかくの花見に命令などは無粋だそうでございます。

ブルー 「判断は君たちに任せるよ。で、今は手伝えばいいのかな?」
ジョミー「えっと…。手伝ったら御褒美で参加できるとか?」
ゼル  「そうじゃな、そういうこともあるかもしれん」

他の面子に訊いてみないと分からんが、とゼル先生は仰いますが。

ジョミー「よーし、ダメ元で手伝おうよ! うまくいったら宴会だしね」
キース 「本気か、お前? 宴会だぞ?」
ジョミー「ゼル先生の料理が出るかもしれないじゃない! それに夜桜」
サム  「そっか、ゼル先生の料理はプロ級って話だもんなあ」
シロエ 「ぶるぅの料理も美味しいですけど、食べたい気はしますね」
ジョミー「でしょ? でもって花見提灯だしさ、出なきゃ損だって!」
ゼル  「まだ出ていいとは言っとらんのじゃが…」
ジョミー「だからダメ元! お手伝いしまぁーす!」

名乗りを上げるジョミー君。
勇んで花見提灯の取り付けを始めましたが、参加の許可は出るのかな…?

2012/04/08 (Sun)

 

☆優秀な助手たち


ゼル先生のお手伝いをすれば長老主催のお花見会に出られるかも?
生徒の参加は前例が無いそうですけども、希望は持ちたくなりますよね。
シャン学メンバー、提灯の次は紅白の幕を張り巡らせております。

ゼル  「うむ、やはり若い者は元気がいいのう」
ブルー 「お蔭で楽が出来たって? だけど毎年一人でやってるだろ?」
ゼル  「わしにも色々こだわりがあるんじゃ。下手な助手は要らん」
ブルー 「そうかなぁ? ハーレイなんか役に立ちそうだけど」
ゼル  「提灯の取り付けにしか使えんわい。センスが無いでな」

電線張りにせよ、紅白幕にせよ、ゼル先生の美学があるようです。
言われたままに動いてくれるシャン学メンバーは最高の助手で。

ゼル  「恩には報いてやりたいんじゃが、他の連中がどう言うやら…」
ブルー 「長老は五人しかいないからねえ、ゲストの方が多いって?」
ゼル  「それはいいんじゃ、祭りじゃからな。ただな…」

予算の方が問題で、とメモを取り出すゼル先生。
ゲストを増やすと料理なども追加が必要です。

ゼル  「一人分をこれだけで作っておるから、こうなってじゃな…」
ブルー 「大人ならともかく、生徒にはキツイ会費になりそうだねえ」
ゼル  「そうじゃろう? まあ、マツカがおるから良しとするか?」
ブルー 「マツカか…。確かに払ってくれるだろうけど…」

もっといい手は無いものか、と考え込んでいる生徒会長。
長老主催のお花見会の費用は積立制で、ゲストの分までは無いのです。
だからといって生徒から会費を徴収するのは大人げないような…。

ブルー 「そうだ、ハーレイだ! ハーレイに貸しがあったんだっけ」
ゼル  「貸し?」
ブルー 「雛祭りの宴会に招待したのさ。その返礼に払って貰おう」
ゼル  「ハーレイを宴会に呼んだじゃと?」

何をしておるんじゃ、とゼル先生は苦い顔。
教頭先生が生徒会長に惚れているのは周知の事実。
わざわざ宴会に招待したと知れたら叱られますかねえ…?

2012/04/09 (Mon)

 

☆バラされた宴会


長老主催のお花見会の参加費用は積立制。
シャン学メンバーが参加するなら会費が必要らしいです。それも高額な。
それを教頭先生に払わせるという生徒会長に、ゼル先生は。

ゼル  「雛祭りの宴会の話は聞いておらんぞ。何処でやったんじゃ」
ブルー 「ぼくの家だけど」
ゼル  「お前の家じゃと!? そんな所にハーレイを呼ぶとは…」

危機感が無いにも程がある、と呆れ果てているゼル先生。
「生徒会長は一人で教頭先生の家に行ってはいけない」
というのが長老の先生方と生徒会長の間のお約束です。
生徒会長にベタ惚れな教頭先生、何をやらかすか分かりませんしね…。

ゼル  「なんでお前の家に呼ぶんじゃ! 危なすぎるじゃろう!」
ブルー 「平気だってば、大勢いたから。今日の面子は全員集合」
ゼル  「それにしてもじゃな…。わざわざ呼んでどうするんじゃ」
ブルー 「え? そりゃまあ、色々と面白いしね」
ゼル  「面白い?」
ブルー 「コンセプトは女子会だったんだよ」
ゼル  「は?」
ブルー 「女子会と言えば女子会だってば、雛祭りだから」

そうだったよね、とシャン学メンバーに確認を取る生徒会長。
ジョミー君たちは紅白幕を張り終えたところでしたが、頷くしかなく。

ゼル  「…女子はスウェナしかおらんようじゃが? ああ、御苦労」

まあ座れ、とゼル先生はジョミー君たちを労いながら。

ゼル  「この面子で何をどうすれば女子会になるんじゃ?」
ブルー 「そりゃもう、大切なのは形だってば。雛祭りらしく華やかに!」
ゼル  「華やか?」
ブルー 「百聞は一見に如かずってね。こんな感じで」
ジョミー「わわっ!」
キース 「ま、待ってくれ! あんな宴会を表沙汰には…」

焦って止める男子ですけど、時既に遅し。
ゼル先生に思念で流されたイメージを全員ガッツリ共有です。
ゴージャス姫スタイルなシャン学メンバー、緋色の衣の生徒会長。
存在が秘密のソルジャー以外は映像が流出したようですねえ…。

2012/04/10 (Tue)

 

☆流出した女子会


生徒会長が思念でゼル先生に流したイメージは雛祭り女子会。
ソルジャーを除いた参加者たちの姿に、ゼル先生は爆笑しておられます。

ゼル  「わっはっは、これは凄いわい。紛うことなき女子会じゃな」
ブルー 「そうだろう? あ、ぼくも尼僧で女装なんだよ」
ジョミー「バラすなんてヒドイ…」
キース 「俺も涙が出そうな気分だ」
ゼル  「何を言っとる、若いもんが! 馬鹿騒ぎは若人の特権じゃぞ」
ブルー 「若くないのも一名混ざっていたんだけどねえ?」
ゼル  「うむ。…年甲斐もなく女装しておった恥知らずじゃな」
ブルー 「女装が参加条件だ、って言っても一歩も引かなくってさ…」

なにやら話が脚色されているようですけど、ゼル先生は大笑い。
おかまバーのママの着物を借用したという段階に至っては大爆笑で。

ゼル  「その恥知らずに花見の参加費を負担させればいいんじゃな?」
ブルー 「そういうこと。きっと喜んで払うと思うよ、口止め料に」
ゼル  「口止め料じゃと?」
ブルー 「うん。今のイメージ、長老限定公開なんだ」
全員  「「「???」」」
ブルー 「ジョミーたちも花見に参加していいかを訊く時にさ…」

長老全員に経過を話す必要が出て来るだろう、と生徒会長。
その席でゼル先生から参加費の件と同時に今のイメージを全員に…。

ジョミー「ちょ、ちょっと! ゼル先生だけで済まないわけ?」
ブルー 「せっかくだしねえ、派手にいこうよ。だけど限定公開で」

生徒会長曰く、ゼル先生には暗示がかけてあるそうでございます。
女子会のイメージを思念で送れる相手は長老だけ。
そして受け取った長老の先生方は「他の人に送りたくても送れない」。
生徒会長ならではの高度な思念の使用方法らしいのですけど…。

ブルー 「ただしハーレイが費用の負担を拒否した時には…」
ゼル  「わしらへの暗示が解けるわけじゃな」

そうなればイメージは流出し放題!
教頭先生が口止め料を払わなかったら、大惨事かも?

2012/04/11 (Wed)

 

☆お花見の対価


長老主催のお花見会への参加費用を教頭先生に払わせる企画。
教頭先生が拒んだ時には、雛祭り女子会のイメージが流出するそうです。
散々笑ったゼル先生はイメージを土産に引き揚げてゆき…。

ジョミー「酷いや、あんなのがバレたら一生モノの大恥だよ!」
キース 「最早手遅れってヤツだろう…。俺たちに止める方法は無い」
ブルー 「大丈夫だってば、長老以外には流れないから」
キース 「絶対なのか? 本当に限定公開なのか!?」
ブルー 「うん、絶対。それでも流出しちゃった時には…」

恨む相手はハーレイだよ、と生徒会長は自信満々。
思念の扱いに長けているだけに、暗示の方もパーフェクトだとか。

ブルー 「ハーレイが君たちの会費を払わなかったら流出するんだ」
ジョミー「それ、ありそうで怖いんだけど…。教頭先生、よく金欠だし」
ブルー 「でもさ、あれが流れたらハーレイも一蓮托生なんだよ?」
サム  「あっ、そうか! 教頭先生も混ざってたっけ…」
ブルー 「おかまバーのママの着物で…ね。あっちの方が大恥だってば」
シロエ 「ぼくたちだけなら若気の至りで済みますけれど…」
マツカ 「教頭先生は大人でしたね…」
ブルー 「おまけにキャプテンでシャングリラ学園の教頭ってわけ」
スウェナ「思念で流出しちゃった時にはシャングリラ号にも…?」
ブルー 「バレるだろうねえ、もう止めようが無いってね」

ネタがネタだけに爆発的に拡がるだろう、と生徒会長は笑っております。
その勢いはパンデミックか山火事か。
一瞬にして伝わる思念波はどうにも厄介な存在で…。

ブルー 「だからハーレイは絶対払うさ、破産してもね」
キース 「新年度早々、金欠か…。お気の毒な気もするな」
ブルー 「そうかな? 君の女装映像、長老の間には流れちゃうんだ」
キース 「全部あんたのせいだろうが!」

誰もそこまで頼んでいない、と泣きの涙のシャン学メンバー。
雛祭り女子会のイメージが宴会の対価。参加出来るといいですねえ…。

2012/04/12 (Thu)

 

☆夜の部の招待状


校庭での夜のお花見は長老の先生方の宴会。
花見提灯や紅白幕の飾り付けを手伝ったシャン学メンバー、そちらにも
参加出来るのでしょうか?

ジョミー「あーあ、今頃ゼル先生がアレをバラしているんだろうな…」
ブルー 「ハーレイが何も言わずに丸抱えってことは無いからね」
キース 「なんでこういうことになるんだ…」
ブルー 「ゼルが言っただろう、お祭りだって。座興だよ、座興」
シロエ 「それにしたってあんまりですよ。参加出来てもネタ扱いです」
ブルー 「そういうノリが宴会だってば! 盛り上げなくちゃ」
キース 「参加出来る保証は無いんだぞ?」
ブルー 「心配ない、ない。それよりお花見!」

今はぼくたちの貸し切りだから、と生徒会長。
紅白幕と花見提灯のお蔭で、桜の下はグッと華やかに。

キース 「そうだな、なるようにしかならないか…」
ジョミー「うん、多分。教頭先生次第だしさ」
ブルー 「やっと悟りが開けたかい? せっかくの花を楽しまなくちゃ」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ お料理、沢山あるからね!」

開き直ったシャン学メンバー、再び宴会を始めました。
お酒が無くても盛り上がれるのが若さというヤツでございます。
桜は脇役、料理が主役。楽しく食べて騒いでいると…。

ゼル  「おお、賑やかにやっとるな」
ブルー 「なんだ、もう結論が出たのかい?」
ゼル  「うむ。その連中は全員特別生じゃし、参加OKじゃ」
ジョミー「やったぁ! 夜も宴会だー!」
キース 「待て、参加費用のことを忘れたのか?」
ジョミー「そ、そうだっけ…。参加OKってことは、ぼくたちの分は…」
ゼル  「もちろんハーレイが払うんじゃ。最初は渋っておったがのう」

あのイメージを見せたら一発じゃった、とニヤリと笑うゼル先生。

ゼル  「頼むから他には流さんでくれ、と半泣きじゃったぞ」

面白かった、と高笑いしながらゼル先生は去ってゆきました。
宴会には参加出来るみたいですけど、笑い者フラグが立ってるような…?

2012/04/13 (Fri)

 

☆夜の部を待とう


長老主催の夜のお花見会に参加が決まったシャン学メンバー。
雛祭り女子会での女装姿が会費代わりとか口止め料だとか、色々あって。

ジョミー「…なんか複雑…」
キース 「最初に参加を希望したのはお前だろうが! 今更遅いぞ」
ブルー 「さっきは素直に喜んでただろ? 楽しくやろうよ、夜の部も」
ぶるぅ 「ゼルのお料理、美味しいよ! 毎年作ってくれるんだ♪」
ジョミー「そっか、楽しまなくっちゃ損だよね! 宴会だもんね」
ブルー 「恥はハーレイが引き受けるさ。何と言ってもおかまバーだ」
シロエ 「あれは強烈でしたもんねえ…」
ブルー 「若者の女装はお祭りの内! でもハーレイのは視覚の暴力」

ネタにされるのはハーレイの方だ、と生徒会長は申しております。

ブルー 「下手をするとホステス役かもねえ…。今夜のハーレイ」
ジョミー「また着物で? おかまバーの?」
ブルー 「リクエストがあれば再現するのもソルジャーの務め!」
キース 「あんた、悪ノリしているな?」
ブルー 「もちろんさ。宴会は笑ってなんぼなんだよ」
キース 「…俺たちにまでお鉢が回ってこないことを祈るぜ…」

ゴージャス姫スタイルは二度と御免だ、とキース君。
男子一同も深く頷き、リクエストされても応えない方向で一致団結。
そうこうする内に日が傾いて参りまして…。

ブルー 「一度撤収しないとね。夜の部はぼくの管轄じゃないし」
ぶるぅ 「ゼルが用意をするんだよ。だから綺麗に片づけてね!」

敷物とかも、と「そるじゃぁ・ぶるぅ」。
緋毛氈とレジャーシートを畳んで、爪折傘もお片付け。
空になった重箱なども瞬間移動で生徒会長の家へ送ったようです。

ブルー 「さてと、ぶるぅの部屋で待っていようか、用意出来るまで」
キース 「そうだな、少し冷えてきたしな」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ ちゃんと暖房入れておいたよ!」

暖房のスイッチは離れていてもサイオンで!
移ったお部屋は確かにポカポカ、後は日暮れを待つだけです~。

2012/04/14 (Sat)

 

☆夜の部、開宴


「そるじゃぁ・ぶるぅ」の部屋で待つ間に日は暮れ、夜桜の時間。
ゼル先生から内線電話で呼び出しがかり、校庭の方へと出掛けてゆくと。

ジョミー「凄いや、ライトアップされてるよ!」
ブルー 「ライトアップとは風情が無いねえ…。花見提灯に篝火だよ?」
キース 「提灯だけかと思ったんだが、篝火とはな」
ブルー 「夜桜には必需品だって! 最近はライトが主だけどさ」

ちゃんと本物の篝火なんだ、と生徒会長は得意そう。
桜を照らす暖かな焔と爆ぜる火の粉はなかなかに情緒がございます。

ゼル  「おお、姫君たちの御到着じゃな」
全員  「「「姫君?」」」
ブラウ 「見せてもらったよ、雛祭り! みんな揃ってお姫様ってね」
ジョミー「あ、あれは……やりたくてやったわけじゃなくって!」
ブラウ 「知ってる、知ってる。自主的に女装したのは一人だけだろ?」

そうだったよね、とウインクされて激しく咳き込む教頭先生。
エラ先生が背中を擦っていますが、他の長老の面々は…。

ゼル  「おかまは放っておいてもいいじゃろう。まあ、座れ」
ヒルマン「君たちと宴会は初めてだね。楽しんでいってくれたまえ」
ブラウ 「うんうん、お弁当も追加でバッチリ用意したしね」

さあどうぞ、と配られてきたのは二段重ねのお弁当。
教頭先生のゲホゲホも収まり、みんなで蓋を取ってみれば。

ぶるぅ 「わーい、今年も美味しそう!」
ゼル  「そうじゃろう、手抜きは一切しておらんぞ」
ブルー 「追加の方が多かったのに流石だよね。ゼルのコネに感謝だ」
ジョミー「コネって何?」
ゼル  「ふっふっふ。食材を融通してくれる友には事欠かんわい」

追加を作る時間が足りない料理は料亭からの調達品。
プロ級の腕を持つゼル先生、あちこちに板前の知り合いがいるそうで。

ゼル  「長い休みには手伝いに行くこともあるんじゃぞ」

斬新なメニューの勉強も兼ねて料亭の厨房でお手伝い。
ゼル先生の花見弁当だけでも参加した価値がありましたよね!

2012/04/15 (Sun)

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