☆リスクは低めで
さて、11月。秋も深まり、朝晩は初冬の気配なシーズン。
休日に生徒会長宅に集った面々、次の休日の計画中でして。
ジョミー「今月も、何処かに行きたいよねえ…」
シロエ 「紅葉のシーズンですからね」
スウェナ「そうねえ、何処も混むんだけれど…」
マツカがいるから安心よね、とスウェナちゃんの笑み。
スウェナ「穴場もいけるし、混んでるトコでも予約とか…」
マツカ 「ええ、行き先さえ決めて頂ければ…」
手配しますよ、と御曹司。
マツカ 「紅葉狩りですか、それとも、お食事でも…?」
サム 「うんと豪華で美味い飯もいいよなあ…」
シロエ 「ぶるぅの料理も、凄いんですけど…」
ぶるぅ 「景色とか、ついてこないから…」
他所で食べるのとは違うもんね、と料理上手なお子様も。
ぶるぅ 「紅葉のお寺で、本格派の精進料理とか!」
ジョミー「お寺は、ちょっと遠慮したいな…」
サム 「なんでだよ? 修行じゃねえんだしよ」
ジョミー「でもさあ、キースも嫌だよねえ?」
わざわざ、お寺に行くなんて、と副住職に視線を。
ジョミー「家で間に合ってるのにさ」
キース 「別に、そうでもないんだが…」
シロエ 「じゃあ、お寺でもいいんですか?」
キース 「気にせんぞ、俺は」
座禅とセットのコースだろうと、と副住職の涼しい顔。
キース 「俺の宗派は、座禅はしないが…」
ジョミー「座禅付きなんて、もっと嫌だしね、ぼくは!」
シロエ 「ぼくだって、遠慮したいですよ」
もっと普通のトコにしましょう、とシロエ君。
シロエ 「美味しい食事と、素敵な景色がいいですけど」
サム 「それ、普通とは言わねえぜ?」
ジョミー「確かにね!」
でも、そういうのを希望かな、とジョミー君も。
ジョミー「せっかく出掛けるんだしさ…」
キース 「今度は、リスクが低いので頼む」
一同 「「「えっ?」」」
キース 「俺のリスクが低いヤツだ!」
先月は散々だったからな、とキース君が顰める眉。
確かに…。
2021/11/01 (Mon)
☆キツかった処刑
紅葉のシーズン到来なわけで、お出掛けしたい面々ですが。
キース君の注文が、リスクは低めにしてくれというヤツで。
ジョミー「あー…。先月のバーベキューだよね…」
シロエ 「思いっ切り、誰かさんの下僕でしたしねえ…」
スウェナ「一人だけ、松茸狩りにも行けなかったのよね」
シチューを作りに残留で…、とスウェナちゃん。
スウェナ「その上、シチューに悪戯をされて…」
マツカ 「あちらのぶるぅが、松茸を投入したんですよね」
キース 「そうなんだ! 俺が食ってた間にな!」
バーベキューは実に美味かったのに…、とキース君の渋面。
キース 「おまけに、シチューがパアになった、と…」
サム 「文句をつけられたんだよなあ…」
シロエ 「ホントに臭かったですけどね、アレは」
キース 「俺が焦がしたわけじゃない!」
悪戯小僧がやらかしたんだ、とキース君、拳をグッと。
キース 「なのに、あの馬鹿野郎は、俺の責任だと…!」
ジョミー「元々、そういう人だってば」
キース 「普段だったら、まだマシなんだが…!」
サム 「処刑されるのはキツイぜ、うん」
簀巻きで川に捨てられるのな、とサム君が振っている首。
サム 「ついでに、ゴザも買いに行け、ってよ…」
キース 「自転車で山越えだったんだぞ!」
ママチャリで峠を二つも越えて…、とブツブツブツ。
キース 「ゴザを買った後に、時間切れだったが…」
ジョミー「帰りの峠で、ピックアップして貰えたよね」
キース 「それはいいんだが!」
ブレーキが壊されていたじゃないか、とキース君。
キース 「やたらと無事を祝福されると思ったら…!」
一同 「「「あー…」」」
そうだったっけ、と誰もが回想モード。
シロエ 「あっちのぶるぅがやったんですよね…」
ジョミー「ブルーがサイオンで止めなかったら…」
サム 「ヤバかったよな…」
キース 「死ぬぞ、下手をしたら!」
急な下りと急カーブだ、とキース君の叫び。
死ぬかも…。
2021/11/02 (Tue)
☆気付かなかった人
紅葉シーズンの到来でして、何処かへお出掛けしたい面々。
キース君がつけた注文は、キース君のリスクが低いヤツで。
シロエ 「確かにアレは、死ぬかもと思いましたしね…」
サム 「マジで死んだと思ったよなあ、俺なんかはよ」
ブレーキを壊したと聞いた時に…、とサム君の溜息。
サム 「下りでブレーキが利かねえとよ…」
キース 「何処までも加速し続けるんだぞ!」
ジョミー「でもさ、気付いていなかったよねえ?」
ぼくたちのバスと出会うまで、とジョミー君の疑問。
ジョミー「其処まで、ずっと下りだった筈だよ」
シロエ 「そういえば…。急カーブも続いてましたしね…」
スウェナ「普通だったら、途中で気付いてパニックだわよ」
ブレーキが全く利かないんだし、とスウェナちゃんも。
スウェナ「どうして気付かなかったのよ、キース?」
シロエ 「ホントですよね、壊したことを聞いてから…」
3分は経っていた筈ですよ、とシロエ君の指摘。
シロエ 「その間だって、順調に加速ですからね…」
マツカ 「気付くと思うんですけれど…」
ジョミー「もしかして、考え事でもしてた?」
サム 「それにしたって、すげえ加速なんだぜ?」
変だと思わなかったのかよ、とサム君の問い。
サム 「あの下りとカーブは、半端ねえレベルで…」
シロエ 「絶対、夜には出る場所ですよね」
一同 「「「は?」」」
何が、とシロエ君に集中する視線。
ジョミー「それって、幽霊?」
サム 「曲がり損ねて、落ちて死んだヤツとかかよ?」
シロエ 「いえ、そういうのじゃなくってですね…」
峠と言えば、アレじゃないですか、とシロエ君。
サム 「だから、霊だろ?」
ジョミー「夜だもんねえ…」
それしかないよ、とジョミー君の相槌。
ジョミー「キースも危うく、仲間入りでさ…」
シロエ 「違いますって、走り屋ですよ!」
一同 「「「走り屋?」」」
アレのことか、と誰もが納得なブツ。
出そうですよねえ…?
2021/11/03 (Wed)
☆走り屋に似た人
紅葉の季節がやって来まして、何処かへ行きたい御一同様。
キース君の注文はリスク低めで、避けたい先月の二の舞で。
ジョミー「走り屋って言ったら、バイクとか車で…」
サム 「ぶっ飛ばしている人種だよなあ…」
シロエ 「警察が来ても、気にしていない人たちですね」
あの峠には絶対、出ますよ、とシロエ君。
シロエ 「夜になったら、町の方から来そうですけど」
マツカ 「そういう話は聞いていますね」
麓まで爆音が届くそうです、とマツカ君の言。
マツカ 「雪が積もっていても、来るそうですよ」
ジョミー「それって、凍ってそうだけど?」
マツカ 「凍結した路面が人気らしいですね」
スリリングで、と肩を竦めるマツカ君。
マツカ 「ああいう人種は、度胸が据わっていますから」
シロエ 「あー…。もしかして、キース先輩も…」
その口だとか、とシロエ君の視線がキース君に。
シロエ 「ブレーキが壊れていてもですね…」
サム 「気にしねえで走っていけるのかよ?」
ジョミー「有り得るかもね…」
実は気付いていたのかも、とジョミー君も。
ジョミー「知ってて放置で、麓に着くまで…」
シロエ 「乗りこなす気だったかもしれません」
キース 「いや、そこまででは…!」
一同 「「「そこまで?」」」
ということは…、とキース君に集まる注目。
シロエ 「加速するのを楽しんでいたのは、事実ですね?」
キース 「ブレーキはかけていなかったな…」
何処まで行けるか試していた、とバツが悪そうなキース君。
キース 「こう、自分とのチキンレースで…」
ジョミー「ギリギリまで、ブレーキはかけないって?」
キース 「そのつもりで、だ…」
下りを走行中だったんだ、とキース君の苦笑。
キース 「だから命の危機だとは気が付かないで…」
シロエ 「御機嫌で走ってたんですね?」
キース 「その通りだが、事実を知ってしまったら…」
リスクは御免蒙りたい、と言ってますけど。
そうでしょうねえ…。
2021/11/04 (Thu)
☆自己犠牲の精神
今年も紅葉のシーズン到来、お出掛けしたい面々ですけど。
キース君の注文はリスク低めで、先月で懲りているからで。
シロエ 「確かに、命の危機だと知ったら嫌かもですね」
キース 「当たり前だろうが、まだ死にたくはない!」
あんな野郎のせいなんかで…、とキース君が握り締める拳。
キース 「だからこそ、リスクは低めで頼みたいんだが!」
シロエ 「そう言われてもですね…」
サム 「あいつらは、制御不可能だぜ?」
ジョミー「だよねえ、おまけにキースがさあ…」
疫病仏だし、仕方ないかも、とジョミー君の鋭い指摘。
ジョミー「どっちかって言うと、ぼくたちの方が…」
スウェナ「毎回、巻き込まれるのよねえ…」
バーベキューは上手くいった方よ、とスウェナちゃん。
スウェナ「キース以外に、被害を受けた人はゼロでしょ?」
シロエ 「そうでした! シチューが臭かった程度ですね」
サム 「あれも大概、臭かったけどよ…」
普段に比べりゃマシだったよな、と頷くサム君。
サム 「バーベキューは、うんと楽しめたしよ…」
シロエ 「松茸狩りも、素敵でしたよね」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ 焼き松茸も美味しかったよ!」
ブルー 「大成功だったと思うけどねえ、全体的に」
キースはともかく…、と生徒会長も。
ブルー 「あんな具合にいけたらいいねえ、今月もさ」
キース 「ちょっと待て!」
俺はどうなる、とキース君の顔に焦りが。
キース 「俺なら死んでもいいと言うのか!?」
ブルー 「そこまでは言っていないけど…」
シロエ 「先輩さえ、我慢してくれればですね…」
他の面子は安泰なんです、とシロエ君が立てる人差し指。
シロエ 「ですから此処は、自己犠牲の精神というヤツで」
キース 「どうして、そういうことになるんだ!」
サム 「だってよ、お前が引き受けてくれればよ…」
ジョミー「安心だよねえ?」
キース 「おい…!」
俺は保険じゃないんだが、と言ってますけど。
似ているのでは?
2021/11/05 (Fri)
☆掛け捨てがいいな
今年も紅葉のシーズンでして、お出掛けしたい面々ですが。
キース君がリスク低めを希望で、先月で懲りているそうで。
シロエ 「なるほど、保険というわけですか」
サム 「いいよな、キースを保険にしてよ…」
ブルー 「掛け捨てにすればいいと思うね、ぼくも」
そうしておけば安心だよ、と生徒会長、パチンとウインク。
ブルー 「掛け捨てだったら、文句も言って来ないしね」
キース 「それは俺のことか!?」
ブルー 「そうだよ、掛け捨てなんだから…」
何が起きても文句は無いよね、とニッコリと。
ブルー 「というわけでさ、保険料さえ払っておけば…」
シロエ 「キース先輩が引き受けてくれるんですね!」
いいじゃないですか、とシロエ君、大いに乗り気。
シロエ 「出来れば、格安がいいですねえ…」
マツカ 「掛け捨てですから、保険料は安いと思いますよ」
サム 「第一、キースが赤貧だしよ…」
給料はゼロで小遣い制だぜ、とサム君、親指をグッと。
サム 「臨時収入があるだけマシなんでねえの?」
ジョミー「言えてるね、ソレ」
スウェナ「そうよね、肉まん1個分とかで…」
充分なんじゃないかしら、とスウェナちゃん。
スウェナ「みんなが払えば、肉まん5個は買えるでしょ?」
ブルー 「ぼくと、ぶるぅの分も出すから…」
シロエ 「肉まん7個になりますね!」
立派に大金じゃないですか、とシロエ君の笑顔。
シロエ 「キース先輩、肉まん7個でどうでしょう?」
キース 「月参りは、もっと高いんだが!」
ジョミー「でもさ、キースの懐にはさ…」
サム 「一銭も入らねえんだろ?」
お布施なんだし、とサム君のツッコミ。
サム 「その点、俺たちの保険料はよ…」
ジョミー「アドス和尚は知らないんだしさ…」
シロエ 「全額、キース先輩が貰えるんですよ?」
ブルー 「いい話だと思うけれどね?」
キース 「おい、お前たち…!」
たったの肉まん7個分だぞ、と言ってますけど。
大金では…?
2021/11/06 (Sat)
☆肉まんでも大金
紅葉のシーズン到来でして、お出掛けしたい面々ですけど。
キース君がリスク低めを希望で、其処から話が保険の方へ。
シロエ 「たったの肉まん7個分だ、と言いますけれど…」
サム 「お前、7個も買えるのかよ?」
キース 「そのくらいの小遣いは貰っている!」
でないと高校生が出来るか、とキース君が吊り上げる眉。
キース 「肉まんの1個も買えないようでは…」
シロエ 「其処ですよ。いいですか、肉まん7個なんです」
先輩は一度に買えるんですか、とシロエ君の問い。
シロエ 「寒い日とかに、1個ずつなら普通ですけど…」
サム 「ドカンと買って、食えるかって話な!」
食欲の問題じゃねえんだぜ、とサム君、指をチッチッと。
サム 「肉まんを7個も大人買いしてよ…」
シロエ 「懐は痛まないのか、って所が重要なんです」
7個ですよ、とシロエ君が突き付ける指が7本分。
シロエ 「それを買ったら、その後、赤貧なのでは?」
ジョミー「次の日も買える余裕はあるわけ?」
キース 「そ、それは…」
残りの小遣いと相談しないと…、とキース君の悪い顔色。
キース 「他にも何かと買うものはあるし…」
シロエ 「ほらね、大金じゃないですか!」
サム 「うんうん、これがマツカだったらよ…」
スウェナ「毎日、みんなに7個買っても平気だわね」
もちろん1人に7個ずつよ、とスウェナちゃん。
スウェナ「キースがやったら、即、破産でしょ?」
キース 「否定は出来ん…」
シロエ 「じゃあ、大金で決まりですね!」
肉まん7個分で如何ですか、とシロエ君の笑み。
シロエ 「一手引き受けで、例の人をですね…」
サム 「面倒見てくれりゃいいんだよ」
この前みたいに…、とサム君も。
サム 「先月は、上手くいったんだしよ…」
ジョミー「スキルの方は充分あるよね」
シロエ 「加えて、疫病仏なんですし…」
キース 「おい…!」
命の値段が安すぎるぞ、と文句ですけど。
大金ですよ…?
2021/11/07 (Sun)
☆命の危機でも平気
紅葉シーズン到来とあって、お出掛けしたい面々ですけど。
リスクは全てキース君に、と保険の話が出て来たわけで…。
キース 「いいか、あの馬鹿が何かやらかしたら、だ…!」
シロエ 「命の危機だと言いたいんでしょう?」
先月はまさにそうでしたから、とシロエ君。
シロエ 「でも、危機だけで終わりましたし…」
マツカ 「簀巻きにはされませんでしたしね」
ジョミー「そうだよ、ゴザを買いに行かされただけで…」
サム 「川にドボンはしてねえよな?」
その前に撤収だったからよ、とサム君の相槌。
サム 「自転車のブレーキが壊されたのもよ…」
ブルー 「ぼくがサイオンで助けたよねえ?」
シロエ 「しかも、キース先輩は無自覚でした!」
ブレーキをかけずに走っていて…、とシロエ君の鋭い指摘。
シロエ 「そこまで肝が据わっているなら、大丈夫です!」
ジョミー「チキンレースで楽しめそうだよ?」
命の危機を…、とジョミー君も親指をグッと。
ジョミー「肉まん7個分は大金なんだし…」
シロエ 「引き受けるべきだと思いますねえ…」
??? 「ぼくも賛成!」
肉まんだって、とソルジャー(会話表記はAブルー)登場。
Aブルー「いいねえ、肉まんが美味しい季節!」
キース 「あんた、何しに湧いたんだ!?」
Aブルー「何処かへお出掛けするんだろう?」
肉まんを持って行くのかな、とソルジャー、ニコニコ。
Aブルー「肉まんくらい、ぼくが御馳走するからさ…」
シロエ 「一緒に行きたい、と言いたいんですね?」
Aブルー「ピンポーン!」
マツカの別荘とかがいいな、と調子に乗る人。
Aブルー「豪華な食事と、綺麗な紅葉がセットでさ…」
シロエ 「キース先輩、出番ですよ?」
Aブルー「えっと、どういう意味なのかな?」
シロエ 「キース先輩が、お世話係をするそうです!」
Aブルー「なるほど、それが肉まん7個分なんだね!」
キースに払えばいいのかな、と言ってますけど。
それでいいのかも…?
2021/11/08 (Mon)
☆肉まんを買うなら
紅葉シーズン到来でして、お出掛けしたい面々ですけれど。
リスクはキース君が引き受け、そういう話になった所へ…。
Aブルー「えっと、肉まんを7個買って、キースに…」
シロエ 「いえ、そうじゃなくて、7個分のですね…」
ジョミー「お金をキースに渡すんだよ」
そしたらキースがお世話係に…、とジョミー君たち。
ジョミー「ぼくたちが払う予定だったけど…」
シロエ 「代わりに払って下さるんなら、有難いですね」
Aブルー「そのくらい、お安い御用だよ!」
肉まん7個分だろう、とソルジャーが取り出した財布。
Aブルー「はい、キース。お釣りは貰ってくれていいから」
キース 「おい…!」
これを受け取ったら終わりだろうが、とキース君、動かず。
Aブルー「でもねえ、7個分より多いよ?」
シロエ 「キース先輩、お釣りは要らないんですよ?」
サム 「うん、お札には違いねえしよ…」
スウェナ「お釣りの分で、お菓子くらいは買えるでしょ?」
有難く貰っておきなさいよ、とスウェナちゃん。
スウェナ「それとも、何か不満なわけ?」
キース 「貰ってしまうと、またババなんだぞ!」
Aブルー「分かったよ。多すぎるから怖いんだ?」
裏があるとか思うんだろう、とソルジャー、勝手に納得。
Aブルー「だったら、キッチリ7個分でね」
キース 「なんだって!?」
Aブルー「ひい、ふう、みい、と…」
小銭を数え始めたソルジャー。
Aブルー「肉まん1個が、この値段だから…」
シロエ 「それはコンビニ価格ですよ?」
Aブルー「ダメなのかい?」
ぶるぅ 「んとんと…。コンビニは、お値段、高めで…」
お得じゃないよ、と「そるじゃぁ・ぶるぅ」も。
ぶるぅ 「スーパーだったら、うんと安くて…」
シロエ 「お買い得な日もあるんです!」
Aブルー「なるほど、そういう仕組みになってるんだね」
キース 「お前ら、値切ってどうする気だ…!」
俺を安売りするつもりか、と叫んでますけど。
そうなるかも…?
2021/11/09 (Tue)
☆底値よりはマシ
紅葉のシーズンといえばお出掛け、そういう話ですけれど。
リスクはキース君に丸投げ、其処へソルジャー登場でして。
Aブルー「安売りだなんて言われてもさ…」
シロエ 「キース先輩が蒔いた種ですよ?」
さっき、お札を貰っていれば…、とシロエ君のツッコミ。
シロエ 「お釣りの分まで貰えたんです、それをですね…」
サム 「受け取らねえから、今の状況があるんだぜ?」
キース 「しかし…!」
Aブルー「ぼくにしたって、賢く買い物したいからねえ…」
スーパーの肉まんの値段は、どのくらいかな、という質問。
ぶるぅ 「えっとね、今日はチラシが入ってたから…」
ブルー 「うん、本日の目玉商品だね」
肉まんとかが、と生徒会長が差し出すチラシ。
ブルー 「カレーまんとセットのでも、こうだからさ…」
Aブルー「ホントだ、コンビニよりもずっと安いね」
だったら、こっちで計算しよう、とソルジャー、ニッコリ。
Aブルー「肉まん7個で、この値段だね!」
シロエ 「ほらね、お安くなったでしょう?」
キース 「貴様ら、本気で安売りなのか!」
この俺を…、と叫んでますけど、ソルジャー、しれっと。
Aブルー「シロエも言ったよ、自業自得だって」
サム 「諦めねえと、もっと値切られるぜ?」
ぶるぅ 「そだよ、肉まん、安い時には…」
これより安くなるんだから、と「そるじゃぁ・ぶるぅ」。
ぶるぅ 「今の値段でいいと思うの!」
シロエ 「それとも、底値にしたいんですか?」
キース 「いや、それは…!」
Aブルー「じゃあ、この値段で、よろしく頼むよ」
お世話係を…、とソルジャー、キース君に強引に小銭を。
Aブルー「失敗したって、返さなくてもいいからね!」
キース 「また処刑だとか言い出す気か!?」
Aブルー「さあねえ…? それより、何処へ行くわけ?」
シロエ 「紅葉ですか?」
Aブルー「うん、また三人で来たいんだけど!」
かまわないだろう、と笑顔のソルジャー。
断れませんね?
2021/11/10 (Wed)
☆三人分でよろしく
紅葉といえばお出掛けシーズン、ソルジャーも登場でして。
キース君をお世話係に任命、肉まん7個分の値段を支払い。
Aブルー「やっぱり、賑やかにやりたいしさ!」
シロエ 「まあ、そうでしょうね…」
サム 「いいんでねえの? キースが引き受けるんだし」
ジョミー「先月は、上手くいったしね…」
それに断っても無駄だと思う、とジョミー君。
ジョミー「ほら、あっちには必殺技があるしさ…」
スウェナ「SD体制で苦労してる、っていうヤツよね?」
Aブルー「その通り! だから、三人でいいだろう?」
ブルー 「嫌だと言っても、ソレで押し切るしね…」
キースがいるから、まあいいけどさ、と生徒会長も。
ブルー 「こっちに被害が無ければ、別に…」
シロエ 「かまいませんよね?」
マツカ 「ええ。で、行き先はどうするんですか?」
Aブルー「紅葉が綺麗で、混んでなくてさ…」
御馳走がある所だよね、とソルジャーの注文。
Aブルー「お寺で精進料理はダメだよ、もっと豪華に!」
シロエ 「どの辺から聞いていたんです?」
Aブルー「最初からかな?」
一同 「「「あー…」」」
そういう人だ、と誰もが溜息。
ブルー 「要するに、来る気満々だった、と」
Aブルー「もちろんだよ!」
マツカの別荘とかがいいねえ、と仕切り始める人。
Aブルー「道路が混んでも、ヘリで行けるし…」
キース 「なんで、あんたが決めるんだ!」
マツカ 「でも、正論ではありますよ?」
何処の料亭でも取れますけれど…、と御曹司、控えめに。
マツカ 「ただ、其処へ行くには、道路事情が…」
サム 「だよなあ、何処も渋滞するしよ…」
Aブルー「ほらね、マツカもこう言ってるし!」
此処は厚意に甘えるべき、と厚かましいソルジャー。
Aブルー「別荘にしようよ!」
マツカ 「分かりました。手配しますね」
Aブルー「キースも、お世話係をよろしく頼むよ」
もう代金は払ったからね、と威張ってますけど。
格安ですよね…。
2021/11/11 (Thu)
☆売り渡された人
次の休日はマツカ君の別荘へお出掛け、ソルジャーも一緒。
そう決まりまして、お世話係はキース君が一手に引き受け。
Aブルー「いいかい、しっかり仕事をしてよ?」
キース 「あの値段でか!?」
Aブルー「底値にしたっていいんだけれど?」
キース 「い、いや、充分だ…」
有難く貰っておくことにする、とキース君、諦めモード。
キース 「出来る限りのことも、させて貰うから…」
Aブルー「ありがとう! じゃあ、来週はよろしくね!」
今日は、お出掛けするからこれで、とソルジャー、消滅。
シロエ 「帰ったんでしょうか?」
サム 「お出掛けなんだぜ、エロドクターのトコだろ?」
一同 「「「あー…」」」
ターゲットは他にもいたんだっけ、と誰もが納得。
シロエ 「あっちは上手くいってるんですよね…」
ジョミー「貢いで貰って、御機嫌だよね…」
サム 「キースも、あれほど金があればよ…」
被害は無かったかもしれねえな、とサム君が振っている首。
サム 「何か言われたら、サッと小遣いを握らせてよ…」
スウェナ「切り抜けられたかもしれないわねえ…」
ジョミー「でもさ、現実は厳しいからさ…」
シロエ 「肉まん7個分で売られるんですよね」
しかもスーパーのお値段で…、とシロエ君。
シロエ 「大安売りというヤツですよ」
キース 「誰のせいだと思ってるんだ!」
ブルー 「自分で蒔いた種だろう?」
売られたからには頑張りたまえ、と生徒会長の激励が。
ブルー 「ぼくたちに被害が及ばないように、全力で!」
シロエ 「先月みたいにお願いしますよ」
キース 「死にかけたんだが…!」
シロエ 「生き延びたでしょう?」
拾った命を活かして下さい、とシロエ君が突き付ける指。
シロエ 「それで、みんなが救われますから!」
キース 「死ねと言うのか!?」
ブルー 「坊主なんだし、尊い犠牲の精神でね」
キース 「くっそぉ…」
たった肉まん7個分でか、と呻いてますけど。
頑張るしか…。
2021/11/12 (Fri)
☆宿坊で良ければ
やって来ました、マツカ君の別荘へ紅葉狩りに出掛ける日。
生徒会長のマンション前に集合、そういう面々ですけれど。
シロエ 「いいですねえ…。今年もヘリでお出掛けですね」
マツカ 「渋滞を避けるには、一番ですしね」
ジョミー「リッチだよねえ…!」
でもって、着いたら御馳走だよね、とジョミー君。
ジョミー「何が出るかな、松茸御飯はありそうだけど…」
マツカ 「もちろん、御用意していますよ」
サム 「バーベキューでも、トリュフだったしよ…」
スウェナ「絶対、豪華に決まってるわよ!」
見た目も綺麗で凝ってるのよね、とスウェナちゃんも。
スウェナ「なんと言っても、マツカの家の別荘だもの!」
シロエ 「お寺なんかとは違いますしね」
キース 「悪かったな!」
なんなら次は招待するぞ、と副住職の渋面。
キース 「宿坊で精進料理の休日をな!」
ジョミー「要らないから!」
キース 「親父の法話もセットなんだが…」
シロエ 「そんなの、誰が行きたがるんです!」
お正月だけで充分ですよ、とシロエ君。
シロエ 「それに、招待となると、誰かさんがですね…」
ブルー 「強引に来るから、苦労するだろうね」
Aブルー「なになに、何処へ御招待って?」
おはよう、とソルジャー(会話表記はAブルー)登場。
Aブルー「次の休みの予定かな?」
??? 「でもですね…。特別休暇は…」
??? 「もう取りにくい季節だも~ん!」
キャプテン(A船長)と悪戯小僧(Aぶるぅ)も出現。
Aブルー「そうだっけ?」
A船長 「クリスマスと、お正月に取るんですよ?」
Aぶるぅ「こっちでパーティーと、えとえと…」
煩悩の回収だっけ、と悪戯小僧が傾げる首。
Aぶるぅ「除夜の鐘で流れたヤツを、ホテルに泊まって…」
Aブルー「あー! そういうイベントもあったっけね!」
A船長 「ですから、他に特別休暇は…」
Aブルー「うーん、残念…」
御招待を逃しちゃうのか、と嘆いてますけど。
宿坊ですよ…?
2021/11/13 (Sat)
☆宿坊は困るんです
マツカ君の別荘で紅葉狩りな休日、ソルジャーたちも到着。
ヘリで出掛ける豪華コースで、元老寺の宿坊とは大違いで。
シロエ 「もしかして、元老寺に行きたかったんですか?」
Aブルー「だって、キースの招待だろう?」
ジョミー「でもさ、精進料理だよ?」
サム 「アドス和尚の法話もつくしよ、俺だったらよ…」
招待されても逃げると思うぜ、とサム君が軽く竦める肩。
サム 「それによ、法話だけでは済まねえと思うし…」
キース 「朝晩のお勤めは、当然、つくな」
シロエ 「お客さんに人気なんですか、ソレ?」
キース 「お前たちと違って、参加するかは自由だが…」
けっこう皆さん、参加なさるぞ、と副住職。
キース 「心の癒しになるんだそうだ」
Aブルー「ふうん…? 次の機会が是非とも欲しいね」
A船長 「私もです。お念仏は毎日、唱えていますし…」
Aぶるぅ「かみお~ん♪ ぼくもキースの家に行きたい!」
でもって悪戯、と飛び跳ねる悪戯小僧に、キース君、蒼白。
キース 「そ、それだけはやめてくれ!」
Aブルー「でもねえ、ぶるぅだけ留守番なのもねえ…」
ブルー 「キース、招待厳禁だからね!」
一同 「「「は?」」」
何故、この人が…、と皆の視線が生徒会長に集中。
キース 「あんたが俺に味方すると…?」
シロエ 「どうしたんです、会長、熱でもありますか?」
ブルー 「失礼な! ぼくは至って正気だってば!」
でもって、元老寺への招待は禁止、と生徒会長、厳しい顔。
ブルー 「忘れていたよ、アドス和尚は、この連中をさ…」
Aブルー「なんだい?」
ブルー 「知らないんだってば、存在自体を、まるっと!」
ということは…、と生徒会長が指差す自分の顔。
ブルー 「ブルーが行くなら、ぼくと代わるしか…」
キース 「そうか、それしかないわけだな」
ジョミー「それって、何かあった時はさ…」
ブルー 「ぼくのメンツが…」
潰れるんだよ、と生徒会長、ガクガクブルブル。
確かに…。
2021/11/14 (Sun)
☆入れ替わった時には
マツカ君の別荘で紅葉狩りですけど、出発前に騒ぎが勃発。
元老寺の宿坊を希望なソルジャー、止めに入った生徒会長。
キース 「なるほど、あんたもメンツが大事、と」
ブルー 「当たり前だよ、ぼくの評価が地に落ちるしね!」
こんなのと一緒にされちゃったら、と生徒会長、キッパリ。
ブルー 「それに、ぶるぅも入れ替わるわけだし…」
ぶるぅ 「んとんと…。ぼくは悪戯、しないよ?」
Aぶるぅ「そっか、ぶるぅが困っちゃうんだ…」
それなら悪戯は我慢するよ、と意外に良い子な悪戯小僧。
シロエ 「我慢って…。そんなの、出来るんですか?」
Aぶるぅ「クリスマスの前には、やってるも~ん!」
でないとサンタさんが来ないもんね、と弾ける笑顔。
Aぶるぅ「だから絶対、大丈夫!」
ブルー 「だってさ、君より出来た子だねえ…」
Aブルー「失礼な! ぼくには出来ない真似だとでも!?」
其処まで言うならやってみせよう、とソルジャー、憤然。
Aブルー「キース、次の機会を作りたまえ!」
キース 「何をする気だ?」
Aブルー「ぼくの素晴らしさを披露するんだよ!」
ブルーの評判を落とさないように…、と威張り返る人。
Aブルー「完璧な立ち居振る舞いってヤツで!」
ブルー 「いいけどさ…。朝晩のお勤めはどうするわけ?」
Aブルー「参加するけど?」
ブルー 「所作とお経は、出来るんだろうね?」
伝説の高僧らしく完璧に…、と生徒会長の鋭いツッコミ。
ブルー 「それにさ、アドス和尚のことだし…」
キース 「導師を頼むかもしれないな」
Aブルー「えっと…? 導師って…?」
それは何だい、とソルジャーの問い。
Aブルー「ブルーには出来るヤツなんだよね?」
キース 「もちろんだ。お勤めの先頭に立ってお経をだ…」
ブルー 「読む役目だよね、鳴り物とかも叩いてさ」
Aブルー「それって、いつもキースがさ…」
キース 「やってるヤツだが?」
法要でな、とキース君、俄然、偉そう。
さて、どうなる…?
2021/11/15 (Mon)