☆教頭先生と肉体労働
サマースクールで何処に泊まるのか、気になるというシャン学メンバー。
生徒会長は冷房がどうこう言っておりますが、人気はテント。
しかしテント生活だと教頭先生が頑張ることになるとは、これ如何に?
キース 「おい、どうして教頭先生なんだ?」
ブルー 「決まってるじゃないか、肉体労働はハーレイだろ?」
ジョミー「テントくらいは、ぼくたちで張るよ! それが醍醐味だし!」
シロエ 「楽しみの内ですよね、それも」
ブルー 「ぼくは嫌だな、ただでも暑いのに労働なんかさ」
キース 「それで教頭先生なのか? あんたの分を張らせると?」
ブルー 「ぼくの分と、スウェナとぶるぅが泊まる分だよ。それと…」
マツカ 「ぼくだってテントは張れますよ」
サム 「俺も自分のテントは張るぜ」
ブルー 「違うってば、張らせるのは二張りでいいんだ。その後が問題」
全員 「「「その後?」」」
ブルー 「うん。団扇の風じゃ耐えられないしね、扇風機もちょっと」
ジョミー「なに、それ?」
ブルー 「ぼくのテントの冷房だよ。ハーレイの根性にかかってるのさ」
キース 「肉体労働がどうとか言ったな? サッパリ意味が謎なんだが」
ブルー 「自転車を漕いでもらうわけ。自家発電の王道だろ?」
全員 「「「えぇっ!?」」」
それってまさか一晩中では、と大騒ぎになっておりますが。
生徒会長は涼しい顔で…。
ブルー 「決まってるじゃないか、冷房が止まると寝苦しい」
キース 「タイマーで止まる冷房だってあるだろうが!」
ブルー 「ぼくは心地良く寝ていたいんだよ。それに用心もいいからね」
ジョミー「用心って?」
ブルー 「自転車を漕がせておけば夜這いに来られる心配が無い」
シロエ 「そういう問題なんですか? 過労で倒れますってば」
ブルー 「そうかなあ? 得意技だと思ったけれど」
キース 「何がだ?」
ブルー 「自家発電!」
絶対得意に決まっている、と主張している生徒会長。
そんな得意技ってアリなんですか?
2012/07/16 (Mon)
☆教頭先生の得意技
テント生活でもクーラーは必須、と主張している生徒会長。
そのための電力を賄うために、教頭先生に自家発電をさせるのだとか…。
キース 「教頭先生がタフでらっしゃると言うなら分かる。だがな…」
シロエ 「自家発電が得意技って、何なんです?」
ジョミー「家にママチャリがあるのは知っているけど、自転車のこと?」
ブルー 「違うよ、自家発電と言ったら自家発電!」
全員 「「「???」」」
ブルー 「分からないかな、最近は使わない言い回しかもね」
サム 「別の意味でもあるのかよ?」
ブルー 「そう、大有り。大きな声では言いたくないけど」
キース 「だったら思念波で囁いておけ。…いや、ちょっと待った!」
ブルー 「何さ?」
キース 「やっぱり聞かなくていいような気がする。どうせロクでも…」
ブルー 「それで正解。なにしろ妄想が激しくて」
全員 「「「は?」」」
ブルー 「ぼくの写真を見ながらせっせと自家発電だよ、夜の習慣」
キース 「………。お、おい、それは……」
ブルー 「いやもうホントによくやるよ、ってね。童貞のくせに」
全員 「「「………」」」
聞くんじゃなかった、と討ち死にしているシャン学メンバー。
自家発電が何の意味かは嫌でも分かったみたいです。
キース 「もういい、今ので死ぬほど疲れた。テント生活はやめておく」
ブルー 「えっ、なんで?」
キース 「あんたのテントを見たくないんだ、クーラーつきの」
ジョミー「だよねえ、教頭先生が自転車を漕いでる姿なんか見たら…」
シロエ 「それこそドッと疲れますってば、ぼくたちが」
ブルー 「じゃあ、冷房完備の部屋に泊まるのでいいんだね?」
キース 「不本意ながら…な。で、何処なんだ、それは」
ブルー 「礼法室だよ。あそこなら広いし、何かと便利」
キース 「そういえば校内合宿用にも使っていたな…」
いいかもしれん、と頷いているキース君。
テント生活が却下な以上、合宿に使われる部屋というのは魅力的かも?
2012/07/17 (Tue)
☆宿泊は礼法室
サマースクールとやらで泊まる場所。
希望者の多いテントでしたが、生徒会長の怪しげな発想のせいで却下に。
校内合宿でも使われるという礼法室になるようです。
ブルー 「冷房完備で設備も充実。別室もあるからスウェナはそっちに」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ ぼくもそっちだよね!」
ジョミー「教頭先生はぼくたちと一緒になるのかな?」
キース 「引率役だしな、そうなるだろう」
ブルー 「ダメダメ、そんな危険なのは! 得意技は自家発電だよ?」
シロエ 「じゃあ、どうするんです?」
ブルー 「廊下で寝させればいいじゃないか。段ボールを敷いて」
キース 「段ボールだと?」
ブルー 「そりゃ寝袋でもいいけどさ。段ボールの方が涼しいと思う」
シロエ 「それって少し酷すぎませんか? せめて何処かの教室とか…」
ブルー 「そうかなぁ? まあ、考えておくよ」
当日までに、と生徒会長。
教頭先生の扱いはロクなものではなさそうです。
ブルー 「というわけで、宿泊場所も明かしたし! 合宿を頑張って」
キース 「もちろんだ。ジョミーも明日から璃慕恩院だな」
ジョミー「うえ~…。言わないでよ、ぼくは行きたくないんだからさ!」
サム 「俺と一緒に頑張ろうぜ。毎日念仏三昧だぞ」
ブルー 「修行の成果に期待してるよ。それが終わればサマースクール」
ジョミー「約束はちゃんと守ってよね! 巨大そうめん流しだよ?」
ブルー 「分かってるってば。ねえ、マツカ?」
マツカ 「ええ、竹藪は何処を切ってもいいと両親も言っていますから」
シロエ 「楽しみですよね、そうめん流し!」
キース 「お前の腕の見せ所だしな。もう設計図も描いたのか?」
シロエ 「いいえ、ぶっつけ本番です。その方がきっと面白いですよ」
ブルー 「だよねえ、みんなで試行錯誤もいいと思うな」
とにかく素敵なサマースクールを目指すべし、と生徒会長は上機嫌。
問題は教頭先生に迷惑をかけまくりたいという点ですが。
廊下で寝るだけで済みますかねえ…?
2012/07/18 (Wed)
☆楽しみな明日
柔道部の合宿と、ジョミー君とサム君の璃慕恩院での修行体験ツアーと。
恒例行事が無事に終わって、明日からサマースクールです。
ブルー 「良かったねえ、今年も元気に修行が出来て」
サム 「おう! やっぱアレだよな、総本山は気が引き締まるよな」
ジョミー「ぼくは緊張しまくりだったよ! もうヤだよ、アレ…」
キース 「今からそんなことでどうする? 修行生活はもっとキツイぞ」
ジョミー「修行する気は無いもんね。お坊さんなんかならないし!」
ブルー 「何を寝言を言ってるんだい、君はとっくにお坊さんだろ」
シロエ 「僧籍って言うんでしたっけ? 確か登録済みでしたよね」
ブルー 「そういうこと。後は修行を積むだけ…ってね」
スウェナ「頑張ってよね、期待してるわよ」
キース 「俺も親父も力になるぞ」
ジョミー「要らないってば! それよりサマースクールだよ!」
ブルー 「うーん…。未だに遊びが優先なのかい?」
ジョミー「決まってるじゃない、永遠の高校1年生!」
キース 「ブルーは高校3年生だが、既に伝説の高僧だぞ?」
ジョミー「あれは例外! 三百歳超えと同列にしないでよ」
遊ばにゃ損々、とジョミー君は浮かれております。
その辺は他の面子も似たり寄ったり。
シロエ 「明日ですもんねえ、サマースクール。楽しみです」
マツカ 「竹藪の方はいつでもどうぞ、と父が言ってました」
ブルー 「伐採用の道具は学校で用意してくれるそうだよ」
全員 「「「学校!?」」」
ブルー 「マザー農場から借りるんだってさ。ハーレイが責任者」
キース 「そうめん流しの装置の工具も学校が貸してくれるのか?」
ブルー 「当然だろ? なんたってサマースクールなんだし」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ 調理場も好きに使っていいって!」
ブルー 「というわけで、集合時間に遅れないようにね」
忘れ物にも気を付けて、と持ち物を書いた栞なんかが配られました。
シャングリラ学園を私物化してのサマースクール、明日からですよ~!
2012/07/19 (Thu)
☆生徒会長の用心
やってきました、7月28日の土曜日。
今日から一泊二日のサマースクール、シャン学メンバーもワクワクです。
暑さもなんのその、早起きをしてシャングリラ学園へと。
ぶるぅ 「かみお~ん♪ みんな早いね!」
ジョミー「そりゃもう、遅刻している暇なんかないよ、遊ばなきゃ!」
ブルー 「その勢いで修行も頑張って欲しいんだけど…」
キース 「言うだけ無駄だと思うがな。あ、おはようございます」
現れたのは教頭先生。
普段着ですけど、引率役なのは確かでございます。
ハーレイ「ああ、おはよう。二日間、迷惑をかけないようにな」
ブルー 「迷惑をかけるのは君の方だろ?」
ハーレイ「どうしてそういうことになるんだ?」
ブルー 「え、だって。顔にしっかり書いてあるじゃないか、役得って」
ハーレイ「役得?」
ブルー 「そう、役得。二日間、ぼくの世話係だしね」
ハーレイ「あ、いや、それは……そのぅ…」
ブルー 「ほーら、やっぱり妄想してた。危ないったらありゃしない」
油断も隙もないんだから、と生徒会長は荷物をゴソゴソ。
ブルー 「用意してきて正解だったよ。転ばぬ先の杖って言うし」
キース 「なんだ、それは?」
ブルー 「流行りのキッズ携帯ってヤツさ。これを引っ張ると…」
たちまち鳴り響く防犯ブザー。
けたたましいなんてレベルではなく、誰もが耳を塞いでいますが。
ゼル 「なんじゃ、なんじゃ、朝っぱらから痴漢が出たか!?」
ブルー 「うわぁ、早いね。これなら安心」
ゼル 「テストならテストと言わんかい! 無駄足じゃったぞ」
ブルー 「ううん、犯罪抑止力。こうなるぞ、って警告だってば」
ゼル 「なるほどのぅ…。聞いたか、ハーレイ?」
ハーレイ「…そんなに信用が無いのか、私は…」
ブルー 「あるわけがない。これ、GPSもついているから」
ゼル 「何処で襲われても、すぐ呼ぶんじゃぞ!」
カカカと笑ってゼル先生は本館の方へ。
教頭先生の監視体制、万全になってるみたいですねえ…。
2012/07/20 (Fri)
☆キッズ携帯の効果
教頭先生に襲われないよう、キッズ携帯まで用意してきたのが生徒会長。
本館で待機中のゼル先生をいつでも呼べるそうですが…。
ブルー 「さてと、どのタイミングで使おうかな?」
ジョミー「それよりサマースクールだよ! 何をするわけ?」
ブルー 「午前中はプールで遊ぼうと思うんだけど」
シロエ 「いいですね! この人数で貸し切りでしょう?」
ブルー 「もちろんさ。その辺のプールより楽しめるってば」
キース 「この季節は何処も混んでるしな…」
サム 「下手するとイモ洗いってヤツだもんなあ」
スウェナ「今日は土曜日だし、確実にそれね」
ブルー 「だから値打ちがあるんだよ。さて、行こうか」
ぶるぅ 「わぁーい、プールだ、水遊びだぁー!」
いそいそと体育館へと向かう面々。
更衣室に入って間もなく、響き渡ったのが防犯ブザー。
ゼル 「こらぁっ、ハーレイ! 盗撮とはなんじゃ、盗撮とは!」
ハーレイ「ち、ちが…! わ、私は何も…」
ゼル 「やかましい! ここにカメラが入っておるわい!」
ブルー 「何かがキラッと光ったんだよね、そしたらレンズが…」
ゼル 「ふむふむ…。明らかにブルー狙いじゃのう…」
ここに着替える映像が、とカメラの動画を再生しているゼル先生。
教頭先生は顔面蒼白、違うと叫んでおられますけど。
ゼル 「論より証拠じゃ、この痴漢めが! 学校の恥じゃ」
ブルー 「警察までは呼ばなくていいよ、騒ぎになるから」
ゼル 「ふむ…。エラたちにはどうするんじゃ?」
ブルー 「続くようなら報告書を出して処分ってトコかな」
ゼル 「よし。では、とりあえずイエローカードじゃ」
ハーレイ「そ、そんな…。バッグにカメラを入れた覚えは…」
ゼル 「白々しいわい、レッドカードも近いようじゃのう」
ブルー 「だよねえ、初っ端からコレではねえ…」
何かあったらまた呼ぶから、とゼル先生に手を振っておりますが。
ヘタレな教頭先生がバッグにカメラを仕込んで盗撮…ですか?
※ブルー三部作の2話目、『赤い瞳 蒼い星』の放映から今日で5周年。
ブルフィシ的には美味しい回でございましたが、ラスト10秒の衝撃で
美味しい気分は頭からスコーンと抜けましたです…。
2012/07/21 (Sat)
☆使える愛弟子
盗撮容疑でゼル先生にイエローカードを出された教頭先生。
プールサイドでシャン学メンバーを見守りつつも、明らかに意気消沈で。
ブルー 「ねえ、ハーレイは泳がないわけ? 楽しいのにさ」
ハーレイ「い、いや…。その、なんだ…」
ブルー 「ああ、またムラムラとしそうだって? じゃ、仕方ないね」
ぼくたちだけで楽しもう、と生徒会長は申しておりますが。
キース 「おい。さっきのカメラはあんたじゃないのか?」
ブルー 「違うよ、あれはハーレイのだけど」
ジョミー「えっ? それじゃホントに教頭先生が…?」
ブルー 「まさか。ヘタレが盗撮出来るとでも? 仕込んだのは、ぼく」
キース 「やっぱりあんたの仕業じゃないか!」
ブルー 「でも持ち主はハーレイだってば、カメラのね」
シロエ 「思い切り濡れ衣じゃないですか…」
ブルー 「そうでもないさ。ごらんよ、あの顔! ぼくばかり見てる」
サム 「あー…。言われてみればそうかもなぁ…」
ブルー 「懲りてないよね、イエローカード。変な所でタフなんだ」
キース 「プールに入っておいでになったら、また何かする気だな?」
ブルー 「決まってるだろう? だけど来ないねえ…」
スウェナ「用心深くなると思うわよ、いきなりアレじゃね」
マツカ 「そうですよねえ…」
ブルー 「ちぇっ、面白くないったら…」
濡れ衣だった盗撮容疑。
教頭先生、水着に着替えてらっしゃるものの、水にお入りになりません。
ブルー 「いっそ溺れてみようかな?」
キース 「人工呼吸の途中で防犯ブザーが鳴るんだろうが!」
ブルー 「あ、分かっちゃった?」
キース 「当然だ! あんたが溺れたら俺が救助する」
ブルー 「え!? 君とキスするのは……ちょっと勘弁…」
キース 「俺の方でも願い下げだ! 溺れるなよ?」
ブルー 「わ、分かったってば、君の覚悟は!」
持つべきものは真面目な弟子。
柔道部の美しき師弟関係のお蔭で、教頭先生は無事にプールの監督終了。
さて、お次は…?
2012/07/22 (Sun)
☆廊下が定位置
貸し切りのプールで遊び放題だったシャン学メンバー。
そろそろお昼も近いとあって、着替えて宿泊場所の礼法室へと移動です。
キース 「ん? なんだ、ここに置いてあるのは誰の荷物だ?」
ブルー 「ハーレイのヤツだよ。そうだよね?」
ハーレイ「う、うむ…」
シロエ 「でも廊下ですよ? まさか本気で教頭先生を廊下に…」
ブルー 「当然じゃないか。盗撮するような危険な男と同室は嫌だ」
ジョミー「盗撮はブルーの悪戯じゃないか!」
ブルー 「ゼルはバッチリ信じたしねえ…。日頃の行いが物を言うのさ」
寝かせておくのは廊下で充分、と教頭先生の荷物を蹴飛ばす生徒会長。
何を言っても無駄というもので、礼法室へと入ってゆくと。
ゼル 「おお、来たか。ブルー、肉と野菜は切っておいたぞ」
ブルー 「流石はゼル。後は楽しく焼くだけって?」
ゼル 「もちろんじゃ。ホットプレートも温まっておる」
ジョミー「ホットプレート?」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ お昼は焼きそば食べ放題だよ!」
ブルー 「スタンダードからエスニック風まで、色々と…ね」
サム 「すげえや、好きなの食っていいんだ?」
ブルー 「そうだよ、作るのは基本ぶるぅにお任せだけど…」
ゼル 「わしも参加じゃ! 手伝いたいヤツは大いに手伝え!」
全員 「「「はーい!」」」
ワッと机に並んだホットプレートを囲むシャン学メンバー。
しかし…。
ゼル 「ハーレイ、お前の席は廊下じゃ」
ハーレイ「は?」
ゼル 「ブルーと同じ釜…いや、ホットプレートからは食わせん」
ブルー 「間接キスは御免蒙りたいからね。盗撮もされたし」
ぶるぅ 「えとえと、焼きそばは届けてあげるから!」
ゼル 「痴漢には紙皿で充分じゃがな。さっさと行けい!」
ハーレイ「そ、そんな…。わ、私は決して…」
ブルー 「見苦しいねえ、はい、外へ出る!」
お気の毒な教頭先生、ゼル先生に腰を蹴られて廊下へと。
昼食からしてこの調子では、そうめん流しはどうなるやら…。
2012/07/23 (Mon)
☆暑くても廊下
食べ放題だった昼食の焼きそば、教頭先生は孤独に廊下で食べる羽目に。
礼法室の中の面子は陶器のお皿なのに、教頭先生は紙皿で。
サム 「あー、食った、食った! 美味かったなぁ」
ジョミー「えっと…。後片付けはどうするのかな?」
ブルー 「ハーレイに決まっているだろう? そのための引率役だ」
ゼル 「ハーレイ! 早く来んかい、皿洗いじゃ!」
ハーレイ「は、入ってもいい…のか?」
ブルー 「いいけどさ。ぼくの荷物に触ったりしたらコレだからね」
キッズ携帯をちらつかせている生徒会長。
教頭先生、しおしおと後片付けをしておられますが…。
ブルー 「暑い盛りだし、しばらく涼もう。ハーレイ抜きでゲームでも」
ゼル 「いいのう、わしは花札が得意なんじゃ」
シロエ 「賭けるんですか?」
ブルー 「やめた方がいいよ、ゼルはホントに強いから」
キース 「そうなのか…。挑みたい気もするが、やめておくか」
クーラーが効いた部屋で始まった花札勝負はゼル先生の一人勝ち。
生徒会長もサイオン抜きでは勝てないそうでございます。
ぶるぅ 「かみお~ん♪ おやつはやっぱりカキ氷だよね!」
ゼル 「シロップもトッピングもたっぷりあるぞ」
ブルー 「うーん、何味にしようかなぁ…。あ、ハーレイを忘れてた」
キース 「あんたが廊下に出したんだろうが、ずいぶん前に!」
ブルー 「だって、後片付けが済んだら用は無いしさ。生きてるかな?」
ゼル 「死ぬようなタマじゃなかろうて。どれ、見てくるか」
どっこいしょ、と廊下を見に行ったゼル先生は…。
ゼル 「ふん、汗まみれで座っておったわい。どうするんじゃ?」
ブルー 「カキ氷は差し入れしておこうかな。肉体労働が待ってるし」
全員 「「「肉体労働?」」」
ブルー 「忘れたのかい、そうめん流し! ハーレイの出番だ」
竹を切るのは重労働、と生徒会長は手ずからカキ氷の差し入れに。
感激のあまり舞い上がってしまった教頭先生、これからどうなる…?
2012/07/24 (Tue)
☆竹藪を切りに
カキ氷を堪能した後は、そうめん流し用の竹をゲットするために竹藪へ。
マツカ君の家の竹藪まで瞬間移動でお出掛けですが。
ジョミー「教頭先生、なんか顔色が悪くない?」
ブルー 「平気だよねえ、ハーレイ? たかがカキ氷くらいでさ」
ハーレイ「う、うむ…。大丈夫だ」
キース 「胃腸薬なら持って来てるぞ、よく効くヤツを」
ブルー 「違うよ、カキ氷の甘さでダウン! 気分は最悪」
シロエ 「そういえば甘い食べ物はダメでしたっけ…」
キース 「あんた、思い切り苺シロップをかけてなかったか?」
ジョミー「アイスと生クリームも乗っけてたよね?」
マツカ 「フルーツも缶詰のシロップ漬けでしたよ」
サム 「食った気持ちは分かるけどな。俺もブルーに貰ったら…」
キース 「苦手なモノでも食うってか? しかし…」
本当に大丈夫ですか、と教頭先生を気遣うキース君。
ハーレイ「ブルーの心遣いを無下には出来ん。さあ、行こうか」
ブルー 「本人もこう言ってるし! 出掛けるよ」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ しゅっぱぁ~つ!」
シャン学メンバー、一瞬で竹藪へ移動でございます。
竹を切る鋸などはマザー農場からの借り物で。
ブルー 「巨大そうめん流しだからねえ、竹は沢山あった方がいいね」
シロエ 「それと太さですよ。どれにします?」
マツカ 「好きなのを切って下さいね。何本でもいいです」
ブルー 「じゃあ、ハーレイ。まずはこの竹。その次がアレで…」
ジョミー「ぼくたちも切るよ、面白そうだし!」
カーン、カーン、と響き渡るナタと鋸の音。
シャン学メンバーは切り倒すだけで、汗だくで枝を払うのは教頭先生。
ハーレイ「ま、まだ足りないのか?」
ブルー 「文句を言わない! ゼルにバイクで駆け付けられたい?」
竹藪に痴漢が出るのは王道だよ、とキッズ携帯で脅す生徒会長。
それは女性の一人歩きの場合じゃないか、と誰もが思っていますけど…。
とりあえず竹は無事にゲット出来、瞬間移動で学校に御帰還ですよ~!
2012/07/25 (Wed)
☆そうめん流しの準備
大量の竹を持ち帰って来たシャン学メンバー。
いよいよハイライト、巨大そうめん流し用の組み立て作業でございます。
ブルー 「グラウンドいっぱいと行きたいけれど…流石に無理かな?」
シロエ 「高低差が命ですからねえ…。どうなんでしょう?」
キース 「竹は三本並べるんだったか?」
ブルー 「うん。一本じゃ奪い合いになっちゃうしさ。まずは揃えて…」
サム 「だよな、長さは合わせておきたいもんなぁ、三本セットの」
ブルー 「そこはハーレイに頑張らせよう。出来た分から運ぼうか」
カーン、カーンとグラウンドに響くのは教頭先生が竹を割る音。
そうめん流し用に真っ二つに割り、更に長さを揃えてます。
シロエ 「出発点はこの辺で…と。でもって、あっちに流して」
マツカ 「終点にビニールプールですよね、受け止め用の」
ブルー 「流れ落ちちゃったら勿体ないしね」
ゼル 「ほうほう、なかなか大規模じゃのう。こう組むとどうじゃ?」
シロエ 「あっ、それは考えていませんでした! いいですね」
ゼル 「支柱もこう組んだ方が強度が出るんじゃ」
ジョミー「凄いや、ホントに巨大そうめん流しだ!」
ブルー 「食べるスペースはこの辺でいいかな。えっと…ハーレイ?」
ハーレイ「なんだ? 竹の長さでも調整するのか?」
ブルー 「ううん、水は循環式にするから、運搬係を」
ハーレイ「運搬係?」
ブルー 「流しっぱなしだと水道代が…ね。そこで肉体労働の出番」
シロエ 「サイフォンの原理でいけますよ? でなきゃポンプか」
ブルー 「分かってないねえ、下僕を使ってなんぼなんだよ」
王様気分で食べなくちゃ、と生徒会長。
教頭先生の仕事はビニールプールの水を出発点まで運ぶこと。
ブルー 「水が止まったら味わいが無いし、出発点には桶を置くんだ」
ゼル 「ふむふむ。それなら溜めておけるのう」
桶から流れ落ちる水にそうめんを入れる係も教頭先生らしいです。
思いっ切り奴隷扱いですけど、大丈夫ですか…?
2012/07/26 (Thu)
☆そうめん流しの奴隷
組み上がった巨大そうめん流し。
たっぷりと茹で上がったそうめんを流すわけですが、設備の方は循環式。
ブルー 「ハーレイ、途切れないようキリキリ頼むよ」
ゼル 「そうめんの方も水もじゃぞ! 盗撮の詫びに丁度いいわい」
ハーレイ「盗撮はしていないのだが…」
ブルー 「見苦しいねえ、証拠があったろ? じゃあ、頑張って」
シロエ 「スタートですね? うわぁ、いい感じに流れてますよ」
ブルー 「ぼくたちは此処で食べ放題! よ~し、来た、来た」
全員 「「「いっただっきま~す!」」」
流れて来るそうめんは取り放題。
教頭先生はといえば、流れ落ちてプールに溜まった水を出発点へと運び、
桶に流し込んで水量を確保。更にそうめんを流す係も兼務。
ブルー 「ハーレイ、そうめんが途切れがちだよ? 努力してよね」
ハーレイ「た、頼む、私にも休憩時間を…」
ゼル 「ふん、その図体は飾り物かい! 気張ってなんぼじゃ」
ブルー 「そうめん流しで力尽きたら夜這いの心配も無いからねえ…」
ゼル 「いやいや、ブルー、油断はならんぞ」
なにしろ相手はハーレイじゃから、とゼル先生は説いておられます。
ゼル 「ファイト一発とばかりにドリンク剤で復活もアリじゃ」
ブルー 「それは困るなぁ…。いざとなったらよろしく頼むよ」
ゼル 「任せておけい! 痴漢なんぞは切り捨て御免じゃ」
ジョミー「き、切り捨てって…。まさか刀で一刀両断?」
ゼル 「竹刀で一発ぐらいかのう…。竹刀が腐ってしまいそうじゃが」
ブルー 「だよねえ、レッドカードで充分だよ」
キース 「おい…。教頭先生が処分されたら部活の方が困るんだが」
シロエ 「そうですよ! 謹慎処分とかはやめて下さい」
ブルー 「ふうん? まあ、体力の方も限界っぽいし…」
ゼル 「ハーレイ、そうめんが流れて来んぞ! 働かんかい!」
教頭先生、そうめん流しで討ち死に寸前。
みんなが満腹するまで働き続けて、ぶっ倒れるのも近そうですねえ…。
2012/07/27 (Fri)
☆お風呂でゆっくり
巨大そうめん流しを楽しんだシャン学メンバー。
たっぷり食べた後は礼法室で休憩してから、お風呂タイムにお出掛けで。
サム 「へえ…。体育館のシャワーに行くんじゃねえんだ…」
ジョミー「教職員専用のお風呂っていうのがあるんだねえ」
ブルー 「そりゃそうさ。設備も充実、専用棟ならではの福利厚生!」
向かった先は教職員の専用棟。
泊まり込みで仕事をする人が対象らしいのですけど、立派なお風呂が。
ブルー 「ぶるぅは女湯に行くのかい?」
ぶるぅ 「うん! スウェナ、一人じゃ慣れてないでしょ?」
スウェナ「初めての場所だし、ぶるぅが一緒だと落ち着けそうね」
ジョミー「じゃ、ぼくたちは隣だから! また後でね」
その頃、教頭先生はグラウンドでそうめん流しの片付け中。
汗だくになって装置をバラし、隅っこの方に積み上げるのが仕事です。
明日の朝にはマザー農場のトラックが来て処分場へと運ぶわけで。
キース 「大浴場並みだな、ここの風呂は」
シロエ 「打たせ湯とかまでありますしね。それにジャグジーも」
ブルー 「ゆっくり楽しまないと損だよ? 生徒は普通は入れないんだ」
ジョミー「露天風呂もあるといいんだけどなぁ…」
ブルー 「学校の中でそこまでは、ちょっと…。ん?」
キース 「どうした?」
ブルー 「シッ、脱衣場に人影が…。ぼくたちしか来ない筈なのに」
シロエ 「なんですって?」
そこでガラリと扉が開き、入って来たのは教頭先生。
そうめん流しの後片付けでかいた汗を流しに来られたようですが…。
ブルー 「ち、痴漢~!!!」
ハーレイ「ま、待て、私は…!」
けたたましく響き渡るキッズ携帯の防犯ブザー。
こんな所まで持ち込んだのか、と誰もが唖然呆然ですけど。
ゼル 「痴漢じゃと!? なんと、風呂場に出おったか!」
ブルー 「覗きどころか真っ裸なんだよ、これって公然猥褻だよね?」
ギャーギャーと騒ぐ生徒会長。
タオル一枚しか持たずに入った教頭先生の運命や如何に…?
※ついに7月28日。
あの17話が放映された日から5周年、奇しくも同じ土曜日です。
「ブルーに生き延びて欲しかった」という思いだけで昨年書いたのが
ハレブルな『奇跡の碧に…』でした。
今年はそれの続編、『奇跡の青から』を本日付で発表しております。
生き延びたブルーがどうなったのか…。
「読んでやろう」という方はバナーから『ハレブル別館』へどうぞ。
※ブルー三部作のラスト、『永遠と陽炎と』の放映から今日で5周年。
言いたいことは当時も今もてんこ盛りで大盛り、特盛りですけれど。
ブルーの瞳への銃撃が「許せないもの」、憎くてたまらないのがトマト。
ゼル爺、なぜに「こんなに美味かったんじゃな…。ハロルド」なの?
トマトを取りに行く暇はあってもブルーを悼む涙は無いのかい、と。
そういう意図ではないのでしょうが、放映の瞬間にはそう思いました。
憎む対象がトマトになったのは、野菜の無人販売所が多いド田舎だから?
2012/07/28 (Sat)
☆お風呂と露出狂
生徒会長が入浴中のお風呂場に入り、痴漢扱いされた教頭先生。
パニック状態で真っ裸ですが、シャン学メンバーはサクサク服を着て…。
スウェナと「そるじゃぁ・ぶるぅ」も脱衣場に駆け付けてまいりました。
スウェナ「さっきのブザーは何だったの!?」
ぶるぅ 「あれっ、ハーレイ、お洋服は?」
ゼル 「痴漢が出たんじゃ! よりにもよって真っ裸でのう」
ハーレイ「ち、違う、私は風呂に入ろうと…」
ブルー 「教頭室にシャワーがあるだろう? なんで来るのさ」
ゼル 「うむ。風呂場の使用許可は出しておらんぞ」
ハーレイ「…教職員はいつでも入れる筈だが…」
ブルー 「普段はそうかもしれないけどね、ぼくが入っているんだよ?」
ゼル 「ブルーが入っているのを見に来たんじゃろう、痴漢めが!」
ハーレイ「い、いや、単に後片付けが終わっただけで…」
ゼル 「言い訳無用じゃ、この馬鹿者め!」
素っ裸とは最低じゃ、と糾弾しまくるゼル先生。
人前で下半身を露出するより罪は重いそうで。
ゼル 「さっさとソレを仕舞わんかい! いつまで露出しとるんじゃ」
ブルー 「見せたい気持ちが見え見えなんだよ、みっともない」
ハーレイ「………」
教頭先生、今の今まで丸裸だったのでございます。
持ち込んだタオルは痴漢騒ぎで驚いたあまり、床に落としてそれっきり。
慌てて紅白縞のトランクスを取り出し、足を突っ込んでおられますが。
ブルー 「どうしよう…。こんなのが廊下に寝るんじゃねえ…」
ゼル 「不用心じゃな。わしと引率役を代わるか?」
ブルー 「今から届け出るのかい? 理由を言って?」
ハーレイ「た、頼む! それは勘弁してくれ、謹慎になる!」
キース 「そうです、俺たち柔道部も困ります」
ゼル 「わしも面倒は避けたいが…。しかしのう…」
ブルー 「あっ、そうだ! 夜這いが出来なきゃ問題ないよね」
名案を思い付いたんだ、とニッコリ微笑む生徒会長。
どう考えてもロクなものではなさそうですが…?
2012/07/29 (Sun)
☆夜這いの封じ方
公然猥褻だの露出狂だのと、さんざんな扱いをされてしまった教頭先生。
寝場所が廊下でも安心できない、と生徒会長は申しておりまして…。
ブルー 「ぼくたちが寝てる所に入って来られなきゃいいわけだしね」
ゼル 「どうするんじゃ? 鍵をかけても扉を壊して入るかもしれん」
ハーレイ「い、いや…。学校の設備を壊すようなことは…」
ブルー 「ほら、言った。何か方法を思案中なんだよ、侵入のための」
ハーレイ「違う、私は…!」
ゼル 「ふん、露出狂のくせに何を言うか! 盗撮の上に痴漢じゃぞ」
何をやらかすか想像もつかん、とゼル先生は激怒しておられます。
そこで生徒会長がニヤリと笑って。
ブルー 「手も足も出なけりゃ何も出来ないと思わないかい?」
全員 「「「は?」」」
ブルー 「簀巻きにしとけば大丈夫! でもって廊下に転がしとくんだ」
ハーレイ「す、簀巻きだと?」
ブルー 「そう、簀巻き。ゴザじゃ甘いしマットとかだろ」
ゼル 「名案じゃ! それなら何も出来んしのう。よし、やるか」
ハーレイ「待ってくれ! せめてパジャマを…」
ブルー 「紅白縞で充分だってば、マットで包めばどうせ見えないし」
ハーレイ「し、しかし礼法室まで歩く途中が…」
ゼル 「安心せい、誰もおらんわい! 今日の当直はワシだけじゃ」
ブルー 「警備の人が巡回に来たらシールドで誤魔化してあげるからさ」
哀れ、紅白縞一丁で引っ立てられた教頭先生。
柔道部三人組が体育館から運んだマットで簀巻きにされて廊下の住人。
ブルー 「じゃあ、おやすみ。蚊とかが寄ってこないといいねえ」
ハーレイ「そ、その前に暑いのだが…」
ブルー 「謹慎処分になるよりマシだろ? あ、キース」
キース 「なんだ?」
ブルー 「廊下の窓は全開にしといてくれるかな? 暑いらしいし」
この下は蚊が多いんだけどね、と窓から見下ろす生徒会長。
ゼル先生は本館に引き揚げ、シャン学メンバーは礼法室で爆睡です。
果たして教頭先生は…?
2012/07/30 (Mon)
☆最後まで受難
サマースクールの夜は明けて、礼法室で充実の朝食タイムでございます。
ゼル先生と「そるじゃぁ・ぶるぅ」が腕をふるいましたが。
キース 「おい、教頭先生はまた廊下なのか?」
ブルー 「当然じゃないか。おにぎりが3個もあれば充分だろう?」
キース 「いや、そうじゃなくて…。あそこにはまだ蚊が」
ブルー 「シールドを張れば大丈夫だって知っていた?」
全員 「「「えっ?」」」
ブルー 「ちゃんと張ったら蚊も通さない。だから自業自得」
思い付かなかったハーレイが悪い、と生徒会長は嘲っています。
ブルー 「防御力では最強のタイプ・グリーンだよ? 馬鹿だよねえ」
ゼル 「まったくじゃ。顔はパンパン、足は痒くて堪らんそうじゃし」
マットから出ていた頭と足を刺されまくった教頭先生。
簀巻きを解かれて服は着たものの、気が狂いそうに痒いのだとか。
ジョミー「もう、あの顔が凄すぎだよね。なんて言うか、こう…」
サム 「お化け屋敷の世界だよなあ、あれは女の幽霊だけど」
シロエ 「足もキツイと思いますよ。痒いんですよね、指の間とか」
ブルー 「馬鹿は放ってプールに行こうよ、夏は水遊び!」
ゼル 「いやいや、ちゃんと監督させんとな。ハーレイの役目じゃ」
というわけで教頭先生、プールサイドで監視役。
水着姿に腫れ上がった顔は似合わず、笑うしかない状態です。
ブルー 「ふふ、一晩中、刺されまくって寝不足ってね」
サム 「眠そうだよなぁ…」
ブルー 「ぶっ倒れるのも時間の問題! よし、そろそろかな」
ジョミー「何が?」
ブルー 「チャンス到来!」
パタリと倒れた教頭先生の身体の下には生徒会長。
プールから瞬間移動したらしく、その手にキッズ携帯が…。
ブルー 「ち、痴漢~!!」
ハーレイ「む? い、いや、私は何も…!」
ゼル 「また痴漢か! しかもその顔で!」
怪談もかくやな御面相の教頭先生、まだまだ受難が続きそうですが。
サマースクール、これにて中継終了です~。
2012/07/31 (Tue)