シャングリラ学園つれづれ語り
☆元日から仕事
あけましておめでとうございます。今年も元老寺なお正月。
修正会に出席したシャン学メンバー、爆睡中ですけれど…。
ぶるぅ 「かみお~ん♪ あけましておめでとう!」
一同 (((…もう朝?)))
ぶるぅ 「起床、起床ーっ!」
元気に廊下を跳ねてゆくお子様、起きるしかない展開で。
シロエ 「おはようございます…」
サム 「マジで眠いぜ…」
スウェナ「雪の中で除夜の鐘でしょ、それから本堂で…」
ジョミー「正座で法要だったもんねえ…」
もっと寝ていたい、と誰もが眠そうな顔。
マツカ 「でも、起きないとキースが来ますよ」
キース 「もう来ているが?」
来い、山門で初日の出だ、と法衣の副住職が登場。
キース 「遅れたら、親父にどやされるぞ」
一同 「「「はーい…」」」
仕方ない、と雪が積もった境内を歩いて、山門へ。
アドス 「お揃いですな。じきに初日が昇りますぞ」
イライザ「二礼二拍手一礼ですよ」
一同 「「「はいっ!」」」
昇る朝日にパンパン柏手、深々とお辞儀。
アドス 「それでは皆さん、庫裏の方へどうぞ」
ぶるぅ 「わぁーい、お雑煮!」
イライザ「おせちも沢山ありますからね」
一同 「「「やったーっ!」」」
暖房の効いた座敷に通され、揃って新年の挨拶から。
アドス 「皆さん、あけましておめでとうございます」
一同 「「「おめでとうございまーす!」」」
アドス 「では、お屠蘇を。まずは銀青様から」
ブルー 「ありがとう。今年もよろしく」
生徒会長、お屠蘇をクイッと、続いて他の面々も。
イライザ「さあ、お雑煮と、おせちですよ」
アドス 「今年も和洋中と取り揃えました」
お雑煮が配られ、豪華おせちもドッサリと。
ジョミー「やったね、どれから食べようかな?」
キース 「仕事に差し支えない程度にな」
ジョミー「えっ?」
キース 「檀家さんの初詣だ!」
ジョミー「あー…」
食い過ぎたら働けないからな、と副住職の釘。
元日から仕事…。
2022/01/01 (Sat)
☆初詣の心構え
今年も元老寺で新年を迎えたシャン学メンバー、おせち中。
けれどジョミー君には、この後、仕事があるのだそうで…。
キース 「いいか、キリキリ働くんだぞ」
アドス 「一年の計は元旦にあり、と申しますからな」
サム 「俺も精一杯、頑張ります!」
アドス 「流石はサム殿、いい心がけでいらっしゃる」
銀青様の弟子はダテではないですな、とアドス和尚、絶賛。
アドス 「ジョミー殿の働きにも期待しておりますぞ」
ジョミー「期待してくれなくていいです、其処は」
アドス 「いやいやいや…。そう謙遜をなさらずに」
存分に働いて頂ければ、と言って、立ち上がるアドス和尚。
アドス 「では、初詣の支度がありますので、失礼して…」
ブルー 「じゃあ、ぼくたちは勝手にやらせて貰うよ」
キース 「俺は、ジョミーたちを連れて後で行くから」
こいつらは着替えも必要だし、とキース君、副住職モード。
キース 「初詣の心構えもして貰わないと…」
アドス 「そうじゃな、わしは本堂で待つとしようか」
炬燵の電源も入れないと…、とアドス和尚は本堂の方へ。
シロエ 「行っちゃいましたね、お正月から忙しそうです」
イライザ「私も、裏方のお仕事がありますから…」
皆さんはどうぞごゆっくり、とイライザさんも退場。
スウェナ「ジョミーたちも、そろそろ行くんでしょ?」
ジョミー「行きたくないって!」
キース 「貴様、元日からサボる気か!」
たるんでるぞ、とキース君が吊り上げる眉。
キース 「初詣の心構えはどうした!」
ジョミー「ぼくが行きたいのは、普通のヤツだよ!」
キース 「普通?」
ジョミー「アルテメシア大神宮とか!」
お参りをして、露店で食べて…、とジョミー君。
ジョミー「おみくじを引いたり、色々とさ…」
キース 「坊主の初詣は、寺と相場が決まっている!」
ジョミー「檀家さんは、一般人だけど?」
キース 「やかましい!」
信心深い皆さんだぞ、と怒鳴ってますけど。
一般人ですよね?
2022/01/02 (Sun)
☆普通は神社です
元老寺で元日なシャン学メンバー、おせちに舌鼓ですけど。
ジョミー君とサム君は、檀家さんの初詣のお手伝いとかで。
キース 「まずはお寺へ、と来て下さるのが檀家さんで!」
ジョミー「でもさ、それって、普通じゃないし…」
キース 「どの辺がだ!」
ジョミー「お寺へ一番に行くってトコだよ、変だってば」
此処は露店も何も無いよ、とジョミー君が眺める境内の方。
ジョミー「お寺によっては、露店が出るよね?」
シロエ 「そう言われれば、そうかもですね」
ブルー 「あるねえ、初詣で賑わう所なんかだと」
駐車場なんかも満杯でさ、と生徒会長の相槌。
ブルー 「アルテメシアには、有名どころは無いけどね」
ジョミー「うん。だから普通は、神社に出掛けて…」
初詣をして露店でB級グルメ、とジョミー君。
ジョミー「檀家さんだって、そっちが好きだと思うよ」
キース 「何が言いたい!?」
ジョミー「強制イベントになっているんじゃないの?」
元老寺の初詣は…、とジョミー君が傾げてみせる首。
ジョミー「来ないと、ヤバイことになるとか…」
キース 「そんなことはない!」
ジョミー「……本当に?」
絶対に無いと言い切れるわけ、とジョミー君も譲らず。
ジョミー「来なかった人は、不利になるとか…」
キース 「どうして、そういう発想になる!」
馬鹿か貴様は、とキース君の怒声。
キース 「頭が沸いているとしか思えんぞ!」
サム 「沸いてるんでねえの?」
お屠蘇で酔っ払っているとかよ…、とサム君の指摘。
サム 「放り出して、酔いを醒ましてやれよ」
キース 「そうだな、庭に叩き出すか」
ジョミー「ちょっと待った!」
そんなことをしていいのかな、とジョミー君、ニヤリ。
ジョミー「キースだってさ、言えた立場じゃないと思うよ」
キース 「何の話だ!」
ジョミー「去年のイベント、詰みまくってたよね?」
キース 「うっ…」
それを言うか、とグッと詰まった副住職。
詰んでましたねえ…?
2022/01/03 (Mon)
☆アイデアを出すな
元老寺で元日なシャン学メンバー、豪華なおせちに大満足。
けれどジョミー君とサム君は、檀家さんの初詣に動員で…。
ジョミー「ぼくにどうこう文句な前にさ、キースもさ…」
シロエ 「口が災いを呼びまくるのは確かですよね」
確かに間違ってはいません、とシロエ君、ピシャリ。
シロエ 「ジョミー先輩を叩き出すのは、ちょっと…」
キース 「しかし、親父がうるさいんだ!」
こいつを引っ張って行かないと…、と副住職。
キース 「元日は本堂で手伝いをする、と決まってるしな」
サム 「そうだぜ、期待されてるんだしよ…」
雪の庭に放り出されるよりは、本堂だろ、とサム君も。
サム 「しっかり勤めりゃ、後はゆっくり出来るしよ」
ジョミー「そうかな、逆立ちよりはマシかな…」
ブルー 「逆立ちで手伝えとは、誰も言ってないしね」
キース 「おい、お前たち…!」
親父の前でソレを言うなよ、とキース君の眉間に皺が。
キース 「罰のメニューに追加されたら、悲劇なんだ!」
サム 「あー…。罰礼の代わりに逆立ちな?」
ブルー 「いいかもねえ…。逆立ちで写経をするとかさ」
キース 「言わないでくれ…!」
頼むから親父にアイデアを出すな、とキース君、必死。
キース 「ジョミーはともかく、ブルーが言ったら…」
ジョミー「即、採用は間違いないよね」
嫌なら、ぼくに貼るカイロを…、とジョミー君。
キース 「はあ?」
ジョミー「カイロだってば、ほら、ぼくの役目は…」
檀家さんの下足番だしさ、とジョミー君が指差す外。
ジョミー「この雪の中で、本堂の外で待機だよ?」
シロエ 「冷えますもんねえ…」
ジョミー「うん。せめて貼るカイロくらいはさ…」
コッソリくれてもいいと思う、とジョミー君の言。
ジョミー「そしたら、逆立ちの件は黙るよ」
サム 「でもよ、キースがヤバイんでねえの?」
キース 「俺もカイロは禁止だからな…」
持ち出すのは危険すぎるんだが、と副住職。
どうなる…?
2022/01/04 (Tue)
☆貼るカイロは駄目
元老寺で元日な面々ですけど、僧籍な人には初詣のお仕事。
ジョミー君とサム君も対象でして、雪の中でもお仕事で…。
サム 「やっぱ、カイロは禁止だよなあ…?」
キース 「考えてもみろ、あの親父だぞ?」
貼るカイロが許されると思うのか、とキース君の渋面。
キース 「第一、本山での修行の時にも、暖房なんぞは…」
シロエ 「火鉢しか無かったんですよね?」
キース 「あまつさえ、外気が吹きっ晒しの場所でな…!」
あれは暖房とは言えなかった、とキース君が竦める肩。
キース 「お蔭で、みんな霜焼けでだな…!」
シロエ 「そうでしたっけ…」
キース 「ジョミーも、いずれは行く道なんだぞ」
一日くらい我慢しろ、とジョミー君をギロリと。
キース 「いや、半日ほどの間に過ぎん」
ジョミー「逆立ちだって、多分、半日は無いよ?」
キース 「はあ?」
ジョミー「アドス和尚が出す罰だってば」
逆立ちで写経するってヤツ、とジョミー君。
ジョミー「せいぜい半時間くらいじゃないかと…」
サム 「あー…。倒れちまっても困るだろうしよ…」
スウェナ「半日なんかは、やらせないわよね?」
ブルー 「虐待は逮捕されるからねえ…」
それとも傷害の方だろうか、と生徒会長が傾げる首。
ブルー 「実の息子に逆立ちをさせて、救急車だと…」
シロエ 「確実に事情を聞かれますよね?」
ブルー 「警察官にね!」
だから早めにやめると思う、と生徒会長も半時間説を支持。
ブルー 「半時間ほどなら、大丈夫だろう?」
キース 「そういう問題になるのか、コレは!?」
ジョミー「ぼくが黙っていないとさ…」
逆立ちだけど、半時間ならいいのかな、と言い募る人。
ジョミー「それとも、ぼくに貼るカイロをさ…」
キース 「プレゼントするために、持ち出せと?」
ジョミー「まあ、どっちでもいいけどね」
キース 「くっそぉ、足元を見やがって…!」
しかし、カイロを持ち出すのも…、と唸ってますけど。
どうすると…?
2022/01/05 (Wed)
☆カイロさえあれば
元老寺で迎えた元日ですけど、僧籍な人に課されたノルマ。
檀家さんの初詣のお手伝い、ジョミー君たちが対象でして。
ジョミー「貼るカイロ、家に無いとか言わないよね?」
キース 「親父が愛用しているから、ある」
シロエ 「アドス和尚は、いいんですか?」
キース 「ここだけの話、さっきも貼っていたと思うぞ」
初日の出を拝みに出ていた時だ、とキース君。
キース 「あの寒さだしな、親父なら、絶対…」
シロエ 「キース先輩は、どうだったんです?」
キース 「貼っていたわけがないだろう!」
親父にバレたら瞬殺だぞ、と肩をブルッと。
キース 「しかし親父は好きな時に貼るし、おふくろも…」
ジョミー「使ってるんだね?」
キース 「俺には、うるさく言うくせにな!」
ジョミー「それなら、1個くらい余計に減っていてもさ…」
分からないよね、とジョミー君が指差す襖の方。
ジョミー「初詣は手伝うから、カイロ、持って来てよ」
キース 「持って来ないと、逆立ちの件を喋るんだな?」
ジョミー「そうだよ、キースは凄い、ってね!」
逆立ちで写経が出来るかも、って、とニッコリと。
ジョミー「アドス和尚が、それを聞いてさ…」
サム 「罰に活用するかどうかは、お任せってことな?」
ジョミー「うん。ぼくはキースを褒めるだけ!」
罰に使えとは言わないから、と笑顔で脅しを。
ジョミー「で、どうするわけ?」
キース 「仕方ない…」
行って来る、と姿を消して、直ぐ戻って来た副住職。
キース 「ほら、好きに使え!」
ジョミー「ありがとう、見えない所に貼るよ!」
キース 「頼むから、落としてくれるなよ?」
落ちたら親父に見咎められる、と視線がマジ。
キース 「いいな、そうなれば俺が怒鳴られるんだ!」
ジョミー「分かってるって!」
キース 「では、行くぞ。サムもだ」
サム 「おう!」
ジョミー「行って来るねーっ!」
カイロさえあれば頑張れるよ、と本堂へ出発。
御苦労様です…。
2022/01/06 (Thu)
☆カイロがあっても
元老寺で元日な面々ですけど、僧籍な人には本堂で仕事が。
檀家さんの初詣のお手伝い、ジョミー君とサム君が出発で。
シロエ 「ジョミー先輩、大丈夫でしょうか?」
マツカ 「貼るカイロがあっても、この雪ですしね…」
スウェナ「昼間なのに、積もって来てるわよ」
これは寒いわ、とスウェナちゃんが眺める窓の外。
スウェナ「法衣で、本堂の外で下足番でしょ?」
ブルー 「サムとは交代出来ないからねえ…」
所作が全くなってないから、と生徒会長、いえ、銀青様。
ブルー 「檀家さんに失礼があったら、大変だしさ…」
シロエ 「ある意味、自業自得ですよね」
マツカ 「サムと違って、やる気がありませんからね」
ブルー 「そういうこと! 寒くても、外で頑張るしか…」
ないんだよね、と生徒会長、クスクスと。
ブルー 「貼るカイロも、1個だけしか無いしさ…」
スウェナ「風邪を引かないといいわね、ホントに」
ぶるぅ 「そだね、差し入れしたいけど…」
叱られちゃうし、と「そるじゃぁ・ぶるぅ」。
ぶるぅ 「あったかい甘酒とか、あげたいよね…」
シロエ 「でも、バレたら大惨事は確実ですし…」
ぶるぅ 「仕方ないよね…」
お仕事が終わるまでは、と良い子も気の毒がる状況。
ぶるぅ 「アドス和尚は、怖いもん…」
マツカ 「敵に回したくはないキャラですね」
シロエ 「マツカ先輩が、それを言いますか?」
先輩の本気モードも怖いですよ、とシロエ君。
シロエ 「どっちが強いか、気になるトコです」
マツカ 「アドス和尚には敵いませんよ」
専門用語で来られると…、と正論が。
マツカ 「とても太刀打ち出来ませんしね」
一同 「「「あー…」」」
そうだっけ、と一同、ガックリ。
シロエ 「夢の対決は無理ですか…」
ブルー 「そうなるね。初詣もそろそろ終わる頃かな?」
アドス 「この、たわけがーっ!!」
一同 「「「え?」」」
なんだ、と顔を見合わせる御一同様。
アドス和尚ですよね…?
2022/01/07 (Fri)
☆カイロがバレた人
元老寺で迎えた元日ですけど、僧籍な人には初詣のお仕事。
昼間でも雪が積もる寒さの中で、本堂の外で下足番もアリ。
シロエ 「今の声、アドス和尚ですよね?」
マツカ 「たわけ、と聞こえた気がしますけど…」
ブルー 「誰か、やらかしちゃったかな?」
ヘマを、と一同、本堂の方へ視線を向けて聞き耳。
スウェナ「もしかして、カイロがバレたかしらね?」
シロエ 「そうなると、ジョミー先輩でしょうか?」
マツカ 「恐らく、そうだと思いますけど…」
どうなんでしょう、とマツカ君も心配そうな顔。
マツカ 「見に行った方がいいんでしょうか?」
ブルー 「そうだね、ちょっと廊下に出てみて様子を…」
ヤバそうだったら止めに入ろう、と生徒会長、廊下へと。
ブルー 「えっと、此処からだと、本堂は…。あっ?」
アドス 「詫びはどうしたぁーっ!!」
ジョミー「ひぃぃっ!」
本堂の縁側から、雪の積もった庭へ転がり落ちた人影。
ジョミー「ご、ごめんなさい、ごめんなさいーっ!」
アドス 「カイロを落とすなど、言語道断!」
おまけに檀家さんの前で、とアドス和尚、縁側に仁王立ち。
アドス 「親切に拾って下さっていたが、愚か者めが!」
ジョミー「す、すみません、反省してます…!」
見えない所に貼ったんですが、とジョミー君、土下座。
ジョミー「気を付けるように、言われてたのに…!」
アドス 「なんじゃと?」
ジョミー「落としたりしたら、終わりだから、って…!」
アドス 「当たり前じゃろうが!」
たわけ者めが、と怒鳴って、ハッと何かに気付いたようで。
アドス 「ちょっと待て、誰が言ったんじゃ?」
ジョミー「そ、それは…」
ジョミー君、本堂の方を見上げまして。
ジョミー「喋ったら、逆立ちになるかもで…」
アドス 「そんな罰は、ワシは出しておらんが?」
ジョミー「で、ですよね、やっぱり…」
一同 (((馬鹿…)))
それは詰むヤツ、と顔を見合わせる御一同様。
どうなる…?
2022/01/08 (Sat)
☆カイロがバレたら
元老寺での元日、僧籍な人は檀家さんの初詣のお手伝いが。
本堂の外で下足番なジョミー君、貼るカイロで出掛けて…。
アドス 「カイロを落としたら終わりで、逆立ちじゃと?」
ジョミー「そ、そうなるかも、っていう話で…!」
アドス 「ほう…。ワシが逆立ちをさせるんじゃな?」
ジョミー殿に、とアドス和尚の確認が。
アドス 「まあ、罰礼の作法も出来ておらんし…」
ジョミー「ち、違うんです、ぼくじゃなくって…!」
アドス 「ジョミー殿ではない、と…?」
一同 (((うわわ…)))
えらいことに、と一同、ガクブル。
シロエ 「これ、キース先輩が詰む流れですよね?」
マツカ 「そうなりますね…」
せっかくカイロを渡したのに、とマツカ君、溜息。
マツカ 「結局、ジョミーが喋るんですよ」
スウェナ「天網恢恢、ってヤツかしらねえ…?」
シロエ 「いえ、脅されたのはキース先輩ですし…」
どうなんでしょう、と眺める間に、アドス和尚も熟考で。
アドス 「ジョミー殿に、ちょっと質問なんじゃが…」
ジョミー「は、はいっ?」
アドス 「カイロを落とすのは、ジョミー殿でじゃな…」
終わるのもジョミー殿じゃろう、と縁側から見下ろす人。
アドス 「なのに、逆立ちは別の誰かが、と…?」
ジョミー「あっ…!」
マズイ、とジョミー君が押さえる自分の口。
ジョミー「い、いえ、今のは忘れて下さい!」
アドス 「そうはいかんな、こう、正直に…」
キリキリと答えて頂きたい、とアドス和尚の鬼の睨みが。
アドス 「ジョミー殿が落としたカイロは、じゃ…」
ジョミー「はい…?」
アドス 「私物か、うちの備品か、どっちじゃ?」
正直に、と縁側から乗り出すようにズズイと。
アドス 「隠すと、ためにならんのじゃが…?」
ジョミー「そ、それは…」
アドス 「どっちじゃと?」
ジョミー「此処のです!」
一同 (((終わった…)))
キースの人生、と誰もが真っ青ですけど。
詰みましたかねえ…。
2022/01/09 (Sun)
☆手に入れた場所は
元老寺での元日、檀家さんの初詣も終わったわけですけど。
ジョミー君がカイロを落として、それが悲劇の始まりで…。
アドス 「うちの寺の備品、ということじゃな?」
ジョミー「そ、そうなんです…」
アドス 「なるほど…。では、もう一つ、質問じゃが…」
何処でカイロを手に入れたんじゃ、とアドス和尚。
アドス 「目につく場所には、置いていないわけでな…」
ジョミー「は、はい…?」
アドス 「盗み出したのか、それとも誰かが…」
手引きをしたと、とアドス和尚の鋭いツッコミ。
アドス 「盗んだのなら、普通に犯罪になるんじゃが…」
ジョミー「ひぃぃっ!」
アドス 「どうやら、手引きをした者が…」
いるような気が…、とアドス和尚が顎に当てる手。
アドス 「そしてカイロを落とした場合は、そいつが…」
一同 (((ヤバイ…)))
アドス 「ワシに逆立ちさせられる、と?」
ジョミー「い、いえ…! え、えっと、いえ、えっと…」
ジョミー君、雪が積もってゆく庭でワタワタ。
ジョミー「そ、そうじゃなくって、えっと、えっと…!」
アドス 「語るに落ちる、というヤツじゃな」
犯人は其処じゃ! と、アドス和尚、クルリと方向転換。
アドス 「キース、カイロは、お前じゃろう!」
キース 「えっ…!」
アドス 「他に考えられんのじゃが…?」
イライザが渡すとは思えんしな、と詰め寄る人。
アドス 「その上、ジョミー殿に口止めした、と…!」
キース 「ち、違う…!」
アドス 「何処が違うんじゃ、ジョミー殿は、じゃ…」
喋ったら終わりと言っていたぞ、と揚げ足をサッと。
アドス 「つまり、お前が脅したんじゃ!」
キース 「なんでそうなる!」
俺は脅された方なんだぞ、とキース君も必死。
キース 「ジョミーが喋ってしまったら…!」
アドス 「なに、他に何かあると…?」
キース 「うっ…!」
一同 (((やった…)))
また失言か、と誰もが肩をガックリと。
首を締めましたね?
2022/01/10 (Mon)
☆罰礼の代わりに
元老寺での元日、檀家さんの初詣は無事に終了ですけれど。
ジョミー君が張るカイロを落として、キース君がピンチで。
アドス 「ジョミー殿が喋ったら、何が起きると?」
キース 「いや、何でもない…!」
アドス 「違うじゃろう、お前が逆立ちじゃろうが!」
どんな取り引きかは知らんがな、とアドス和尚の睨みが。
アドス 「そしてカイロを渡したのは、ズバリお前じゃ!」
キース 「そ、それは…!」
アドス 「否定は出来ん筈じゃがな?」
今の流れでは…、とキース君をギロリと。
アドス 「まあいい、お前のやるべきことは、じゃ…」
キース 「罰礼百回、やってくる!」
アドス 「いや、毎回それでは芸が無いしのう…」
お正月から御本尊様を煩わせるのも…、と指差す庫裏。
アドス 「庫裏の廊下で逆立ちじゃ!」
一同 (((げっ!)))
キース君もグッと詰まって、泣きそうな顔。
キース 「ま、まさか、逆立ちで写経をしろと…?」
アドス 「ほほう…。ジョミー殿、そうだったと?」
ジョミー「い、いえ、えっと、えっとですね…!」
アドス 「どうやら間違いないようじゃな」
そうするがいい、とピシャリ。
アドス 「左手で逆立ち、右手で写経じゃ!」
キース 「そんな…!」
アドス 「ワシも鬼ではないからのう…」
休憩は適宜、取っていいぞ、とアドス和尚。
アドス 「では、座敷の前の廊下で頑張るように」
キース 「お、親父…!」
アドス 「写し終わったら、皆さんと過ごしてかまわん」
さあ来い、と視線を向けた先には、皆がいるわけで。
アドス 「おお、これは皆様、お揃いで…」
ブルー 「まあねえ、騒ぎが聞こえたからさ」
写経だってね、と生徒会長、ジョミー君も庭から帰還で。
ブルー 「ジョミーの罪は問わないのかな?」
アドス 「犯人は、せがれですからな!」
キース 「違うんだが!」
アドス 「お前しかおらんわ!」
カイロを盗み出したじゃろうが、と怒りの形相。
其処ですか…。
2022/01/11 (Tue)
☆監視をよろしく
元老寺での元日、檀家さんの初詣は無事に終わりましたが。
ジョミー君が貼るカイロを落として、キース君がピンチに。
アドス 「そもそも、寒いからと貼るカイロをじゃな…」
キース 「俺が使ったわけではない!」
アレはジョミーが…、とキース君の反論。
キース 「雪の中で下足番は辛い、と俺を脅して…!」
アドス 「そうかもしれんが、脅されるのは、じゃ…」
後ろ暗い所があるからじゃろうが、とアドス和尚の指摘。
アドス 「つまり、元から、何かをやらかしていて…」
キース 「誓って、何もやっていないが!」
アドス 「一事が万事、と言うじゃろうが!」
現にカイロを盗み出したし…、と仁王立ち。
アドス 「つべこべ言わずに、サッサと写経をせんか!」
キース 「そ、そんな…!」
アドス 「しかし、法衣では裾が乱れて見苦しくなるし…」
ジャージに着替えてやるように、と指をビシイ! と。
アドス 「というわけで、銀青様にお願いが…」
ブルー 「なんだい?」
アドス 「せがれがサボッて手を抜かないように…」
監視して頂ければ嬉しいのですが、と恐ろしい申し出。
アドス 「ワシは、明日も檀家さんの初詣がですな…」
ブルー 「続くから、色々忙しいんだね?」
アドス 「はい。ですので、時々、せがれの様子を…」
スマホに送って頂けますかな、と鬼の注文。
アドス 「動画でも、写真でも、其処はお任せしますので」
ブルー 「オッケー、逆立ちの様子を、だね?」
アドス 「普通に座って写経では、こう、当たり前で…」
ブルー 「罰としては軽すぎる、って思うよねえ…」
分かった、と生徒会長、コクリと。
ブルー 「ちゃんと見張って、5分おきに送信するよ」
アドス 「有難うございます。では、皆さんは宴の方を…」
キース 「俺だけ逆立ちしていろと?」
アドス 「終わったら、フリーじゃ。ではな」
キース 「あんまりだ…!」
せめて罰礼か普通に写経、と叫んでますけど。
無理っぽい気が…。
2022/01/12 (Wed)
☆逆立ちを肴に
元老寺でのお正月、元日からキース君に下った恐ろしい罰。
庫裏の廊下で逆立ちで写経、しかも生徒会長の監視つきで。
キース 「親父、頼むから減刑してくれ、この通りだ!」
シロエ 「あのぅ…。もう姿が見えませんけどね?」
ブルー 「早く始めれば早く済むしさ、ほら、着替えて!」
ジャージでやれと言われただろう、と生徒会長の催促が。
ブルー 「5分おきに送信する約束だしさ…」
ジョミー「早くしないと、サボリ認定されるよ?」
キース 「誰のせいだと思ってやがる!」
シロエ 「でも、先輩が自分で言ったんですよ?」
逆立ちで写経する件は、とシロエ君の冷たい言葉。
シロエ 「ジョミー先輩は、無罪放免になりましたし…」
サム 「蒸し返したら、不利になるんでねえの?」
スウェナ「そうよね、写経が倍になるとか…」
キース 「やめてくれ…!」
そんなのは嫌だ、とジャージに着替えて来たキース君。
キース 「…墨を磨るのも、逆立ちだろうか?」
ブルー 「そうなるだろうねえ…」
キース 「くっそぉ…!」
やってやる、とジャージで逆立ち、磨り始めた墨。
シロエ 「流石ですねえ、凄いスキルですよ」
ブルー 「よし、この光景を送信、っと…」
後は5分おきに撮影だよね、と生徒会長。
ブルー 「面白いから、此処の襖は開けておいてさ…」
サム 「キースを肴に宴会なのな?」
キース 「他人事だと思いやがって!」
ぶるぅ 「んとんと、差し入れくらいするけど…」
逆立ちしたまま食べられるの、と良い子の質問。
ぶるぅ 「それなら御馳走、持って来るよ?」
キース 「いや、そのコースは拷問だ…!」
確実に死ぬ、とキース君の悲鳴。
キース 「俺に構わず、そっちは好きにやってくれ!」
ジョミー「他人事でいいんだ?」
キース 「死ぬよりはマシだ!」
ブルー 「オッケー、それじゃ宴会続行!」
一同 「「「わぁーい!」」」
食べるぞ、と賑やかに宴会な面々ですけど。
キース君は逆立ち…。
2022/01/13 (Thu)
☆今年は気を付けて
元老寺でお正月ですけど、元日からキース君に下された罰。
庫裏の廊下で逆立ちで写経、生徒会長が監視するわけで。
ジョミー「今年のおせちも、ホントに美味しいよね!」
サム 「和洋中、どれもハズレがねえよな」
シロエ 「ええ。会長がVIPだからこそですよねえ…」
キース先輩のお客なだけでは無理でしょう、とシロエ君。
シロエ 「下手をしたら、今頃は放り出されてますよ」
マツカ 「そうかもですね、キースがあの有様では…」
スウェナ「惨めよねえ…」
元日から逆立ちで写経だなんて、とスウェナちゃんの溜息。
スウェナ「まだ半分も写せてないわよ?」
ブルー 「1時間では済まないだろうね」
さて…、とスマホで撮影、アドス和尚に手早く送信。
ブルー 「まあ、ぼくたちは楽しくやろうよ」
シロエ 「会長、そのデータはどうするんです?」
まさか残すとか…、とシロエ君の問い。
シロエ 「でもって、後々、脅しの種に…」
ブルー 「大丈夫、ぼくは其処まで鬼じゃないから」
ちゃんと消すよ、と生徒会長、廊下の方にも声掛けを。
ブルー 「だから安心して写経したまえ」
キース 「そ、そうか…」
恩に着る、と写経を続ける人。
ジョミー「アドス和尚も厳しいよねえ…」
サム 「お前がカイロを落としたせいだぜ?」
ジョミー「細かいことはいいんだってば!」
ブルー 「うん、元老寺ではアドス和尚が法律だしね」
無罪だったら、問題無し! と銀青様もジョミー君を支持。
ブルー 「というわけで、楽しくやろうよ!」
ぶるぅ 「お正月だもんね!」
シロエ 「会長、5分経ちました」
ブルー 「おっと…!」
送信、送信…、とスマホで撮影されるキース君。
キース 「くっそぉ、なんで俺だけが…!」
ブルー 「一年の計は元旦にありだよ、今年こそはさ…」
シロエ 「言動に気を付けて下さいね?」
キース 「もう身に染みて分かっている!」
今年こそは、と呻きながらの写経ですけど。
さて、今年は…?
2022/01/14 (Fri)
☆厄除けに小豆粥
お正月が終わった後は、成人の日で三連休になるのが今年。
平穏無事に遊びまくって、迎えた小正月な15日ですけど。
ぶるぅ 「かみお~ん♪ 今日は小豆粥だよ!」
ジョミー「えっ、せっかく遊びに来たのに、お粥って…」
サム 「土曜日なんだぜ、もっと、こう…」
ゴージャスによ、とサム君も相槌な生徒会長宅での休日。
サム 「お粥でも色々あるじゃねえかよ、中華とか…」
シロエ 「アワビ粥なんかも美味しいですよね」
ジョミー「うん、そういうのを期待なんだけど…」
ぶるぅ 「えとえと、でもね…」
小正月は小豆粥の日だし、と「そるじゃぁ・ぶるぅ」。
ぶるぅ 「縁起物なの、厄除けで無病息災なの!」
ブルー 「そうだよ、特にお勧めしたい人もいるしね」
若干一名、と生徒会長の視線がキース君に。
ブルー 「君は、しっかり食べておいた方が…」
スウェナ「どうかしら? キースがババを引いた場合は…」
シロエ 「ぼくたちが助かりますからねえ…」
マツカ 「確かに、去年はそうでしたね」
その傾向が顕著でした、と御曹司も。
マツカ 「今年も、元日にジョミーが助かっていますし…」
サム 「キースには、食わせねえ方がいいんでねえの?」
キース 「おい、お前たち…!」
何もかも俺に押し付ける気か、とキース君が吊り上げる眉。
キース 「ぶるぅ、俺に一番に小豆粥をくれ!」
ぶるぅ 「順番なんかは、関係無いと思うけど…」
??? 「だよねえ、それに厄除けなんかをしたってさ…」
無駄だろうね、とソルジャー(Aブルー)登場。
Aブルー「あけましておめでとう! 今日までだよね」
ブルー 「ギリギリセーフって所かな」
お正月飾りは今日でおしまい、と生徒会長。
ブルー 「小豆粥を食べに来たのかい?」
Aブルー「それとニューイヤーの挨拶にね!」
ブルー 「ご丁寧に、どうも」
Aブルー「今年も、いい年にしたいからねえ…」
挨拶は大事だと思う、と言ってますけど。
迷惑なのでは…?
2022/01/15 (Sat)
あけましておめでとうございます。今年も元老寺なお正月。
修正会に出席したシャン学メンバー、爆睡中ですけれど…。
ぶるぅ 「かみお~ん♪ あけましておめでとう!」
一同 (((…もう朝?)))
ぶるぅ 「起床、起床ーっ!」
元気に廊下を跳ねてゆくお子様、起きるしかない展開で。
シロエ 「おはようございます…」
サム 「マジで眠いぜ…」
スウェナ「雪の中で除夜の鐘でしょ、それから本堂で…」
ジョミー「正座で法要だったもんねえ…」
もっと寝ていたい、と誰もが眠そうな顔。
マツカ 「でも、起きないとキースが来ますよ」
キース 「もう来ているが?」
来い、山門で初日の出だ、と法衣の副住職が登場。
キース 「遅れたら、親父にどやされるぞ」
一同 「「「はーい…」」」
仕方ない、と雪が積もった境内を歩いて、山門へ。
アドス 「お揃いですな。じきに初日が昇りますぞ」
イライザ「二礼二拍手一礼ですよ」
一同 「「「はいっ!」」」
昇る朝日にパンパン柏手、深々とお辞儀。
アドス 「それでは皆さん、庫裏の方へどうぞ」
ぶるぅ 「わぁーい、お雑煮!」
イライザ「おせちも沢山ありますからね」
一同 「「「やったーっ!」」」
暖房の効いた座敷に通され、揃って新年の挨拶から。
アドス 「皆さん、あけましておめでとうございます」
一同 「「「おめでとうございまーす!」」」
アドス 「では、お屠蘇を。まずは銀青様から」
ブルー 「ありがとう。今年もよろしく」
生徒会長、お屠蘇をクイッと、続いて他の面々も。
イライザ「さあ、お雑煮と、おせちですよ」
アドス 「今年も和洋中と取り揃えました」
お雑煮が配られ、豪華おせちもドッサリと。
ジョミー「やったね、どれから食べようかな?」
キース 「仕事に差し支えない程度にな」
ジョミー「えっ?」
キース 「檀家さんの初詣だ!」
ジョミー「あー…」
食い過ぎたら働けないからな、と副住職の釘。
元日から仕事…。
2022/01/01 (Sat)
☆初詣の心構え
今年も元老寺で新年を迎えたシャン学メンバー、おせち中。
けれどジョミー君には、この後、仕事があるのだそうで…。
キース 「いいか、キリキリ働くんだぞ」
アドス 「一年の計は元旦にあり、と申しますからな」
サム 「俺も精一杯、頑張ります!」
アドス 「流石はサム殿、いい心がけでいらっしゃる」
銀青様の弟子はダテではないですな、とアドス和尚、絶賛。
アドス 「ジョミー殿の働きにも期待しておりますぞ」
ジョミー「期待してくれなくていいです、其処は」
アドス 「いやいやいや…。そう謙遜をなさらずに」
存分に働いて頂ければ、と言って、立ち上がるアドス和尚。
アドス 「では、初詣の支度がありますので、失礼して…」
ブルー 「じゃあ、ぼくたちは勝手にやらせて貰うよ」
キース 「俺は、ジョミーたちを連れて後で行くから」
こいつらは着替えも必要だし、とキース君、副住職モード。
キース 「初詣の心構えもして貰わないと…」
アドス 「そうじゃな、わしは本堂で待つとしようか」
炬燵の電源も入れないと…、とアドス和尚は本堂の方へ。
シロエ 「行っちゃいましたね、お正月から忙しそうです」
イライザ「私も、裏方のお仕事がありますから…」
皆さんはどうぞごゆっくり、とイライザさんも退場。
スウェナ「ジョミーたちも、そろそろ行くんでしょ?」
ジョミー「行きたくないって!」
キース 「貴様、元日からサボる気か!」
たるんでるぞ、とキース君が吊り上げる眉。
キース 「初詣の心構えはどうした!」
ジョミー「ぼくが行きたいのは、普通のヤツだよ!」
キース 「普通?」
ジョミー「アルテメシア大神宮とか!」
お参りをして、露店で食べて…、とジョミー君。
ジョミー「おみくじを引いたり、色々とさ…」
キース 「坊主の初詣は、寺と相場が決まっている!」
ジョミー「檀家さんは、一般人だけど?」
キース 「やかましい!」
信心深い皆さんだぞ、と怒鳴ってますけど。
一般人ですよね?
2022/01/02 (Sun)
☆普通は神社です
元老寺で元日なシャン学メンバー、おせちに舌鼓ですけど。
ジョミー君とサム君は、檀家さんの初詣のお手伝いとかで。
キース 「まずはお寺へ、と来て下さるのが檀家さんで!」
ジョミー「でもさ、それって、普通じゃないし…」
キース 「どの辺がだ!」
ジョミー「お寺へ一番に行くってトコだよ、変だってば」
此処は露店も何も無いよ、とジョミー君が眺める境内の方。
ジョミー「お寺によっては、露店が出るよね?」
シロエ 「そう言われれば、そうかもですね」
ブルー 「あるねえ、初詣で賑わう所なんかだと」
駐車場なんかも満杯でさ、と生徒会長の相槌。
ブルー 「アルテメシアには、有名どころは無いけどね」
ジョミー「うん。だから普通は、神社に出掛けて…」
初詣をして露店でB級グルメ、とジョミー君。
ジョミー「檀家さんだって、そっちが好きだと思うよ」
キース 「何が言いたい!?」
ジョミー「強制イベントになっているんじゃないの?」
元老寺の初詣は…、とジョミー君が傾げてみせる首。
ジョミー「来ないと、ヤバイことになるとか…」
キース 「そんなことはない!」
ジョミー「……本当に?」
絶対に無いと言い切れるわけ、とジョミー君も譲らず。
ジョミー「来なかった人は、不利になるとか…」
キース 「どうして、そういう発想になる!」
馬鹿か貴様は、とキース君の怒声。
キース 「頭が沸いているとしか思えんぞ!」
サム 「沸いてるんでねえの?」
お屠蘇で酔っ払っているとかよ…、とサム君の指摘。
サム 「放り出して、酔いを醒ましてやれよ」
キース 「そうだな、庭に叩き出すか」
ジョミー「ちょっと待った!」
そんなことをしていいのかな、とジョミー君、ニヤリ。
ジョミー「キースだってさ、言えた立場じゃないと思うよ」
キース 「何の話だ!」
ジョミー「去年のイベント、詰みまくってたよね?」
キース 「うっ…」
それを言うか、とグッと詰まった副住職。
詰んでましたねえ…?
2022/01/03 (Mon)
☆アイデアを出すな
元老寺で元日なシャン学メンバー、豪華なおせちに大満足。
けれどジョミー君とサム君は、檀家さんの初詣に動員で…。
ジョミー「ぼくにどうこう文句な前にさ、キースもさ…」
シロエ 「口が災いを呼びまくるのは確かですよね」
確かに間違ってはいません、とシロエ君、ピシャリ。
シロエ 「ジョミー先輩を叩き出すのは、ちょっと…」
キース 「しかし、親父がうるさいんだ!」
こいつを引っ張って行かないと…、と副住職。
キース 「元日は本堂で手伝いをする、と決まってるしな」
サム 「そうだぜ、期待されてるんだしよ…」
雪の庭に放り出されるよりは、本堂だろ、とサム君も。
サム 「しっかり勤めりゃ、後はゆっくり出来るしよ」
ジョミー「そうかな、逆立ちよりはマシかな…」
ブルー 「逆立ちで手伝えとは、誰も言ってないしね」
キース 「おい、お前たち…!」
親父の前でソレを言うなよ、とキース君の眉間に皺が。
キース 「罰のメニューに追加されたら、悲劇なんだ!」
サム 「あー…。罰礼の代わりに逆立ちな?」
ブルー 「いいかもねえ…。逆立ちで写経をするとかさ」
キース 「言わないでくれ…!」
頼むから親父にアイデアを出すな、とキース君、必死。
キース 「ジョミーはともかく、ブルーが言ったら…」
ジョミー「即、採用は間違いないよね」
嫌なら、ぼくに貼るカイロを…、とジョミー君。
キース 「はあ?」
ジョミー「カイロだってば、ほら、ぼくの役目は…」
檀家さんの下足番だしさ、とジョミー君が指差す外。
ジョミー「この雪の中で、本堂の外で待機だよ?」
シロエ 「冷えますもんねえ…」
ジョミー「うん。せめて貼るカイロくらいはさ…」
コッソリくれてもいいと思う、とジョミー君の言。
ジョミー「そしたら、逆立ちの件は黙るよ」
サム 「でもよ、キースがヤバイんでねえの?」
キース 「俺もカイロは禁止だからな…」
持ち出すのは危険すぎるんだが、と副住職。
どうなる…?
2022/01/04 (Tue)
☆貼るカイロは駄目
元老寺で元日な面々ですけど、僧籍な人には初詣のお仕事。
ジョミー君とサム君も対象でして、雪の中でもお仕事で…。
サム 「やっぱ、カイロは禁止だよなあ…?」
キース 「考えてもみろ、あの親父だぞ?」
貼るカイロが許されると思うのか、とキース君の渋面。
キース 「第一、本山での修行の時にも、暖房なんぞは…」
シロエ 「火鉢しか無かったんですよね?」
キース 「あまつさえ、外気が吹きっ晒しの場所でな…!」
あれは暖房とは言えなかった、とキース君が竦める肩。
キース 「お蔭で、みんな霜焼けでだな…!」
シロエ 「そうでしたっけ…」
キース 「ジョミーも、いずれは行く道なんだぞ」
一日くらい我慢しろ、とジョミー君をギロリと。
キース 「いや、半日ほどの間に過ぎん」
ジョミー「逆立ちだって、多分、半日は無いよ?」
キース 「はあ?」
ジョミー「アドス和尚が出す罰だってば」
逆立ちで写経するってヤツ、とジョミー君。
ジョミー「せいぜい半時間くらいじゃないかと…」
サム 「あー…。倒れちまっても困るだろうしよ…」
スウェナ「半日なんかは、やらせないわよね?」
ブルー 「虐待は逮捕されるからねえ…」
それとも傷害の方だろうか、と生徒会長が傾げる首。
ブルー 「実の息子に逆立ちをさせて、救急車だと…」
シロエ 「確実に事情を聞かれますよね?」
ブルー 「警察官にね!」
だから早めにやめると思う、と生徒会長も半時間説を支持。
ブルー 「半時間ほどなら、大丈夫だろう?」
キース 「そういう問題になるのか、コレは!?」
ジョミー「ぼくが黙っていないとさ…」
逆立ちだけど、半時間ならいいのかな、と言い募る人。
ジョミー「それとも、ぼくに貼るカイロをさ…」
キース 「プレゼントするために、持ち出せと?」
ジョミー「まあ、どっちでもいいけどね」
キース 「くっそぉ、足元を見やがって…!」
しかし、カイロを持ち出すのも…、と唸ってますけど。
どうすると…?
2022/01/05 (Wed)
☆カイロさえあれば
元老寺で迎えた元日ですけど、僧籍な人に課されたノルマ。
檀家さんの初詣のお手伝い、ジョミー君たちが対象でして。
ジョミー「貼るカイロ、家に無いとか言わないよね?」
キース 「親父が愛用しているから、ある」
シロエ 「アドス和尚は、いいんですか?」
キース 「ここだけの話、さっきも貼っていたと思うぞ」
初日の出を拝みに出ていた時だ、とキース君。
キース 「あの寒さだしな、親父なら、絶対…」
シロエ 「キース先輩は、どうだったんです?」
キース 「貼っていたわけがないだろう!」
親父にバレたら瞬殺だぞ、と肩をブルッと。
キース 「しかし親父は好きな時に貼るし、おふくろも…」
ジョミー「使ってるんだね?」
キース 「俺には、うるさく言うくせにな!」
ジョミー「それなら、1個くらい余計に減っていてもさ…」
分からないよね、とジョミー君が指差す襖の方。
ジョミー「初詣は手伝うから、カイロ、持って来てよ」
キース 「持って来ないと、逆立ちの件を喋るんだな?」
ジョミー「そうだよ、キースは凄い、ってね!」
逆立ちで写経が出来るかも、って、とニッコリと。
ジョミー「アドス和尚が、それを聞いてさ…」
サム 「罰に活用するかどうかは、お任せってことな?」
ジョミー「うん。ぼくはキースを褒めるだけ!」
罰に使えとは言わないから、と笑顔で脅しを。
ジョミー「で、どうするわけ?」
キース 「仕方ない…」
行って来る、と姿を消して、直ぐ戻って来た副住職。
キース 「ほら、好きに使え!」
ジョミー「ありがとう、見えない所に貼るよ!」
キース 「頼むから、落としてくれるなよ?」
落ちたら親父に見咎められる、と視線がマジ。
キース 「いいな、そうなれば俺が怒鳴られるんだ!」
ジョミー「分かってるって!」
キース 「では、行くぞ。サムもだ」
サム 「おう!」
ジョミー「行って来るねーっ!」
カイロさえあれば頑張れるよ、と本堂へ出発。
御苦労様です…。
2022/01/06 (Thu)
☆カイロがあっても
元老寺で元日な面々ですけど、僧籍な人には本堂で仕事が。
檀家さんの初詣のお手伝い、ジョミー君とサム君が出発で。
シロエ 「ジョミー先輩、大丈夫でしょうか?」
マツカ 「貼るカイロがあっても、この雪ですしね…」
スウェナ「昼間なのに、積もって来てるわよ」
これは寒いわ、とスウェナちゃんが眺める窓の外。
スウェナ「法衣で、本堂の外で下足番でしょ?」
ブルー 「サムとは交代出来ないからねえ…」
所作が全くなってないから、と生徒会長、いえ、銀青様。
ブルー 「檀家さんに失礼があったら、大変だしさ…」
シロエ 「ある意味、自業自得ですよね」
マツカ 「サムと違って、やる気がありませんからね」
ブルー 「そういうこと! 寒くても、外で頑張るしか…」
ないんだよね、と生徒会長、クスクスと。
ブルー 「貼るカイロも、1個だけしか無いしさ…」
スウェナ「風邪を引かないといいわね、ホントに」
ぶるぅ 「そだね、差し入れしたいけど…」
叱られちゃうし、と「そるじゃぁ・ぶるぅ」。
ぶるぅ 「あったかい甘酒とか、あげたいよね…」
シロエ 「でも、バレたら大惨事は確実ですし…」
ぶるぅ 「仕方ないよね…」
お仕事が終わるまでは、と良い子も気の毒がる状況。
ぶるぅ 「アドス和尚は、怖いもん…」
マツカ 「敵に回したくはないキャラですね」
シロエ 「マツカ先輩が、それを言いますか?」
先輩の本気モードも怖いですよ、とシロエ君。
シロエ 「どっちが強いか、気になるトコです」
マツカ 「アドス和尚には敵いませんよ」
専門用語で来られると…、と正論が。
マツカ 「とても太刀打ち出来ませんしね」
一同 「「「あー…」」」
そうだっけ、と一同、ガックリ。
シロエ 「夢の対決は無理ですか…」
ブルー 「そうなるね。初詣もそろそろ終わる頃かな?」
アドス 「この、たわけがーっ!!」
一同 「「「え?」」」
なんだ、と顔を見合わせる御一同様。
アドス和尚ですよね…?
2022/01/07 (Fri)
☆カイロがバレた人
元老寺で迎えた元日ですけど、僧籍な人には初詣のお仕事。
昼間でも雪が積もる寒さの中で、本堂の外で下足番もアリ。
シロエ 「今の声、アドス和尚ですよね?」
マツカ 「たわけ、と聞こえた気がしますけど…」
ブルー 「誰か、やらかしちゃったかな?」
ヘマを、と一同、本堂の方へ視線を向けて聞き耳。
スウェナ「もしかして、カイロがバレたかしらね?」
シロエ 「そうなると、ジョミー先輩でしょうか?」
マツカ 「恐らく、そうだと思いますけど…」
どうなんでしょう、とマツカ君も心配そうな顔。
マツカ 「見に行った方がいいんでしょうか?」
ブルー 「そうだね、ちょっと廊下に出てみて様子を…」
ヤバそうだったら止めに入ろう、と生徒会長、廊下へと。
ブルー 「えっと、此処からだと、本堂は…。あっ?」
アドス 「詫びはどうしたぁーっ!!」
ジョミー「ひぃぃっ!」
本堂の縁側から、雪の積もった庭へ転がり落ちた人影。
ジョミー「ご、ごめんなさい、ごめんなさいーっ!」
アドス 「カイロを落とすなど、言語道断!」
おまけに檀家さんの前で、とアドス和尚、縁側に仁王立ち。
アドス 「親切に拾って下さっていたが、愚か者めが!」
ジョミー「す、すみません、反省してます…!」
見えない所に貼ったんですが、とジョミー君、土下座。
ジョミー「気を付けるように、言われてたのに…!」
アドス 「なんじゃと?」
ジョミー「落としたりしたら、終わりだから、って…!」
アドス 「当たり前じゃろうが!」
たわけ者めが、と怒鳴って、ハッと何かに気付いたようで。
アドス 「ちょっと待て、誰が言ったんじゃ?」
ジョミー「そ、それは…」
ジョミー君、本堂の方を見上げまして。
ジョミー「喋ったら、逆立ちになるかもで…」
アドス 「そんな罰は、ワシは出しておらんが?」
ジョミー「で、ですよね、やっぱり…」
一同 (((馬鹿…)))
それは詰むヤツ、と顔を見合わせる御一同様。
どうなる…?
2022/01/08 (Sat)
☆カイロがバレたら
元老寺での元日、僧籍な人は檀家さんの初詣のお手伝いが。
本堂の外で下足番なジョミー君、貼るカイロで出掛けて…。
アドス 「カイロを落としたら終わりで、逆立ちじゃと?」
ジョミー「そ、そうなるかも、っていう話で…!」
アドス 「ほう…。ワシが逆立ちをさせるんじゃな?」
ジョミー殿に、とアドス和尚の確認が。
アドス 「まあ、罰礼の作法も出来ておらんし…」
ジョミー「ち、違うんです、ぼくじゃなくって…!」
アドス 「ジョミー殿ではない、と…?」
一同 (((うわわ…)))
えらいことに、と一同、ガクブル。
シロエ 「これ、キース先輩が詰む流れですよね?」
マツカ 「そうなりますね…」
せっかくカイロを渡したのに、とマツカ君、溜息。
マツカ 「結局、ジョミーが喋るんですよ」
スウェナ「天網恢恢、ってヤツかしらねえ…?」
シロエ 「いえ、脅されたのはキース先輩ですし…」
どうなんでしょう、と眺める間に、アドス和尚も熟考で。
アドス 「ジョミー殿に、ちょっと質問なんじゃが…」
ジョミー「は、はいっ?」
アドス 「カイロを落とすのは、ジョミー殿でじゃな…」
終わるのもジョミー殿じゃろう、と縁側から見下ろす人。
アドス 「なのに、逆立ちは別の誰かが、と…?」
ジョミー「あっ…!」
マズイ、とジョミー君が押さえる自分の口。
ジョミー「い、いえ、今のは忘れて下さい!」
アドス 「そうはいかんな、こう、正直に…」
キリキリと答えて頂きたい、とアドス和尚の鬼の睨みが。
アドス 「ジョミー殿が落としたカイロは、じゃ…」
ジョミー「はい…?」
アドス 「私物か、うちの備品か、どっちじゃ?」
正直に、と縁側から乗り出すようにズズイと。
アドス 「隠すと、ためにならんのじゃが…?」
ジョミー「そ、それは…」
アドス 「どっちじゃと?」
ジョミー「此処のです!」
一同 (((終わった…)))
キースの人生、と誰もが真っ青ですけど。
詰みましたかねえ…。
2022/01/09 (Sun)
☆手に入れた場所は
元老寺での元日、檀家さんの初詣も終わったわけですけど。
ジョミー君がカイロを落として、それが悲劇の始まりで…。
アドス 「うちの寺の備品、ということじゃな?」
ジョミー「そ、そうなんです…」
アドス 「なるほど…。では、もう一つ、質問じゃが…」
何処でカイロを手に入れたんじゃ、とアドス和尚。
アドス 「目につく場所には、置いていないわけでな…」
ジョミー「は、はい…?」
アドス 「盗み出したのか、それとも誰かが…」
手引きをしたと、とアドス和尚の鋭いツッコミ。
アドス 「盗んだのなら、普通に犯罪になるんじゃが…」
ジョミー「ひぃぃっ!」
アドス 「どうやら、手引きをした者が…」
いるような気が…、とアドス和尚が顎に当てる手。
アドス 「そしてカイロを落とした場合は、そいつが…」
一同 (((ヤバイ…)))
アドス 「ワシに逆立ちさせられる、と?」
ジョミー「い、いえ…! え、えっと、いえ、えっと…」
ジョミー君、雪が積もってゆく庭でワタワタ。
ジョミー「そ、そうじゃなくって、えっと、えっと…!」
アドス 「語るに落ちる、というヤツじゃな」
犯人は其処じゃ! と、アドス和尚、クルリと方向転換。
アドス 「キース、カイロは、お前じゃろう!」
キース 「えっ…!」
アドス 「他に考えられんのじゃが…?」
イライザが渡すとは思えんしな、と詰め寄る人。
アドス 「その上、ジョミー殿に口止めした、と…!」
キース 「ち、違う…!」
アドス 「何処が違うんじゃ、ジョミー殿は、じゃ…」
喋ったら終わりと言っていたぞ、と揚げ足をサッと。
アドス 「つまり、お前が脅したんじゃ!」
キース 「なんでそうなる!」
俺は脅された方なんだぞ、とキース君も必死。
キース 「ジョミーが喋ってしまったら…!」
アドス 「なに、他に何かあると…?」
キース 「うっ…!」
一同 (((やった…)))
また失言か、と誰もが肩をガックリと。
首を締めましたね?
2022/01/10 (Mon)
☆罰礼の代わりに
元老寺での元日、檀家さんの初詣は無事に終了ですけれど。
ジョミー君が張るカイロを落として、キース君がピンチで。
アドス 「ジョミー殿が喋ったら、何が起きると?」
キース 「いや、何でもない…!」
アドス 「違うじゃろう、お前が逆立ちじゃろうが!」
どんな取り引きかは知らんがな、とアドス和尚の睨みが。
アドス 「そしてカイロを渡したのは、ズバリお前じゃ!」
キース 「そ、それは…!」
アドス 「否定は出来ん筈じゃがな?」
今の流れでは…、とキース君をギロリと。
アドス 「まあいい、お前のやるべきことは、じゃ…」
キース 「罰礼百回、やってくる!」
アドス 「いや、毎回それでは芸が無いしのう…」
お正月から御本尊様を煩わせるのも…、と指差す庫裏。
アドス 「庫裏の廊下で逆立ちじゃ!」
一同 (((げっ!)))
キース君もグッと詰まって、泣きそうな顔。
キース 「ま、まさか、逆立ちで写経をしろと…?」
アドス 「ほほう…。ジョミー殿、そうだったと?」
ジョミー「い、いえ、えっと、えっとですね…!」
アドス 「どうやら間違いないようじゃな」
そうするがいい、とピシャリ。
アドス 「左手で逆立ち、右手で写経じゃ!」
キース 「そんな…!」
アドス 「ワシも鬼ではないからのう…」
休憩は適宜、取っていいぞ、とアドス和尚。
アドス 「では、座敷の前の廊下で頑張るように」
キース 「お、親父…!」
アドス 「写し終わったら、皆さんと過ごしてかまわん」
さあ来い、と視線を向けた先には、皆がいるわけで。
アドス 「おお、これは皆様、お揃いで…」
ブルー 「まあねえ、騒ぎが聞こえたからさ」
写経だってね、と生徒会長、ジョミー君も庭から帰還で。
ブルー 「ジョミーの罪は問わないのかな?」
アドス 「犯人は、せがれですからな!」
キース 「違うんだが!」
アドス 「お前しかおらんわ!」
カイロを盗み出したじゃろうが、と怒りの形相。
其処ですか…。
2022/01/11 (Tue)
☆監視をよろしく
元老寺での元日、檀家さんの初詣は無事に終わりましたが。
ジョミー君が貼るカイロを落として、キース君がピンチに。
アドス 「そもそも、寒いからと貼るカイロをじゃな…」
キース 「俺が使ったわけではない!」
アレはジョミーが…、とキース君の反論。
キース 「雪の中で下足番は辛い、と俺を脅して…!」
アドス 「そうかもしれんが、脅されるのは、じゃ…」
後ろ暗い所があるからじゃろうが、とアドス和尚の指摘。
アドス 「つまり、元から、何かをやらかしていて…」
キース 「誓って、何もやっていないが!」
アドス 「一事が万事、と言うじゃろうが!」
現にカイロを盗み出したし…、と仁王立ち。
アドス 「つべこべ言わずに、サッサと写経をせんか!」
キース 「そ、そんな…!」
アドス 「しかし、法衣では裾が乱れて見苦しくなるし…」
ジャージに着替えてやるように、と指をビシイ! と。
アドス 「というわけで、銀青様にお願いが…」
ブルー 「なんだい?」
アドス 「せがれがサボッて手を抜かないように…」
監視して頂ければ嬉しいのですが、と恐ろしい申し出。
アドス 「ワシは、明日も檀家さんの初詣がですな…」
ブルー 「続くから、色々忙しいんだね?」
アドス 「はい。ですので、時々、せがれの様子を…」
スマホに送って頂けますかな、と鬼の注文。
アドス 「動画でも、写真でも、其処はお任せしますので」
ブルー 「オッケー、逆立ちの様子を、だね?」
アドス 「普通に座って写経では、こう、当たり前で…」
ブルー 「罰としては軽すぎる、って思うよねえ…」
分かった、と生徒会長、コクリと。
ブルー 「ちゃんと見張って、5分おきに送信するよ」
アドス 「有難うございます。では、皆さんは宴の方を…」
キース 「俺だけ逆立ちしていろと?」
アドス 「終わったら、フリーじゃ。ではな」
キース 「あんまりだ…!」
せめて罰礼か普通に写経、と叫んでますけど。
無理っぽい気が…。
2022/01/12 (Wed)
☆逆立ちを肴に
元老寺でのお正月、元日からキース君に下った恐ろしい罰。
庫裏の廊下で逆立ちで写経、しかも生徒会長の監視つきで。
キース 「親父、頼むから減刑してくれ、この通りだ!」
シロエ 「あのぅ…。もう姿が見えませんけどね?」
ブルー 「早く始めれば早く済むしさ、ほら、着替えて!」
ジャージでやれと言われただろう、と生徒会長の催促が。
ブルー 「5分おきに送信する約束だしさ…」
ジョミー「早くしないと、サボリ認定されるよ?」
キース 「誰のせいだと思ってやがる!」
シロエ 「でも、先輩が自分で言ったんですよ?」
逆立ちで写経する件は、とシロエ君の冷たい言葉。
シロエ 「ジョミー先輩は、無罪放免になりましたし…」
サム 「蒸し返したら、不利になるんでねえの?」
スウェナ「そうよね、写経が倍になるとか…」
キース 「やめてくれ…!」
そんなのは嫌だ、とジャージに着替えて来たキース君。
キース 「…墨を磨るのも、逆立ちだろうか?」
ブルー 「そうなるだろうねえ…」
キース 「くっそぉ…!」
やってやる、とジャージで逆立ち、磨り始めた墨。
シロエ 「流石ですねえ、凄いスキルですよ」
ブルー 「よし、この光景を送信、っと…」
後は5分おきに撮影だよね、と生徒会長。
ブルー 「面白いから、此処の襖は開けておいてさ…」
サム 「キースを肴に宴会なのな?」
キース 「他人事だと思いやがって!」
ぶるぅ 「んとんと、差し入れくらいするけど…」
逆立ちしたまま食べられるの、と良い子の質問。
ぶるぅ 「それなら御馳走、持って来るよ?」
キース 「いや、そのコースは拷問だ…!」
確実に死ぬ、とキース君の悲鳴。
キース 「俺に構わず、そっちは好きにやってくれ!」
ジョミー「他人事でいいんだ?」
キース 「死ぬよりはマシだ!」
ブルー 「オッケー、それじゃ宴会続行!」
一同 「「「わぁーい!」」」
食べるぞ、と賑やかに宴会な面々ですけど。
キース君は逆立ち…。
2022/01/13 (Thu)
☆今年は気を付けて
元老寺でお正月ですけど、元日からキース君に下された罰。
庫裏の廊下で逆立ちで写経、生徒会長が監視するわけで。
ジョミー「今年のおせちも、ホントに美味しいよね!」
サム 「和洋中、どれもハズレがねえよな」
シロエ 「ええ。会長がVIPだからこそですよねえ…」
キース先輩のお客なだけでは無理でしょう、とシロエ君。
シロエ 「下手をしたら、今頃は放り出されてますよ」
マツカ 「そうかもですね、キースがあの有様では…」
スウェナ「惨めよねえ…」
元日から逆立ちで写経だなんて、とスウェナちゃんの溜息。
スウェナ「まだ半分も写せてないわよ?」
ブルー 「1時間では済まないだろうね」
さて…、とスマホで撮影、アドス和尚に手早く送信。
ブルー 「まあ、ぼくたちは楽しくやろうよ」
シロエ 「会長、そのデータはどうするんです?」
まさか残すとか…、とシロエ君の問い。
シロエ 「でもって、後々、脅しの種に…」
ブルー 「大丈夫、ぼくは其処まで鬼じゃないから」
ちゃんと消すよ、と生徒会長、廊下の方にも声掛けを。
ブルー 「だから安心して写経したまえ」
キース 「そ、そうか…」
恩に着る、と写経を続ける人。
ジョミー「アドス和尚も厳しいよねえ…」
サム 「お前がカイロを落としたせいだぜ?」
ジョミー「細かいことはいいんだってば!」
ブルー 「うん、元老寺ではアドス和尚が法律だしね」
無罪だったら、問題無し! と銀青様もジョミー君を支持。
ブルー 「というわけで、楽しくやろうよ!」
ぶるぅ 「お正月だもんね!」
シロエ 「会長、5分経ちました」
ブルー 「おっと…!」
送信、送信…、とスマホで撮影されるキース君。
キース 「くっそぉ、なんで俺だけが…!」
ブルー 「一年の計は元旦にありだよ、今年こそはさ…」
シロエ 「言動に気を付けて下さいね?」
キース 「もう身に染みて分かっている!」
今年こそは、と呻きながらの写経ですけど。
さて、今年は…?
2022/01/14 (Fri)
☆厄除けに小豆粥
お正月が終わった後は、成人の日で三連休になるのが今年。
平穏無事に遊びまくって、迎えた小正月な15日ですけど。
ぶるぅ 「かみお~ん♪ 今日は小豆粥だよ!」
ジョミー「えっ、せっかく遊びに来たのに、お粥って…」
サム 「土曜日なんだぜ、もっと、こう…」
ゴージャスによ、とサム君も相槌な生徒会長宅での休日。
サム 「お粥でも色々あるじゃねえかよ、中華とか…」
シロエ 「アワビ粥なんかも美味しいですよね」
ジョミー「うん、そういうのを期待なんだけど…」
ぶるぅ 「えとえと、でもね…」
小正月は小豆粥の日だし、と「そるじゃぁ・ぶるぅ」。
ぶるぅ 「縁起物なの、厄除けで無病息災なの!」
ブルー 「そうだよ、特にお勧めしたい人もいるしね」
若干一名、と生徒会長の視線がキース君に。
ブルー 「君は、しっかり食べておいた方が…」
スウェナ「どうかしら? キースがババを引いた場合は…」
シロエ 「ぼくたちが助かりますからねえ…」
マツカ 「確かに、去年はそうでしたね」
その傾向が顕著でした、と御曹司も。
マツカ 「今年も、元日にジョミーが助かっていますし…」
サム 「キースには、食わせねえ方がいいんでねえの?」
キース 「おい、お前たち…!」
何もかも俺に押し付ける気か、とキース君が吊り上げる眉。
キース 「ぶるぅ、俺に一番に小豆粥をくれ!」
ぶるぅ 「順番なんかは、関係無いと思うけど…」
??? 「だよねえ、それに厄除けなんかをしたってさ…」
無駄だろうね、とソルジャー(Aブルー)登場。
Aブルー「あけましておめでとう! 今日までだよね」
ブルー 「ギリギリセーフって所かな」
お正月飾りは今日でおしまい、と生徒会長。
ブルー 「小豆粥を食べに来たのかい?」
Aブルー「それとニューイヤーの挨拶にね!」
ブルー 「ご丁寧に、どうも」
Aブルー「今年も、いい年にしたいからねえ…」
挨拶は大事だと思う、と言ってますけど。
迷惑なのでは…?
2022/01/15 (Sat)
PR
カレンダー
リンク
カテゴリー
最新CM
最新記事
最新TB
プロフィール
HN:
みゆ
性別:
非公開
ブログ内検索
最古記事
(08/26)
(08/26)
(08/26)
(08/26)
(08/26)
P R
カウンター
アクセス解析
リンク
カウンター
アクセス解析