忍者ブログ
シャングリラ学園つれづれ語り

☆二人でチャレンジ


月刊シャングリラの記者やら、中継用のカメラやら。
ハーレイの日な8月10日、振り替えとも思えぬ盛り上がりっぷりですが。
肝心の教頭先生、初っ端から鼻血でございます。

ゼル  「まったく情けない男じゃわい。もう鼻血かい!」
ブラウ 「心の準備が無いだって? 年中妄想全開なのにさ」
エラ  「仕方ないわよ、サプライズだもの。…で、どうするの?」
ハーレイ「………」
ブラウ 「ちょっと、ハーレイ! ボケてんじゃないよ、返事は!?」
ハーレイ「…は? す、すまない、何を訊いていたのだ?」
ブラウ 「あーあ、ホントにしょうがないねえ…」
エラ  「どうするの、って訊いたのよ。ここまで来たらやるのよね?」
ハーレイ「何をだ?」
ゼル  「分かっておらんのう、本日のメインイベントじゃ!」
ヒルマン「断ったりはしないだろうね? 皆、楽しみにしているのだし」
ゼル  「うむ、うむ。特にブルーがのう」
ハーレイ「ブ、ブルーが……」

またまた鼻血な教頭先生、耳の先まで真っ赤です。
生徒会長が楽しみにしているとあれば、お断りになる筈もなく。

ハーレイ「せっかく祝ってくれるのだ。有難く受けるつもりでいるが」
ゼル  「それでこそじゃ! 頑張るんじゃぞ」
ブラウ 「精一杯応援させてもらうよ、声までは届かないけどさ」
エラ  「ブルーが一緒だもの、大丈夫よ、きっと」
ヒルマン「大船に乗った気でいたまえ。ブルーはその道の達人だ」
ハーレイ「…た、達人……」

教頭先生、鼻血MAX。
その光景もテレビカメラが絶賛中継中で。

ブルー 「あのさ…。なんだか誤解されそうだよ、ぼくが」
ゼル  「そうかのう? わしらは嘘は言っておらんが」
ブルー 「達人って言われると話が間違う」
ハーレイ「い、いや、そのぅ…。私よりかは経験豊富で…」
ブルー 「まあね。とにかく二人でチャレンジしようか」
ハーレイ「ちゃ、チャレンジ…」

鼻血が止まらない教頭先生。
こんな調子じゃ、使い物にはならないのでは…?

2012/08/16 (Thu)

 

☆結婚式を控えて


ハーレイの日のメインイベントを前に鼻血ダラダラな教頭先生。
生徒会長と二人でチャレンジとなれば、無理もないことでございますが。

ハーレイ「す、すまない、ブルー。私は本当に初心者で…」
ブルー 「分かってるってば、そんなことくらい。さあ、行こうか」

教頭先生の腕を取って生徒会長は建物の中へと。

キース 「おい…。あれって何かが間違ってないか?」
スウェナ「花嫁が新郎を引っ張る…ものではないわよねえ?」
シロエ 「会長のお父さんはいないにしても、ヒルマン先生とか…」
マツカ 「そうです、父親か父親役が連れて行くものですよ、花嫁は」
ジョミー「まあ、ブルーだしね…。あれでいいのかも」
サム  「俺は何でも気にしねえぜ。ドレス姿が見られれば」
キース 「他人に嫁入りでも気にしないってか…。出来た男だな」
ジョミー「だから公認カップルになれたんじゃないの?」
シロエ 「その仲とも今日でサヨナラですけどね…」
スウェナ「とうとう結婚しちゃうんじゃねえ…」
サム  「ブルーが幸せならいいじゃねえかよ、相手は誰でも」

ワイワイ騒ぎながらシャン学メンバーも建物の中へ。
見物に集まった仲間たちも期待に満ちた顔でゾロゾロと…。

ジョミー「うーん、こっちも思い切りド派手…」
キース 「ハーレイの日で溢れているな。あっちもこっちも」
スウェナ「御成婚って書けばいいのに…。これじゃ何かのお祭りみたい」
シロエ 「ですよね、会長の名前もセットで書くべきです」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ 今日の主役はハーレイ! だからハーレイ!」
キース 「ぶるぅ、それは間違いではないんだが…。こういうのはだな」
シロエ 「バランスが大切なんですよ。せっかく結婚するんですから」
ぶるぅ 「結婚? それって、誰が?」
キース 「おい、ボケたのか? これから結婚式だろうが!」

大丈夫か、と「そるじゃぁ・ぶるぅ」の額に手を当てるキース君。
今日は朝から暑かったですし、小さな子供にはキツすぎましたか…?

2012/08/17 (Fri)

 

☆正気と暑気あたり


振り替えハーレイの日な8月10日は朝から快晴。
気温もグングン上がっているだけに、暑気あたりするのも無理はなく…。

キース 「熱は無いが…。ぶるぅ、向こうで休んでいろ」
ぶるぅ 「えっ、なんで? ぼく、元気だよ?」
ジョミー「ダメだってば! 結婚式にぶるぅがいないとブルーが困るよ」
スウェナ「そうよ、暫く休んでいましょ」
ぶるぅ 「んーと…。だから結婚式って誰の?」
サム  「こりゃダメだぜ。もう完全にイッちまってる…」
シロエ 「ヒルマン先生に言いに行った方が良さそうですね」
ぶるぅ 「何のお話? ホントに全然分かんないよう」
マツカ 「今日はブルーと教頭先生の結婚式ですよ。もうすぐです」
ぶるぅ 「えぇっ!? なんでブルーとハーレイが!?」
キース 「落ち着け、ぶるぅ。そのためにみんな集まってるんだ」
ぶるぅ 「違う、違うよ、違うってば! それって間違い!」
全員  「「「間違い!?」」」

なんのこっちゃ、と顔を見合わせるシャン学メンバー。
「そるじゃぁ・ぶるぅ」がボケているのか、ボケているのは自分たちか。
しかし…。

サム  「あれっ、ブルーが消えちまった…」
スウェナ「着替えでしょ? ウェディングドレスに」
キース 「そうだろうな。教頭先生はあそこで待っておいでだし」
ジョミー「やっぱり結婚式だよねえ?」
シロエ 「間違っていないと思うんですけど…」
マツカ 「ぶるぅは子供ですからね。きっと分かっていないんですよ」
ぶるぅ 「分かってるもん! 今日はハーレイの日なんだもん!」
キース 「仕方ないな…。よく聞けよ、ぶるぅ。今日のテーマは…」

サプライズだ、と説明を始めるキース君。

キース 「だからだな、お前にとってもビックリな日になるんだろう」
ぶるぅ 「絶対違うと思うんだけど…」

ブルーは結婚しないもん、と「そるじゃぁ・ぶるぅ」は困り顔です。
とはいえ、教頭先生はタキシード姿で待機中。
生徒会長のお召し替えが済んだら挙式なのでは…?

2012/08/18 (Sat)

 

☆花嫁のお召し物


ハーレイの日のメインイベントは教頭先生と生徒会長の結婚式。
緊張の面持ちで待っておられる教頭先生、視線をチラチラと奥の方へと。
生徒会長がお召し替え中なのはそちらのようでございます。

サム  「ブルー、綺麗だろうなあ…。楽しみだぜ」
キース 「お前は本当に心が広いな。他人の嫁になるっていうのに」
サム  「ブルーの幸せが一番じゃねえかよ。あっ、そろそろかな?」

中継クルーのカメラが奥に向かって構えられ、扉が開いて…。
ワッと歓声が上がったまではいいですけれど。

ジョミー「えっ? ドレスじゃ…ない…?」
シロエ 「なんでソルジャーの格好なんです!?」
マツカ 「あれが正装かもしれません。ドレスよりも格が上だとか」
スウェナ「でも教頭先生はタキシードよ? 釣り合わないじゃない」
サム  「ドレスの方が絶対いいと思うけどなぁ…。俺も」

心底残念そうなサム君。
しかし紫のマントの生徒会長は盛大な拍手を浴びております。

ブルー 「みんな、今日はハーレイの日に集まってくれてありがとう」
一同  「「「ハーレイの日、おめでとうございまーす!」」」
ブルー 「ほら、ハーレイ。みんなに御礼を言わないと」
ハーレイ「う、うむ…。暑い中、此処まで来てくれて感謝する」
ブルー 「もっとにこやかに笑えないかな? まあ、地顔だしねえ…」
ゼル  「眉間の皺は直らんからのう。じゃが、微笑まんかい!」
ハーレイ「…こ、こうだろうか?」
ブルー 「やめた方がいいよ、子供が泣き出す」
ハーレイ「…そ、そうか…」

項垂れている教頭先生の肩をポンポンと叩く生徒会長。

ブルー 「ほらほら、今日の主役はシャキッと! ぼくのためにも」
ハーレイ「…ああ、お前に恥はかかせられんな」
ブルー 「満足させてくれるんだろう? 期待してるよ」
ハーレイ「うっ…! すまん、ちょっと…」

教頭先生、またまた派手に鼻血を噴いておられます。
挙式を前に失血死なんていう情けない結末にならないでしょうね…?

2012/08/19 (Sun)

 

☆花嫁の記者会見


生徒会長のお召し替えも済み、いよいよ婚礼が始まるようでございます。
とはいえ、教頭先生の鼻血が止まらないことには格好がつかず。

ブルー 「まだかい、ハーレイ? 気合で止めてよ」
ハーレイ「わ、分かってはいるのだが…」
ブラウ 「仕方ないねえ、先に会見を始めちまったらどうなんだい?」
ゼル  「そうじゃ、そうじゃ! 皆が待ちくたびれておるからな」
ブルー 「うーん…。こういうのは二人揃った方が…ね」
ゼル  「並んでおるだけで充分じゃろうが! ハーレイの日じゃぞ」
ブルー 「だから肝心の主役がいないと…」
ブラウ 「そこにいるじゃないか。会見の間に鼻血も止まるさ」
ブルー 「そうかなあ? まあ、どうせテーマはサプライズだし…」

始めちゃおうか、と微笑む生徒会長にカメラが向けられております。
もちろんマイクも。

ブルー 「みんな、今日はハーレイの日に集まってくれてありがとう」
キース 「おいおい、花嫁が会見するのか?」
シロエ 「そうみたいですね。何かが間違っているような…」
スウェナ「だけど婚約指輪を披露するとか、よくあるじゃない」
サム  「そ、そっか、婚約指輪かあ…。俺には無理だもんな」
ジョミー「なんだかんだ言っても教頭先生、大人だもんね…」
マツカ 「でも…。何かおかしくないですか?」

雰囲気が、と言うマツカ君。
会場は大いに沸いていますが、祝賀というよりお祭りムード。

ブルー 「今日の主役はハーレイだ。あくまでハーレイ」
見物客 「「「分かってまーす!」」」
ブルー 「でもってテーマはサプライズ! 気になる中身は…」

ゴクリと唾を飲み込む見物客たち。
たかが婚礼、されど婚礼。
三百年越しの片想い叶って御成婚となれば無理もなく…。

ブルー 「ハーレイの一世一代の見せ場、スカイダイビング!」
見物客 「「「待ってましたあー!」」」
サムたち「「「スカイダイビング!?」」」

シャン学メンバー、見事に目が点。
婚礼じゃなかったんですか…?

2012/08/20 (Mon)

 

☆消えた結婚式


発表されたハーレイの日のメインイベントは、なんとスカイダイビング。
生徒会長との結婚式は何処へ行ったというのでしょう?

キース 「な、なんだ? 何処からスカイダイビングなんだ?」
スウェナ「スカイダイビングで結婚式っていうのはあるわよ?」
ジョミー「それなのかなあ? 結婚する気満々だったもんね」

などとシャン学メンバーは騒いでおりますが、肝心の教頭先生は。

ハーレイ「す……スカイダイビングだと?」
ブルー 「そうだよ、ぼくを満足させてくれるんだろう?」
ゼル  「ここは一発、頑張らんかい! 男じゃろうが!」
ブラウ 「出来ないだなんて言わないだろうね? 今日のメインだ」
ハーレイ「…そ、それはブルーとの結婚式では……」
ブラウ 「何を寝言を言ってるんだい、思い上がりも大概にしな」
ゼル  「まったく呆れたヤツじゃわい…。結婚じゃと?」
ヒルマン「どうやら勘違いをしていたようだね、気の毒だが」
エラ  「日頃の妄想が悪いのです。普段から暴走しがちですから」
ハーレイ「し、しかし…。タキシードだし、ブルーと二人なのだし…」
ブルー 「誰が結婚するって言った? 思い込むようにはしたけれど」

でないと連れ出せないからねえ…、と生徒会長は悪魔の微笑み。

ブルー 「最初からスカイダイビングだとバラしていたら来ないだろ?」
ハーレイ「…ほ、本当にスカイダイビング…なのか?」
ブルー 「大丈夫、ぼくも一緒に飛ぶからさ」
ゼル  「ブルーはその道の達人じゃしのう、任せておけい!」
ブラウ 「そうそう、成層圏からでも飛べるんだしね」
ハーレイ「で、では…。ブルーを満足させるというのは…」
ブルー 「君が期待した方面じゃなくて、スピードかな?」
ハーレイ「スピード?」
ブルー 「降下速度が見どころなんだよ、ハーレイの日だし!」
ハーレイ「な、なんだそれは?」
ブルー 「だから、ハーレイ!」

盛大に勘違いをしていた教頭先生はスピードが苦手。
はてさて、今後の展開は…?

2012/08/21 (Tue)

 

☆自由落下と速度


ハーレイの日だけに、生徒会長との結婚式だと思い込んでいた教頭先生。
しかし実態は結婚どころか別物で…。

ジョミー「結婚式じゃなかったんだ…」
ぶるぅ 「ぼく、最初から言ってたもん! 違うんだって!」
キース 「悪かった、ぶるぅ。…でもってスカイダイビングなんだな?」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ だからソルジャーの格好なんだよ!」

飛ぶならアレが一番だもんね、と「そるじゃぁ・ぶるぅ」はニコニコ顔。
けれど教頭先生の方は。

ハーレイ「ほ、本当にスカイダイビングなのか…?」
ブルー 「今更嘘を言うとでも? 見物客も集まってるのに」
ゼル  「騙されたお前が悪いんじゃ! ブルーは楽しみにしておるぞ」
ハーレイ「そう…なのか…?」
ブルー 「もちろんさ。ハーレイの日にピッタリなんだよ」
ブラウ 「どの辺がだい? そりゃハーレイはパニックだろうけど…」
エラ  「スピードは半端じゃないものね。でも、それだけなの?」
ヒルマン「これだけの客を集めたんだ。何かあるんじゃないのかね?」
ブルー 「よくぞ聞いてくれました…ってね」

生徒会長、意気揚々とマイクに向かって。

ブルー 「今日のスカイダイビングは降下速度に注目だ!」
ジョミー「降下速度?」
ブルー 「オリンピックの開会式でスカイダイビングがあっただろう?」
ブラウ 「ああ、女王陛下も御出演のサプライズだっけね」
ブルー 「ハーレイの日にはアレを超えたい、と思っていたら…」
キース 「ニュースを見たとか言っていたな?」
ブルー 「そう、それは素晴らしいネタが降って来たわけ」
ゼル  「ニュースとな? どんなニュースじゃ?」
ブルー 「超音速の自由落下を目指す男!」
全員  「「「超音速!?」」」
ブルー 「生身で音速を超える初の人類を目指すんだってさ」

ぼくはとっくに超えているけど、と生徒会長は笑顔でございます。
第一宇宙速度を突破して飛べるのは本当の話。
ですが、超音速での自由落下を目指す男がどうしたと…?

2012/08/22 (Wed)

 

☆自由落下と音速


生徒会長が見たというニュースは超音速での自由落下を目指す男。
ハーレイの日に向けてネタ探し中だけに、思い切り閃いたそうでして…。

ブルー 「これしかない! と思ったんだよ」
ジョミー「もしかして先にやっちゃおうって? 音速超え」
キース 「まさかギネスを目指すつもりじゃないだろうな?」
ゼル  「いかん、いかんぞ! ギネスなんぞはもっての外じゃ」
ヒルマン「ブルー…。我々はあまり目立ってはならないのだよ」
エラ  「ええ、そうです。ギネスに登録などとなったら…」
ブラウ 「色々と調べが入るだろうしね。その計画はやめときな」

長老の先生方、口々に止めておられます。
そりゃそうでしょう、サイオンの存在が極秘なだけに無理もないですが。

ブルー 「誰がギネスに載せるって言った?」
ブラウ 「違うのかい?」
ブルー 「ぼくも一応ソルジャーだよ? その辺はちゃんと心得てるさ」
ゼル  「だったら何をすると言うんじゃ?」
ブルー 「そもそも音速を超えようだなんて思ってないし!」
全員  「「「えっ!?」」」

この流れで音速超えを目指さないだなんて、何かが変でございます。
せっかくハーレイの日だというのに…。

ジョミー「音速超えをするんじゃないの?」
ブラウ 「ギネス登録はともかくとして、音速超えは楽しいじゃないか」
ゼル  「この際じゃ、やってしまわんかい!」
ブルー 「うーん…。どうする、ハーレイ? 期待されてるみたいだよ」
ハーレイ「…わ、私は……そういうのは……」

教頭先生、顔面蒼白。
スカイダイビングとスピードだけでも大概な企画なわけですし。

ハーレイ「頼む、スピードは苦手なんだ! …音速超えはちょっと…」
ブルー 「やっぱりそう? じゃあ、最初からのプランどおりで」
ハーレイ「スカイダイビングは外せないのか…?」
ブルー 「外せないねえ、二人でチャレンジするんだろ?」

逃がさないよ、と生徒会長、教頭先生をガッツリ確保。
教頭先生、万事休すか…?

2012/08/23 (Thu)

 

☆ハーレイな速度


ハーレイの日のイベントは教頭先生と生徒会長のスカイダイビング。
生徒会長、最初から音速超えなぞを目指してはいないそうですけども…。

ハーレイ「…ど、どうしてスカイダイビングなんだ!」
ブルー 「閃いたって言ったじゃないか。聞いてなかった?」
ゼル  「その件はワシも聞きたいのう。何故なんじゃ?」
ブラウ 「ギネスは目指してないんだろう? 意図が全く不明だよ」
ブルー 「大切なのはスピードなわけ。ハーレイの日だし」
ヒルマン「記念に音速を突破するんじゃないのかね?」
ブルー 「そこまで行ったらやりすぎだよ」
全員  「「「は?」」」
ブルー 「超音速だとハーレイの日じゃなくなっちゃうんだ」
ブラウ 「どういう意味だい?」
ブルー 「ハーレイの日の由来は何だっけ?」

ニッコリ微笑む生徒会長。
それに応じてあちこちから声が上がっております。

ジョミー「確かハチレイイチ…だよね?」
キース 「ああ、0801でハーレイだ。本来は8月1日の筈だ」
ブラウ 「今日に振り替えになっちまったけど801だねえ…」
ブルー 「ご名答。その801が大切なんだ」
ゼル  「スカイダイビングとどう繋がるんじゃ?」
ブルー 「んーと…。ぼくが見ていたニュースではねえ…」

ちょっと解説、と生徒会長は指を一本立てて。

ブルー 「音速超えを目指すための最終実験で、高度2万9455メートル」
ゼル  「ふむふむ、そこから飛んだんじゃな?」
ブルー 「そうさ、気球に吊るしたカプセルで上昇してね」
エラ  「で、どうなったの?」
ブルー 「落下時間は3分48秒、最高時速は862キロだってさ」
ゼル  「ほほぉ…。するとアレじゃな、801キロを目指すんじゃな」
ブルー 「そのとおり! 目標は時速801キロ!」
ハーレイ「……は、801キロ……」
ブルー 「うん。ぼくと一緒にチャレンジしようよ」

身の安全は保障するから、と言われましても。
スピードが苦手な教頭先生、そんな速度に耐えられるのか?

2012/08/24 (Fri)

 

☆教頭先生の決意


ハーレイの日のメインイベント、スカイダイビング。
目標は時速801キロ、ハーレイな速度の自由落下だそうでございます。

ブルー 「ハーレイには腕時計式の速度計を装着して貰うんだ」
ゼル  「なるほど…。ワシが作ったヤツじゃな」
ブルー 「高度は2万9455メートルでいいよね、801キロは確実だし」
ブラウ 「801キロに達した所で止めるのかい? ゴージャスだねえ」
ブルー 「そりゃもう! みんなも期待しているんだろ?」
ゼル  「もちろんじゃ! そこまで派手とは思わんかったが」
ブルー 「じゃ、そういうことで。行こうか、ハーレイ」
ハーレイ「ま、待ってくれ! 今日は私の日じゃなかったのか!?」
ブルー 「ハーレイの日だよ? だからお祝いにぼくと二人で」
ハーレイ「む、無理だ! 801キロなどは考えただけで…」
ブルー 「足がすくんで動けないって? そうなんだ…」

仕方ないね、と溜息をつく生徒会長。

ブルー 「ぼくと一緒に飛ぶのも嫌だし、ぼくも信用していないのか…」
ハーレイ「し、信用…?」
ブルー 「そう、信用。身の安全は保障するって言ったのにさ」
ハーレイ「そ、それはそうだが…」
ブルー 「だけど信じてないんだろ? 信じていたら飛べる筈だよ」
ゼル  「そうじゃ、そうじゃ! この腰抜けめが!」
ブラウ 「永久に結婚出来そうにないねえ、その調子だとさ」
ハーレイ「…そうなる…のか…?」
ブルー 「うん。ぼくを信じてくれない男はお断りだね」

今日はここまで、と生徒会長は教頭先生に背中を向けて。

ブルー 「みんな、残念だけどハーレイの日のイベントは中止だ」
一同  「「「えーっ!?」」」
ブルー 「ぼくはハーレイに心の底から失望したよ。最低だよね」
ハーレイ「……さ、最低……」

涙目になった教頭先生、グッと拳を握り締めると。

ハーレイ「わ、分かった! 私も男だ! 一緒に飛ぼう、ブルー!」

たちまち起こる拍手喝采。
教頭先生、本当にそれでいいんですか?

2012/08/25 (Sat)

 

☆いよいよ空へ


生徒会長とのスカイダイビングを決行しよう、と決意を固めた教頭先生。
そりゃ振られるよりマシなんでしょうが…。

ブルー 「やっと決心がついたって? それじゃ早速」
ハーレイ「き、気球に乗るのか…?」
ブルー 「ううん、そこの所は特別サービス! ハーレイの日だし」
ハーレイ「特別サービス?」
ブルー 「そうさ、ぼくが君を抱えて飛び上がるわけ。最高だろう?」
ハーレイ「お、お前と…なのか…?」
ブルー 「うん、こんな感じでグッと密着」

ギュウッと教頭先生に抱き付く生徒会長。
フラッシュが光りテレビカメラも追っている中、教頭先生、鼻血再び。

ブルー 「あーあ…。ホントに大丈夫かなぁ?」
ハーレイ「す、すまん…」
ゼル  「ブルー、上では気を付けるんじゃぞ? 相手は痴漢じゃ」
ブラウ 「なんだい、それは?」
ゼル  「先月のサマースクールで色々と…のう。覗きにお触り」
エラ  「如何にもありそうな話です。ブルー、用心するのですよ」
ハーレイ「ち、違う! 私は決して痴漢などは…!」
ヒルマン「痴漢は誰でもそう言うものだよ。恥を知るのだね」
ブルー 「良かったねえ、ハーレイ。注意で済んで」
ハーレイ「……ほ、本当に違うのだが……」

濡れ衣なのだ、といくら訴えても誰も聞く耳を持つ筈がなく。
教頭先生、痴漢の容疑が晴れないままで生徒会長と建物の外へ。

ブルー 「じゃあ、行って来るよ。カメラの準備はOKなんだね?」
中継男性「はい! 上昇中から着陸までの全てを追える仕様です!」
ブルー 「それは楽しみ。はい、ハーレイはこれを背負って」
ハーレイ「何だ、これは?」
ブルー 「パラシュートさ。君を地上まで送り届ける気は無いから」
ハーレイ「は?」
ブルー 「801キロまではサポートするけど、その後は自力!」
ハーレイ「む、無理だ、私には絶対に無理だ!」

パラシュートを開くよりも先に気絶する、と教頭先生は真っ青です。
そうなる確率は高そうですけど、無事に生還出来るのか…?


※シャングリラ学園生徒会室、本日でオープン1周年を迎えました。
 毎日更新で年中無休ですけど、『毎日シャン学』 になってからでは
 まだ1周年になっておりません。そちらは9月9日で1周年ですね。
 此処までお越し下さる皆様に感謝、感謝でございます。

 さてと、何処まで行けるかなぁ?

2012/08/26 (Sun)

 

☆大空を目指せ


801キロまではサポートするが、その先は自力でやれという生徒会長。
教頭先生、無理だと絶叫しておられます。

ハーレイ「そ、そんな速さまで私は保たん!」
ブルー 「ふうん? ぼくを放って気絶するんだ?」
ゼル  「最低じゃのう…。自分だけ先に昇天なんぞは男の恥じゃ!」
ヒルマン「私もゼルに賛成だね。パートナーを満足させるべきだよ」
ハーレイ「…し、しかし…」
ブラウ 「ま、いいんじゃないかい? ハーレイには似合いさ」
エラ  「そうねえ、いつも勝手に鼻血で昇天だものね」
ブルー 「なのに結婚する気でいたというのが厚かましいよ」

無理、無茶、無駄、と生徒会長に嘲笑われても、教頭先生、反論不可能。

ブルー 「こんな調子じゃ結婚しても結果は同じさ。一人で昇天」
ゼル  「肝心の夫婦生活も営めないくせに痴漢とはのう…」
ブラウ 「だから痴漢に走るんだよ。覗きとお触りが限界なのさ」
ヒルマン「いやはや、本当に情けない。甲斐性なしとはこのことだよ」
ハーレイ「違う、痴漢は濡れ衣だ! 私は何も…」
ブルー 「濡れ衣か何か知らないけどね、勝手に昇天は頂けないな」
ハーレイ「…わ、私にいったいどうしろと…」
ブルー 「801キロまで耐え抜けた時は、少し評価が上がるかも」
ハーレイ「ほ、本当か?」
ブルー 「うん。ちょっとは見直す気になる…かもしれない」

結婚生活はともかくとして、と生徒会長は笑っておりますが。
もはや全く聞いていないのが教頭先生クオリティ。

ハーレイ「そ、そうか…。801キロに耐えたら男が上がるのだな」

頑張るぞ、とパラシュートを背負い、蝶ネクタイを直す教頭先生。

ハーレイ「行こうか、ブルー。お前のために根性を出そう」
ブルー 「やる気になった? パラシュートを開く仕掛けはね…」
ハーレイ「ふむふむ、意外に単純なのだな」

これならいける、と教頭先生は自信満々でらっしゃいますけど。
時速801キロとやらに耐えられなければ、おしまいなんじゃあ…?

2012/08/27 (Mon)

 

☆飛び立つ教頭先生


ハーレイの日な落下速度は801キロ。
その速さまで耐えることが出来たら、教頭先生の評価が上がるそうです。

ブルー 「ホントに覚悟はいいんだね?」
ハーレイ「もちろんだ。お前との結婚生活に向けて頑張る所存だ」
ブルー 「またまた勝手に盛り上がってるよ…。それでこそだけどさ」
ハーレイ「何か言ったか?」
ブルー 「ううん、なんにも。おっと、忘れるとこだった」

出掛ける前に、とゼル先生から小型カメラを受け取る生徒会長。

ブルー 「えっと、電源を入れるだけだよね?」
ゼル  「うむ。基本はデジカメと全く同じじゃ。これがズームで…」
ブルー 「ありがとう。これでバッチリ中継出来る」
ハーレイ「は?」
ブルー 「中継用のカメラも飛んでいるけど、物足りないだろ?」

迫真の映像ってヤツも欲しいんだ、と生徒会長は笑っております。
どの映像を放送するかは中継係の腕の見せ所で。

ブルー 「じゃあ、出発!」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ いってらっしゃ~い!」
ハーレイ「う、うわぁっ!?」

生徒会長、教頭先生の腰をグッと抱えて華麗に離陸いたしました。
目指すは高度2万9455メートル。アッという間に点となり…。

ブラウ 「流石だねえ…。おっと、痴漢はしてないだろうね?」
ヒルマン「それどころではないようだよ」

建物の前に据えられた巨大スクリーンに映る中継映像。
教頭先生、生徒会長にしがみつくのが精一杯でございます。

ゼル  「ハーレイが着けた腕時計には高度計もついておるんじゃ」
キース 「画面の数字はそれですか?」
ゼル  「そのとおりじゃ! もう2万メートルに達したようじゃぞ」
ジョミー「そっか、もうすぐ落ち始めるんだ…」
ブラウ 「おーっと、言ってる間に御到着だよ」

画面下の数字が2万9455になり、映像がパッと切り替わって。

ジョミー「凄いや、笑顔でVサインだ!」
キース 「ブルーだけがな…」

いよいよ始まる自由落下。
引き攣った顔の教頭先生の明日はどっちだ!?

2012/08/28 (Tue)

 

☆801キロを目指せ


快晴の中、高度2万9455メートルまで上昇した生徒会長と教頭先生。
生徒会長は満面の笑顔ですけど、教頭先生は全く余裕をお持ちではなく。

シロエ 「教頭先生、真っ青ですね…」
キース 「あの高さまで上がるだけでも半端な速さじゃなかったしな」
サム  「ひょっとして801キロよりも速かったんじゃねえの?」
ゼル  「そのとおりじゃ! なにしろロケット並みじゃからな」
ジョミー「えっと…。それってどのくらい?」
ゼル  「秒速8キロは超えとるじゃろう」
ブラウ 「時速3万キロは軽いよ、なんと言ってもブルーだからねえ」
ジョミー「なんだ、それなら801キロで落っこちるくらい…」
スウェナ「大したことではないわよねえ?」
ヒルマン「さあ、どうだろうね。無事に生還出来ればいいが」
キース 「ま、待って下さい、冗談ですよね?」
ゼル  「そりゃまあ、葬式は面倒じゃしのう…。暑い最中に」
ブラウ 「あたしだって御免だよ。なんで真夏に喪服なんだい」

猛暑の葬儀は身体に堪える、と長老の先生方は笑っておられます。
まさか本気でお葬式にはならないでしょうが…。

ぶるぅ 「かみお~ん♪ 始まるみたいだよ!」

中継画面の向こうで生徒会長が秒読み開始。
教頭先生はグッと唇を引き結び、足元は見ない姿勢のようで。

ブルー 「5、4、3…」
ハーレイ「………」
ブルー 「1、落下スタート!」

二人が揃って落ち始めるのをカメラがしっかり追っております。
マントを靡かせた生徒会長は慣れた様子でございますが。

ジョミー「…あれってシールドしてるのかな?」
キース 「ブルーの方は張ってるようだな」
シロエ 「でなきゃ髪とか思い切り逆立ちますもんねえ」
サム  「でもさ、教頭先生はシールドしてないみたいだぜ?」
ゼル  「それはな、ハーレイが阿呆だからじゃ!」
ブラウ 「思い付いてもいないってね。こりゃいいや」

真っ逆さまに落っこちてゆく教頭先生。
シールド無しで耐えられるのか…?

2012/08/29 (Wed)

 

☆只今、落下中


始まりました、自由落下。
時速801キロを目指す教頭先生、真っ逆さまに落下中でございますが。

シロエ 「えっと…。スカイダイビングって、あんなのでした?」
ジョミー「そういえば…。何か違うような気がするよね」
キース 「姿勢じゃないか? もっとこう、手足を広げてだな…」
ゼル  「基本の中の基本じゃな。わしは体験したことはないが」
ブラウ 「ブルーが教えてないんだろうねえ、あの様子じゃさ」
ヒルマン「いやいや、教えても無駄だったかもしれないよ」

下を見る余裕など無いだろうし、とヒルマン先生。

ヒルマン「シールドも張っていないのだからね、とてもとても」
ゼル  「あれでパラシュートを開くのは無理そうじゃのう…」
エラ  「それじゃやっぱり…」
ブラウ 「葬式だねえ、この暑いのに」

困ったものだ、と言われましても…。

ジョミー「ど、どうなっちゃうの、教頭先生…」
キース 「俺たちにどうこう出来ると思うか? くそっ、1分か…」
中継男性「1分が経過いたしました! まだまだですね」

画面下の速度は801キロには程遠く。
たまに切り替わる生徒会長のカメラからは教頭先生の必死の形相。

ブラウ 「うーん、案外頑張るもんだね」
ゼル  「死んだら元も子も無いからのう…」
ヒルマン「男を上げるのに必死なのだよ。夢はブルーとの結婚だ」
エラ  「でも…。ブルーとギャップがありすぎるわよ」

中継画面の生徒会長はシールドを張って優雅に降下中。
対する教頭先生はと言えば、タキシードも髪も風圧で乱れて滅茶苦茶で。

ゼル  「百年どころか千年の恋も冷めそうじゃわい」
ブラウ 「ブルーは最初から恋してないだろ?」
ヒルマン「そこに全く気付かないのがハーレイだよ」
エラ  「お蔭で私たちも楽しめるけど…」

お葬式となると大変よねえ、とエラ先生。
それだけは絶対無いのでしょうけど、801キロは目前です。
教頭先生、自力でパラシュートを開いて地上に帰ってこられますかねえ?

2012/08/30 (Thu)

 

☆ハーレイの日の結末


ハーレイの日な教頭先生のスカイダイビング。
落下時間は間もなく3分、時速801キロが近付いてまいりましたが…。

キース 「ど、どうなるんだ…」
ジョミー「本気でお葬式っていうのは無いよね?」
シロエ 「いくらなんでもやらないでしょう」
サム  「やったら殺人犯じゃねえかよ! ブルーが逮捕されちまう」
マツカ 「サムはそっちの心配ですか…」
スウェナ「いいんじゃない? あ、そろそろかしら?」
中継男性「間もなくです! 皆様、画面の数字にご注目を!」

落下速度を示す数字がグングン上がって、801に。

見物客 「「「ハーレイの日、バンザーイ!!!」」」

そこで数字はピタリと停止。
教頭先生、パラシュートを開くことが出来たのでしょうか?

ゼル  「…情けないのう、討ち死にしおった」
ヒルマン「いやいや、立ち往生と言うべきだよ。頑張った方だ」
ブラウ 「パラシュートだけは開いたようだねえ、そこまでだけどさ」
エラ  「結局、一人で昇天なのよね…」

中継画面に映っているのは見事に開いたパラシュート。
白地に赤で『祝・ハーレイの日』と大きく書かれております。
お祝いだから紅白なのか、紅白縞の下着を意識したのかは謎ですが…。

ジョミー「思いっ切り気絶してるよねえ…」
サム  「白目だもんなあ…。で、どうなるんだよ?」
ゼル  「決まっておろう。ハーレイを肴に宴会じゃ!」
キース 「そうなんですか?」
ブラウ 「そりゃそうさ。ハーレイの日だよ?」
キース 「嫌がらせにしか見えませんでしたが…」
ゼル  「キャプテンたるもの、娯楽を提供してなんぼじゃろうが!」
ヒルマン「この中継はウケたと思うよ、ブルーの案は素晴らしかった」

気絶したままの教頭先生、着地するなり担架で搬送。

ブルー 「801キロまで耐えてもアレじゃあね…」

パートナーを放って昇天する男に未来など無い、と毒づく生徒会長。
宴会の準備が始まりましたが、ハーレイの日の中継はここで終了です~。

2012/08/31 (Fri)

拍手[0回]

PR
カレンダー
06 2025/07 08
S M T W T F S
28 29 30 31
最新CM
[06/12 みゆ]
[06/12 Qちゃん]
[06/09 みゆ]
[06/09 Qちゃん]
[05/15 みゆ]
最新TB
プロフィール
HN:
みゆ
性別:
非公開
バーコード
ブログ内検索
P R
カウンター
アクセス解析
カウンター
アクセス解析