シャングリラ学園つれづれ語り
☆真剣に選ぶべき
さて、2月。寒さ本番なシーズンですけど、暦の春は近い件。
立春の前日の節分を控えて、生徒会室に集った御一同様。
シロエ 「どうするんです、今年の節分は?」
サム 「どうって、普通にサボリだろ?」
ジョミー「そうだよ、今年は平日だしさ…」
朝から行くならサボリ一択、とジョミー君が指すカレンダー。
ジョミー「特別生は出席義務も無いしね、節分が優先!」
シロエ 「いえ、それは当然のことですから…」
問題はそこじゃなくってですね、とシロエ君。
シロエ 「今年は何処に行くんですか、って話ですよ」
スウェナ「いつも通りに、七福神巡りで決定でしょ?」
キース 「俺も、そのつもりでいたんだが…」
いいスポットでも見付かったのか、とキース君の問い。
キース 「そういうことなら、検討する価値はあると思うが」
シロエ 「見付かったわけじゃないんですけど…」
節分も厄除けイベントですしね、とシロエ君が顎に当てる手。
シロエ 「真剣に選んだ方がいいんじゃあ、と思うんです」
サム 「なんでだよ?」
シロエ 「忘れたんですか、先月の件を」
一同 「「「は?」」」
先月の件というのは何だ、と首を傾げる面々。
マツカ 「先月って、何かありましたか?」
キース 「俺には、特にこれというのは…」
シロエ 「そりゃそうでしょうね、キース先輩の場合は」
平常運転、どちらかと言えばラッキーでした、と決め付けが。
シロエ 「ジョミー先輩に厄を丸投げ、そういう流れで」
一同 「「「あー…」」」
アレか、と鮮明に蘇る記憶。
サム 「そういや、ジョミーに回してたよなあ…」
ジョミー「回って来てたよ、思いっ切り!」
元はキースの厄だったのに…、とジョミー君、肩をブルッと。
ジョミー「逆立ちで始まったキースの厄がさ…」
スウェナ「ジョミーに回って、カニのエサだったわねえ…」
シロエ 「ギリギリで命拾いですけど…」
ヤバすぎでしたよ、とシロエ君も悪い顔色。
そういえば…。
2022/02/01 (Tue)
☆止まらなかった厄
節分は七福神巡りにお出掛け、それが定番な面々ですが。
行き先を真剣に選ぶべきだ、とシロエ君が提案したわけで。
シロエ 「あんな展開、誰も予想もしませんよ」
サム 「厄はキースの専売特許だと思ってたしよ…」
スウェナ「疫病仏って言われるほどだものねえ…」
厄はキースが引くのが定番、とスウェナちゃん、キッパリ。
スウェナ「まさか、ジョミーに回るだなんて…」
シロエ 「そこなんです。確かに、元々の発端はですね…」
ジョミー先輩が落としたカイロでしたが、とシロエ君の指摘。
シロエ 「でも、今までなら、キース先輩の逆立ちまでで…」
マツカ 「止まってましたね、他の人には影響ゼロで」
サム 「うんうん、それで間違いねえよ」
厄も呼ぶけど、ババも引くしよ…、とサム君も。
サム 「けど、先月は、ちょっと違ってたよなあ…」
ジョミー「マジで死ぬかと思ったよ、ぼくは!」
ジャンケンで助かったんだけどさ、とジョミー君。
ジョミー「あそこでジャンケンが来ていなかったら…」
シロエ 「カニのエサで決まりだったでしょう?」
ジョミー「漁船で沖に運び出されてね!」
網で巻かれて海にドボンだってば、とジョミー君、ブルブル。
ジョミー「他のみんなは、ブランド蟹を食べてるのにさ…」
サム 「ジョミーはカニのエサになるのな、海の底でよ」
ジョミー「しかも食べられて骨になった頃に、また漁船がさ…」
ぼくを食べたカニを獲りに来るんだ、とジョミー君の仏頂面。
ジョミー「そのカニを、ぶるぅが美味しく料理してさあ…」
サム 「俺たちが食うって話だったぜ」
スウェナ「本当に危なかったわねえ…」
今頃は死んでいたかもだわよ、とスウェナちゃん。
スウェナ「小豆粥の御利益で命拾いって所かしら?」
シロエ 「そうなりますけど、問題はですね…」
サム 「何なんだよ?」
シロエ 「厄が回ったという事実ですよ」
キース先輩の所で止まる代わりに、と言ってますけど。
確かに…。
2022/02/02 (Wed)
☆御利益不足かも
節分と言えば七福神巡り、毎年恒例の行事なんですけど。
行き先を真剣に選ぶべきだ、と提言したのがシロエ君で…。
シロエ 「いいですか? 今年の厄は半端ないのかも…」
サム 「マジかよ、それで止まらなかったのかよ?」
シロエ 「断言は出来ませんけどね…」
可能性としてはゼロじゃないです、とシロエ君の暗い表情。
シロエ 「そうだとしたら、いつもと同じにしたのでは…」
ジョミー「厄除けの効果がアヤシイってこと?」
御利益が不足するのかな、とジョミー君の問い。
ジョミー「七福神様に頼んでたんでは、効かないわけ?」
シロエ 「効くでしょうけど、例年ほどには…」
マツカ 「効き目が無いかも、ということですね?」
多少の厄は回ってくると…、とマツカ君も不安そうな顔。
マツカ 「もっと効きそうな所があるなら、そちらですか…」
シロエ 「七福神様にも、お参りは必要ですけれど…」
ブルー 「うん。今年は行かない、というのはダメだね」
ずいぶんと長いお付き合いだし、と生徒会長。
ブルー 「他所にもお願いしたんですが、は許されるけど」
キース 「そうだな、それが最低限の礼儀だ」
だったら、今年は二ヶ所なのか、とキース君、腕組み。
キース 「厄除けは俺も頼みたいしな、いいと思うが」
ジョミー「だからと言ってさ、ぼくに厄を回してくるのは…」
やめて欲しいな、とジョミー君。
ジョミー「自分の所で完結させるか、厄を引かないか…」
シロエ 「どっちかにして欲しいですねえ、本当に」
ところで、何処に行きましょうか、とシロエ君が戻した話。
シロエ 「七福神様の他に、もう一ヶ所です」
サム 「アテはあるのかよ?」
言い出しっぺのお前にはよ、とサム君が傾げている首。
サム 「俺には思い付かねえんだけど、厄除けのトコで」
シロエ 「いえ、それが…。恵方くらいしか…」
一同 「「「恵方?」」」
シロエ 「はい」
恵方巻の恵方ですね、との答えですけど。
お寿司…?
2022/02/03 (Thu)
☆恵方巻の効果は
節分はお寺で七福神巡り、毎年恒例のイベントですけど。
シロエ君が言うには、例年通りでは御利益が少なめかも。
ジョミー「えっと…? 恵方巻に何かお願いするわけ?」
サム 「まあ、アレも厄除けだよなあ、確かによ」
マツカ 「そういう話になってますよね」
御祈祷済みのも売られてますし、とマツカ君。
マツカ 「とはいえ、食べるだけで効果がありますか?」
ジョミー「どうなんだろうね、値段によるとか?」
キース 「御祈祷済みのヤツでなくても、高いんだが…」
高級料亭の恵方巻とかは、とキース君が捻っている首。
キース 「御祈祷済みとは比較にならんぞ」
スウェナ「そうよね、それに中身でも変わるわよ?」
高いお肉とか海鮮が入ると…、スウェナちゃんも。
スウェナ「だから値段では、無理な気がするわ」
サム 「御祈祷をした、神社とか寺の格かもなあ…」
キース 「それはあるかもしれないな」
ジョミー「じゃあさ、マツカに頼んでさ…」
凄い所で御祈祷を…、とジョミー君の視線がマツカ君に。
ジョミー「七福神巡りのお寺に頼めば、バッチリだよ!」
キース 「なるほどな。そして、お参りにも行けば…」
サム 「行き先も一ヶ所で済むんでねえの?」
他の所を探さなくても、とサム君も乗り気。
サム 「御祈祷済みの恵方巻を食って、厄除けだぜ!」
ジョミー「そうだよね、シロエ?」
恵方って言ってたんだから、とジョミー君、確認。
ジョミー「マツカに頼んで、御祈祷でオッケー?」
シロエ 「いえ、ぼくが言うのはそうじゃなくって…」
一同 「「「は?」」」
恵方巻の恵方なんだろう、と誰もがキョトン。
ジョミー「恵方巻って言わなかったっけ?」
シロエ 「その恵方だとは言いましたけど…」
サム 「何処が違うんだよ、恵方と言えば恵方巻だぜ」
ジョミー「そうだよ、他に何があるわけ?」
シロエ 「ですから、恵方ですってば!」
よく考えてみて下さいよ、と言われましても。
恵方ですよね?
2022/02/04 (Fri)
☆恵方巻とチラシ
節分は七福神巡りにお寺へ、毎年恒例の行事ですけれど。
シロエ君の説では今年は厄が多め、行き先を増やすとか。
スウェナ「恵方と言ったら、恵方巻でしょ?」
ジョミー「他に無いよね、そういうヤツって?」
シロエ 「あのですね…。恵方巻のチラシ見ましたか?」
早くから入ってましたけど、とシロエ君、皆をグルリと。
シロエ 「新聞の折り込みチラシとかです、他にも色々」
サム 「コンビニとかでも貼ってるよな?」
キース 「ああ、大抵の所にはあるんじゃないか?」
恵方巻を扱う店だったら…、とキース君も。
キース 「寿司屋でも貼っていたと思うが、何なんだ?」
シロエ 「そのチラシ、なんて書いてあります?」
ジョミー「えーっと…。種類と値段と、予約方法かな?」
サム 「そんなトコだよな、何処でもよ」
高いヤツが大きく載ってるんだぜ、とサム君、溜息。
サム 「美味そうだな、って思ったヤツは高くてよ…」
スウェナ「高校生のお小遣いでは、厳しいのよねえ…」
ジョミー「マツカなら、平気なんだろうけど…」
一介の高校生にはちょっと…、とジョミー君も落とす肩。
ジョミー「海鮮巻とか、焼肉入りのヤツとかさあ…」
キース 「大卒の俺にもキツイんだが?」
扱いが高校生だからな、とキース君も赤貧だという現実。
キース 「副住職までやっているのに、小遣い制だし…」
シロエ 「それは気の毒だと思いますけど、問題は…」
恵方ですよ、とシロエ君が繰り返す「恵方」なる言葉。
シロエ 「チラシに載っている筈ですしね、別格で」
ジョミー「だからさ、高い恵方巻だよね?」
シロエ 「違うと言っているんですけど!」
恵方巻じゃなくて恵方ですよ、とシロエ君、キレそう。
シロエ 「ズバリ、今年は北北西です!」
一同 「「「えっ?」」」
シロエ 「北北西で分からないなら、やや北ですね!」
キース 「そうか、恵方というヤツか!」
恵方巻を食べる方角だな、と大きく頷くキース君。
それで…?
2022/02/05 (Sat)
☆恵方巻のルール
節分はお寺へ出掛けて七福神巡り、毎年恒例ですけれど。
シロエ君の説では厄が多い今年、一ヶ所では心許なくて。
キース 「今年の恵方は北北西だが、それがどうした?」
シロエ 「キース先輩、たった今、なんて言いました?」
キース 「北北西だと言ったんだが?」
シロエ 「それの前です、恵方のことです」
恵方巻を食べる方角だと言いましたよね、とシロエ君。
シロエ 「一応、確認しておきますけど、キース先輩…」
キース 「今度は何だ?」
シロエ 「恵方巻を食べる作法は、ご存じですよね?」
キース 「当然だ。その年の恵方を向いてだな…」
黙々と無言で食べるものだ、とキース君、即答。
キース 「ついでに言うと、丸齧りするのがお約束だな」
サム 「うんうん、どんなにデカくってもよ…」
ジョミー「切って食べたらダメなんだよねえ、恵方巻は」
シロエ 「そうです、皆さん、よく出来ました」
それで正解、とシロエ君、皆を見回しまして。
シロエ 「さて、此処で改めて質問です。いいですか?」
キース 「まだあるのか?」
シロエ 「これからが大事なトコなんですよ」
皆さんもしっかり聞いて下さい、と大真面目な顔。
シロエ 「食べるルールがあるのが恵方巻ですね?」
キース 「その通りだが?」
シロエ 「では、それを破ると、どうなるんです?」
ジョミー「福が逃げるんじゃなかったっけ?」
お約束を守れば福が来るけど…、とジョミー君が横から。
ジョミー「違ったかなあ、他にもあった?」
キース 「基本はそうだが、御祈祷済みの恵方巻だと…」
サム 「厄除け効果もあった気がするぜ」
シロエ 「そう、ソレですよ!」
ぼくが言おうとしていたのは、とシロエ君、手をポンと。
シロエ 「恵方に向かって食べれば、厄除けでしょう?」
キース 「福が来るんだし、厄は来ないということか?」
シロエ 「そうなりませんか?」
キース 「確かにな…」
言われてみれば、と誰もが納得な説。
恵方効果…。
2022/02/06 (Sun)
☆恵方にあるなら
節分は七福神巡りにお寺へ、毎年恒例の行事ですけれど。
シロエ君が言うには厄の多い年、二ヶ所参拝という説が。
キース 「恵方からは、厄が来ないとするとだ…」
シロエ 「七福神巡りの他に一ヶ所、行くならですね…」
キース 「恵方にある場所が吉なんだな?」
シロエ 「そう思いませんか、キース先輩?」
皆さんだって…、と同意を求めるシロエ君。
シロエ 「同じ行くなら恵方ですってば、絶対に!」
サム 「でもよ、そういう売り込みはねえぜ?」
一同 「「「売り込み?」」」
サム 「恵方にあるトコが吉になるなら、毎年よ…」
該当するトコが売り込む筈だぜ、とサム君の指摘。
サム 「なんたって、アルテメシアは寺も神社も…」
ジョミー「多いもんねえ、当たりの所も多そうだよ」
サム 「だろ? なのに売り込まねえってことはよ…」
効果がねえってことでねえの、とサム君、疑いの眼差し。
サム 「恵方巻なら、恵方で吉かもしれねえけどさ…」
スウェナ「お寺や神社はダメってことね?」
サム 「そうじゃねえかなあ、売り込まねえなら」
ブルー 「ぼくの立場で言わせて貰えば、難しいんだよ」
その問題は、と生徒会長、いえ、銀青様。
ブルー 「恵方は最高の吉方位だから、吉だけど…」
シロエ 「何か問題があるんですか?」
ブルー 「いいかい、アルテメシアに住んでても…」
アルテメシアは広いわけでね、と銀青様が指差す窓。
ブルー 「東の端に住んでいる人には、西は西だよね?」
シロエ 「そうですけど…?」
ブルー 「でもねえ、西に住んでる人からすれば…」
地元の神社が東になったりする場合もね、と銀青様。
ブルー 「神社の西側に住んでいたなら、神社はさ…」
ジョミー「東ってことになっちゃうね…」
ブルー 「そうだろう? その年の恵方が西だったら?」
シロエ 「隣の神社は東ですから…」
ブルー 「困らないかい?」
恵方じゃないしさ、と銀青様の仰せですけど。
真逆ですね…。
2022/02/07 (Mon)
☆恵方はどっちだ
節分はお寺へ七福神巡りにお出掛け、毎年恒例ですけど。
シロエ君の説では厄が多い今年、二ヶ所に参拝する話が。
ジョミー「そうか、恵方ですから、って売り込むのは…」
シロエ 「確かに無理がありますね…」
基準の地点を決めても駄目で…、と頷くシロエ君。
シロエ 「アルテメシアのド真ん中を基準にすると…」
ブルー 「当てはまらない人が増えると思うよ」
サム 「だよなあ、自分の家から見た恵方とよ…」
ジョミー「売り込んでる場所が、重ならないよね…」
恵方の真逆を売り込まれても…、とジョミー君も。
ジョミー「お参りしたって、御利益なさそうな感じでさ」
キース 「何の指定も無かった場合は、無問題だがな」
俺たちだって、毎年、同じ寺だぞ、とキース君も相槌を。
キース 「恵方がどっちの方角だろうが、七福神巡りだ」
シロエ 「真逆だった年も、きっとありましたよね?」
ブルー 「あったと思うね、通い続けて長いから」
スウェナ「それでも御利益は頂けたのよね…」
お参りの人も多いものね、とスウェナちゃん。
スウェナ「だったら、今年はどうするのよ?」
キース 「例年通りに一ヶ所でいくか?」
シロエ 「キース先輩は、それでいいかもですけど…」
厄を他人に回す側ですからね、とシロエ君、ブツブツ。
シロエ 「ぼくは御免ですよ、カニのエサなんて!」
ジョミー「ぼくも嫌だよ、また冬の海に沈む危機はさ!」
サム 「キースの厄が回って来たら、ヤバイしよ…」
マツカ 「御利益は多めに欲しいですよね…」
もう一ヶ所、お参りした方が…、とマツカ君たちも。
マツカ 「シロエの言う恵方が良さそうですけど…」
ジョミー「問題は、基準点だよね…」
みんなの家の場所がバラバラ、とジョミー君が仰ぐ天井。
ジョミー「ぼくの家から北北西でも、シロエだと…」
シロエ 「ズレちゃいますね、明らかに」
サム 「ド真ん中は、誰だよ?」
誰の家が真ん中にあるんだよ、と聞いてますけど。
さあ…?
2022/02/08 (Tue)
☆基準点は何処だ
節分はお寺で七福神巡り、毎年お出掛けな面々ですけど。
シロエ君が言うには厄が多い今年、もう一ヶ所という話。
キース 「俺の家は真ん中ではないぞ」
ジョミー「当たり前だよ、裏山がある勢いなんだし」
サム 「キースは除外で、他の面子になるのかよ?」
スウェナ「ダメよ、キースもカウントしなくちゃ」
キースも込みでのド真ん中でしょ、とスウェナちゃん。
スウェナ「マツカかしらねえ、立派なお屋敷」
シロエ 「でも、市街地のド真ん中ではないですよ?」
マツカ 「ええ、少し外れた場所になりますね」
サム 「市街地かどうかは、関係ねえだろ?」
要は、この面子の中で真ん中な家、とサム君の意見。
サム 「……もしかしなくても、此処なのかよ?」
ブルー 「そうなるかもねえ…」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ みんなも集まりやすい場所!」
一同 「「「うーん…」」」
生徒会長の家になるのか、と誰もが複雑な顔。
ジョミー「ブルーの家から恵方ってさ…」
シロエ 「みんなにとっても、恵方でしょうけど…」
キース 「ブルーは元々、厄に強いぞ?」
ぶるぅもだな、とキース君の鋭い指摘が。
キース 「何処かの馬鹿が湧いて出ても、だ…」
ジョミー「特に被害は無いよね、うん」
シロエ 「そういう人を、更に強化してもですね…」
なんだか意味が無いような気が、とシロエ君が傾げる首。
シロエ 「皆さんは、どう思います?」
スウェナ「明らかに無駄よね、更に無敵になるだけよ」
ジョミー「最強って言ってもいいくらいにね…」
サム 「あの馬鹿には敵わねえだろうけど…」
パワーアップは間違いねえよ、とサム君も。
サム 「ド真ん中ってのはやめようぜ、うん」
シロエ 「他の場所にした方がいいですよね…」
ジョミー「でもさあ、みんなと縁があってさ…」
キース 「基準に出来そうな場所だろう?」
マツカ 「そんなの、何処かありましたっけ…?」
学校くらいしか無いですよ、とマツカ君。
そうかも…。
2022/02/09 (Wed)
☆有難味が欲しい
節分は七福神巡りにお寺へ、毎年恒例の行事ですけれど。
シロエ君の説では厄が多い今年、もう一ヶ所に参拝希望。
ジョミー「そうだね、強いて言うなら学校だよね…」
サム 「他にねえよな、コレっていうヤツ…」
でもよ…、とサム君、フウと溜息。
サム 「学校から見て恵方ってのも、なんだかなあ…」
シロエ 「あんまり楽しくないですよね…」
マツカ 「有難味にも欠けている気がしますよ」
スウェナ「そこよ、学校は家ほど大事に思ってないし…」
そんな場所が基準点でいいの、とスウェナちゃんも。
スウェナ「もっと他にも無いのかしら?」
キース 「俺たち全員と縁がある場所で、有難味か…」
マツカ 「元老寺なんかは、それっぽいですけど…」
ジョミー「ダメダメ、キースが優先されちゃうから!」
あそこはキースの家なんだしね、とジョミー君が苦情を。
ジョミー「もっと公共のノリっぽいので、有難くて…」
シロエ 「そうだ、七福神様なんかどうでしょう?」
一同 「「「はあ?」」」
七福神様というのはアレか、と誰もがポカーン。
サム 「おいおいマジかよ、七福神ってよ…」
スウェナ「元から行き先に決まってるでしょ、節分の」
キース 「他にもう一ヶ所と提案したのは、お前だぞ?」
考えすぎて煮詰まったのか、と口々に文句ですけれど。
シロエ 「違いますって、ですから、基準点ですよ!」
ジョミー「基準点って…。もしかして、あのお寺を…」
基準に恵方を選ぶってこと、とジョミー君の問い。
ジョミー「あそこから見て北北西、って?」
シロエ 「ええ、いい案だと思いませんか?」
毎年、お世話になっている場所ですし…、とシロエ君。
シロエ 「御利益があって、御縁もですね…」
キース 「確かに深い場所ではあるな、節分限定だが」
シロエ 「それを言うなら、恵方自体が限定イベです!」
キース 「恵方は一年中、恵方なんだぞ」
節分に脚光を浴びるだけで、との指摘ですけど。
七福神ですか…。
2022/02/10 (Thu)
☆マイナーな気が
節分はお寺で七福神巡り、毎年恒例のイベントですけど。
シロエ君の説では今年は厄が多めで、もう一ヶ所な案が。
キース 「いいか、恵方は歳徳神がおいでの方向で…」
ブルー 「一年間は固定なんだよ、節分だけじゃなくて」
シロエ 「あー…。まあ、その話は置いといてですね…」
恵方の基準点は七福神のお寺で如何ですか、とシロエ君。
シロエ 「御利益も御縁もバッチリですし、有難味も…」
マツカ 「あそこだったら、もう充分にありますよね」
ジョミー「いいんじゃないかな、其処に一票!」
サム 「俺も入れるぜ、七福神様からの恵方だしよ…」
御利益も最高なんでねえの、とサム君も乗り気。
サム 「基準点には、もってこいだぜ!」
スウェナ「そうねえ、ツイてる感じだわよ」
キース 「俺も反対する理由は無いな」
シロエ 「じゃあ、七福神のお寺で決まりですね?」
あそこから北北西の所で、とシロエ君が纏めた結論。
シロエ 「お寺でも神社でもいいんですけど…」
サム 「あったっけかなあ、あの辺によ…」
マツカ 「きっとマイナーな所ですよ」
七福神様のお寺自体が郊外ですし…、とマツカ君。
マツカ 「有名どころは恐らく無いかと思いますけど」
シロエ 「そうですよねえ、其処が問題で…」
ブルー 「君たち、本当にアルテメシアの住人かい?」
一同 「「「え?」」」
何か、と一同、キョトンとした顔。
ジョミー「生まれも育ちも、アルテメシアだけど?」
シロエ 「ぼくもそうです、他の皆さんも…」
スウェナ「全員、そうよね?」
そうだ、そうだ、と誰もが口々に。
シロエ 「会長、何が言いたいんですか?」
ブルー 「何か忘れていないかい、とね」
有名どころがあるのにさ、と生徒会長。
シロエ 「それって、北北西ですか?」
ブルー 「完璧にね!」
シロエ 「あの近くに、何かありましたっけ…?」
一同 「「「うーん…」」」
どうだったっけ、と顔を見合わせる面々ですけど。
北北西…?
2022/02/11 (Fri)
☆心当たりがゼロ
節分は七福神巡りにお寺へ、毎年恒例の行事なんですが。
シロエ君の説では厄が多い今年、もう一ヶ所に参拝希望。
ジョミー「七福神のお寺の北北西だよね?」
マツカ 「その方角は竹藪でしたね、境内から見ると」
キース 「竹藪の向こうは、一応、住宅街だが…」
そんな所に寺があったか、と副住職が傾げる首。
キース 「地元密着型ならともかく、有名どころなら…」
スウェナ「聞いたことくらいは、ある筈よねえ?」
シロエ 「行こうとは思わなくてもですね…」
知識はあると思うんですよ、とシロエ君も。
シロエ 「今は御朱印も流行ってますから」
サム 「うんうん、寺とか神社とかでよ…」
貰って来るのが流行りだもんな、とサム君の相槌。
サム 「有名どころだと、行列だとか、転売もよ…」
ジョミー「あるって言うよね、ぼくは集めてないけど」
シロエ 「ジョミー先輩の場合、避けてるでしょう?」
ジョミー「そうだよ、危うきに近寄らずだよ!」
自分から出掛けてどうするのさ、とジョミー君、即答。
ジョミー「ただでも坊主にされそうなのに!」
シロエ 「お寺との御縁は欲しくないですよね」
ジョミー「当たり前だよ! あ、節分のお参りはさ…」
別だからね、と慌てて付け加える人。
ジョミー「お寺でも福をくれるんだったら、喜んで!」
シロエ 「厄除けもかかってますからねえ…」
特に今年は、とシロエ君も大真面目。
シロエ 「ですけど、心当たりのお寺が…」
マツカ 「皆無ですよね、本当に」
キース 「神社は俺の守備範囲外だが、それでもだな…」
有名どころなら噂くらいは、とキース君、ブツブツと。
キース 「縁結びだろうが、縁切りだろうが…」
ジョミー「耳に入ると思うけど…」
ホントに謎だよ、とジョミー君。
ジョミー「第一、住宅街の向こうは…」
シロエ 「ド田舎ですよ?」
キース 「そこを過ぎると、山なんだがな…」
寺も神社も無さそうだぞ、とキース君の疑問。
山ではねえ…?
2022/02/12 (Sat)
☆ジョークなのかも
節分はお寺で七福神巡り、毎年恒例のイベントですけど。
シロエ君の説では今年は厄が多め、もう一ヶ所という話。
サム 「だよな、思いっ切り、山だよなあ…」
ジョミー「バーベキュー向けの川はあるけど…」
シロエ 「お寺なんかは無さそうですよね?」
あんな所に、とシロエ君。
シロエ 「おまけに有名どころだなんて、嘘っぽいです」
マツカ 「ブルーが嘘をつくとは思えませんけれど…」
キース 「該当するブツが無いからな…」
ジョークじゃないか、とキース君の新たな視点。
キース 「俺たちが行き先で詰んでいるから、こう…」
サム 「あー、気分転換に一発な!」
ジョミー「そうだね、詰んだままだとさ…」
斬新な発想も出来なくなるし、とジョミー君も納得。
ジョミー「だったら、此処で気分を切り替え!」
シロエ 「北北西にこだわらないとか、そっち系ですね」
キース 「ああ、そういうのでいいんじゃないか?」
厄除けに御利益のある所を探そう、とキース君の案。
キース 「この際、恵方は考慮しないで…」
シロエ 「ですね、こだわると詰みますから」
ブルー 「あのねえ…」
この状況で誰がジョークをかますんだい、と生徒会長。
ブルー 「ぼくは大真面目に言ったんだけどね?」
シロエ 「でもですね…!」
キース 「北北西に有名どころは無いぞ?」
それは確かだ、とキース君、反論。
キース 「ド田舎か山か、住宅街で…!」
ブルー 「その中に、ちゃんと入ってるけど?」
一同 「「「え?」」」
何処に、と誰もがキョロキョロと。
シロエ 「有名どころですよね…?」
ジョミー「知らないよね…?」
ブルー 「まあねえ、有名なんだけど…」
ちょっとアクセスが悪いからね、と生徒会長の返し。
キース 「何なんだ、それは?」
ブルー 「車で行くなら、四駆が必須なんだよねえ…」
シロエ 「山なんですか?」
ブルー 「ピンポーン!」
もう思いっ切り山の上で、と言ってますけど。
四駆…?
2022/02/13 (Sun)
☆スキー場だった山
節分は七福神巡りでお寺へ、毎年恒例の行事なんですが。
シロエ君の説では厄が多い今年、他にも参拝したい所で。
サム 「山の上って、何かあったっけか?」
シロエ 「四駆が必須と言いましたよね…?」
ブルー 「そもそも、舗装道路自体が無いからねえ…」
山の麓で終わりなんだよ、と生徒会長。
ブルー 「七福神巡りで乗るバスの終点なんだけど?」
キース 「アレか、火伏せの神様か…!」
山の上にポツンとある神社だな、とキース君が打った手。
キース 「火伏せなら、火事を防いでくれるんだし…」
シロエ 「厄も防いでくれそうですけど、問題は…」
立地ですね、とシロエ君が竦める肩。
シロエ 「千メートル近い山ですよ、アレ」
ジョミー「アルテメシアの最高峰だよ…」
キース 「ついでに今年は、雪が多くてだな…」
上の方は常に白いんだが、とキース君も良くない顔色。
キース 「ただでも冬場は、山頂付近は根雪で、だ…」
ジョミー「アイゼンが要るって話もあるよね…」
ブルー 「そりゃまあ、昔はスキー場があったほどだし」
一同 「「「スキー場!?」」」
あんな所に誰が行くんだ、と一同、仰天。
シロエ 「あのですね…。舗装道路も無いようなトコ…」
サム 「誰がスキーを担いで行くかよ、最高峰だぜ?」
ブルー 「昔と言ったよ、自動車が普及する前で…」
荷車は牛が引いたら上等、と生徒会長が立てる人差し指。
ブルー 「そんな頃だし、スキー板くらい、誰だって…」
キース 「担いで登って当然だった、と?」
ブルー 「スキーをするような人間はね!」
当然、リフトもあるわけがない、とトドメの台詞。
ブルー 「そういう山でも、好きな人は好きで登るから」
キース 「スキー場が無い今でも、この冬場にか?」
ブルー 「日課で登る、ご高齢の人が多いんだけど?」
一同 「「「ご高齢…」」」
ブルー 「その皆さんに、君たちはさ…」
負けたいのかい、と真顔で言われましても。
冬山ですよ?
2022/02/14 (Mon)
☆プロたちの装備
節分はお寺で七福神巡り、毎年恒例のイベントですけど。
シロエ君の説では今年は厄が多め、他にも参拝な流れで。
キース 「負けたいのか、と簡単に言ってくれるがな…」
シロエ 「その人たちって、プロでしょう?」
あの山に登る件に関しては…、とシロエ君。
シロエ 「装備は完璧、アイゼンだってつけてますよ!」
ブルー 「服に関しては、今どきな人もいるけどさ…」
ヒートテックとか色々あるし、と生徒会長の言。
ブルー 「でも、アイゼンの方はどうかなあ…」
ジョミー「カンジキだとか言わないでよ?」
ブルー 「どっちかと言えば、草鞋か縄かな」
昔の滑り止めの王道、と恐ろしすぎる台詞が。
ブルー 「そういうのを靴に縛り付ければオッケー!」
シロエ 「靴って、普通の靴にですか?」
ブルー 「長靴でもいいし、スニーカーでも使えるよ?」
キース 「嘘だ、と言いたい所なんだが…」
その技は坊主も使うんだよな、とキース君も。
キース 「修行によっては、雪山登山もアリだから…」
シロエ 「草鞋や縄で滑り止めですか?」
キース 「そう聞いているな、あの業界では」
ブルー 「うん、現役の雪山装備だよね」
坊主の世界でも、あの山でも…、と生徒会長の笑み。
ブルー 「だから君たちも、負けずにチャレンジ!」
一同 「「「げっ!!!」」」
??? 「いいね、いいねえ、チャレンジ精神!」
これぞ人生、とソルジャー(会話表記はAブルー)登場。
Aブルー「節分は雪山に登るんだって?」
キース 「いや、決まったわけではないんだが…!」
あくまで案の一つにすぎん、とキース君が張る予防線。
キース 「そもそも、其処に行くかどうかも…」
シロエ 「決まってませんし、先走らないで下さいよ」
Aブルー「そうかなあ? いいと思うんだけど…」
シロエ 「どの辺がいいと言うんです!」
Aブルー「もちろん、チャレンジ精神だってば!」
凄い装備で挑むんだろう、と決め付けですけど。
草鞋…?
2022/02/15 (Tue)
さて、2月。寒さ本番なシーズンですけど、暦の春は近い件。
立春の前日の節分を控えて、生徒会室に集った御一同様。
シロエ 「どうするんです、今年の節分は?」
サム 「どうって、普通にサボリだろ?」
ジョミー「そうだよ、今年は平日だしさ…」
朝から行くならサボリ一択、とジョミー君が指すカレンダー。
ジョミー「特別生は出席義務も無いしね、節分が優先!」
シロエ 「いえ、それは当然のことですから…」
問題はそこじゃなくってですね、とシロエ君。
シロエ 「今年は何処に行くんですか、って話ですよ」
スウェナ「いつも通りに、七福神巡りで決定でしょ?」
キース 「俺も、そのつもりでいたんだが…」
いいスポットでも見付かったのか、とキース君の問い。
キース 「そういうことなら、検討する価値はあると思うが」
シロエ 「見付かったわけじゃないんですけど…」
節分も厄除けイベントですしね、とシロエ君が顎に当てる手。
シロエ 「真剣に選んだ方がいいんじゃあ、と思うんです」
サム 「なんでだよ?」
シロエ 「忘れたんですか、先月の件を」
一同 「「「は?」」」
先月の件というのは何だ、と首を傾げる面々。
マツカ 「先月って、何かありましたか?」
キース 「俺には、特にこれというのは…」
シロエ 「そりゃそうでしょうね、キース先輩の場合は」
平常運転、どちらかと言えばラッキーでした、と決め付けが。
シロエ 「ジョミー先輩に厄を丸投げ、そういう流れで」
一同 「「「あー…」」」
アレか、と鮮明に蘇る記憶。
サム 「そういや、ジョミーに回してたよなあ…」
ジョミー「回って来てたよ、思いっ切り!」
元はキースの厄だったのに…、とジョミー君、肩をブルッと。
ジョミー「逆立ちで始まったキースの厄がさ…」
スウェナ「ジョミーに回って、カニのエサだったわねえ…」
シロエ 「ギリギリで命拾いですけど…」
ヤバすぎでしたよ、とシロエ君も悪い顔色。
そういえば…。
2022/02/01 (Tue)
☆止まらなかった厄
節分は七福神巡りにお出掛け、それが定番な面々ですが。
行き先を真剣に選ぶべきだ、とシロエ君が提案したわけで。
シロエ 「あんな展開、誰も予想もしませんよ」
サム 「厄はキースの専売特許だと思ってたしよ…」
スウェナ「疫病仏って言われるほどだものねえ…」
厄はキースが引くのが定番、とスウェナちゃん、キッパリ。
スウェナ「まさか、ジョミーに回るだなんて…」
シロエ 「そこなんです。確かに、元々の発端はですね…」
ジョミー先輩が落としたカイロでしたが、とシロエ君の指摘。
シロエ 「でも、今までなら、キース先輩の逆立ちまでで…」
マツカ 「止まってましたね、他の人には影響ゼロで」
サム 「うんうん、それで間違いねえよ」
厄も呼ぶけど、ババも引くしよ…、とサム君も。
サム 「けど、先月は、ちょっと違ってたよなあ…」
ジョミー「マジで死ぬかと思ったよ、ぼくは!」
ジャンケンで助かったんだけどさ、とジョミー君。
ジョミー「あそこでジャンケンが来ていなかったら…」
シロエ 「カニのエサで決まりだったでしょう?」
ジョミー「漁船で沖に運び出されてね!」
網で巻かれて海にドボンだってば、とジョミー君、ブルブル。
ジョミー「他のみんなは、ブランド蟹を食べてるのにさ…」
サム 「ジョミーはカニのエサになるのな、海の底でよ」
ジョミー「しかも食べられて骨になった頃に、また漁船がさ…」
ぼくを食べたカニを獲りに来るんだ、とジョミー君の仏頂面。
ジョミー「そのカニを、ぶるぅが美味しく料理してさあ…」
サム 「俺たちが食うって話だったぜ」
スウェナ「本当に危なかったわねえ…」
今頃は死んでいたかもだわよ、とスウェナちゃん。
スウェナ「小豆粥の御利益で命拾いって所かしら?」
シロエ 「そうなりますけど、問題はですね…」
サム 「何なんだよ?」
シロエ 「厄が回ったという事実ですよ」
キース先輩の所で止まる代わりに、と言ってますけど。
確かに…。
2022/02/02 (Wed)
☆御利益不足かも
節分と言えば七福神巡り、毎年恒例の行事なんですけど。
行き先を真剣に選ぶべきだ、と提言したのがシロエ君で…。
シロエ 「いいですか? 今年の厄は半端ないのかも…」
サム 「マジかよ、それで止まらなかったのかよ?」
シロエ 「断言は出来ませんけどね…」
可能性としてはゼロじゃないです、とシロエ君の暗い表情。
シロエ 「そうだとしたら、いつもと同じにしたのでは…」
ジョミー「厄除けの効果がアヤシイってこと?」
御利益が不足するのかな、とジョミー君の問い。
ジョミー「七福神様に頼んでたんでは、効かないわけ?」
シロエ 「効くでしょうけど、例年ほどには…」
マツカ 「効き目が無いかも、ということですね?」
多少の厄は回ってくると…、とマツカ君も不安そうな顔。
マツカ 「もっと効きそうな所があるなら、そちらですか…」
シロエ 「七福神様にも、お参りは必要ですけれど…」
ブルー 「うん。今年は行かない、というのはダメだね」
ずいぶんと長いお付き合いだし、と生徒会長。
ブルー 「他所にもお願いしたんですが、は許されるけど」
キース 「そうだな、それが最低限の礼儀だ」
だったら、今年は二ヶ所なのか、とキース君、腕組み。
キース 「厄除けは俺も頼みたいしな、いいと思うが」
ジョミー「だからと言ってさ、ぼくに厄を回してくるのは…」
やめて欲しいな、とジョミー君。
ジョミー「自分の所で完結させるか、厄を引かないか…」
シロエ 「どっちかにして欲しいですねえ、本当に」
ところで、何処に行きましょうか、とシロエ君が戻した話。
シロエ 「七福神様の他に、もう一ヶ所です」
サム 「アテはあるのかよ?」
言い出しっぺのお前にはよ、とサム君が傾げている首。
サム 「俺には思い付かねえんだけど、厄除けのトコで」
シロエ 「いえ、それが…。恵方くらいしか…」
一同 「「「恵方?」」」
シロエ 「はい」
恵方巻の恵方ですね、との答えですけど。
お寿司…?
2022/02/03 (Thu)
☆恵方巻の効果は
節分はお寺で七福神巡り、毎年恒例のイベントですけど。
シロエ君が言うには、例年通りでは御利益が少なめかも。
ジョミー「えっと…? 恵方巻に何かお願いするわけ?」
サム 「まあ、アレも厄除けだよなあ、確かによ」
マツカ 「そういう話になってますよね」
御祈祷済みのも売られてますし、とマツカ君。
マツカ 「とはいえ、食べるだけで効果がありますか?」
ジョミー「どうなんだろうね、値段によるとか?」
キース 「御祈祷済みのヤツでなくても、高いんだが…」
高級料亭の恵方巻とかは、とキース君が捻っている首。
キース 「御祈祷済みとは比較にならんぞ」
スウェナ「そうよね、それに中身でも変わるわよ?」
高いお肉とか海鮮が入ると…、スウェナちゃんも。
スウェナ「だから値段では、無理な気がするわ」
サム 「御祈祷をした、神社とか寺の格かもなあ…」
キース 「それはあるかもしれないな」
ジョミー「じゃあさ、マツカに頼んでさ…」
凄い所で御祈祷を…、とジョミー君の視線がマツカ君に。
ジョミー「七福神巡りのお寺に頼めば、バッチリだよ!」
キース 「なるほどな。そして、お参りにも行けば…」
サム 「行き先も一ヶ所で済むんでねえの?」
他の所を探さなくても、とサム君も乗り気。
サム 「御祈祷済みの恵方巻を食って、厄除けだぜ!」
ジョミー「そうだよね、シロエ?」
恵方って言ってたんだから、とジョミー君、確認。
ジョミー「マツカに頼んで、御祈祷でオッケー?」
シロエ 「いえ、ぼくが言うのはそうじゃなくって…」
一同 「「「は?」」」
恵方巻の恵方なんだろう、と誰もがキョトン。
ジョミー「恵方巻って言わなかったっけ?」
シロエ 「その恵方だとは言いましたけど…」
サム 「何処が違うんだよ、恵方と言えば恵方巻だぜ」
ジョミー「そうだよ、他に何があるわけ?」
シロエ 「ですから、恵方ですってば!」
よく考えてみて下さいよ、と言われましても。
恵方ですよね?
2022/02/04 (Fri)
☆恵方巻とチラシ
節分は七福神巡りにお寺へ、毎年恒例の行事ですけれど。
シロエ君の説では今年は厄が多め、行き先を増やすとか。
スウェナ「恵方と言ったら、恵方巻でしょ?」
ジョミー「他に無いよね、そういうヤツって?」
シロエ 「あのですね…。恵方巻のチラシ見ましたか?」
早くから入ってましたけど、とシロエ君、皆をグルリと。
シロエ 「新聞の折り込みチラシとかです、他にも色々」
サム 「コンビニとかでも貼ってるよな?」
キース 「ああ、大抵の所にはあるんじゃないか?」
恵方巻を扱う店だったら…、とキース君も。
キース 「寿司屋でも貼っていたと思うが、何なんだ?」
シロエ 「そのチラシ、なんて書いてあります?」
ジョミー「えーっと…。種類と値段と、予約方法かな?」
サム 「そんなトコだよな、何処でもよ」
高いヤツが大きく載ってるんだぜ、とサム君、溜息。
サム 「美味そうだな、って思ったヤツは高くてよ…」
スウェナ「高校生のお小遣いでは、厳しいのよねえ…」
ジョミー「マツカなら、平気なんだろうけど…」
一介の高校生にはちょっと…、とジョミー君も落とす肩。
ジョミー「海鮮巻とか、焼肉入りのヤツとかさあ…」
キース 「大卒の俺にもキツイんだが?」
扱いが高校生だからな、とキース君も赤貧だという現実。
キース 「副住職までやっているのに、小遣い制だし…」
シロエ 「それは気の毒だと思いますけど、問題は…」
恵方ですよ、とシロエ君が繰り返す「恵方」なる言葉。
シロエ 「チラシに載っている筈ですしね、別格で」
ジョミー「だからさ、高い恵方巻だよね?」
シロエ 「違うと言っているんですけど!」
恵方巻じゃなくて恵方ですよ、とシロエ君、キレそう。
シロエ 「ズバリ、今年は北北西です!」
一同 「「「えっ?」」」
シロエ 「北北西で分からないなら、やや北ですね!」
キース 「そうか、恵方というヤツか!」
恵方巻を食べる方角だな、と大きく頷くキース君。
それで…?
2022/02/05 (Sat)
☆恵方巻のルール
節分はお寺へ出掛けて七福神巡り、毎年恒例ですけれど。
シロエ君の説では厄が多い今年、一ヶ所では心許なくて。
キース 「今年の恵方は北北西だが、それがどうした?」
シロエ 「キース先輩、たった今、なんて言いました?」
キース 「北北西だと言ったんだが?」
シロエ 「それの前です、恵方のことです」
恵方巻を食べる方角だと言いましたよね、とシロエ君。
シロエ 「一応、確認しておきますけど、キース先輩…」
キース 「今度は何だ?」
シロエ 「恵方巻を食べる作法は、ご存じですよね?」
キース 「当然だ。その年の恵方を向いてだな…」
黙々と無言で食べるものだ、とキース君、即答。
キース 「ついでに言うと、丸齧りするのがお約束だな」
サム 「うんうん、どんなにデカくってもよ…」
ジョミー「切って食べたらダメなんだよねえ、恵方巻は」
シロエ 「そうです、皆さん、よく出来ました」
それで正解、とシロエ君、皆を見回しまして。
シロエ 「さて、此処で改めて質問です。いいですか?」
キース 「まだあるのか?」
シロエ 「これからが大事なトコなんですよ」
皆さんもしっかり聞いて下さい、と大真面目な顔。
シロエ 「食べるルールがあるのが恵方巻ですね?」
キース 「その通りだが?」
シロエ 「では、それを破ると、どうなるんです?」
ジョミー「福が逃げるんじゃなかったっけ?」
お約束を守れば福が来るけど…、とジョミー君が横から。
ジョミー「違ったかなあ、他にもあった?」
キース 「基本はそうだが、御祈祷済みの恵方巻だと…」
サム 「厄除け効果もあった気がするぜ」
シロエ 「そう、ソレですよ!」
ぼくが言おうとしていたのは、とシロエ君、手をポンと。
シロエ 「恵方に向かって食べれば、厄除けでしょう?」
キース 「福が来るんだし、厄は来ないということか?」
シロエ 「そうなりませんか?」
キース 「確かにな…」
言われてみれば、と誰もが納得な説。
恵方効果…。
2022/02/06 (Sun)
☆恵方にあるなら
節分は七福神巡りにお寺へ、毎年恒例の行事ですけれど。
シロエ君が言うには厄の多い年、二ヶ所参拝という説が。
キース 「恵方からは、厄が来ないとするとだ…」
シロエ 「七福神巡りの他に一ヶ所、行くならですね…」
キース 「恵方にある場所が吉なんだな?」
シロエ 「そう思いませんか、キース先輩?」
皆さんだって…、と同意を求めるシロエ君。
シロエ 「同じ行くなら恵方ですってば、絶対に!」
サム 「でもよ、そういう売り込みはねえぜ?」
一同 「「「売り込み?」」」
サム 「恵方にあるトコが吉になるなら、毎年よ…」
該当するトコが売り込む筈だぜ、とサム君の指摘。
サム 「なんたって、アルテメシアは寺も神社も…」
ジョミー「多いもんねえ、当たりの所も多そうだよ」
サム 「だろ? なのに売り込まねえってことはよ…」
効果がねえってことでねえの、とサム君、疑いの眼差し。
サム 「恵方巻なら、恵方で吉かもしれねえけどさ…」
スウェナ「お寺や神社はダメってことね?」
サム 「そうじゃねえかなあ、売り込まねえなら」
ブルー 「ぼくの立場で言わせて貰えば、難しいんだよ」
その問題は、と生徒会長、いえ、銀青様。
ブルー 「恵方は最高の吉方位だから、吉だけど…」
シロエ 「何か問題があるんですか?」
ブルー 「いいかい、アルテメシアに住んでても…」
アルテメシアは広いわけでね、と銀青様が指差す窓。
ブルー 「東の端に住んでいる人には、西は西だよね?」
シロエ 「そうですけど…?」
ブルー 「でもねえ、西に住んでる人からすれば…」
地元の神社が東になったりする場合もね、と銀青様。
ブルー 「神社の西側に住んでいたなら、神社はさ…」
ジョミー「東ってことになっちゃうね…」
ブルー 「そうだろう? その年の恵方が西だったら?」
シロエ 「隣の神社は東ですから…」
ブルー 「困らないかい?」
恵方じゃないしさ、と銀青様の仰せですけど。
真逆ですね…。
2022/02/07 (Mon)
☆恵方はどっちだ
節分はお寺へ七福神巡りにお出掛け、毎年恒例ですけど。
シロエ君の説では厄が多い今年、二ヶ所に参拝する話が。
ジョミー「そうか、恵方ですから、って売り込むのは…」
シロエ 「確かに無理がありますね…」
基準の地点を決めても駄目で…、と頷くシロエ君。
シロエ 「アルテメシアのド真ん中を基準にすると…」
ブルー 「当てはまらない人が増えると思うよ」
サム 「だよなあ、自分の家から見た恵方とよ…」
ジョミー「売り込んでる場所が、重ならないよね…」
恵方の真逆を売り込まれても…、とジョミー君も。
ジョミー「お参りしたって、御利益なさそうな感じでさ」
キース 「何の指定も無かった場合は、無問題だがな」
俺たちだって、毎年、同じ寺だぞ、とキース君も相槌を。
キース 「恵方がどっちの方角だろうが、七福神巡りだ」
シロエ 「真逆だった年も、きっとありましたよね?」
ブルー 「あったと思うね、通い続けて長いから」
スウェナ「それでも御利益は頂けたのよね…」
お参りの人も多いものね、とスウェナちゃん。
スウェナ「だったら、今年はどうするのよ?」
キース 「例年通りに一ヶ所でいくか?」
シロエ 「キース先輩は、それでいいかもですけど…」
厄を他人に回す側ですからね、とシロエ君、ブツブツ。
シロエ 「ぼくは御免ですよ、カニのエサなんて!」
ジョミー「ぼくも嫌だよ、また冬の海に沈む危機はさ!」
サム 「キースの厄が回って来たら、ヤバイしよ…」
マツカ 「御利益は多めに欲しいですよね…」
もう一ヶ所、お参りした方が…、とマツカ君たちも。
マツカ 「シロエの言う恵方が良さそうですけど…」
ジョミー「問題は、基準点だよね…」
みんなの家の場所がバラバラ、とジョミー君が仰ぐ天井。
ジョミー「ぼくの家から北北西でも、シロエだと…」
シロエ 「ズレちゃいますね、明らかに」
サム 「ド真ん中は、誰だよ?」
誰の家が真ん中にあるんだよ、と聞いてますけど。
さあ…?
2022/02/08 (Tue)
☆基準点は何処だ
節分はお寺で七福神巡り、毎年お出掛けな面々ですけど。
シロエ君が言うには厄が多い今年、もう一ヶ所という話。
キース 「俺の家は真ん中ではないぞ」
ジョミー「当たり前だよ、裏山がある勢いなんだし」
サム 「キースは除外で、他の面子になるのかよ?」
スウェナ「ダメよ、キースもカウントしなくちゃ」
キースも込みでのド真ん中でしょ、とスウェナちゃん。
スウェナ「マツカかしらねえ、立派なお屋敷」
シロエ 「でも、市街地のド真ん中ではないですよ?」
マツカ 「ええ、少し外れた場所になりますね」
サム 「市街地かどうかは、関係ねえだろ?」
要は、この面子の中で真ん中な家、とサム君の意見。
サム 「……もしかしなくても、此処なのかよ?」
ブルー 「そうなるかもねえ…」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ みんなも集まりやすい場所!」
一同 「「「うーん…」」」
生徒会長の家になるのか、と誰もが複雑な顔。
ジョミー「ブルーの家から恵方ってさ…」
シロエ 「みんなにとっても、恵方でしょうけど…」
キース 「ブルーは元々、厄に強いぞ?」
ぶるぅもだな、とキース君の鋭い指摘が。
キース 「何処かの馬鹿が湧いて出ても、だ…」
ジョミー「特に被害は無いよね、うん」
シロエ 「そういう人を、更に強化してもですね…」
なんだか意味が無いような気が、とシロエ君が傾げる首。
シロエ 「皆さんは、どう思います?」
スウェナ「明らかに無駄よね、更に無敵になるだけよ」
ジョミー「最強って言ってもいいくらいにね…」
サム 「あの馬鹿には敵わねえだろうけど…」
パワーアップは間違いねえよ、とサム君も。
サム 「ド真ん中ってのはやめようぜ、うん」
シロエ 「他の場所にした方がいいですよね…」
ジョミー「でもさあ、みんなと縁があってさ…」
キース 「基準に出来そうな場所だろう?」
マツカ 「そんなの、何処かありましたっけ…?」
学校くらいしか無いですよ、とマツカ君。
そうかも…。
2022/02/09 (Wed)
☆有難味が欲しい
節分は七福神巡りにお寺へ、毎年恒例の行事ですけれど。
シロエ君の説では厄が多い今年、もう一ヶ所に参拝希望。
ジョミー「そうだね、強いて言うなら学校だよね…」
サム 「他にねえよな、コレっていうヤツ…」
でもよ…、とサム君、フウと溜息。
サム 「学校から見て恵方ってのも、なんだかなあ…」
シロエ 「あんまり楽しくないですよね…」
マツカ 「有難味にも欠けている気がしますよ」
スウェナ「そこよ、学校は家ほど大事に思ってないし…」
そんな場所が基準点でいいの、とスウェナちゃんも。
スウェナ「もっと他にも無いのかしら?」
キース 「俺たち全員と縁がある場所で、有難味か…」
マツカ 「元老寺なんかは、それっぽいですけど…」
ジョミー「ダメダメ、キースが優先されちゃうから!」
あそこはキースの家なんだしね、とジョミー君が苦情を。
ジョミー「もっと公共のノリっぽいので、有難くて…」
シロエ 「そうだ、七福神様なんかどうでしょう?」
一同 「「「はあ?」」」
七福神様というのはアレか、と誰もがポカーン。
サム 「おいおいマジかよ、七福神ってよ…」
スウェナ「元から行き先に決まってるでしょ、節分の」
キース 「他にもう一ヶ所と提案したのは、お前だぞ?」
考えすぎて煮詰まったのか、と口々に文句ですけれど。
シロエ 「違いますって、ですから、基準点ですよ!」
ジョミー「基準点って…。もしかして、あのお寺を…」
基準に恵方を選ぶってこと、とジョミー君の問い。
ジョミー「あそこから見て北北西、って?」
シロエ 「ええ、いい案だと思いませんか?」
毎年、お世話になっている場所ですし…、とシロエ君。
シロエ 「御利益があって、御縁もですね…」
キース 「確かに深い場所ではあるな、節分限定だが」
シロエ 「それを言うなら、恵方自体が限定イベです!」
キース 「恵方は一年中、恵方なんだぞ」
節分に脚光を浴びるだけで、との指摘ですけど。
七福神ですか…。
2022/02/10 (Thu)
☆マイナーな気が
節分はお寺で七福神巡り、毎年恒例のイベントですけど。
シロエ君の説では今年は厄が多めで、もう一ヶ所な案が。
キース 「いいか、恵方は歳徳神がおいでの方向で…」
ブルー 「一年間は固定なんだよ、節分だけじゃなくて」
シロエ 「あー…。まあ、その話は置いといてですね…」
恵方の基準点は七福神のお寺で如何ですか、とシロエ君。
シロエ 「御利益も御縁もバッチリですし、有難味も…」
マツカ 「あそこだったら、もう充分にありますよね」
ジョミー「いいんじゃないかな、其処に一票!」
サム 「俺も入れるぜ、七福神様からの恵方だしよ…」
御利益も最高なんでねえの、とサム君も乗り気。
サム 「基準点には、もってこいだぜ!」
スウェナ「そうねえ、ツイてる感じだわよ」
キース 「俺も反対する理由は無いな」
シロエ 「じゃあ、七福神のお寺で決まりですね?」
あそこから北北西の所で、とシロエ君が纏めた結論。
シロエ 「お寺でも神社でもいいんですけど…」
サム 「あったっけかなあ、あの辺によ…」
マツカ 「きっとマイナーな所ですよ」
七福神様のお寺自体が郊外ですし…、とマツカ君。
マツカ 「有名どころは恐らく無いかと思いますけど」
シロエ 「そうですよねえ、其処が問題で…」
ブルー 「君たち、本当にアルテメシアの住人かい?」
一同 「「「え?」」」
何か、と一同、キョトンとした顔。
ジョミー「生まれも育ちも、アルテメシアだけど?」
シロエ 「ぼくもそうです、他の皆さんも…」
スウェナ「全員、そうよね?」
そうだ、そうだ、と誰もが口々に。
シロエ 「会長、何が言いたいんですか?」
ブルー 「何か忘れていないかい、とね」
有名どころがあるのにさ、と生徒会長。
シロエ 「それって、北北西ですか?」
ブルー 「完璧にね!」
シロエ 「あの近くに、何かありましたっけ…?」
一同 「「「うーん…」」」
どうだったっけ、と顔を見合わせる面々ですけど。
北北西…?
2022/02/11 (Fri)
☆心当たりがゼロ
節分は七福神巡りにお寺へ、毎年恒例の行事なんですが。
シロエ君の説では厄が多い今年、もう一ヶ所に参拝希望。
ジョミー「七福神のお寺の北北西だよね?」
マツカ 「その方角は竹藪でしたね、境内から見ると」
キース 「竹藪の向こうは、一応、住宅街だが…」
そんな所に寺があったか、と副住職が傾げる首。
キース 「地元密着型ならともかく、有名どころなら…」
スウェナ「聞いたことくらいは、ある筈よねえ?」
シロエ 「行こうとは思わなくてもですね…」
知識はあると思うんですよ、とシロエ君も。
シロエ 「今は御朱印も流行ってますから」
サム 「うんうん、寺とか神社とかでよ…」
貰って来るのが流行りだもんな、とサム君の相槌。
サム 「有名どころだと、行列だとか、転売もよ…」
ジョミー「あるって言うよね、ぼくは集めてないけど」
シロエ 「ジョミー先輩の場合、避けてるでしょう?」
ジョミー「そうだよ、危うきに近寄らずだよ!」
自分から出掛けてどうするのさ、とジョミー君、即答。
ジョミー「ただでも坊主にされそうなのに!」
シロエ 「お寺との御縁は欲しくないですよね」
ジョミー「当たり前だよ! あ、節分のお参りはさ…」
別だからね、と慌てて付け加える人。
ジョミー「お寺でも福をくれるんだったら、喜んで!」
シロエ 「厄除けもかかってますからねえ…」
特に今年は、とシロエ君も大真面目。
シロエ 「ですけど、心当たりのお寺が…」
マツカ 「皆無ですよね、本当に」
キース 「神社は俺の守備範囲外だが、それでもだな…」
有名どころなら噂くらいは、とキース君、ブツブツと。
キース 「縁結びだろうが、縁切りだろうが…」
ジョミー「耳に入ると思うけど…」
ホントに謎だよ、とジョミー君。
ジョミー「第一、住宅街の向こうは…」
シロエ 「ド田舎ですよ?」
キース 「そこを過ぎると、山なんだがな…」
寺も神社も無さそうだぞ、とキース君の疑問。
山ではねえ…?
2022/02/12 (Sat)
☆ジョークなのかも
節分はお寺で七福神巡り、毎年恒例のイベントですけど。
シロエ君の説では今年は厄が多め、もう一ヶ所という話。
サム 「だよな、思いっ切り、山だよなあ…」
ジョミー「バーベキュー向けの川はあるけど…」
シロエ 「お寺なんかは無さそうですよね?」
あんな所に、とシロエ君。
シロエ 「おまけに有名どころだなんて、嘘っぽいです」
マツカ 「ブルーが嘘をつくとは思えませんけれど…」
キース 「該当するブツが無いからな…」
ジョークじゃないか、とキース君の新たな視点。
キース 「俺たちが行き先で詰んでいるから、こう…」
サム 「あー、気分転換に一発な!」
ジョミー「そうだね、詰んだままだとさ…」
斬新な発想も出来なくなるし、とジョミー君も納得。
ジョミー「だったら、此処で気分を切り替え!」
シロエ 「北北西にこだわらないとか、そっち系ですね」
キース 「ああ、そういうのでいいんじゃないか?」
厄除けに御利益のある所を探そう、とキース君の案。
キース 「この際、恵方は考慮しないで…」
シロエ 「ですね、こだわると詰みますから」
ブルー 「あのねえ…」
この状況で誰がジョークをかますんだい、と生徒会長。
ブルー 「ぼくは大真面目に言ったんだけどね?」
シロエ 「でもですね…!」
キース 「北北西に有名どころは無いぞ?」
それは確かだ、とキース君、反論。
キース 「ド田舎か山か、住宅街で…!」
ブルー 「その中に、ちゃんと入ってるけど?」
一同 「「「え?」」」
何処に、と誰もがキョロキョロと。
シロエ 「有名どころですよね…?」
ジョミー「知らないよね…?」
ブルー 「まあねえ、有名なんだけど…」
ちょっとアクセスが悪いからね、と生徒会長の返し。
キース 「何なんだ、それは?」
ブルー 「車で行くなら、四駆が必須なんだよねえ…」
シロエ 「山なんですか?」
ブルー 「ピンポーン!」
もう思いっ切り山の上で、と言ってますけど。
四駆…?
2022/02/13 (Sun)
☆スキー場だった山
節分は七福神巡りでお寺へ、毎年恒例の行事なんですが。
シロエ君の説では厄が多い今年、他にも参拝したい所で。
サム 「山の上って、何かあったっけか?」
シロエ 「四駆が必須と言いましたよね…?」
ブルー 「そもそも、舗装道路自体が無いからねえ…」
山の麓で終わりなんだよ、と生徒会長。
ブルー 「七福神巡りで乗るバスの終点なんだけど?」
キース 「アレか、火伏せの神様か…!」
山の上にポツンとある神社だな、とキース君が打った手。
キース 「火伏せなら、火事を防いでくれるんだし…」
シロエ 「厄も防いでくれそうですけど、問題は…」
立地ですね、とシロエ君が竦める肩。
シロエ 「千メートル近い山ですよ、アレ」
ジョミー「アルテメシアの最高峰だよ…」
キース 「ついでに今年は、雪が多くてだな…」
上の方は常に白いんだが、とキース君も良くない顔色。
キース 「ただでも冬場は、山頂付近は根雪で、だ…」
ジョミー「アイゼンが要るって話もあるよね…」
ブルー 「そりゃまあ、昔はスキー場があったほどだし」
一同 「「「スキー場!?」」」
あんな所に誰が行くんだ、と一同、仰天。
シロエ 「あのですね…。舗装道路も無いようなトコ…」
サム 「誰がスキーを担いで行くかよ、最高峰だぜ?」
ブルー 「昔と言ったよ、自動車が普及する前で…」
荷車は牛が引いたら上等、と生徒会長が立てる人差し指。
ブルー 「そんな頃だし、スキー板くらい、誰だって…」
キース 「担いで登って当然だった、と?」
ブルー 「スキーをするような人間はね!」
当然、リフトもあるわけがない、とトドメの台詞。
ブルー 「そういう山でも、好きな人は好きで登るから」
キース 「スキー場が無い今でも、この冬場にか?」
ブルー 「日課で登る、ご高齢の人が多いんだけど?」
一同 「「「ご高齢…」」」
ブルー 「その皆さんに、君たちはさ…」
負けたいのかい、と真顔で言われましても。
冬山ですよ?
2022/02/14 (Mon)
☆プロたちの装備
節分はお寺で七福神巡り、毎年恒例のイベントですけど。
シロエ君の説では今年は厄が多め、他にも参拝な流れで。
キース 「負けたいのか、と簡単に言ってくれるがな…」
シロエ 「その人たちって、プロでしょう?」
あの山に登る件に関しては…、とシロエ君。
シロエ 「装備は完璧、アイゼンだってつけてますよ!」
ブルー 「服に関しては、今どきな人もいるけどさ…」
ヒートテックとか色々あるし、と生徒会長の言。
ブルー 「でも、アイゼンの方はどうかなあ…」
ジョミー「カンジキだとか言わないでよ?」
ブルー 「どっちかと言えば、草鞋か縄かな」
昔の滑り止めの王道、と恐ろしすぎる台詞が。
ブルー 「そういうのを靴に縛り付ければオッケー!」
シロエ 「靴って、普通の靴にですか?」
ブルー 「長靴でもいいし、スニーカーでも使えるよ?」
キース 「嘘だ、と言いたい所なんだが…」
その技は坊主も使うんだよな、とキース君も。
キース 「修行によっては、雪山登山もアリだから…」
シロエ 「草鞋や縄で滑り止めですか?」
キース 「そう聞いているな、あの業界では」
ブルー 「うん、現役の雪山装備だよね」
坊主の世界でも、あの山でも…、と生徒会長の笑み。
ブルー 「だから君たちも、負けずにチャレンジ!」
一同 「「「げっ!!!」」」
??? 「いいね、いいねえ、チャレンジ精神!」
これぞ人生、とソルジャー(会話表記はAブルー)登場。
Aブルー「節分は雪山に登るんだって?」
キース 「いや、決まったわけではないんだが…!」
あくまで案の一つにすぎん、とキース君が張る予防線。
キース 「そもそも、其処に行くかどうかも…」
シロエ 「決まってませんし、先走らないで下さいよ」
Aブルー「そうかなあ? いいと思うんだけど…」
シロエ 「どの辺がいいと言うんです!」
Aブルー「もちろん、チャレンジ精神だってば!」
凄い装備で挑むんだろう、と決め付けですけど。
草鞋…?
2022/02/15 (Tue)
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