カラフルと言うか、悪趣味と言うか。
凄まじい配色の綿を何枚も被せられた菊、所狭しと並べられております。
キース 「で、あのセンスの悪い菊は何なんだ?」
ブルー 「菊の被せ綿」
全員 「「「は?」」」
ブルー 「きせわた、ってね。その名の通り綿を被せるのさ」
知らないかな、とキース君とシロエ君を見詰める生徒会長。
ブルー 「君たちなら知っていそうな気もしたけどねえ…」
キース 「生憎と俺は寺と直接関係の無い行事には疎くてな」
シロエ 「…ぼくも花とかについてはちょっと…」
ブルー 「ハーレイの古典でも教えてないかな、そういえば」
サム 「あの綿に意味があるのかよ?」
ブルー 「茱萸袋と同じで重陽限定、不老長寿のお守りなんだよ」
重陽の前の夜から菊の花に綿を被せておくのが被せ綿。
綿が含んだ露で身体を拭うと不老長寿とか、若返るとかだそうですが。
ジョミー「じゃあ、あの菊を奪い合うわけ?」
ブルー 「違うよ、あれは本堂の飾り。奪い合うのは献花した菊」
キース 「なるほど…。法要で祈祷して御利益という仕組みだな」
ブルー 「そういうこと。おっと、そろそろ始まるかな?」
キース 「法要の時間か?」
ブルー 「お守りの販売と菊酒だよ。法要はその後」
本堂には人が詰まってきておりますが、中央部分が空けてあります。
お坊さんが数人、そこに机を据えまして…。
お坊さん「お待たせいたしました。只今より茱萸袋を授与いたします」
途端にドドッと善男善女が中央に向けて大移動。
机の上に積み上げられた白い箱が飛ぶように売れていくわけで。
キース 「凄い勢いだな。限定品というだけのことはある」
ブルー 「おまけに御祈祷済みだしね。君たちも一個、頂いてきたら?」
シロエ 「いえ、不老長寿は今の所は間に合ってます」
マツカ 「ぼくもです」
御仏縁など結んでたまるか、と座った場所から動かざること山の如し。
シャン学メンバーの慎重な姿勢、生徒会長の日頃の行いのせいとしか…。
