シャングリラ学園つれづれ語り
☆タダ働きでいい
もうすぐ夏休みなシャン学メンバー、終業式を残すのみ。
生徒会長宅で夏休みの計画、山の別荘へ行く相談中で…。
Aブルー「憧れだったんだよ、山の別荘ライフ!」
シロエ 「条件は、卒塔婆書きですからね?」
Aブルー「えっ?」
卒塔婆書きって…、とソルジャー、キョトン。
Aブルー「なんだい、それは?」
シロエ 「キース先輩のお手伝いですよ、タダ働きで」
Aブルー「タダ働き!?」
シロエ 「ボランティアとも言いますけどね」
字が上手いのが大前提で…、とシロエ君。
シロエ 「そういう話をしてた所へ、あなたがですね…」
キース 「乱入して来たわけなんだが?」
それで採用試験はどうする、とキース君、目がマジ。
キース 「受けるんだったら、筆で字をだな…」
Aブルー「書くよ、もちろん!」
タダ働きでも気にしない、と前向きな人。
Aブルー「上手く書けたら、山の別荘なんだし!」
キース 「よし。ブルー、硯とかを貸してくれるか?」
ブルー 「いいとも、ぶるぅ、用意してくれる?」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ ちょっと待っててねーっ!」
用意、用意、と「そるじゃぁ・ぶるぅ」が文机まで設置。
ぶるぅ 「んとんと、後は墨を磨るだけ!」
キース 「それは俺がやる」
ついでに手本も書くとするか、と文机に向かうキース君。
キース 「何にするかな、手本の方は…」
ブルー 「例のキノコ用の卒塔婆でどう?」
キース 「そうだな、自分で書いて貰うのも一興だ」
まずは梵字で…、と用意された紙にサラサラと。
Aブルー「その記号も、真似をして書くわけ?」
キース 「当然だろうが、これが卒塔婆の命だぞ?」
書けないようでは話にならん、と副住職モード。
キース 「梵字を書いたら、戒名を添えて完成だ」
Aブルー「スッポンタケの戒名だよね、有難いヤツ!」
キース 「手本は出来たし、お手並み拝見といこう」
Aブルー「頑張るよ!」
目指せ、合格! と張り切ってますけど。
どうなりますやら…。
2022/07/16 (Sat)
☆失敗した時には
じきに夏休みなシャン学メンバー、終業式が済めば自由。
生徒会長宅で夏休みの計画、其処へソルジャー乱入で…。
Aブルー「えーっと、筆を持って、と…」
キース 「墨をつけないと書けないからな?」
筆と筆ペンは違うんだ、とキース君が指差す硯。
キース 「適量をつけて、その墨を使う」
Aブルー「さっき見てたから、分かってるって!」
墨をつける、と筆を硯に突っ込みまして。
Aブルー「これでよし、っと! あれ?」
キース 「つけすぎだ!」
紙にボタッと落としてどうする、とキース君の怒声。
キース 「それが卒塔婆なら、おしまいだぞ!」
シロエ 「削って、書き直しでしたっけ?」
キース 「そういうことだが、この馬鹿にだな…」
卒塔婆削り器は扱えないぞ、と苦々しい顔。
キース 「削りすぎるのが目に見えている!」
シロエ 「扱いが難しいんですか?」
キース 「大工仕事に近い部分があるな」
慣れない間は削りすぎる、とキース君。
キース 「お前だったら、上手く削るかもしれないが」
Aブルー「はい、はーい! それじゃ、シロエに!」
キース 「はあ?」
Aブルー「ぼくがボタッとやった時だよ!」
フォローはシロエで、とソルジャーの笑顔。
Aブルー「字さえ上手ければ、いいんだよね?」
キース 「まあ、そうだが…」
Aブルー「だったら、シロエがフォロー担当!」
ぼくが採用された時は、とニコニコニコ。
Aブルー「というわけで、シロエ、よろしく!」
シロエ 「どうして、ぼくに投げるんですか!」
Aブルー「適材適所って言うじゃないか!」
得意な部分は助け合おうよ、とソルジャーの輝く瞳。
Aブルー「ぼくが卒塔婆を書きまくるからさ!」
シロエ 「ボタッとやったら、ぼくが後始末ですか?」
Aブルー「キース的には、それで問題無いと思うね!」
キース 「そうかもしれんが、その前にだな…」
シロエ 「採用試験が問題です」
合格してから言って下さい、とシロエ君。
当然ですよね?
2022/07/17 (Sun)
☆採用されたい人
もうすぐ夏休みなシャン学メンバー、残るは終業式だけ。
生徒会長宅で山の別荘行きの計画、其処へソルジャーが。
キース 「無駄口を叩いていないで、サッサと書け!」
Aブルー「分かってるってば、ぼくも合格したいしね」
まずは記号を真似して書く、と筆を握るソルジャー。
Aブルー「キースが書いた通りに、と…。あれ?」
キース 「線が歪んでいるようだが?」
Aブルー「ほ、ほら、筆は慣れてないから!」
慣れればいける、とソルジャー、言い訳。
Aブルー「ちゃんと特訓してくるからさ!」
キース 「だったら、筆ペンで書いてみろ!」
同じ太さで書けるヤツで…、とキース君。
キース 「ブルー、この筆のサイズのはあるか?」
ブルー 「うん、これだよね」
はい、と生徒会長が瞬間移動で取り出す筆ペン。
ブルー 「これで書ければ、採用するって?」
キース 「馬鹿とハサミは使いようだ!」
猫の手も借りたい時期だしな、と副住職の言。
キース 「タダで使えるバイトに文句は言わん」
Aブルー「なんだか引っ掛かる言い方だけど…」
山の別荘に行けるんだし…、とソルジャーも文句は無し。
Aブルー「この際、馬鹿でもハサミでもいいよ!」
キース 「それなら、これで書くんだな」
ご注文の筆ペンだ、とキース君が差し出す筆ペン。
キース 「これでダメなら、不合格だぞ?」
Aブルー「頑張るよ、これなら書ける筈だし!」
節分の絵馬には筆ペンだしね、と紙に向かう人。
Aブルー「謎の記号を真似して書く、と…」
キース 「今度は斜めになっていないか?」
Aブルー「ちょ、ちょっと姿勢が悪かったかな?」
背筋を伸ばして改めて…、とソルジャー、リベンジ。
Aブルー「今度こそ上手に真似出来る、ってね!」
キース 「…俺には、同じに見えないんだが?」
シロエ 「ぼくもですね」
ジョミー「うん、ぼくだって…」
Aブルー「酷いってば!」
ぼくは真面目に書いたのに、と悲鳴ですけど。
でもねえ…?
2022/07/18 (Mon)
☆スキルが無い人
じきに夏休みなシャン学メンバー、終業式が済めば自由。
マツカ君の山の別荘行きの計画、日程が問題ですけれど。
キース 「ダメだな、似ても似つかない仕上がりだけに」
Aブルー「そ、それは記号が意味不明だからで…」
字なら上手に書ける筈だ、と踏ん張るソルジャー。
Aブルー「字が上手かったら、後は頑張り次第だろう?」
キース 「そうかもしれんが、書けるのか?」
Aブルー「ぼくは、こう見えてもソルジャーだよ?」
凄いスキルがあるんだからね、と威張り返り。
Aブルー「この字を真似して書くのは、楽勝!」
キース 「なら、証明して貰わないとな」
書け! とキース君が指差す、お手本と紙。
キース 「これで下手なら、もう容赦なく放り出す!」
Aブルー「大丈夫だって、今度こそはね」
まあ見ててよ、と筆ペンで戒名を書くべくチャレンジ。
Aブルー「え、えっと…。あれ…?」
キース 「手癖があるとか、そういう以前の問題だな」
シロエ 「ですよね、これじゃ小学生です」
サム 「いや、そこは幼稚園児ってトコだろ?」
小学生に失礼だぜ、とサム君の意見。
サム 「低学年でも、上手いヤツの字は半端ねえし…」
マツカ 「早い子は、幼稚園から習い始めますしね」
スウェナ「不合格よね、この字だと…」
キース 「ああ、決定だな」
あんたを雇うわけにはいかん、とキース君、ピシャリ。
キース 「バイトは、マツカで間に合わせる」
Aブルー「ちょ、ちょっと…!」
だったら山の別荘行きは…、とソルジャー、ワタワタ。
Aブルー「美味しい料理や、ボート遊びは?」
キース 「当然、今年も俺たちだけだ」
Aブルー「あんまりだよ!」
置き去りにしたら呪うからね、と凄い台詞が。
Aブルー「卒塔婆地獄にしてやるから!」
キース 「その呪いは、俺には効かないんだが?」
Aブルー「効くよ、絶対!」
キース 「元から地獄の住人だからな」
俺は痛くも痒くもない、とキース君、涼しい顔。
確かに…。
2022/07/19 (Tue)
☆追い払われた人
終業式を残すだけなシャン学メンバー、夏休みの相談中。
マツカ君の山の別荘行きに、ソルジャーも乗ったのに…。
Aブルー「ぼくの呪いは効かないわけ!?」
キース 「第一、あんたは素人だしな」
呪いをかけても効くわけがない、とキース君、ニヤニヤ。
キース 「諦めて、大人しく青の間で過ごせ」
シロエ 「不合格な以上は、諦めるしか無いですしね」
Aブルー「君たち全員、呪ってやる!」
ジョミー「無理、無理、ぼくたちに卒塔婆は無理だし」
手伝えるのはマツカだけだよ、とジョミー君。
ジョミー「だけど、マツカを呪うとさ…」
サム 「別荘から叩き出されちまうぜ、間違いなく」
マツカ 「いえ、叩き出しはしませんけれど…」
おもてなしが行き届かない気が、とマツカ君の憂い顔。
マツカ 「ぼくが寝込んで、執事がお世話係だと…」
スウェナ「なんだか悪い気がしちゃうわよねえ…」
ジョミー「マツカに申し訳ないもんね…」
キース 「あんた、それでも呪うつもりか?」
俺には効かないのに、マツカをか、とキース君の問い。
キース 「どうかと思うが、まだ呪う気か?」
Aブルー「分かったよ! 諦めて帰ればいいんだろう!」
ブルー 「そういうことだね、部外者なんだし」
お客様のお帰りだよ、と生徒会長、手をヒラヒラと。
ブルー 「ぶるぅ、お土産を持たせてあげて」
ぶるぅ 「オッケー! はい、お菓子、詰めたよ!」
Aブルー「うう…。山の別荘、行きたかったのにーっ!」
残念すぎる、という言葉を残して、ソルジャー、消滅。
シロエ 「さて、改めて日程はどうしますか?」
キース 「マツカが手伝ってくれるそうだし…」
親父のメモが置かれていてもいけるか、とキース君。
キース 「合宿が終わって、すぐでもかまわん」
ジョミー「次の日ってことで、決まりだね!」
マツカ 「では、御用意させて頂きますね」
一同 「「「やったーっ!」」」
涼しい山の別荘ライフだ、と大歓声。
お楽しみがドッサリ…。
2022/07/20 (Wed)
☆グリーン車で出発
やって来ました、夏休み。まずは合宿に修行体験ツアー。
それが済んだ翌日、マツカ君の山の別荘へ出発でして…。
シロエ 「おはようございます! いよいよですね!」
ジョミー「今年もグリーン車、貸し切りだよね」
サム 「豪華だよなあ、マツカに感謝だぜ」
乗るぞ、とホームに集合していた面々、グリーン車へと。
ぶるぅ 「かみお~ん♪ しゅっぱぁ~つ!」
スウェナ「暑いアルテメシアに、お別れだわね」
涼しい高原が待ってるのよ、とスウェナちゃん。
スウェナ「ボート遊びに、乗馬もしなくちゃ」
シロエ 「楽しみですよね、それに食事も」
マツカ 「お任せ下さい、快適な毎日をお約束します」
一同 「「「イイネ!」」」
行きの列車も最高だ、とグリーン車の中でワイワイと。
ジョミー「いいよね、車内でドリンクバーって」
シロエ 「駅弁も、いいのを買いましたし…」
ぶるぅ 「冷蔵庫に、アイスが一杯だよ!」
他のお菓子も入ってるし、と「そるじゃぁ・ぶるぅ」。
ぶるぅ 「着くまでに、お腹一杯になりそう!」
ブルー 「そうだね、晩御飯の前に散歩は必須かな」
シロエ 「涼しいですから、ジョギングもいいかもです」
軽く走るのも楽しいですよ、とシロエ君が立てる親指。
シロエ 「高原の風は、気持ちいいですし…」
マツカ 「キースも一緒に走りませんか?」
合宿気分の続きもいいですよね、とマツカ君も。
マツカ 「合宿じゃない分、自分のペースで走れますし」
キース 「いいかもな。ところで、皆に質問なんだが…」
ジョミー「ぼくなら、走らないからね!」
サム 「俺も遠慮するぜ、柔道部だけで走ってくれよ」
散歩で充分、間に合うからよ、とサム君の文句。
サム 「修行体験ツアーに、走り込みはねえぜ」
キース 「いや、そうじゃなくて、夜中にだな…」
ジョミー「夜中って、昨夜?」
キース 「そうだが、妙な声を聞かなかったか?」
寝ている時に、という質問ですけど。
聞こえましたか…?
2022/07/21 (Thu)
☆聞こえたそうです
マツカ君の山の別荘へ出発、グリーン車での快適な道中。
楽しい日々がスタートですけど、キース君からの質問が。
ジョミー「夜中に変な声がした、って?」
キース 「お前は聞いていないのか?」
ジョミー「うん、何も…。他のみんなは?」
サム 「俺は爆睡してたしよ…。シロエとかは?」
聞いてねえか、とサム君の視線が他の面子に。
サム 「合宿疲れで、爆睡っぽい気もするけどよ」
シロエ 「まさにソレです、でもですね…」
夜中に声を聞いたとなると…、とシロエ君が傾げる首。
シロエ 「ジョミー先輩の好きなヤツでしょう?」
スウェナ「そうねえ、心霊現象だものね」
ジョミー「あー、そうか! すっごく残念!」
なんてこった、とジョミー君、ガックリ。
ジョミー「他にも聞いた人って、いる? 羨ましいよ!」
マツカ 「いえ、ぼくも熟睡してましたけど…」
スウェナ「私もなのよね、キースしか聞いていないのよ」
やっぱり環境のせいかしらね、とスウェナちゃん。
スウェナ「家はお寺だし、裏山は墓地だし…」
キース 「違う、そういうヤツではない!」
ジョミー「でもさあ、みんなに聞くってことはさ…」
シロエ 「自分だけでは、と思ったわけでしょう?」
誰も話題にしていませんし、とシロエ君の鋭い指摘。
シロエ 「集合してから、時間はたっぷりでしたしね」
ジョミー「盛り上がるには、充分だよねえ…」
モノが心霊現象だしさ、とジョミー君も。
ジョミー「いいなあ、家がお寺だなんて…」
キース 「断じて心霊現象ではない!」
なにしろ御存命だからな、と謎な台詞が。
シロエ 「御存命ですって?」
ジョミー「生霊ってヤツ?」
それも凄いよね、とジョミー君の輝く瞳。
ジョミー「もしかして、出たわけ?」
キース 「俺の家にだけな!」
シロエ 「なんて聞こえたんです?」
キース 「呪ってやる、と…」
一同 「「「げっ!!!」」」
それはダメなヤツ、と誰もがガクブル。
呪うですって?
2022/07/22 (Fri)
☆生霊だそうです
マツカ君の山の別荘へ、グリーン車で出発な面々ですが。
車内でキース君が言うには、夜中に声が聞こえたそうで。
ジョミー「ちょ、ちょっと…! 呪ってやる、って…」
シロエ 「それって、ヤバいじゃないですか!」
しかも生霊なんですよね、とシロエ君、顔面蒼白。
シロエ 「下手な死霊より、危険な気がしますけど…」
ブルー 「うん。執念が半端ないからねえ…」
除霊だったら、このくらいで、と生徒会長、指を一本。
ブルー 「本当だったら、指一本で百なんだけどさ…」
サム 「友達枠で、割引かよ?」
ブルー 「そう! 大負けに負けて、十にしとくよ」
もちろん、一番の高額紙幣で…、と念押しが。
ブルー 「分割払いもオッケーだけど?」
キース 「そんな金は無い!」
シロエ 「でも、呪われたら大変ですし…」
キース 「そうは思うが、元から呪われているからな…」
特に問題は無いかもしれん、とキース君が顎に当てる手。
キース 「なんと言っても、声の主が、だ…」
ジョミー「誰だったわけ?」
キース 「あの馬鹿に決まっているだろう!」
今回の旅から外されたヤツだ、とキース君。
キース 「呪いで卒塔婆地獄と言ってやがったし…」
一同 「「「あー…」」」
あの迷惑な人か、と誰もが納得。
シロエ 「すると呪いは、キース先輩限定ですね?」
ジョミー「でもって、卒塔婆地獄だよねえ…」
確かに除霊は要らないかも、と一同、苦笑。
ジョミー「そもそも、除霊も効かないかもだし…」
ブルー 「サイオン勝負だと、無理っぽいねえ…」
潔く呪われてくれたまえ、と生徒会長、いえ、銀青様。
ブルー 「卒塔婆を書きまくるわけだろう?」
キース 「そうなんだが…」
これが予想より増えていてな、とキース君の渋面。
キース 「親父のメモは、ともかくとして…」
ジョミー「追加が来たとか?」
キース 「余裕たっぷりだな、と…」
合宿の翌日から旅行はマズかった、と溜息が。
その通りかも…。
2022/07/23 (Sat)
☆呪われそうです
マツカ君の山の別荘への旅、グリーン車での快適な道中。
けれど車内でキース君が言うには、呪われそうだとかで。
ジョミー「アドス和尚なら追加だよね、ソレ…」
シロエ 「合宿中に溜まった卒塔婆、書かずにですね…」
そのまま旅行に出発ですし、とシロエ君、やや同情気味。
シロエ 「気の毒だとは思いますけど、自業自得とも…」
スウェナ「言えるわよねえ、この場合…」
キース 「その通りではあるんだが…」
だから甘んじて引き受けたが…、とキース君の苦い顔。
キース 「とはいえ、これが半端ない数で…」
マツカ 「そうみたいですね、あれ、全部でしょう?」
あそこの荷物が卒塔婆ですよね、とマツカ君が指す方向。
マツカ 「とんでもない数に見えますが…」
キース 「言わないでくれ、気が滅入る」
マツカ 「大丈夫ですよ、お手伝いさせて頂きますから」
二人がかりなら時間も半分かもです、とマツカ君。
マツカ 「ただ、ぼくは初めての経験ですから…」
シロエ 「キース先輩みたいにはいきませんよね…」
キース 「分かっている。俺が一本、書く間に、だ…」
半分も書けたら上等だな、とキース君が繰る数珠レット。
キース 「だが、有難い助っ人だし…」
ジョミー「文句なんかは言えないよねえ?」
キース 「ああ。根性で書いて、書きまくるしか…」
ブルー 「文字通り、地獄になったようだねえ…」
流石はブルーだ、と生徒会長、ニヤニヤニヤ。
ブルー 「キッチリ、呪って来るっていうのが凄いよ」
シロエ 「偶然だという気がしますけど?」
ブルー 「うん、此処までは、そうなんだけど…」
この先に実に興味があって…、と楽しそうな人。
ブルー 「呪ってやる、と言って来たわけだしさ…」
ジョミー「嫌がらせってヤツじゃないのかな?」
シロエ 「追い払ったのは、キース先輩ですしね…」
キース 「俺もそうだと思うんだが…」
ブルー 「さあ…?」
どうだろうね、と瓜二つの顔で言ってますけど。
さて…?
2022/07/24 (Sun)
☆まずはお茶から
マツカ君の山の別荘までは、毎年恒例のグリーン車の旅。
呪いが話題になりましたけど、最寄り駅に無事に到着で。
マツカ 「迎えの車が来ていますから、どうぞ」
シロエ 「もう、駅からして涼しいですよね!」
サム 「アルテメシアとは別世界だぜ」
まさに天国、とマイクロバスに乗り込み、別荘へ。
執事 「いらっしゃいませ、どうぞ中の方へ」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ 今年もよろしくねーっ!」
山の別荘だあ! と「そるじゃぁ・ぶるぅ」も大歓声。
ぶるぅ 「ボート遊びをして、ポニーに乗って…」
ジョミー「ぶるぅには、馬は大きすぎるもんね」
ぶるぅ 「そうなの、でもでも、ポニーも楽しいから!」
乗るんだも~ん! と飛び跳ねている元気なお子様。
ぶるぅ 「だけどキースは、卒塔婆だよねえ?」
キース 「縁起でもないことを言わないでくれ!」
テキパキと書いて片付けるぞ、とキース君、決意の表情。
キース 「あの馬鹿なんぞに呪われてたまるか!」
マツカ 「ええ。一休みしたら、早速、始めましょう」
お茶の用意が出来ていますよ、とマツカ君の笑み。
マツカ 「夕食の前に運動な話もありましたけど…」
スウェナ「どっちかと言えば、お腹が減ったわ」
シロエ 「車内で盛り上がりましたしね」
カラオケなんかもしてましたし…、とシロエ君。
シロエ 「わあ、本格的にアフタヌーンティーですよ!」
ぶるぅ 「お菓子も、サンドイッチもあるよ!」
執事 「お飲み物は、何でもお申し付け下さい」
ホットでもアイスでも、コーヒーでも…、ということで。
キース 「では、コーヒーをホットで」
執事 「かしこまりました。他の皆様は…?」
執事さんが注文を聞いて、賑やかにティータイム。
サム 「別荘ライフって気がするぜ」
シロエ 「ホントですよね、呪われた人もいますけど」
ジョミー「楽しんでるな?」
シロエ 「当然ですよ!」
いったい何が起こるでしょうか、と他人事な台詞。
楽しみかも…?
2022/07/25 (Mon)
☆夕食前にお出掛け
山の別荘に無事に到着、まずは優雅なティータイムから。
お茶やお菓子を満喫した後、夕食まで時間があるわけで。
ジョミー「シロエは軽く走るんだよね?」
シロエ 「いえ、ぼくだけになりそうですから…」
キース先輩たちは卒塔婆書きですしね、とシロエ君。
シロエ 「それに夕食は、走らなくても食べられますよ」
サム 「んじゃ、俺たちと出掛けるのな?」
シロエ 「そうなりますねえ、散歩ですか?」
ジョミー「そんなトコかな、ボート遊びや乗馬はさ…」
もっと時間のある時だよね、とジョミー君の提案は散歩。
ジョミー「心霊スポットがあればいいのになあ…」
マツカ 「そういうのは聞いていませんね」
サム 「そもそも、前からねえしな、ソレ」
新しく出来てたら怖すぎるぜ、とサム君が軽く竦める肩。
サム 「絶対、とんもでねえヤツだしよ…」
スウェナ「事故とか事件の現場だものねえ…」
ブルー 「出来立てのトコは、オススメしないよ」
せめて三年は待った方が…、と生徒会長、いえ、銀青様。
ブルー 「どっちにしても地縛霊だけど、三年あれば…」
サム 「ちっとはマシになるのかよ?」
ブルー 「お地蔵様が出来ているとか、それなりにさ…」
対策が取られているからね、とプロならではの発言が。
ブルー 「少なくとも、野放し状態よりはいいかな」
ジョミー「ふうん…? だけど、三年待つ以前にさ…」
出来てないよね、とジョミー君の残念そうな顔。
ジョミー「仕方ないから、何処かその辺を歩くしか…」
ぶるぅ 「お花、いっぱい咲いてるしね!」
シロエ 「平和な散歩を楽しみましょう」
キース先輩たちは留守番で…、とシロエ君。
シロエ 「早く片付くといいですね、卒塔婆」
マツカ 「ええ、頑張ります。…あれ?」
キース 「どうかしたか?」
マツカ 「今、変な声がしませんでしたか?」
シロエ 「聞いてませんけど、そのパターン…」
昨夜のキース先輩と同じでは、という指摘。
似てますね…?
2022/07/26 (Tue)
☆謎すぎるメッセージ
山の別荘でティータイムの後、夕食まで散歩という面々。
卒塔婆書きをする二人を残して、出掛けるつもりですが。
シロエ 「変な声って、誰も聞いてませんよね?」
ジョミー「うん。マツカだけじゃないの?」
キース 「今回は、俺も聞いてはいないんだが…」
もしかして、あの馬鹿野郎か、とキース君の問い。
キース 「どうなんだ、マツカ?」
マツカ 「例の人で合っているんですけど…」
シロエ 「やっぱり…。で、何と言って来たんです?」
マツカ先輩まで呪う気では、とシロエ君、肩をブルッと。
シロエ 「別荘行きを断られたのを、逆恨みして…」
マツカ 「それがですね…。邪魔しないで、と…」
一同 「「「は?」」」
邪魔って何の、と誰もがキョトン。
サム 「何だよ、ソレ? マツカは何もしてねえぜ?」
シロエ 「ですよね、散歩に行くのも留守番で…」
マツカ 「そうなんですけど、何なんでしょう?」
ぼくにも正直、謎なんですよ、とマツカ君。
マツカ 「でも、ぼくしか聞いてはいませんから…」
ジョミー「マツカ限定のメッセージだよね?」
マツカ 「多分、そうでしょう。皆さんは無関係ですよ」
どうぞ気にしないでお出掛け下さい、と柔和な笑み。
マツカ 「ぼくはキースと頑張りますから」
キース 「悪いな、済まんが世話になる」
マツカ 「どういたしまして」
和室を御用意しましたから、と二人で去ってゆきまして。
ジョミー「行っちゃったね…」
シロエ 「マツカ先輩も、人がいいですねえ…」
スウェナ「ホントよ、放っておけばいいのに」
呪われてるような人なんて、とスウェナちゃん。
スウェナ「卒塔婆地獄は、キースの自業自得でしょ?」
ブルー 「まあねえ…。でも、あの数だと大変だよね」
シロエ 「マツカ先輩が気の毒ですよ」
サム 「いいんでねえの? 手伝う気だしよ」
ジョミー「そうだよ、放って出掛けちゃおうよ!」
マツカもそう言っていたんだし、と正論が。
お出掛けですね?
2022/07/27 (Wed)
☆追い掛けて来た人
卒塔婆書きをする二人を残して、夕食まで散歩という話。
マツカ君が聞いたソルジャーの声も、スルー決定でして。
シロエ 「まあ、マツカ先輩だって、いざとなったら…」
サム 「逃げると思うぜ、卒塔婆地獄だしよ」
ジョミー「嫌になったら逃げるって!」
だから気にしないで出掛けちゃおう、とジョミー君。
ジョミー「えっと…。飲み物は自販機とかもあるよね」
スウェナ「ボート乗り場にはあったと思うわ」
シロエ 「じゃあ、その辺を目指して出発しましょうか」
執事 「お待ち下さい、お出掛けでしたら…」
ペットボトルを御用意します、と執事さんの申し出。
執事 「お好きな銘柄はおありでしょうか?」
シロエ 「スポーツドリンクなら、何でもいいです」
サム 「ソルティライチがあると嬉しいけどよ…」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ ぼくは、お茶なら何でも!」
ここぞとばかりに飛び出す注文、どれも用意はバッチリ。
執事 「皆様、こちらでよろしいですか?」
一同 「「「ありがとう!」」」
行ってきまぁーす! と正面の扉から別荘の表の庭へ。
シロエ 「飲み物の心配は無くなりましたね」
ジョミー「そうだね、何処でも行けそうだけど…」
ブルー 「足の向くままっていうのもいいねえ…」
景色はいいし、涼しいし…、と生徒会長。
ブルー 「夕食までに帰れる程度に、その辺をね」
ぶるぅ 「そだね、お馬さんを見るのもいいかも!」
シロエ 「この時間なら、まだ外にいますしね」
乗馬クラブも覗いてみましょうか、と門から出た所へ。
マツカ 「待って下さい、ぼくも行きまーす!」
一同 「「「えっ!?」」」
なんで、と振り返った先に、走って来るマツカ君の姿。
マツカ 「ぼくも飲み物、持って来ました!」
シロエ 「そ、それはいいですけど、マツカ先輩…」
サム 「卒塔婆書き、もう終わったのかよ?」
マツカ 「いいえ、全く…」
まるっと残っていますけど、との答えですけど。
もう逃亡…?
2022/07/28 (Thu)
☆邪魔をしないで
夕食まで散歩して来よう、と別荘の門を出た面々ですが。
なんとマツカ君が追って来たわけで、散歩に行くそうで。
シロエ 「マツカ先輩、逃げて来たんですか?」
マツカ 「平たく言えば、そうなりますね…」
キースには申し訳ないですけど、とマツカ君が竦める肩。
マツカ 「でも、どうしようもないですし…」
サム 「まさか、字がお眼鏡に適わなかったのかよ?」
ジョミー「あー…。書道も流派があるらしいもんね」
ブルー 「マツカの字に、癖は無いんだけどねえ…」
見事なものだよ、と生徒会長。
ブルー 「気に食わないだなんて、キースも贅沢だよね」
シロエ 「キース先輩の字は、上手いんですか?」
ブルー 「坊主としては、パーフェクトかな」
だから文句を言うんだろうけど…、と生徒会長、溜息。
ブルー 「でもねえ、学生バイトよりは、よっぽど…」
シロエ 「上手でしょうし、第一、卒塔婆の数だって…」
サム 「半端ねえのに、妥協しねえでどうするんだよ」
マツカ 「いえ、それが…」
キースは悪くないんですよ、とマツカ君。
マツカ 「詳しいことは、散歩しながら話しましょうか」
ジョミー「込み入ってるわけ?」
マツカ 「そうなんです」
実は、書こうとしたらですね…、と話し始めた高原の道。
マツカ 「邪魔しないで、と聞こえたわけで…」
サム 「例のヤツな?」
マツカ 「ええ。それで見回したら、呪ってやる、と…」
一同 「「「ええっ!?」」」
マツカ君を呪ってどうするんだ、と一同、仰天。
シロエ 「なんで、マツカ先輩を呪うんです!」
サム 「逆恨みってヤツじゃねえかよ、完全に!」
マツカ 「違うんですよ、注文なんです」
キースを呪う邪魔をするな、と…、とマツカ君。
マツカ 「散歩に行け、と言われました」
シロエ 「それで追い掛けて来たんですか?」
マツカ 「あの人ですよ?」
一同 「「「あー…」」」
逆らったら厄介な人だった、と納得ですけど。
この後は…?
2022/07/29 (Fri)
☆数えるそうです
山の別荘ライフがスタート、夕食まで散歩なわけですが。
マツカ君も一緒に散歩で、それがソルジャーの注文で…。
シロエ 「じゃあ、キース先輩が一人で卒塔婆を…?」
マツカ 「そうなんです。でも、どうすることも…」
出来ませんしね、とマツカ君が振り返る別荘の方。
マツカ 「呪うってことは、卒塔婆地獄でしょうから…」
ジョミー「今だけじゃなくて、この先もかな?」
マツカ 「多分、そうではないでしょうか」
分かりませんけど、と心配そうな顔。
マツカ 「手伝い無しで、あれだけ書くのは大変ですよ」
ブルー 「うん。自由時間は、ほぼ無いかもねえ…」
サム 「そこまでなのかよ?」
ブルー 「さっきのお茶に、かかった時間は?」
どのくらいかな、と生徒会長が指す腕時計。
ブルー 「夕食だって、フルコースなんだよ?」
一同 「「「あー…」」」
カップ麺とは違うんだった、と誰もが納得。
シロエ 「食事時間で、かなりのロスが出るわけですね」
ブルー 「そういうことだね、一緒に食べるなら」
マツカ 「キースの分だけ、運ばせましょうか?」
ブルー 「それこそ、ブルーの思う壺だよ」
文字通り卒塔婆地獄じゃないか、と生徒会長。
ブルー 「キースが自分で言い出したとしても…」
ジョミー「卒塔婆に埋もれる生活だよねえ…」
ブルー 「書き上がるまでね!」
どうなるのやら、と散歩の話題で、夕方に戻った別荘。
マツカ 「キースの様子を見て来ます」
サム 「あまり進んでねえだろうなあ…」
スウェナ「地獄だものねえ…」
ダメな気しかしない、と言い合う間に、マツカ君、帰還。
シロエ 「キース先輩、どうしてました?」
マツカ 「詰んでました…」
呪いの声が聞こえるそうです、とマツカ君。
マツカ 「あと何本、と卒塔婆を数えるらしいんです」
ジョミー「皿屋敷みたいに?」
マツカ 「ええ、恨めしげで、耳について…」
集中出来ないらしいんですよ、と言ってますけど。
ヤバすぎ…。
2022/07/30 (Sat)
☆地獄へとダイブ
マツカ君の山の別荘、一日目がスタートしましたけれど。
夕食の席に現れたキース君、既に疲れが見えていまして。
シロエ 「キース先輩、卒塔婆書きは進みましたか?」
キース 「それがだな…。書き損じてばかりで…」
サム 「まさか、削って書き直しかよ?」
キース 「1本につき、何回もな…」
だからサッパリ進まないんだ、とキース君、深い溜息。
キース 「マツカから聞いていると思うが…」
ジョミー「誰かさんが卒塔婆を数えるんだって?」
キース 「それは恨めしげに、あと何本、と…」
書き上げるなんて無理な気しかしない、とキース君。
キース 「このペースでは、食う時以外は缶詰だな…」
マツカ 「フルコースはマズかったでしょうか?」
キース 「いや、栄養と気分転換は大切だ」
俺は食うぞ、と長丁場の夕食、終わると和室へ。
ジョミー「大丈夫かな、アレ…」
ブルー 「ほぼ詰んでるけど、キレるかもねえ…」
一同 「「「は?」」」
ブルー 「自ら地獄にダイブするヤツ!」
ブルーの思う壺だけどさ、と生徒会長、ニヤニヤと。
ブルー 「卒塔婆書きを放棄で、遊びまくって…」
シロエ 「自分の首を絞めるんですか?」
ブルー 「別荘ライフを楽しんだ後が、悲惨だよねえ…」
明日には結果が出ると思うよ、と他人事な人。
ブルー 「乗馬クラブへ追って来る方に、アイス1本!」
シロエ 「ぼくも賭けます、3本で!」
サム 「俺は2本で!」
ジョミー「ぼくは4本…って、逆な人は?」
来ない方に賭ける人は、とジョミー君が見回す面子。
ジョミー「誰か、いるわけ?」
マツカ 「いえ、ぼくは…。他の皆さんは?」
スウェナ「大穴だけど、負ける気しか…」
ぶるぅ 「しないもん!」
賭けは不成立、そして翌日、乗馬クラブで…。
マツカ 「皆さん、お好きな馬にどうぞ」
キース 「待て、俺も乗るぞ!」
一同 「「「来た…」」」
逃げて来たか、と呆れる面々ですけど。
今月、これにて中継終了~。
2022/07/31 (Sun)
もうすぐ夏休みなシャン学メンバー、終業式を残すのみ。
生徒会長宅で夏休みの計画、山の別荘へ行く相談中で…。
Aブルー「憧れだったんだよ、山の別荘ライフ!」
シロエ 「条件は、卒塔婆書きですからね?」
Aブルー「えっ?」
卒塔婆書きって…、とソルジャー、キョトン。
Aブルー「なんだい、それは?」
シロエ 「キース先輩のお手伝いですよ、タダ働きで」
Aブルー「タダ働き!?」
シロエ 「ボランティアとも言いますけどね」
字が上手いのが大前提で…、とシロエ君。
シロエ 「そういう話をしてた所へ、あなたがですね…」
キース 「乱入して来たわけなんだが?」
それで採用試験はどうする、とキース君、目がマジ。
キース 「受けるんだったら、筆で字をだな…」
Aブルー「書くよ、もちろん!」
タダ働きでも気にしない、と前向きな人。
Aブルー「上手く書けたら、山の別荘なんだし!」
キース 「よし。ブルー、硯とかを貸してくれるか?」
ブルー 「いいとも、ぶるぅ、用意してくれる?」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ ちょっと待っててねーっ!」
用意、用意、と「そるじゃぁ・ぶるぅ」が文机まで設置。
ぶるぅ 「んとんと、後は墨を磨るだけ!」
キース 「それは俺がやる」
ついでに手本も書くとするか、と文机に向かうキース君。
キース 「何にするかな、手本の方は…」
ブルー 「例のキノコ用の卒塔婆でどう?」
キース 「そうだな、自分で書いて貰うのも一興だ」
まずは梵字で…、と用意された紙にサラサラと。
Aブルー「その記号も、真似をして書くわけ?」
キース 「当然だろうが、これが卒塔婆の命だぞ?」
書けないようでは話にならん、と副住職モード。
キース 「梵字を書いたら、戒名を添えて完成だ」
Aブルー「スッポンタケの戒名だよね、有難いヤツ!」
キース 「手本は出来たし、お手並み拝見といこう」
Aブルー「頑張るよ!」
目指せ、合格! と張り切ってますけど。
どうなりますやら…。
2022/07/16 (Sat)
☆失敗した時には
じきに夏休みなシャン学メンバー、終業式が済めば自由。
生徒会長宅で夏休みの計画、其処へソルジャー乱入で…。
Aブルー「えーっと、筆を持って、と…」
キース 「墨をつけないと書けないからな?」
筆と筆ペンは違うんだ、とキース君が指差す硯。
キース 「適量をつけて、その墨を使う」
Aブルー「さっき見てたから、分かってるって!」
墨をつける、と筆を硯に突っ込みまして。
Aブルー「これでよし、っと! あれ?」
キース 「つけすぎだ!」
紙にボタッと落としてどうする、とキース君の怒声。
キース 「それが卒塔婆なら、おしまいだぞ!」
シロエ 「削って、書き直しでしたっけ?」
キース 「そういうことだが、この馬鹿にだな…」
卒塔婆削り器は扱えないぞ、と苦々しい顔。
キース 「削りすぎるのが目に見えている!」
シロエ 「扱いが難しいんですか?」
キース 「大工仕事に近い部分があるな」
慣れない間は削りすぎる、とキース君。
キース 「お前だったら、上手く削るかもしれないが」
Aブルー「はい、はーい! それじゃ、シロエに!」
キース 「はあ?」
Aブルー「ぼくがボタッとやった時だよ!」
フォローはシロエで、とソルジャーの笑顔。
Aブルー「字さえ上手ければ、いいんだよね?」
キース 「まあ、そうだが…」
Aブルー「だったら、シロエがフォロー担当!」
ぼくが採用された時は、とニコニコニコ。
Aブルー「というわけで、シロエ、よろしく!」
シロエ 「どうして、ぼくに投げるんですか!」
Aブルー「適材適所って言うじゃないか!」
得意な部分は助け合おうよ、とソルジャーの輝く瞳。
Aブルー「ぼくが卒塔婆を書きまくるからさ!」
シロエ 「ボタッとやったら、ぼくが後始末ですか?」
Aブルー「キース的には、それで問題無いと思うね!」
キース 「そうかもしれんが、その前にだな…」
シロエ 「採用試験が問題です」
合格してから言って下さい、とシロエ君。
当然ですよね?
2022/07/17 (Sun)
☆採用されたい人
もうすぐ夏休みなシャン学メンバー、残るは終業式だけ。
生徒会長宅で山の別荘行きの計画、其処へソルジャーが。
キース 「無駄口を叩いていないで、サッサと書け!」
Aブルー「分かってるってば、ぼくも合格したいしね」
まずは記号を真似して書く、と筆を握るソルジャー。
Aブルー「キースが書いた通りに、と…。あれ?」
キース 「線が歪んでいるようだが?」
Aブルー「ほ、ほら、筆は慣れてないから!」
慣れればいける、とソルジャー、言い訳。
Aブルー「ちゃんと特訓してくるからさ!」
キース 「だったら、筆ペンで書いてみろ!」
同じ太さで書けるヤツで…、とキース君。
キース 「ブルー、この筆のサイズのはあるか?」
ブルー 「うん、これだよね」
はい、と生徒会長が瞬間移動で取り出す筆ペン。
ブルー 「これで書ければ、採用するって?」
キース 「馬鹿とハサミは使いようだ!」
猫の手も借りたい時期だしな、と副住職の言。
キース 「タダで使えるバイトに文句は言わん」
Aブルー「なんだか引っ掛かる言い方だけど…」
山の別荘に行けるんだし…、とソルジャーも文句は無し。
Aブルー「この際、馬鹿でもハサミでもいいよ!」
キース 「それなら、これで書くんだな」
ご注文の筆ペンだ、とキース君が差し出す筆ペン。
キース 「これでダメなら、不合格だぞ?」
Aブルー「頑張るよ、これなら書ける筈だし!」
節分の絵馬には筆ペンだしね、と紙に向かう人。
Aブルー「謎の記号を真似して書く、と…」
キース 「今度は斜めになっていないか?」
Aブルー「ちょ、ちょっと姿勢が悪かったかな?」
背筋を伸ばして改めて…、とソルジャー、リベンジ。
Aブルー「今度こそ上手に真似出来る、ってね!」
キース 「…俺には、同じに見えないんだが?」
シロエ 「ぼくもですね」
ジョミー「うん、ぼくだって…」
Aブルー「酷いってば!」
ぼくは真面目に書いたのに、と悲鳴ですけど。
でもねえ…?
2022/07/18 (Mon)
☆スキルが無い人
じきに夏休みなシャン学メンバー、終業式が済めば自由。
マツカ君の山の別荘行きの計画、日程が問題ですけれど。
キース 「ダメだな、似ても似つかない仕上がりだけに」
Aブルー「そ、それは記号が意味不明だからで…」
字なら上手に書ける筈だ、と踏ん張るソルジャー。
Aブルー「字が上手かったら、後は頑張り次第だろう?」
キース 「そうかもしれんが、書けるのか?」
Aブルー「ぼくは、こう見えてもソルジャーだよ?」
凄いスキルがあるんだからね、と威張り返り。
Aブルー「この字を真似して書くのは、楽勝!」
キース 「なら、証明して貰わないとな」
書け! とキース君が指差す、お手本と紙。
キース 「これで下手なら、もう容赦なく放り出す!」
Aブルー「大丈夫だって、今度こそはね」
まあ見ててよ、と筆ペンで戒名を書くべくチャレンジ。
Aブルー「え、えっと…。あれ…?」
キース 「手癖があるとか、そういう以前の問題だな」
シロエ 「ですよね、これじゃ小学生です」
サム 「いや、そこは幼稚園児ってトコだろ?」
小学生に失礼だぜ、とサム君の意見。
サム 「低学年でも、上手いヤツの字は半端ねえし…」
マツカ 「早い子は、幼稚園から習い始めますしね」
スウェナ「不合格よね、この字だと…」
キース 「ああ、決定だな」
あんたを雇うわけにはいかん、とキース君、ピシャリ。
キース 「バイトは、マツカで間に合わせる」
Aブルー「ちょ、ちょっと…!」
だったら山の別荘行きは…、とソルジャー、ワタワタ。
Aブルー「美味しい料理や、ボート遊びは?」
キース 「当然、今年も俺たちだけだ」
Aブルー「あんまりだよ!」
置き去りにしたら呪うからね、と凄い台詞が。
Aブルー「卒塔婆地獄にしてやるから!」
キース 「その呪いは、俺には効かないんだが?」
Aブルー「効くよ、絶対!」
キース 「元から地獄の住人だからな」
俺は痛くも痒くもない、とキース君、涼しい顔。
確かに…。
2022/07/19 (Tue)
☆追い払われた人
終業式を残すだけなシャン学メンバー、夏休みの相談中。
マツカ君の山の別荘行きに、ソルジャーも乗ったのに…。
Aブルー「ぼくの呪いは効かないわけ!?」
キース 「第一、あんたは素人だしな」
呪いをかけても効くわけがない、とキース君、ニヤニヤ。
キース 「諦めて、大人しく青の間で過ごせ」
シロエ 「不合格な以上は、諦めるしか無いですしね」
Aブルー「君たち全員、呪ってやる!」
ジョミー「無理、無理、ぼくたちに卒塔婆は無理だし」
手伝えるのはマツカだけだよ、とジョミー君。
ジョミー「だけど、マツカを呪うとさ…」
サム 「別荘から叩き出されちまうぜ、間違いなく」
マツカ 「いえ、叩き出しはしませんけれど…」
おもてなしが行き届かない気が、とマツカ君の憂い顔。
マツカ 「ぼくが寝込んで、執事がお世話係だと…」
スウェナ「なんだか悪い気がしちゃうわよねえ…」
ジョミー「マツカに申し訳ないもんね…」
キース 「あんた、それでも呪うつもりか?」
俺には効かないのに、マツカをか、とキース君の問い。
キース 「どうかと思うが、まだ呪う気か?」
Aブルー「分かったよ! 諦めて帰ればいいんだろう!」
ブルー 「そういうことだね、部外者なんだし」
お客様のお帰りだよ、と生徒会長、手をヒラヒラと。
ブルー 「ぶるぅ、お土産を持たせてあげて」
ぶるぅ 「オッケー! はい、お菓子、詰めたよ!」
Aブルー「うう…。山の別荘、行きたかったのにーっ!」
残念すぎる、という言葉を残して、ソルジャー、消滅。
シロエ 「さて、改めて日程はどうしますか?」
キース 「マツカが手伝ってくれるそうだし…」
親父のメモが置かれていてもいけるか、とキース君。
キース 「合宿が終わって、すぐでもかまわん」
ジョミー「次の日ってことで、決まりだね!」
マツカ 「では、御用意させて頂きますね」
一同 「「「やったーっ!」」」
涼しい山の別荘ライフだ、と大歓声。
お楽しみがドッサリ…。
2022/07/20 (Wed)
☆グリーン車で出発
やって来ました、夏休み。まずは合宿に修行体験ツアー。
それが済んだ翌日、マツカ君の山の別荘へ出発でして…。
シロエ 「おはようございます! いよいよですね!」
ジョミー「今年もグリーン車、貸し切りだよね」
サム 「豪華だよなあ、マツカに感謝だぜ」
乗るぞ、とホームに集合していた面々、グリーン車へと。
ぶるぅ 「かみお~ん♪ しゅっぱぁ~つ!」
スウェナ「暑いアルテメシアに、お別れだわね」
涼しい高原が待ってるのよ、とスウェナちゃん。
スウェナ「ボート遊びに、乗馬もしなくちゃ」
シロエ 「楽しみですよね、それに食事も」
マツカ 「お任せ下さい、快適な毎日をお約束します」
一同 「「「イイネ!」」」
行きの列車も最高だ、とグリーン車の中でワイワイと。
ジョミー「いいよね、車内でドリンクバーって」
シロエ 「駅弁も、いいのを買いましたし…」
ぶるぅ 「冷蔵庫に、アイスが一杯だよ!」
他のお菓子も入ってるし、と「そるじゃぁ・ぶるぅ」。
ぶるぅ 「着くまでに、お腹一杯になりそう!」
ブルー 「そうだね、晩御飯の前に散歩は必須かな」
シロエ 「涼しいですから、ジョギングもいいかもです」
軽く走るのも楽しいですよ、とシロエ君が立てる親指。
シロエ 「高原の風は、気持ちいいですし…」
マツカ 「キースも一緒に走りませんか?」
合宿気分の続きもいいですよね、とマツカ君も。
マツカ 「合宿じゃない分、自分のペースで走れますし」
キース 「いいかもな。ところで、皆に質問なんだが…」
ジョミー「ぼくなら、走らないからね!」
サム 「俺も遠慮するぜ、柔道部だけで走ってくれよ」
散歩で充分、間に合うからよ、とサム君の文句。
サム 「修行体験ツアーに、走り込みはねえぜ」
キース 「いや、そうじゃなくて、夜中にだな…」
ジョミー「夜中って、昨夜?」
キース 「そうだが、妙な声を聞かなかったか?」
寝ている時に、という質問ですけど。
聞こえましたか…?
2022/07/21 (Thu)
☆聞こえたそうです
マツカ君の山の別荘へ出発、グリーン車での快適な道中。
楽しい日々がスタートですけど、キース君からの質問が。
ジョミー「夜中に変な声がした、って?」
キース 「お前は聞いていないのか?」
ジョミー「うん、何も…。他のみんなは?」
サム 「俺は爆睡してたしよ…。シロエとかは?」
聞いてねえか、とサム君の視線が他の面子に。
サム 「合宿疲れで、爆睡っぽい気もするけどよ」
シロエ 「まさにソレです、でもですね…」
夜中に声を聞いたとなると…、とシロエ君が傾げる首。
シロエ 「ジョミー先輩の好きなヤツでしょう?」
スウェナ「そうねえ、心霊現象だものね」
ジョミー「あー、そうか! すっごく残念!」
なんてこった、とジョミー君、ガックリ。
ジョミー「他にも聞いた人って、いる? 羨ましいよ!」
マツカ 「いえ、ぼくも熟睡してましたけど…」
スウェナ「私もなのよね、キースしか聞いていないのよ」
やっぱり環境のせいかしらね、とスウェナちゃん。
スウェナ「家はお寺だし、裏山は墓地だし…」
キース 「違う、そういうヤツではない!」
ジョミー「でもさあ、みんなに聞くってことはさ…」
シロエ 「自分だけでは、と思ったわけでしょう?」
誰も話題にしていませんし、とシロエ君の鋭い指摘。
シロエ 「集合してから、時間はたっぷりでしたしね」
ジョミー「盛り上がるには、充分だよねえ…」
モノが心霊現象だしさ、とジョミー君も。
ジョミー「いいなあ、家がお寺だなんて…」
キース 「断じて心霊現象ではない!」
なにしろ御存命だからな、と謎な台詞が。
シロエ 「御存命ですって?」
ジョミー「生霊ってヤツ?」
それも凄いよね、とジョミー君の輝く瞳。
ジョミー「もしかして、出たわけ?」
キース 「俺の家にだけな!」
シロエ 「なんて聞こえたんです?」
キース 「呪ってやる、と…」
一同 「「「げっ!!!」」」
それはダメなヤツ、と誰もがガクブル。
呪うですって?
2022/07/22 (Fri)
☆生霊だそうです
マツカ君の山の別荘へ、グリーン車で出発な面々ですが。
車内でキース君が言うには、夜中に声が聞こえたそうで。
ジョミー「ちょ、ちょっと…! 呪ってやる、って…」
シロエ 「それって、ヤバいじゃないですか!」
しかも生霊なんですよね、とシロエ君、顔面蒼白。
シロエ 「下手な死霊より、危険な気がしますけど…」
ブルー 「うん。執念が半端ないからねえ…」
除霊だったら、このくらいで、と生徒会長、指を一本。
ブルー 「本当だったら、指一本で百なんだけどさ…」
サム 「友達枠で、割引かよ?」
ブルー 「そう! 大負けに負けて、十にしとくよ」
もちろん、一番の高額紙幣で…、と念押しが。
ブルー 「分割払いもオッケーだけど?」
キース 「そんな金は無い!」
シロエ 「でも、呪われたら大変ですし…」
キース 「そうは思うが、元から呪われているからな…」
特に問題は無いかもしれん、とキース君が顎に当てる手。
キース 「なんと言っても、声の主が、だ…」
ジョミー「誰だったわけ?」
キース 「あの馬鹿に決まっているだろう!」
今回の旅から外されたヤツだ、とキース君。
キース 「呪いで卒塔婆地獄と言ってやがったし…」
一同 「「「あー…」」」
あの迷惑な人か、と誰もが納得。
シロエ 「すると呪いは、キース先輩限定ですね?」
ジョミー「でもって、卒塔婆地獄だよねえ…」
確かに除霊は要らないかも、と一同、苦笑。
ジョミー「そもそも、除霊も効かないかもだし…」
ブルー 「サイオン勝負だと、無理っぽいねえ…」
潔く呪われてくれたまえ、と生徒会長、いえ、銀青様。
ブルー 「卒塔婆を書きまくるわけだろう?」
キース 「そうなんだが…」
これが予想より増えていてな、とキース君の渋面。
キース 「親父のメモは、ともかくとして…」
ジョミー「追加が来たとか?」
キース 「余裕たっぷりだな、と…」
合宿の翌日から旅行はマズかった、と溜息が。
その通りかも…。
2022/07/23 (Sat)
☆呪われそうです
マツカ君の山の別荘への旅、グリーン車での快適な道中。
けれど車内でキース君が言うには、呪われそうだとかで。
ジョミー「アドス和尚なら追加だよね、ソレ…」
シロエ 「合宿中に溜まった卒塔婆、書かずにですね…」
そのまま旅行に出発ですし、とシロエ君、やや同情気味。
シロエ 「気の毒だとは思いますけど、自業自得とも…」
スウェナ「言えるわよねえ、この場合…」
キース 「その通りではあるんだが…」
だから甘んじて引き受けたが…、とキース君の苦い顔。
キース 「とはいえ、これが半端ない数で…」
マツカ 「そうみたいですね、あれ、全部でしょう?」
あそこの荷物が卒塔婆ですよね、とマツカ君が指す方向。
マツカ 「とんでもない数に見えますが…」
キース 「言わないでくれ、気が滅入る」
マツカ 「大丈夫ですよ、お手伝いさせて頂きますから」
二人がかりなら時間も半分かもです、とマツカ君。
マツカ 「ただ、ぼくは初めての経験ですから…」
シロエ 「キース先輩みたいにはいきませんよね…」
キース 「分かっている。俺が一本、書く間に、だ…」
半分も書けたら上等だな、とキース君が繰る数珠レット。
キース 「だが、有難い助っ人だし…」
ジョミー「文句なんかは言えないよねえ?」
キース 「ああ。根性で書いて、書きまくるしか…」
ブルー 「文字通り、地獄になったようだねえ…」
流石はブルーだ、と生徒会長、ニヤニヤニヤ。
ブルー 「キッチリ、呪って来るっていうのが凄いよ」
シロエ 「偶然だという気がしますけど?」
ブルー 「うん、此処までは、そうなんだけど…」
この先に実に興味があって…、と楽しそうな人。
ブルー 「呪ってやる、と言って来たわけだしさ…」
ジョミー「嫌がらせってヤツじゃないのかな?」
シロエ 「追い払ったのは、キース先輩ですしね…」
キース 「俺もそうだと思うんだが…」
ブルー 「さあ…?」
どうだろうね、と瓜二つの顔で言ってますけど。
さて…?
2022/07/24 (Sun)
☆まずはお茶から
マツカ君の山の別荘までは、毎年恒例のグリーン車の旅。
呪いが話題になりましたけど、最寄り駅に無事に到着で。
マツカ 「迎えの車が来ていますから、どうぞ」
シロエ 「もう、駅からして涼しいですよね!」
サム 「アルテメシアとは別世界だぜ」
まさに天国、とマイクロバスに乗り込み、別荘へ。
執事 「いらっしゃいませ、どうぞ中の方へ」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ 今年もよろしくねーっ!」
山の別荘だあ! と「そるじゃぁ・ぶるぅ」も大歓声。
ぶるぅ 「ボート遊びをして、ポニーに乗って…」
ジョミー「ぶるぅには、馬は大きすぎるもんね」
ぶるぅ 「そうなの、でもでも、ポニーも楽しいから!」
乗るんだも~ん! と飛び跳ねている元気なお子様。
ぶるぅ 「だけどキースは、卒塔婆だよねえ?」
キース 「縁起でもないことを言わないでくれ!」
テキパキと書いて片付けるぞ、とキース君、決意の表情。
キース 「あの馬鹿なんぞに呪われてたまるか!」
マツカ 「ええ。一休みしたら、早速、始めましょう」
お茶の用意が出来ていますよ、とマツカ君の笑み。
マツカ 「夕食の前に運動な話もありましたけど…」
スウェナ「どっちかと言えば、お腹が減ったわ」
シロエ 「車内で盛り上がりましたしね」
カラオケなんかもしてましたし…、とシロエ君。
シロエ 「わあ、本格的にアフタヌーンティーですよ!」
ぶるぅ 「お菓子も、サンドイッチもあるよ!」
執事 「お飲み物は、何でもお申し付け下さい」
ホットでもアイスでも、コーヒーでも…、ということで。
キース 「では、コーヒーをホットで」
執事 「かしこまりました。他の皆様は…?」
執事さんが注文を聞いて、賑やかにティータイム。
サム 「別荘ライフって気がするぜ」
シロエ 「ホントですよね、呪われた人もいますけど」
ジョミー「楽しんでるな?」
シロエ 「当然ですよ!」
いったい何が起こるでしょうか、と他人事な台詞。
楽しみかも…?
2022/07/25 (Mon)
☆夕食前にお出掛け
山の別荘に無事に到着、まずは優雅なティータイムから。
お茶やお菓子を満喫した後、夕食まで時間があるわけで。
ジョミー「シロエは軽く走るんだよね?」
シロエ 「いえ、ぼくだけになりそうですから…」
キース先輩たちは卒塔婆書きですしね、とシロエ君。
シロエ 「それに夕食は、走らなくても食べられますよ」
サム 「んじゃ、俺たちと出掛けるのな?」
シロエ 「そうなりますねえ、散歩ですか?」
ジョミー「そんなトコかな、ボート遊びや乗馬はさ…」
もっと時間のある時だよね、とジョミー君の提案は散歩。
ジョミー「心霊スポットがあればいいのになあ…」
マツカ 「そういうのは聞いていませんね」
サム 「そもそも、前からねえしな、ソレ」
新しく出来てたら怖すぎるぜ、とサム君が軽く竦める肩。
サム 「絶対、とんもでねえヤツだしよ…」
スウェナ「事故とか事件の現場だものねえ…」
ブルー 「出来立てのトコは、オススメしないよ」
せめて三年は待った方が…、と生徒会長、いえ、銀青様。
ブルー 「どっちにしても地縛霊だけど、三年あれば…」
サム 「ちっとはマシになるのかよ?」
ブルー 「お地蔵様が出来ているとか、それなりにさ…」
対策が取られているからね、とプロならではの発言が。
ブルー 「少なくとも、野放し状態よりはいいかな」
ジョミー「ふうん…? だけど、三年待つ以前にさ…」
出来てないよね、とジョミー君の残念そうな顔。
ジョミー「仕方ないから、何処かその辺を歩くしか…」
ぶるぅ 「お花、いっぱい咲いてるしね!」
シロエ 「平和な散歩を楽しみましょう」
キース先輩たちは留守番で…、とシロエ君。
シロエ 「早く片付くといいですね、卒塔婆」
マツカ 「ええ、頑張ります。…あれ?」
キース 「どうかしたか?」
マツカ 「今、変な声がしませんでしたか?」
シロエ 「聞いてませんけど、そのパターン…」
昨夜のキース先輩と同じでは、という指摘。
似てますね…?
2022/07/26 (Tue)
☆謎すぎるメッセージ
山の別荘でティータイムの後、夕食まで散歩という面々。
卒塔婆書きをする二人を残して、出掛けるつもりですが。
シロエ 「変な声って、誰も聞いてませんよね?」
ジョミー「うん。マツカだけじゃないの?」
キース 「今回は、俺も聞いてはいないんだが…」
もしかして、あの馬鹿野郎か、とキース君の問い。
キース 「どうなんだ、マツカ?」
マツカ 「例の人で合っているんですけど…」
シロエ 「やっぱり…。で、何と言って来たんです?」
マツカ先輩まで呪う気では、とシロエ君、肩をブルッと。
シロエ 「別荘行きを断られたのを、逆恨みして…」
マツカ 「それがですね…。邪魔しないで、と…」
一同 「「「は?」」」
邪魔って何の、と誰もがキョトン。
サム 「何だよ、ソレ? マツカは何もしてねえぜ?」
シロエ 「ですよね、散歩に行くのも留守番で…」
マツカ 「そうなんですけど、何なんでしょう?」
ぼくにも正直、謎なんですよ、とマツカ君。
マツカ 「でも、ぼくしか聞いてはいませんから…」
ジョミー「マツカ限定のメッセージだよね?」
マツカ 「多分、そうでしょう。皆さんは無関係ですよ」
どうぞ気にしないでお出掛け下さい、と柔和な笑み。
マツカ 「ぼくはキースと頑張りますから」
キース 「悪いな、済まんが世話になる」
マツカ 「どういたしまして」
和室を御用意しましたから、と二人で去ってゆきまして。
ジョミー「行っちゃったね…」
シロエ 「マツカ先輩も、人がいいですねえ…」
スウェナ「ホントよ、放っておけばいいのに」
呪われてるような人なんて、とスウェナちゃん。
スウェナ「卒塔婆地獄は、キースの自業自得でしょ?」
ブルー 「まあねえ…。でも、あの数だと大変だよね」
シロエ 「マツカ先輩が気の毒ですよ」
サム 「いいんでねえの? 手伝う気だしよ」
ジョミー「そうだよ、放って出掛けちゃおうよ!」
マツカもそう言っていたんだし、と正論が。
お出掛けですね?
2022/07/27 (Wed)
☆追い掛けて来た人
卒塔婆書きをする二人を残して、夕食まで散歩という話。
マツカ君が聞いたソルジャーの声も、スルー決定でして。
シロエ 「まあ、マツカ先輩だって、いざとなったら…」
サム 「逃げると思うぜ、卒塔婆地獄だしよ」
ジョミー「嫌になったら逃げるって!」
だから気にしないで出掛けちゃおう、とジョミー君。
ジョミー「えっと…。飲み物は自販機とかもあるよね」
スウェナ「ボート乗り場にはあったと思うわ」
シロエ 「じゃあ、その辺を目指して出発しましょうか」
執事 「お待ち下さい、お出掛けでしたら…」
ペットボトルを御用意します、と執事さんの申し出。
執事 「お好きな銘柄はおありでしょうか?」
シロエ 「スポーツドリンクなら、何でもいいです」
サム 「ソルティライチがあると嬉しいけどよ…」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ ぼくは、お茶なら何でも!」
ここぞとばかりに飛び出す注文、どれも用意はバッチリ。
執事 「皆様、こちらでよろしいですか?」
一同 「「「ありがとう!」」」
行ってきまぁーす! と正面の扉から別荘の表の庭へ。
シロエ 「飲み物の心配は無くなりましたね」
ジョミー「そうだね、何処でも行けそうだけど…」
ブルー 「足の向くままっていうのもいいねえ…」
景色はいいし、涼しいし…、と生徒会長。
ブルー 「夕食までに帰れる程度に、その辺をね」
ぶるぅ 「そだね、お馬さんを見るのもいいかも!」
シロエ 「この時間なら、まだ外にいますしね」
乗馬クラブも覗いてみましょうか、と門から出た所へ。
マツカ 「待って下さい、ぼくも行きまーす!」
一同 「「「えっ!?」」」
なんで、と振り返った先に、走って来るマツカ君の姿。
マツカ 「ぼくも飲み物、持って来ました!」
シロエ 「そ、それはいいですけど、マツカ先輩…」
サム 「卒塔婆書き、もう終わったのかよ?」
マツカ 「いいえ、全く…」
まるっと残っていますけど、との答えですけど。
もう逃亡…?
2022/07/28 (Thu)
☆邪魔をしないで
夕食まで散歩して来よう、と別荘の門を出た面々ですが。
なんとマツカ君が追って来たわけで、散歩に行くそうで。
シロエ 「マツカ先輩、逃げて来たんですか?」
マツカ 「平たく言えば、そうなりますね…」
キースには申し訳ないですけど、とマツカ君が竦める肩。
マツカ 「でも、どうしようもないですし…」
サム 「まさか、字がお眼鏡に適わなかったのかよ?」
ジョミー「あー…。書道も流派があるらしいもんね」
ブルー 「マツカの字に、癖は無いんだけどねえ…」
見事なものだよ、と生徒会長。
ブルー 「気に食わないだなんて、キースも贅沢だよね」
シロエ 「キース先輩の字は、上手いんですか?」
ブルー 「坊主としては、パーフェクトかな」
だから文句を言うんだろうけど…、と生徒会長、溜息。
ブルー 「でもねえ、学生バイトよりは、よっぽど…」
シロエ 「上手でしょうし、第一、卒塔婆の数だって…」
サム 「半端ねえのに、妥協しねえでどうするんだよ」
マツカ 「いえ、それが…」
キースは悪くないんですよ、とマツカ君。
マツカ 「詳しいことは、散歩しながら話しましょうか」
ジョミー「込み入ってるわけ?」
マツカ 「そうなんです」
実は、書こうとしたらですね…、と話し始めた高原の道。
マツカ 「邪魔しないで、と聞こえたわけで…」
サム 「例のヤツな?」
マツカ 「ええ。それで見回したら、呪ってやる、と…」
一同 「「「ええっ!?」」」
マツカ君を呪ってどうするんだ、と一同、仰天。
シロエ 「なんで、マツカ先輩を呪うんです!」
サム 「逆恨みってヤツじゃねえかよ、完全に!」
マツカ 「違うんですよ、注文なんです」
キースを呪う邪魔をするな、と…、とマツカ君。
マツカ 「散歩に行け、と言われました」
シロエ 「それで追い掛けて来たんですか?」
マツカ 「あの人ですよ?」
一同 「「「あー…」」」
逆らったら厄介な人だった、と納得ですけど。
この後は…?
2022/07/29 (Fri)
☆数えるそうです
山の別荘ライフがスタート、夕食まで散歩なわけですが。
マツカ君も一緒に散歩で、それがソルジャーの注文で…。
シロエ 「じゃあ、キース先輩が一人で卒塔婆を…?」
マツカ 「そうなんです。でも、どうすることも…」
出来ませんしね、とマツカ君が振り返る別荘の方。
マツカ 「呪うってことは、卒塔婆地獄でしょうから…」
ジョミー「今だけじゃなくて、この先もかな?」
マツカ 「多分、そうではないでしょうか」
分かりませんけど、と心配そうな顔。
マツカ 「手伝い無しで、あれだけ書くのは大変ですよ」
ブルー 「うん。自由時間は、ほぼ無いかもねえ…」
サム 「そこまでなのかよ?」
ブルー 「さっきのお茶に、かかった時間は?」
どのくらいかな、と生徒会長が指す腕時計。
ブルー 「夕食だって、フルコースなんだよ?」
一同 「「「あー…」」」
カップ麺とは違うんだった、と誰もが納得。
シロエ 「食事時間で、かなりのロスが出るわけですね」
ブルー 「そういうことだね、一緒に食べるなら」
マツカ 「キースの分だけ、運ばせましょうか?」
ブルー 「それこそ、ブルーの思う壺だよ」
文字通り卒塔婆地獄じゃないか、と生徒会長。
ブルー 「キースが自分で言い出したとしても…」
ジョミー「卒塔婆に埋もれる生活だよねえ…」
ブルー 「書き上がるまでね!」
どうなるのやら、と散歩の話題で、夕方に戻った別荘。
マツカ 「キースの様子を見て来ます」
サム 「あまり進んでねえだろうなあ…」
スウェナ「地獄だものねえ…」
ダメな気しかしない、と言い合う間に、マツカ君、帰還。
シロエ 「キース先輩、どうしてました?」
マツカ 「詰んでました…」
呪いの声が聞こえるそうです、とマツカ君。
マツカ 「あと何本、と卒塔婆を数えるらしいんです」
ジョミー「皿屋敷みたいに?」
マツカ 「ええ、恨めしげで、耳について…」
集中出来ないらしいんですよ、と言ってますけど。
ヤバすぎ…。
2022/07/30 (Sat)
☆地獄へとダイブ
マツカ君の山の別荘、一日目がスタートしましたけれど。
夕食の席に現れたキース君、既に疲れが見えていまして。
シロエ 「キース先輩、卒塔婆書きは進みましたか?」
キース 「それがだな…。書き損じてばかりで…」
サム 「まさか、削って書き直しかよ?」
キース 「1本につき、何回もな…」
だからサッパリ進まないんだ、とキース君、深い溜息。
キース 「マツカから聞いていると思うが…」
ジョミー「誰かさんが卒塔婆を数えるんだって?」
キース 「それは恨めしげに、あと何本、と…」
書き上げるなんて無理な気しかしない、とキース君。
キース 「このペースでは、食う時以外は缶詰だな…」
マツカ 「フルコースはマズかったでしょうか?」
キース 「いや、栄養と気分転換は大切だ」
俺は食うぞ、と長丁場の夕食、終わると和室へ。
ジョミー「大丈夫かな、アレ…」
ブルー 「ほぼ詰んでるけど、キレるかもねえ…」
一同 「「「は?」」」
ブルー 「自ら地獄にダイブするヤツ!」
ブルーの思う壺だけどさ、と生徒会長、ニヤニヤと。
ブルー 「卒塔婆書きを放棄で、遊びまくって…」
シロエ 「自分の首を絞めるんですか?」
ブルー 「別荘ライフを楽しんだ後が、悲惨だよねえ…」
明日には結果が出ると思うよ、と他人事な人。
ブルー 「乗馬クラブへ追って来る方に、アイス1本!」
シロエ 「ぼくも賭けます、3本で!」
サム 「俺は2本で!」
ジョミー「ぼくは4本…って、逆な人は?」
来ない方に賭ける人は、とジョミー君が見回す面子。
ジョミー「誰か、いるわけ?」
マツカ 「いえ、ぼくは…。他の皆さんは?」
スウェナ「大穴だけど、負ける気しか…」
ぶるぅ 「しないもん!」
賭けは不成立、そして翌日、乗馬クラブで…。
マツカ 「皆さん、お好きな馬にどうぞ」
キース 「待て、俺も乗るぞ!」
一同 「「「来た…」」」
逃げて来たか、と呆れる面々ですけど。
今月、これにて中継終了~。
2022/07/31 (Sun)
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