シャングリラ学園つれづれ語り
☆詰みそうな人
さて8月。夏休み絶賛継続中で、生徒会長宅に集う面々。
クーラーが効いて、アイスも食べ放題な環境ですけれど。
キース 「くっそぉ…。なんだって、俺がこんな目に!」
ブルー 「愚痴っている間に、帰るのがオススメだよ」
シロエ 「そうですよ。このままだと、もう確実に…」
詰むしかないと思いますけど、とシロエ君。
シロエ 「卒塔婆書き、例年以上に地獄なんでしょう?」
キース 「ああ、あの馬鹿野郎のお蔭でな!」
サム 「それは違うと俺は思うぜ」
ジョミー「うん、ぼくも。山の別荘で書いていればさ…」
間に合ってたと思うんだよね、とジョミー君も。
ジョミー「確かにノルマは増えていたけど…」
シロエ 「マツカ先輩をアテにしたからですよ?」
出発を早めましたよね、と鋭い指摘が。
シロエ 「それでアドス和尚に、数を増やされて…」
スウェナ「凄い数だったのに、書かずに遊んだわよね?」
キース 「あの馬鹿が呪って来るからだ!」
ブルー 「だけど、呪いに屈したのはさ…」
君じゃないか、と生徒会長、ピシャリ。
ブルー 「呪われたって、書けば良かったんだよ」
キース 「あの環境でか!?」
ブルー 「いいかい、相手はブルーなわけでさ…」
24時間、呪い続けるわけがない、と生徒会長。
ブルー 「飽きるのもあるし、それに夜中は…」
シロエ 「あっ、それどころじゃないんですよね?」
ブルー 「あっちのハーレイと、お楽しみでねえ…」
キースなんかは放置だよね、と生徒会長の読み。
ブルー 「おまけに、こっちは別荘ライフで…」
シロエ 「羨ましい分、余計に夜中に賭けますよね…」
ブルー 「そう! だから深夜は、もう絶対に…」
呪いなんかがある筈が無い、とキッパリと。
ブルー 「徹夜で遊んで騒ぐ代わりに…」
シロエ 「卒塔婆を書けば良かったんですね?」
ブルー 「そういうことだね」
キース 「ちょっと待て!」
何故、あの時に言わなかった、と叫んでますけど。
さあねえ…?
2022/08/01 (Mon)
☆首を絞めた人
夏休み絶賛継続中な8月、生徒会長宅に集っている面々。
キース君は卒塔婆地獄なわけで、書くしかないんですが。
ブルー 「ぼくには、教える義務なんか無いし…」
シロエ 「キース先輩だって、冷静に考えていれば…」
気付いていたと思いますけど、とシロエ君。
シロエ 「誰かさんの行動パターンは、誰だって…」
サム 「知ってるもんなあ、知りたくねえけど」
ジョミー「一種の夜行性だしね…」
向こうで活動している間は来ない、とジョミー君も。
ジョミー「キャプテンが忙しい時なら、別だけれどさ」
スウェナ「それ以外の時は、夜は姿を見せないわよね」
マツカ 「ええ。目撃した人はいませんよ」
有難いことに…、とマツカ君の相槌。
マツカ 「誰も見たくはないですし…」
サム 「見に行きてえってヤツもいねえよな」
其処に気付けよ、とサム君、お手上げのポーズ。
サム 「同じ徹夜なら、卒塔婆を書けばよ…」
ジョミー「呪いの声も聞こえないから、いけたよね?」
ブルー 「はかどったと思うよ、ブルーは朝も遅いし…」
朝食の時間が来るまで、充分いけた、と生徒会長。
ブルー 「なのに、書かずに遊んだわけでさ…」
シロエ 「自業自得というヤツですよね」
キース 「そ、そんな…!」
俺は自分で自分の首を絞めたのか、とキース君、愕然。
キース 「徹夜でゲームだの、カラオケだのと…」
ブルー 「貴重な時間を捨てたんだよ」
自分で招いた地獄だよね、と生徒会長、涼しい顔。
ブルー 「遊びまくった分は、取り返すしか…」
シロエ 「無いんですよね、どう考えても」
マツカ 「あの…。ぼくで良ければ、お手伝いを…」
ボランティアでさせて頂きますが、とマツカ君の申し出。
マツカ 「もう、呪っては来ないでしょうし…」
シロエ 「ダメです、癖になりますから!」
サム 「やらせとけよな、自分の責任でよ」
マツカ 「でも、気の毒で…」
見ていられません、と言ってますけど。
手伝うと…?
2022/08/02 (Tue)
☆缶詰で書けば
夏休み絶賛継続中、生徒会長宅に集うシャン学メンバー。
キース君は卒塔婆地獄ですけど、来ているわけでして…。
シロエ 「あのですね…。見ていられない、って…」
サム 「そもそも、なんでキースが此処にいるんだよ」
ジョミー「帰って卒塔婆を書くべきだよねえ…」
こんな所でサボッてないで、とジョミー君のツッコミ。
ジョミー「キースがいるから、マツカだってさ…」
スウェナ「気の毒になってしまうわけでしょ?」
帰りなさいよ、とスウェナちゃんが指差す扉。
スウェナ「それにマツカも、甘すぎるわね」
ブルー 「まあ、それがマツカのいい所だけど…」
手伝う必要は無いと思う、と生徒会長も。
ブルー 「シロエが言う通り、癖になるしね」
シロエ 「まったくです。癖になったら、来年だって…」
同じ轍を踏むと思いますね、とシロエ君の冷たい瞳。
シロエ 「帰らないなら、缶詰でどうです?」
一同 「「「缶詰?」」」
シロエ 「ええ。こう、一室に閉じ込めてですね…」
卒塔婆を書かせるんですよ、という案が。
シロエ 「元老寺よりは、いい環境だと思いますけど」
サム 「あー、此処ならエアコン完備だもんな!」
ジョミー「エアコン無しで、セミがうるさいらしいし…」
比べれば天国ってヤツだもんね、とジョミー君。
ジョミー「それに、ぶるぅの美味しい料理もつくしさ」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ おやつも作るも~ん!」
キース 「なるほどな…」
一理あるか、とキース君が顎に当てる手。
キース 「何処で書こうが、要は書ければ…」
ブルー 「アドス和尚だって、許す筈だよ」
キース 「確かにな…」
部屋とかは貸してくれるのか、とキース君の問い。
キース 「借りられるのなら、有難いが…」
ブルー 「もちろん、タダで提供するよ。硯とかもね」
シロエ 「キース先輩、チャンスじゃないですか!」
キース 「渡りに船というヤツだな」
チャンス到来、と話に乗ったキース君。
此処で書く、と…。
2022/08/03 (Wed)
☆泊まりは不可能
夏休み中なシャン学メンバー、生徒会長宅でのんびりと。
キース君だけが卒塔婆地獄でして、此処で書くそうで…。
ブルー 「じゃあ、缶詰で書くんだね?」
キース 「なんとか目途がつく所までは…」
今日だけでは済みそうもないんだが、とキース君、溜息。
キース 「恐らく、当分、世話になるかと…」
ブルー 「泊まりで書ければ、かなり早いだろうけど…」
キース 「それは親父に殺されるしな…」
ノルマが加算されるのは確実、と唸る人。
キース 「山の別荘の時と同じで、いい身分だな、と…」
一同 「「「あー…」」」
エアコン完備で書くんだし…、と誰もが納得。
シロエ 「また増えたら、後が無いですしねえ…」
キース 「それだけは勘弁願いたい…」
ブルー 「オッケー、その分、書ける時間に…」
頑張りたまえ、と生徒会長のエール。
ブルー 「ぶるぅ、和室を使わせてあげて」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ 用意してくるねーっ!」
エアコンに硯、と跳ねてゆきまして、マッハで帰還。
ぶるぅ 「用意出来たよ、すぐに涼しくなるから!」
キース 「有難い。後は、卒塔婆を…」
ぶるぅ 「瞬間移動でお取り寄せだね!」
はい、と宙に取り出された卒塔婆の包み。
ぶるぅ 「頑張ってねーっ!」
キース 「いや、卒塔婆だけでは無理なんだが…!」
ぶるぅ 「えっと…?」
キース 「戒名だ!」
リストが無いと何も書けん、とキース君。
キース 「俺の部屋の机に、リストがだな…」
ぶるぅ 「コレ?」
キース 「すまん、まさにコレだ」
先は長いな、とキース君が繰るページ。
キース 「半分も書けていないのか…」
シロエ 「それ、過去帳というヤツですか?」
初めて見ました、とシロエ君、興味津々。
シロエ 「わあ、戒名が一杯ですねえ…」
キース 「そうだが、過去帳ではないぞ」
シロエ 「違うんですか?」
キース 「ただのリストだ!」
一緒にするな、と顔を顰めてますけど。
そうなんですか…?
2022/08/04 (Thu)
☆増やしたそうです
絶賛夏休みなシャン学メンバー、生徒会長宅でダラダラ。
キース君だけが卒塔婆地獄で、此処で書くことに決定で。
シロエ 「これの立派なバージョンが、過去帳ですか?」
キース 「いいや、中身が全く違う」
サム 「えっ、戒名じゃねえのかよ?」
キース 「戒名の他に、色々と書くものがあってだな…」
こんなリストとは全く別だ、と副住職。
キース 「もっとも今時、紙の過去帳とは限らんが…」
一同 「「「は?」」」
キース 「パソコン用のヤツもあるんだ!」
だからだな…、と副住職の苦い顔付き。
キース 「紙の過去帳をお求めの寺院様へ、と案内が…」
サム 「業者から送られて来るわけな?」
キース 「そうなんだ。俺の家では、紙一択だが」
なにしろ親父がアレだからな、とブツブツブツ。
キース 「しかも、便利なバインダー式も使えなくて…」
一同 「「「バインダー?」」」
キース 「別売りの紙で、こう、いくらでも…」
差し替えとかが出来るのに…、と唸る人。
キース 「昔ながらのヤツは、扱いも大変で…」
シロエ 「檀家さんが全員、載ってるんですよね?」
キース 「仏様になられた人だけだがな」
ご存命の方は無関係だぞ、と副住職の訂正が。
キース 「仏様なら、全員、書き込むわけで…」
ジョミー「追加するのに、バインダー式が便利、って?」
キース 「当然だろうが、増える一方なんだぞ?」
??? 「うん、分かるよ!」
増やしたしね、とソルジャー(会話表記はAブルー)が。
一同 「「「出たーっ!」」」
Aブルー「失礼だねえ、君たちは!」
人を幽霊みたいにさ…、とソルジャーが顰める顔。
Aブルー「まあいいけどね、過去帳の話が面白そうだし」
キース 「俺は卒塔婆書きで忙しいんだが!」
Aブルー「分かってる。で、ぼくも増やして…」
キース 「例の仏様の卒塔婆は、まだだが?」
Aブルー「過去帳だよ!」
増やしたよね、と御機嫌な笑顔ですけど。
何を増やしたと…?
2022/08/05 (Fri)
☆無いらしいです
夏休み中なシャン学メンバー、生徒会長宅でのんびりと。
キース君は卒塔婆を書くそうですけど、其処へ乱入者が。
Aブルー「いつ増やしたかは知らないけどさ…」
キース 「何の話だ?」
Aブルー「ぼくの分の過去帳だよ!」
キース 「あんた、いつの間に死んだんだ?」
知らなかったぞ、とキース君、呆れ果てた顔。
キース 「話を適当に聞いていたんだな?」
Aブルー「えっと…?」
シロエ 「過去帳に載るのは、仏様だけらしいですよ」
生きている人は無いんですけど…、とシロエ君が横から。
シロエ 「あなたの分があるとなったら、幽霊ですけど」
ジョミー「でも、幽霊には見えないよね…」
サム 「これは違うぜ、俺が見てもよ」
死んでねえな、と霊感持ちのサム君も。
サム 「過去帳には載っていねえ筈だぜ」
キース 「第一、あんたは、ウチの檀家ではないし…」
死んでいたって載るわけがない、と副住職。
キース 「まずは檀家にならないと…」
Aブルー「檀家だってば!」
棚経だってして貰ってる、とソルジャー、目がマジ。
Aブルー「お布施もしてるし、過去帳だって…!」
キース 「なんだ、例のヤツか」
スッポンタケか、とキース君。
キース 「あんたは、アレとセットでいいのか?」
Aブルー「セットって?」
キース 「アレが、あんたの家の仏様となると…」
過去帳にはセットで書き込むんだぞ、という説明が。
キース 「過去帳は、家ごとにあるものだしな」
Aブルー「そうなんだ? でも、セットでもさ…」
ぼくはちっとも気にしないけど、とソルジャーの笑顔。
Aブルー「是非、書き込んでくれたまえ!」
キース 「しかしだな…」
その過去帳が無いんだが、と副住職。
キース 「過去帳は、親父の管轄でだな…」
Aブルー「君は書けないって言うのかい?」
キース 「加筆は出来るが、新規作成は不可能だ」
Aブルー「ええっ!?」
だったらスッポンタケの分は、と悲鳴ですけど。
存在しないと…?
2022/08/06 (Sat)
☆作った場合は
夏休みは涼しい生徒会長宅、いつもの過ごし方ですけど。
キース君は此処で卒塔婆書きでして、其処へ乱入者で…。
Aブルー「スッポンタケの過去帳は、無いってこと!?」
キース 「さっき言った通りの事情で、存在しないな」
Aブルー「酷いよ、お布施も払ってるのに!」
過去帳に載っていないだなんて、とソルジャーの苦情。
Aブルー「あんまりすぎるよ、載せるべきだよ!」
キース 「親父の管轄では、どうにもならん」
Aブルー「じゃあ、アドス和尚の意識を、ちょっと…」
キース 「操作するだけ無駄だと思うが?」
過去帳は代々受け継がれるもので…、と副住職。
キース 「それだけに、檀家さんが見ることもある」
シロエ 「そうなんですか?」
キース 「ご先祖様が、全員、載っているからな」
其処で院殿号の戒名があればどうなる、と質問が。
キース 「そう簡単には出さないヤツだぞ、アレは」
シロエ 「あー…。誰なのか、気になりますよねえ…」
キース 「当然、親父に聞くことになるな」
そして親父が正気に戻る、とキース君、キッパリ。
キース 「俺が呼ばれて、お調べがあるぞ」
サム 「勝手に加筆した容疑ってヤツな?」
キース 「ついでに、院殿号を出した方もな!」
もう吊し上げでビシバシと…、と肩をブルッと。
キース 「恐らく、俺はフルボッコで…」
シロエ 「過去帳の方はどうなるんです?」
キース 「そのページだけ、破って捨てられるかと」
Aブルー「そ、そんな…!」
あんまりだよ、とソルジャー、泣きそうな顔。
Aブルー「載ってないより酷いじゃないか!」
キース 「そうなるな」
それが嫌なら諦めろ、と副住職。
キース 「いくらあんたでも、俺の家をずっと…」
シロエ 「監視は出来ないと思いますけど?」
Aブルー「目を離した隙とかに来そうだよねえ…」
ジョミー「あるあるだよ、ソレ」
キース 「で、どうするんだ?」
作る気なのか、と聞いてますけど。
どうするんでしょう…?
2022/08/07 (Sun)
☆他所でも出来ます
何もない日は生徒会長宅、夏休みの定番なんですけれど。
キース君だけが卒塔婆地獄で、其処へソルジャー乱入で。
Aブルー「無いままにするか、作って捨てられるか?」
キース 「その二択だな、どう考えても」
どっちがいいんだ、とキース君、腕組み。
キース 「好きに選んでくれればいいが」
Aブルー「捨てられちゃったら、どうなるわけ?」
スッポンタケは、とソルジャーの問い。
Aブルー「もう棚経とかは出来ないとか?」
キース 「いや、頼んで来る人がいる限りは、だ…」
無縁仏にはならないな、と副住職。
キース 「当然、棚経も、お彼岸も、今まで通りに…」
シロエ 「出来ちゃうんですか?」
キース 「そういう仕組みになっているぞ」
昔の有名人とかの法要がソレだ、と説明が。
キース 「ファンが法要をやってるだろうが」
ジョミー「あー…。子孫でも何でもないよね、アレは」
キース 「スッポンタケでも、同じ理屈だ」
戒名さえ分かっていればオッケー、と副住職の言。
キース 「戒名が謎でも、出来ないことはないんだし…」
スウェナ「あら、そうなの?」
キース 「生前の名前が分かればいいんだ」
要は供養の気持ちだからな、と副住職が繰る数珠レット。
キース 「それで、過去帳はどうするんだ?」
Aブルー「うーん…。捨てられちゃっても影響はゼロ…」
キース 「俺の被害は甚大だがな」
サム 「だよなあ、罰礼も来そうだしよ…」
そんな目に遭っても供養するのかよ、とサム君、遠い目。
サム 「お前、心が広すぎるぜ…」
キース 「誰が供養を続けると言った?」
Aブルー「えっ?」
キース 「今、俺が言った通りだが?」
俺は其処までやらないからな、とキース君。
キース 「そうなった時は、供養は他所でやってくれ!」
Aブルー「他所って、ブルーに頼むとか?」
キース 「何処の寺でも出来る筈だぞ」
Aブルー「酷すぎるよ!」
見捨てないでよ、とソルジャー、真っ青ですけど。
さて…?
2022/08/08 (Mon)
☆作ったらゴミ
イベントが無い日は生徒会長宅へ、それが夏休みの定番。
皆が集う中、キース君だけ卒塔婆地獄で、乱入者までが。
キース 「だから、あんたに選べと言ったが?」
Aブルー「何を選ぶのさ!?」
キース 「過去帳は無いままでいくのか、増やすかだ!」
増やしてバレたら、俺は供養を放棄するぞ、と副住職。
キース 「親父に怒鳴られて、酷い目に遭って、だ…」
サム 「罰礼三昧で、足腰立たなくなりそうだよな…」
ジョミー「アドス和尚だし、半端じゃないよね…」
シロエ 「半殺しにされるのは、確実ですよね」
キース先輩が放棄するのも分かります、とシロエ君も。
シロエ 「そんな迷惑な仏様なんて、絶縁すべきです!」
スウェナ「過去帳とセットで、クリーンセンターだわね」
Aブルー「クリーンセンターって?」
キース 「早い話が、ゴミ処理場だ!」
お焚き上げでさえないからな、と副住職が吊り上げる眉。
キース 「古い卒塔婆などは、裏山でお焚き上げだが…」
サム 「例のキノコの過去帳は、ゴミな?」
キース 「あの親父だぞ?」
こう、ビリビリと破いてだな…、とゴミを丸める手真似。
キース 「ゴミ箱にポイで、それをおふくろが…」
シロエ 「燃えるゴミの日に出すんですね?」
キース 「生ゴミとかと一緒にな」
Aブルー「酷すぎるから!」
最悪だよ、とソルジャー、泣きそう。
Aブルー「スッポンタケだって、浮かばれないよ!」
キース 「過去帳を作ると、ほぼ、そうなるが?」
そういう末路が来るんだが…、とキース君。
キース 「それでも作りたいのか、作らないのか?」
Aブルー「供養を放棄されるどころか、ゴミの日って…」
ミュウ並みの酷い扱いだよね、とソルジャーの嘆き節。
Aブルー「過去帳無しだと、どうなるわけ?」
キース 「どうなるも何も、今の時点でだな…」
シロエ 「無いわけですよね?」
キース 「無いな、何処にも」
最初から作っていないんだし…、と言ってますけど。
どうする…?
2022/08/09 (Tue)
☆過去帳は無しで
夏休み中なシャン学メンバー、生徒会長宅で涼を満喫中。
けれどキース君は卒塔婆地獄で、ソルジャーまで乱入で。
Aブルー「えっと…。過去帳無しなのが今だよね?」
キース 「ああ。存在したことは一度も無いが」
Aブルー「だけど棚経が出来て、お彼岸だって…」
キース 「不本意ながら、供養をしてやっている」
しかし作った場合は知らんぞ、とキース君、念押し。
キース 「親父に破り捨てられた時は、俺は手を切る!」
Aブルー「それは困るんだよ!」
キース 「なら、どうするんだ?」
Aブルー「過去帳は、とても欲しいんだけど…」
ゴミは嫌だ、とソルジャーの泣き。
Aブルー「おまけに棚経も、お彼岸の法要もパアで…」
キース 「他所の寺なら出来るんだぞ?」
Aブルー「それじゃ、参加者ゼロになるから!」
シロエ 「当然でしょうね、付き合う義務はありません」
どうぞ一人で行って下さい、っとシロエ君の冷たい言葉。
シロエ 「キャプテンくらいは、来てくれますよ」
サム 「だよなあ、例のキノコは養子だしよ…」
スウェナ「他人ってわけじゃないものねえ…」
Aブルー「寂しすぎるから!」
面子が足りなさすぎるんだよ、とソルジャー、ブツブツ。
Aブルー「やっぱり、過去帳は諦めるしか…」
キース 「そうするんなら、立ち去ってくれ」
Aブルー「えっ?」
諦めれば御縁は続くんだろう、と愕然とする人。
Aブルー「なんで、帰れって言い出すのさ!」
キース 「俺の卒塔婆書きがリーチなんだ!」
思いっ切り時間をロスしたぞ、とキース君の怒声。
キース 「缶詰で書かないとヤバいのに!」
Aブルー「ご、ごめん…!」
帰るから棚経は見捨てないで、とソルジャー、懇願。
Aブルー「過去帳は要らないから、棚経とかは!」
キース 「仕方ないから、やってやる」
Aブルー「恩に着るよ、じゃあ、帰るから、お土産…」
キース 「ぶるぅ、お帰りだ!」
土産なんぞは無しでいい、と怒鳴ってますけど。
無いと…?
2022/08/10 (Wed)
☆早く書かないと
クーラーが効いた生徒会長宅で過ごす、夏休み中な面々。
けれどキース君には卒塔婆書きのノルマで、リーチな今。
Aブルー「いいじゃないか、お土産くらい貰っても!」
キース 「やかましい、邪魔をしに来たくせに!」
Aブルー「違うよ、ぼくは、そんなつもりじゃ…!」
ブルー 「ぶるぅ、いいから、お土産をね」
その方が早く帰るってば、と生徒会長の指示が。
ぶるぅ 「オッケー! アイスと今日のケーキでいい?」
Aブルー「ありがとう! アイスも手作りなのかな?」
ぶるぅ 「違うけど、美味しいって評判のお店ので…」
Aブルー「いいねえ、来た甲斐があったってば!」
過去帳の件は残念だけど…、とソルジャー、嬉しそう。
Aブルー「アイスの種類は選べるのかい?」
ぶるぅ 「んとんと…。見て貰う方が早いと思うの!」
それにケーキも、とソルジャーに提案するお子様。
ぶるぅ 「フレーバー、いっぱい買ったから…」
Aブルー「ケーキも色々ありそうだよね」
ぶるぅ 「そうなの、今日はケーキバイキング!」
だから好きなの選んでね、とソルジャー連れで扉の方へ。
Aブルー「やったね、それじゃ直接帰るから!」
キース 「二度と来るなよ、お盆までな!」
Aブルー「分かってるってば、棚経、よろしく!」
それに卒塔婆も…、と去ってゆきましたけど。
キース 「畜生、時間のロスが半端なかった…」
ブルー 「お土産無しコースだと、まだ揉めてるよ」
シロエ 「ですよね、あの人を分かってないです」
無駄に付き合いが長いのに…、とシロエ君も。
シロエ 「ついでに、早く書いた方がですね…」
サム 「いいと思うぜ、棺桶でよ」
ぶるぅが用意してくれただろ、と和室の方を指すサム君。
サム 「でないとマジで詰んじまうしよ…」
キース 「棺桶だと!?」
サム 「すまん、缶詰! わざとじゃねえよ!」
ジョミー「ハマりすぎだよね、今のヤツ…」
もう棺桶でいいんじゃないの、という声ですけど。
不吉な…。
2022/08/11 (Thu)
☆出て来た時には
生徒会長宅はクーラーで快適、夏休み中な面々ですけど。
卒塔婆書きに追われているキース君、もはやリーチで…。
キース 「いくら詰みそうでも、棺桶はだな…!」
ブルー 「早く書かないと、文字通り棺桶になるからね」
アドス和尚が怖いんだろう、と生徒会長。
ブルー 「まるで全く書けないままで、お盆とかはさ…」
サム 「殺されるよなあ?」
ブルー 「もう間違いなく、処刑だよね」
まあ、前日までに確認されるだろうけど、と冷たい声音。
ブルー 「書けたのか、と来て、書けていないと…」
キース 「言わないでくれ、それ以上は!」
俺は棺桶で書いて来る、とキース君、ダッシュで和室へ。
シロエ 「行っちゃいましたよ、凄い勢いで…」
ブルー 「真面目に詰みかけているからねえ…」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ お客様、帰ってったよ!」
キースによろしく、って、と無邪気なお子様の帰還。
ぶるぅ 「あれっ、キースは?」
シロエ 「もう棺桶に行きましたよ」
ぶるぅ 「棺桶って…。キース、どうしちゃったの!?」
熱中症は無いと思うけど…、と「そるじゃぁ・ぶるぅ」。
ぶるぅ 「まさか、過労で倒れちゃったとか…?」
シロエ 「いえ、卒塔婆書きが詰んでるだけです」
サム 「テンパッててよ、缶詰を自分で棺桶ってよ…」
ジョミー「言い間違えて走ってったよ、さっき和室へ」
最初に間違えたのはサムだけど、とジョミー君、苦笑。
ジョミー「自分で棺桶って言うくらいにさ…」
スウェナ「棺桶になりそうな自覚はあるみたいねえ…」
ブルー 「どう見てもヤバくて、ギリギリだしね」
棚経の前日まで棺桶だよ、と生徒会長、キッパリ。
ブルー 「暖かく見守ってあげたまえ」
シロエ 「棺桶から出て来るまでですか?」
サム 「吸血鬼かキョンシーみたいだぜ、ソレ」
シロエ 「じゃあ、出て来たら退治ですね?」
ぶるぅ 「わぁーい、お化け屋敷!」
すっごく楽しみ! と飛び跳ねてますけど。
退治すると?
2022/08/12 (Fri)
☆吸血鬼にはコレ
夏休みを満喫中なシャン学メンバー、生徒会長宅な毎日。
キース君だけが卒塔婆書きでして、いよいよ明日が棚経。
シロエ 「ホントに前日まで棺桶になりましたねえ…」
マツカ 「棺桶で定着しましたよね」
正しくは缶詰なんですが、とマツカ君が眺める和室の方。
マツカ 「キースが自分で言い間違えたせいで…」
シロエ 「ですから、出て来たら退治でしょう?」
ぶるぅ 「そだよ、吸血鬼なんだから…」
ジョミー「あっ、出て来た!」
終わったみたい、というジョミー君の声で開いた扉。
キース 「やっと書けたぞ…」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ お疲れ様でしたぁーっ!」
明日の棚経も頑張ってね、と早速、食事の用意が。
ぶるぅ 「はい、食べて、食べて!」
キース 「…おい、コレは何だ?」
ぶるぅ 「今日は焼肉、ガーリックたっぷり!」
タレとかもガーリックを効かせたもん、と得意満面。
ぶるぅ 「締めもガーリックライスだから!」
キース 「あ、有難いんだが、明日は棚経でだな…」
ガーリックはダメだ、と副住職。
ぶるぅ 「ほらね、やっぱり吸血鬼だあ!」
シロエ 「ですよね、キース先輩用には精進料理が…」
あるそうですよ、とシロエ君の笑顔。
シロエ 「焼肉パーティーは、ぼくたちだけで…」
ジョミー「楽しむんだから、別室でどうぞ」
匂いがついてもマズイもんね、とジョミー君。
ジョミー「精進料理は、和室に運んでくれるって!」
キース 「くっそぉ…! しかしだな…」
お前とサムも道連れだぞ、とキース君、ニヤリ。
キース 「お前たちは、明日は棚経のお供だからな」
ジョミー「げっ!」
サム 「やべえ、そうだった…!」
マジかよ、と青ざめるサム君、そしてジョミー君。
キース 「残念だったな、一緒に退治されてくれ」
ぶるぅ 「オッケー、精進料理を追加だね!」
ジョミー「酷いって!」
キース 「これが坊主の宿命だ!」
明日はキリキリ働くんだぞ、と連行な二名。
墓穴でしたか…。
2022/08/13 (Sat)
☆前日は精進料理
やって来ました、棚経の日な14日。会場は生徒会長宅。
朝イチで集合な面々ですけど、足りない顔が三人分で…。
シロエ 「おはようございます。今日も暑いですよね」
マツカ 「今からこれだと、予報通りに猛暑日でしょう」
スウェナ「受難だわねえ、お坊さん組は…」
とっくに出発してるんでしょう、とスウェナちゃん。
スウェナ「一番早い檀家さんの家、朝の6時らしいし…」
シロエ 「その時間でも、もう充分に暑かったですよ」
マツカ 「朝から快晴ですからね…」
その中を自転車で移動ですか、とマツカ君、同情モード。
マツカ 「熱中症が心配ですよね、本当に…」
スウェナ「おまけに、昨日が精進料理よ、あの人たちは」
シロエ 「そうでした! 吸血鬼退治イベントで…」
巻き込まれた人もいましたっけ、とシロエ君の苦笑。
シロエ 「キース先輩が、ターゲットだったんですが…」
スウェナ「ジョミーとサムの件は、忘れていたわよ」
ブルー 「自分たちでも忘れてたんだし、仕方ないよね」
ぼくは気付いていたんだけどさ、と生徒会長。
ブルー 「でも面白いから、放置しておいたら…」
シロエ 「見事に罠に落ちたんですね?」
ブルー 「そういうことだね、自業自得だよ」
しかも精進料理MAX、とクスクス笑い。
ブルー 「もどき料理も無かったからねえ…」
ぶるぅ 「だって、そんなの要らない、って…」
シロエ 「ええ、ジョミー先輩が特に乗り気でしたね」
それについては、とシロエ君が顎に当てる手。
シロエ 「力が抜けそうな正統派を、と言いましたよ」
ぶるぅ 「そうなの、味付けとかまで、全部…」
あっさり系で纏めてくれって…、と料理上手なお子様。
ぶるぅ 「それが無かったら、お肉もどき料理も…」
ブルー 「あっただろうねえ、ナスの蒲焼きだって」
シロエ 「自分の首を絞めましたよね…」
マツカ 「あんな料理で、今日を乗り切れますか?」
あれじゃ力が出ませんよ、と心配する声。
暑いですしね…。
2022/08/14 (Sun)
☆うな重だった人
お盆はスッポンタケの棚経、生徒会長宅に来ている面々。
けれど僧籍な人は棚経、ついでに昨日は精進料理でして。
シロエ 「ぼくたちは、焼肉パーティーでしたけど…」
スウェナ「キースたちには、精進料理だけだったわね…」
マツカ 「そうなんです。今朝も精進料理でしょう?」
アドス和尚の方針で、とマツカ君、気の毒そうな顔。
マツカ 「朝早くから、元老寺に集合で…」
シロエ 「揃って朝御飯でしたよね…」
スウェナ「精進料理レベルMAXよ、きっと」
なにしろアドス和尚だものね、とスウェナちゃん。
スウェナ「自分は裏で、いいもの食べていそうだけれど」
ぶるぅ 「んとんと、昨夜はウナギだったよ?」
一同 「「「ウナギ!?」」」
ぶるぅ 「そだよ、うな重、お取り寄せなの!」
だってキースがいなかったし…、と覗き見した人の証言。
ぶるぅ 「キースも御馳走だろうから、って!」
一同 「「「あー…」」」
そうなるよね、と誰もが納得。
シロエ 「ぶるぅの料理の腕前、知ってますからねえ…」
スウェナ「自分も食べて何が悪い、っていうわけね…」
マツカ 「そうでしょうけど、うな重だなんて…」
お坊さん的にはどうなんでしょう、とマツカ君の疑問。
マツカ 「今朝も精進料理ですよ? しかもですね…」
シロエ 「お取り寄せだと、仕出し屋さんですし…」
スウェナ「バレちゃうわよねえ、誰が頼んだのか…」
ブルー 「いろんな意味でセーフだよ、ソレ」
まず、バレる件、と生徒会長が立てる人差し指。
ブルー 「元老寺には宿坊があるよね?」
シロエ 「あっ、お客様の…」
ブルー 「ご注文ってことで通るけど?」
ついでに精進料理の方も…、と指をチッチッと。
ブルー 「棚経は体力勝負だからねえ、何処のお寺も…」
シロエ 「まさか、うな重なんですか?」
ブルー 「ステーキの人もいると思うね」
マツカ 「じゃあ、キースたちは…」
貧乏クジを引いたんですか、とマツカ君。
そうなりますね?
2022/08/15 (Mon)
さて8月。夏休み絶賛継続中で、生徒会長宅に集う面々。
クーラーが効いて、アイスも食べ放題な環境ですけれど。
キース 「くっそぉ…。なんだって、俺がこんな目に!」
ブルー 「愚痴っている間に、帰るのがオススメだよ」
シロエ 「そうですよ。このままだと、もう確実に…」
詰むしかないと思いますけど、とシロエ君。
シロエ 「卒塔婆書き、例年以上に地獄なんでしょう?」
キース 「ああ、あの馬鹿野郎のお蔭でな!」
サム 「それは違うと俺は思うぜ」
ジョミー「うん、ぼくも。山の別荘で書いていればさ…」
間に合ってたと思うんだよね、とジョミー君も。
ジョミー「確かにノルマは増えていたけど…」
シロエ 「マツカ先輩をアテにしたからですよ?」
出発を早めましたよね、と鋭い指摘が。
シロエ 「それでアドス和尚に、数を増やされて…」
スウェナ「凄い数だったのに、書かずに遊んだわよね?」
キース 「あの馬鹿が呪って来るからだ!」
ブルー 「だけど、呪いに屈したのはさ…」
君じゃないか、と生徒会長、ピシャリ。
ブルー 「呪われたって、書けば良かったんだよ」
キース 「あの環境でか!?」
ブルー 「いいかい、相手はブルーなわけでさ…」
24時間、呪い続けるわけがない、と生徒会長。
ブルー 「飽きるのもあるし、それに夜中は…」
シロエ 「あっ、それどころじゃないんですよね?」
ブルー 「あっちのハーレイと、お楽しみでねえ…」
キースなんかは放置だよね、と生徒会長の読み。
ブルー 「おまけに、こっちは別荘ライフで…」
シロエ 「羨ましい分、余計に夜中に賭けますよね…」
ブルー 「そう! だから深夜は、もう絶対に…」
呪いなんかがある筈が無い、とキッパリと。
ブルー 「徹夜で遊んで騒ぐ代わりに…」
シロエ 「卒塔婆を書けば良かったんですね?」
ブルー 「そういうことだね」
キース 「ちょっと待て!」
何故、あの時に言わなかった、と叫んでますけど。
さあねえ…?
2022/08/01 (Mon)
☆首を絞めた人
夏休み絶賛継続中な8月、生徒会長宅に集っている面々。
キース君は卒塔婆地獄なわけで、書くしかないんですが。
ブルー 「ぼくには、教える義務なんか無いし…」
シロエ 「キース先輩だって、冷静に考えていれば…」
気付いていたと思いますけど、とシロエ君。
シロエ 「誰かさんの行動パターンは、誰だって…」
サム 「知ってるもんなあ、知りたくねえけど」
ジョミー「一種の夜行性だしね…」
向こうで活動している間は来ない、とジョミー君も。
ジョミー「キャプテンが忙しい時なら、別だけれどさ」
スウェナ「それ以外の時は、夜は姿を見せないわよね」
マツカ 「ええ。目撃した人はいませんよ」
有難いことに…、とマツカ君の相槌。
マツカ 「誰も見たくはないですし…」
サム 「見に行きてえってヤツもいねえよな」
其処に気付けよ、とサム君、お手上げのポーズ。
サム 「同じ徹夜なら、卒塔婆を書けばよ…」
ジョミー「呪いの声も聞こえないから、いけたよね?」
ブルー 「はかどったと思うよ、ブルーは朝も遅いし…」
朝食の時間が来るまで、充分いけた、と生徒会長。
ブルー 「なのに、書かずに遊んだわけでさ…」
シロエ 「自業自得というヤツですよね」
キース 「そ、そんな…!」
俺は自分で自分の首を絞めたのか、とキース君、愕然。
キース 「徹夜でゲームだの、カラオケだのと…」
ブルー 「貴重な時間を捨てたんだよ」
自分で招いた地獄だよね、と生徒会長、涼しい顔。
ブルー 「遊びまくった分は、取り返すしか…」
シロエ 「無いんですよね、どう考えても」
マツカ 「あの…。ぼくで良ければ、お手伝いを…」
ボランティアでさせて頂きますが、とマツカ君の申し出。
マツカ 「もう、呪っては来ないでしょうし…」
シロエ 「ダメです、癖になりますから!」
サム 「やらせとけよな、自分の責任でよ」
マツカ 「でも、気の毒で…」
見ていられません、と言ってますけど。
手伝うと…?
2022/08/02 (Tue)
☆缶詰で書けば
夏休み絶賛継続中、生徒会長宅に集うシャン学メンバー。
キース君は卒塔婆地獄ですけど、来ているわけでして…。
シロエ 「あのですね…。見ていられない、って…」
サム 「そもそも、なんでキースが此処にいるんだよ」
ジョミー「帰って卒塔婆を書くべきだよねえ…」
こんな所でサボッてないで、とジョミー君のツッコミ。
ジョミー「キースがいるから、マツカだってさ…」
スウェナ「気の毒になってしまうわけでしょ?」
帰りなさいよ、とスウェナちゃんが指差す扉。
スウェナ「それにマツカも、甘すぎるわね」
ブルー 「まあ、それがマツカのいい所だけど…」
手伝う必要は無いと思う、と生徒会長も。
ブルー 「シロエが言う通り、癖になるしね」
シロエ 「まったくです。癖になったら、来年だって…」
同じ轍を踏むと思いますね、とシロエ君の冷たい瞳。
シロエ 「帰らないなら、缶詰でどうです?」
一同 「「「缶詰?」」」
シロエ 「ええ。こう、一室に閉じ込めてですね…」
卒塔婆を書かせるんですよ、という案が。
シロエ 「元老寺よりは、いい環境だと思いますけど」
サム 「あー、此処ならエアコン完備だもんな!」
ジョミー「エアコン無しで、セミがうるさいらしいし…」
比べれば天国ってヤツだもんね、とジョミー君。
ジョミー「それに、ぶるぅの美味しい料理もつくしさ」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ おやつも作るも~ん!」
キース 「なるほどな…」
一理あるか、とキース君が顎に当てる手。
キース 「何処で書こうが、要は書ければ…」
ブルー 「アドス和尚だって、許す筈だよ」
キース 「確かにな…」
部屋とかは貸してくれるのか、とキース君の問い。
キース 「借りられるのなら、有難いが…」
ブルー 「もちろん、タダで提供するよ。硯とかもね」
シロエ 「キース先輩、チャンスじゃないですか!」
キース 「渡りに船というヤツだな」
チャンス到来、と話に乗ったキース君。
此処で書く、と…。
2022/08/03 (Wed)
☆泊まりは不可能
夏休み中なシャン学メンバー、生徒会長宅でのんびりと。
キース君だけが卒塔婆地獄でして、此処で書くそうで…。
ブルー 「じゃあ、缶詰で書くんだね?」
キース 「なんとか目途がつく所までは…」
今日だけでは済みそうもないんだが、とキース君、溜息。
キース 「恐らく、当分、世話になるかと…」
ブルー 「泊まりで書ければ、かなり早いだろうけど…」
キース 「それは親父に殺されるしな…」
ノルマが加算されるのは確実、と唸る人。
キース 「山の別荘の時と同じで、いい身分だな、と…」
一同 「「「あー…」」」
エアコン完備で書くんだし…、と誰もが納得。
シロエ 「また増えたら、後が無いですしねえ…」
キース 「それだけは勘弁願いたい…」
ブルー 「オッケー、その分、書ける時間に…」
頑張りたまえ、と生徒会長のエール。
ブルー 「ぶるぅ、和室を使わせてあげて」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ 用意してくるねーっ!」
エアコンに硯、と跳ねてゆきまして、マッハで帰還。
ぶるぅ 「用意出来たよ、すぐに涼しくなるから!」
キース 「有難い。後は、卒塔婆を…」
ぶるぅ 「瞬間移動でお取り寄せだね!」
はい、と宙に取り出された卒塔婆の包み。
ぶるぅ 「頑張ってねーっ!」
キース 「いや、卒塔婆だけでは無理なんだが…!」
ぶるぅ 「えっと…?」
キース 「戒名だ!」
リストが無いと何も書けん、とキース君。
キース 「俺の部屋の机に、リストがだな…」
ぶるぅ 「コレ?」
キース 「すまん、まさにコレだ」
先は長いな、とキース君が繰るページ。
キース 「半分も書けていないのか…」
シロエ 「それ、過去帳というヤツですか?」
初めて見ました、とシロエ君、興味津々。
シロエ 「わあ、戒名が一杯ですねえ…」
キース 「そうだが、過去帳ではないぞ」
シロエ 「違うんですか?」
キース 「ただのリストだ!」
一緒にするな、と顔を顰めてますけど。
そうなんですか…?
2022/08/04 (Thu)
☆増やしたそうです
絶賛夏休みなシャン学メンバー、生徒会長宅でダラダラ。
キース君だけが卒塔婆地獄で、此処で書くことに決定で。
シロエ 「これの立派なバージョンが、過去帳ですか?」
キース 「いいや、中身が全く違う」
サム 「えっ、戒名じゃねえのかよ?」
キース 「戒名の他に、色々と書くものがあってだな…」
こんなリストとは全く別だ、と副住職。
キース 「もっとも今時、紙の過去帳とは限らんが…」
一同 「「「は?」」」
キース 「パソコン用のヤツもあるんだ!」
だからだな…、と副住職の苦い顔付き。
キース 「紙の過去帳をお求めの寺院様へ、と案内が…」
サム 「業者から送られて来るわけな?」
キース 「そうなんだ。俺の家では、紙一択だが」
なにしろ親父がアレだからな、とブツブツブツ。
キース 「しかも、便利なバインダー式も使えなくて…」
一同 「「「バインダー?」」」
キース 「別売りの紙で、こう、いくらでも…」
差し替えとかが出来るのに…、と唸る人。
キース 「昔ながらのヤツは、扱いも大変で…」
シロエ 「檀家さんが全員、載ってるんですよね?」
キース 「仏様になられた人だけだがな」
ご存命の方は無関係だぞ、と副住職の訂正が。
キース 「仏様なら、全員、書き込むわけで…」
ジョミー「追加するのに、バインダー式が便利、って?」
キース 「当然だろうが、増える一方なんだぞ?」
??? 「うん、分かるよ!」
増やしたしね、とソルジャー(会話表記はAブルー)が。
一同 「「「出たーっ!」」」
Aブルー「失礼だねえ、君たちは!」
人を幽霊みたいにさ…、とソルジャーが顰める顔。
Aブルー「まあいいけどね、過去帳の話が面白そうだし」
キース 「俺は卒塔婆書きで忙しいんだが!」
Aブルー「分かってる。で、ぼくも増やして…」
キース 「例の仏様の卒塔婆は、まだだが?」
Aブルー「過去帳だよ!」
増やしたよね、と御機嫌な笑顔ですけど。
何を増やしたと…?
2022/08/05 (Fri)
☆無いらしいです
夏休み中なシャン学メンバー、生徒会長宅でのんびりと。
キース君は卒塔婆を書くそうですけど、其処へ乱入者が。
Aブルー「いつ増やしたかは知らないけどさ…」
キース 「何の話だ?」
Aブルー「ぼくの分の過去帳だよ!」
キース 「あんた、いつの間に死んだんだ?」
知らなかったぞ、とキース君、呆れ果てた顔。
キース 「話を適当に聞いていたんだな?」
Aブルー「えっと…?」
シロエ 「過去帳に載るのは、仏様だけらしいですよ」
生きている人は無いんですけど…、とシロエ君が横から。
シロエ 「あなたの分があるとなったら、幽霊ですけど」
ジョミー「でも、幽霊には見えないよね…」
サム 「これは違うぜ、俺が見てもよ」
死んでねえな、と霊感持ちのサム君も。
サム 「過去帳には載っていねえ筈だぜ」
キース 「第一、あんたは、ウチの檀家ではないし…」
死んでいたって載るわけがない、と副住職。
キース 「まずは檀家にならないと…」
Aブルー「檀家だってば!」
棚経だってして貰ってる、とソルジャー、目がマジ。
Aブルー「お布施もしてるし、過去帳だって…!」
キース 「なんだ、例のヤツか」
スッポンタケか、とキース君。
キース 「あんたは、アレとセットでいいのか?」
Aブルー「セットって?」
キース 「アレが、あんたの家の仏様となると…」
過去帳にはセットで書き込むんだぞ、という説明が。
キース 「過去帳は、家ごとにあるものだしな」
Aブルー「そうなんだ? でも、セットでもさ…」
ぼくはちっとも気にしないけど、とソルジャーの笑顔。
Aブルー「是非、書き込んでくれたまえ!」
キース 「しかしだな…」
その過去帳が無いんだが、と副住職。
キース 「過去帳は、親父の管轄でだな…」
Aブルー「君は書けないって言うのかい?」
キース 「加筆は出来るが、新規作成は不可能だ」
Aブルー「ええっ!?」
だったらスッポンタケの分は、と悲鳴ですけど。
存在しないと…?
2022/08/06 (Sat)
☆作った場合は
夏休みは涼しい生徒会長宅、いつもの過ごし方ですけど。
キース君は此処で卒塔婆書きでして、其処へ乱入者で…。
Aブルー「スッポンタケの過去帳は、無いってこと!?」
キース 「さっき言った通りの事情で、存在しないな」
Aブルー「酷いよ、お布施も払ってるのに!」
過去帳に載っていないだなんて、とソルジャーの苦情。
Aブルー「あんまりすぎるよ、載せるべきだよ!」
キース 「親父の管轄では、どうにもならん」
Aブルー「じゃあ、アドス和尚の意識を、ちょっと…」
キース 「操作するだけ無駄だと思うが?」
過去帳は代々受け継がれるもので…、と副住職。
キース 「それだけに、檀家さんが見ることもある」
シロエ 「そうなんですか?」
キース 「ご先祖様が、全員、載っているからな」
其処で院殿号の戒名があればどうなる、と質問が。
キース 「そう簡単には出さないヤツだぞ、アレは」
シロエ 「あー…。誰なのか、気になりますよねえ…」
キース 「当然、親父に聞くことになるな」
そして親父が正気に戻る、とキース君、キッパリ。
キース 「俺が呼ばれて、お調べがあるぞ」
サム 「勝手に加筆した容疑ってヤツな?」
キース 「ついでに、院殿号を出した方もな!」
もう吊し上げでビシバシと…、と肩をブルッと。
キース 「恐らく、俺はフルボッコで…」
シロエ 「過去帳の方はどうなるんです?」
キース 「そのページだけ、破って捨てられるかと」
Aブルー「そ、そんな…!」
あんまりだよ、とソルジャー、泣きそうな顔。
Aブルー「載ってないより酷いじゃないか!」
キース 「そうなるな」
それが嫌なら諦めろ、と副住職。
キース 「いくらあんたでも、俺の家をずっと…」
シロエ 「監視は出来ないと思いますけど?」
Aブルー「目を離した隙とかに来そうだよねえ…」
ジョミー「あるあるだよ、ソレ」
キース 「で、どうするんだ?」
作る気なのか、と聞いてますけど。
どうするんでしょう…?
2022/08/07 (Sun)
☆他所でも出来ます
何もない日は生徒会長宅、夏休みの定番なんですけれど。
キース君だけが卒塔婆地獄で、其処へソルジャー乱入で。
Aブルー「無いままにするか、作って捨てられるか?」
キース 「その二択だな、どう考えても」
どっちがいいんだ、とキース君、腕組み。
キース 「好きに選んでくれればいいが」
Aブルー「捨てられちゃったら、どうなるわけ?」
スッポンタケは、とソルジャーの問い。
Aブルー「もう棚経とかは出来ないとか?」
キース 「いや、頼んで来る人がいる限りは、だ…」
無縁仏にはならないな、と副住職。
キース 「当然、棚経も、お彼岸も、今まで通りに…」
シロエ 「出来ちゃうんですか?」
キース 「そういう仕組みになっているぞ」
昔の有名人とかの法要がソレだ、と説明が。
キース 「ファンが法要をやってるだろうが」
ジョミー「あー…。子孫でも何でもないよね、アレは」
キース 「スッポンタケでも、同じ理屈だ」
戒名さえ分かっていればオッケー、と副住職の言。
キース 「戒名が謎でも、出来ないことはないんだし…」
スウェナ「あら、そうなの?」
キース 「生前の名前が分かればいいんだ」
要は供養の気持ちだからな、と副住職が繰る数珠レット。
キース 「それで、過去帳はどうするんだ?」
Aブルー「うーん…。捨てられちゃっても影響はゼロ…」
キース 「俺の被害は甚大だがな」
サム 「だよなあ、罰礼も来そうだしよ…」
そんな目に遭っても供養するのかよ、とサム君、遠い目。
サム 「お前、心が広すぎるぜ…」
キース 「誰が供養を続けると言った?」
Aブルー「えっ?」
キース 「今、俺が言った通りだが?」
俺は其処までやらないからな、とキース君。
キース 「そうなった時は、供養は他所でやってくれ!」
Aブルー「他所って、ブルーに頼むとか?」
キース 「何処の寺でも出来る筈だぞ」
Aブルー「酷すぎるよ!」
見捨てないでよ、とソルジャー、真っ青ですけど。
さて…?
2022/08/08 (Mon)
☆作ったらゴミ
イベントが無い日は生徒会長宅へ、それが夏休みの定番。
皆が集う中、キース君だけ卒塔婆地獄で、乱入者までが。
キース 「だから、あんたに選べと言ったが?」
Aブルー「何を選ぶのさ!?」
キース 「過去帳は無いままでいくのか、増やすかだ!」
増やしてバレたら、俺は供養を放棄するぞ、と副住職。
キース 「親父に怒鳴られて、酷い目に遭って、だ…」
サム 「罰礼三昧で、足腰立たなくなりそうだよな…」
ジョミー「アドス和尚だし、半端じゃないよね…」
シロエ 「半殺しにされるのは、確実ですよね」
キース先輩が放棄するのも分かります、とシロエ君も。
シロエ 「そんな迷惑な仏様なんて、絶縁すべきです!」
スウェナ「過去帳とセットで、クリーンセンターだわね」
Aブルー「クリーンセンターって?」
キース 「早い話が、ゴミ処理場だ!」
お焚き上げでさえないからな、と副住職が吊り上げる眉。
キース 「古い卒塔婆などは、裏山でお焚き上げだが…」
サム 「例のキノコの過去帳は、ゴミな?」
キース 「あの親父だぞ?」
こう、ビリビリと破いてだな…、とゴミを丸める手真似。
キース 「ゴミ箱にポイで、それをおふくろが…」
シロエ 「燃えるゴミの日に出すんですね?」
キース 「生ゴミとかと一緒にな」
Aブルー「酷すぎるから!」
最悪だよ、とソルジャー、泣きそう。
Aブルー「スッポンタケだって、浮かばれないよ!」
キース 「過去帳を作ると、ほぼ、そうなるが?」
そういう末路が来るんだが…、とキース君。
キース 「それでも作りたいのか、作らないのか?」
Aブルー「供養を放棄されるどころか、ゴミの日って…」
ミュウ並みの酷い扱いだよね、とソルジャーの嘆き節。
Aブルー「過去帳無しだと、どうなるわけ?」
キース 「どうなるも何も、今の時点でだな…」
シロエ 「無いわけですよね?」
キース 「無いな、何処にも」
最初から作っていないんだし…、と言ってますけど。
どうする…?
2022/08/09 (Tue)
☆過去帳は無しで
夏休み中なシャン学メンバー、生徒会長宅で涼を満喫中。
けれどキース君は卒塔婆地獄で、ソルジャーまで乱入で。
Aブルー「えっと…。過去帳無しなのが今だよね?」
キース 「ああ。存在したことは一度も無いが」
Aブルー「だけど棚経が出来て、お彼岸だって…」
キース 「不本意ながら、供養をしてやっている」
しかし作った場合は知らんぞ、とキース君、念押し。
キース 「親父に破り捨てられた時は、俺は手を切る!」
Aブルー「それは困るんだよ!」
キース 「なら、どうするんだ?」
Aブルー「過去帳は、とても欲しいんだけど…」
ゴミは嫌だ、とソルジャーの泣き。
Aブルー「おまけに棚経も、お彼岸の法要もパアで…」
キース 「他所の寺なら出来るんだぞ?」
Aブルー「それじゃ、参加者ゼロになるから!」
シロエ 「当然でしょうね、付き合う義務はありません」
どうぞ一人で行って下さい、っとシロエ君の冷たい言葉。
シロエ 「キャプテンくらいは、来てくれますよ」
サム 「だよなあ、例のキノコは養子だしよ…」
スウェナ「他人ってわけじゃないものねえ…」
Aブルー「寂しすぎるから!」
面子が足りなさすぎるんだよ、とソルジャー、ブツブツ。
Aブルー「やっぱり、過去帳は諦めるしか…」
キース 「そうするんなら、立ち去ってくれ」
Aブルー「えっ?」
諦めれば御縁は続くんだろう、と愕然とする人。
Aブルー「なんで、帰れって言い出すのさ!」
キース 「俺の卒塔婆書きがリーチなんだ!」
思いっ切り時間をロスしたぞ、とキース君の怒声。
キース 「缶詰で書かないとヤバいのに!」
Aブルー「ご、ごめん…!」
帰るから棚経は見捨てないで、とソルジャー、懇願。
Aブルー「過去帳は要らないから、棚経とかは!」
キース 「仕方ないから、やってやる」
Aブルー「恩に着るよ、じゃあ、帰るから、お土産…」
キース 「ぶるぅ、お帰りだ!」
土産なんぞは無しでいい、と怒鳴ってますけど。
無いと…?
2022/08/10 (Wed)
☆早く書かないと
クーラーが効いた生徒会長宅で過ごす、夏休み中な面々。
けれどキース君には卒塔婆書きのノルマで、リーチな今。
Aブルー「いいじゃないか、お土産くらい貰っても!」
キース 「やかましい、邪魔をしに来たくせに!」
Aブルー「違うよ、ぼくは、そんなつもりじゃ…!」
ブルー 「ぶるぅ、いいから、お土産をね」
その方が早く帰るってば、と生徒会長の指示が。
ぶるぅ 「オッケー! アイスと今日のケーキでいい?」
Aブルー「ありがとう! アイスも手作りなのかな?」
ぶるぅ 「違うけど、美味しいって評判のお店ので…」
Aブルー「いいねえ、来た甲斐があったってば!」
過去帳の件は残念だけど…、とソルジャー、嬉しそう。
Aブルー「アイスの種類は選べるのかい?」
ぶるぅ 「んとんと…。見て貰う方が早いと思うの!」
それにケーキも、とソルジャーに提案するお子様。
ぶるぅ 「フレーバー、いっぱい買ったから…」
Aブルー「ケーキも色々ありそうだよね」
ぶるぅ 「そうなの、今日はケーキバイキング!」
だから好きなの選んでね、とソルジャー連れで扉の方へ。
Aブルー「やったね、それじゃ直接帰るから!」
キース 「二度と来るなよ、お盆までな!」
Aブルー「分かってるってば、棚経、よろしく!」
それに卒塔婆も…、と去ってゆきましたけど。
キース 「畜生、時間のロスが半端なかった…」
ブルー 「お土産無しコースだと、まだ揉めてるよ」
シロエ 「ですよね、あの人を分かってないです」
無駄に付き合いが長いのに…、とシロエ君も。
シロエ 「ついでに、早く書いた方がですね…」
サム 「いいと思うぜ、棺桶でよ」
ぶるぅが用意してくれただろ、と和室の方を指すサム君。
サム 「でないとマジで詰んじまうしよ…」
キース 「棺桶だと!?」
サム 「すまん、缶詰! わざとじゃねえよ!」
ジョミー「ハマりすぎだよね、今のヤツ…」
もう棺桶でいいんじゃないの、という声ですけど。
不吉な…。
2022/08/11 (Thu)
☆出て来た時には
生徒会長宅はクーラーで快適、夏休み中な面々ですけど。
卒塔婆書きに追われているキース君、もはやリーチで…。
キース 「いくら詰みそうでも、棺桶はだな…!」
ブルー 「早く書かないと、文字通り棺桶になるからね」
アドス和尚が怖いんだろう、と生徒会長。
ブルー 「まるで全く書けないままで、お盆とかはさ…」
サム 「殺されるよなあ?」
ブルー 「もう間違いなく、処刑だよね」
まあ、前日までに確認されるだろうけど、と冷たい声音。
ブルー 「書けたのか、と来て、書けていないと…」
キース 「言わないでくれ、それ以上は!」
俺は棺桶で書いて来る、とキース君、ダッシュで和室へ。
シロエ 「行っちゃいましたよ、凄い勢いで…」
ブルー 「真面目に詰みかけているからねえ…」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ お客様、帰ってったよ!」
キースによろしく、って、と無邪気なお子様の帰還。
ぶるぅ 「あれっ、キースは?」
シロエ 「もう棺桶に行きましたよ」
ぶるぅ 「棺桶って…。キース、どうしちゃったの!?」
熱中症は無いと思うけど…、と「そるじゃぁ・ぶるぅ」。
ぶるぅ 「まさか、過労で倒れちゃったとか…?」
シロエ 「いえ、卒塔婆書きが詰んでるだけです」
サム 「テンパッててよ、缶詰を自分で棺桶ってよ…」
ジョミー「言い間違えて走ってったよ、さっき和室へ」
最初に間違えたのはサムだけど、とジョミー君、苦笑。
ジョミー「自分で棺桶って言うくらいにさ…」
スウェナ「棺桶になりそうな自覚はあるみたいねえ…」
ブルー 「どう見てもヤバくて、ギリギリだしね」
棚経の前日まで棺桶だよ、と生徒会長、キッパリ。
ブルー 「暖かく見守ってあげたまえ」
シロエ 「棺桶から出て来るまでですか?」
サム 「吸血鬼かキョンシーみたいだぜ、ソレ」
シロエ 「じゃあ、出て来たら退治ですね?」
ぶるぅ 「わぁーい、お化け屋敷!」
すっごく楽しみ! と飛び跳ねてますけど。
退治すると?
2022/08/12 (Fri)
☆吸血鬼にはコレ
夏休みを満喫中なシャン学メンバー、生徒会長宅な毎日。
キース君だけが卒塔婆書きでして、いよいよ明日が棚経。
シロエ 「ホントに前日まで棺桶になりましたねえ…」
マツカ 「棺桶で定着しましたよね」
正しくは缶詰なんですが、とマツカ君が眺める和室の方。
マツカ 「キースが自分で言い間違えたせいで…」
シロエ 「ですから、出て来たら退治でしょう?」
ぶるぅ 「そだよ、吸血鬼なんだから…」
ジョミー「あっ、出て来た!」
終わったみたい、というジョミー君の声で開いた扉。
キース 「やっと書けたぞ…」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ お疲れ様でしたぁーっ!」
明日の棚経も頑張ってね、と早速、食事の用意が。
ぶるぅ 「はい、食べて、食べて!」
キース 「…おい、コレは何だ?」
ぶるぅ 「今日は焼肉、ガーリックたっぷり!」
タレとかもガーリックを効かせたもん、と得意満面。
ぶるぅ 「締めもガーリックライスだから!」
キース 「あ、有難いんだが、明日は棚経でだな…」
ガーリックはダメだ、と副住職。
ぶるぅ 「ほらね、やっぱり吸血鬼だあ!」
シロエ 「ですよね、キース先輩用には精進料理が…」
あるそうですよ、とシロエ君の笑顔。
シロエ 「焼肉パーティーは、ぼくたちだけで…」
ジョミー「楽しむんだから、別室でどうぞ」
匂いがついてもマズイもんね、とジョミー君。
ジョミー「精進料理は、和室に運んでくれるって!」
キース 「くっそぉ…! しかしだな…」
お前とサムも道連れだぞ、とキース君、ニヤリ。
キース 「お前たちは、明日は棚経のお供だからな」
ジョミー「げっ!」
サム 「やべえ、そうだった…!」
マジかよ、と青ざめるサム君、そしてジョミー君。
キース 「残念だったな、一緒に退治されてくれ」
ぶるぅ 「オッケー、精進料理を追加だね!」
ジョミー「酷いって!」
キース 「これが坊主の宿命だ!」
明日はキリキリ働くんだぞ、と連行な二名。
墓穴でしたか…。
2022/08/13 (Sat)
☆前日は精進料理
やって来ました、棚経の日な14日。会場は生徒会長宅。
朝イチで集合な面々ですけど、足りない顔が三人分で…。
シロエ 「おはようございます。今日も暑いですよね」
マツカ 「今からこれだと、予報通りに猛暑日でしょう」
スウェナ「受難だわねえ、お坊さん組は…」
とっくに出発してるんでしょう、とスウェナちゃん。
スウェナ「一番早い檀家さんの家、朝の6時らしいし…」
シロエ 「その時間でも、もう充分に暑かったですよ」
マツカ 「朝から快晴ですからね…」
その中を自転車で移動ですか、とマツカ君、同情モード。
マツカ 「熱中症が心配ですよね、本当に…」
スウェナ「おまけに、昨日が精進料理よ、あの人たちは」
シロエ 「そうでした! 吸血鬼退治イベントで…」
巻き込まれた人もいましたっけ、とシロエ君の苦笑。
シロエ 「キース先輩が、ターゲットだったんですが…」
スウェナ「ジョミーとサムの件は、忘れていたわよ」
ブルー 「自分たちでも忘れてたんだし、仕方ないよね」
ぼくは気付いていたんだけどさ、と生徒会長。
ブルー 「でも面白いから、放置しておいたら…」
シロエ 「見事に罠に落ちたんですね?」
ブルー 「そういうことだね、自業自得だよ」
しかも精進料理MAX、とクスクス笑い。
ブルー 「もどき料理も無かったからねえ…」
ぶるぅ 「だって、そんなの要らない、って…」
シロエ 「ええ、ジョミー先輩が特に乗り気でしたね」
それについては、とシロエ君が顎に当てる手。
シロエ 「力が抜けそうな正統派を、と言いましたよ」
ぶるぅ 「そうなの、味付けとかまで、全部…」
あっさり系で纏めてくれって…、と料理上手なお子様。
ぶるぅ 「それが無かったら、お肉もどき料理も…」
ブルー 「あっただろうねえ、ナスの蒲焼きだって」
シロエ 「自分の首を絞めましたよね…」
マツカ 「あんな料理で、今日を乗り切れますか?」
あれじゃ力が出ませんよ、と心配する声。
暑いですしね…。
2022/08/14 (Sun)
☆うな重だった人
お盆はスッポンタケの棚経、生徒会長宅に来ている面々。
けれど僧籍な人は棚経、ついでに昨日は精進料理でして。
シロエ 「ぼくたちは、焼肉パーティーでしたけど…」
スウェナ「キースたちには、精進料理だけだったわね…」
マツカ 「そうなんです。今朝も精進料理でしょう?」
アドス和尚の方針で、とマツカ君、気の毒そうな顔。
マツカ 「朝早くから、元老寺に集合で…」
シロエ 「揃って朝御飯でしたよね…」
スウェナ「精進料理レベルMAXよ、きっと」
なにしろアドス和尚だものね、とスウェナちゃん。
スウェナ「自分は裏で、いいもの食べていそうだけれど」
ぶるぅ 「んとんと、昨夜はウナギだったよ?」
一同 「「「ウナギ!?」」」
ぶるぅ 「そだよ、うな重、お取り寄せなの!」
だってキースがいなかったし…、と覗き見した人の証言。
ぶるぅ 「キースも御馳走だろうから、って!」
一同 「「「あー…」」」
そうなるよね、と誰もが納得。
シロエ 「ぶるぅの料理の腕前、知ってますからねえ…」
スウェナ「自分も食べて何が悪い、っていうわけね…」
マツカ 「そうでしょうけど、うな重だなんて…」
お坊さん的にはどうなんでしょう、とマツカ君の疑問。
マツカ 「今朝も精進料理ですよ? しかもですね…」
シロエ 「お取り寄せだと、仕出し屋さんですし…」
スウェナ「バレちゃうわよねえ、誰が頼んだのか…」
ブルー 「いろんな意味でセーフだよ、ソレ」
まず、バレる件、と生徒会長が立てる人差し指。
ブルー 「元老寺には宿坊があるよね?」
シロエ 「あっ、お客様の…」
ブルー 「ご注文ってことで通るけど?」
ついでに精進料理の方も…、と指をチッチッと。
ブルー 「棚経は体力勝負だからねえ、何処のお寺も…」
シロエ 「まさか、うな重なんですか?」
ブルー 「ステーキの人もいると思うね」
マツカ 「じゃあ、キースたちは…」
貧乏クジを引いたんですか、とマツカ君。
そうなりますね?
2022/08/15 (Mon)
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