シャングリラ学園つれづれ語り
☆雪景色な元日
さて、元旦。新しい年の始まりの日で、おめでたい吉日。
間もなく夜明けなんですけれども、まだ暗いわけでして。
ぶるぅ 「かみお~ん♪ あけましておめでとう!」
一同 (((もう朝!?)))
ぶるぅ 「雪が綺麗だよ、起床、起床ーっ!」
起きて、起きて! と廊下を跳ねてゆくお子様の声。
ジョミー「眠い…」
サム 「除夜の鐘の後に、法要だもんな…」
キース 「グダグダ言わずに、起きて着替えろ!」
俺は朝から雪かきもしたぞ、と法衣のキース君が登場。
キース 「山門まで、道を作ってやったんだから…」
シロエ 「有難く思え、と言いたいんですね?」
キース 「当然だ!」
大雪なんだぞ、と副住職。
キース 「市街地もドッサリ積もったようだ」
ブルー 「いいねえ、元日から雪見酒!」
でも、その前に初日の出だね、と生徒会長の笑み。
ブルー 「みんな、急いで支度したまえ」
一同 「「「はーい…」」」
アドス和尚がうるさいし、と一同、着替えて山門へ。
アドス 「皆さん、あけましておめでとうございます」
一同 「「「おめでとうございます」」」
イライザ「じきに初日ですよ、雪も止みましたし…」
いい元日になりましたわね、とイライザさん。
イライザ「さあ、皆さん、揃ってお参りを」
アドス 「二礼二拍手一礼ですぞ」
お間違えなきよう、と注意されつつ、パンパン柏手。
アドス 「では、お辞儀を」
一同 (((いい年になりますように…)))
ハハーッと初日に深くお辞儀で、ミスった人はゼロ。
アドス 「寒いですなあ、庫裏の方へどうぞ」
イライザ「お雑煮も出来ていますからね」
一同 「「「やったー!」」」
豪華おせちもあるんだっけ、と庫裏の座敷へと。
アドス 「今年も有名どころのを注文しましたぞ」
イライザ「沢山召し上がって下さいね」
ぶるぅ 「わぁーい、和洋中!」
キース 「存分に食べてくれ」
遠慮は要らん、と言われなくても、誰もがその気。
お正月…!
2023/01/01 (Sun)
☆雪だと増えるもの
元老寺でお正月を迎えたシャン学メンバー、おせちな朝。
和洋中と揃った上に、有名どころの豪華なヤツでして…。
ジョミー「あっ、ぼくも、ローストビーフ欲しいな!」
ぶるぅ 「オッケー、キャビアとフォアグラも?」
ジョミー「もちろんだよ!」
どんどん食べなきゃ、と他の面子もせっせと箸を。
シロエ 「空になっても、追加があるのがいいですよね」
イライザ「そういう注文をしてるんですよ」
アドス 「お客様にお出しするので、と特注ですな」
追加の分を、とアドス和尚の得意そうな顔。
アドス 「でないと、大勢、おもてなしは出来ませんぞ」
ブルー 「太っ腹だねえ、しかも毎年だしね」
イライザ「キースがお世話になってますもの」
当然ですわ、とイライザさん、ニッコリ。
イライザ「どんどん召し上がって下さいね」
一同 「「「おーっ!」」」
食べるぞ、と盛り上がる間に、時間が過ぎてゆきまして。
アドス 「さてと、そろそろ失礼して…」
キース 「檀家さんをお迎えしないとな」
サムとジョミーも手伝いだぞ、と副住職。
キース 「今年はお子様連れも増えるだろうし…」
アドス 「そうじゃな、手伝いの出番も増える」
ジョミー「ちょ、ちょっと…!」
なんで増えるの、とジョミー君の問い。
ジョミー「帰省して来た人が多いとか?」
キース 「いや、その辺は例年通りだと思うんだが…」
ジョミー「それじゃ、どうして?」
キース 「外の景色で分からないのか?」
大雪だぞ、とキース君が指差す庭。
キース 「朝も言ったが、市街地も半端ないそうだ」
ジョミー「全っ然、意味が不明だけど!」
子供連れが増える理屈が謎、とジョミー君。
ジョミー「この大雪と、どう繋がるのさ!」
キース 「いいか、此処は郊外だし、雪も多いから…」
アドス 「冬になったら、スタッドレスですがのう…」
ジョミー「えっと…?」
キース 「知らんのか?」
スタッドレスを、と呆れ顔なキース君ですけど。
何だと…?
2023/01/02 (Mon)
☆冬仕様のタイヤ
元老寺でお正月なシャン学メンバー、豪華おせちを堪能。
けれど僧籍な人にはお仕事、檀家さんの初詣のお手伝い。
ジョミー「スタッドレスって、何の話さ?」
キース 「お前、本当に知らんのか?」
スタッドレスと言ったらタイヤだろうが、と副住職。
キース 「冬仕様のヤツで、この辺りだと標準装備だ」
シロエ 「えっ、標準になるんですか?」
キース 「でないと、ウッカリ降った時にだ…」
イライザ「車が出せなくなるんですのよ」
スーパーにさえ行けませんわ、とイライザさんの解説が。
イライザ「ですから皆さん、冬場はスタッドレスで…」
アドス 「替えるのが遅いと、詰むわけですな」
一同 「「「うわー…」」」
それはキツイ、と一同、納得の郊外の事情。
シロエ 「確かに、今日みたいな日は走れませんよね」
ジョミー「でもさ、それと子連れの檀家さんがさ…」
増えるのがどう繋がるのさ、とジョミー君の問い。
ジョミー「走れるんなら、出掛けられると思うけど?」
キース 「甘いな、帰省組には都会住みも多いし…」
アドス 「都会暮らしに、スタッドレスは不要ですぞ」
そんな車で出られますかな、とアドス和尚が指差す庭。
アドス 「この大雪だと、閉じこもるしか…」
ジョミー「実家の車で出られる筈だよ?」
シロエ 「ですね、そっちはスタッドレスなんですし…」
借りればいいだけの話では、とシロエ君も。
シロエ 「お子様たちも、家にいるより外ですよ」
キース 「俺の話を半分しか聞いていなかったな?」
シロエ 「えっと…?」
キース 「いいか、市街地も大雪なんだ!」
市街地住みの車はスタッドレスじゃない、とキース君。
キース 「大雪の時の、道路事情はどうなっている?」
サム 「あー…。動けねえ車が続出だよなあ…」
シロエ 「そうでした! 動ける車で出掛けても…」
キース 「巻き込まれたら、其処で詰むしかないぞ」
大渋滞で動けないんだ、との説明ですけど。
子連れの件は…?
2023/01/03 (Tue)
☆売り込みのチャンス
元老寺でお正月なんですけれども、動員される僧籍な人。
檀家さんの初詣のお手伝い、今年は子連れが増えるとか。
シロエ 「渋滞だと、どうにもなりませんよね…」
キース 「分かったか?」
ジョミー「もしかして、子連れで出掛けられないとか?」
キース 「当然だろうが。例年だったら、初詣も、だ…」
アルテメシア大神宮とかに行くんだろうが…、と副住職。
キース 「露店も出るから、お子様も大喜びでだな…」
シロエ 「遊びに行けるのが、今年は無理なんですね?」
キース 「そうなるな。もちろん、家でも遊べるが…」
坂道は橇遊びで賑わうんだが、とキース君が指す大雪。
キース 「しかし、露店を逃した悲しさはあるわけで…」
サム 「あー、代わりに此処で、お菓子ゲットな?」
キース 「そうなんだ。この大雪で来ないわけがない!」
ファミレスも無い田舎なんだぞ、と副住職の苦笑。
キース 「コンビニも、子供の足だと遠いからな…」
シロエ 「手近なお寺で、お菓子ですか…」
キース 「ああ。寺と坊主を売り込むチャンスだ」
いい思い出をプレゼントしないとな、と副住職。
キース 「いいか、まず、菓子の袋詰めからだ!」
ジョミー「えっ?」
サム 「菓子って、いつも1個だけだぜ?」
キース 「こういう年には、オマケをだな…」
つけるのが筋というものだろう、と副住職、ニヤリ。
キース 「お坊さんは気前がいい、と喜ばれるように…」
アドス 「いわゆる駄菓子をプラスですな」
イライザ「ちゃんと用意はしてありますの」
天気予報が雪でしたもの、とイライザさん。
イライザ「でも、当日まで分かりませんでしょ?」
キース 「幸い、人手があるからな…」
当日に用意でいけるんだ、と副住職、得意満面。
キース 「よろしく頼むぞ、手伝い組」
ジョミー「そんなの、ぼくは聞いていないし!」
サム 「師僧には絶対服従じゃねえか」
俺たちの師僧はブルーだけどよ、とサム君の声。
そうですね…?
2023/01/04 (Wed)
☆師僧には服従
大雪の元老寺で迎えたお正月、僧籍な面子にはお役目が。
檀家さんの初詣のお手伝い、まずはお菓子の袋詰めから。
サム 「坊主は、師僧がカラスは白いと言ったらよ…」
キース 「白いですね、と頷かないといけないんだが?」
ジョミー「サムが言ったよ、ぼくたちの師僧は…」
アドス和尚じゃないんだけど、とジョミー君。
ジョミー「キースでもないよね、ブルーなんだし」
キース 「それがどうした?」
ジョミー「絶対服従ってわけじゃないから!」
なんだって袋詰めなんか…、とジョミー君、ブツブツ。
ジョミー「子供に媚びなきゃいけない理由も、無いし!」
キース 「そう言うお前も、昔は子供だっただろう!」
ジョミー「子供だったら、どうなのさ!」
キース 「嬉しいのか、雪で閉じ込められても?」
せっかく帰省して来たのに…、と副住職が指差す外の雪。
キース 「高速道路も帰省ラッシュで、大渋滞で…」
シロエ 「大変な中を、帰って来たかもしれませんね」
マツカ 「ありそうです。小さな子供には辛いですよ」
スウェナ「そうね、車から出たくなっても、高速じゃ…」
決まった場所しか出られないわ、とスウェナちゃん。
スウェナ「着いた頃には、グッタリかもね…」
キース 「まあ、寝れば回復するんだろうが…」
シロエ 「初詣、楽しみにしていたでしょうね…」
露店が沢山出るんですから、とシロエ君、同情モード。
シロエ 「なのに、大雪でパアだと泣けますよ」
キース 「泣いている子は、多いだろうな」
サム 「だよなあ、雪遊びとは次元が違うしよ…」
可哀相だと思わねえのかよ、とサム君も。
サム 「駄菓子で喜んで欲しいぜ、俺は」
シロエ 「ぼくもです。ジョミー先輩、頑張らないと…」
ジョミー「師僧の命令じゃないしね、ソレって!」
ブルー 「オッケー、それなら、ぼくが追加もつけて…」
キース 「こいつに命じてくれるんだな?」
有り難い、とキース君、合掌してますけれど。
追加ですって…?
2023/01/05 (Thu)
☆サービスするべき
元老寺でお正月な面々ですけど、僧籍な人はお仕事な件。
檀家さんの初詣の手伝い、お菓子の袋詰めからだそうで。
ジョミー「ちょ、命令って…。追加って、何!?」
ブルー 「師僧には絶対服従だよねえ、お坊さんはさ」
でもって、君の師僧はぼく、と生徒会長、いえ、銀青様。
ブルー 「アドス和尚やキースはダメでも、いける筈!」
シロエ 「そうなりますねえ、常識でいけば」
ジョミー「お菓子の袋詰めをやれ、っていうのは…」
この際、仕方ないんだけどさ、とジョミー君、ワタワタ。
ジョミー「それはいいけど、追加っていうのが…」
ブルー 「そのまんまだけど?」
ズバリ追加で命令だよね、と生徒会長、ニッコリと。
ブルー 「来てくれたお子様に、サービスしたまえ!」
ジョミー「サービスって、お茶を淹れるとか?」
それなら、たまにやってるけれど、とジョミー君の返し。
ジョミー「アドス和尚が、お子様に、って言ったらさ…」
サム 「ホットココアを出してるぜ?」
ブルー 「それは基本のヤツだろう?」
もっとサービスしなくっちゃ、と生徒会長の瞳がマジ。
ブルー 「この雪の中を、わざわざ歩いて来るんだよ?」
シロエ 「そうでした! 檀家さんは徒歩ですよね…」
キース 「皆さん、近くにお住まいだからな」
車を出すような距離ではないぞ、と副住職。
キース 「これだけの雪だと、歩ける場所は、だ…」
ブルー 「車が走った跡しかないけど、滑るからねえ…」
シロエ 「子供の足だと、大変そうじゃないですか!」
キース 「ああ。スケートの要領で、滑るとしても…」
熟練の技が必要だしな、とキース君、経験者な模様。
キース 「帰省して来た子供の場合は、転ぶのは…」
ブルー 「お約束だろうね、しかも凍っているからさ…」
キース 「もう半端なく痛いんだぞ?」
ジョミー「だからって、ぼくにどうしろと!」
ブルー 「サービスだよ!」
足になるのもいいかもね、と言ってますけど。
どういう意味…?
2023/01/06 (Fri)
☆足になられても
大雪の元老寺で迎えたお正月、僧籍な人は本堂で仕事が。
檀家さんの初詣のお手伝い、生徒会長が追加で命令な件。
ジョミー「足になる、って…。現場は離れられないよ?」
キース 「手伝いのヤツに、出て貰っては困るんだが…」
アドス 「第一、お一人、お送りする間にですな…」
他の檀家さんがいらしたら…、とアドス和尚も渋い表情。
アドス 「ジョミー殿が抜けたら、サム殿だけで…」
キース 「有能なことは間違いないが、今日ばかりは…」
クオリティよりも人数なんだ、と副住職。
キース 「ついでにジョミーは、運転免許が無いからな」
アドス 「自転車で雪道は、素人さんには無理ですぞ」
現実的ではありませんな、とアドス和尚の断言が。
アドス 「足になるより、本堂で手伝って頂く方が…」
キース 「親父も俺も、大いに助かるんだが…」
ジョミー「ほらね、上司もこう言ってるし!」
足にならなくてもいいと思う、とジョミー君。
ジョミー「お菓子を詰めるだけでいいんだよ、うん」
アドス 「その方向でお願いしたいですな」
ブルー 「誰がお送りしろって言った?」
アドス 「は? 足というのは、そういう意味では…?」
アッシー君というのもありましたな、と懐かしい言葉。
アドス 「ジョミー殿が、お子様をお送りするのでは?」
ブルー 「違うよ、足になるのは現場だってば」
一同 「「「現場?」」」
それは本堂のことなのでは、と誰もがキョトン。
キース 「おい、本堂は土足厳禁だぞ?」
アドス 「ベビーカーでも、御遠慮頂く場所でしてな…」
車椅子だけ許可しております、とアドス和尚の言。
アドス 「そんな所で、足になられても迷惑ですな」
ブルー 「ジョミーの足なら、問題は無いと思うけど?」
キース 「足は元からついてるんだぞ、ならなくても!」
ブルー 「そうじゃなくって、足を活用!」
キース 「話が全く見えないんだが…」
足を使って何をするんだ、と質問ですけど。
謎ですよねえ…?
2023/01/07 (Sat)
☆自分の足を使え
元日から大雪な元老寺ですけど、僧籍な人にはお役目が。
初詣の檀家さんをお迎え、本堂での仕事になりまして…。
キース 「本堂で足を活用と言われてもだな…」
アドス 「まあ、確かに私とキースは、ほぼ炬燵で…」
檀家さんと向き合うだけで…、とアドス和尚が傾げる首。
アドス 「私どもの代わりに、ジョミー殿とサム殿が…」
キース 「お茶を淹れたり、お迎えしたりで足をだな…」
使いはするが…、とキース君も怪訝そうな顔。
キース 「それ以上、どう活用しろと?」
アドス 「しかも、ジョミー殿に限定のようですが…?」
ブルー 「そうだね、命令したのは、ジョミーだけだし」
サムは活用しなくていい、と生徒会長、いえ、銀青様。
ブルー 「つまり、ジョミーが、お子様の足に!」
一同 「「「は?」」」
ブルー 「足になるんだよ、自分の足を使ってね!」
肩車というのがあるだろう、と生徒会長が立てる親指。
ブルー 「きっと、お子様には喜ばれるかと!」
アドス 「おお、それは…。大人の目線で本堂の中を…」
キース 「見られるわけだな、いいアイデアだ」
お子様の背丈では、御本尊様もよく見えんし、と副住職。
キース 「おまけに、退屈しなくて済むし…」
アドス 「うむ。檀家さんと、ゆっくりお話が出来る」
キース 「採用だな、親父?」
アドス 「もちろんじゃ!」
なんなら、馬になって頂いても、とアドス和尚の提案が。
アドス 「四つ足の動物は、本来、本堂はですな…」
キース 「厳禁なんだが、ジョミーは人間なわけで…」
ブルー 「うん。ぼくも言おうと思ってたんだよ」
馬は元々、乗り物だったし…、と生徒会長。
ブルー 「というわけでね、ジョミー、頑張りたまえ!」
ジョミー「ちょ、ちょっと…! それって、法衣で?」
キース 「当然だろうが、初詣にいらっしゃるんだぞ?」
アドス 「作務衣は正装ではないですからなあ…」
法衣でやって頂かないと…、との注文ですけど。
肩車とかを…?
2023/01/08 (Sun)
☆法衣でやるべき
大雪になった元老寺の元日、僧籍な人は初詣のお手伝い。
子連れの檀家さんが増える見込みで、法衣でお仕事で…。
ジョミー「そんなの、法衣で出来るわけないし!」
キース 「だが、初詣にいらっしゃる檀家さんを、だ…」
アドス 「作務衣でお迎えするというのは、失礼ですぞ」
此処は法衣で、とアドス和尚の厳命が。
アドス 「それでは、私は一足お先に本堂の方へ…」
キース 「分かった、ジョミーとサムは連れて行くから」
アドス 「きちんと法衣を着せるんじゃぞ!」
でないと、お前も罰礼じゃ、と言い捨てて廊下へ。
キース 「聞いたか、ジョミー?」
ジョミー「き、聞いたけどさあ、法衣で馬とか肩車は…」
全然、出来る気がしない、とジョミー君、ガクブル。
ジョミー「でも、やらないと、何をされるか…」
キース 「言っておくが、罰礼、百回コースはガチだぞ」
ジョミー「百回!?」
キース 「俺の家では、1セット百回が基本だからな」
それが嫌なら法衣でやれ、と副住職の睨み。
キース 「ついでに、ブルーからも一言、あるかと」
ブルー 「あるね、出来ないだなんて、有り得ないし!」
プロの坊主なら楽勝なんだよ、と生徒会長。
ブルー 「昔、法衣で出来るもん、というヤツが…」
キース 「あったな、法衣で車の運転が問題になって…」
ブルー 「うん、道交法には違反していない、って…」
ツイッターデモになったんだよね、と生徒会長の言。
ブルー 「お坊さんたちが、いろんな動画をUPでさ…」
キース 「バク転したヤツまでいたんだからな」
シロエ 「凄いですね…」
キース 「しかも、御本尊様の前で鮮やかにキメた」
つまり本堂で技を披露だ、とキース君、ズズイと。
キース 「プロの坊主は其処までやるんだぞ?」
ブルー 「見習いの君でも、馬とかくらいは…」
サム 「出来ねえとダメな気がして来たぜ」
ジョミー「そう言われても…!」
無茶すぎるよ、と悲鳴を上げてますけど。
逃げられない気が…。
2023/01/09 (Mon)
☆交代も出来ます
大雪な元老寺の元日ですけど、檀家さんが初詣に来る件。
作務衣は不可なジョミー君たち、法衣でお手伝いですが。
ブルー 「無茶だと言っても、通らないから!」
キース 「師僧がカラスは白いと言ったら、白いんだ!」
やれと言われたらやるべきで…、とキース君も譲らず。
キース 「出来ると仰っておられるんだぞ、銀青様が」
ジョミー「プロじゃないんだけど…!」
キース 「見習いでも、馬くらいは出来ると仰せだ」
ブルー 「そうだよ、肩車だっていけると思うね」
頑張りたまえ、と生徒会長、ニッコリと。
ブルー 「じゃあ、連れてってくれていいから」
キース 「恩に着る。今年はお子様に喜ばれそうだ」
来い、とキース君が引っ掴む、ジョミー君の襟首。
キース 「向こうで着替えて、本堂だからな!」
ジョミー「無理だってば…!」
キース 「遅れると、親父がキレるんだが?」
ジョミー「それも困るよ、ちょ、誰か助けてーっ!」
ぼくと代わって、と絶叫ですけど、誰もがスルー。
シロエ 「ジョミー先輩に、貸しを作ってもですね…」
スウェナ「あんまり得をしそうにないわね」
ブルー 「当たり前だよ、マツカに貸しなら大きいけど」
シロエ 「ですねえ、借りを作りたくない相手ですから」
逆になったら大穴でしょう、とシロエ君、うんうん、と。
シロエ 「もっとも、マツカ先輩だったら…」
サム 「代わってくれるかもしれないぜ?」
マツカ 「えっと…? 法衣でお手伝いで、肩車で…」
馬になったらいいんですよね、とマツカ君。
マツカ 「でも、お坊さんの資格を持っていませんし…」
キース 「いや、その辺は、どうとでもなるんだが?」
寺の子供が手伝うケースもあるんでな、と副住職の言。
キース 「俺も子供の頃にやったが、無資格だったぞ」
シロエ 「すると、マツカ先輩が交代しても…」
キース 「いけるわけだが、どうする、ジョミー?」
好きにしていいが、早くしろよ、と言ってますけど。
交代…?
2023/01/10 (Tue)
☆行かないで欲しい
大雪になった元老寺の元日、僧籍な人は本堂でお手伝い。
檀家さんの初詣ですけど、ジョミー君には追加の仕事が。
ジョミー「マツカ、代わってくれるわけ?」
マツカ 「ええ。お坊さんの資格は不要だそうですし…」
ぼくで良ければ、とマツカ君、人のいい笑み。
マツカ 「法衣の着方は、着物と同じでいけますよね?」
キース 「上の衣は仕立てが違うが、着付けは楽だぞ」
着物よりも、と副住職が指差す自分の法衣。
キース 「なんと言っても、帯が無いからな」
マツカ 「そうですね。初めてでも何とかなりそうです」
キース 「大丈夫だ、俺も手伝ってやる」
行くか、とキース君が促し、立ち上がるマツカ君。
マツカ 「では、行ってきます」
ジョミー「ありがとう!」
行ってらっしゃい、と笑顔のジョミー君ですけど。
シロエ 「ジョミー先輩、いいんですか?」
ジョミー「えっ、何が?」
シロエ 「マツカ先輩に借りが出来るんですよ?」
クリスマスのぼくを忘れたのでは、とシロエ君の問い。
シロエ 「借りが出来たら、返済がですね…」
ジョミー「あーっ! 待ってよ、マツカ、行かないで!」
ぼくが行くから、とジョミー君、大慌て。
ジョミー「マツカは、此処でゆっくりしてて!」
マツカ 「ぼくなら、別にかまいませんけど」
ジョミー「マツカは良くても、ぼくが困るから!」
座って、座って! と強引に座らせ、交代撤回。
ジョミー「キース、行こうよ、アドス和尚が待ってるし」
キース 「いい心掛けだ、と言っておこうか」
ではな、とジョミー君とサム君を連れて副住職、退場。
マツカ 「えっと…?」
シロエ 「行っちゃいましたね、馬と肩車をしに」
此処は頑張って欲しいです、とシロエ君。
シロエ 「正直、大変そうですけどね」
マツカ 「子供さんのお相手、してみたかったですよ」
シロエ 「マジですか?」
マツカ 「そうなんですけど…」
どうして断られたんでしょう、と怪訝そうな人。
自覚ゼロ…。
2023/01/11 (Wed)
☆代わりたかった人
大雪な元老寺の元日ですけど、檀家さんが初詣に来る件。
今年は子連れが増えるとの予想、お手伝いも大変そうで。
シロエ 「マツカ先輩、自分で分からないんですか?」
マツカ 「子供向けのキャラじゃないんでしょうか?」
そういう自覚は無かったですが、とマツカ君が傾げる首。
マツカ 「でも、他に断られる理由は無さそうですし…」
スウェナ「本当に分かってないわね、これは」
シロエ 「天然というヤツですよ」
それだけに借りが怖いんですけど…、とシロエ君の苦笑。
マツカ 「さっきも、借りって言いましたよね?」
シロエ 「ええ。マツカ先輩に借りを作った時ですよ」
返済するのに、どれだけかかるか…、とシロエ君。
シロエ 「ですから、ジョミー先輩はですね…」
スウェナ「自分で出掛けて行ったのよ」
マツカ 「えーっと…?」
ブルー 「深く考えなくてもいいってば、其処は」
其処がマツカのいい所だし、と生徒会長、クスクスと。
ブルー 「ところで、代わりたかった、って?」
マツカ 「はい。一種のボランティア活動ですから」
一同 「「「ボランティア?」」」
マツカ 「施設の慰問で、お子様のお相手は定番ですよ」
シャングリラ学園では、やってませんが…、とマツカ君。
マツカ 「学校によっては、行きますよね?」
シロエ 「そういえば…。アレに似てるんですか?」
マツカ 「昔を思い出したんですよ」
前の学校で行ったことが、とマツカ君、懐かしそうな顔。
マツカ 「肩車も馬も、みんなでサービスしましたから」
ブルー 「なるほどねえ…。それで代わりに…」
マツカ 「やってもいいかな、と思ったんですけど…」
見事に断られちゃいましたね、と肩を落とす人。
マツカ 「残念ですよ、せっかくの機会だったのに…」
シロエ 「奉仕の精神に溢れてますねえ…」
スウェナ「マツカだものねえ…」
ブルー 「ジョミーとは格が違うってね」
お手伝い向きのキャラ、と絶賛ですけど。
それは確かに…。
2023/01/12 (Thu)
☆三人目は要らない
大雪になった元老寺の元日、僧籍な人は本堂でお手伝い。
檀家さんの初詣、今年は子連れが増えるとの読みですが。
シロエ 「ジョミー先輩、今頃、どうしてますかねえ…」
スウェナ「借りが恐ろしいことも忘れて、愚痴だわね」
心の中で盛大に、とスウェナちゃんが眺める本堂の方。
スウェナ「マツカに代わって貰うべきだった、って」
シロエ 「あるあるですよ」
マツカ 「今からでも、行ってきましょうか?」
ブルー 「ダメダメ、アドス和尚が喜ぶだけだよ」
お手伝いの面子が増えて…、と生徒会長。
ブルー 「ジョミーを無罪放免すると思うのかい?」
マツカ 「交代します、と行くんですから、その辺は…」
ブルー 「甘いね、ジョミーの修行にかこつけてさ…」
手放すわけがないだろう、とキッパリと。
ブルー 「行かなくていいよ、放置でオッケー!」
マツカ 「ぼくなら、それでもいいんですけど…」
三人目にされてしまっても…、と奉仕の精神に溢れる人。
マツカ 「この雪ですから、お子様も退屈してますし」
シロエ 「それでサービスするわけですか?]
マツカ 「いいと思うんですけれど…」
ブルー 「その精神は、未来に取っておくべきだね!」
此処で無駄遣いしてしまわずに、と生徒会長の言。
ブルー 「お子様なら、此処にもいるんだからさ」
ぶるぅ 「んとんと…。マツカが肩車してくれるの?」
マツカ 「ああ、ぶるぅですか! 喜んで!」
いつでも、馬でも肩車でも…、とマツカ君の笑み。
マツカ 「ご希望の時に、言って下さいね」
ぶるぅ 「うんっ、そういうのも楽しそう!」
でも、今日はいいや、と「そるじゃぁ・ぶるぅ」。
ぶるぅ 「おせち、ゆっくり食べたいも~ん!」
シロエ 「肩車じゃ落ち着かないですよね、食べるのは」
ぶるぅ 「そうなの、乗ってお食事が楽しいのって…」
マツカ 「列車とかですか?」
ぶるぅ 「ピンポーン!」
だからお座敷では座るのがいい、と弾ける笑顔。
ごもっとも…。
2023/01/13 (Fri)
☆肩と腰に来た人
元老寺で迎えた大雪の元日、僧籍な人はお手伝いですが。
他の面子は自由なわけで、豪華おせちで過ごしてまして。
ぶるぅ 「マツカの馬と肩車も、いいんだけれど…」
シロエ 「今日の所は、おせちに集中というわけですか」
ぶるぅ 「そだよ、お料理の勉強も出来るし!」
一流の料理人さんの御馳走だしね、と料理上手なお子様。
ぶるぅ 「しっかり食べて、しっかり再現!」
シロエ 「いいですねえ!」
マツカ 「ぶるぅの腕は、プロ並みですしね」
スウェナ「今年も色々食べられそうよね、楽しみだわ」
料理もお菓子も…、とスウェナちゃんが飲み込む生唾。
スウェナ「今日のおせちも、何処かで登場するのね?」
ぶるぅ 「うん、アレンジはするけどね!」
どんな風にするかも考え中なの! と頼もしい返事。
ぶるぅ 「このまんまだと、つまんないでしょ?」
シロエ 「流石です! 期待してますよ」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ 今年も頑張っちゃう!」
おもてなしも、と笑顔な所へ、座敷の襖が開きまして。
ジョミー「やっと終わったー…」
サム 「子供連れ、マジで多かったぜ」
キース 「例年とは比較にならん数だな、この大雪で」
ジョミーの馬と肩車が大ウケだったぞ、と副住職。
キース 「また大雪の年があったら、是非、頼みたいな」
ジョミー「断るから!」
シロエ 「奉仕の精神、ゼロですよね」
ブルー 「ホントにねえ…。その点、マツカは…」
素晴らしいのに、と生徒会長、苦笑い。
ブルー 「ボランティアで行こうとしていたんだよ?」
ジョミー「ぼくは人間、出来てないから!」
キース 「其処で威張るな!」
貴様は今年も精進しやがれ、とキース君の怒声。
キース 「キリキリしごいていくからな!」
ジョミー「ちょ、そんなのは要らないし!」
キース 「やかましい! 一年の計は元旦にあり、だ!」
ジョミー「肩と腰に来るなんて、最悪だから…!」
ギックリ腰も勘弁だから、と嘆く今年のお正月。
初筋肉痛…?
2023/01/14 (Sat)
☆筋肉痛だった人
元老寺での迎春に始まり、アルテメシア大神宮の初詣も。
盛り沢山だった冬休みの後は、シャングリラ学園の行事。
シロエ 「なんとか終わりましたね、新年イベント」
サム 「ウチの学校、あの手のは全力投球だしよ…」
ジョミー「楽しいんだけど、ハードだよねえ…」
かるた大会とかさ、と皆で溜息な週末の生徒会長宅。
ジョミー「ぼくなんか、筋肉痛が治る暇が無かったよ」
サム 「正月のアレかよ、いつまで引き摺ってんだよ」
ジョミー「昨日まで!」
やっと治った、とジョミー君、肩をゴキゴキと。
ジョミー「治って来たな、って思う頃合いで行事だしさ」
サム 「お前、鍛え方が足りねえんでねえの?」
キース 「まったくだ。毎年、アレで鍛えたらどうだ?」
ジョミー「遠慮しとくから!」
ついでに忘れてくれると嬉しい、とジョミー君。
ジョミー「そしたら、二度とやらなくて済むし…」
シロエ 「ジョミー先輩、恥ずかしくないんですか?」
いろんな意味で…、とシロエ君、指をチッチッと。
シロエ 「奉仕の精神が皆無な上に、筋力もですね…」
スウェナ「無いとか、思いっ切り恥ずかしいわよ?」
ジョミー「どっちも、無くても困らないから!」
それに両方ある人なんて…、とジョミー君の仏頂面。
ジョミー「そんなの、そうそういないんだしさ!」
シロエ 「まあ、多いとは言えませんねえ…」
キース 「しかし、一人はいるわけだしな」
現に此処に…、とキース君が指差すマツカ君。
キース 「ボランティアで来ようとしていたんだぞ?」
ジョミー「特殊例だよ!」
??? 「そうだろうねえ、マツカだし!」
とってもレア、とソルジャー(会話表記はAブルー)が。
Aブルー「奉仕の精神に筋力、おまけに財力まで!」
キース 「あんた、何処から湧いたんだ!」
Aブルー「青の間に決まっているだろう!」
キース 「何か用でも?」
Aブルー「新年だよ!」
ニューイヤーの御挨拶をしに、と笑顔ですけど。
本当に…?
2023/01/15 (Sun)
さて、元旦。新しい年の始まりの日で、おめでたい吉日。
間もなく夜明けなんですけれども、まだ暗いわけでして。
ぶるぅ 「かみお~ん♪ あけましておめでとう!」
一同 (((もう朝!?)))
ぶるぅ 「雪が綺麗だよ、起床、起床ーっ!」
起きて、起きて! と廊下を跳ねてゆくお子様の声。
ジョミー「眠い…」
サム 「除夜の鐘の後に、法要だもんな…」
キース 「グダグダ言わずに、起きて着替えろ!」
俺は朝から雪かきもしたぞ、と法衣のキース君が登場。
キース 「山門まで、道を作ってやったんだから…」
シロエ 「有難く思え、と言いたいんですね?」
キース 「当然だ!」
大雪なんだぞ、と副住職。
キース 「市街地もドッサリ積もったようだ」
ブルー 「いいねえ、元日から雪見酒!」
でも、その前に初日の出だね、と生徒会長の笑み。
ブルー 「みんな、急いで支度したまえ」
一同 「「「はーい…」」」
アドス和尚がうるさいし、と一同、着替えて山門へ。
アドス 「皆さん、あけましておめでとうございます」
一同 「「「おめでとうございます」」」
イライザ「じきに初日ですよ、雪も止みましたし…」
いい元日になりましたわね、とイライザさん。
イライザ「さあ、皆さん、揃ってお参りを」
アドス 「二礼二拍手一礼ですぞ」
お間違えなきよう、と注意されつつ、パンパン柏手。
アドス 「では、お辞儀を」
一同 (((いい年になりますように…)))
ハハーッと初日に深くお辞儀で、ミスった人はゼロ。
アドス 「寒いですなあ、庫裏の方へどうぞ」
イライザ「お雑煮も出来ていますからね」
一同 「「「やったー!」」」
豪華おせちもあるんだっけ、と庫裏の座敷へと。
アドス 「今年も有名どころのを注文しましたぞ」
イライザ「沢山召し上がって下さいね」
ぶるぅ 「わぁーい、和洋中!」
キース 「存分に食べてくれ」
遠慮は要らん、と言われなくても、誰もがその気。
お正月…!
2023/01/01 (Sun)
☆雪だと増えるもの
元老寺でお正月を迎えたシャン学メンバー、おせちな朝。
和洋中と揃った上に、有名どころの豪華なヤツでして…。
ジョミー「あっ、ぼくも、ローストビーフ欲しいな!」
ぶるぅ 「オッケー、キャビアとフォアグラも?」
ジョミー「もちろんだよ!」
どんどん食べなきゃ、と他の面子もせっせと箸を。
シロエ 「空になっても、追加があるのがいいですよね」
イライザ「そういう注文をしてるんですよ」
アドス 「お客様にお出しするので、と特注ですな」
追加の分を、とアドス和尚の得意そうな顔。
アドス 「でないと、大勢、おもてなしは出来ませんぞ」
ブルー 「太っ腹だねえ、しかも毎年だしね」
イライザ「キースがお世話になってますもの」
当然ですわ、とイライザさん、ニッコリ。
イライザ「どんどん召し上がって下さいね」
一同 「「「おーっ!」」」
食べるぞ、と盛り上がる間に、時間が過ぎてゆきまして。
アドス 「さてと、そろそろ失礼して…」
キース 「檀家さんをお迎えしないとな」
サムとジョミーも手伝いだぞ、と副住職。
キース 「今年はお子様連れも増えるだろうし…」
アドス 「そうじゃな、手伝いの出番も増える」
ジョミー「ちょ、ちょっと…!」
なんで増えるの、とジョミー君の問い。
ジョミー「帰省して来た人が多いとか?」
キース 「いや、その辺は例年通りだと思うんだが…」
ジョミー「それじゃ、どうして?」
キース 「外の景色で分からないのか?」
大雪だぞ、とキース君が指差す庭。
キース 「朝も言ったが、市街地も半端ないそうだ」
ジョミー「全っ然、意味が不明だけど!」
子供連れが増える理屈が謎、とジョミー君。
ジョミー「この大雪と、どう繋がるのさ!」
キース 「いいか、此処は郊外だし、雪も多いから…」
アドス 「冬になったら、スタッドレスですがのう…」
ジョミー「えっと…?」
キース 「知らんのか?」
スタッドレスを、と呆れ顔なキース君ですけど。
何だと…?
2023/01/02 (Mon)
☆冬仕様のタイヤ
元老寺でお正月なシャン学メンバー、豪華おせちを堪能。
けれど僧籍な人にはお仕事、檀家さんの初詣のお手伝い。
ジョミー「スタッドレスって、何の話さ?」
キース 「お前、本当に知らんのか?」
スタッドレスと言ったらタイヤだろうが、と副住職。
キース 「冬仕様のヤツで、この辺りだと標準装備だ」
シロエ 「えっ、標準になるんですか?」
キース 「でないと、ウッカリ降った時にだ…」
イライザ「車が出せなくなるんですのよ」
スーパーにさえ行けませんわ、とイライザさんの解説が。
イライザ「ですから皆さん、冬場はスタッドレスで…」
アドス 「替えるのが遅いと、詰むわけですな」
一同 「「「うわー…」」」
それはキツイ、と一同、納得の郊外の事情。
シロエ 「確かに、今日みたいな日は走れませんよね」
ジョミー「でもさ、それと子連れの檀家さんがさ…」
増えるのがどう繋がるのさ、とジョミー君の問い。
ジョミー「走れるんなら、出掛けられると思うけど?」
キース 「甘いな、帰省組には都会住みも多いし…」
アドス 「都会暮らしに、スタッドレスは不要ですぞ」
そんな車で出られますかな、とアドス和尚が指差す庭。
アドス 「この大雪だと、閉じこもるしか…」
ジョミー「実家の車で出られる筈だよ?」
シロエ 「ですね、そっちはスタッドレスなんですし…」
借りればいいだけの話では、とシロエ君も。
シロエ 「お子様たちも、家にいるより外ですよ」
キース 「俺の話を半分しか聞いていなかったな?」
シロエ 「えっと…?」
キース 「いいか、市街地も大雪なんだ!」
市街地住みの車はスタッドレスじゃない、とキース君。
キース 「大雪の時の、道路事情はどうなっている?」
サム 「あー…。動けねえ車が続出だよなあ…」
シロエ 「そうでした! 動ける車で出掛けても…」
キース 「巻き込まれたら、其処で詰むしかないぞ」
大渋滞で動けないんだ、との説明ですけど。
子連れの件は…?
2023/01/03 (Tue)
☆売り込みのチャンス
元老寺でお正月なんですけれども、動員される僧籍な人。
檀家さんの初詣のお手伝い、今年は子連れが増えるとか。
シロエ 「渋滞だと、どうにもなりませんよね…」
キース 「分かったか?」
ジョミー「もしかして、子連れで出掛けられないとか?」
キース 「当然だろうが。例年だったら、初詣も、だ…」
アルテメシア大神宮とかに行くんだろうが…、と副住職。
キース 「露店も出るから、お子様も大喜びでだな…」
シロエ 「遊びに行けるのが、今年は無理なんですね?」
キース 「そうなるな。もちろん、家でも遊べるが…」
坂道は橇遊びで賑わうんだが、とキース君が指す大雪。
キース 「しかし、露店を逃した悲しさはあるわけで…」
サム 「あー、代わりに此処で、お菓子ゲットな?」
キース 「そうなんだ。この大雪で来ないわけがない!」
ファミレスも無い田舎なんだぞ、と副住職の苦笑。
キース 「コンビニも、子供の足だと遠いからな…」
シロエ 「手近なお寺で、お菓子ですか…」
キース 「ああ。寺と坊主を売り込むチャンスだ」
いい思い出をプレゼントしないとな、と副住職。
キース 「いいか、まず、菓子の袋詰めからだ!」
ジョミー「えっ?」
サム 「菓子って、いつも1個だけだぜ?」
キース 「こういう年には、オマケをだな…」
つけるのが筋というものだろう、と副住職、ニヤリ。
キース 「お坊さんは気前がいい、と喜ばれるように…」
アドス 「いわゆる駄菓子をプラスですな」
イライザ「ちゃんと用意はしてありますの」
天気予報が雪でしたもの、とイライザさん。
イライザ「でも、当日まで分かりませんでしょ?」
キース 「幸い、人手があるからな…」
当日に用意でいけるんだ、と副住職、得意満面。
キース 「よろしく頼むぞ、手伝い組」
ジョミー「そんなの、ぼくは聞いていないし!」
サム 「師僧には絶対服従じゃねえか」
俺たちの師僧はブルーだけどよ、とサム君の声。
そうですね…?
2023/01/04 (Wed)
☆師僧には服従
大雪の元老寺で迎えたお正月、僧籍な面子にはお役目が。
檀家さんの初詣のお手伝い、まずはお菓子の袋詰めから。
サム 「坊主は、師僧がカラスは白いと言ったらよ…」
キース 「白いですね、と頷かないといけないんだが?」
ジョミー「サムが言ったよ、ぼくたちの師僧は…」
アドス和尚じゃないんだけど、とジョミー君。
ジョミー「キースでもないよね、ブルーなんだし」
キース 「それがどうした?」
ジョミー「絶対服従ってわけじゃないから!」
なんだって袋詰めなんか…、とジョミー君、ブツブツ。
ジョミー「子供に媚びなきゃいけない理由も、無いし!」
キース 「そう言うお前も、昔は子供だっただろう!」
ジョミー「子供だったら、どうなのさ!」
キース 「嬉しいのか、雪で閉じ込められても?」
せっかく帰省して来たのに…、と副住職が指差す外の雪。
キース 「高速道路も帰省ラッシュで、大渋滞で…」
シロエ 「大変な中を、帰って来たかもしれませんね」
マツカ 「ありそうです。小さな子供には辛いですよ」
スウェナ「そうね、車から出たくなっても、高速じゃ…」
決まった場所しか出られないわ、とスウェナちゃん。
スウェナ「着いた頃には、グッタリかもね…」
キース 「まあ、寝れば回復するんだろうが…」
シロエ 「初詣、楽しみにしていたでしょうね…」
露店が沢山出るんですから、とシロエ君、同情モード。
シロエ 「なのに、大雪でパアだと泣けますよ」
キース 「泣いている子は、多いだろうな」
サム 「だよなあ、雪遊びとは次元が違うしよ…」
可哀相だと思わねえのかよ、とサム君も。
サム 「駄菓子で喜んで欲しいぜ、俺は」
シロエ 「ぼくもです。ジョミー先輩、頑張らないと…」
ジョミー「師僧の命令じゃないしね、ソレって!」
ブルー 「オッケー、それなら、ぼくが追加もつけて…」
キース 「こいつに命じてくれるんだな?」
有り難い、とキース君、合掌してますけれど。
追加ですって…?
2023/01/05 (Thu)
☆サービスするべき
元老寺でお正月な面々ですけど、僧籍な人はお仕事な件。
檀家さんの初詣の手伝い、お菓子の袋詰めからだそうで。
ジョミー「ちょ、命令って…。追加って、何!?」
ブルー 「師僧には絶対服従だよねえ、お坊さんはさ」
でもって、君の師僧はぼく、と生徒会長、いえ、銀青様。
ブルー 「アドス和尚やキースはダメでも、いける筈!」
シロエ 「そうなりますねえ、常識でいけば」
ジョミー「お菓子の袋詰めをやれ、っていうのは…」
この際、仕方ないんだけどさ、とジョミー君、ワタワタ。
ジョミー「それはいいけど、追加っていうのが…」
ブルー 「そのまんまだけど?」
ズバリ追加で命令だよね、と生徒会長、ニッコリと。
ブルー 「来てくれたお子様に、サービスしたまえ!」
ジョミー「サービスって、お茶を淹れるとか?」
それなら、たまにやってるけれど、とジョミー君の返し。
ジョミー「アドス和尚が、お子様に、って言ったらさ…」
サム 「ホットココアを出してるぜ?」
ブルー 「それは基本のヤツだろう?」
もっとサービスしなくっちゃ、と生徒会長の瞳がマジ。
ブルー 「この雪の中を、わざわざ歩いて来るんだよ?」
シロエ 「そうでした! 檀家さんは徒歩ですよね…」
キース 「皆さん、近くにお住まいだからな」
車を出すような距離ではないぞ、と副住職。
キース 「これだけの雪だと、歩ける場所は、だ…」
ブルー 「車が走った跡しかないけど、滑るからねえ…」
シロエ 「子供の足だと、大変そうじゃないですか!」
キース 「ああ。スケートの要領で、滑るとしても…」
熟練の技が必要だしな、とキース君、経験者な模様。
キース 「帰省して来た子供の場合は、転ぶのは…」
ブルー 「お約束だろうね、しかも凍っているからさ…」
キース 「もう半端なく痛いんだぞ?」
ジョミー「だからって、ぼくにどうしろと!」
ブルー 「サービスだよ!」
足になるのもいいかもね、と言ってますけど。
どういう意味…?
2023/01/06 (Fri)
☆足になられても
大雪の元老寺で迎えたお正月、僧籍な人は本堂で仕事が。
檀家さんの初詣のお手伝い、生徒会長が追加で命令な件。
ジョミー「足になる、って…。現場は離れられないよ?」
キース 「手伝いのヤツに、出て貰っては困るんだが…」
アドス 「第一、お一人、お送りする間にですな…」
他の檀家さんがいらしたら…、とアドス和尚も渋い表情。
アドス 「ジョミー殿が抜けたら、サム殿だけで…」
キース 「有能なことは間違いないが、今日ばかりは…」
クオリティよりも人数なんだ、と副住職。
キース 「ついでにジョミーは、運転免許が無いからな」
アドス 「自転車で雪道は、素人さんには無理ですぞ」
現実的ではありませんな、とアドス和尚の断言が。
アドス 「足になるより、本堂で手伝って頂く方が…」
キース 「親父も俺も、大いに助かるんだが…」
ジョミー「ほらね、上司もこう言ってるし!」
足にならなくてもいいと思う、とジョミー君。
ジョミー「お菓子を詰めるだけでいいんだよ、うん」
アドス 「その方向でお願いしたいですな」
ブルー 「誰がお送りしろって言った?」
アドス 「は? 足というのは、そういう意味では…?」
アッシー君というのもありましたな、と懐かしい言葉。
アドス 「ジョミー殿が、お子様をお送りするのでは?」
ブルー 「違うよ、足になるのは現場だってば」
一同 「「「現場?」」」
それは本堂のことなのでは、と誰もがキョトン。
キース 「おい、本堂は土足厳禁だぞ?」
アドス 「ベビーカーでも、御遠慮頂く場所でしてな…」
車椅子だけ許可しております、とアドス和尚の言。
アドス 「そんな所で、足になられても迷惑ですな」
ブルー 「ジョミーの足なら、問題は無いと思うけど?」
キース 「足は元からついてるんだぞ、ならなくても!」
ブルー 「そうじゃなくって、足を活用!」
キース 「話が全く見えないんだが…」
足を使って何をするんだ、と質問ですけど。
謎ですよねえ…?
2023/01/07 (Sat)
☆自分の足を使え
元日から大雪な元老寺ですけど、僧籍な人にはお役目が。
初詣の檀家さんをお迎え、本堂での仕事になりまして…。
キース 「本堂で足を活用と言われてもだな…」
アドス 「まあ、確かに私とキースは、ほぼ炬燵で…」
檀家さんと向き合うだけで…、とアドス和尚が傾げる首。
アドス 「私どもの代わりに、ジョミー殿とサム殿が…」
キース 「お茶を淹れたり、お迎えしたりで足をだな…」
使いはするが…、とキース君も怪訝そうな顔。
キース 「それ以上、どう活用しろと?」
アドス 「しかも、ジョミー殿に限定のようですが…?」
ブルー 「そうだね、命令したのは、ジョミーだけだし」
サムは活用しなくていい、と生徒会長、いえ、銀青様。
ブルー 「つまり、ジョミーが、お子様の足に!」
一同 「「「は?」」」
ブルー 「足になるんだよ、自分の足を使ってね!」
肩車というのがあるだろう、と生徒会長が立てる親指。
ブルー 「きっと、お子様には喜ばれるかと!」
アドス 「おお、それは…。大人の目線で本堂の中を…」
キース 「見られるわけだな、いいアイデアだ」
お子様の背丈では、御本尊様もよく見えんし、と副住職。
キース 「おまけに、退屈しなくて済むし…」
アドス 「うむ。檀家さんと、ゆっくりお話が出来る」
キース 「採用だな、親父?」
アドス 「もちろんじゃ!」
なんなら、馬になって頂いても、とアドス和尚の提案が。
アドス 「四つ足の動物は、本来、本堂はですな…」
キース 「厳禁なんだが、ジョミーは人間なわけで…」
ブルー 「うん。ぼくも言おうと思ってたんだよ」
馬は元々、乗り物だったし…、と生徒会長。
ブルー 「というわけでね、ジョミー、頑張りたまえ!」
ジョミー「ちょ、ちょっと…! それって、法衣で?」
キース 「当然だろうが、初詣にいらっしゃるんだぞ?」
アドス 「作務衣は正装ではないですからなあ…」
法衣でやって頂かないと…、との注文ですけど。
肩車とかを…?
2023/01/08 (Sun)
☆法衣でやるべき
大雪になった元老寺の元日、僧籍な人は初詣のお手伝い。
子連れの檀家さんが増える見込みで、法衣でお仕事で…。
ジョミー「そんなの、法衣で出来るわけないし!」
キース 「だが、初詣にいらっしゃる檀家さんを、だ…」
アドス 「作務衣でお迎えするというのは、失礼ですぞ」
此処は法衣で、とアドス和尚の厳命が。
アドス 「それでは、私は一足お先に本堂の方へ…」
キース 「分かった、ジョミーとサムは連れて行くから」
アドス 「きちんと法衣を着せるんじゃぞ!」
でないと、お前も罰礼じゃ、と言い捨てて廊下へ。
キース 「聞いたか、ジョミー?」
ジョミー「き、聞いたけどさあ、法衣で馬とか肩車は…」
全然、出来る気がしない、とジョミー君、ガクブル。
ジョミー「でも、やらないと、何をされるか…」
キース 「言っておくが、罰礼、百回コースはガチだぞ」
ジョミー「百回!?」
キース 「俺の家では、1セット百回が基本だからな」
それが嫌なら法衣でやれ、と副住職の睨み。
キース 「ついでに、ブルーからも一言、あるかと」
ブルー 「あるね、出来ないだなんて、有り得ないし!」
プロの坊主なら楽勝なんだよ、と生徒会長。
ブルー 「昔、法衣で出来るもん、というヤツが…」
キース 「あったな、法衣で車の運転が問題になって…」
ブルー 「うん、道交法には違反していない、って…」
ツイッターデモになったんだよね、と生徒会長の言。
ブルー 「お坊さんたちが、いろんな動画をUPでさ…」
キース 「バク転したヤツまでいたんだからな」
シロエ 「凄いですね…」
キース 「しかも、御本尊様の前で鮮やかにキメた」
つまり本堂で技を披露だ、とキース君、ズズイと。
キース 「プロの坊主は其処までやるんだぞ?」
ブルー 「見習いの君でも、馬とかくらいは…」
サム 「出来ねえとダメな気がして来たぜ」
ジョミー「そう言われても…!」
無茶すぎるよ、と悲鳴を上げてますけど。
逃げられない気が…。
2023/01/09 (Mon)
☆交代も出来ます
大雪な元老寺の元日ですけど、檀家さんが初詣に来る件。
作務衣は不可なジョミー君たち、法衣でお手伝いですが。
ブルー 「無茶だと言っても、通らないから!」
キース 「師僧がカラスは白いと言ったら、白いんだ!」
やれと言われたらやるべきで…、とキース君も譲らず。
キース 「出来ると仰っておられるんだぞ、銀青様が」
ジョミー「プロじゃないんだけど…!」
キース 「見習いでも、馬くらいは出来ると仰せだ」
ブルー 「そうだよ、肩車だっていけると思うね」
頑張りたまえ、と生徒会長、ニッコリと。
ブルー 「じゃあ、連れてってくれていいから」
キース 「恩に着る。今年はお子様に喜ばれそうだ」
来い、とキース君が引っ掴む、ジョミー君の襟首。
キース 「向こうで着替えて、本堂だからな!」
ジョミー「無理だってば…!」
キース 「遅れると、親父がキレるんだが?」
ジョミー「それも困るよ、ちょ、誰か助けてーっ!」
ぼくと代わって、と絶叫ですけど、誰もがスルー。
シロエ 「ジョミー先輩に、貸しを作ってもですね…」
スウェナ「あんまり得をしそうにないわね」
ブルー 「当たり前だよ、マツカに貸しなら大きいけど」
シロエ 「ですねえ、借りを作りたくない相手ですから」
逆になったら大穴でしょう、とシロエ君、うんうん、と。
シロエ 「もっとも、マツカ先輩だったら…」
サム 「代わってくれるかもしれないぜ?」
マツカ 「えっと…? 法衣でお手伝いで、肩車で…」
馬になったらいいんですよね、とマツカ君。
マツカ 「でも、お坊さんの資格を持っていませんし…」
キース 「いや、その辺は、どうとでもなるんだが?」
寺の子供が手伝うケースもあるんでな、と副住職の言。
キース 「俺も子供の頃にやったが、無資格だったぞ」
シロエ 「すると、マツカ先輩が交代しても…」
キース 「いけるわけだが、どうする、ジョミー?」
好きにしていいが、早くしろよ、と言ってますけど。
交代…?
2023/01/10 (Tue)
☆行かないで欲しい
大雪になった元老寺の元日、僧籍な人は本堂でお手伝い。
檀家さんの初詣ですけど、ジョミー君には追加の仕事が。
ジョミー「マツカ、代わってくれるわけ?」
マツカ 「ええ。お坊さんの資格は不要だそうですし…」
ぼくで良ければ、とマツカ君、人のいい笑み。
マツカ 「法衣の着方は、着物と同じでいけますよね?」
キース 「上の衣は仕立てが違うが、着付けは楽だぞ」
着物よりも、と副住職が指差す自分の法衣。
キース 「なんと言っても、帯が無いからな」
マツカ 「そうですね。初めてでも何とかなりそうです」
キース 「大丈夫だ、俺も手伝ってやる」
行くか、とキース君が促し、立ち上がるマツカ君。
マツカ 「では、行ってきます」
ジョミー「ありがとう!」
行ってらっしゃい、と笑顔のジョミー君ですけど。
シロエ 「ジョミー先輩、いいんですか?」
ジョミー「えっ、何が?」
シロエ 「マツカ先輩に借りが出来るんですよ?」
クリスマスのぼくを忘れたのでは、とシロエ君の問い。
シロエ 「借りが出来たら、返済がですね…」
ジョミー「あーっ! 待ってよ、マツカ、行かないで!」
ぼくが行くから、とジョミー君、大慌て。
ジョミー「マツカは、此処でゆっくりしてて!」
マツカ 「ぼくなら、別にかまいませんけど」
ジョミー「マツカは良くても、ぼくが困るから!」
座って、座って! と強引に座らせ、交代撤回。
ジョミー「キース、行こうよ、アドス和尚が待ってるし」
キース 「いい心掛けだ、と言っておこうか」
ではな、とジョミー君とサム君を連れて副住職、退場。
マツカ 「えっと…?」
シロエ 「行っちゃいましたね、馬と肩車をしに」
此処は頑張って欲しいです、とシロエ君。
シロエ 「正直、大変そうですけどね」
マツカ 「子供さんのお相手、してみたかったですよ」
シロエ 「マジですか?」
マツカ 「そうなんですけど…」
どうして断られたんでしょう、と怪訝そうな人。
自覚ゼロ…。
2023/01/11 (Wed)
☆代わりたかった人
大雪な元老寺の元日ですけど、檀家さんが初詣に来る件。
今年は子連れが増えるとの予想、お手伝いも大変そうで。
シロエ 「マツカ先輩、自分で分からないんですか?」
マツカ 「子供向けのキャラじゃないんでしょうか?」
そういう自覚は無かったですが、とマツカ君が傾げる首。
マツカ 「でも、他に断られる理由は無さそうですし…」
スウェナ「本当に分かってないわね、これは」
シロエ 「天然というヤツですよ」
それだけに借りが怖いんですけど…、とシロエ君の苦笑。
マツカ 「さっきも、借りって言いましたよね?」
シロエ 「ええ。マツカ先輩に借りを作った時ですよ」
返済するのに、どれだけかかるか…、とシロエ君。
シロエ 「ですから、ジョミー先輩はですね…」
スウェナ「自分で出掛けて行ったのよ」
マツカ 「えーっと…?」
ブルー 「深く考えなくてもいいってば、其処は」
其処がマツカのいい所だし、と生徒会長、クスクスと。
ブルー 「ところで、代わりたかった、って?」
マツカ 「はい。一種のボランティア活動ですから」
一同 「「「ボランティア?」」」
マツカ 「施設の慰問で、お子様のお相手は定番ですよ」
シャングリラ学園では、やってませんが…、とマツカ君。
マツカ 「学校によっては、行きますよね?」
シロエ 「そういえば…。アレに似てるんですか?」
マツカ 「昔を思い出したんですよ」
前の学校で行ったことが、とマツカ君、懐かしそうな顔。
マツカ 「肩車も馬も、みんなでサービスしましたから」
ブルー 「なるほどねえ…。それで代わりに…」
マツカ 「やってもいいかな、と思ったんですけど…」
見事に断られちゃいましたね、と肩を落とす人。
マツカ 「残念ですよ、せっかくの機会だったのに…」
シロエ 「奉仕の精神に溢れてますねえ…」
スウェナ「マツカだものねえ…」
ブルー 「ジョミーとは格が違うってね」
お手伝い向きのキャラ、と絶賛ですけど。
それは確かに…。
2023/01/12 (Thu)
☆三人目は要らない
大雪になった元老寺の元日、僧籍な人は本堂でお手伝い。
檀家さんの初詣、今年は子連れが増えるとの読みですが。
シロエ 「ジョミー先輩、今頃、どうしてますかねえ…」
スウェナ「借りが恐ろしいことも忘れて、愚痴だわね」
心の中で盛大に、とスウェナちゃんが眺める本堂の方。
スウェナ「マツカに代わって貰うべきだった、って」
シロエ 「あるあるですよ」
マツカ 「今からでも、行ってきましょうか?」
ブルー 「ダメダメ、アドス和尚が喜ぶだけだよ」
お手伝いの面子が増えて…、と生徒会長。
ブルー 「ジョミーを無罪放免すると思うのかい?」
マツカ 「交代します、と行くんですから、その辺は…」
ブルー 「甘いね、ジョミーの修行にかこつけてさ…」
手放すわけがないだろう、とキッパリと。
ブルー 「行かなくていいよ、放置でオッケー!」
マツカ 「ぼくなら、それでもいいんですけど…」
三人目にされてしまっても…、と奉仕の精神に溢れる人。
マツカ 「この雪ですから、お子様も退屈してますし」
シロエ 「それでサービスするわけですか?]
マツカ 「いいと思うんですけれど…」
ブルー 「その精神は、未来に取っておくべきだね!」
此処で無駄遣いしてしまわずに、と生徒会長の言。
ブルー 「お子様なら、此処にもいるんだからさ」
ぶるぅ 「んとんと…。マツカが肩車してくれるの?」
マツカ 「ああ、ぶるぅですか! 喜んで!」
いつでも、馬でも肩車でも…、とマツカ君の笑み。
マツカ 「ご希望の時に、言って下さいね」
ぶるぅ 「うんっ、そういうのも楽しそう!」
でも、今日はいいや、と「そるじゃぁ・ぶるぅ」。
ぶるぅ 「おせち、ゆっくり食べたいも~ん!」
シロエ 「肩車じゃ落ち着かないですよね、食べるのは」
ぶるぅ 「そうなの、乗ってお食事が楽しいのって…」
マツカ 「列車とかですか?」
ぶるぅ 「ピンポーン!」
だからお座敷では座るのがいい、と弾ける笑顔。
ごもっとも…。
2023/01/13 (Fri)
☆肩と腰に来た人
元老寺で迎えた大雪の元日、僧籍な人はお手伝いですが。
他の面子は自由なわけで、豪華おせちで過ごしてまして。
ぶるぅ 「マツカの馬と肩車も、いいんだけれど…」
シロエ 「今日の所は、おせちに集中というわけですか」
ぶるぅ 「そだよ、お料理の勉強も出来るし!」
一流の料理人さんの御馳走だしね、と料理上手なお子様。
ぶるぅ 「しっかり食べて、しっかり再現!」
シロエ 「いいですねえ!」
マツカ 「ぶるぅの腕は、プロ並みですしね」
スウェナ「今年も色々食べられそうよね、楽しみだわ」
料理もお菓子も…、とスウェナちゃんが飲み込む生唾。
スウェナ「今日のおせちも、何処かで登場するのね?」
ぶるぅ 「うん、アレンジはするけどね!」
どんな風にするかも考え中なの! と頼もしい返事。
ぶるぅ 「このまんまだと、つまんないでしょ?」
シロエ 「流石です! 期待してますよ」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ 今年も頑張っちゃう!」
おもてなしも、と笑顔な所へ、座敷の襖が開きまして。
ジョミー「やっと終わったー…」
サム 「子供連れ、マジで多かったぜ」
キース 「例年とは比較にならん数だな、この大雪で」
ジョミーの馬と肩車が大ウケだったぞ、と副住職。
キース 「また大雪の年があったら、是非、頼みたいな」
ジョミー「断るから!」
シロエ 「奉仕の精神、ゼロですよね」
ブルー 「ホントにねえ…。その点、マツカは…」
素晴らしいのに、と生徒会長、苦笑い。
ブルー 「ボランティアで行こうとしていたんだよ?」
ジョミー「ぼくは人間、出来てないから!」
キース 「其処で威張るな!」
貴様は今年も精進しやがれ、とキース君の怒声。
キース 「キリキリしごいていくからな!」
ジョミー「ちょ、そんなのは要らないし!」
キース 「やかましい! 一年の計は元旦にあり、だ!」
ジョミー「肩と腰に来るなんて、最悪だから…!」
ギックリ腰も勘弁だから、と嘆く今年のお正月。
初筋肉痛…?
2023/01/14 (Sat)
☆筋肉痛だった人
元老寺での迎春に始まり、アルテメシア大神宮の初詣も。
盛り沢山だった冬休みの後は、シャングリラ学園の行事。
シロエ 「なんとか終わりましたね、新年イベント」
サム 「ウチの学校、あの手のは全力投球だしよ…」
ジョミー「楽しいんだけど、ハードだよねえ…」
かるた大会とかさ、と皆で溜息な週末の生徒会長宅。
ジョミー「ぼくなんか、筋肉痛が治る暇が無かったよ」
サム 「正月のアレかよ、いつまで引き摺ってんだよ」
ジョミー「昨日まで!」
やっと治った、とジョミー君、肩をゴキゴキと。
ジョミー「治って来たな、って思う頃合いで行事だしさ」
サム 「お前、鍛え方が足りねえんでねえの?」
キース 「まったくだ。毎年、アレで鍛えたらどうだ?」
ジョミー「遠慮しとくから!」
ついでに忘れてくれると嬉しい、とジョミー君。
ジョミー「そしたら、二度とやらなくて済むし…」
シロエ 「ジョミー先輩、恥ずかしくないんですか?」
いろんな意味で…、とシロエ君、指をチッチッと。
シロエ 「奉仕の精神が皆無な上に、筋力もですね…」
スウェナ「無いとか、思いっ切り恥ずかしいわよ?」
ジョミー「どっちも、無くても困らないから!」
それに両方ある人なんて…、とジョミー君の仏頂面。
ジョミー「そんなの、そうそういないんだしさ!」
シロエ 「まあ、多いとは言えませんねえ…」
キース 「しかし、一人はいるわけだしな」
現に此処に…、とキース君が指差すマツカ君。
キース 「ボランティアで来ようとしていたんだぞ?」
ジョミー「特殊例だよ!」
??? 「そうだろうねえ、マツカだし!」
とってもレア、とソルジャー(会話表記はAブルー)が。
Aブルー「奉仕の精神に筋力、おまけに財力まで!」
キース 「あんた、何処から湧いたんだ!」
Aブルー「青の間に決まっているだろう!」
キース 「何か用でも?」
Aブルー「新年だよ!」
ニューイヤーの御挨拶をしに、と笑顔ですけど。
本当に…?
2023/01/15 (Sun)
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