シャングリラ学園つれづれ語り
☆流血は避けたい
夏休みが近い御一同様、生徒会長宅で涼しく過ごす週末。
山の別荘の話が出まして、ジビエ料理から物騒な方向へ。
シロエ 「本当に死ぬじゃないですか、ソレ!」
キース 「牙を避ければ、問題は無いと思うがな?」
サム 「そんなの、逃げられねえじゃねえかよ!」
シロエでも無理な相手なんだぜ、とサム君、ガクブル。
サム 「姿を見たら、即、逃げるしかねえヤツで…」
キース 「まあ、それが一番、安全だろう」
戦わなければ流血も無い、とキース君。
キース 「ジビエ料理は諦めることだ」
ジョミー「言われなくても、諦めるから!」
シロエ 「ですよね、真面目に命懸けですし…」
サム 「別荘で出て来るヤツを食おうぜ、ジビエはよ」
第一、プロの料理なんだし、とサム君の開き直った台詞。
サム 「キースじゃ、所詮は素人料理で…」
スウェナ「プロの腕には負けるわよねえ…」
Aブルー「そうかな、美味しかったよ、石焼きビビンバ」
アユの塩焼きも…、とソルジャーが挙げる先月の料理。
Aブルー「キースでも、やれば出来る筈でさ…」
ぶるぅ 「んとんと、ちゃんとレシピがあれば…」
キースは出来るタイプだよね、と料理上手なお子様も。
ぶるぅ 「うんと真面目で、手先も器用なんだもん!」
ブルー 「料理人には向いているねえ、確かにね」
キース 「決め付けるな!」
ぶるぅ 「でもでも、素質はあると思うの!」
舌だって肥えて来てるでしょ、と太鼓判が。
ぶるぅ 「ぼくとかプロのお料理を食べて、経験値が…」
ブルー 「順調に上がっているわけだしさ」
Aブルー「うん、キースだったら、イノシシだって!」
完璧に料理出来ると思う、とソルジャー、親指をグッと。
Aブルー「まずは食材の確保からだよ、頑張りたまえ!」
シロエ 「無理ですから!」
サム 「死ぬじゃねえかよ!」
Aブルー「そう言わないでさ、人生、チャレンジ精神!」
イノシシとバトル! と煽ってますけど。
無責任すぎ…。
2023/07/16 (Sun)
☆気が合う人たち
夏休みを控えたシャン学メンバー、生徒会長宅での週末。
山の別荘でジビエな件から、キース君に作らせる話へと。
シロエ 「やるなら、自分でやって下さい!」
サム 「サイオンで一発いけるじゃねえかよ!」
Aブルー「あのねえ…。それはガチとは言わないから!」
罠とか銃よりズルいヤツだよ、とソルジャー、目がマジ。
Aブルー「キースの希望はガチンコ勝負! 違うかい?」
キース 「まさにその通りだ、今日は気が合うな」
いつもは何かと波乱なのに、とキース君、嬉しそうな顔。
キース 「あんたも、俺を分かってくれたか」
Aブルー「そりゃあ、付き合い、長いからねえ…」
ついでにセットものでもあるし、とソルジャーの笑み。
Aブルー「ぼくと君とで、疫病仏!」
キース 「まあ、そうなんだが…」
Aブルー「だからバッチリ、息が合うんだよ!」
今、まさに厄を呼んでるわけで…、とニコニコニコ。
Aブルー「タッグを組んで、そこのみんなに…」
キース 「命の危機を招いている、と?」
そうなるのか、とキース君、愕然。
キース 「そんな自覚は無いんだが…!」
Aブルー「でも、そういう勘定になると思うけど?」
君が振ったネタを、ぼくが煽って…、とソルジャーの言。
Aブルー「これが疫病仏でなければ、何だと?」
シロエ 「そうです、それで合ってます!」
真面目に命の危機ですから、とシロエ君の縋るような目。
シロエ 「前言撤回でお願いします、キース先輩!」
ジョミー「頼むよ、疫病仏は中止で!」
キース 「そうだな、不名誉な例は増やしたくないし…」
Aブルー「甘すぎるから!」
それに面白くない、とソルジャーがグッと握り締める拳。
Aブルー「ガチンコ勝負をさせるべきだよ、絶対に!」
シロエ 「自分でやればいいでしょう!」
Aブルー「じゃあ、監督ってことでどう?」
一同 「「「監督?」」」
Aブルー「技術指導だよ!」
ぼくの豊富な経験を活かして! と笑顔ですけど。
監督…?
2023/07/17 (Mon)
☆技術指導と経験
じきに夏休みなシャン学メンバー、週末は生徒会長宅で。
けれど山の別荘でジビエ料理な話が、物騒な方へ展開中。
シロエ 「技術指導って、何なんです!」
サム 「イノシシ狩りの話かよ、ソレ?」
あんたもド素人じゃねえか、とサム君、必死のツッコミ。
サム 「あんたの世界に、野生のイノシシはよ…」
シロエ 「いないんですから、技術も何もありません!」
ジョミー「そうだよ、やったことないんだからさ!」
無責任なことを言わないでくれる、とジョミー君も。
ジョミー「キースだったら、まだ分かるけど…」
Aブルー「なんでキースが出て来るわけ?」
キースだって素人だろう、とソルジャー、キョトン。
Aブルー「狩りをするとは聞かないけどねえ…?」
シロエ 「その点は、ぼくも同じですよ」
サム 「俺も全く知らねえけど?」
何処からキースになるんだよ、とサム君たちも怪訝な顔。
サム 「おい、キース。お前、イノシシなんかをよ…」
シロエ 「捕まえたことがあるんですか?」
キース 「いや、そんなハードな経験はだな…」
俺の人生に一度も無いが、と当の本人までが不思議そう。
キース 「ジョミー、何処から俺の名前が出るんだ?」
ジョミー「遭遇率って所かな…」
一同 「「「遭遇率?」」」
なんだソレは、と誰もが傾げる首。
キース 「遭遇率というのが謎なんだが?」
ジョミー「そのまんまだよ、出会う確率だよ!」
イノシシにね、とジョミー君が立てる人差し指。
ジョミー「裏山の墓地に出るって、言ってなかった?」
一同 「「「あっ!」」」
アレか、と一発でピンと来た面々。
シロエ 「そう言えば、出るんでしたっけ…」
サム 「墓石を倒して、お供え物を荒らすんだよな?」
ジョミー「その対策で走り回っている筈だしさ…」
Aブルー「なるほど、ぼくよりも技術がある、と…」
キース 「勝手に決め付けて納得するな!」
俺は対策してなどいない、と怒鳴ってますけど。
本当に…?
2023/07/18 (Tue)
☆疎かになる季節
夏休みを控えたシャン学メンバー、生徒会長宅での週末。
山の別荘でジビエな話が、物騒な方へ進んでますけど…。
ジョミー「対策してないって、ホントにそうかな?」
シロエ 「放置とは思えませんよね、確かに」
腐っても副住職ですし…、とシロエ君が顎に当てる手。
シロエ 「放っておいたら、墓地がメチャメチャですよ」
ジョミー「だから絶対、何かやってるって!」
キース 「やかましい! 俺がやるのは張り紙だけだ!」
それと現場で注意とだな、と副住職が吊り上げる眉。
キース 「お供え物は、お持ち帰り下さい、と…」
シロエ 「それだけですか?」
キース 「他に何が出来ると言うんだ!」
ジョミー「柵とかは…? 設置してるって聞いたけど…」
あんまり効果は無さそうだけど、とジョミー君。
ジョミー「それもキースがやってるんじゃあ…?」
キース 「墓地の維持管理は、専門の人に頼んでいる!」
柵の設置も任せてある、とキース君、キッパリ。
キース 「それでもイノシシは、突破して来て…」
サム 「墓地を荒らして行くってか?」
キース 「今の季節は、大変なんだ!」
墓参りの人が多いからな、と副住職が顰める顔。
キース 「墓地は広いし、山の斜面だし…」
シロエ 「監視の目が行き届かないわけですね?」
キース 「そうなんだ。どう頑張っても、見落としが…」
ついでに俺も多忙だし…、とキース君が繰る数珠レット。
キース 「卒塔婆書きに追われて、見回りの方が…」
サム 「疎かになっちまうのかよ?」
キース 「仕方なかろう、管理専門の人までが…」
墓地そのものの整備で多忙な時期で…、と副住職。
キース 「墓参りに来た檀家さんから、色々と…」
シロエ 「修理とかの注文が入るんですか?」
キース 「それに加えて、生垣を綺麗に刈り込むとか…」
サム 「イノシシの対策がお留守になるわけな…」
Aブルー「対策ねえ…」
それは困った問題かもね、と頷いてますけど。
まあねえ…。
2023/07/19 (Wed)
☆命懸けで書くブツ
じきに夏休みなシャン学メンバー、週末は生徒会長宅で。
山の別荘が楽しみでして、キース君のジビエ料理を希望。
Aブルー「ちょっと、キースに聞きたいんだけど…」
キース 「なんだ?」
Aブルー「卒塔婆書きっていうのは、命懸けかな?」
毎年、この時期にやってるけどさ、とソルジャーの問い。
Aブルー「ノルマがどうとか、増やされたとか…」
キース 「ある意味、命懸けだと言えるな」
シロエ 「お盆までに書き上げないと、詰みますしね…」
サム 「出来てねえとか、アドス和尚によ…」
締め上げられるヤツでねえの、とサム君、うんうん、と。
サム 「遅れがバレたら、連日、徹夜で書かされるぜ」
ジョミー「それでフラフラになった身体で、棚経だよね」
シロエ 「栄養ドリンク、貰えないでしょうねえ…」
スウェナ「書かされる間も、食事抜きでしょ?」
時間との戦いなんだから、とスウェナちゃんの指摘。
スウェナ「お茶は飲めると思うけど…」
ジョミー「栄養補給は無理っぽいよね…」
食べながら書くのはダメだろうし、とジョミー君。
ジョミー「ゼリーになってて、飲めるのもあるけど…」
サム 「零したら、卒塔婆が汚れるしよ…」
シロエ 「お茶だって、シミになりますよ?」
スウェナ「そうなると、お茶もアウトだわねえ…」
水だけで書くことになるわね、とスウェナちゃんも。
スウェナ「命懸けコースで確定でしょ、コレ」
シロエ 「キース先輩が言う命懸けって、それですか?」
キース 「まさにそうなる」
命が懸かった大仕事だ、とキース君、合掌。
キース 「今年も無事に終わらせたいが…」
Aブルー「イノシシ対策が疎かになる、と…」
よし! とソルジャー、親指をグッと。
Aブルー「君たち、墓地で戦いたまえ!」
一同 「「「は?」」」
Aブルー「キースのジビエ料理だよ!」
ジョミー「えっと…?」
シロエ 「どういう意味です?」
話が見えませんけれど、とシロエ君の疑問。
墓地で戦う…?
2023/07/20 (Thu)
☆墓地でバトルを
夏休みを控えたシャン学メンバー、生徒会長宅での週末。
山の別荘の話が元で、キース君のジビエ料理を希望で…。
シロエ 「キース先輩のジビエ料理で、何故、墓地で…」
ジョミー「戦うって話が出て来るわけ?」
Aブルー「分からないかな、条件は命懸けなんだよ?」
キースが出して来たヤツは、とソルジャーの言。
Aブルー「卒塔婆書きに、命が懸かっているんなら…」
シロエ 「あっ、もしかして、墓地でですね…」
イノシシとバトルじゃないでしょうね、とシロエ君。
シロエ 「場所が何処でも、無理すぎですから!」
サム 「そうだぜ、相手はイノシシだしよ…」
キース 「俺からも言うが、やめておくのが吉だろうな」
墓地で戦うのは危険すぎる、と副住職の渋面。
キース 「金網を突破して来た直後のイノシシだぞ?」
ジョミー「それって、思い切り、気が立ってない…?」
キース 「だから墓石が倒されるんだ!」
突っ込んで来た勢いのままで走るしな、と怖すぎる台詞。
キース 「お供え物めがけて、全速力で疾走だぞ?」
一同 「「「うわー…」」」
立ち向かったらダメなヤツだ、と誰もがガクブル。
シロエ 「確実に死ぬじゃないですか!」
キース 「運が良ければ、避けられるかもしれないが…」
サム 「バトルどころじゃねえよな、ソレ…」
冗談じゃねえよ、とサム君が広げる両手。
サム 「それともアレかよ、あんたがシールドして…」
シロエ 「守ってくれると言うんですか?」
Aブルー「違うよ、もっと安全なコース!」
一同 「「「は?」」」
どんな方法があると言うんだ、と一同、キョトン。
シロエ 「安全って、相手はイノシシですよ?」
Aブルー「だから防ぐんだよ、来ないようにさ」
ジョミー「止めるとか、もっと危ないんだけど!」
サム 「そうだぜ、柵の手前で防ぐとか、プロでも…」
シロエ 「銃とか、罠が要るヤツですから!」
でないと死んでしまいます、とシロエ君の悲鳴。
ヤバすぎ…。
2023/07/21 (Fri)
☆炎天下で作業を
じきに夏休みなシャン学メンバー、週末は生徒会長宅で。
山の別荘へ行くのが楽しみ、ジビエ料理に期待ですけど。
シロエ 「あなたは煽るだけで済むんですけど…」
ジョミー「ぼくたちの方は、マジで命の危機だから!」
Aブルー「あのねえ…。ぼくもキースのジビエ料理を…」
食べてみたいと思うわけでね、とソルジャーの苦笑。
Aブルー「そうするためには、死人が出るのは…」
キース 「困るんだったら、黙っていやがれ!」
Aブルー「でもねえ、君にもいい話かと…」
墓地の被害を防げるんだよ、と言い募る人。
Aブルー「炎天下で作業して貰うだけで、バッチリと!」
一同 「「「炎天下?」」」
Aブルー「そう、太陽が照り付ける下で!」
キース 「イノシシは、夜行性なんだが…」
昼間は姿を見せないんだが…、とキース君が傾げる首。
キース 「あんた、その辺を理解してるのか?」
Aブルー「もちろんだよ! だから安全なコースだと…」
言ったんだよね、とソルジャー、しれっと。
Aブルー「チラシの配布に掃除、声掛け!」
一同 「「「は?」」」
なんだソレは、と誰もがキョトン。
シロエ 「えっと…? イノシシとバトルですよね?」
Aブルー「そうだけど?」
シロエ 「イノシシは字なんか読めませんよ?」
チラシを配ってどうするんです、とシロエ君。
シロエ 「第一、受け取って貰える気がしませんが…」
ジョミー「だよねえ、無視して突っ込んで来て…」
牙で刺される気がするんだけど、とジョミー君も。
ジョミー「声掛けだって、聞いちゃくれないよ?」
サム 「馬の耳に念仏の方が、まだマシでねえの?」
馬の方が言葉が分かりそうだぜ、とサム君の指摘。
サム 「イノシシは、話して分かる相手じゃねえよ」
Aブルー「誰がイノシシにやれって言った?」
シロエ 「違うんですか?」
Aブルー「当たり前だよ、チラシに声掛けなんだから!」
もっと冷静に考えたまえ、と言ってますけど。
チラシ…?
2023/07/22 (Sat)
☆チラシを配って
夏休みを控えたシャン学メンバー、生徒会長宅での週末。
山の別荘でジビエな話が、キース君の料理に転がって…。
シロエ 「冷静に、って言われてもですね…」
ジョミー「イノシシとバトルで、誰にチラシなのさ?」
Aブルー「決まってるだろう、檀家さんだよ!」
お供え物を持って来るんだからさ、とソルジャーの言。
Aブルー「チラシを配って、お持ち帰り下さい、と…」
シロエ 「あー…! なるほど、その手がありますね!」
サム 「張り紙だけより、効果ありそうだぜ」
Aブルー「加えて声掛け、掃除でバッチリ!」
置いて帰りそうな人には注意でさ、とソルジャーの笑み。
Aブルー「それでも忘れて帰った分は、掃除だってば!」
ジョミー「そっか、お供え物が残っていないと…」
スウェナ「イノシシの餌は無いのよねえ…」
キース 「こいつらを動員するわけか…」
それは助かる、と副住職も。
キース 「やってくれるんなら、バイト料代わりに…」
シロエ 「イノシシ、料理してくれるんですか?」
キース 「鹿かもしれんが、山の別荘でいける食材で…」
料理してもいい、とキース君の提案が。
キース 「そっちが安全なコースなんだし、俺もだな…」
ジョミー「命は半端に懸ける、って?」
キース 「そうだ、料理人さんの手伝いも…」
欠かせないぞ、と腕組みする人。
キース 「その条件でいいんだったら、もう明日から…」
Aブルー「チラシの配布と声掛けなんだね?」
キース 「当然だろう、明日は日曜だ!」
夏休みも初日から働いて貰う、とキッパリと。
キース 「柔道部の合宿中だけ、休みでな!」
一同 「「「うわー…」」」
Aブルー「でもさ、貴重なキースの料理!」
頑張ってくれたまえ、とソルジャーもプッシュ。
Aブルー「ぼくも楽しみにしてるから!」
シロエ 「山の別荘、呼ばれてませんよ?」
Aブルー「食べに来るくらいは、許されるって!」
アイデアを出したわけだしさ、と強気ですけど。
来ると…?
2023/07/23 (Sun)
☆ジビエ料理に招待
じきに夏休みなシャン学メンバー、週末は生徒会長宅で。
山の別荘行きが楽しみ、キース君のジビエ料理も来そう。
シロエ 「確かに、アイデアは出してくれましたけど…」
サム 「それより前に、面白がっていたじゃねえかよ」
ジョミー「ガチで戦えとか、無茶も言ったし…」
差し引きゼロになるんじゃないの、とジョミー君。
ジョミー「来なくていいと思うんだけど!」
シロエ 「キース先輩とセットで、疫病仏ですし…」
Aブルー「君たち、SD体制で苦労している、ぼくを…」
ハブる気なのかい、とソルジャーが吊り上げる眉。
Aブルー「こうなったら、ぼくのぶるぅも一緒に…!」
マツカ 「ええ、是非、お二人でいらして下さい」
一同 「「「ええっ!?」」」
酷い、と誰もが悲鳴ですけど。
マツカ 「お忘れですか、招待するのは、ぼくなんです」
一同 「「「うっ…」」」
Aブルー「ありがとう、マツカ! じゃあ、その日は…」
マツカ 「お席を用意しておきますよ、お二人分」
食堂は広いですからね、と御曹司。
マツカ 「キースのジビエ料理をメインに、存分に…」
Aブルー「食べていいわけだね、ぼくも、ぶるぅも」
マツカ 「もちろんです。日程の方は…」
Aブルー「大丈夫、青の間からチェック出来るし!」
ジビエ料理の日にお邪魔するよ、とソルジャーの笑顔。
Aブルー「キースも、料理を作るわけだし…」
キース 「ぶるぅのオモチャは免れるんだな?」
Aブルー「そう! 仲良くやろうよ!」
じゃあ、また山の別荘で! と消え失せた人。
シロエ 「マジですか…」
サム 「あいつと、ぶるぅが来るのかよ…」
キース 「だが、俺は安全圏なんだ!」
お前たちの方は知らんがな、とキース君、しれっと。
キース 「明日から、頑張ってチラシを配れよ」
シロエ 「そうでした…。明日の予報は…」
キース 「猛暑日だ!」
一同 「「「うわー…」」」
初日からソレか、と泣きが入ってますけど。
炎天下…。
2023/07/24 (Mon)
☆冷却ベストは不可
夏休みは山の別荘に期待ですけど、その前に試練な面々。
キース君のジビエ料理のために、元老寺の墓地で労働を。
シロエ 「暑いですねえ、猛暑日の連続はキツイですよ」
サム 「仕方ねえだろ、そもそも初日から猛暑日で…」
ジョミー「思い切り、幸先、悪かったしね…」
夏休みに入ったら更に拍車が…、とジョミー君の嘆き節。
ジョミー「お参りの人も増えたしさ…」
スウェナ「そうよね、お盆が近くなるほど増えるから…」
サム 「まあ、キースも庫裏で、卒塔婆地獄だしよ…」
シロエ 「直射日光が無いだけ、マシそうですけど!」
ぼくたちは熱中症の危機です、とシロエ君。
シロエ 「この炎天下で、長袖、長ズボンですよ?」
ジョミー「じゃあさ、法衣の方がいいわけ?」
シロエ 「いえ、それは…」
ジョミー「墓地で働くなら、それなりの服、って…」
キースに釘を刺されたんだよ、とジョミー君、溜息。
ジョミー「ぼくとサムには、法衣と作務衣が…」
サム 「コースとしてはあったんだよなあ、マジで」
ジョミー「もっと仕事が増えそうだから、逃げたけど…」
サム 「うんうん、あんなの着ちまったらよ…」
墓回向の見習いになるじゃねえかよ、とサム君も。
サム 「檀家さんに、お経を頼まれちまって…」
ジョミー「でも、無資格だし、出来ないからさ…」
サム 「アドス和尚のトコまで、走るしかねえし…」
ジョミー「走ったついでに、香炉とかをさ…」
持たされて、お供で戻るわけで…、とジョミー君。
ジョミー「最悪、墓地の階段、上から下まで…」
サム 「ガッツリ往復になっちまうしよ…」
ジョミー「真面目に死ぬよね…」
チラシ配りの方がまだマシ、とジョミー君の言。
ジョミー「でもさ、冷却ベストが欲しいよ…」
シロエ 「ぼくもですけど、そういうグッズは…」
サム 「キースにバレたら、終わりだぜ?」
シロエ 「そうですよね…」
アドス和尚も見てますし、とグッズも無理。
キツそう…。
2023/07/25 (Tue)
☆チップが貰える人
山の別荘行きを控えて、元老寺の墓地でタダ働きな面々。
キース君のジビエ料理のためには、耐えるしかなくて…。
シロエ 「暑すぎて、気を失いそうなんですけれど…」
ジョミー「上には上がいるのがね…」
サム 「マツカのスキルは、半端ねえよな…」
何の小細工もしてねえのがよ、と眺める先にスーツな人。
マツカ 「暑い中、お参り、ご苦労様です」
檀家さん「あっ、どうも。宿坊の方ですか?」
マツカ 「いえ、高校生バイトなんですけれど…」
これをどうぞ、とマツカ君が渡しているチラシ。
檀家さん「あー、イノシシ…。お疲れ様です」
マツカ 「お供え物のお持ち帰りを、お忘れなく」
檀家さん「分かりました。バイト、頑張って下さいね」
少しですが、と檀家さん、お年玉のような小さな袋を。
檀家さん「これで冷たいものでも、どうぞ」
マツカ 「ありがとうございます!」
よいお参りを、と深々とお辞儀で見送る御曹司。
ジョミー「マツカにチップ、これで何人くらいだっけ?」
サム 「虚しくなるから数えてねえけど、今日もよ…」
シロエ 「軽く十人を超えてますよね、朝から…」
スウェナ「お金が、お金を呼ぶのかしらねえ…」
私たちは何も貰えないのに…、とスウェナちゃん、涙目。
スウェナ「スーツがポイント高いのかしら?」
ジョミー「そうだと思うよ、プロっぽいしさ…」
サム 「なのに高校生バイトって所が、最強なんだぜ」
分かっちゃいても、スーツは無理、とサム君が竦める肩。
サム 「まあ、バイトも今日で最終日だしよ…」
ジョミー「明日から涼しい高原だしね…」
シロエ 「キース先輩のジビエ料理も来ますから…」
頑張りましょう、とシロエ君、グッと拳を。
シロエ 「あっ、そこの方、お供え物はお持ち帰りで…」
ジョミー「お願いしてます!」
檀家さん「あー、気を付けますね!」
サム 「やっぱ、俺たちにはチップ無しかよ…」
最終日はスーツにすれば良かった、との声も。
チップ…。
2023/07/26 (Wed)
☆一度で充分なバイト
炎天下の墓地でのバイトも終わって、ようやく山の別荘。
涼しい高原の空気を満喫、御馳走も食べて夜もワイワイ。
ジョミー「最高だよねえ、暑い下界と違って天国!」
シロエ 「昨日まで、地獄にいましたからね…」
サム 「タダ働きで墓地の掃除と、チラシ配りな…」
キース 「お蔭で、イノシシの被害が出なかったから…」
親父が来年も頼みたいそうだ、とキース君。
キース 「バイト料は出すと言っていたぞ」
シロエ 「お断りします!」
ジョミー「ぼくも嫌だよ、あんな地獄は!」
サム 「マジで灼熱地獄だったしよ…」
もう勘弁だぜ、とサム君も。
サム 「ジビエ料理と引き換えってのも、一回でよ…」
ジョミー「充分だよねえ、キースが一人で作るなら…」
シロエ 「価値もありますけど、プロが手伝って…」
出来上がる料理なんですからね、とシロエ君の指摘。
シロエ 「料理人さんが作って出すのと、ほぼ同じです」
サム 「間違いねえよな、そういう料理は普通によ…」
ジョミー「此処で頼めば、出て来るもんね…」
イノシシでも鹿でも、いくらでも、とジョミー君の相槌。
ジョミー「まあ、頑張って作ってみてよ」
シロエ 「美味しく仕上げて下さいよ?」
キース 「分かっている。なにしろ、ゲストで…」
ぶるぅが来やがるわけだしな、とキース君、苦い顔付き。
キース 「うっかり焦げたり、不味かったりしたら…」
ブルー 「ただでは済まないだろうしねえ…」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ ぶるぅ、そう言ってたよ!」
こないだ遊びに来た時に、と料理上手なお子様。
ぶるぅ 「カエル袋にするんだって!」
キース 「げっ…!」
執事 「ご歓談中、失礼します」
厨房の方から伝言です、と執事さんが部屋に。
執事 「ジビエ料理のメニューの御確認を…」
キース 「は?」
マツカ 「コース料理の進行ですよ」
執事 「そちらに合わせて、お料理を…」
して頂かないといけませんし、と説明が。
そうかも…。
2023/07/27 (Thu)
☆理解不能なメニュー
ようやく来られた山の別荘、初日の夜はワイワイ歓談中。
其処でキース君に来た用件が、コース料理の確認でして。
キース 「あの、俺…。いえ、ぼくが作るのは…」
執事 「メイン料理だと伺ってはおりますが…」
進行の兼ね合いもございますので…、と執事さん。
執事 「出すタイミングを押さえて頂きませんと…」
キース 「そうなんですか?」
ぶるぅ 「そだよ、熱々を出すんだったら、直前に…」
加熱しないとダメだしね、と料理上手なお子様が解説を。
ぶるぅ 「いつ焼き始めるとか、いつ煮込むとか…」
マツカ 「大事なんですよ、厨房では」
執事 「左様でございます。ですので、こちらを」
ご覧下さい、とキース君に差し出された紙。
執事 「当日のコースは、こうなっておりまして…」
キース 「えっと…? まずオードブルで…。ええっ?」
シロエ 「キース先輩、何か問題でも?」
キース 「い、イノシシまでは分かるんだが…」
セロリというのも分かっているが…、とキース君、愕然。
キース 「何なんだ、このナントカの包み焼きとは…!」
執事 「パートフィローでございますが?」
キース 「ですから、それはどういう…」
ぶるぅ 「んーとね、イノシシとセロリのだから…」
パイ生地で包んで焼くの! 「そるじゃぁ・ぶるぅ」。
ぶるぅ 「パートフィローは、パイ生地だしね」
ジョミー「美味しそうだね、ソレ!」
スウェナ「キースの腕に期待だわねえ…」
キース 「しかし、いきなり名称で…」
つまずくようでは先が怖い、とキース君の良くない顔色。
キース 「当日、俺は大丈夫なのか…?」
執事 「そう仰るかと思いまして…」
厨房と話はついております、と執事さん。
執事 「よろしかったら、明日から厨房で…」
キース 「見習いですか…?」
執事 「やはり、現場で覚えて頂くのが一番です」
一同 「「「イイネ!」」」
頑張って来い! と一同、エールですけど。
料理修行…。
2023/07/28 (Fri)
☆現場で見習いを
山の別荘初日の夜に、キース君に来たのが料理修行の話。
ジビエ料理を作る日に備えて、厨房で見習いだそうで…。
キース 「あの、見習いというのは、どんな具合に…」
執事 「出来れば、朝一番に厨房に入って頂いて…」
キース 「現場で仕事を覚えるんですか?」
執事 「シェフが言うには、それが理想だそうです」
料理の日には、頂点に立たれるわけですし、と執事さん。
執事 「メイン料理は、シェフが担当するもので…」
マツカ 「下手な間は、任せて貰えないんですよ」
火加減さえも見られません、とマツカ君、キッパリ。
マツカ 「次の料理を載せるお皿の用意とかですね」
執事 「そうです、食材は下洗いくらいしか…」
ぶるぅ 「見習いの間は、させて貰えないの!」
厳しいんだよ、と「そるじゃぁ・ぶるぅ」も。
ぶるぅ 「でもでも、キースはゲストで、特別だから…」
マツカ 「メインを作っても許されるんです」
キース 「…マジか…」
執事 「はい。ですから、他の者を上手く使うには…」
仲良くなっておくのをお勧めします、と執事さんの言。
執事 「シェフが言うには、阿吽の呼吸が大切だとか」
ぶるぅ 「そだね、お料理、ホントに一瞬の勝負だし…」
火加減は特にそうなるよね、と料理上手なお子様。
ぶるぅ 「そこで止めて、って言われて、出来る?」
キース 「た、確かに…」
ぶるぅ 「焼けすぎちゃったら、カエル袋だよ?」
キース 「嫌すぎる…! 分かった、明日から…」
厨房で見習いをやって来る、とキース君、悲壮な決意。
キース 「というわけで、よろしくお願いします!」
執事さん「承知しました、伝えておきますね」
では、明日から…、と去ってゆきまして。
ジョミー「そっか、明日の朝御飯は…」
シロエ 「キース先輩が、お皿を用意して…」
サム 「他にも色々、働くわけな?」
一同 「「「イイネ!」」」
あれこれ注文しまくろう、と歓声ですけど。
こき使う、と…?
2023/07/29 (Sat)
☆厨房で修行な人
山の別荘ライフですけど、キース君は厨房で料理の修行。
ジビエ料理を作る日に備えて、毎日、朝から夜までで…。
ジョミー「大変だよねえ、キースもさあ…」
キース 「分かっているなら、何故、毎朝、毎朝!」
あれこれ注文しやがるんだ、と怒声が響く夕食の後。
キース 「お蔭で俺は、あちこち走り回ってばかりで…」
ジョミー「でも、やっておかないと詰むんだし…」
シロエ 「そうですよ。厨房の皆さんと仲良くなって…」
スウェナ「息ピッタリになっていないと、終わりでしょ」
料理を見事に焦がしちゃって、とスウェナちゃんの指摘。
スウェナ「いい? イノシシとセロリの、えっと…」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ パートフィロー包み焼き!」
サム 「なんか、ハードル高そうだぜ?」
キース 「そうなんだ。手伝っては貰えるんだが…」
例のパイ生地も練習中で…、とキース君の嘆き節。
キース 「当日は、専門の人が作ってくれるのに…」
シロエ 「なんで練習してるんです?」
キース 「見習い中に、練習を重ねるものらしくてな…」
作り方くらいは覚えておけと…、とフウと溜息。
キース 「他にもあれこれ、基礎をやらされている!」
一同 「「「あー…」」」
まあそうかも、と誰もが納得。
ジョミー「頑張ってよね、いよいよ明日の夜だよ?」
キース 「夕方、イノシシ肉の肉が届いて、だ…」
シロエ 「下ごしらえをしてたんですか?」
キース 「ついさっきまでな!」
明日が怖い、と呻くキース君を他所に、次の日が来て…。
??? 「こんにちはーっ!」
??? 「ジビエ、食べに来たよーっ!」
ゲストが早々に到着(会話表記はAブルー、Aぶるぅ)。
Aブルー「夕食には、ちょっと早いけど…」
マツカ 「いえ、どうぞ御遠慮なく、皆さんとお茶でも」
Aブルー「キースの仕事が増えるって?」
マツカ 「そうなりますが…」
Aぶるぅ「パフェ、食べたーい!」
フルーツたっぷりのヤツ、と悪戯小僧。
作らせろと…?
2023/07/30 (Sun)
☆食べまくる人たち
山の別荘でキース君のジビエ料理、いよいよ今夜の夕食。
早めに来たのが迷惑なゲスト、容赦なくパフェを注文で。
Aぶるぅ「ねえねえ、パフェも食べられるでしょ?」
マツカ 「もちろんですよ。では、厨房に…」
執事 「伝えて参ります。他に御注文は?」
Aブルー「ぼくはチョコレートパフェでお願いするよ」
甘いものには目が無くてね、とソルジャーも便乗。
Aブルー「せっかくだから、みんなもどう?」
ジョミー「晩御飯には、まだ早いしね…」
シロエ 「大丈夫ですよね、じゃあ、ぼくは抹茶で!」
スウェナ「私、チョコミントで!」
好き放題に注文しまくり、食べまくりで、やがて夕食で。
執事 「皆様、お食事の支度が整いました」
Aぶるぅ「んとんと、キースは?」
執事 「厨房で格闘しておられますよ」
Aブルー「なるほど、美味しく出来るといいねえ…」
失敗したら後が無いしね、とソルジャー、ニヤニヤ。
Aブルー「イノシシとセロリの、えっと…」
執事 「パートフィロー包み焼きでございます」
Aぶるぅ「かみお~ん♪ パイ生地だよね!」
パイ包み、好き! と悪戯小僧の輝く瞳。
Aぶるぅ「美味しかったら、おかわりだも~ん!」
一同 「「「えっ?」」」
Aぶるぅ「次のお料理も、デザートも食べるけど…」
メイン料理を飽きるまで! と恐ろしすぎる台詞。
Aぶるぅ「それとも、お肉、足りないとか?」
マツカ 「いえ、そうした場合も考えまして…」
厨房の者に頼んであります、と御曹司の笑み。
マツカ 「ただ、キースには何も…」
サム 「言ってねえのな?」
マツカ 「ええ。人数分を作れば終わりだと…」
思い込んでいますよ、とクスクスと。
マツカ 「皆さんも、おかわりなさいますか?」
Aブルー「当然だよ!」
ジョミー「美味しいに決まっているからさ…」
シロエ 「食べまくりですね!」
一同 「「「おーっ!」」」
食べ放題だ、と大歓声ですけれど。
今月、これにて中継終了~。
2023/07/31 (Mon)
夏休みが近い御一同様、生徒会長宅で涼しく過ごす週末。
山の別荘の話が出まして、ジビエ料理から物騒な方向へ。
シロエ 「本当に死ぬじゃないですか、ソレ!」
キース 「牙を避ければ、問題は無いと思うがな?」
サム 「そんなの、逃げられねえじゃねえかよ!」
シロエでも無理な相手なんだぜ、とサム君、ガクブル。
サム 「姿を見たら、即、逃げるしかねえヤツで…」
キース 「まあ、それが一番、安全だろう」
戦わなければ流血も無い、とキース君。
キース 「ジビエ料理は諦めることだ」
ジョミー「言われなくても、諦めるから!」
シロエ 「ですよね、真面目に命懸けですし…」
サム 「別荘で出て来るヤツを食おうぜ、ジビエはよ」
第一、プロの料理なんだし、とサム君の開き直った台詞。
サム 「キースじゃ、所詮は素人料理で…」
スウェナ「プロの腕には負けるわよねえ…」
Aブルー「そうかな、美味しかったよ、石焼きビビンバ」
アユの塩焼きも…、とソルジャーが挙げる先月の料理。
Aブルー「キースでも、やれば出来る筈でさ…」
ぶるぅ 「んとんと、ちゃんとレシピがあれば…」
キースは出来るタイプだよね、と料理上手なお子様も。
ぶるぅ 「うんと真面目で、手先も器用なんだもん!」
ブルー 「料理人には向いているねえ、確かにね」
キース 「決め付けるな!」
ぶるぅ 「でもでも、素質はあると思うの!」
舌だって肥えて来てるでしょ、と太鼓判が。
ぶるぅ 「ぼくとかプロのお料理を食べて、経験値が…」
ブルー 「順調に上がっているわけだしさ」
Aブルー「うん、キースだったら、イノシシだって!」
完璧に料理出来ると思う、とソルジャー、親指をグッと。
Aブルー「まずは食材の確保からだよ、頑張りたまえ!」
シロエ 「無理ですから!」
サム 「死ぬじゃねえかよ!」
Aブルー「そう言わないでさ、人生、チャレンジ精神!」
イノシシとバトル! と煽ってますけど。
無責任すぎ…。
2023/07/16 (Sun)
☆気が合う人たち
夏休みを控えたシャン学メンバー、生徒会長宅での週末。
山の別荘でジビエな件から、キース君に作らせる話へと。
シロエ 「やるなら、自分でやって下さい!」
サム 「サイオンで一発いけるじゃねえかよ!」
Aブルー「あのねえ…。それはガチとは言わないから!」
罠とか銃よりズルいヤツだよ、とソルジャー、目がマジ。
Aブルー「キースの希望はガチンコ勝負! 違うかい?」
キース 「まさにその通りだ、今日は気が合うな」
いつもは何かと波乱なのに、とキース君、嬉しそうな顔。
キース 「あんたも、俺を分かってくれたか」
Aブルー「そりゃあ、付き合い、長いからねえ…」
ついでにセットものでもあるし、とソルジャーの笑み。
Aブルー「ぼくと君とで、疫病仏!」
キース 「まあ、そうなんだが…」
Aブルー「だからバッチリ、息が合うんだよ!」
今、まさに厄を呼んでるわけで…、とニコニコニコ。
Aブルー「タッグを組んで、そこのみんなに…」
キース 「命の危機を招いている、と?」
そうなるのか、とキース君、愕然。
キース 「そんな自覚は無いんだが…!」
Aブルー「でも、そういう勘定になると思うけど?」
君が振ったネタを、ぼくが煽って…、とソルジャーの言。
Aブルー「これが疫病仏でなければ、何だと?」
シロエ 「そうです、それで合ってます!」
真面目に命の危機ですから、とシロエ君の縋るような目。
シロエ 「前言撤回でお願いします、キース先輩!」
ジョミー「頼むよ、疫病仏は中止で!」
キース 「そうだな、不名誉な例は増やしたくないし…」
Aブルー「甘すぎるから!」
それに面白くない、とソルジャーがグッと握り締める拳。
Aブルー「ガチンコ勝負をさせるべきだよ、絶対に!」
シロエ 「自分でやればいいでしょう!」
Aブルー「じゃあ、監督ってことでどう?」
一同 「「「監督?」」」
Aブルー「技術指導だよ!」
ぼくの豊富な経験を活かして! と笑顔ですけど。
監督…?
2023/07/17 (Mon)
☆技術指導と経験
じきに夏休みなシャン学メンバー、週末は生徒会長宅で。
けれど山の別荘でジビエ料理な話が、物騒な方へ展開中。
シロエ 「技術指導って、何なんです!」
サム 「イノシシ狩りの話かよ、ソレ?」
あんたもド素人じゃねえか、とサム君、必死のツッコミ。
サム 「あんたの世界に、野生のイノシシはよ…」
シロエ 「いないんですから、技術も何もありません!」
ジョミー「そうだよ、やったことないんだからさ!」
無責任なことを言わないでくれる、とジョミー君も。
ジョミー「キースだったら、まだ分かるけど…」
Aブルー「なんでキースが出て来るわけ?」
キースだって素人だろう、とソルジャー、キョトン。
Aブルー「狩りをするとは聞かないけどねえ…?」
シロエ 「その点は、ぼくも同じですよ」
サム 「俺も全く知らねえけど?」
何処からキースになるんだよ、とサム君たちも怪訝な顔。
サム 「おい、キース。お前、イノシシなんかをよ…」
シロエ 「捕まえたことがあるんですか?」
キース 「いや、そんなハードな経験はだな…」
俺の人生に一度も無いが、と当の本人までが不思議そう。
キース 「ジョミー、何処から俺の名前が出るんだ?」
ジョミー「遭遇率って所かな…」
一同 「「「遭遇率?」」」
なんだソレは、と誰もが傾げる首。
キース 「遭遇率というのが謎なんだが?」
ジョミー「そのまんまだよ、出会う確率だよ!」
イノシシにね、とジョミー君が立てる人差し指。
ジョミー「裏山の墓地に出るって、言ってなかった?」
一同 「「「あっ!」」」
アレか、と一発でピンと来た面々。
シロエ 「そう言えば、出るんでしたっけ…」
サム 「墓石を倒して、お供え物を荒らすんだよな?」
ジョミー「その対策で走り回っている筈だしさ…」
Aブルー「なるほど、ぼくよりも技術がある、と…」
キース 「勝手に決め付けて納得するな!」
俺は対策してなどいない、と怒鳴ってますけど。
本当に…?
2023/07/18 (Tue)
☆疎かになる季節
夏休みを控えたシャン学メンバー、生徒会長宅での週末。
山の別荘でジビエな話が、物騒な方へ進んでますけど…。
ジョミー「対策してないって、ホントにそうかな?」
シロエ 「放置とは思えませんよね、確かに」
腐っても副住職ですし…、とシロエ君が顎に当てる手。
シロエ 「放っておいたら、墓地がメチャメチャですよ」
ジョミー「だから絶対、何かやってるって!」
キース 「やかましい! 俺がやるのは張り紙だけだ!」
それと現場で注意とだな、と副住職が吊り上げる眉。
キース 「お供え物は、お持ち帰り下さい、と…」
シロエ 「それだけですか?」
キース 「他に何が出来ると言うんだ!」
ジョミー「柵とかは…? 設置してるって聞いたけど…」
あんまり効果は無さそうだけど、とジョミー君。
ジョミー「それもキースがやってるんじゃあ…?」
キース 「墓地の維持管理は、専門の人に頼んでいる!」
柵の設置も任せてある、とキース君、キッパリ。
キース 「それでもイノシシは、突破して来て…」
サム 「墓地を荒らして行くってか?」
キース 「今の季節は、大変なんだ!」
墓参りの人が多いからな、と副住職が顰める顔。
キース 「墓地は広いし、山の斜面だし…」
シロエ 「監視の目が行き届かないわけですね?」
キース 「そうなんだ。どう頑張っても、見落としが…」
ついでに俺も多忙だし…、とキース君が繰る数珠レット。
キース 「卒塔婆書きに追われて、見回りの方が…」
サム 「疎かになっちまうのかよ?」
キース 「仕方なかろう、管理専門の人までが…」
墓地そのものの整備で多忙な時期で…、と副住職。
キース 「墓参りに来た檀家さんから、色々と…」
シロエ 「修理とかの注文が入るんですか?」
キース 「それに加えて、生垣を綺麗に刈り込むとか…」
サム 「イノシシの対策がお留守になるわけな…」
Aブルー「対策ねえ…」
それは困った問題かもね、と頷いてますけど。
まあねえ…。
2023/07/19 (Wed)
☆命懸けで書くブツ
じきに夏休みなシャン学メンバー、週末は生徒会長宅で。
山の別荘が楽しみでして、キース君のジビエ料理を希望。
Aブルー「ちょっと、キースに聞きたいんだけど…」
キース 「なんだ?」
Aブルー「卒塔婆書きっていうのは、命懸けかな?」
毎年、この時期にやってるけどさ、とソルジャーの問い。
Aブルー「ノルマがどうとか、増やされたとか…」
キース 「ある意味、命懸けだと言えるな」
シロエ 「お盆までに書き上げないと、詰みますしね…」
サム 「出来てねえとか、アドス和尚によ…」
締め上げられるヤツでねえの、とサム君、うんうん、と。
サム 「遅れがバレたら、連日、徹夜で書かされるぜ」
ジョミー「それでフラフラになった身体で、棚経だよね」
シロエ 「栄養ドリンク、貰えないでしょうねえ…」
スウェナ「書かされる間も、食事抜きでしょ?」
時間との戦いなんだから、とスウェナちゃんの指摘。
スウェナ「お茶は飲めると思うけど…」
ジョミー「栄養補給は無理っぽいよね…」
食べながら書くのはダメだろうし、とジョミー君。
ジョミー「ゼリーになってて、飲めるのもあるけど…」
サム 「零したら、卒塔婆が汚れるしよ…」
シロエ 「お茶だって、シミになりますよ?」
スウェナ「そうなると、お茶もアウトだわねえ…」
水だけで書くことになるわね、とスウェナちゃんも。
スウェナ「命懸けコースで確定でしょ、コレ」
シロエ 「キース先輩が言う命懸けって、それですか?」
キース 「まさにそうなる」
命が懸かった大仕事だ、とキース君、合掌。
キース 「今年も無事に終わらせたいが…」
Aブルー「イノシシ対策が疎かになる、と…」
よし! とソルジャー、親指をグッと。
Aブルー「君たち、墓地で戦いたまえ!」
一同 「「「は?」」」
Aブルー「キースのジビエ料理だよ!」
ジョミー「えっと…?」
シロエ 「どういう意味です?」
話が見えませんけれど、とシロエ君の疑問。
墓地で戦う…?
2023/07/20 (Thu)
☆墓地でバトルを
夏休みを控えたシャン学メンバー、生徒会長宅での週末。
山の別荘の話が元で、キース君のジビエ料理を希望で…。
シロエ 「キース先輩のジビエ料理で、何故、墓地で…」
ジョミー「戦うって話が出て来るわけ?」
Aブルー「分からないかな、条件は命懸けなんだよ?」
キースが出して来たヤツは、とソルジャーの言。
Aブルー「卒塔婆書きに、命が懸かっているんなら…」
シロエ 「あっ、もしかして、墓地でですね…」
イノシシとバトルじゃないでしょうね、とシロエ君。
シロエ 「場所が何処でも、無理すぎですから!」
サム 「そうだぜ、相手はイノシシだしよ…」
キース 「俺からも言うが、やめておくのが吉だろうな」
墓地で戦うのは危険すぎる、と副住職の渋面。
キース 「金網を突破して来た直後のイノシシだぞ?」
ジョミー「それって、思い切り、気が立ってない…?」
キース 「だから墓石が倒されるんだ!」
突っ込んで来た勢いのままで走るしな、と怖すぎる台詞。
キース 「お供え物めがけて、全速力で疾走だぞ?」
一同 「「「うわー…」」」
立ち向かったらダメなヤツだ、と誰もがガクブル。
シロエ 「確実に死ぬじゃないですか!」
キース 「運が良ければ、避けられるかもしれないが…」
サム 「バトルどころじゃねえよな、ソレ…」
冗談じゃねえよ、とサム君が広げる両手。
サム 「それともアレかよ、あんたがシールドして…」
シロエ 「守ってくれると言うんですか?」
Aブルー「違うよ、もっと安全なコース!」
一同 「「「は?」」」
どんな方法があると言うんだ、と一同、キョトン。
シロエ 「安全って、相手はイノシシですよ?」
Aブルー「だから防ぐんだよ、来ないようにさ」
ジョミー「止めるとか、もっと危ないんだけど!」
サム 「そうだぜ、柵の手前で防ぐとか、プロでも…」
シロエ 「銃とか、罠が要るヤツですから!」
でないと死んでしまいます、とシロエ君の悲鳴。
ヤバすぎ…。
2023/07/21 (Fri)
☆炎天下で作業を
じきに夏休みなシャン学メンバー、週末は生徒会長宅で。
山の別荘へ行くのが楽しみ、ジビエ料理に期待ですけど。
シロエ 「あなたは煽るだけで済むんですけど…」
ジョミー「ぼくたちの方は、マジで命の危機だから!」
Aブルー「あのねえ…。ぼくもキースのジビエ料理を…」
食べてみたいと思うわけでね、とソルジャーの苦笑。
Aブルー「そうするためには、死人が出るのは…」
キース 「困るんだったら、黙っていやがれ!」
Aブルー「でもねえ、君にもいい話かと…」
墓地の被害を防げるんだよ、と言い募る人。
Aブルー「炎天下で作業して貰うだけで、バッチリと!」
一同 「「「炎天下?」」」
Aブルー「そう、太陽が照り付ける下で!」
キース 「イノシシは、夜行性なんだが…」
昼間は姿を見せないんだが…、とキース君が傾げる首。
キース 「あんた、その辺を理解してるのか?」
Aブルー「もちろんだよ! だから安全なコースだと…」
言ったんだよね、とソルジャー、しれっと。
Aブルー「チラシの配布に掃除、声掛け!」
一同 「「「は?」」」
なんだソレは、と誰もがキョトン。
シロエ 「えっと…? イノシシとバトルですよね?」
Aブルー「そうだけど?」
シロエ 「イノシシは字なんか読めませんよ?」
チラシを配ってどうするんです、とシロエ君。
シロエ 「第一、受け取って貰える気がしませんが…」
ジョミー「だよねえ、無視して突っ込んで来て…」
牙で刺される気がするんだけど、とジョミー君も。
ジョミー「声掛けだって、聞いちゃくれないよ?」
サム 「馬の耳に念仏の方が、まだマシでねえの?」
馬の方が言葉が分かりそうだぜ、とサム君の指摘。
サム 「イノシシは、話して分かる相手じゃねえよ」
Aブルー「誰がイノシシにやれって言った?」
シロエ 「違うんですか?」
Aブルー「当たり前だよ、チラシに声掛けなんだから!」
もっと冷静に考えたまえ、と言ってますけど。
チラシ…?
2023/07/22 (Sat)
☆チラシを配って
夏休みを控えたシャン学メンバー、生徒会長宅での週末。
山の別荘でジビエな話が、キース君の料理に転がって…。
シロエ 「冷静に、って言われてもですね…」
ジョミー「イノシシとバトルで、誰にチラシなのさ?」
Aブルー「決まってるだろう、檀家さんだよ!」
お供え物を持って来るんだからさ、とソルジャーの言。
Aブルー「チラシを配って、お持ち帰り下さい、と…」
シロエ 「あー…! なるほど、その手がありますね!」
サム 「張り紙だけより、効果ありそうだぜ」
Aブルー「加えて声掛け、掃除でバッチリ!」
置いて帰りそうな人には注意でさ、とソルジャーの笑み。
Aブルー「それでも忘れて帰った分は、掃除だってば!」
ジョミー「そっか、お供え物が残っていないと…」
スウェナ「イノシシの餌は無いのよねえ…」
キース 「こいつらを動員するわけか…」
それは助かる、と副住職も。
キース 「やってくれるんなら、バイト料代わりに…」
シロエ 「イノシシ、料理してくれるんですか?」
キース 「鹿かもしれんが、山の別荘でいける食材で…」
料理してもいい、とキース君の提案が。
キース 「そっちが安全なコースなんだし、俺もだな…」
ジョミー「命は半端に懸ける、って?」
キース 「そうだ、料理人さんの手伝いも…」
欠かせないぞ、と腕組みする人。
キース 「その条件でいいんだったら、もう明日から…」
Aブルー「チラシの配布と声掛けなんだね?」
キース 「当然だろう、明日は日曜だ!」
夏休みも初日から働いて貰う、とキッパリと。
キース 「柔道部の合宿中だけ、休みでな!」
一同 「「「うわー…」」」
Aブルー「でもさ、貴重なキースの料理!」
頑張ってくれたまえ、とソルジャーもプッシュ。
Aブルー「ぼくも楽しみにしてるから!」
シロエ 「山の別荘、呼ばれてませんよ?」
Aブルー「食べに来るくらいは、許されるって!」
アイデアを出したわけだしさ、と強気ですけど。
来ると…?
2023/07/23 (Sun)
☆ジビエ料理に招待
じきに夏休みなシャン学メンバー、週末は生徒会長宅で。
山の別荘行きが楽しみ、キース君のジビエ料理も来そう。
シロエ 「確かに、アイデアは出してくれましたけど…」
サム 「それより前に、面白がっていたじゃねえかよ」
ジョミー「ガチで戦えとか、無茶も言ったし…」
差し引きゼロになるんじゃないの、とジョミー君。
ジョミー「来なくていいと思うんだけど!」
シロエ 「キース先輩とセットで、疫病仏ですし…」
Aブルー「君たち、SD体制で苦労している、ぼくを…」
ハブる気なのかい、とソルジャーが吊り上げる眉。
Aブルー「こうなったら、ぼくのぶるぅも一緒に…!」
マツカ 「ええ、是非、お二人でいらして下さい」
一同 「「「ええっ!?」」」
酷い、と誰もが悲鳴ですけど。
マツカ 「お忘れですか、招待するのは、ぼくなんです」
一同 「「「うっ…」」」
Aブルー「ありがとう、マツカ! じゃあ、その日は…」
マツカ 「お席を用意しておきますよ、お二人分」
食堂は広いですからね、と御曹司。
マツカ 「キースのジビエ料理をメインに、存分に…」
Aブルー「食べていいわけだね、ぼくも、ぶるぅも」
マツカ 「もちろんです。日程の方は…」
Aブルー「大丈夫、青の間からチェック出来るし!」
ジビエ料理の日にお邪魔するよ、とソルジャーの笑顔。
Aブルー「キースも、料理を作るわけだし…」
キース 「ぶるぅのオモチャは免れるんだな?」
Aブルー「そう! 仲良くやろうよ!」
じゃあ、また山の別荘で! と消え失せた人。
シロエ 「マジですか…」
サム 「あいつと、ぶるぅが来るのかよ…」
キース 「だが、俺は安全圏なんだ!」
お前たちの方は知らんがな、とキース君、しれっと。
キース 「明日から、頑張ってチラシを配れよ」
シロエ 「そうでした…。明日の予報は…」
キース 「猛暑日だ!」
一同 「「「うわー…」」」
初日からソレか、と泣きが入ってますけど。
炎天下…。
2023/07/24 (Mon)
☆冷却ベストは不可
夏休みは山の別荘に期待ですけど、その前に試練な面々。
キース君のジビエ料理のために、元老寺の墓地で労働を。
シロエ 「暑いですねえ、猛暑日の連続はキツイですよ」
サム 「仕方ねえだろ、そもそも初日から猛暑日で…」
ジョミー「思い切り、幸先、悪かったしね…」
夏休みに入ったら更に拍車が…、とジョミー君の嘆き節。
ジョミー「お参りの人も増えたしさ…」
スウェナ「そうよね、お盆が近くなるほど増えるから…」
サム 「まあ、キースも庫裏で、卒塔婆地獄だしよ…」
シロエ 「直射日光が無いだけ、マシそうですけど!」
ぼくたちは熱中症の危機です、とシロエ君。
シロエ 「この炎天下で、長袖、長ズボンですよ?」
ジョミー「じゃあさ、法衣の方がいいわけ?」
シロエ 「いえ、それは…」
ジョミー「墓地で働くなら、それなりの服、って…」
キースに釘を刺されたんだよ、とジョミー君、溜息。
ジョミー「ぼくとサムには、法衣と作務衣が…」
サム 「コースとしてはあったんだよなあ、マジで」
ジョミー「もっと仕事が増えそうだから、逃げたけど…」
サム 「うんうん、あんなの着ちまったらよ…」
墓回向の見習いになるじゃねえかよ、とサム君も。
サム 「檀家さんに、お経を頼まれちまって…」
ジョミー「でも、無資格だし、出来ないからさ…」
サム 「アドス和尚のトコまで、走るしかねえし…」
ジョミー「走ったついでに、香炉とかをさ…」
持たされて、お供で戻るわけで…、とジョミー君。
ジョミー「最悪、墓地の階段、上から下まで…」
サム 「ガッツリ往復になっちまうしよ…」
ジョミー「真面目に死ぬよね…」
チラシ配りの方がまだマシ、とジョミー君の言。
ジョミー「でもさ、冷却ベストが欲しいよ…」
シロエ 「ぼくもですけど、そういうグッズは…」
サム 「キースにバレたら、終わりだぜ?」
シロエ 「そうですよね…」
アドス和尚も見てますし、とグッズも無理。
キツそう…。
2023/07/25 (Tue)
☆チップが貰える人
山の別荘行きを控えて、元老寺の墓地でタダ働きな面々。
キース君のジビエ料理のためには、耐えるしかなくて…。
シロエ 「暑すぎて、気を失いそうなんですけれど…」
ジョミー「上には上がいるのがね…」
サム 「マツカのスキルは、半端ねえよな…」
何の小細工もしてねえのがよ、と眺める先にスーツな人。
マツカ 「暑い中、お参り、ご苦労様です」
檀家さん「あっ、どうも。宿坊の方ですか?」
マツカ 「いえ、高校生バイトなんですけれど…」
これをどうぞ、とマツカ君が渡しているチラシ。
檀家さん「あー、イノシシ…。お疲れ様です」
マツカ 「お供え物のお持ち帰りを、お忘れなく」
檀家さん「分かりました。バイト、頑張って下さいね」
少しですが、と檀家さん、お年玉のような小さな袋を。
檀家さん「これで冷たいものでも、どうぞ」
マツカ 「ありがとうございます!」
よいお参りを、と深々とお辞儀で見送る御曹司。
ジョミー「マツカにチップ、これで何人くらいだっけ?」
サム 「虚しくなるから数えてねえけど、今日もよ…」
シロエ 「軽く十人を超えてますよね、朝から…」
スウェナ「お金が、お金を呼ぶのかしらねえ…」
私たちは何も貰えないのに…、とスウェナちゃん、涙目。
スウェナ「スーツがポイント高いのかしら?」
ジョミー「そうだと思うよ、プロっぽいしさ…」
サム 「なのに高校生バイトって所が、最強なんだぜ」
分かっちゃいても、スーツは無理、とサム君が竦める肩。
サム 「まあ、バイトも今日で最終日だしよ…」
ジョミー「明日から涼しい高原だしね…」
シロエ 「キース先輩のジビエ料理も来ますから…」
頑張りましょう、とシロエ君、グッと拳を。
シロエ 「あっ、そこの方、お供え物はお持ち帰りで…」
ジョミー「お願いしてます!」
檀家さん「あー、気を付けますね!」
サム 「やっぱ、俺たちにはチップ無しかよ…」
最終日はスーツにすれば良かった、との声も。
チップ…。
2023/07/26 (Wed)
☆一度で充分なバイト
炎天下の墓地でのバイトも終わって、ようやく山の別荘。
涼しい高原の空気を満喫、御馳走も食べて夜もワイワイ。
ジョミー「最高だよねえ、暑い下界と違って天国!」
シロエ 「昨日まで、地獄にいましたからね…」
サム 「タダ働きで墓地の掃除と、チラシ配りな…」
キース 「お蔭で、イノシシの被害が出なかったから…」
親父が来年も頼みたいそうだ、とキース君。
キース 「バイト料は出すと言っていたぞ」
シロエ 「お断りします!」
ジョミー「ぼくも嫌だよ、あんな地獄は!」
サム 「マジで灼熱地獄だったしよ…」
もう勘弁だぜ、とサム君も。
サム 「ジビエ料理と引き換えってのも、一回でよ…」
ジョミー「充分だよねえ、キースが一人で作るなら…」
シロエ 「価値もありますけど、プロが手伝って…」
出来上がる料理なんですからね、とシロエ君の指摘。
シロエ 「料理人さんが作って出すのと、ほぼ同じです」
サム 「間違いねえよな、そういう料理は普通によ…」
ジョミー「此処で頼めば、出て来るもんね…」
イノシシでも鹿でも、いくらでも、とジョミー君の相槌。
ジョミー「まあ、頑張って作ってみてよ」
シロエ 「美味しく仕上げて下さいよ?」
キース 「分かっている。なにしろ、ゲストで…」
ぶるぅが来やがるわけだしな、とキース君、苦い顔付き。
キース 「うっかり焦げたり、不味かったりしたら…」
ブルー 「ただでは済まないだろうしねえ…」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ ぶるぅ、そう言ってたよ!」
こないだ遊びに来た時に、と料理上手なお子様。
ぶるぅ 「カエル袋にするんだって!」
キース 「げっ…!」
執事 「ご歓談中、失礼します」
厨房の方から伝言です、と執事さんが部屋に。
執事 「ジビエ料理のメニューの御確認を…」
キース 「は?」
マツカ 「コース料理の進行ですよ」
執事 「そちらに合わせて、お料理を…」
して頂かないといけませんし、と説明が。
そうかも…。
2023/07/27 (Thu)
☆理解不能なメニュー
ようやく来られた山の別荘、初日の夜はワイワイ歓談中。
其処でキース君に来た用件が、コース料理の確認でして。
キース 「あの、俺…。いえ、ぼくが作るのは…」
執事 「メイン料理だと伺ってはおりますが…」
進行の兼ね合いもございますので…、と執事さん。
執事 「出すタイミングを押さえて頂きませんと…」
キース 「そうなんですか?」
ぶるぅ 「そだよ、熱々を出すんだったら、直前に…」
加熱しないとダメだしね、と料理上手なお子様が解説を。
ぶるぅ 「いつ焼き始めるとか、いつ煮込むとか…」
マツカ 「大事なんですよ、厨房では」
執事 「左様でございます。ですので、こちらを」
ご覧下さい、とキース君に差し出された紙。
執事 「当日のコースは、こうなっておりまして…」
キース 「えっと…? まずオードブルで…。ええっ?」
シロエ 「キース先輩、何か問題でも?」
キース 「い、イノシシまでは分かるんだが…」
セロリというのも分かっているが…、とキース君、愕然。
キース 「何なんだ、このナントカの包み焼きとは…!」
執事 「パートフィローでございますが?」
キース 「ですから、それはどういう…」
ぶるぅ 「んーとね、イノシシとセロリのだから…」
パイ生地で包んで焼くの! 「そるじゃぁ・ぶるぅ」。
ぶるぅ 「パートフィローは、パイ生地だしね」
ジョミー「美味しそうだね、ソレ!」
スウェナ「キースの腕に期待だわねえ…」
キース 「しかし、いきなり名称で…」
つまずくようでは先が怖い、とキース君の良くない顔色。
キース 「当日、俺は大丈夫なのか…?」
執事 「そう仰るかと思いまして…」
厨房と話はついております、と執事さん。
執事 「よろしかったら、明日から厨房で…」
キース 「見習いですか…?」
執事 「やはり、現場で覚えて頂くのが一番です」
一同 「「「イイネ!」」」
頑張って来い! と一同、エールですけど。
料理修行…。
2023/07/28 (Fri)
☆現場で見習いを
山の別荘初日の夜に、キース君に来たのが料理修行の話。
ジビエ料理を作る日に備えて、厨房で見習いだそうで…。
キース 「あの、見習いというのは、どんな具合に…」
執事 「出来れば、朝一番に厨房に入って頂いて…」
キース 「現場で仕事を覚えるんですか?」
執事 「シェフが言うには、それが理想だそうです」
料理の日には、頂点に立たれるわけですし、と執事さん。
執事 「メイン料理は、シェフが担当するもので…」
マツカ 「下手な間は、任せて貰えないんですよ」
火加減さえも見られません、とマツカ君、キッパリ。
マツカ 「次の料理を載せるお皿の用意とかですね」
執事 「そうです、食材は下洗いくらいしか…」
ぶるぅ 「見習いの間は、させて貰えないの!」
厳しいんだよ、と「そるじゃぁ・ぶるぅ」も。
ぶるぅ 「でもでも、キースはゲストで、特別だから…」
マツカ 「メインを作っても許されるんです」
キース 「…マジか…」
執事 「はい。ですから、他の者を上手く使うには…」
仲良くなっておくのをお勧めします、と執事さんの言。
執事 「シェフが言うには、阿吽の呼吸が大切だとか」
ぶるぅ 「そだね、お料理、ホントに一瞬の勝負だし…」
火加減は特にそうなるよね、と料理上手なお子様。
ぶるぅ 「そこで止めて、って言われて、出来る?」
キース 「た、確かに…」
ぶるぅ 「焼けすぎちゃったら、カエル袋だよ?」
キース 「嫌すぎる…! 分かった、明日から…」
厨房で見習いをやって来る、とキース君、悲壮な決意。
キース 「というわけで、よろしくお願いします!」
執事さん「承知しました、伝えておきますね」
では、明日から…、と去ってゆきまして。
ジョミー「そっか、明日の朝御飯は…」
シロエ 「キース先輩が、お皿を用意して…」
サム 「他にも色々、働くわけな?」
一同 「「「イイネ!」」」
あれこれ注文しまくろう、と歓声ですけど。
こき使う、と…?
2023/07/29 (Sat)
☆厨房で修行な人
山の別荘ライフですけど、キース君は厨房で料理の修行。
ジビエ料理を作る日に備えて、毎日、朝から夜までで…。
ジョミー「大変だよねえ、キースもさあ…」
キース 「分かっているなら、何故、毎朝、毎朝!」
あれこれ注文しやがるんだ、と怒声が響く夕食の後。
キース 「お蔭で俺は、あちこち走り回ってばかりで…」
ジョミー「でも、やっておかないと詰むんだし…」
シロエ 「そうですよ。厨房の皆さんと仲良くなって…」
スウェナ「息ピッタリになっていないと、終わりでしょ」
料理を見事に焦がしちゃって、とスウェナちゃんの指摘。
スウェナ「いい? イノシシとセロリの、えっと…」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ パートフィロー包み焼き!」
サム 「なんか、ハードル高そうだぜ?」
キース 「そうなんだ。手伝っては貰えるんだが…」
例のパイ生地も練習中で…、とキース君の嘆き節。
キース 「当日は、専門の人が作ってくれるのに…」
シロエ 「なんで練習してるんです?」
キース 「見習い中に、練習を重ねるものらしくてな…」
作り方くらいは覚えておけと…、とフウと溜息。
キース 「他にもあれこれ、基礎をやらされている!」
一同 「「「あー…」」」
まあそうかも、と誰もが納得。
ジョミー「頑張ってよね、いよいよ明日の夜だよ?」
キース 「夕方、イノシシ肉の肉が届いて、だ…」
シロエ 「下ごしらえをしてたんですか?」
キース 「ついさっきまでな!」
明日が怖い、と呻くキース君を他所に、次の日が来て…。
??? 「こんにちはーっ!」
??? 「ジビエ、食べに来たよーっ!」
ゲストが早々に到着(会話表記はAブルー、Aぶるぅ)。
Aブルー「夕食には、ちょっと早いけど…」
マツカ 「いえ、どうぞ御遠慮なく、皆さんとお茶でも」
Aブルー「キースの仕事が増えるって?」
マツカ 「そうなりますが…」
Aぶるぅ「パフェ、食べたーい!」
フルーツたっぷりのヤツ、と悪戯小僧。
作らせろと…?
2023/07/30 (Sun)
☆食べまくる人たち
山の別荘でキース君のジビエ料理、いよいよ今夜の夕食。
早めに来たのが迷惑なゲスト、容赦なくパフェを注文で。
Aぶるぅ「ねえねえ、パフェも食べられるでしょ?」
マツカ 「もちろんですよ。では、厨房に…」
執事 「伝えて参ります。他に御注文は?」
Aブルー「ぼくはチョコレートパフェでお願いするよ」
甘いものには目が無くてね、とソルジャーも便乗。
Aブルー「せっかくだから、みんなもどう?」
ジョミー「晩御飯には、まだ早いしね…」
シロエ 「大丈夫ですよね、じゃあ、ぼくは抹茶で!」
スウェナ「私、チョコミントで!」
好き放題に注文しまくり、食べまくりで、やがて夕食で。
執事 「皆様、お食事の支度が整いました」
Aぶるぅ「んとんと、キースは?」
執事 「厨房で格闘しておられますよ」
Aブルー「なるほど、美味しく出来るといいねえ…」
失敗したら後が無いしね、とソルジャー、ニヤニヤ。
Aブルー「イノシシとセロリの、えっと…」
執事 「パートフィロー包み焼きでございます」
Aぶるぅ「かみお~ん♪ パイ生地だよね!」
パイ包み、好き! と悪戯小僧の輝く瞳。
Aぶるぅ「美味しかったら、おかわりだも~ん!」
一同 「「「えっ?」」」
Aぶるぅ「次のお料理も、デザートも食べるけど…」
メイン料理を飽きるまで! と恐ろしすぎる台詞。
Aぶるぅ「それとも、お肉、足りないとか?」
マツカ 「いえ、そうした場合も考えまして…」
厨房の者に頼んであります、と御曹司の笑み。
マツカ 「ただ、キースには何も…」
サム 「言ってねえのな?」
マツカ 「ええ。人数分を作れば終わりだと…」
思い込んでいますよ、とクスクスと。
マツカ 「皆さんも、おかわりなさいますか?」
Aブルー「当然だよ!」
ジョミー「美味しいに決まっているからさ…」
シロエ 「食べまくりですね!」
一同 「「「おーっ!」」」
食べ放題だ、と大歓声ですけれど。
今月、これにて中継終了~。
2023/07/31 (Mon)
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