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シャングリラ学園つれづれ語り

☆参加か見学か


ジョミー君のダンスが完成しない内に、近付いてきた運動会。
所属チームすら無い個人競技で、見学だけでもOKだそうでございます。

キース 「トライアスロンとかじゃないだろうな?」
シロエ 「フルマラソンかもしれません。個人競技と言うんですから」
サム  「うへえ…。どっちも俺には無理だぜ」
マツカ 「ぼくもです。そこまでの体力はありませんよ」
スウェナ「見学多数じゃないかしら?」
ブルー 「さあ、どうだか…。ちなみに会場は空港の敷地」
全員  「「「は?」」」
ブルー 「シャングリラ号に行く空港だよ。あそこは広いし」
ジョミー「それじゃやっぱりフルマラソン?」
キース 「トライアスロンも出来るんじゃないか?」
ブルー 「残念ながら、どっちも違うね。主役はカボチャだ」
全員  「「「カボチャ?」」」
ブルー 「まずはカボチャを彫るんだよ。それがスタート」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ すごく大きなカボチャだって!」
キース 「ジャック・オー・ランタンを担いで走れというのか?」
ブルー 「そんなとこかな。で、どうする?」

参加するのか見学か、と尋ねられたシャン学メンバー。
皆で顔を見合わせておりましたが…。

キース 「担ぐだけならまだマシだがな…。被るんだったら悲劇だぞ」
シロエ 「被るんですか? カボチャを頭に?」
キース 「絶対に無いと言い切れるか?」
シロエ 「い、いえ…。どうなんですか、会長?」
ブルー 「主役はカボチャと言っただろう? 情報はこれで充分だよね」
キース 「ダメだ、リスクが高すぎる。俺は今回は見学にする」
ブルー 「そうなのかい? それは残念」
シロエ 「ざ、残念と来ましたか…。やっぱり真面目に危なそうです」

ぼくも見学でお願いします、とシロエ君が言い、他のメンバーも…。

ブルー 「つまらないねえ、全員見学だなんて…」

その分、ジョミーのダンスに期待、と生徒会長は申しております。
ジョミー君、ますます責任重大。今日も頑張って踊らねば!

2012/10/16 (Tue)

 

☆二兎を追った者


運動会の競技の主役はカボチャ。
どう使うのかが分からないだけに、シャン学メンバーは見学をチョイス。

ブルー 「見学するなら衣装に凝るのもいいかもね」
キース 「ハロウィンだからか?」
ブルー 「仮装を推奨してるんだ。目立ってなんぼだと思わないかい?」
シロエ 「そうですねえ…。ジョミー先輩はお坊さんですし」
サム  「ブルーも何か着るのかよ?」
ブルー 「どうせなら派手にやりたいんだけど、正統派も捨て難い」
スウェナ「ソルジャーの服なの?」
ブルー 「アレもけっこう気に入ってるしね」
キース 「下手にドレスを着込まれるよりは平和かもな…」

そこからワイワイと仮装ネタで盛り上がり、やがて時間となりまして。

キース 「帰るぞ、ジョミー。早くダンスを仕上げていこうぜ」
ブルー 「寝食を忘れて励みたまえ。あまり日がない」
ジョミー「そ、そんなぁ…」
キース 「親父のシゴキも待っているぞ。お勤めの方も手抜きするなよ」
ブルー 「頼もしいねえ、アドス和尚に任せて良かった」

お経もモノになるかもしれない、と生徒会長はニコニコ顔。
とはいえ、相手はジョミー君だけに、運動会を控えた週末になっても…。

ブルー 「お経を覚えられなかったって!?」
キース 「すまん…。親父も俺も頑張ったんだが、どうにもこうにも」
ジョミー「南無阿弥陀仏は覚えたよ? お勤めの最後はアレと鐘でしょ」
キース 「お前の場合は鐘を無茶苦茶に叩きまくっているだけだ!」

決められた回数も鐘を叩く間合いもアウトだそうでございます。

ブルー 「まさかそこまで酷いとは…。それでダンスは?」
キース 「そっちの方は多分、なんとか…」
ブルー 「ダンスの出来もヤバイのかい?」
キース 「いざとなったらアドリブだとか言っていやがる」
ブルー 「つまり適当って言いたいわけだね…」

溜息をつく生徒会長。
二兎を追う者、一兎をも得ずとは申しますが。
明日に迫った運動会で、ジョミー君はちゃんと踊れるでしょうか…?

2012/10/17 (Wed)

 

☆ピンチなアドリブ


お経もダンスもモノにならなかったジョミー君。
元老寺に泊まり込んでの修行の日々は、無駄になったようでございます。

ブルー 「いざとなったらアドリブねえ…。何をする気だい?」
ジョミー「えっ、適当にステップを踏んで踊るだけだよ」
ブルー 「それじゃダメだね、順番に脱いでいきたまえ」
ジョミー「は?」
ブルー 「オープニングは余興なんだよ、ストリップでいこう」
キース 「待て! ジョミーは法衣を着ているんだぞ!?」
ブルー 「それが何さ? ウケると思うよ、お坊さん姿のストリップ」

パンツ一丁になったら袈裟を振り回して『お袈裟マン』だとか。

キース 「…お袈裟マンだと?」
ブルー 「あれっ、知らないかな? 伝説のスーパーヒーローだけど」
キース 「何なんだ、それは!」
ブルー 「璃慕恩院であった大法要の打ち上げで出た余興だよ」

酔っ払った若手のお坊さんたちが変身したのが『お袈裟マン』。
今でも内輪の隠し芸だか一発芸だかで、あるとか、ないとか…。

ブルー 「アドリブをやるならお袈裟マンだね、一般人にも人気だろう」
ジョミー「やだよ、そんなの!」
ブルー 「だったら今夜は徹夜覚悟でキッチリ仕上げる!」
キース 「…お袈裟マンだけは俺も御免だ。徹夜になっても付き合うぜ」
ブルー 「明日は迎えを出すからさ。それまで死ぬ気で頑張るんだね」
シロエ 「えーっと…。空港へ行くんですよね?」
ブルー 「うん。最初から仮装しててもいいよ」

シド先生が迎えのバスを運転するので、家を出る時から仮装OK。
去年使った王子様のような宮廷衣装がシャン学メンバーの仮装です。

ブルー 「ジョミーはお坊さんだし法衣だけれど、ダンスを忘れたら…」
キース 「お袈裟マンの仮装だと言うんじゃないだろうな?」
ブルー 「お袈裟マンだよ、スーパーヒーローだしさ」
ジョミー「そ、そんなぁ…」

残された時間は今夜一晩限り。
ジョミー君を待っているのは墨染めの法衣か、伝説のお袈裟マンなのか?

2012/10/18 (Thu)

 

☆いよいよ開幕


いよいよ10月27日、ハロウィンとセットの運動会の日は絶好の秋晴れで。
シド先生が運転するマイクロバスがシャン学メンバーをピックアップ!

サム  「似合ってるぜジョミー、その法衣」
キース 「お袈裟マンにならないことを祈っててくれ。切実なんだ」
ジョミー「ぼくの方がよっぽど切実だよ!」
ブルー 「きちんと踊れば無問題! 頑張るんだね」
シロエ 「会長は結局、ソルジャーの正装なんですか…」
ブルー 「これはこれで人気が高いんだよ。特に女性に」
キース 「要は人目を引きたいんだな?」
ブルー 「そういう君たちだって去年の宮廷衣装だろ?」

王子様スタイルを目指してるよね、と指摘されれば反論不可能。
スウェナだけはハロウィンっぽく黒い衣装の魔女ですが…。
そうこうする内にバスは空港の敷地内へと入りまして。

キース 「おい、こんな公園があったのか?」
ブルー 「ちょっといいだろ、ゴルフなんかも出来るんだよ」

広がっているのは広大な芝生。
林や大きな池などもあって、そこに大勢の人たちが。

ブルー 「特設ステージも準備OK! ほら、あそこに」
シロエ 「カボチャだらけのステージですね…」

ジョミー君が踊る舞台はハロウィンカラーで飾られております。
特大のカボチャがズラリと並び、仮装した仲間が詰め掛けていて。

ブラウ 「おや、来たね。待ってたんだよ、踊るんだって?」
ゼル  「みんなワクワクしとるんじゃ。派手に一発!」
ブルー 「それじゃ開会宣言しようか。ジョミー、ステージの上へ」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ ぼくもジョミーと一緒に踊る!」

ジョミー君と「そるじゃぁ・ぶるぅ」、生徒会長が壇上に。

ブルー 「運動会はジョミーのダンスで開幕だ!」
一同  「「「待ってましたぁー!」」」
ブルー 「踊りたい人はその場でダンス! 曲は『かみほー♪』!」

音楽スタート! という声を合図に『かみほー♪』の曲が高らかに。
さて、ジョミー君はお袈裟マンを回避出来るでしょうか?

2012/10/19 (Fri)

 

☆坊主宣言を超えろ


特設ステージに流れる『かみほー♪』。
墨染めの法衣と袈裟のジョミー君、裾を蹴散らしながら踊っております。
その後ろでは「そるじゃぁ・ぶるぅ」が勝手気ままなステップを。

スウェナ「他の人たちも踊ってるのね、適当だけど」
ブルー 「シャングリラ号の歌だからねえ、血が騒ぐ人も多いのさ」

ステージの前の広場では仲間たちが楽しく踊っています。
ゼル先生もホップステップ、ジャンプで飛び跳ねているのですけど。

ブルー 「うーん…。ジョミーはいよいよお袈裟マンかな」
キース 「やめてくれ! もう半分は過ぎているんだ、勘弁してくれ」
ブルー 「でもさ、明らかに踊りを忘れているよ?」
シロエ 「誤魔化しまくれば大丈夫ですよ、誰も気付きはしませんって」
ブルー 「ぼくは気付いているんだってば」
サム  「ジョミーは変身しねえだろ? お袈裟マンなんか」
ブルー 「そこでソルジャーの出番なんだよ、ぼくが最高権力者!」

お袈裟マンを実現してみせる、とマイクを握った生徒会長。

ブルー 「今からジョミーが曲に合わせてストリップ!」
一同  「「「えぇっ!?」」」
ブルー 「法衣を脱ぎ捨て、お袈裟マンに変身するから盛大な拍手を!」

キラリと走った青いサイオン。
でたらめな踊りを繰り広げていたジョミー君を包み込みまして…。

ゼル  「おおっ、自分で脱いだわい!」
ブラウ 「こりゃいいねえ。『かみほー♪』のリズムでストリップかい」
ブルー 「最後はパンツ一丁になるよ? 袈裟を翻してお袈裟マン!」
キース 「…な、なんでこういうことになるんだ…」

俺の努力が水の泡に、と嘆きまくっているキース君。
ジョミー君は操られて法衣を脱ぎ捨てた果てに、ジャンプでフィナーレ。
やんやと喝采が湧き起こる中、ガックリと肩を落としてションボリと…。

ジョミー「……やっちゃった……」

坊主宣言よりカッコ悪いよ、と泣きの涙のジョミー君。
お袈裟マンはウケたようですけれども、心の傷は一生モノになるのかも?

2012/10/20 (Sat)

 

☆カボチャの登場


生徒会長のサイオンに操られてしまい、お袈裟マンと化したジョミー君。
『かみほー♪』なステージが終わった後は、もうドン底でございます。

ジョミー「うう…。どうせぼくなんか、ぼくなんか…」
キース 「泣くな! 俺だって気分はドン底なんだぞ!」

みっともない真似をしやがって、と法衣を着せ直しているキース君。

キース 「俺は記憶から消去するから、お前もキッパリ忘れとけ!」
ジョミー「で、でも…。見てた人は忘れないじゃない!」
サム  「そうだろうなぁ、思いっ切りインパクト強かったしな」
ジョミー「これから一生言われるんだよ、お袈裟マンって…」
キース 「とにかく忘れろ! 人の噂も七十五日だ!」
ブルー 「だよね、所詮は前座なんだし」
キース 「全部あんたのせいだろうが!」
ブルー 「余興だよ、余興。運動会はこれからが本番なのさ」

行ってこよう、と生徒会長はステージに上りまして。

ブルー 「オープニングセレモニーも済んだし、今日の競技の発表だ!」
ブラウ 「待ってましたぁ! 景気良く頼むよ」
ブルー 「ハロウィンと言えばカボチャがつきもの! まず、一人一個」

早い者勝ちだから合図と共に選ぶように、と指差す先にはカボチャの山。

キース 「お、おい…。なんだか異様にデカくないか?」
シロエ 「彫るとか言ってましたよね。それだけでも一苦労ですよ」
スウェナ「被れるサイズを超えているわよ、どうするわけ?」
マツカ 「割れないように転がしながら走るんでしょうか?」

あまりの大きさに衝撃を受けているシャン学メンバー。
お袈裟マンどころではありません。

ブルー 「競技の方はレース形式! カボチャを彫ったら池まで運ぶ!」
一同  「「「池!?」」」
ブルー 「カボチャボートのレースなんだよ、速さと体力で勝負ってね」
一同  「「「カボチャボート?」」」

なんじゃそりゃ、と唖然としている見物客と競技の参加者。
お袈裟マンも霞んでしまったカボチャボートとは何でしょう?

2012/10/21 (Sun)

 

☆カボチャのボート


ステージに上がった生徒会長が発表した種目はレース形式。
一人一個ずつカボチャを彫ったら池まで運んで、カボチャボートだとか。

ゼル  「ブルー、カボチャボートというのは何じゃ?」
ブルー 「そのまんまだけど? カボチャがボートになるんだよ」
ブラウ 「ちょいとお待ちよ、さっき彫るとか言ってたっけねえ?」
ゼル  「どう彫ったらカボチャがボートになるんじゃ!」
ブルー 「そこは好みで! とにかく漕ぎ手が乗れればいいんだ」

タライ舟とか丸木舟とかの要領で、と生徒会長は申しております。

ブルー 「他の部分は好きにしていいよ。縁をギザギザにするのもアリ」
ゼル  「し、しかし…。制限時間はどうなるんじゃ?」
ブルー 「彫るための時間は別枠さ。レース開始は彫り上がってから!」

ただし時間内に間に合わなければアウトだそうで。

ブルー 「乗れるカボチャが彫れなかったら、棄権か泳ぐか、二択だね」
一同  「「「は?」」」
ブルー 「カボチャを押して泳いで行くのは別に止めない」
ゼル  「ふむふむ…。濡れるのが嫌ならボートを完成させるんじゃな」
ブルー 「そうなるね。いい天気だけど、池は流石に冷たいかと…」
ゼル  「分かったわい! わしも男じゃ、棄権はせんぞ」

根性でボートを彫り上げてみせる、とゼル先生。
どうやら参加者らしいです。

ブルー 「ボートの説明はこれでいいかな? 道具はここに」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ 順番に取りに来てね!」

ステージの後ろから出て来た箱にはカボチャを彫るためのノミなどが。
レース参加者が押し寄せていますが…。

サム  「みんな仮装はしてねえんだなあ…」
キース 「運動会と銘打った以上、動きやすい服が基本だろう」
シロエ 「仮装の人は見物客ですね。この競技なら出たかったですが…」
サム  「キースに勝てたかもしれねえもんな。ただのレースだし…」

惜しいことをした、と残念そうなシロエ君とサム君。
エントリーすべきでしたかねえ?

2012/10/22 (Mon)

 

☆カボチャを選べ


運動会の正体はカボチャのボートを使ったレース。
カボチャを彫るための道具が配られ、競技参加者が詰め掛けております。

ジョミー「カボチャが大きいわけだよねえ…。乗るんだもんね」
キース 「やっと復活してきたか。もう誰もお前を覚えちゃいないぞ」
サム  「うんうん、カボチャのインパクトが大ってな」

カボチャボートに使われるカボチャは超特大。
見物客の目はそっちに釘付け、お袈裟マンなぞ消し飛んだようで。

ブルー 「みんな道具をゲットしたようだし、用意はいいかな?」
ゼル  「何の用意じゃ?」
ブルー 「カボチャは早い者勝ちなんだよ、選んだらすぐに彫らないと」

用意されたカボチャは1個の重さが200キロかららしいです。
選ぶのはともかく、運ぶのも彫るのも大変そうなビッグサイズ。

ブルー 「時間内に彫れなかったら…分かってるよね? 始めっ!」

生徒会長の合図でカボチャの山へと参加者が走り、大騒ぎに。

シロエ 「…これは出なくて良かったかも…」
サム  「カボチャの下敷きは嫌だもんなあ…」

カボチャの山が崩れて大混乱の中、要領のいい人は素早く抜け出し…。

キース 「ゼル先生がトップなのか。意外だな」
サム  「そうでもねえだろ、すばしっこいし剣道と居合の達人だぜ」
シロエ 「カボチャを彫るのも上手いかもです。料理のプロですよ」
ブルー 「ふふ、なかなかに楽しい見世物だよね」

ステージから降りて来た生徒会長と「そるじゃぁ・ぶるぅ」。
シャン学メンバーに混ざって見物し始めましたが。

ブルー 「ごらんよ、ゼルの真逆を行くのが一人」
全員  「「「は?」」」
ブルー 「ハーレイのことさ。あそこで悩んでいるだろう?」
キース 「順番を譲っておられるように思えるが?」
ブルー 「違うね、あれは出遅れたんだよ。でもって今は諦めの境地」
全員  「「「諦めの境地?」」」

どんどん減ってゆくカボチャを前に立ちつくしている教頭先生。
諦めの境地とは、どういう意味?

2012/10/23 (Tue)

 

☆カボチャのサイズ


生徒会長の号令で始まったカボチャボート彫り。
既に彫り始めている人もいる中、カボチャを前に立つ教頭先生の心境は。

キース 「何なんだ、諦めの境地というのは?」
ブルー 「そのまんまの意味さ。残ったカボチャをよく見てみたら?」
シロエ 「別に普通のカボチャですけど? 大きいだけで」
ブルー 「それはどうかな? 向こうでゼルが彫ってるヤツは?」
サム  「ありゃ相当にデカイよなあ…。超特大って感じだぜ」
スウェナ「ゼル先生が乗るには大き過ぎるわよね」
ブルー 「ゼルは目立つのが好きだからねえ、ああなるんだけど」

アレを取られて困る人もいる、と生徒会長。

ブルー 「ゼルの身体なら小さめのヤツでもいいんだよ。でもね…」
ジョミー「あっ、そうか! 教頭先生、普通サイズじゃダメなんだ!」
キース 「そ、そういえば…。アレを普通と言うかはともかく…」
マツカ 「カボチャボート用の標準サイズだと小さすぎますね」
ブルー 「そういうこと。大きいヤツも沢山用意していたのにさ」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ シドが彫ってるのも大きいよね!」
サム  「教頭先生、ホントに出遅れちまったのかよ…」
ブルー 「先陣争いに向いてるタイプじゃないからねえ…」

ぼくとの結婚と同じでダメダメ、と生徒会長は笑っております。

ブルー 「大きなカボチャは残っていないし、諦めの境地に至るわけ」
キース 「つまり棄権ということか?」
ブルー 「その選択もアリだけれども、面白くない」
全員  「「「は?」」」
ブルー 「ちょっと気合を入れてこようかな」

生徒会長、スタスタと教頭先生に近付いていきまして。

ブルー 「やあ、ハーレイ。レースは勝てそう?」
ハーレイ「…棄権しようかと思っている。なにしろカボチャが…」
ブルー 「棄権だって? ぼくが主催のレースなのに?」

有り得ないよ、と柳眉を吊り上げる生徒会長とウッと息を飲む教頭先生。
乗れそうなカボチャは無いんですけど、教頭先生の運命や如何に?

2012/10/24 (Wed)

 

☆無理すぎるカボチャ


自分に見合ったカボチャが無いため、棄権を考えているという教頭先生。
しかし生徒会長のお気には召さなかったようで…。

ブルー 「優勝したって、ぼくが賞品ではないけどさ。でもね…」
ハーレイ「な、なんだ?」
ブルー 「ソルジャーのメンツ丸潰れなんだよ、キャプテンが棄権じゃ」
ハーレイ「そうなる……のか?」
ブルー 「決まってるだろう、仲間も揃って見に来てるんだ」

中継カメラも入っているし、と指差す先には撮影スタッフ。
カボチャを彫り始めた人たちに取材をしている模様です。

ブルー 「君が棄権だと、シャングリラ号のクルーの士気にも関わる」
ハーレイ「あっちにも中継してたのか…」
ブルー 「宇宙は娯楽が少ないからねえ、サービスしなくちゃ」
ハーレイ「つまり私が棄権した場合、お前の指導力が問われるのだな?」
ブルー 「ご名答。キャプテンも従わないようなソルジャーではねえ…」

生徒会長以下だろう、と溜息をつく生徒会長。

ブルー 「ぼくが赤っ恥をかいてもいいなら、棄権でいいけど」
ハーレイ「い、いや、それは…! そんなことは…!」
ブルー 「だったら、出場」
ハーレイ「し、しかし、カボチャが…。乗れそうなヤツが…」
ブルー 「無さそうだねえ、どう見ても」

話していた間に他の出場者がカボチャを持ち去り、残るは1個。
何処から見ても小さめのヤツが鎮座しているだけでして…。

キース 「おい。教頭先生がそれに乗るのは無理じゃないか?」
ブルー 「そうかなぁ? 頑張ればなんとかなりそうだよ」
ハーレイ「な、ならないと思うのだが…」
ブルー 「いいから、ちょっとその横に立って」
ハーレイ「…こ、こうか?」
ブルー 「よし、いける! そのサイズなら充分オッケー」
ハーレイ「……どの辺がだ……」
ブルー 「問題ない、ない。さあ、頑張って彫っていこう!」

あっちへ運んで、と生徒会長は笑顔でございますが。
教頭先生には小さすぎるカボチャ、どう彫れば問題ないのでしょうか…?

2012/10/25 (Thu)

 

☆カボチャと秘密兵器


生徒会長に恥をかかせてはならぬ、と出場を決意した教頭先生。
けれど会場に残ったカボチャは、教頭先生が乗るには小さすぎるサイズ。

ハーレイ「どう考えても乗れんぞ、これは…」
ブルー 「大丈夫だってば、きちんと彫ったら乗れる筈だよ」

この辺でいいかな、と芝生に立ち止まる生徒会長。
カボチャを転がしながらついて来ていた教頭先生も止まりまして。

ブルー 「さあ、時間いっぱい彫りまくろう!」
ハーレイ「しかしだな…。このサイズではボートにならんと思うが」
ブルー 「下半身さえ収納出来れば無問題! 根性で足を縮めればいい」
キース 「それはバランスが悪くならないか?」
ブルー 「あ、やっぱり君もそう思う?」
ハーレイ「私もキースに賛成だ。窮屈なのは構わんが、バランスは…」
シロエ 「下手するとボートが転覆しちゃいませんか?」
ブルー 「そこなんだよねえ、このガタイだし」

逆三角形な上半身に力を入れてボートを漕ぐなら、安定は必須。
下半身を縮めて乗り込むカボチャは思い切りバランスが悪そうで…。

ブルー 「…こうなったのも何かの縁かも…。秘密兵器はどうだろう?」
全員  「「「秘密兵器?」」」
ブルー 「カボチャボートに決まりは無いんだ。乗れればオッケー」
キース 「完成しなかったら泳ぐのもアリとか言ってたな?」
ブルー 「うん。だからね、ハーレイ用に改造しちゃえばいいんだよ」
ハーレイ「改造だと?」
ブルー 「そう! バランスが取れて舵も装備の秘密兵器に」
シロエ 「舵…ですか?」
ブルー 「舵が取れたら有利だろう? それにハーレイはキャプテンだ」

舵を取るのが仕事なのだ、と言われてみればその通り。

ブルー 「いいかい、カボチャのこの辺に…、とね」
ハーレイ「なんだ、その丸印は?」
ブルー 「これが舵だよ。もう少しずらした方がいいかもだけど…」

どうなのかな、と見詰める先にはシロエ君。
カボチャに描かれた丸印は二つ、それが舵とは一体どんな仕組みやら…。

2012/10/26 (Fri)

 

☆カボチャと両足


教頭先生のカボチャは乗るには少々、無理があるサイズ。
それを秘密兵器に改造すればいい、と生徒会長はカボチャに丸印を二つ。

ブルー 「この部分に穴を開けるんだ。これで相当変わってくるかと」
ハーレイ「穴だと?」
ブルー 「此処から足を突き出してやれば窮屈なのは解消するよね」
ハーレイ「なんだって?」
ブルー 「ボートに足が生えるわけ。そうすれば舵も取れちゃうし」

この場所で問題ないだろうか、と話を振られたのはシロエ君で。

シロエ 「そうですねえ…。教頭先生の体格とかを考えると…」
キース 「もう少しずらすべきだろうな」
シロエ 「間隔も大事な問題です。…教頭先生、失礼します」

手の指を広げて教頭先生の腰回りなどを採寸してみたシロエ君。
カボチャに向き合い、採寸してから丸を二ヶ所に付け直して。

シロエ 「此処がベストだと思います。後は穴のサイズに注意ですね」
ブルー 「そうだね、大きすぎると水が入るし、小さくてもダメだし」

そこは彫りながら調整しよう、と生徒会長はニッコリと。

ブルー 「いいね、ハーレイ? まずは乗り込む部分からだよ」
ハーレイ「…し、しかし…。ボートに足とは…」
ブルー 「ガタガタ文句を言っていないでサッサと彫る!」
ハーレイ「わ、分かった。努力しよう…」

生徒会長とシャン学メンバーが見守る中で教頭先生はカボチャ彫り。
せっせと頑張って中身をくりぬき、ボートらしくなってくると。

ブルー 「お次は足を入れる穴だね、ここだよ、ここ」
ハーレイ「う、うむ…」

二つの穴が開いた所で次は試着でございます。
どっこいしょ、とシャン学メンバーが担ぎ上げたカボチャに両足を。

ブルー 「んーと…。少しキツすぎるかな?」
シロエ 「気持ち、広げておくべきですね」
ハーレイ「そ、そうか…」

微調整だな、とカボチャから出た教頭先生、穴を広げておられますが。
試着風景を目にした人たちが囁く声がヒソヒソと。
カボチャパンツがどうしたんですって…?

2012/10/27 (Sat)

 

☆カボチャの行進


カボチャから両足を突き出して乗る、それが教頭先生のカボチャボート。
教頭先生、足を出すための穴を調整中でらっしゃいますが…。

ブルー 「ふふ、やっぱりカボチャパンツときたか」
ハーレイ「何か言ったか?」
ブルー 「向こうで評判になってるようだよ、君のカボチャボート」

先ほどの試着風景を見た人たちが口々に囁く単語はカボチャパンツ。
そりゃそうでしょう、でっかいカボチャから足が出たのでは無理もなく。

キース 「おい、いいのか? 秘密兵器どころの騒ぎじゃないぞ」
ブルー 「去年のハロウィンもハーレイはカボチャパンツだったよ」
シロエ 「そういえばカボチャの王子様でしたっけ…」
ブルー 「あれに比べればまだマシだって! メイクも無いしね」
サム  「あー、あれなぁ…」

思い出した、と頭を抱えるシャン学メンバー。
去年の教頭先生はブラウ先生たちの悪戯で目力メイクだったのです。

ハーレイ「何をゴチャゴチャ言っているんだ?」
ブルー 「カボチャボートの話だってば。…出来たかい?」
ハーレイ「うむ。こんなものではないかと思うが」
ブルー 「それは良かった。そろそろ終了時間だしね」

間もなくパァーン! と空砲が鳴って、カボチャ彫りの時間は終了。
出場者は池までカボチャボートを運ぶわけで。

ブルー 「みんな担いだりしてるけれども、こっちは秘密兵器だし…」
ハーレイ「隠して持って行こうと言うのか?」
ブルー 「ううん、君のボートは池まで自分で歩いて行くんだ」
ハーレイ「は?」
ブルー 「なんのために穴が開いているのさ、さっさと履く!」

カボチャはみんなで支えるから、と生徒会長は強引に。

ハーレイ「な、なんだか視線を感じるのだが…」
ブルー 「そりゃもう、最強の秘密兵器だからね」

自力走行するカボチャボート、と生徒会長は大満足でございます。
シャン学メンバーがカボチャを支え、教頭先生は大股で池の方向へ。
去年以上にインパクトのあるカボチャパンツの行進ですよ~!

2012/10/28 (Sun)

 

☆カボチャで勝負


教頭先生が根性で彫り上げたカボチャボートだか、カボチャパンツだか。
突き出た両足でノッシノッシと会場の池へ向かっております。

ブラウ 「おやまあ、今年もカボチャの王子様かい?」
ハーレイ「王子様?」
ブラウ 「だってそうだろ、カボチャパンツは王子様じゃないか」
ハーレイ「カボチャパンツだと?」
ブラウ 「それはパンツだと思うけどねえ、ボートと言うより」
エラ  「ええ、去年よりも立派な仮装よ、ハーレイ」
ハーレイ「か、仮装……」

愕然とする教頭先生の後ろでプッと吹き出す生徒会長。
シャン学メンバーは恭しくカボチャパンツならぬボートを捧げ持ち…。

ゼル  「ふん、とんでもないヤツが来おったわい」
ブルー 「そうでもないよ? これでも秘密兵器なんだ」
ゼル  「秘密兵器じゃと? 笑いが取れるというだけじゃろうが」
ブルー 「違うよ、舵が取れるんだってば、この両足で」
ブラウ 「ありゃりゃ、パンツじゃなかったのかい?」
ブルー 「その辺の解釈はお好きにどうぞ。勝てるかどうかは謎だから」
ハーレイ「お、おい、ブルー…。これで勝てるのではなかったのか?」
ブルー 「君の頑張り次第なんだよ、他のみんなは普通にボートだ」

池のほとりに勢揃いした出場者。
ボートを彫り上げられなかった人は皆無です。そこへパドルが配られて。

ブルー 「いいかい、池に立ってるポールを回って漕いで行くこと!」
ゼル  「ほうほう、なかなか本格的じゃな」
ブルー 「特に反則行為は無いから、ライバルを転覆させるのもアリだ」

ただしパドルで殴るのは禁止、やるなら手か足だそうですが。

ゼル  「勝負じゃ、ハーレイ! 勝たせてもらうぞ」
ハーレイ「ま、待ってくれ! 私は別に…」
ブラウ 「ブルーにアピールしたいんだったら勝たなきゃねえ?」
ブルー 「うん。挑まれた勝負を投げる男は願い下げだね」

頑張って、と教頭先生を煽る生徒会長。
他のカボチャボートと並んで池に入った教頭先生の行く末は…?

2012/10/29 (Mon)

 

☆カボチャで戦え


ハロウィン兼用の運動会の種目はカボチャボートでのレース。
池に並んだカボチャボートの中、教頭先生だけがボートの上で寒そうに。

ハーレイ「さ、流石に水が冷たいな…」
ゼル  「足を突き出しておるんじゃろうが。そりゃ冷えるわい」

池の水はかなり冷たい様子。
空砲が鳴ってボートは一斉にスタートいたしましたが。

ブルー 「ハーレイだから大丈夫だとは思うけどさ。あれは寒いね」
キース 「あんたが無理矢理やらせたんだろうが!」
ブルー 「ハロウィンなんだからウケが大切。いっそトイレで棄権とか」
全員  「「「トイレ?」」」
ブルー 「ゴールまでに冷えてトイレに行きたくなるってこともある」
サム  「うへえ…。どうすんだ、それ」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ 瞬間移動でトイレに運ぶよ!」
キース 「それはそれで晒し者だよな…」

カボチャボートの一団、なかなか前に進みません。
舳先も何も無いカボチャですから、その場でクルクル回るだけの人も。

ブルー 「うん、秘密兵器は効いてるね」
シロエ 「着実に前進してますもんね。ゼル先生も頑張ってますけど」

先頭を行くのは教頭先生のカボチャパンツならぬカボチャのボート。
舵つきボートを僅差で追うのがゼル先生で。

ゼル  「待たんかいっ! 足を引っ込めて尋常に勝負じゃ!」
ハーレイ「これはそういう仕様なのだ。ブルーが考えた秘密兵器だ」
ゼル  「うるさいわ! カボチャパンツが偉そうに!」

こうしてくれる、とカボチャボートで体当たりをかますゼル先生。

ハーレイ「や、やめないか!」
ゼル  「パドル以外は何でもアリじゃ!」

ゴツン、ゴツンとぶつかるカボチャ。
ゼル先生のカボチャは特大だけに、ポールを回ってゆくはずみに…。

ハーレイ「う、うわぁっ!?」
一同  「「「わわっ!」」」

引っくり返った教頭先生のカボチャボート。
逞しい二本の足がカボチャを貫き、池からニュッと覗いております。
教頭先生、秘密兵器どころか生命の危機…?

2012/10/30 (Tue)

 

☆ハロウィンは悪戯


カボチャパンツもどきなボートを引っくり返された教頭先生。
ゼル先生のボートが去っていった後も、足だけが突き出しておりますが。

キース 「お、おい、大丈夫なのか、放っておいて!?」
ブルー 「足がバタバタしている間は生きてる証拠だと思うけど」

自力で立ち直ってゴールしろ、と生徒会長は冷たい微笑み。
ゼル先生のボートはスイスイ進んで、見事ゴールインでございます。

ブルー 「うん、他のボートもゴールしてきたね」
シロエ 「えっと…。教頭先生、まだなんですけど…」
ブルー 「憐れっぽく池に浮いてるねえ…。元に戻すのが限界だったか」

ビショ濡れになった教頭先生は池の上。
沈みかけたカボチャボートでヘロヘロと浮かんでおられます。

ブルー 「若干一名戻らないけど、表彰式を始めよう。優勝はゼル!」

ステージへどうぞ、と特設ステージに上がった生徒会長、トロフィーを
ゼル先生に渡しまして。

ブルー 「おめでとう。副賞は悪戯し放題だよ、この会場で」
ゼル  「なんと、悪戯し放題とな?」
ブルー 「お菓子をくれなきゃ誰にでも悪戯! ハロウィンだから」
ゼル  「ほうほう…。セクハラは悪戯に含まれるのかの?」

こんな感じで、と生徒会長のマントの下に右手を突っ込むゼル先生。
ソルジャー服の上着の裾をめくり、お尻の辺りをサワサワと…。

女性陣 「「「キャーッ!!!」」」
ゼル  「何を騒ぐか、悪戯はハロウィンの華なんじゃぞ!」
ブルー 「女性陣に殺されない程度にした方がいいよ?」
ゼル  「ふっふっふ。カボチャパンツの王子に見せつけてくれるわ!」

ゼル先生、ステージでお触りし放題。
やんやと囃す男性陣に、悲鳴を上げる女性陣。

キース 「良かったな、ジョミー。お袈裟マンは完全に忘れられたぞ」
ジョミー「そうだけど…。教頭先生、帰って来ないね」

生徒会長にセクハラどころか、カボチャパンツも脱げない教頭先生。
冷え切ってお腹を壊すかもですけど、これにて中継終了です~。


ハッピー・ハロウィン!

2012/10/31 (Wed)



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