シャングリラ学園つれづれ語り
☆進化する入れ物
師走に入って初の日曜、生徒会長宅で過ごす面々ですけど。
キース君は32回転の練習、技を磨くかどうかが問題で…。
ジョミー「進化って、例えばどういうヤツ?」
ぶるぅ 「んとんと、くす玉は基本かなあ、って…」
シロエ 「それは考えてましたね、ぼくも」
せっかくのプレゼントなんですから、とシロエ君。
シロエ 「やっぱり開けたら、クラッカーですよ!」
サム 「パアンと弾けて、紙吹雪な?」
ぶるぅ 「どうせだったら、アヒルちゃんに出来ない?」
紙吹雪の形なんだけど、と無邪気な提案が。
ぶるぅ 「ぶるぅも、その方が喜びそう!」
スウェナ「いいわね、切り抜くだけなんだし…」
シロエ 「型さえあったら、楽に切り抜けますからね…」
ジョミー「シロエ、作れる?」
その型も、とジョミー君の問い。
ジョミー「普段と畑が違いそうだけど…」
シロエ 「いえ、そんなのは誤差の範囲内です!」
型抜き器の方も作りますよ、とシロエ君の頼もしい笑顔。
シロエ 「穴あけ器の応用で、紙をセットで押すだけです」
スウェナ「いいじゃない! 大量に作れそうだわよ!」
サム 「うんうん、でもってクラッカーな!」
ぶるぅ 「わぁーい、一気に進化しちゃったあ!」
くす玉がアヒルちゃん仕様! と飛び跳ねるお子様。
ぶるぅ 「もっともっと、進化していくかもだし…」
ブルー 「キースは放置で、こっちだよねえ?」
キース 「俺に一人で練習しろと!?」
シロエ 「今の流れだと、そうなるでしょう?」
一人で頑張って下さいね、とシロエ君の突き放し。
シロエ 「カメラはセットしてあげますから」
キース 「カメラ?」
シロエ 「動画の撮影用ですよ」
あらゆる角度で設置します、とシロエ君。
シロエ 「それを自分でチェックしながら、欠点を…」
サム 「自分で直していけってことな?」
シロエ 「そうなりますね」
キース 「ちょっと待て!」
欠点も分からないんだが、と叫んでますけど。
ド素人…。
2023/12/16 (Sat)
☆参考映像で学べ
12月に入って最初の日曜、生徒会長宅で過ごす御一同様。
今日からキース君が32回転の練習、そういう日ですけど。
ブルー 「欠点は自分で考えていくべきだよね」
キース 「何だって!?」
ブルー 「ヒントだったら、とっくに出ているんだよ」
まずは32回転を回り切ること、と生徒会長の言。
ブルー 「途中で足を下ろすのはアウト、でもって膝も…」
シロエ 「角度が大切らしいですよね」
ブルー 「そう! 後は、参考映像があれば充分かと!」
そのくらいは用意してあげるから、と生徒会長の笑み。
ブルー 「32回転の名手と言われる人のをね!」
シロエ 「あー…。凄く参考になりそうです!」
ジョミー「だよねえ、上手い人のを真似るのがいいかも…」
サム 「技は盗めって言うもんなあ…」
昔からよ、とサム君も。
サム 「俺たちが下手に口を出すより、いいんでねえの」
スウェナ「そうねえ、私たちだってド素人だし…」
ブルー 「名手になると、32回転じゃないからね!」
一同 「「「は?」」」
どういう意味だ、と誰もがキョトン。
ジョミー「32回転じゃない、って何さ?」
ブルー 「そのまんまだよ、もっと回るんだよ!」
シロエ 「えっと…? でも、音楽は同じですよね?」
ブルー 「だからこそだよ、1回転するタイミングでさ…」
倍の2回を回るんだよね、と生徒会長が立てる人差し指。
ブルー 「ドゥーブルって技で、難易度が高くて…」
シロエ 「プロしか出来ないわけですね?」
ブルー 「コンクールに出るような人だと、いけるけど…」
名手になると回数がね、と出て来た指が4本分。
ブルー 「32回転の内の、4回はソレっていうレベル!」
ジョミー「もしかしなくても、入れる回数で勝負?」
ブルー 「ピンポーン! そういう動画も用意するから…」
シロエ 「キース先輩も、マスターすべきだと…」
キース 「無理すぎるんだが!」
技術指導も無しで出来るか、と叫んでますけど。
やれと…?
2023/12/17 (Sun)
☆ファイトでいこう
師走に入って初の日曜、生徒会長に来ている面々ですけど。
クリスマスに向けて多忙なわけで、キース君を放置な話が。
シロエ 「何とかするしかないでしょう?」
ジョミー「ぼくたちは、アヒルボート2号を作るんだしさ」
サム 「ぶっちゃけ、かまってられねえってな!」
まあ、頑張れ、とサム君のエール。
サム 「シロエ、カメラの設置は頼むぜ」
シロエ 「了解です。会長は動画を用意ですよね?」
ブルー 「参考になるヤツなら、この辺かな」
指をパチンと鳴らしただけで、山と出て来たDVD。
ブルー 「そこのテレビを使っていいから!」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ キースの練習の録画再生もね!」
シロエ 「会長、仕事が早すぎませんか?」
ブルー 「ぼくを誰だと思ってるんだい?」
バレエスクールから借りればオッケー、とニッコリと。
ブルー 「仲間には、バレエスクールの人もいるしさ」
一同 「「「あー…」」」
無断借用ではなかったんだ、と誰もが納得。
ジョミー「ドゥーブルも、そこで聞いたわけ?」
ブルー 「どうだったかなあ? 覚えてないけど…」
とにかく資料は用意したし、と生徒会長が立てる親指。
ブルー 「此処から先は、それぞれ、自分の仕事をね!」
シロエ 「ぼくたちは、アヒルボート2号の制作ですよね」
サム 「キースは32回転を極めるわけな?」
ブルー 「そう! どっちも、クリスマスに向けて!」
ファイトでいこう、と生徒会長が突き上げる拳。
ブルー 「ぼくと、ぶるぅは、アヒルボート2号の方で!」
ぶるぅ 「よろしくねーっ!」
一同 「「「オッケー!」」」
キース 「俺は、真面目に放置なのか!?」
孤独に練習しろと言うのか、とキース君、顔面蒼白。
キース 「しかも、何だったか、1回転の所を2回転な…」
ブルー 「ドゥーブルくらい覚えたまえ!」
シロエ 「ですね、技も名前も当日までに!」
お互い今日から頑張りましょう、と纏めですけど。
どうなる…?
2023/12/18 (Mon)
☆見ていない人たち
アッという間に来てしまいました、クリスマスイブの日が。
パーティー当日なわけで、朝から生徒会長宅に集った面々。
シロエ 「おはようございます! いよいよですね!」
ジョミー「楽しみだよねえ、今日のパーティー!」
サム 「アヒルボート2号も、無事に完成したしよ…」
スウェナ「私たちは高みの見物だわね」
自分の仕事は終わったんだし、とスウェナちゃん。
スウェナ「キースは、どうだか知らないけれど…」
シロエ 「其処なんですよね、誰か練習、見てました?」
マツカ 「いえ…。アヒルボート2号にかこつけて…」
正直、ぼくも見てないんです、とマツカ君の告白が。
マツカ 「作業は別室でしたしね…」
サム 「仕方ねえじゃねえか、キースが倒れて来たら…」
ジョミー「アヒルボート2号がパアになるしね…」
シロエ 「精密機械とは違いますけど、その分、弱めで…」
耐久性に欠けていますから、とシロエ君の苦しい言い訳。
シロエ 「なんと言っても、基礎の部分が紙とかですし…」
ジョミー「チタンのようには、いかないもんねえ…」
スウェナ「倒れなくても、蹴りが入ったらおしまいよ?」
サム 「足を上げて回る技だもんなあ…」
その気が無くても蹴りが入るぜ、とサム君も。
サム 「部屋を分けるのは、当然ってヤツで…」
シロエ 「ついでに作業に没頭ですから、他の部屋まで…」
ジョミー「見に行く余裕は無いって、全然!」
マツカ 「お茶の時間は、ありましたけどね」
毎日キッチリ、お菓子もついて…、とマツカ君の苦笑。
マツカ 「あの間に、誰か行くべきだったでしょうか?」
サム 「当番制でかよ? けどよ、所詮はド素人だぜ?」
猫の手ほどにも間に合わねえよ、とサム君の言。
サム 「キースが一人で、動画を見直してる方が…」
シロエ 「良さそうですよね…」
ジョミー「だよね、完璧主義だしさ…」
キース 「お前たち…!」
聞こえてたぞ、とキース君が遅れて到着ですけど。
技の方は?
2023/12/19 (Tue)
☆まずは試着から
クリスマスイブの日が来たわけで、生徒会長宅に集う面々。
キース君も遅れて到着、32回転の仕上がりが気になる所。
シロエ 「あっ、キース先輩、おはようございます!」
ジョミー「おはよう、今朝も罰礼だった?」
キース 「いや、いつものバスが遅れただけだ」
しかし…、とキース君が顰める顔。
キース 「お前たち、わざと放置してたな、俺を!」
シロエ 「ええ、まあ、そうとも言いますけれど…」
マツカ 「技を磨くには、雑念が入らないのが一番ですよ」
その辺も考慮したんですけど…、とマツカ君の控えめな声。
マツカ 「もしかして、出過ぎた真似でしたか…?」
キース 「当然だろう! 全くのノーチェックでは…」
ジョミー「いいけど、誰に怒鳴ってるか、自覚あるわけ?」
マツカなんだけど、とジョミー君が指すマツカ君の方。
ジョミー「アヒルボートの1号、誰が買ったっけ…?」
キース 「うっ…!」
マツカ 「いいんですよ、過ぎたことですから」
それより今日の衣装ですけど…、とマツカ君の温和な笑み。
マツカ 「まずは試着をして貰えますか?」
キース 「そ、そうだな…」
よろしく頼む、とキース君、たちまち低姿勢。
キース 「キツすぎた時は、調整なのか?」
マツカ 「そうなりますね、緩すぎは無いと思いますが…」
こちらになります、とマツカ君が運んで来た箱。
マツカ 「どうぞ、アヒルの着ぐるみです」
キース 「分かった…」
試着だな、とキース君、箱を抱えて着替えにお出掛け。
サム 「すげえ、一発で黙ったぜ…」
ジョミー「そりゃ、マツカだもん」
シロエ 「ですねえ、最強キャラですから」
誰かさんでも勝てないレベルの…、とシロエ君も同意。
シロエ 「キース先輩、着ぐるみで回れるんでしょうか?」
マツカ 「さあ…? 丈夫な素材でお願いしましたけど…」
ジョミー「問題なのは、キースの技だしねえ…」
衣装の強度じゃないんだよね、という指摘。
その通りですね?
2023/12/20 (Wed)
☆回れてしまうかも
クリスマスイブは生徒会長宅でパーティー、来ている面々。
とはいえ、キース君の32回転とか、まだ色々と準備な今。
スウェナ「ドゥーブル、マスター出来たかしらねえ…」
ジョミー「分からないけど、キースだし…」
シロエ 「ひょっとするかもしれないですね…」
しかも4回入れられるとか…、とシロエ君。
シロエ 「プロと違って、トウシューズは無いですし…」
サム 「あー、足元の安定はいいわけな?」
シロエ 「そうなんです。可能性なら高そうですよ」
ジョミー「あっ、戻って来た!」
アヒルなキース、とジョミー君が指差すドアの方向。
ぶるぅ 「わぁーい、キースのアヒルちゃんだあ!」
シロエ 「キース先輩、お似合いです!」
キース 「なんで、こんな目に…」
ブルー 「まだまだ、そこからアヒルのミイラに変身で…」
でも、その前に練習を、と生徒会長。
ブルー 「ぶっつけ本番で32回転はキツイしね」
マツカ 「衣装の調整も、要るかもですし…」
キース 「分かっている!」
見てろ、と着ぐるみで爪先立ちで、回転開始。
サム 「おっ、けっこう、様になってんでねえの!」
ジョミー「ホントだ、着ぐるみで補正出来るから?」
シロエ 「まあ、欠点は分かりにくいですよね」
膝の角度とか、ほぼ無関係と言えますし、とシロエ君。
シロエ 「衣装で隠れて、見えませんから」
スウェナ「そうねえ、曲げ伸ばしすれば充分で…」
サム 「ん? 今の、ドゥーブルって言わねえか?」
ジョミー「サムも思った? なんか回転、速かったよね?」
1回転のトコを2回なんじゃあ…、とジョミー君も。
ジョミー「もしかして、マスターしてるとか…?」
シロエ 「わっ、入れましたよ、本物ですよ、コレ!」
マツカ 「今で2回だと、4回入れられそうですね…」
スウェナ「嘘みたいだけど、ただの爪先立ちなわけだし…」
サム 「でもよ、4回いけたら快挙だぜ?」
期待じゃねえか、と沸き返る面々ですけど。
いけますか?
2023/12/21 (Thu)
☆こだわりの寝心地
クリスマスイブは生徒会長宅でパーティー、いよいよ本日。
準備中でして、キース君がアヒルの着ぐるみで32回転中。
ジョミー「あと2回、入れて来る気かな?」
シロエ 「さあ…って、今、3回目です!」
サム 「んじゃ、あと1回で4回なのな?」
スウェナ「これはいけるわよ、奇跡のドゥーブル4回で!」
期待だわね、と誰もがワクワクする中、入ったドゥーブル。
サム 「すげえ、やったぜ!」
シロエ 「凄すぎですよ、あっ、終わりました!」
キース君が回り終わって一礼、一同、拍手喝采。
ジョミー「キース、凄いよ!」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ 奇跡のドゥーブル4回!」
キース 「どうだ、これで文句は無いだろう!」
ブルー 「無いねえ、後はミイラでよろしくね!」
包帯ぐるぐる巻きで頼むよ、と生徒会長の笑み。
ブルー 「アヒルボート2号も、完成してるし…」
シロエ 「そうなんです! 開けるとクラッカーですよ!」
ジョミー「アヒルちゃんの形の紙がドッサリ!」
花吹雪じゃなくてアヒル吹雪、とジョミー君。
ジョミー「入り心地も、きっといい筈!」
キース 「は?」
シロエ 「中のクッションにこだわりました!」
マツカ 「寝心地がいいよう、特注したんですよ」
きちんと数値を計算で…、とマツカ君の解説が。
マツカ 「シロエが頑張ってくれました」
サム 「あちこち幅とか、測りまくってよ…」
ジョミー「最適な硬さに厚みに、あと、なんだっけ?」
シロエ 「生地の種類も、出来る範囲で絞り込んで…」
お願いする形になりました、とシロエ君が立てる親指。
シロエ 「どうぞ、安眠して下さい!」
ぶるぅ 「はい、こんなのーっ!」
アヒルボート2号! と瞬間移動で出て来たブツ。
ぶるぅ 「見た目は1号そっくりでしょ?」
シロエ 「でも、安心の素材ですから!」
キース 「安心…?」
シロエ 「ただの入れ物ですからね!」
無茶な使われ方はしません、と笑顔ですけど。
強度ですね?
2023/12/22 (Fri)
☆お気に入りのベッド
クリスマスイブのパーティー、今年も生徒会長宅で開催で。
いよいよ当日、準備も大詰めでアヒルボート2号がドンと。
シロエ 「なにしろ、素材が紙とかですし…」
サム 「急流下りとかには使えねえから、安心だろ?」
キース 「だが、それだけでは…!」
シロエ 「ですから、寝心地にこだわったんですよ!」
是非、恩に着て欲しいですね、とシロエ君が立てる指。
シロエ 「いいですか、コレはアヒルちゃんの形なんです」
キース 「当然だろう!」
シロエ 「分かってませんね、ぶるぅが貰って帰ったら…」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ アヒルちゃんベッドになるの!」
土鍋とは素材が違うんだけど、と「そるじゃぁ・ぶるぅ」。
ぶるぅ 「でもでも、絶対、気に入るから!」
ジョミー「二度と返して来ないと思うよ、惜しくてさ」
??? 「そう来たか…!」
想定外、とソルジャー(会話表記はAブルー)登場。
Aブルー「おはよう、流石はシロエと言うか…」
??? 「ええ、本当に」
聞いてましたよ、とキャプテン(会話表記はA船長)も。
A船長 「ぶるぅへのサプライズという話ですが…」
??? 「もう聞いちゃったあ! それ、貰うから!」
箱なんでしょ、と悪戯小僧(会話表記はAぶるぅ)まで。
Aぶるぅ「でもでも、先にキースは詰めてね!」
キース 「ま、まさか俺ごと…」
シロエ 「貰って行くとは言いませんよね…?」
Aぶるぅ「それはないけど、サプライズーっ!」
ソレも欲しいし、と跳ねる悪戯小僧。
Aぶるぅ「ぶるぅとキッチンで待っているから…」
シロエ 「その間に用意をするわけですか?」
Aぶるぅ「そだよ、じゃあねーっ!」
出来たら呼んで! と料理上手なお子様とキッチンへ。
Aブルー「らしいよ、キース、命を拾ったねえ…」
キース 「恩に着るぞ、シロエ!」
シロエ 「そう思うんなら、素直にですね…」
キース 「ミイラだな!」
よし、包帯を巻いてくれ、と狂喜ですけど。
波乱は無し…?
2023/12/23 (Sat)
☆アヒル三昧な箱
いよいよクリスマスイブのパーティー、お客様たちも登場。
アヒルボート2号は、「ぶるぅ」が貰って帰るという話に。
ジョミー「キース、ホントに良かったね!」
キース 「まさかシロエが、俺の味方をしてくれるとは…」
シロエ 「クリスマスですし、特別ですよ!」
毎回、こうはいきませんから、とシロエ君、ニッコリ。
シロエ 「命拾いした分、32回転、頑張って下さいね!」
Aブルー「高度な技をマスターしたんだって?」
シロエ 「そうなんです。ドゥーブルを、なんと4回も…」
入れて回れてしまうんですよ、とシロエ君が立てる親指。
シロエ 「ぶるぅも、きっと喜びますって!」
A船長 「見ごたえがあるというわけですね?」
シロエ 「どうなんでしょうね、着ぐるみですから…」
ついでにミイラになりましたし、と巻き上がった包帯。
シロエ 「立派にアヒルのミイラですよ」
Aブルー「さてさて、ぶるぅは気に入るかな?」
サム 「いけるんでねえの、アヒルちゃんだしよ」
ミイラでもよ、とサム君も、親指をグッと。
サム 「アヒルボートを開けたら、クラッカーでよ…」
ジョミー「そっちもアヒルちゃんだしね!」
スウェナ「きっとウケるわよ、さあ、入って!」
入って、入って! と皆でキース君をアヒルボート2号へ。
シロエ 「それじゃ、蓋していいですか?」
キース 「よし、頼む。本当に寝心地バッチリだな…」
シロエ 「でしょう? ぶるぅも大満足のアヒルベッド!」
Aブルー「蓋は出来たね、じゃあ、ぶるぅ!」
プレゼントの箱が完成したよ、とソルジャーが飛ばす思念。
Aぶるぅ「わぁーい、アヒルちゃんの箱!」
ぶるぅ 「開けて、開けて!」
凄いんだよ、と跳ねるお子様。
ぶるぅ 「開けるトコから最高だから!」
Aぶるぅ「かみお~ん♪ メリークリスマース!」
A船長 「景気よくクラッカーですね!」
Aぶるぅ「アヒルちゃんーっ!」
紙吹雪までアヒルちゃん、とピョンピョンと。
まずは成功!
2023/12/24 (Sun)
☆真っ直ぐに立てて
クリスマスイブのパーティー、まずはアヒルボートの開封。
ギフトボックス仕様で、開ければパアンとクラッカーで…。
Aぶるぅ「中身はアヒルちゃんのミイラだね!」
Aブルー「ミイラになっても、アヒルだよねえ…」
シロエ 「元が着ぐるみですからね」
Aぶるぅ「包帯、ほどいていいんだよね?」
貰ったんだし、とキース君を指差す悪戯小僧。
シロエ 「どうぞ、遠慮なく!」
Aぶるぅ「じゃあ、出してくれる?」
サム 「あー…。自力じゃ出られねえもんなあ…」
ジョミー「だよねえ、入れたのも、ぼくたちだったっけ…」
担がないと入れなかったし、と運び出すことに。
シロエ 「そっちを持って頂けますか?」
ジョミー「オッケー、これでいけるかな?」
サム 「よし、いくぜ!」
よいしょ! と掛け声、ミイラを担ぎ出しましたけど。
Aぶるぅ「えっと、そのまま、真っ直ぐ立てて!」
一同 「「「は?」」」
Aぶるぅ「いいから、真っ直ぐ、立てて欲しいの!」
シロエ 「自力で立てると思いますけど、こうですね?」
部屋の真ん中でいいでしょうか、と立たせた中央。
Aぶるぅ「うん、そこで! コマにするから!」
一同 「「「コマ?」」」
Aぶるぅ「そうなの、包帯をクルクルほどいて…」
ジョミー「そっか、お正月に遊ぶアレ!」
キースは回転出来るもんね、とジョミー君。
ジョミー「足のトコがほどけたら、32回転なんだ?」
Aぶるぅ「ピンポーン!」
技も見られるみたいだしね、と飛び跳ねている悪戯小僧。
Aぶるぅ「かみお~ん♪ クルクルクルーッ!」
一同 「「「おおーっ!」」」
凄い、と拍手喝采の中で、キース君、華麗に32回転開始。
Aぶるぅ「クルクルクルっと、そこでドゥーブル!」
シロエ 「キース先輩、ナイスです! バッチリですよ!」
Aぶるぅ「クルクルクルっと、ドゥーブル2回目!」
一同 「「「凄い、凄い!」」」
タイミングまで合ってるし、と大盛り上がり。
大成功かも!
2023/12/25 (Mon)
☆クリスマスの御馳走
クリスマスイブのパーティー、キース君が只今32回転中。
アヒルの着ぐるみでコマな状態、クルクル回って技も登場。
Aぶるぅ「クルクルクルっと、ドゥーブル3回目!」
一同 「「「おーっ!」」」
Aぶるぅ「クルクルクルっと、4回目!」
一同 「「「決まったぁーっ!」」」
高難度なドゥーブル4回つき、と拍手ですけど。
Aぶるぅ「クルクルクルっと、締めは5回目ーっ!」
一同 「「「えーっ!?」」」
無茶な、と誰もが悲鳴な中で、決まった5回目の奇跡。
Aぶるぅ「大成功ーっ! お疲れ様ぁーっ!」
一同 「「「マジか…」」」
キース 「死ぬかと思った…」
だが回ったぞ、と32回転を終えて、へたり込む人。
キース 「もう着ぐるみを脱いでもいいか?」
Aぶるぅ「ダメダメ、今日は一日、アヒルちゃん!」
キース 「なんだって!?」
Aぶるぅ「んとんと、アヒルでいいと思うの!」
だってイブだよ、と悪戯小僧が指差すクリスマスツリー。
Aぶるぅ「クリスマスの御馳走、定番は…」
シロエ 「あー、そういえば鳥の丸焼きですよね!」
Aぶるぅ「そうなの、きっとアヒルなトコもあるって!」
だからアヒルのままでいてね、とニコニコニコ。
Aぶるぅ「メインディッシュでいけそうだから!」
キース 「げっ!」
A船長 「これは、まさかの丸焼きですかね?」
Aブルー「火だるまショーは無いと思うよ、部屋の中だし」
それに屋上は寒すぎるしさ、とソルジャーの言。
Aブルー「ほら、雪だって降って来てるし…」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ ホワイトクリスマスだぁ!」
ジョミー「いいクリスマスになりそうだよね!」
キース 「お前たちはな!」
だが、この俺はどうなるんだ、とキース君の仏頂面。
キース 「このままアヒルで遊ばれろと!?」
Aぶるぅ「カエル袋の方がいい?」
キース 「うっ…」
Aぶるぅ「アヒルちゃんなら、踏まないよ?」
だって踏んだら可哀相! と言ってますけど。
どうする…?
2023/12/26 (Tue)
☆アヒルでおもてなし
クリスマスイブのパーティー、賑やかにスタートですけど。
トップを32回転で飾ったキース君、着ぐるみの危機で…。
ぶるぅ 「そだね、アヒルちゃんを踏むなんて…」
Aぶるぅ「可哀相すぎて、絶対、出来なーい!」
シロエ 「中身がキース先輩でも…ですか?」
Aぶるぅ「そだよ、踏むなんて有り得ないから!」
絶対、無理! と叫ぶ悪戯小僧。
Aぶるぅ「オモチャは良くても、踏むのはダメーッ!」
スウェナ「踏み絵みたいなものかしら?」
Aブルー「だろうね、命までは懸けないだろうけど…」
ぶるぅにとっては大事なんだよ、とソルジャーの言。
Aブルー「だから、屋内でなくても火だるまショーは…」
A船長 「言われてみれば、やるわけなかったですね」
Aぶるぅ「ピンポーン!」
でも、脱いじゃったら仕返しだから、と恐ろしい台詞が。
Aぶるぅ「アヒルちゃんをやめるだなんて、苛めだし!」
ジョミー「一理あるね、ソレ…」
Aぶるぅ「でしょ、でしょ、だからアヒルで!」
いて欲しいの! と悪戯小僧の注文。
Aぶるぅ「でもって、お給仕!」
一同 「「「は?」」」
Aぶるぅ「アヒルちゃんが、おもてなししてくれたら…」
もう最高のクリスマスだもん、とピョンピョンと。
Aぶるぅ「お料理の取り分けに、シャンパンとかも…」
キース 「グラスに注げ、というわけか?」
Aぶるぅ「そうなの、アヒルのボーイさん!」
お給仕の他にも色々と…、と悪戯小僧の嬉しそうな顔。
Aぶるぅ「嫌なら、脱いでくれてもいいけど…」
キース 「いや、やる! やらせて頂きます!」
Aぶるぅ「やったぁー、ぶるぅもキースを使っていいよ!」
ぶるぅ 「ホント? アヒルちゃんがケーキとかを…」
お皿に入れてくれるんだ、と家事万能のお子様も感激。
ぶるぅ 「凄い、最高のクリスマスかも!」
Aぶるぅ「ぶるぅも、うんと助かるでしょ?」
ぶるぅ 「うん、ありがとう!」
キースもよろしく! と跳ねてますけど。
おもてなし…。
2023/12/27 (Wed)
☆ツリーで回って
クリスマスイブのパーティー、大盛り上がりな今ですけど。
アヒルの着ぐるみ姿のキース君、その姿でおもてなし担当。
Aぶるぅ「キース、そっちのチキンも取ってね!」
ぶるぅ 「ぼくにも、ソースは二種類とも!」
キース 「ははーっ!」
只今、とチキンにソースをかけたり、取り分けたり。
キース 「どうぞ、チキンでございます!」
Aぶるぅ「ありがとーっ! んでね、一段落したら…」
キース 「ケーキだ、と?」
Aぶるぅ「違うよ、さっきの回転だよ!」
32回転をもう一度、と悪戯小僧の注文が。
Aぶるぅ「また包帯を巻いて貰って、コマになってね!」
キース 「げっ!」
マジか、とキース君、ドン引きですけど、笑顔の悪戯小僧。
Aぶるぅ「あとね、クリスマスだから、華やかに!」
キース 「は?」
Aぶるぅ「包帯の他にも、飾りをつけて…」
ジョミー「人間クリスマスツリーとか?」
アヒルだけどさ、とジョミー君が傾げる首。
ジョミー「包帯を緑のヤツに変えたら、いけるよね?」
Aぶるぅ「それ、ナイス!」
Aブルー「いいねえ、ツリーの飾りをドッサリで…」
回転したら鈴が鳴るのはどうだろう、とソルジャーまでが。
Aブルー「でもって、ドゥーブルも増やすとか!」
Aぶるぅ「面白そう! 目指せ32回だね!」
パーティーは明日までやるんだもん、と怖すぎる台詞。
Aぶるぅ「ぼくとぶるぅは、夜の間は寝るけれど…」
ぶるぅ 「起きてたら、サンタさん、来ないしね!」
Aぶるぅ「でしょ? でもでも、キースは大丈夫だし…」
キース 「徹夜で練習しろってか!?」
32回転を全部ドゥーブルなのか、と青ざめる人。
キース 「無理すぎだ!」
Aぶるぅ「努力しないなら、アヒルちゃんでも…」
Aブルー「許さないってことでいいかな、お仕置きで!」
Aぶるぅ「もっちろ~ん! 明日には32回転、全部!」
一同 「「「目指せ、ドゥーブル!」」」
クリスマスツリーで回れ、と大歓声。
皆、酔ってるかも…。
2023/12/28 (Thu)
☆無理すぎる優先枠
盛り上がりまくったクリスマスが終わって、早くも大晦日。
毎年恒例、除夜の鐘で元老寺へと向かうシャン学メンバー。
シロエ 「今年も寒くなりましたよねえ、大晦日…」
ジョミー「やっぱり夜は雪かな、コレ…」
スウェナ「予報通りだと、来そうだわねえ…」
サム 「あーあ、今年も冷えるコースってことな…」
庫裏にいる間はマシだけどよ、とサム君の愚痴。
サム 「除夜の鐘撞きの順番待ちがキツイよなあ…」
スウェナ「お友達枠で先頭に行けるとか、欲しいわよ!」
ジョミー「それよりアレだよ、遊園地とかの…」
シロエ 「優先権ゲットなチケットですね!」
お金次第で順番待ちが無くなるヤツ、とシロエ君。
シロエ 「マツカ先輩がいますしねえ…」
マツカ 「多分、無理だと思いますけど…」
サム 「なに言ってんだよ、札束だっていけるくせによ」
マツカ 「アドス和尚に効きますか、ソレ?」
お供えは喜ぶでしょうけれど、とマツカ君が傾げる首。
マツカ 「その後、有難い法話を聞かせて頂いてですね…」
シロエ 「それでは最後尾へどうぞ、になりますよね…」
確かに相手が悪すぎですよ、とシロエ君の深い溜息。
シロエ 「キース先輩のお友達枠も、絶望的です」
サム 「親父さんに頭が上がらねえもんなあ…」
キース 「悪かったな!」
聞こえていたぞ、と法衣のキース君がズカズカと。
キース 「そろそろだろうと、出て来てみれば…」
ジョミー「えっ、出迎えに来てくれたわけ?」
キース 「違う、あっちだ!」
一同 「「「あー…」」」
走って来たのが黒塗りのタクシー、山門前でピタリと停止。
キース 「すまん、今年も世話になる」
ブルー 「どういたしまして」
お安い御用、と降りて来た生徒会長、いえ、銀青様。
ブルー 「いいタイミングで着いたようだね」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ みんなはバスだよね!」
シロエ 「庶民ですから!」
ついでに一般人ですから、とシロエ君の仏頂面。
まあねえ…。
2023/12/29 (Fri)
☆待遇が良すぎる人
毎年恒例、大晦日は元老寺で除夜の鐘なシャン学メンバー。
山門前で生徒会長に出会ったわけで、待遇が違いすぎる件。
キース 「偉そうに言えるのか、一般人が?」
ブルー 「ホントにねえ…。サムとジョミーは少しはさ…」
キース 「僧籍な分だけ、シロエよりかは上なんだがな」
来年は仲間入りするか、とキース君の問い。
キース 「棚経のお供の枠は、交代制でもいいんだぞ?」
ブルー 「いいねえ、午前と午後とかね!」
シロエ 「要りませんから!」
あんな無給でハードなバイト、とシロエ君、バッサリ。
シロエ 「ぼくは今日だけで充分です!」
マツカ 「ぼくもですね」
サム 「除夜の鐘だけで済まねえもんなあ、俺たちは…」
ジョミー「その後、夜中に修正会だしねえ、本堂で…」
除夜の鐘だけで帰れる人が羨ましいよ、とジョミー君。
ジョミー「なんで毎年、こうなるかなあ…」
キース 「やかましい! 熱心な檀家さんも修正会だぞ!」
シロエ 「そうなんですけど、せめて椅子席でですね…」
キース 「却下だ、却下!」
除夜の鐘までの居場所があるだけマシだ、と庫裏へ案内。
キース 「この座敷だって、ブルーがいなければ、だ…」
ブルー 「通してなんかは貰えないねえ…」
一同 「「「うっ…」」」
そうだった、と暖房が効いた座敷に入った御一同様。
キース 「分かったんなら、此処で時間まで待て!」
一同 「「「はーい…」」」
キース 「ではな」
ああ忙しい、と去って行きまして。
ジョミー「真面目に忙しそうだよね…」
ブルー 「君とサムも、明日は忙しいんだけど?」
サム 「言わねえでくれよ、縁起でもねえ」
ぶるぅ 「そだね、今は今年だし!」
来年のことは来年だよね、と元気なお子様。
ぶるぅ 「はい、熱いお茶、入ったよ!」
シロエ 「お菓子も遠慮なく頂きますか」
ブルー 「サンドイッチも、お寿司もどうぞってね!」
しっかり腹ごしらえタイム、と生徒会長の笑み。
VIP待遇…。
2023/12/30 (Sat)
☆映える除夜の鐘
大晦日は元老寺で除夜の鐘、毎年恒例なシャン学メンバー。
庫裏の座敷で寛ぐ間に、夜も順調に更けてゆくわけでして。
キース 「銀青様、そろそろお願いいたします」
ブルー 「オッケー、みんなも列の方にね」
一同 「「「はいっ!」」」
それぞれ持ち場に移動完了、生徒会長はテントですけど。
シロエ 「冷えますねえ…」
サム 「仕方ねえだろ、優先権とかねえんだからよ」
ジョミー「雪まで降って来ちゃったよ…」
マツカ 「お接待のおぜんざいに期待ですよね」
鐘を撞かないと貰えませんが、とマツカ君が眺めるテント。
スウェナ「あそこも暖かそうだわねえ…」
シロエ 「会長とぶるぅのテントは、もっと暖かそうです」
サム 「吹きっ晒しじゃねえからなあ…」
ジョミー「寺院関係者用、ってヤツだもんねえ…」
それにしたって長蛇の列、とジョミー君の深い溜息。
ジョミー「もっと早くに並べば良かった…」
シロエ 「毎年、それの繰り返しですよね、ぼくたち…」
サム 「学習能力、ねえってことな…。おっ?」
そろそろかよ、とサム君の視線の先に生徒会長。
サム 「やっぱ映えるぜ、緋の衣ってのは」
シロエ 「もしかしなくても、アレのせいでですね…」
年々、人が増えるのでは、とシロエ君の鋭い指摘。
シロエ 「超絶美形が最初の鐘を撞くんですよ?」
一同 「「「あー…」」」
言えてるかも、と一同、愕然。
ジョミー「じゃあさ、来年も列に並ぶ頃には…」
シロエ 「先客、てんこ盛りですよ…」
マツカ 「減ることはないわけですね…」
仕方ないです、とマツカ君が嘆く中、生徒会長が鐘楼へ。
サム 「お供のぶるぅの小僧さんスタイルもよ…」
スウェナ「映えるものねえ…」
先導のキースも美形だし…、とスウェナちゃん。
シロエ 「まあ、そうですね…」
ジョミー「みんな、スマホを出してるしさ…」
サム 「映えだよな…」
最初の鐘が鳴り響く中、誰もが納得。
皆様、どうぞ良いお年を~。
2023/12/31 (Sun)
師走に入って初の日曜、生徒会長宅で過ごす面々ですけど。
キース君は32回転の練習、技を磨くかどうかが問題で…。
ジョミー「進化って、例えばどういうヤツ?」
ぶるぅ 「んとんと、くす玉は基本かなあ、って…」
シロエ 「それは考えてましたね、ぼくも」
せっかくのプレゼントなんですから、とシロエ君。
シロエ 「やっぱり開けたら、クラッカーですよ!」
サム 「パアンと弾けて、紙吹雪な?」
ぶるぅ 「どうせだったら、アヒルちゃんに出来ない?」
紙吹雪の形なんだけど、と無邪気な提案が。
ぶるぅ 「ぶるぅも、その方が喜びそう!」
スウェナ「いいわね、切り抜くだけなんだし…」
シロエ 「型さえあったら、楽に切り抜けますからね…」
ジョミー「シロエ、作れる?」
その型も、とジョミー君の問い。
ジョミー「普段と畑が違いそうだけど…」
シロエ 「いえ、そんなのは誤差の範囲内です!」
型抜き器の方も作りますよ、とシロエ君の頼もしい笑顔。
シロエ 「穴あけ器の応用で、紙をセットで押すだけです」
スウェナ「いいじゃない! 大量に作れそうだわよ!」
サム 「うんうん、でもってクラッカーな!」
ぶるぅ 「わぁーい、一気に進化しちゃったあ!」
くす玉がアヒルちゃん仕様! と飛び跳ねるお子様。
ぶるぅ 「もっともっと、進化していくかもだし…」
ブルー 「キースは放置で、こっちだよねえ?」
キース 「俺に一人で練習しろと!?」
シロエ 「今の流れだと、そうなるでしょう?」
一人で頑張って下さいね、とシロエ君の突き放し。
シロエ 「カメラはセットしてあげますから」
キース 「カメラ?」
シロエ 「動画の撮影用ですよ」
あらゆる角度で設置します、とシロエ君。
シロエ 「それを自分でチェックしながら、欠点を…」
サム 「自分で直していけってことな?」
シロエ 「そうなりますね」
キース 「ちょっと待て!」
欠点も分からないんだが、と叫んでますけど。
ド素人…。
2023/12/16 (Sat)
☆参考映像で学べ
12月に入って最初の日曜、生徒会長宅で過ごす御一同様。
今日からキース君が32回転の練習、そういう日ですけど。
ブルー 「欠点は自分で考えていくべきだよね」
キース 「何だって!?」
ブルー 「ヒントだったら、とっくに出ているんだよ」
まずは32回転を回り切ること、と生徒会長の言。
ブルー 「途中で足を下ろすのはアウト、でもって膝も…」
シロエ 「角度が大切らしいですよね」
ブルー 「そう! 後は、参考映像があれば充分かと!」
そのくらいは用意してあげるから、と生徒会長の笑み。
ブルー 「32回転の名手と言われる人のをね!」
シロエ 「あー…。凄く参考になりそうです!」
ジョミー「だよねえ、上手い人のを真似るのがいいかも…」
サム 「技は盗めって言うもんなあ…」
昔からよ、とサム君も。
サム 「俺たちが下手に口を出すより、いいんでねえの」
スウェナ「そうねえ、私たちだってド素人だし…」
ブルー 「名手になると、32回転じゃないからね!」
一同 「「「は?」」」
どういう意味だ、と誰もがキョトン。
ジョミー「32回転じゃない、って何さ?」
ブルー 「そのまんまだよ、もっと回るんだよ!」
シロエ 「えっと…? でも、音楽は同じですよね?」
ブルー 「だからこそだよ、1回転するタイミングでさ…」
倍の2回を回るんだよね、と生徒会長が立てる人差し指。
ブルー 「ドゥーブルって技で、難易度が高くて…」
シロエ 「プロしか出来ないわけですね?」
ブルー 「コンクールに出るような人だと、いけるけど…」
名手になると回数がね、と出て来た指が4本分。
ブルー 「32回転の内の、4回はソレっていうレベル!」
ジョミー「もしかしなくても、入れる回数で勝負?」
ブルー 「ピンポーン! そういう動画も用意するから…」
シロエ 「キース先輩も、マスターすべきだと…」
キース 「無理すぎるんだが!」
技術指導も無しで出来るか、と叫んでますけど。
やれと…?
2023/12/17 (Sun)
☆ファイトでいこう
師走に入って初の日曜、生徒会長に来ている面々ですけど。
クリスマスに向けて多忙なわけで、キース君を放置な話が。
シロエ 「何とかするしかないでしょう?」
ジョミー「ぼくたちは、アヒルボート2号を作るんだしさ」
サム 「ぶっちゃけ、かまってられねえってな!」
まあ、頑張れ、とサム君のエール。
サム 「シロエ、カメラの設置は頼むぜ」
シロエ 「了解です。会長は動画を用意ですよね?」
ブルー 「参考になるヤツなら、この辺かな」
指をパチンと鳴らしただけで、山と出て来たDVD。
ブルー 「そこのテレビを使っていいから!」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ キースの練習の録画再生もね!」
シロエ 「会長、仕事が早すぎませんか?」
ブルー 「ぼくを誰だと思ってるんだい?」
バレエスクールから借りればオッケー、とニッコリと。
ブルー 「仲間には、バレエスクールの人もいるしさ」
一同 「「「あー…」」」
無断借用ではなかったんだ、と誰もが納得。
ジョミー「ドゥーブルも、そこで聞いたわけ?」
ブルー 「どうだったかなあ? 覚えてないけど…」
とにかく資料は用意したし、と生徒会長が立てる親指。
ブルー 「此処から先は、それぞれ、自分の仕事をね!」
シロエ 「ぼくたちは、アヒルボート2号の制作ですよね」
サム 「キースは32回転を極めるわけな?」
ブルー 「そう! どっちも、クリスマスに向けて!」
ファイトでいこう、と生徒会長が突き上げる拳。
ブルー 「ぼくと、ぶるぅは、アヒルボート2号の方で!」
ぶるぅ 「よろしくねーっ!」
一同 「「「オッケー!」」」
キース 「俺は、真面目に放置なのか!?」
孤独に練習しろと言うのか、とキース君、顔面蒼白。
キース 「しかも、何だったか、1回転の所を2回転な…」
ブルー 「ドゥーブルくらい覚えたまえ!」
シロエ 「ですね、技も名前も当日までに!」
お互い今日から頑張りましょう、と纏めですけど。
どうなる…?
2023/12/18 (Mon)
☆見ていない人たち
アッという間に来てしまいました、クリスマスイブの日が。
パーティー当日なわけで、朝から生徒会長宅に集った面々。
シロエ 「おはようございます! いよいよですね!」
ジョミー「楽しみだよねえ、今日のパーティー!」
サム 「アヒルボート2号も、無事に完成したしよ…」
スウェナ「私たちは高みの見物だわね」
自分の仕事は終わったんだし、とスウェナちゃん。
スウェナ「キースは、どうだか知らないけれど…」
シロエ 「其処なんですよね、誰か練習、見てました?」
マツカ 「いえ…。アヒルボート2号にかこつけて…」
正直、ぼくも見てないんです、とマツカ君の告白が。
マツカ 「作業は別室でしたしね…」
サム 「仕方ねえじゃねえか、キースが倒れて来たら…」
ジョミー「アヒルボート2号がパアになるしね…」
シロエ 「精密機械とは違いますけど、その分、弱めで…」
耐久性に欠けていますから、とシロエ君の苦しい言い訳。
シロエ 「なんと言っても、基礎の部分が紙とかですし…」
ジョミー「チタンのようには、いかないもんねえ…」
スウェナ「倒れなくても、蹴りが入ったらおしまいよ?」
サム 「足を上げて回る技だもんなあ…」
その気が無くても蹴りが入るぜ、とサム君も。
サム 「部屋を分けるのは、当然ってヤツで…」
シロエ 「ついでに作業に没頭ですから、他の部屋まで…」
ジョミー「見に行く余裕は無いって、全然!」
マツカ 「お茶の時間は、ありましたけどね」
毎日キッチリ、お菓子もついて…、とマツカ君の苦笑。
マツカ 「あの間に、誰か行くべきだったでしょうか?」
サム 「当番制でかよ? けどよ、所詮はド素人だぜ?」
猫の手ほどにも間に合わねえよ、とサム君の言。
サム 「キースが一人で、動画を見直してる方が…」
シロエ 「良さそうですよね…」
ジョミー「だよね、完璧主義だしさ…」
キース 「お前たち…!」
聞こえてたぞ、とキース君が遅れて到着ですけど。
技の方は?
2023/12/19 (Tue)
☆まずは試着から
クリスマスイブの日が来たわけで、生徒会長宅に集う面々。
キース君も遅れて到着、32回転の仕上がりが気になる所。
シロエ 「あっ、キース先輩、おはようございます!」
ジョミー「おはよう、今朝も罰礼だった?」
キース 「いや、いつものバスが遅れただけだ」
しかし…、とキース君が顰める顔。
キース 「お前たち、わざと放置してたな、俺を!」
シロエ 「ええ、まあ、そうとも言いますけれど…」
マツカ 「技を磨くには、雑念が入らないのが一番ですよ」
その辺も考慮したんですけど…、とマツカ君の控えめな声。
マツカ 「もしかして、出過ぎた真似でしたか…?」
キース 「当然だろう! 全くのノーチェックでは…」
ジョミー「いいけど、誰に怒鳴ってるか、自覚あるわけ?」
マツカなんだけど、とジョミー君が指すマツカ君の方。
ジョミー「アヒルボートの1号、誰が買ったっけ…?」
キース 「うっ…!」
マツカ 「いいんですよ、過ぎたことですから」
それより今日の衣装ですけど…、とマツカ君の温和な笑み。
マツカ 「まずは試着をして貰えますか?」
キース 「そ、そうだな…」
よろしく頼む、とキース君、たちまち低姿勢。
キース 「キツすぎた時は、調整なのか?」
マツカ 「そうなりますね、緩すぎは無いと思いますが…」
こちらになります、とマツカ君が運んで来た箱。
マツカ 「どうぞ、アヒルの着ぐるみです」
キース 「分かった…」
試着だな、とキース君、箱を抱えて着替えにお出掛け。
サム 「すげえ、一発で黙ったぜ…」
ジョミー「そりゃ、マツカだもん」
シロエ 「ですねえ、最強キャラですから」
誰かさんでも勝てないレベルの…、とシロエ君も同意。
シロエ 「キース先輩、着ぐるみで回れるんでしょうか?」
マツカ 「さあ…? 丈夫な素材でお願いしましたけど…」
ジョミー「問題なのは、キースの技だしねえ…」
衣装の強度じゃないんだよね、という指摘。
その通りですね?
2023/12/20 (Wed)
☆回れてしまうかも
クリスマスイブは生徒会長宅でパーティー、来ている面々。
とはいえ、キース君の32回転とか、まだ色々と準備な今。
スウェナ「ドゥーブル、マスター出来たかしらねえ…」
ジョミー「分からないけど、キースだし…」
シロエ 「ひょっとするかもしれないですね…」
しかも4回入れられるとか…、とシロエ君。
シロエ 「プロと違って、トウシューズは無いですし…」
サム 「あー、足元の安定はいいわけな?」
シロエ 「そうなんです。可能性なら高そうですよ」
ジョミー「あっ、戻って来た!」
アヒルなキース、とジョミー君が指差すドアの方向。
ぶるぅ 「わぁーい、キースのアヒルちゃんだあ!」
シロエ 「キース先輩、お似合いです!」
キース 「なんで、こんな目に…」
ブルー 「まだまだ、そこからアヒルのミイラに変身で…」
でも、その前に練習を、と生徒会長。
ブルー 「ぶっつけ本番で32回転はキツイしね」
マツカ 「衣装の調整も、要るかもですし…」
キース 「分かっている!」
見てろ、と着ぐるみで爪先立ちで、回転開始。
サム 「おっ、けっこう、様になってんでねえの!」
ジョミー「ホントだ、着ぐるみで補正出来るから?」
シロエ 「まあ、欠点は分かりにくいですよね」
膝の角度とか、ほぼ無関係と言えますし、とシロエ君。
シロエ 「衣装で隠れて、見えませんから」
スウェナ「そうねえ、曲げ伸ばしすれば充分で…」
サム 「ん? 今の、ドゥーブルって言わねえか?」
ジョミー「サムも思った? なんか回転、速かったよね?」
1回転のトコを2回なんじゃあ…、とジョミー君も。
ジョミー「もしかして、マスターしてるとか…?」
シロエ 「わっ、入れましたよ、本物ですよ、コレ!」
マツカ 「今で2回だと、4回入れられそうですね…」
スウェナ「嘘みたいだけど、ただの爪先立ちなわけだし…」
サム 「でもよ、4回いけたら快挙だぜ?」
期待じゃねえか、と沸き返る面々ですけど。
いけますか?
2023/12/21 (Thu)
☆こだわりの寝心地
クリスマスイブは生徒会長宅でパーティー、いよいよ本日。
準備中でして、キース君がアヒルの着ぐるみで32回転中。
ジョミー「あと2回、入れて来る気かな?」
シロエ 「さあ…って、今、3回目です!」
サム 「んじゃ、あと1回で4回なのな?」
スウェナ「これはいけるわよ、奇跡のドゥーブル4回で!」
期待だわね、と誰もがワクワクする中、入ったドゥーブル。
サム 「すげえ、やったぜ!」
シロエ 「凄すぎですよ、あっ、終わりました!」
キース君が回り終わって一礼、一同、拍手喝采。
ジョミー「キース、凄いよ!」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ 奇跡のドゥーブル4回!」
キース 「どうだ、これで文句は無いだろう!」
ブルー 「無いねえ、後はミイラでよろしくね!」
包帯ぐるぐる巻きで頼むよ、と生徒会長の笑み。
ブルー 「アヒルボート2号も、完成してるし…」
シロエ 「そうなんです! 開けるとクラッカーですよ!」
ジョミー「アヒルちゃんの形の紙がドッサリ!」
花吹雪じゃなくてアヒル吹雪、とジョミー君。
ジョミー「入り心地も、きっといい筈!」
キース 「は?」
シロエ 「中のクッションにこだわりました!」
マツカ 「寝心地がいいよう、特注したんですよ」
きちんと数値を計算で…、とマツカ君の解説が。
マツカ 「シロエが頑張ってくれました」
サム 「あちこち幅とか、測りまくってよ…」
ジョミー「最適な硬さに厚みに、あと、なんだっけ?」
シロエ 「生地の種類も、出来る範囲で絞り込んで…」
お願いする形になりました、とシロエ君が立てる親指。
シロエ 「どうぞ、安眠して下さい!」
ぶるぅ 「はい、こんなのーっ!」
アヒルボート2号! と瞬間移動で出て来たブツ。
ぶるぅ 「見た目は1号そっくりでしょ?」
シロエ 「でも、安心の素材ですから!」
キース 「安心…?」
シロエ 「ただの入れ物ですからね!」
無茶な使われ方はしません、と笑顔ですけど。
強度ですね?
2023/12/22 (Fri)
☆お気に入りのベッド
クリスマスイブのパーティー、今年も生徒会長宅で開催で。
いよいよ当日、準備も大詰めでアヒルボート2号がドンと。
シロエ 「なにしろ、素材が紙とかですし…」
サム 「急流下りとかには使えねえから、安心だろ?」
キース 「だが、それだけでは…!」
シロエ 「ですから、寝心地にこだわったんですよ!」
是非、恩に着て欲しいですね、とシロエ君が立てる指。
シロエ 「いいですか、コレはアヒルちゃんの形なんです」
キース 「当然だろう!」
シロエ 「分かってませんね、ぶるぅが貰って帰ったら…」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ アヒルちゃんベッドになるの!」
土鍋とは素材が違うんだけど、と「そるじゃぁ・ぶるぅ」。
ぶるぅ 「でもでも、絶対、気に入るから!」
ジョミー「二度と返して来ないと思うよ、惜しくてさ」
??? 「そう来たか…!」
想定外、とソルジャー(会話表記はAブルー)登場。
Aブルー「おはよう、流石はシロエと言うか…」
??? 「ええ、本当に」
聞いてましたよ、とキャプテン(会話表記はA船長)も。
A船長 「ぶるぅへのサプライズという話ですが…」
??? 「もう聞いちゃったあ! それ、貰うから!」
箱なんでしょ、と悪戯小僧(会話表記はAぶるぅ)まで。
Aぶるぅ「でもでも、先にキースは詰めてね!」
キース 「ま、まさか俺ごと…」
シロエ 「貰って行くとは言いませんよね…?」
Aぶるぅ「それはないけど、サプライズーっ!」
ソレも欲しいし、と跳ねる悪戯小僧。
Aぶるぅ「ぶるぅとキッチンで待っているから…」
シロエ 「その間に用意をするわけですか?」
Aぶるぅ「そだよ、じゃあねーっ!」
出来たら呼んで! と料理上手なお子様とキッチンへ。
Aブルー「らしいよ、キース、命を拾ったねえ…」
キース 「恩に着るぞ、シロエ!」
シロエ 「そう思うんなら、素直にですね…」
キース 「ミイラだな!」
よし、包帯を巻いてくれ、と狂喜ですけど。
波乱は無し…?
2023/12/23 (Sat)
☆アヒル三昧な箱
いよいよクリスマスイブのパーティー、お客様たちも登場。
アヒルボート2号は、「ぶるぅ」が貰って帰るという話に。
ジョミー「キース、ホントに良かったね!」
キース 「まさかシロエが、俺の味方をしてくれるとは…」
シロエ 「クリスマスですし、特別ですよ!」
毎回、こうはいきませんから、とシロエ君、ニッコリ。
シロエ 「命拾いした分、32回転、頑張って下さいね!」
Aブルー「高度な技をマスターしたんだって?」
シロエ 「そうなんです。ドゥーブルを、なんと4回も…」
入れて回れてしまうんですよ、とシロエ君が立てる親指。
シロエ 「ぶるぅも、きっと喜びますって!」
A船長 「見ごたえがあるというわけですね?」
シロエ 「どうなんでしょうね、着ぐるみですから…」
ついでにミイラになりましたし、と巻き上がった包帯。
シロエ 「立派にアヒルのミイラですよ」
Aブルー「さてさて、ぶるぅは気に入るかな?」
サム 「いけるんでねえの、アヒルちゃんだしよ」
ミイラでもよ、とサム君も、親指をグッと。
サム 「アヒルボートを開けたら、クラッカーでよ…」
ジョミー「そっちもアヒルちゃんだしね!」
スウェナ「きっとウケるわよ、さあ、入って!」
入って、入って! と皆でキース君をアヒルボート2号へ。
シロエ 「それじゃ、蓋していいですか?」
キース 「よし、頼む。本当に寝心地バッチリだな…」
シロエ 「でしょう? ぶるぅも大満足のアヒルベッド!」
Aブルー「蓋は出来たね、じゃあ、ぶるぅ!」
プレゼントの箱が完成したよ、とソルジャーが飛ばす思念。
Aぶるぅ「わぁーい、アヒルちゃんの箱!」
ぶるぅ 「開けて、開けて!」
凄いんだよ、と跳ねるお子様。
ぶるぅ 「開けるトコから最高だから!」
Aぶるぅ「かみお~ん♪ メリークリスマース!」
A船長 「景気よくクラッカーですね!」
Aぶるぅ「アヒルちゃんーっ!」
紙吹雪までアヒルちゃん、とピョンピョンと。
まずは成功!
2023/12/24 (Sun)
☆真っ直ぐに立てて
クリスマスイブのパーティー、まずはアヒルボートの開封。
ギフトボックス仕様で、開ければパアンとクラッカーで…。
Aぶるぅ「中身はアヒルちゃんのミイラだね!」
Aブルー「ミイラになっても、アヒルだよねえ…」
シロエ 「元が着ぐるみですからね」
Aぶるぅ「包帯、ほどいていいんだよね?」
貰ったんだし、とキース君を指差す悪戯小僧。
シロエ 「どうぞ、遠慮なく!」
Aぶるぅ「じゃあ、出してくれる?」
サム 「あー…。自力じゃ出られねえもんなあ…」
ジョミー「だよねえ、入れたのも、ぼくたちだったっけ…」
担がないと入れなかったし、と運び出すことに。
シロエ 「そっちを持って頂けますか?」
ジョミー「オッケー、これでいけるかな?」
サム 「よし、いくぜ!」
よいしょ! と掛け声、ミイラを担ぎ出しましたけど。
Aぶるぅ「えっと、そのまま、真っ直ぐ立てて!」
一同 「「「は?」」」
Aぶるぅ「いいから、真っ直ぐ、立てて欲しいの!」
シロエ 「自力で立てると思いますけど、こうですね?」
部屋の真ん中でいいでしょうか、と立たせた中央。
Aぶるぅ「うん、そこで! コマにするから!」
一同 「「「コマ?」」」
Aぶるぅ「そうなの、包帯をクルクルほどいて…」
ジョミー「そっか、お正月に遊ぶアレ!」
キースは回転出来るもんね、とジョミー君。
ジョミー「足のトコがほどけたら、32回転なんだ?」
Aぶるぅ「ピンポーン!」
技も見られるみたいだしね、と飛び跳ねている悪戯小僧。
Aぶるぅ「かみお~ん♪ クルクルクルーッ!」
一同 「「「おおーっ!」」」
凄い、と拍手喝采の中で、キース君、華麗に32回転開始。
Aぶるぅ「クルクルクルっと、そこでドゥーブル!」
シロエ 「キース先輩、ナイスです! バッチリですよ!」
Aぶるぅ「クルクルクルっと、ドゥーブル2回目!」
一同 「「「凄い、凄い!」」」
タイミングまで合ってるし、と大盛り上がり。
大成功かも!
2023/12/25 (Mon)
☆クリスマスの御馳走
クリスマスイブのパーティー、キース君が只今32回転中。
アヒルの着ぐるみでコマな状態、クルクル回って技も登場。
Aぶるぅ「クルクルクルっと、ドゥーブル3回目!」
一同 「「「おーっ!」」」
Aぶるぅ「クルクルクルっと、4回目!」
一同 「「「決まったぁーっ!」」」
高難度なドゥーブル4回つき、と拍手ですけど。
Aぶるぅ「クルクルクルっと、締めは5回目ーっ!」
一同 「「「えーっ!?」」」
無茶な、と誰もが悲鳴な中で、決まった5回目の奇跡。
Aぶるぅ「大成功ーっ! お疲れ様ぁーっ!」
一同 「「「マジか…」」」
キース 「死ぬかと思った…」
だが回ったぞ、と32回転を終えて、へたり込む人。
キース 「もう着ぐるみを脱いでもいいか?」
Aぶるぅ「ダメダメ、今日は一日、アヒルちゃん!」
キース 「なんだって!?」
Aぶるぅ「んとんと、アヒルでいいと思うの!」
だってイブだよ、と悪戯小僧が指差すクリスマスツリー。
Aぶるぅ「クリスマスの御馳走、定番は…」
シロエ 「あー、そういえば鳥の丸焼きですよね!」
Aぶるぅ「そうなの、きっとアヒルなトコもあるって!」
だからアヒルのままでいてね、とニコニコニコ。
Aぶるぅ「メインディッシュでいけそうだから!」
キース 「げっ!」
A船長 「これは、まさかの丸焼きですかね?」
Aブルー「火だるまショーは無いと思うよ、部屋の中だし」
それに屋上は寒すぎるしさ、とソルジャーの言。
Aブルー「ほら、雪だって降って来てるし…」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ ホワイトクリスマスだぁ!」
ジョミー「いいクリスマスになりそうだよね!」
キース 「お前たちはな!」
だが、この俺はどうなるんだ、とキース君の仏頂面。
キース 「このままアヒルで遊ばれろと!?」
Aぶるぅ「カエル袋の方がいい?」
キース 「うっ…」
Aぶるぅ「アヒルちゃんなら、踏まないよ?」
だって踏んだら可哀相! と言ってますけど。
どうする…?
2023/12/26 (Tue)
☆アヒルでおもてなし
クリスマスイブのパーティー、賑やかにスタートですけど。
トップを32回転で飾ったキース君、着ぐるみの危機で…。
ぶるぅ 「そだね、アヒルちゃんを踏むなんて…」
Aぶるぅ「可哀相すぎて、絶対、出来なーい!」
シロエ 「中身がキース先輩でも…ですか?」
Aぶるぅ「そだよ、踏むなんて有り得ないから!」
絶対、無理! と叫ぶ悪戯小僧。
Aぶるぅ「オモチャは良くても、踏むのはダメーッ!」
スウェナ「踏み絵みたいなものかしら?」
Aブルー「だろうね、命までは懸けないだろうけど…」
ぶるぅにとっては大事なんだよ、とソルジャーの言。
Aブルー「だから、屋内でなくても火だるまショーは…」
A船長 「言われてみれば、やるわけなかったですね」
Aぶるぅ「ピンポーン!」
でも、脱いじゃったら仕返しだから、と恐ろしい台詞が。
Aぶるぅ「アヒルちゃんをやめるだなんて、苛めだし!」
ジョミー「一理あるね、ソレ…」
Aぶるぅ「でしょ、でしょ、だからアヒルで!」
いて欲しいの! と悪戯小僧の注文。
Aぶるぅ「でもって、お給仕!」
一同 「「「は?」」」
Aぶるぅ「アヒルちゃんが、おもてなししてくれたら…」
もう最高のクリスマスだもん、とピョンピョンと。
Aぶるぅ「お料理の取り分けに、シャンパンとかも…」
キース 「グラスに注げ、というわけか?」
Aぶるぅ「そうなの、アヒルのボーイさん!」
お給仕の他にも色々と…、と悪戯小僧の嬉しそうな顔。
Aぶるぅ「嫌なら、脱いでくれてもいいけど…」
キース 「いや、やる! やらせて頂きます!」
Aぶるぅ「やったぁー、ぶるぅもキースを使っていいよ!」
ぶるぅ 「ホント? アヒルちゃんがケーキとかを…」
お皿に入れてくれるんだ、と家事万能のお子様も感激。
ぶるぅ 「凄い、最高のクリスマスかも!」
Aぶるぅ「ぶるぅも、うんと助かるでしょ?」
ぶるぅ 「うん、ありがとう!」
キースもよろしく! と跳ねてますけど。
おもてなし…。
2023/12/27 (Wed)
☆ツリーで回って
クリスマスイブのパーティー、大盛り上がりな今ですけど。
アヒルの着ぐるみ姿のキース君、その姿でおもてなし担当。
Aぶるぅ「キース、そっちのチキンも取ってね!」
ぶるぅ 「ぼくにも、ソースは二種類とも!」
キース 「ははーっ!」
只今、とチキンにソースをかけたり、取り分けたり。
キース 「どうぞ、チキンでございます!」
Aぶるぅ「ありがとーっ! んでね、一段落したら…」
キース 「ケーキだ、と?」
Aぶるぅ「違うよ、さっきの回転だよ!」
32回転をもう一度、と悪戯小僧の注文が。
Aぶるぅ「また包帯を巻いて貰って、コマになってね!」
キース 「げっ!」
マジか、とキース君、ドン引きですけど、笑顔の悪戯小僧。
Aぶるぅ「あとね、クリスマスだから、華やかに!」
キース 「は?」
Aぶるぅ「包帯の他にも、飾りをつけて…」
ジョミー「人間クリスマスツリーとか?」
アヒルだけどさ、とジョミー君が傾げる首。
ジョミー「包帯を緑のヤツに変えたら、いけるよね?」
Aぶるぅ「それ、ナイス!」
Aブルー「いいねえ、ツリーの飾りをドッサリで…」
回転したら鈴が鳴るのはどうだろう、とソルジャーまでが。
Aブルー「でもって、ドゥーブルも増やすとか!」
Aぶるぅ「面白そう! 目指せ32回だね!」
パーティーは明日までやるんだもん、と怖すぎる台詞。
Aぶるぅ「ぼくとぶるぅは、夜の間は寝るけれど…」
ぶるぅ 「起きてたら、サンタさん、来ないしね!」
Aぶるぅ「でしょ? でもでも、キースは大丈夫だし…」
キース 「徹夜で練習しろってか!?」
32回転を全部ドゥーブルなのか、と青ざめる人。
キース 「無理すぎだ!」
Aぶるぅ「努力しないなら、アヒルちゃんでも…」
Aブルー「許さないってことでいいかな、お仕置きで!」
Aぶるぅ「もっちろ~ん! 明日には32回転、全部!」
一同 「「「目指せ、ドゥーブル!」」」
クリスマスツリーで回れ、と大歓声。
皆、酔ってるかも…。
2023/12/28 (Thu)
☆無理すぎる優先枠
盛り上がりまくったクリスマスが終わって、早くも大晦日。
毎年恒例、除夜の鐘で元老寺へと向かうシャン学メンバー。
シロエ 「今年も寒くなりましたよねえ、大晦日…」
ジョミー「やっぱり夜は雪かな、コレ…」
スウェナ「予報通りだと、来そうだわねえ…」
サム 「あーあ、今年も冷えるコースってことな…」
庫裏にいる間はマシだけどよ、とサム君の愚痴。
サム 「除夜の鐘撞きの順番待ちがキツイよなあ…」
スウェナ「お友達枠で先頭に行けるとか、欲しいわよ!」
ジョミー「それよりアレだよ、遊園地とかの…」
シロエ 「優先権ゲットなチケットですね!」
お金次第で順番待ちが無くなるヤツ、とシロエ君。
シロエ 「マツカ先輩がいますしねえ…」
マツカ 「多分、無理だと思いますけど…」
サム 「なに言ってんだよ、札束だっていけるくせによ」
マツカ 「アドス和尚に効きますか、ソレ?」
お供えは喜ぶでしょうけれど、とマツカ君が傾げる首。
マツカ 「その後、有難い法話を聞かせて頂いてですね…」
シロエ 「それでは最後尾へどうぞ、になりますよね…」
確かに相手が悪すぎですよ、とシロエ君の深い溜息。
シロエ 「キース先輩のお友達枠も、絶望的です」
サム 「親父さんに頭が上がらねえもんなあ…」
キース 「悪かったな!」
聞こえていたぞ、と法衣のキース君がズカズカと。
キース 「そろそろだろうと、出て来てみれば…」
ジョミー「えっ、出迎えに来てくれたわけ?」
キース 「違う、あっちだ!」
一同 「「「あー…」」」
走って来たのが黒塗りのタクシー、山門前でピタリと停止。
キース 「すまん、今年も世話になる」
ブルー 「どういたしまして」
お安い御用、と降りて来た生徒会長、いえ、銀青様。
ブルー 「いいタイミングで着いたようだね」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ みんなはバスだよね!」
シロエ 「庶民ですから!」
ついでに一般人ですから、とシロエ君の仏頂面。
まあねえ…。
2023/12/29 (Fri)
☆待遇が良すぎる人
毎年恒例、大晦日は元老寺で除夜の鐘なシャン学メンバー。
山門前で生徒会長に出会ったわけで、待遇が違いすぎる件。
キース 「偉そうに言えるのか、一般人が?」
ブルー 「ホントにねえ…。サムとジョミーは少しはさ…」
キース 「僧籍な分だけ、シロエよりかは上なんだがな」
来年は仲間入りするか、とキース君の問い。
キース 「棚経のお供の枠は、交代制でもいいんだぞ?」
ブルー 「いいねえ、午前と午後とかね!」
シロエ 「要りませんから!」
あんな無給でハードなバイト、とシロエ君、バッサリ。
シロエ 「ぼくは今日だけで充分です!」
マツカ 「ぼくもですね」
サム 「除夜の鐘だけで済まねえもんなあ、俺たちは…」
ジョミー「その後、夜中に修正会だしねえ、本堂で…」
除夜の鐘だけで帰れる人が羨ましいよ、とジョミー君。
ジョミー「なんで毎年、こうなるかなあ…」
キース 「やかましい! 熱心な檀家さんも修正会だぞ!」
シロエ 「そうなんですけど、せめて椅子席でですね…」
キース 「却下だ、却下!」
除夜の鐘までの居場所があるだけマシだ、と庫裏へ案内。
キース 「この座敷だって、ブルーがいなければ、だ…」
ブルー 「通してなんかは貰えないねえ…」
一同 「「「うっ…」」」
そうだった、と暖房が効いた座敷に入った御一同様。
キース 「分かったんなら、此処で時間まで待て!」
一同 「「「はーい…」」」
キース 「ではな」
ああ忙しい、と去って行きまして。
ジョミー「真面目に忙しそうだよね…」
ブルー 「君とサムも、明日は忙しいんだけど?」
サム 「言わねえでくれよ、縁起でもねえ」
ぶるぅ 「そだね、今は今年だし!」
来年のことは来年だよね、と元気なお子様。
ぶるぅ 「はい、熱いお茶、入ったよ!」
シロエ 「お菓子も遠慮なく頂きますか」
ブルー 「サンドイッチも、お寿司もどうぞってね!」
しっかり腹ごしらえタイム、と生徒会長の笑み。
VIP待遇…。
2023/12/30 (Sat)
☆映える除夜の鐘
大晦日は元老寺で除夜の鐘、毎年恒例なシャン学メンバー。
庫裏の座敷で寛ぐ間に、夜も順調に更けてゆくわけでして。
キース 「銀青様、そろそろお願いいたします」
ブルー 「オッケー、みんなも列の方にね」
一同 「「「はいっ!」」」
それぞれ持ち場に移動完了、生徒会長はテントですけど。
シロエ 「冷えますねえ…」
サム 「仕方ねえだろ、優先権とかねえんだからよ」
ジョミー「雪まで降って来ちゃったよ…」
マツカ 「お接待のおぜんざいに期待ですよね」
鐘を撞かないと貰えませんが、とマツカ君が眺めるテント。
スウェナ「あそこも暖かそうだわねえ…」
シロエ 「会長とぶるぅのテントは、もっと暖かそうです」
サム 「吹きっ晒しじゃねえからなあ…」
ジョミー「寺院関係者用、ってヤツだもんねえ…」
それにしたって長蛇の列、とジョミー君の深い溜息。
ジョミー「もっと早くに並べば良かった…」
シロエ 「毎年、それの繰り返しですよね、ぼくたち…」
サム 「学習能力、ねえってことな…。おっ?」
そろそろかよ、とサム君の視線の先に生徒会長。
サム 「やっぱ映えるぜ、緋の衣ってのは」
シロエ 「もしかしなくても、アレのせいでですね…」
年々、人が増えるのでは、とシロエ君の鋭い指摘。
シロエ 「超絶美形が最初の鐘を撞くんですよ?」
一同 「「「あー…」」」
言えてるかも、と一同、愕然。
ジョミー「じゃあさ、来年も列に並ぶ頃には…」
シロエ 「先客、てんこ盛りですよ…」
マツカ 「減ることはないわけですね…」
仕方ないです、とマツカ君が嘆く中、生徒会長が鐘楼へ。
サム 「お供のぶるぅの小僧さんスタイルもよ…」
スウェナ「映えるものねえ…」
先導のキースも美形だし…、とスウェナちゃん。
シロエ 「まあ、そうですね…」
ジョミー「みんな、スマホを出してるしさ…」
サム 「映えだよな…」
最初の鐘が鳴り響く中、誰もが納得。
皆様、どうぞ良いお年を~。
2023/12/31 (Sun)
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