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シャングリラ学園つれづれ語り
☆いいスタートかも


新年あけましておめでとうございます。元日の元老寺です。
シャン学メンバー、昨夜の疲れで爆睡している朝ですけど。

ぶるぅ 「かみお~ん♪ あけましておめでとう!」
一同  (((ん…?)))
ぶるぅ 「初日の出、もうじきだから!」

起床、起床ーっ! と廊下を跳ねてゆく元気なお子様の声。

シロエ 「えええ…。もう朝ですか…」
サム  「真面目にやってられねえぜ…」
ジョミー「若さとは別のベクトルだよねえ、毎年さあ…」

二年詣りとは違うから疲労困憊で、とジョミー君の嘆き節。

ジョミー「除夜の鐘の後に初詣だったら、今頃は…」
シロエ 「徹夜で騒いでハイな勢い、年明けうどんで…」

元気一杯な筈なんですけど、とシロエ君も。

シロエ 「夜中に正座で法要だとか、クレイジーですよ…」
キース 「正月早々、ブツブツ言うな! もう山門で…」

親父が待機しているぞ、とキース君が法衣で登場。

キース 「無事におせちを食べたかったら、急いで来い!」
一同  「「「はいっ!」」」

元日から詰むのは嫌な面々、雪が積もった境内をダッシュ。

一同  「「「おはようございます!」」」
アドス 「おお、揃いましたな。じきに初日が昇りますぞ」
イライザ「二礼、二拍手、一礼ですよ」

さあ、お辞儀から、で昇る朝日にパンパン柏手、深く一礼。

アドス 「今年は綺麗に揃ってなにより。では庫裏の方へ」
イライザ「暖房が効いてますからね」
一同  「「「やったーっ!」」」

一晩でずいぶん積もったよね、と庫裏の座敷へ移動でして。

アドス 「改めまして、新年おめでとうございます」
一同  「「「おめでとうございまーす!」」」
イライザ「では、お屠蘇から始めましょうね」

銀青様から、と注がれるお屠蘇。

ブルー 「ありがとう。本年もよろしく」
イライザ「じゃあ、皆さんにも」
アドス 「お屠蘇の後は、お雑煮と参りましょう」

おせちも遠慮なくどうぞ、と今年も太っ腹。
いいスタートかも!


2024/01/01 (Mon)



☆おせちの食べ方


元日の元老寺の朝、境内はしっかり積もった雪がドッサリ。
けれど庫裏の座敷は暖房が効いて、これからおせちタイム。

イライザ「今年も、和洋中とありますからね」
アドス 「おかわりも用意してありますので、ご遠慮なく」
一同  「「「やったーっ!」」」

まずは一同、お屠蘇でお祝い、お次はお雑煮。

ぶるぅ 「かみお~ん♪ お雑煮、おかわりしていい?」
イライザ「もちろんですよ。お餅はいくつ?」
ぶるぅ 「んとんと、二個で!」
イライザ「はい、どうぞ」

温めてある大きな鍋から、おたまで掬って熱々のおかわり。

ぶるぅ 「ありがとう! えっと、おせちは、と…」
キース 「どれにするんだ?」
ぶるぅ 「迷っちゃうけど、定番から!」
キース 「やはり、料理上手のチョイスは違うな」

普通だったら、子供舌で洋風なんだろうが…、とキース君。

キース 「子供舌のは、別にいるようだな」
ジョミー「それ、ぼくのこと!?」
シロエ 「ぼくもですか!?」

酷い、と洋風や中華でスタートした人たちの抗議の声が。

シロエ 「スウェナ先輩だって、ヤバいですから!」
サム  「俺もだよなあ、マリネで始めちまったし…」

スモークサーモンが美味そうでよ…、とサム君も。

サム  「ん? もしかして、セーフなヤツが一名…」
ジョミー「いるよね、なんでマツカだけ!」
キース 「俺もなんだが?」
シロエ 「キース先輩は数に入りませんよ!」

儀礼にうるさい職業ですし、とシロエ君が叩き付ける正論。

シロエ 「あれ? でも、そうなるとですね…」
ジョミー「マツカは儀礼を守ってる、って…」
サム  「ことになるよな、コレってよ…」

もしかして俺たち、詰んでねえか、とサム君、モゴモゴと。

サム  「マツカは礼儀正しくってよ、俺たちはよ…」
シロエ 「儀礼はスルーで、無作法になるわけですか…?」
キース 「教養が無いとも言うかもな」

なにしろ子供ではないし…、とキッツイ言葉が。
無作法で無教養…。


2024/01/02 (Tue)



☆縁起を担がないと


元老寺で迎えた雪の元日、庫裏でおせちな面々ですけれど。
食べ方の件でキース君が嫌味で、教養がどうのという話に。

シロエ 「礼儀はともかく、教養って、何の話ですか!」
ジョミー「そうだよ、まるで馬鹿みたいに聞こえるし!」
キース 「いや、いいが…。単に縁起の問題だしな」

この一年の縁起担ぎというだけだ、とキース君の言。

キース 「なにしろ、おせちには色々と…」
ブルー 「縁起物が詰まっているからねえ…」

地域で多少の差はあってもね、と生徒会長も。

ブルー 「それをすっ飛ばしていった以上は…」
シロエ 「福を逃したとか、そうなるんでしょうか…?」
キース 「平たく言えば、そうかもな」
ブルー 「金運とかのもあるわけだから…」

縁起担ぎをしない以上は、自力でいこう、と怖い台詞が。

ブルー 「まあ、金運に関しては…」
キース 「困った時の誰かがいるわけなんだが…」
シロエ 「その誰かさんは、縁起を担いだわけですね?」
ブルー 「そうだね、心得事だから…」

しつけがきちんとしていたんだよ、と生徒会長。

ブルー 「なんと言っても、大財閥の御曹司だし…」
キース 「金運に招福、健康あたりは常識だろうな」
一同  「「「うっ…」」」

その辺を全部逃したのか、と一同、愕然。

シロエ 「し、仕切り直しは出来ますか!?」
ブルー 「時間は後戻りしないしねえ…」
キース 「来年、仕切り直すことしか出来んと思うぞ」

覚えていればの話だが、とキース君の不敵な笑み。

キース 「いいか、キッチリ縁起担ぎをしていても、だ…」
ブルー 「詰みまくる見本が此処にいる、って?」
キース 「ああ、しっかりと言っておく!」

一年の計は元旦にあり、と言うからな、とキース君。

キース 「縁起を担がなかった面子は、どうなろうとも…」
シロエ 「自己責任ってことですか!?」
ブルー 「そうなるねえ…。多分、助けは…」

何処からも来ないと思うけどね、と嫌すぎる纏め。
自己責任…。


2024/01/03 (Wed)



☆バレた火だるま


今年も元老寺で元日ですけど、境内は一面、雪がドッサリ。
暖かい庫裏でおせちな面々、食べ方で詰んだようでして…。

シロエ 「金運はともかく、招福ですか…」
サム  「健康も地味にヤバいんでねえの…?」

火だるまショーとかあったんだぜ、とサム君の悪い顔色。

サム  「あの時、全治三日とはいえ、火傷でよ…」
アドス 「ああ、何やらあったようですなあ…」
イライザ「身体中、あちこち火傷な時ねえ…」

ショーだったとは知らなかったわ、とイライザさん。

イライザ「だってキースは、焚火の中に落ちた、って…」
アドス 「ワシらには言っていたんですがな…」

なんと火だるまショーですか、とアドス和尚も興味津々。

アドス 「で、そのショーというのは、どんな感じで…」
ぶるぅ 「えっとね、バク転でダイブだったの!」
イライザ「スタントみたいなものかしら?」
ブルー 「まあ、練習は積んでいたよね、バク転の方は」

ダイブは、その場のノリだけどさ、と生徒会長の解説が。

ブルー 「でも、なかなかに見ごたえがあって…」
ぶるぅ 「大迫力で、凄かったよ!」
アドス 「なるほど、せがれがお役に立てて何より」
キース 「どの辺がだ!」

俺は全身火傷したんだぞ、とキース君、拳をグッと。

キース 「真面目に死ぬかと思ったしな!」
イライザ「大袈裟すぎでしょ、ただの火傷でみっともない」
アドス 「まったく、まったく。さて、そろそろ…」

初詣の支度がございますので、と立ち上がるアドス和尚。

アドス 「サム殿とジョミー殿も、例年通りに…」
イライザ「よろしくお願い致しますわね」
サム  「はいっ!」
ジョミー「はーい…」

なんか不吉な流れかも、とサム君とジョミー君が竦める肩。

アドス 「キース、きちんと連れて来るんじゃぞ」
キース 「分かっている。ガッツリ確保で本堂まで、と」
アドス 「貴重な労働力じゃし、しっかりな」

逃がすでないぞ、と去ってゆきましたけれど。
大丈夫…?


2024/01/04 (Thu)



☆スキルと下足番


雪がドッサリ積もった元老寺の元日、庫裏でおせちな面々。
けれどサム君とジョミー君には、お役目があるわけでして。

キース 「さあ、二人とも、支度して貰おうか」
ジョミー「今年は何をやらされるわけ?」
サム  「普通に例年通りだろ?」

初詣に来る檀家さんの対応で…、とサム君、ゲンナリと。

サム  「いいんだけどよ、お子様にお菓子を渡すとか…」
ジョミー「下足番とか、そんなのだけどさ…」
キース 「本堂の外で待機が辛い、と言いたいんだな?」

下足番だと外だからな、とキース君。

キース 「なにしろ外には、暖房も無いし…」
ジョミー「そう、ソレ! キースとアドス和尚はさ…」
サム  「炬燵に入って、挨拶だけで済むけどよ…」
キース 「やかましい! 俺と親父が炬燵にいないと…」

檀家さんが遠慮なさるだろうが、とキース君の厳しい顔。

キース 「寒い中をいらして下さったのに、炬燵無しは…」
シロエ 「有り得ませんよね、お寺じゃなくっても」
ブルー 「冬場にいらしたお客様には、まず暖房で…」

おもてなしをするものだからね、と生徒会長も。

ブルー 「客間が充分、温まるまでは、狭い部屋でも…」
ぶるぅ 「入って貰って、あったかい飲み物とかで…」

温まって貰わないとダメだもん、と家事万能なお子様の言。

ぶるぅ 「冬のおもてなしの基本で、常識!」
キース 「分かったか! 俺と親父は炬燵でいいんだ!」
ジョミー「そうかもだけど、どうせ今回も…」
キース 「下足番はお前に決まっている!」

サムは子供にウケがいいしな、とキース君、腕組み。

キース 「ついでに、坊主見習いとしても…」
ブルー 「なかなか立派なものだしねえ…」

それに比べてジョミーときたら、と生徒会長、深い溜息。

ブルー 「下足番でも当然だよね」
キース 「中の仕事は、全く務まらないからな!」
ジョミー「酷いって!」
キース 「行くぞ!」

待たせたら親父が怖いからな、と出てゆく人。
それはガチ…。


2024/01/05 (Fri)



☆キレたら怖い人


元老寺で元日なシャン学メンバー、おせちは庫裏の座敷で。
けれど、サム君とジョミー君にはお役目、初詣のお手伝い。

サム  「行くしかねえよな、お役目だしよ…」
ジョミー「なんで大雪なのさ、今年は!」
ぶるぅ 「あっ、降って来たぁ!」
シロエ 「えーっと…。雪雲が来るみたいですよ」

警報級の、とシロエ君が覗き込むスマホ。

シロエ 「この辺りだと、ドッサリ積もりそうです」
サム  「昼間からかよ!?」
ジョミー「それって、マジで?」
シロエ 「お気の毒ですけど、どう見てみても…」

あちこちで車が立ち往生なヤツですよ、とシロエ君の読み。

シロエ 「これが雨だったら、大雨はガチな雪雲ですし」
一同  「「「うわー…」」」

それは積もる、と見ている間に、本格的な雪に。

キース 「遅いぞ、そこのサボリ組!」
ジョミー「うわ、キース!?」
キース 「早く作務衣に着替えに来い!」

おふくろがキレる寸前だしな、と鬼の形相で戻って来た人。

キース 「親父も怖いが、おふくろがキレたら…」
シロエ 「半端ないんですか?」
キース 「いいか、親父は婿養子だぞ!」
一同  「「「げっ!」」」

忘れてた、と誰もが愕然、サム君とジョミー君も顔面蒼白。

サム  「やべえ、行く!」
ジョミー「置いてかないでよ、ぼくも行くから!」

ダッシュで消えてしまった両名、キース君の姿も無し。

シロエ 「凄い勢いで行っちゃいましたね…」
スウェナ「そりゃ、必死だわよ」
マツカ 「アドス和尚を超えるとなったら、怖すぎですし」

ちょっと想像出来ませんね、とマツカ君が傾げる首。

マツカ 「いつも優しい人なんですけど…」
シロエ 「あのぅ、ソレ…」

お前が言うなというヤツですよ、とシロエ君の深い溜息。

マツカ 「えっ? それはどういう意味でしょう?」
シロエ 「分からないなら、いいですけどね…」
スウェナ「自覚ゼロなのよね…」

まあ、それでこそマツカだけど、と頷く面々。
実は最強…。


2024/01/06 (Sat)



☆立ち往生は困る


今年も元老寺で元日ですけど、大雪になりそうな今の状況。
庫裏の座敷でおせちな面々はともかく、大変そうな本堂組。

マツカ 「よく分かりませんけど、それより雪がですね…」
シロエ 「さっきよりも酷くなってますよね…」
スウェナ「そうねえ、車がアウトになるヤツよ、コレ…」

スノータイヤの車が基本じゃないし、とスウェナちゃん。

スウェナ「この辺りだと、雪が多めだから普通かもだけど」
マツカ 「でしょうね、特に元老寺は宿坊がありますし」
シロエ 「あー…。お客様の送迎に必須ですよね」
マツカ 「だと思いますよ、でも、市街地の方は…」

ほんの1センチでアウトですしね、とマツカ君の言。

マツカ 「それで凍られたら、立ち往生なコースですよ」
シロエ 「待って下さい、すると帰りのバスがですね…」
スウェナ「もしかしなくても、運休じゃないの!」
マツカ 「恐らくは…。宿坊の車で送って頂くしか…」

でなければ、ぼくが迎えを頼むかです、と御曹司。

マツカ 「スノータイヤの車で、抜け道経由でいけますが」
スウェナ「早めに頼まないと難しそうよ?」
シロエ 「抜け道も、立ち往生の車で詰みますしね…」
マツカ 「ええ。ですから、早めに言ってるんです」

お先に失礼した方が…、とマツカ君が眺める外の大雪。

マツカ 「サムとジョミーには悪いですけど…」
ブルー 「いいかもね…」
シロエ 「えっ、会長は残ればVIP待遇ですよ?」
ブルー 「でもねえ、此処はお寺なんだよ」

お正月の間は何かと面倒で、と生徒会長、いえ、銀青様。

ブルー 「出来れば帰って、のんびりゆっくり…」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ あったかいお鍋で雪見酒とか!」
ブルー 「ピンポーン!」

雪のお正月はソレに限るよ、と立てる親指。

ブルー 「イライザさんに引き留められる前にさ…」
シロエ 「トンズラですね?」
ブルー 「その方がいいと思うけどねえ?」

君たちだって、と逃げる案が出ていますけど。
どうする?


2024/01/07 (Sun)



☆すぐ帰らないと


元老寺で元日な面々ですけど、大雪になって来ている現在。
早々に帰る案が出まして、生徒会長は帰る気満々でして…。

シロエ 「マツカ先輩、全員、迎えの車に乗れますか?」
マツカ 「いけますよ? 今ならギリギリで」
ブルー 「遅くなるほど、状況は悪化すると思うね」
マツカ 「ええ。小回りの利く車しか通れなくなって…」

分乗せざるを得なくなります、とマツカ君。

マツカ 「でも、2台に分かれて乗るだけで…」
シロエ 「逃走は可能なんですね?」
ブルー 「どうかな、2台同時に来ればいいけど…」
スウェナ「来なかった時は、どうなるのよ?」

2台目の面子は捕まるだとか…、とスウェナちゃんの問い。

スウェナ「イライザさんに引き留められて、残留なの?」
ブルー 「だろうね、ぼくは当然、振り切れるしさ…」
シロエ 「ぼくたちが残るわけですね…」

マツカ先輩も行ってしまって、とシロエ君、ガクブル。

シロエ 「スウェナ先輩と、ぼくが置き去りですか!?」
ブルー 「他にどういう道があると?」
シロエ 「マツカ先輩、ぼくは今すぐ帰ります!」
スウェナ「私もだわよ!」

車種に贅沢は言わないわ、とスウェナちゃんも悲鳴。

スウェナ「とにかく迎えよ、今すぐに!」
マツカ 「分かりました。お待ち下さいね」

すぐに執事さんに電話で、手配出来た模様。

マツカ 「10分ほどで着くそうです」
シロエ 「出ましょう、外へ!」
ブルー 「まだ10分もあるんだよ?」
シロエ 「でもですね…!」

グズグズしてたら捕獲ですし、とシロエ君が取って来た鞄。

シロエ 「帰る用意は出来ました!」
スウェナ「そうだわ、お泊まりグッズを回収で!」
ブルー 「必死だねえ…」

分かるけどさ、と生徒会長が笑う間に、脱出準備完了。

マツカ 「あと5分で山門前に来ますよ」
シロエ 「もういいですよね、会長!」
イライザ「あら。皆さん、どちらへ?」

大雪になっていますわよ、とイライザさん登場。
ヤバいかも…?


2024/01/08 (Mon)



☆帰る人と残る人


元老寺で迎えた元日、警報級の大雪になって来ている現実。
本堂で初詣な面子を残して、逃げる決断が下りましたけど。

イライザ「まさか、この雪の中をお帰りですの?」
シロエ 「そうなんです! 引き留めないで下さい!」
イライザ「でも、バス停までの道も雪が積もって…」

埋まり始めていますわよ、とイライザさんが指差す外。

イライザ「車はなんとか、ギリギリ走れるようですけれど」
ブルー 「うん。だから今の間に失礼しようと思ってね」

マツカが車を頼んでくれたし、と生徒会長、ニッコリと。

ブルー 「もう着くようだし、この辺りで…」
イライザ「あらまあ…。今夜はお泊まり頂くつもりで…」

メニューを伺いに参りましたのに、と驚くイライザさん。

イライザ「買い置きの食材で作れそうなものを、色々と…」
ブルー 「そのお気持ちだけ、貰っておくよ。じゃあ…」
マツカ 「今、山門前に着いたそうです」
ブルー 「行こうか、みんな」

サムとジョミーをよろしくね、と生徒会長、片目をパチン。

ブルー 「せっかくだから、三が日の間は、ガッツリと…」
一同  「「「えっ?」」」
ブルー 「いいかい、キースはお寺の息子で、副住職で…」

本当だったら、初詣に遊びに行けないよね、と正論が。

ブルー 「というわけでさ、サムとジョミーにも…」
イライザ「お寺のお正月を体験して頂くわけですのね?」
ブルー 「その通り! 初詣のお手伝いだけじゃなくて…」
イライザ「お正月ならではの行事ですわね、承知しました」

キッチリ、みっちり仕込みますわね、とイライザさん。

イライザ「銀青様の仰せですもの、頑張りますわ」
ブルー 「任せたよ。それじゃ、これでね」

車も来たし、と生徒会長も他の面子も、山門へ。

イライザ「皆様、どうぞお気を付けて」
ブルー 「サムとジョミーに、よろしくね!」
一同  「「「ありがとうございました!」」」

色々、御馳走様でした、と無事に車で脱出ですけど。
他の面子は…?


2024/01/09 (Tue)



☆大雪でも届ける店


今年も元日は元老寺な面々、大雪が降り始めて分かれた道。
僧籍なサム君とジョミー君以外は、車で脱出したわけで…。

マツカ 「サムとジョミーは、どうなるんでしょう?」
シロエ 「キツイ運命が待っていそうですよね、三が日…」
スウェナ「普通の初詣はアウトっぽいわよ…」
ブルー 「うん。だから今年は、この面子でね!」

お寺の連中は放っておいて、と生徒会長が立てる親指。

ブルー 「今夜はウチに泊まって貰って、明日にでも!」
シロエ 「えっ、いいんですか!?」
ブルー 「もちろんだよ。お泊まりグッズも持ってるし…」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ お客様、大好き!」

大歓迎! と「そるじゃぁ・ぶるぅ」も。

ぶるぅ 「暖房、さっき入れておいたし…」
ブルー 「帰る頃には、ちゃんと暖かくなっているしね」
シロエ 「食事の方はどうするんです?」
ブルー 「そうだね、ぶるぅが作ってもいいけれど…」

せっかくだから…、と生徒会長の視線がマツカ君に。

ブルー 「マツカ、何処かの店からケータリングとかは…」
マツカ 「出来ますよ? 元日もやっているお店なら…」

雪でも根性で届けますから、とマツカ君の笑み。

マツカ 「なにしろ、食材を仕入れているのに、大雪で…」
シロエ 「あっ、お客様が来ないんですね!?」
マツカ 「誰だって、出たくないですからねえ…」

この雪だと帰り道が危ういですから、とマツカ君。

マツカ 「帰りを気にしながら食べても、美味しくは…」
シロエ 「ないでしょうねえ、お酒も楽しめなくて…」
マツカ 「ええ。ですから、ドタキャンの嵐でしょうね」

何処のお店も…、とマツカ君が浮かべる苦笑。

マツカ 「当然、食材も余りますから、注文さえあれば…」
スウェナ「意地でも届けに来るってことね?」
マツカ 「配送料は、多分、とんでもないですけどね」
シロエ 「あー…。歩いて往復する人の、人件費ですね…」

それは確かに高いかも、と誰もが爆笑ですけど。
頼むんですね?


2024/01/10 (Wed)



☆大雪が分かれ目


今年も元老寺で元日を迎えた面々、大雪で道が分かれた件。
生徒会長たちは車で脱出、僧籍な面子だけが残ったわけで。

シロエ 「配送料は高そうですけど、ケータリングは…」
スウェナ「思いっ切り、期待出来そうだわねえ…」
マツカ 「何にしますか、和食以外がいいですか?」

おせちは和洋中でしたけど、とマツカ君の問い。

マツカ 「御希望に合わせて、店を探しますから」
ブルー 「そうだね、お店への支援も兼ねて和洋中かな」
シロエ 「雪で余りそうな、食材の山を救うわけですね?」
ブルー 「ピンポーン!」

ここはボランティア精神で…、と生徒会長、ニッコリと。

ブルー 「マツカ、いけるんだったら、ソレで」
マツカ 「分かりました。早速、手配しますね」

車内から執事さんに電話で、テキパキと指示。

マツカ 「オッケーです。後は待っていれば、届きますよ」
シロエ 「時間指定は、流石に無理でしたか…」
マツカ 「いえ? 指定するなら、ヘリを出しますけれど」
シロエ 「そ、そこまではいいですってば!」

ヘリで配送しなくても、とシロエ君、ワタワタ。

シロエ 「時間は、たっぷりありますから!」
スウェナ「泊まるんだものね、急がないわよ。でも…」

サムたちの方はどうかしら、とスウェナちゃんの疑問。

スウェナ「ケータリングで豪華な食事どころか…」
シロエ 「精進料理もありそうですよね」
ブルー 「そりゃあ、お寺のお正月だよ?」

お客様がいるならともかく、と生徒会長、いえ、銀青様。

ブルー 「身内だけだと、多分、相当厳しいね」
シロエ 「マジですか!」
ブルー 「だってさ、アドス和尚だよ?」

ついでにイライザさんもセットで…、と怖すぎる読み。

ブルー 「サムとジョミーに、お寺の正しいお正月をさ…」
スウェナ「叩き込むチャンスってことかしら?」
ブルー 「ビシビシやると思うけど?」
一同  「「「うわー…」」」

詰んでるのでは、と誰もがガクブルですけど。
そうかも…。


2024/01/11 (Thu)



☆お寺で三が日


今年も元老寺で迎えた元日、けれどとんでもない大雪な今。
生徒会長たちは車で脱出、僧籍な面子だけが残ったわけで。

ジョミー「えっ、マツカたちは帰ったって!?」
サム  「マジかよ、道は大雪で埋まってるんじゃあ…」
キース 「そうなる前に逃げたらしいぞ、マツカの手配で」

立派な車が来たそうだ、とキース君の仏頂面。

キース 「おふくろが山門まで、見送りに出たら…」
ジョミー「スノータイヤの高級車が、って?」
キース 「マツカの家の車っぽい、という話だった」
サム  「自家用車かよ…」

まあ、スノータイヤでも不思議じゃねえな、とサム君の言。

サム  「アルテメシアも、降る時はドカンと降るしよ…」
ジョミー「スノータイヤなら、安心だしね…」
キース 「それはそうだが、逃げられたんだ!」

そこが大事なポイントだぞ、とキース君の深い溜息。

キース 「サムもお前も、三が日はガチで寺での正月で…」
サム  「だよなあ、残されちまったし…」
ジョミー「まさか、ガッチリ、精進料理だけだとか…?」

豪華おせちも出て来なくって、とジョミー君の悪い顔色。

ジョミー「肉も魚も、欠片も食べられないコース…?」
キース 「正解だ!」
僧籍な人「「げっ!」」

嘘だ、とサム君とジョミー君、愕然と。

サム  「もしかして、おせちもねえのかよ…?」
キース 「ある分、余計に恐ろしいんだが…」
ジョミー「それ、どういう意味…?」
キース 「寺の仕様で来るんだぞ…?」

俺も昔は食っていたんだ、とキース君までが嘆き節。

キース 「色は地味だし、味は薄くて、精進で…」
ジョミー「嫌すぎるってば!」
キース 「俺も嫌だが、仕方ない…」

初詣もパアのようだしな、とブツブツブツ。

キース 「屋台の焼きそばも、タコ焼きとかもだ…」
サム  「俺たちは無理なヤツってか?」
キース 「三が日、ここに拘束なんだぞ?」
僧籍な人「「うっ…」」

なんてこった、と言葉を失くしてますけど。
詰み…。


2024/01/12 (Fri)



☆置き去りな人たち


今年も元老寺で元日な面々、大雪で分かれてしまった運命。
車で脱出した方はケータリングで、残った面子は精進料理。

ジョミー「三が日、此処に捕まってる間に、みんなは…」
サム  「美味い飯を食って、神社で初詣かよ?」
キース 「そうなるより他に無いだろう!」

置き去りにされてしまったしな、とキース君の渋面。

キース 「いいか、誘われもしなかったんだぞ?」
僧籍な人「「は?」」
キース 「逃亡の誘いだ、逃げませんか、というヤツだ!」
僧籍な人「「あー…」」

何も聞いてはいなかったっけ、と納得するしかない台詞。

ジョミー「思いっ切り、見捨てられたって…?」
サム  「切り捨てられたって言わねえか?」
キース 「どっちでもいいが、今頃、あいつらの方は…」

ブルーの家で美味い飯だな、とキース君の深い溜息。

キース 「ぶるぅが作るか、仕出しを頼んだか…」
ジョミー「どっちにしたって、美味しいよね…」
サム  「ついでに豪華なヤツだと思うぜ…」

正月だしよ、とサム君も。

サム  「ゴージャスな食材を使いまくってよ…」
ジョミー「きっと、朝から食べたおせちよりもさ…」
キース 「いい飯なのは間違いないぞ…」

それに比べて俺たちは…、と呻く副住職。

キース 「初詣でガッチリこき使われて、精進料理で…」
ジョミー「あのさ、それって、アドス和尚も…」
サム  「同じ飯だろ、へばらねえのか?」

炬燵で座ってるだけじゃねえしよ、とサム君の問い。

サム  「さっきみたいに、お勤めだってよ…」
ジョミー「普段より、うんとハードだよ?」
キース 「いいか、そこが恐ろしいトコなんだ!」

なんと言っても親父だしな、とキース君、ブツブツと。

キース 「夜食はガッツリ、肉も食うんだが…」
ジョミー「他の人には、くれないコース?」
キース 「いや、おふくろは作る側なだけに…」
サム  「除外になって、俺たちは…」

ガチで精進料理かよ、と言ってますけど。
そうなのでは?


2024/01/13 (Sat)



☆違いすぎる食事


大雪になってしまった元旦、元老寺からの脱出組と残留組。
真っ二つに分かれた運命なわけで、文字通りに天国と地獄。

シロエ 「うわあ、此処の料理も美味しいですよ!」
スウェナ「こっちも素敵よ、流石、マツカのオススメね!」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ 和洋中、どれも最高だよね!」
ブルー 「ケータリングも、仕出しも、ハズレ無しだよ」

大雪のせいで得したかもね、と生徒会長の笑み。

ブルー 「こうならなければ、普通にバスで帰ってさ…」
シロエ 「その辺のケンタかマックですよね」
スウェナ「いい店は、何処も予約で一杯だものね」
マツカ 「でも、あれはあれで楽しいですよ?」

それに美味しさが違いますよね、と御曹司。

マツカ 「あの味わいは、ちょっと、他の店では…」
ブルー 「出せないだろうね、材料からして違うから」
ぶるぅ 「ハンバーガーに、ナイフとフォークが…」

ついてくるような世界だしね、と料理上手なお子様も。

ぶるぅ 「屋台グルメと、フレンチくらいに違うもん!」
マツカ 「其処の違いは大きいですよ」
シロエ 「でも、大雪でケータリングも最高です!」
スウェナ「ホント、今年はツイてるわよね!」

元日から、と盛り上がっている脱出組ですけれど。

ジョミー「キース、もしかして、今日の食事は…」
サム  「さっきの晩飯で終わりかよ?」
キース 「そうなるが?」
ジョミー「じゃあ、夜食とかは…?」

アレじゃ足りない、とジョミー君の切実な声。

ジョミー「肉も魚も入っていなくて、地味なおせちで…」
サム  「後は精進な煮物と味噌汁だけだったぜ?」
キース 「あれで全部がウチの流儀だ!」

宿坊のお客様だと別だがな、と副住職。

キース 「腹が減ったらミカンを食え、とガキの頃から…」
ジョミー「ちょ、マジで!?」
サム  「親父さんとイライザさんだけ、別ってか?」
キース 「宅配ピザの箱があったが…」

俺たちの分は無いそうだぞ、とキッツイ宣告。
三が日、コレ…。


2024/01/14 (Sun)



☆連休に出来る年


今年は元日にドカンと大雪、そこで分かれてしまった運命。
元老寺で地獄を見た組、脱出組ですけど、日は流れて6日。

シロエ 「おはようございます! えーっと…」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ マツカとスウェナ、来てるよ!」
マツカ 「おはようございます。いいお天気ですよね」
スウェナ「ホントにね!」

でもって今日から三連休よ、とスウェナちゃん。

スウェナ「今年は素敵な曜日の流れで最高だわよ!」
マツカ 「13連休にした人も、多いそうです」
シロエ 「でしょうね、4日と5日だけを休めば…」
ブルー 「仕事納めの次の日からで、ガッツリ休めるしね」

元々、4日の仕事なんかは殆ど無いし、と生徒会長も。

ブルー 「その続きで、金曜日だけ行ってもねえ…」
マツカ 「そうなんですよね、却って仕事の効率が…」
シロエ 「落ちるかもですね、職種によっては」

工場なんかはアウトでしょう、と機械弄りが趣味の人。

シロエ 「機械の起動は、時間がかかりますからねえ…」
マツカ 「ええ。多分、メンテナンスくらいしか…」

この日の並びでは出来ないでしょう、と御曹司も同意。

マツカ 「年末年始は、機械は止めるものですから」
シロエ 「下手に動かしても、修理の人も来ませんしね…」
マツカ 「止めておくのが吉ですよ」
シロエ 「分かります。でも、その年末年始に…」

フル稼働した人たちの消息は…、とシロエ君の問い。

シロエ 「キース先輩たちから、何か連絡ありました?」
ぶるぅ 「ううん、なんにも!」
マツカ 「ぼくの所にも、連絡は来ていませんね」
スウェナ「私にも連絡無しだわねえ…」

死んだのかしら、とスウェナちゃんが傾げる首。

スウェナ「ハイリスクな職場じゃない筈だけど…」
シロエ 「でも、立ち直りが遅すぎませんか?」
マツカ 「不幸な事故でもあったんでしょうか?」
スウェナ「有り得ないでしょ、元老寺なのよ?」

どう転がったら事故に遭うのよ、という声が。
それは確かに…。


2024/01/15 (Mon)





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