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シャングリラ学園つれづれ語り
☆雨の日の遊び場所


さて6月。梅雨のシーズン到来、週末は生徒会長宅な面々。
窓の外は雨が降ってますけど、家の中ならエアコンも完備。

シロエ 「いいですねえ…。こういう避難所があって」
ジョミー「だよね、これだけ降ってるとさ…」
サム  「屋根のある場所は、混んでるもんなあ…」

飯を食うにせよ、遊ぶにせよ…、とサム君が眺める外の雨。

サム  「此処なら、飯は美味いしよ…」
シロエ 「おやつも出ますし、騒いでも苦情は来ませんし」
ジョミー「ホント、ブルーに感謝だよ!」
キース 「まったくだ。親父は理解が無いからな…」

ガキの頃には泣けたもんだ、とキース君。

キース 「寺によっては、雨の日は、本堂解放だぞ?」
一同  「「「本堂?」」」
キース 「ああ。雨だと、子供の遊び場が無くて…」

お母さんたちも困るからな、とキース君が繰る数珠レット。

キース 「その点、寺の本堂なら、広さ充分で…」
サム  「あー…。騒いでたって、文句も来ねえか…」
キース 「境内が狭い寺ならともかく、そこそこあれば…」

ご近所との距離が開くだろう、と副住職の言。

キース 「そういうわけだし、雨の日は寺で遊べる子も…」
シロエ 「いるわけですね、元老寺だとダメですけれど」
キース 「親父が石頭でさえなければな…」

俺は友達も呼べなかった、とブツブツブツ。

キース 「雨の日に限らず、普段からだ!」
ジョミー「えっ、なんで?」
シロエ 「お寺に親しんで貰えるチャンスですよ?」

お寺に行って遊ぶなんて、とシロエ君。

シロエ 「本堂を開放は無理でもですね…」
サム  「庫裏とか、宿坊もあるじゃねえかよ」

そっちで遊べばいいんでねえの、とサム君も。

サム  「でもって、合間に、お念仏を教えるとかよ…」
キース 「親父の場合は、そこが全力だったんだ!」
一同  「「「は?」」」
キース 「いらっしゃい、と迎えて、即、法話だぞ?」

一度やられたら二度と来ない、と唸ってますけど。
確かに…。


2024/06/01 (Sat)



☆機嫌を取らない人


梅雨のシーズン到来ですけど、週末は生徒会長宅で快適に。
エアコン完備で、おやつも食事も美味しい最高の溜まり場。

シロエ 「法話が強制イベですか…」
スウェナ「しかも着くなり、始まるだなんて…」

せめて、お菓子を配ってからで…、とスウェナちゃん。

スウェナ「そしたら、少しはマシってものでしょ」
ジョミー「キース、そういうのは無かったわけ?」
キース 「あの親父だぞ?」

媚びを売るようなキャラに見えるか、と質問が。

キース 「たとえ相手が子供だろうが、機嫌なぞ取らん!」
一同  「「「うわー…」」」

それは確かに二度と来ない、と誰もが納得。

シロエ 「キース先輩、お友達もやられたんですね?」
キース 「ああ。いつもせがれが…、と挨拶をして…」

その後は、即、法話タイムだ、とキース君の仏頂面。

キース 「お前たちも、最初に経験している筈だが?」
一同  「「「は?」」」
キース 「最初だ、最初! 夏休みに遊びに来ただろう!」

非日常な体験が出来るとかで…、とキース君。

キース 「そこのブルーに、上手く乗せられて…」
シロエ 「そうでした! 先輩の家、誰も知らなくて…」
ジョミー「でも、シロエだけは知ってたんだよね?」
シロエ 「お寺だというのと、場所とかは…。でも…」

お邪魔したことは無かったです、とシロエ君の言。

シロエ 「先輩の家に遊びに行く、という発想は…」
サム  「柔道とかだと、ねえかもなあ…」
シロエ 「ええ。先輩と言ったら、格上ですし…」

遊びになんてとんでもない、とシロエ君が竦める肩。

シロエ 「お手伝いなら、あるかもですけど」
サム  「そっちでも、行ってねえのかよ?」

アドス和尚がいるのによ、とサム君が傾げる首。

サム  「駆り出されそうな感じだぜ?」
シロエ 「言われてみれば、そうですよね…」
ジョミー「なんで、行かずに済んだのかな?」

ツイてたのかな、とジョミー君も不思議そうですけど。
運の問題…?


2024/06/02 (Sun)



☆動員されなかった人


雨ばかりな梅雨のシーズン到来、週末も雨なわけですけど。
生徒会長宅で過ごす面々、エアコン完備で、おやつに食事。

ジョミー「シロエって、運はいい方だっけ?」
シロエ 「キース先輩よりは、かなりマシですけれど…」
サム  「目に見えてツイてる、って感じはねえぜ」

運だけで避けて通れるのかよ、とサム君が傾げる首。

サム  「キースとは、付き合い、長いんだよな?」
シロエ 「ええ、柔道を始めた時からですね」
サム  「だったら、アドス和尚がよ…」
ジョミー「見逃してくれるわけがないよね…」

でも、お手伝いの経験は無し、とジョミー君も不思議そう。

ジョミー「キースが、止めてくれてたとか?」
サム  「それこそ有り得ねえヤツだぜ、うん」
シロエ 「アドス和尚には、頭が上がりませんしね…」
スウェナ「連れて来い、って命令されたら、服従だわよ」

なのに何故なの、とスウェナちゃんにも分からない理由。

スウェナ「シロエの連絡先が、謎だったとか…?」
ジョミー「あー…。それはあるよね、教えてなけりゃ」
サム  「どうなんだよ、シロエ?」

電話番号とか、教えなかったのかよ、とサム君の問い。

サム  「個人情報だし、言えませんってよ…」
シロエ 「いえ、連絡先なら、早くに交換してます」

住所も、電話番号も…、とシロエ君。

シロエ 「ですから、お寺なことも知ってましたし…」
ジョミー「うーん…。駆り出されると思うけどなあ…」
シロエ 「ぼくも今頃、気が付きました」

何故でしょうね、とシロエ君の視線がキース君に。

シロエ 「先輩、理由を知っていますか?」
キース 「知らない筈がないだろう!」

俺の親父だぞ、とキース君、腕組み。

キース 「理由は簡単、朱に交われば赤くなるからだ!」
一同  「「「は?」」」
キース 「そのままの意味だが?」
ジョミー「ちょ、シロエって…」
サム  「ワルだったってか?」

そうなるよな、と一同、仰天ですけど。
ワル…?


2024/06/03 (Mon)



☆朱の意味が問題


雨の日が続く梅雨のシーズン、週末は生徒会長宅で快適に。
エアコン完備で、おやつに食事で、誰もが満足ですけれど。

シロエ 「キース先輩、その言い方は、ちょっと…」
キース 「間違ったことは言っていないぞ、俺は」
シロエ 「そうなんですけど、誤解がですね…」

生じているじゃないですか、とシロエ君の不満そうな顔。

シロエ 「ぼくは、ワルとは違いますから!」
サム  「でもよ、キースが…」
ジョミー「朱に交われば赤くなる、って言ったしさ…」
スウェナ「それって、ワルって意味になるでしょ」

他にどういう意味があるのよ、とスウェナちゃんの問い。

スウェナ「朱は朱なんだし、ワルはワルよね」
シロエ 「ですから、その朱が違うんですよ!」
サム  「どう違うんだよ、説明しろよな」
ジョミー「普通、ワルって意味なんだしね!」

分かるように言って欲しいんだけど、とジョミー君も。

ジョミー「朱色じゃなくって、緋色だとか?」
シロエ 「あえて言うなら、それかもです」
一同  「「「はあ?」」」

緋色って何だ、と首を傾げる御一同様。

ジョミー「あのさ、緋色って、ブルーのさ…」
サム  「衣の色だぜ、なんか関係あるのかよ?」
シロエ 「大アリですよ!」

まさに衣が問題なんです、とシロエ君が立てる人差し指。

シロエ 「いいですか? キース先輩、元々は…」
ジョミー「えっと…?」
シロエ 「お坊さんになる気は、全く無かったんですよ!」
一同  「「「あっ!」」」

そういえば…、と誰もが思い当たる一件。

ジョミー「ブルーに触発されたんだっけ…」
サム  「負けてたまるか、っていうヤツな…」
シロエ 「思い出しましたか? ですから、それより…」

前の時代が問題なんです、とシロエ君。

シロエ 「ぼくみたいに、将来を好きに選べる人は…」
サム  「出入りされたら、困るよなあ…」
キース 「分かったか!」

手伝いに呼ぶなど論外だ、と唸ってますけど。
それはそうかも…。


2024/06/04 (Tue)



☆自分の流儀な人


雨の日ばかりな梅雨のシーズン、週末は生徒会長宅が一番。
エアコン完備で、おやつも食事も、最高の溜まり場でして。

シロエ 「というわけで、ぼくは呼ばれなかったようです」
キース 「お前のような輩は、親父にすれば、だ…」

俺を悪の道に誘うわけだ、とキース君が繰る数珠レット。

キース 「手伝いに呼んだばかりに、更に悪影響がだな…」
ジョミー「出そうだよねえ、シロエなら…」
シロエ 「何故、そうなるんです、ジョミー先輩!」

ぼくの何処がダメなんですか、とシロエ君が尖らせる唇。

シロエ 「機械弄りが趣味ですけれど、問題は特に…」
ジョミー「趣味じゃなくって、性格だってば」
サム  「うんうん、逆らうタイプだしよ…」
スウェナ「言われた通りに、手伝うわけがないわよね…」

自分の流儀でこなすヤツでしょ、とスウェナちゃん。

スウェナ「雑巾がけ、って命令されても、モップとか…」
サム  「自前の発明品を出してくるとか、ありそうだぜ」
シロエ 「あー…。その辺は、否定出来ないです…」

効率の良さを考えますし、とシロエ君の苦笑い。

シロエ 「雑巾を使わされるにしたって、こう、色々と…」
キース 「お助けグッズだの、薬品だのを持ち出してだ…」
シロエ 「そうです、やっぱり効率化ですよ!」

お寺といえども、改革とかは必要でしょう、とシロエ君。

シロエ 「卒塔婆プリンターの時代ですしね!」
キース 「親父が、お前を呼ばなかったのも、当然だ!」

親父は真逆のタイプだしな、とキース君の仏頂面。

キース 「伝統重視で、石頭で…」
サム  「スクーターの許可も、出ねえもんなあ…」

梅雨の月参りも自転車一択だしよ、とサム君の相槌。

サム  「土砂降りの日とかに、自転車はキツイぜ」
キース 「まったくだ。同級生たちは、とうの昔に…」
サム  「スクーターかよ?」
キース 「車に乗ってるヤツらも増えたな…」

年が年だし、とキース君がつく深い溜息。
言われてみれば…。


2024/06/05 (Wed)



☆最下級な乗り物


梅雨のシーズンは雨がシトシト、生徒会長宅で過ごす週末。
エアコン完備で快適な上に、おやつや食事も出るわけで…。

サム  「車かよ…。そりゃまあ、なあ…」
ジョミー「持っていたって、おかしい年じゃないもんね…」
キース 「そうなんだ。ついでに、政権移譲の時がだな…」

近付いているヤツも多くて…、と副住職が繰る数珠レット。

キース 「いずれ住職になるわけなんだし、着々と…」
サム  「人脈を広げていくわけな?」
キース 「ああ。あちこちに顔を出すとなったら…」

スクーターよりも車だろうが、とキース君の言。

キース 「他所の寺とかを訪問するのに、スクーターは…」
シロエ 「普段着な感じがしますよね…」
キース 「手伝いだったら、スクーターでもいいんだが…」

公式訪問するにはマズイ、と副住職が顰める顔。

キース 「半袖に半パン、スニーカーで行くのと変わらん」
スウェナ「TPOで、乗り物も変えるべきなのね?」
キース 「服装ごとな!」

略式の法衣はアウトなんだ、とキース君。

キース 「きちんとした袈裟も必須だし…」
サム  「スクーターに乗るには、ソレ、不向きだぜ…」
ジョミー「だよねえ、輪袈裟とかなら、いけるけど…」
キース 「その辺もあって、お邪魔するなら車で行くか…」

無いならタクシーになるわけだ、と説明が。

キース 「親しい寺なら、着いてから着替えも可能だが…」
シロエ 「そうじゃない方が、多そうですよね…」
キース 「当然だ!」

だから車のヤツが増えた、とブツブツブツ。

キース 「なのに俺はだ、未だに自転車一択で…」
サム  「スクーターさえ、乗れねえわけな…」
シロエ 「身分で言ったら、最下級ですか?」

階級としては同列でも、とシロエ君の問い。

シロエ 「お坊さんの階級、キース先輩、順調で…」
ブルー 「年齢的には、最高と言える所だね」
キース 「だが、実際は…」

駆け出しのヤツらと変わらないんだ、と嘆き節。
自転車では…。


2024/06/06 (Thu)



☆車が欲しくても


雨がシトシトな梅雨のシーズン、週末は生徒会長宅ですが。
嘆いているのがキース君なわけで、月参りは今も自転車で。

キース 「自転車で走る副住職とか、まずいないんだが…」
サム  「普通は、スクーターなのな?」
キース 「車だったら、軽が人気だ」

狭い道でもいけるからな、とキース君が挙げる便利さ。

キース 「停める場所にも、困らないのが軽自動車で…」
シロエ 「あー…。月参りの間、停めておかないと…」

ダメですよね、とシロエ君。

シロエ 「檀家さんの家に、駐車スペースがあれば…」
キース 「そこに停めればいいと言っても、なかなかに…」
シロエ 「実情は厳しいわけですか?」
キース 「ほぼほぼ、路駐と言えるだろうな」

自転車やスクーターならいいが、とキース君、遠い目。

キース 「その辺もあって、あの親父は、だ…」
ジョミー「車なんかは、許可しないって?」
キース 「そう言ってやがる、他所は他所だ、と!」

いつか格上げして貰えても、車は厳しい、と深い溜息。

キース 「恐らく、スクーターまでで…」
サム  「軽自動車はダメってか?」
キース 「言いそうな気がするだろうが!」
ジョミー「うん、絶対に、言い出すタイプ…」

他所を公式訪問な時のタクシーでもね、とジョミー君も。

ジョミー「公共の交通機関で行けとか、言いそうでさ…」
キース 「まあ、言うだろうな…」
シロエ 「すると着替えは、どうなるんです?」

まさか本格的なヤツで電車だとか…、とシロエ君の問い。

シロエ 「着替えられない場所へ行くなら、そんな気が…」
キース 「親父だからな!」
サム  「マジかよ、アレで電車かよ!?」
キース 「座禅の寺だと、どうなんだ?」

修行中のヤツがバスや電車に…、とキース君。

キース 「お前たちも、たまに見掛けるだろう?」
シロエ 「いますね、托鉢の時の格好で…」
キース 「例があるしな…」

親父もアレを持ち出すぞ、と言ってますけど。
ありそう…。


2024/06/07 (Fri)



☆正装で生活用品


梅雨のシーズンは雨がシトシト、週末は生徒会長宅が一番。
そんな時期でも月参りは必須、キース君は自転車なわけで。

シロエ 「托鉢の時の格好、略式ですよね?」
キース 「まあ、そうなんだが…」
サム  「だったら、正装で電車はちょっと、ってよ…」

言うだけ言えばいいんでねえの、とサム君の意見。

サム  「ダメ元なんだし、言っただけで怒るとかはよ…」
ジョミー「アドス和尚も、そこまでは酷くないと思うよ」

いくら瞬間湯沸かし器でも、とジョミー君も。

ジョミー「そしたら、タクシーの許可が出るかも…」
シロエ 「ですね、言うのはタダですし…」
スウェナ「叱られたって、罰は来ないでしょ?」

しくじったわけじゃないんだから、とスウェナちゃん。

スウェナ「ワンチャン、タクシーに乗れるかもなのよ?」
キース 「いや、座禅の寺だと、半端なくてだな…」
シロエ 「正装でも、電車に乗るわけですか?」
サム  「でもよ、普通にタクシー、来てるぜ?」

お坊さんのお迎えとかに、とサム君が指差す窓の外。

サム  「あちこちの寺で、拝観時間が終わる頃によ…」
シロエ 「見掛けますよね、夜のお出掛け用のを」
ジョミー「偉そうな人ばかりじゃないよ?」

だからキースもいけそうだけど、とジョミー君。

ジョミー「夜のお出掛け、出来る程度の階級だよね?」
キース 「そうだが、座禅の寺だと、駆け出しの場合…」
シロエ 「正装でも、電車なんですか!?」
キース 「ああ。しかも容赦なく、遠距離でもだ!」

新幹線の始発から終点とかな、と恐ろしい例が。

キース 「身の回りの品も、一式、持って…」
シロエ 「なんです、ソレ?」

旅行用の荷物ですか、とシロエ君の問い。

シロエ 「旅行するなら、要るでしょうけど…」
キース 「違う、生活用品だ! 食器や布団だ!」
一同  「「「ええっ!?」」」
キース 「マジで一式、持つんだが?」

でないと生活出来んからな、と真顔ですけど。
布団まで…?


2024/06/08 (Sat)



☆修行を始めるなら山


雨がシトシトな梅雨のシーズン、生徒会長宅で週末な面々。
キース君が月参りで苦労する季節、未だに自転車な人で…。

シロエ 「生活用品って、なんで布団まで持つんです!」
サム  「山に行くなら、そういう装備だろうけどよ…」
ジョミー「正装で移動だと、行先、普通にお寺だよねえ?」

でなきゃ、何処かの家で法要、とジョミー君。

ジョミー「月参りなら、正装の必要、ない筈だしさ…」
キース 「正解なんだが、行先は山だぞ」
一同  「「「山!?」」」

何故、お坊さんが正装で登山、と誰もが仰天。

サム  「マジかよ、なんで山なんだよ!?」
シロエ 「それも修行の一環ですか?」
キース 「ああ。だからこそ、乗るのが新幹線でも…」

始発から終点まで正装になる、と副住職が繰る数珠レット。

キース 「いいか、寺で修行を始めるためには、まず山だ」
サム  「山伏の間違いじゃねえのかよ?」
キース 「ガチで坊主で、山なんだが?」

俺の家でも山なんだぞ、とキース君、目がマジ。

キース 「サムも忘れているようだがな」
サム  「忘れてねえって、山ってえのは!」
シロエ 「ぼくもです」
スウェナ「一度行ったら忘れないわよ、裏が山なの!」

でもって墓地も裏山だわね、とスウェナちゃん。

スウェナ「お寺なビジュアル、バッチリでしょ!」
キース 「そうだが、周りに山が無くても、山でだな…」
一同  「「「は?」」」

山が無いのに、山だなんて、と一同、キョトン。

シロエ 「何の冗談なんです、ソレ?」
サム  「流行りのシャレか何かかよ?」

坊主限定でバズってるとか…、とサム君の問い。

サム  「山がねえのに、山とか言ったら、正気をよ…」
シロエ 「疑われると思うんですけど、正気ですか?」
キース 「よく考えてみろ、寺を束ねるのは総本山だぞ?」
一同  「「「あっ!」」」
キース 「俺の家だと、乃亜山、元老寺だ!」

裏山なんぞは無関係で、とキッパリと。
そういえば…。


2024/06/09 (Sun)



☆コンパクトな荷物


梅雨のシーズンは雨がシトシト、週末は生徒会長宅が一番。
キース君が月参りで苦労する季節、雨でも自転車なわけで。

シロエ 「もしかしなくても、総本山で修行ですか?」
キース 「座禅の寺だと、総本山もあるし、道場もだが…」

道場と言っても寺になるな、とキース君の解説が。

キース 「正装で行って、入門を願い出るのが、お約束だ」
サム  「あー…。正式な訪問になるわけな…」
シロエ 「途中で着替えて行けそうですけど?」

始発駅から正装しなくても…とシロエ君が傾げる首。

シロエ 「終点で降りて、何処かでですね…」
ジョミー「着替えて行ったら、オッケーなんじゃあ?」
サム  「ネカフェは無くても、何かあるだろ?」

着替えが出来そうなスポットが…、とサム君も。

サム  「そうすりゃ、万事、解決じゃねえか」
キース 「甘いな、生活用品を一式、持って行くんだぞ?」

鉄の掟というヤツだ、と副住職。

キース 「自分の家を出る時点から正装で、と…」
サム  「マジかよ、ソレで布団まで持つのかよ?」
シロエ 「食器もですよね、大荷物ですよ?」

キャリーバッグとか要りますよね、とシロエ君の問い。

シロエ 「めっちゃキツそうなんですけど…!」
サム  「正装で荷物は酷だぜ、うん」
キース 「いや、持って行くのは、量にしたら、だ…」

そのクッションが二つ分も無いな、と副住職が指差すブツ。

キース 「重さにしても、さほどでもないし…」
シロエ 「ちょ、その量で布団とか、無理ですから!」
サム  「枕しか入らねえじゃねえかよ!」
ジョミー「キース、間違えて覚えていない?」

宅配便で送れるとか…、とジョミー君。

ジョミー「でなきゃ、絶対、入りっこないし!」
キース 「それが一式、入る所が恐ろしいんだが…?」
シロエ 「物凄く薄い布団だったりしますか、ソレ…?」
キース 「ぶっちゃけ、少し厚めの布だな」

個人で使う敷布団だし、という話ですけど。
薄すぎでは…?


2024/06/10 (Mon)



☆座布団でも敷布団


雨がシトシトな梅雨のシーズン、生徒会長宅で週末な面々。
キース君が月参りで苦労な季節で、スクーターも不可で…。

シロエ 「その薄さで、敷布団だなんて、無いですよ…」
サム  「座布団の間違いじゃねえのかよ?」
キース 「正確に言えば、座布団になるが…」

あくまで分類上の話だ、とキース君。

キース 「座禅の宗派で使う場合は、敷布団を兼ねる」
一同  「「「は?」」」
キース 「座ったままで寝たりするからな」
サム  「待てよ、そいつはダメなヤツだろ?」

座禅で寝てたら、棒で叩かれるんだぜ、とサム君の指摘。

サム  「敷布団も何も、寝るどころじゃねえよ」
キース 「それは普段の修行の話で、キツイ修行だと…」
ジョミー「寝落ちするのが普通だとか?」
シロエ 「あー、お目こぼしになるわけですね!」

寝落ちするほどキツイんで…、とシロエ君、手をポンと。

シロエ 「つまり、寝落ち用の敷布団ですか!」
キース 「それに近いが、寝落ちではないぞ」
ジョミー「えっと…?」
キース 「修行の間は、横になれない決まりで、だ…」

入門の時にも、いきなり来るぞ、とキース君、目がマジ。

キース 「こちらの部屋でお待ち下さい、と通されて…」
サム  「ずっと座って待ってろってか?」
キース 「三日間ほどな!」
一同  「「「げっ!」」」

その間に使う敷布団か、と誰もがガクブル。

シロエ 「座ったままで寝ないと、どうなるんです?」
キース 「放り出されて終わりだが?」

二度と入れては貰えないぞ、と副住職が繰る数珠レット。

キース 「一種の破門で、それっきりだな」
一同  「「「うわー…」」」

恐ろしすぎる、と愕然とする御一同様。

シロエ 「そんなトコだと、新幹線でも正装ですよね…」
スウェナ「家を出る時からっていうのも、納得だわよ」
サム  「半端ねえよな…」
キース 「そういう例があるからな…」

俺も正装で電車になるぞ、とキース君の嘆き節。
ありそう…。


2024/06/11 (Tue)



☆出世しても無駄


梅雨のシーズンは雨がシトシト、週末は生徒会長宅が一番。
エアコン完備で快適ですけど、キース君は月参りの愚痴で。

キース 「正装で電車に乗って行け、という勢いだし…」
サム  「将来的にも、車は絶望的なのな…」
キース 「親父の目が黒い間は、まず無理だろう」

あまつさえ寿命が長いと来た、とブツブツブツ。

キース 「俺たちと同じで、親父も年を取らないんだぞ?」
シロエ 「取ってくれ、とも言えませんしね…」
キース 「サッサとくたばれ、と同義語だしな…」

確実に命が無いヤツだ、とキース君が竦める肩。

キース 「ついでに、万年、副住職で、便利屋扱いで…」
サム  「地獄だよなあ…」
ジョミー「同情するけど、サポートするのは断るから!」

お坊さんにはならないしね、とジョミー君。

ジョミー「その辺は、サムに頼んでよ!」
サム  「俺はいいけど、キースの乗り物ばかりはよ…」
シロエ 「恐らく、口を出せませんよね…」
キース 「サムが出世して、親父以上の坊主になれば…」

ワンチャンあるが…、とキース君が眺める窓の外の雨。

キース 「俺の場合は、どれほど出世してみても…」
サム  「頭が上がらねえままなのかよ?」
キース 「仏様の教えの基本は、親を敬う所だぞ?」
一同  「「「あー…」」」

そうだったっけ、と誰もが納得。

シロエ 「キース先輩、一生、自転車で月参りですか…」
キース 「いつかは脱却出来る筈だが、当分は…」
スウェナ「同級生が代替わりするまでかしら?」
キース 「真面目に、ソレで来そうでな…」

全員、住職に就任するまで、俺は自転車、と仰ぐ天井。

キース 「最悪、四十年はかかる気がしているんだが…」
シロエ 「ちょ、まだまだ先の話じゃないですか!」
サム  「気の毒すぎて、泣けるよなあ…」
ジョミー「でもさ、どうにもならないし…」
キース 「梅雨の間だけでも、スクーターとか…」

許可が下りればいいんだがな、と溜息ですけど。
期間限定?


2024/06/12 (Wed)



☆安全確保でいこう


雨がシトシトな梅雨のシーズン、生徒会長宅で週末な面々。
キース君が月参りで愚痴ですけれども、スクーターは無理。

シロエ 「期間限定とか、いけるんですか?」
キース 「あの親父だぞ? 許可が出るわけなかろうが!」
ジョミー「じゃあさ、大雨の時だけとかさ…」
サム  「いいんじゃね? 警報級の時はスクーターな!」

機動性が高くて安心だしよ、とサム君、親指をグッと。

サム  「自転車だったら、避けられねえヤツも…」
ジョミー「スピードを上げれば、逃げ切れるって!」
シロエ 「ですね、土砂崩れだとか、そういう自然災害!」

車には敵いませんけれど…、とシロエ君も。

シロエ 「それでいきましょう、安全確保ということで!」
キース 「いや、恐らくは、ヘルメットで…」
一同  「「「は?」」」
キース 「昨今、自転車の場合も、ヘルメットがだ…」

推奨されているわけで…、とキース君の仏頂面。

キース 「安全確保とかを言うなら、まず、被れ、と!」
一同  「「「あー…」」」

そう来るか、と誰もが仰ぐ天井。

シロエ 「安全確保に、ヘルメットは基本ですからね…」
ジョミー「工事現場だと、被ってるしね…」
サム  「そうそう遭わねえ災害よりかは、転倒だよな…」

んじゃ、被るしかねえんじゃあ…、とサム君の言。

サム  「大人しく被って、それからよ…」
ジョミー「大雨の時は、スクーターで、って頼んだら…」
シロエ 「万一があったら、ヤバいですから…」

許可しそうですよ、とシロエ君。

シロエ 「巻き込まれてから、文句は嫌でしょうし…」
サム  「怪我をされたら、親父さんがよ…」

治るまで代わりに月参りだぜ、とサム君の鋭い指摘。

サム  「そうなるよりかは、許可を出すんでねえの?」
キース 「かもしれん。しかしだな…」
シロエ 「何か、問題あるんですか?」
キース 「ヘルメットは、俺が嫌なんだ!」

ヘアスタイルが崩れるからな、と言ってますけど。
えっと…?


2024/06/13 (Thu)



☆髪型が崩れたら


梅雨のシーズンは雨がシトシト、週末は生徒会長宅が一番。
その雨の季節が問題でして、キース君が愚痴るのが月参り。

シロエ 「ヘアスタイルって…。そこが問題ですって?」
サム  「大したことじゃねえだろ、ソレ…」
ジョミー「ササッと撫でたら、元に戻ると思うけど?」

くせ毛じゃないし、とジョミー君が指差す、キース君の頭。

ジョミー「ぼくの髪より、寝ぐせとかには強そうだよ?」
シロエ 「言えてますよね、泊まりで旅行の時だって…」
サム  「寝ぐせのついたトコは、一度も見たことねえぜ」
マツカ 「そうですね。朝から、ドライヤーとかも…」

朝風呂に入った時くらいでは、とマツカ君も。

マツカ 「ヘルメットは、確かに、圧がかかりますし…」
シロエ 「少しは影響あるかもですけど、一瞬でしょう?」
スウェナ「さっき、ジョミーが言ったヤツよね」

撫でつければいいだけじゃないの、とスウェナちゃん。

スウェナ「鏡だったら、スクーターにもついてるし…」
マツカ 「男性用の小さな鏡もありますよ?」

和風のもありそうですけれど…、とマツカ君の相槌が。

マツカ 「気に入らないなら、よろしかったら…」
サム  「おっ、特注かよ?」
マツカ 「ええ。漆塗りでもいいですし…」

お坊さんらしく布張りもいいですよね、と御曹司。

マツカ 「お好みで、家紋も入れられますよ」
サム  「いいじゃねえかよ、頼んじまえよ!」
マツカ 「費用の方は、ぼくのポケットマネーで…」

用立てますから大丈夫です、とマツカ君の太鼓判。

マツカ 「急ぎだったら、明日にでも…」
シロエ 「出来上がりですね、最高ですよ!」

これで安心じゃないですか、とシロエ君の輝く笑顔。

シロエ 「キース先輩、ヘルメットです!」
キース 「いや、問題は、それよりも前で…」
一同  「「「は?」」」
キース 「月参りに行く時は、檀家さんが待機でだな…」

到着前から見てるんだ、と深い溜息ですけど。
待機って…?


2024/06/14 (Fri)



☆待機する檀家さん


雨がシトシトな梅雨のシーズン、生徒会長宅で週末な面々。
キース君が愚痴っているわけでして、雨の月参りは大変で。

シロエ 「到着前から見てるって…。マジですか?」
キース 「ああ。普段もそうだが、雨の日は特に…」

待機に気合いが入ってるぞ、とキース君が竦める肩。

キース 「なにしろ、月参りをして下さる方の登場で…」
サム  「あー…。失礼が無いように、かよ?」
キース 「正解だ。雨だと、傘を持って迎えに出るとか…」

あるあるなんだ、とキース君の深い溜息、再び。

キース 「つまり、いつ、俺が着いてもいいように…」
サム  「家の中から、見ているわけな?」
キース 「そうなるな。俺がヘルメットを被った場合…」
シロエ 「外すトコから、ガッツリ、バレバレですね…」

髪が乱れたのも、直すのも…、とシロエ君。

シロエ 「どんなに変な髪になってても、筒抜けですか…」
キース 「修正前の姿がな!」

だから絶対、被りたくない、とキース君、ブツブツブツ。

キース 「スクーターに乗れるんだったら、被るんだが…」
サム  「自転車なら、強制イベじゃねえしな…」
キース 「道交法が変わって必須になったら、その時は…」

諦めもつくが、今は嫌だ、と副住職が繰る数珠レット。

キース 「それがあるから、安全確保な条件は…」
ジョミー「出したら、逆に詰むヤツだよね…」
サム  「耐え続けるしかねえってか?」
キース 「そのようだ…」

たとえ40年かかろうが…、と覚悟は決めている模様。

キース 「そうは言っても、愚痴の一つも…」
??? 「言いたくなるよね、分かるってば!」

同士発見、とソルジャー(会話表記はAブルー)登場。

Aブルー「ぼくも掃除は大嫌いだから、愚痴だしさ…」
キース 「あんた、何処から湧いたんだ!」
Aブルー「もちろん、ぼくの青の間からだよ!」
キース 「お掃除部隊の愚痴は聞かんぞ!」

嫌なら自分で掃除しやがれ、と怒鳴ってますけど。
正論…。


2024/06/15 (Sat)






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