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シャングリラ学園つれづれ語り

☆感謝すべき日


『いい夫婦の日』の翌日は祝日で勤労感謝の日。
生徒会長に貢ぎまくっている教頭先生に感謝する日だ、とソルジャーが。

Aブルー「一日くらいは感謝したって罰は当たらないと思うんだよ」
ブルー 「ハーレイが勝手にやっているんだ、感謝は不要!」
Aブルー「やらせている、の間違いだろう? 毟ってるくせに」
ブルー 「本当に嫌なら逃げる筈だよ、毟られるのも嬉しい体質なんだ」
Aブルー「マゾっ気があるというわけか…。うん、それは分かる」

チラリとキャプテンを見るソルジャー。

Aブルー「ぼくのハーレイもそういう部分がゼロではないしね」
A船長 「私がですか!?」
Aブルー「違うのかい? ヘタレ生活は長かったよねえ、結婚までの」
キース 「そういや、あんた、散々やらかしていたな。家出とかを」
Aブルー「家出もしたし、薬も使った。でもハーレイは逃げなかったさ」
A船長 「わ、私はあなたを追っていただけで、けしてマゾでは…!」
Aブルー「傍目には立派なマゾっ気だよ、それ」
シロエ 「ですねえ…。絶対に違うとは言い切れない気が」
Aブルー「ね、君たちもそう思うだろ? こっちのハーレイも同類だよ」

だから気の毒になるわけで、とソルジャーは溜息をつきまして。

Aブルー「同じマゾでも報われるのと、そうじゃないのとは雲泥の差だ」
ブルー 「ハーレイはあれが生甲斐だってば!」
Aブルー「君との結婚が夢じゃないか。そのために努力してるのに…」
A船長 「結果が出ないのはお気の毒ですね…」
ブルー 「出す必要は無いんだよ!」
Aブルー「だけど勤労感謝の日があるんだろう? 働きに感謝!」
ブルー 「…感謝しなかったらどうなるわけ?」
Aブルー「えーっと…。ぼくが代わりに労いに行ってあげようかな?」
A船長 「あなたがですか!?」
Aブルー「ボランティアだよ、昔取った杵柄」

花嫁修業をしに行ったしね、とソルジャーはやる気満々です。
教頭先生の家で花嫁修業って、確かにやってましたよね…。

2012/11/16 (Fri)

 

☆感謝を形に


生徒会長にその気が無いなら、自分が代役をすると言うソルジャー。
勤労感謝の日に教頭先生の家に押し掛け、労うつもりでございまして…。

Aブルー「基本は押さえているんだよ。お風呂か食事か訊くんだよね」
ジョミー「それ、お休みの日には意味無いんじゃない?」
スウェナ「そうね、仕事に行かないものね」
キース 「いや、使えないことはない。ジョギングをなさる日もあるし」
マツカ 「ひと汗かいてお帰りになったらシャワーですよね」
Aブルー「了解。それじゃホテルをチェックアウトしたらお邪魔しよう」
A船長 「ま、待って下さい、私は一人で帰るのですか?」
Aブルー「仕方ないだろう、ブルーの代役はぼくしか出来ない」
ブルー 「やらなくていいっ!」
Aブルー「だったら君が感謝するかい?」

ハーレイの家で色々と…、と言われましても…。

ブルー 「…それくらいならパーティーにするよ。ぼくの家でさ」
Aブルー「うーん…。さっきまでなら充分にオッケー出来たんだけどね」
全員  「「「は?」」」
Aブルー「花嫁修業を思い出したら、それじゃダメだという気がしてさ」

感謝の気持ちは大いに形にするべきだ、というのがソルジャーの主張。

Aブルー「ここでパーティーするってだけなら日常だろう?」
キース 「まあ…。教頭先生がゲストということは少ないが…」
サム  「なんだかんだでパーティーするよな、言われてみれば」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ 今もパーティーだしね!」
Aブルー「そこなんだよねえ、特別な日には非日常を演出すべきだよ」

いい夫婦の日もそれなんだから、とソルジャーは胸を張っております。

Aブルー「地球のホテルで過ごすというのが目玉なんだよ、今回の」
A船長 「夜景が素晴らしいホテルだそうです。私も今から楽しみで」
ブルー 「ぼくにホテルへ行けとでも!?」

なんでハーレイとホテルになんか、と生徒会長は顔面蒼白。
いくら感謝でも、一緒にホテルはサービスし過ぎじゃないですかねえ?

2012/11/17 (Sat)

 

☆感謝の表わし方


いい夫婦の日はキャプテンとホテルに泊まるらしいソルジャー。
生徒会長も勤労感謝の日に教頭先生にサービスすべき、との主張でして。

ブルー 「ハーレイとホテルだなんて最悪だよ! 食事ならともかく!」
Aブルー「そしてハーレイに奢らせるんだろ? それじゃ本末転倒だ」
ブルー 「だから最初から行かないってば!」
Aブルー「誰も行けとは言っていないよ、ホテルにはさ」

こっちのハーレイには猫に小判だ、とソルジャーはバッサリ。

Aブルー「君とホテルに行ったところで何も出来ずに轟沈だろ?」
A船長 「随分と奥手でらっしゃいますしね、私の師匠ではありますが」
Aブルー「妄想だけは凄いのになぁ…。いざとなったら鼻血なんだよね」

ホテルに行くだけ無駄というもの、とソルジャー夫妻の意見も一致。

Aブルー「鼻血じゃ全く感謝にならない。食事を奢らせるのも言語道断」
ブルー 「じゃあパーティーでいいじゃないか! ぼくの家で」
Aブルー「それは却下だと言った筈だよ、大切なのは非日常!」
ブルー 「いったい何が言いたいのさ!?」
Aブルー「さっきからの流れで分からないかな、日頃の働きを労うわけ」
ブルー 「だったらパーティーで充分じゃないか!」
Aブルー「ダメダメ、気分は一日花嫁!」
全員  「「「一日花嫁!?」」」
Aブルー「そう、花嫁。食事にしますか、お風呂ですか…ってね」
ブルー 「そ、それ、もしかして、ハーレイの家で……」
Aブルー「決まってるだろう、洗濯なんかも喜ばれそうだ」

紅白縞は手洗いだよね、とソルジャーはニヤニヤ。
花嫁修業をしていた時にキッチリ覚えたみたいです。

ブルー 「せ、洗濯…。ぼくがハーレイの紅白縞を…」
Aブルー「心をこめて手料理もね。あ、一人で行っちゃダメなんだっけ」
ブルー 「知ってるんなら無茶な企画はお断り!」

「生徒会長は教頭先生の家に一人で行ってはいけない」のが決まり。
お約束を盾にした生徒会長、ソルジャー相手に形勢逆転出来ますかねえ?

2012/11/18 (Sun)

 

☆やっぱり手料理


勤労感謝の日に教頭先生の家で生徒会長が一日花嫁、と言うソルジャー。
しかし生徒会長、一人で行ってはいけない決まりがありまして。

ブルー 「ハーレイの家に行けない以上は絶対無理だね、そのプラン」
Aブルー「うーん…。だったらホームパーティーってことで」
ブルー 「ほらね、そっちで決まりじゃないか。それで決定!」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ ぼく、頑張ってお料理する!」
Aブルー「違うよ、ぶるぅ。料理はブルーが作るんだ」
ブルー 「ぶるぅの方が凝った料理でおもてなし出来ると思うけど?」
Aブルー「君でなくっちゃ意味が無い。ねえ、ハーレイ?」
A船長 「ええ、その方が絶対お喜びになりますよ」
ブルー 「分かったよ…。どうせ監視もする気だろ?」
Aブルー「もちろんさ。ついでにゲストで参加しようかな、ハーレイと」
ブルー 「君たちの分まで作るのかい!?」
Aブルー「パーティーは大勢の方が楽しいってば。よろしく頼むよ」
ブルー 「…この際、手抜き料理でいいかな。鍋パーティーとか」
Aブルー「なるほど、コンロと鍋とを持ち込むんだね」
ブルー 「なんだって?」
Aブルー「数が足りないだろ、一人暮らしをしてるんだから」
ブルー 「えっ?」
Aブルー「こっちのハーレイだよ、寂しい独身生活ってね」

確か卓上コンロは一つだけ、とソルジャーは記憶を遡っております。

Aブルー「納戸の中まで見ていないけど、あっても2台じゃないのかな」
ブルー 「ちょっと待った! まさかパーティー会場は…」
Aブルー「ハーレイの家に決まってるだろ? 君が一人でなければOK」
ブルー 「ぼ、ぼくがハーレイの家で料理を…?」
Aブルー「そういうこと。君の手料理、楽しみだなぁ」
A船長 「あなたがキッチンに立たれるだけで感激なさると思いますよ」
ブルー 「……そ、そんな……」
キース 「諦めろ。手が足りないなら俺が手伝ってやってもいいぞ」

逆らったらもっと大変なことに、とキース君。
それは確かに確実かも…?

2012/11/19 (Mon)

 

☆感謝の手料理


ソルジャーの案は教頭先生の家でのホームパーティー。
生徒会長が手料理を振る舞い、教頭先生やゲストをもてなす趣向らしく。

Aブルー「この際、鍋でも手抜きでもいいんだよ。要は手料理!」
ブルー 「分かったよ、作ればいいんだろう!」
Aブルー「よし、決まり! それじゃ早速」
全員  「「「えっ?」」」

青いサイオンが迸りまして、次の瞬間、揃って移動した先は。

ハーレイ「な、なんだ!?」
Aブルー「こんにちは。すまないね、急に大勢でお邪魔して」
ハーレイ「い、いえ…。コーヒーでよろしいですか?」
Aブルー「お気遣いなく。今日は散々だったようだし、その件でね」
ハーレイ「御存知でしたか…。お恥ずかしいです」
Aブルー「何処がだい? 大切な人に全力で貢げるのは素晴らしいよ」

でね、とソルジャーは生徒会長を前に押し出しまして。

Aブルー「たまには君に感謝するように、とブルーを説得したんだけど」
ハーレイ「は?」
Aブルー「勤労感謝の日があるんだって? その日にさ…」

プランを聞いた教頭先生、大感激でございます。
七五三で毟られた事件は頭から綺麗に吹っ飛んだようで。

ハーレイ「そうか、お前が来てくれるのか。楽しみだな」
ブルー 「…不本意ながらね」
ハーレイ「あれこれ言える立場ではないが、そのぅ…肉じゃがとか…」
ブルー 「肉じゃが?」
ハーレイ「い、いや、食べてみたいと思っただけで! 鍋で充分だ!」
ブルー 「…肉じゃがねえ…。作ってほしい手料理の定番だっけ」
ハーレイ「す、すまん…。つい…」

妄想が先走ったらしい教頭先生、耳まで真っ赤。
ソルジャーがクスクス可笑しそうに。

Aブルー「いいパーティーになりそうだね。ぼくも楽しみだよ」
ハーレイ「お越しをお待ちしております。…それにブルーも」
ブルー 「まったく、なんでこんなことになったんだか…」

勤労感謝の日は教頭先生の家で鍋パーティー。
七五三の二次会の締め、次なる企画の前振りになったようですねえ…。

2012/11/20 (Tue)

 

☆まずは買い出し


教頭先生の家で手料理を作らされる羽目になった生徒会長。
ブツブツ文句を言っている間に日は流れまして、いよいよ勤労感謝の日。

ぶるぅ 「かみお~ん♪ みんな、朝早くからありがとう!」
キース 「最初に手伝うと口にしたのは俺だしな。当然のことだ」
ジョミー「それに食べるの、ぼくたちだしね。買い出しくらいは」
ブルー 「悪いね、君たちまで巻き込んじゃって」
サム  「そんなことねえよ、買い物だって楽しそうだぜ」
シロエ 「ですよね、プロが行く卸売市場でしょう?」
スウェナ「普通に行っても売ってくれないイメージだわ」
マツカ 「店によってはそうなんでしょうね」
ブルー 「もちろんさ。だけど、ぶるぅは常連さんだし」

それじゃ行こうか、と反則技の瞬間移動で生徒会長の家から市場へと。

ぶるぅ 「えーっと…。お野菜、お野菜!」
ブルー 「そこの白菜をお願いします。鍋にするんで」
おじさん「え、鍋かい? こいつは鍋にはもったいないよ?」
ぶるぅ 「究極の味噌ちゃんこを作るんだって! 材料も最高なの!」
おじさん「ちゃんこ鍋ねえ…。まあ、たまにそういうのもいいかもな」
ブルー 「すみません、変な注文で…。他にお勧めはありますか?」
おじさん「ネギのいいのが入ってるよ。それから…」

あれもこれも、と選んでもらって野菜を詰めた段ボール多数。
台車に乗っけてキース君たちが押しております。

キース 「しかしアレだな、流石ちゃんこだ」
ジョミー「どの辺が?」
キース 「普通、味噌鍋にジャガイモが入るか?」
シロエ 「言われてみれば……珍しいですね」
キース 「そのジャガイモまで最高級というのがな…」
ブルー 「同じ作るなら美味しくないとね? 次はあっちへ」

建物を移動しまして、今度はお肉。
たかが味噌ちゃんこに霜降り肉とかを買い込んで。

ブルー 「さて、行こうか。ハーレイがお待ちかねだ」

瞬間移動で教頭先生の家の玄関まで。
教頭先生、大感激で扉を開けてお出迎えですよ~!

2012/11/21 (Wed)

 

☆手料理の位置づけ


卸売市場での買い出しを済ませ、教頭先生の家に瞬間移動した御一行様。
待ちかねておられた教頭先生、満面の笑顔でございまして。

ハーレイ「おはよう。まさか本当に来てくれるとはな」
ブルー 「もしかして疑っていたってこと?」
ハーレイ「い、いや、それは…」
ブルー 「気持ちは分からないでもないけどね。でもさ…」

昨日あれこれ持ってきただろ、と生徒会長は申しております。

ブルー 「君の家には卓上コンロが沢山ってわけじゃないからさ」
ぶるぅ 「土鍋も1個しか持ってないよね、一人暮らしだもん!」
ハーレイ「お前たちと一緒に暮らせる日が来たら買い揃えるが…」
ブルー 「ふうん? ぼくやぶるぅと同じ鍋を囲むのは嫌なんだ?」
ハーレイ「違う、そういう話ではなくて!」
ブルー 「分かってるってば、ホームパーティー用に揃えるんだろ?」

そんな日は来ないと思うけど、とクスクス笑う生徒会長。

ブルー 「勤労感謝の手料理で我慢しておくんだね。それが限界」
ハーレイ「す、すまん…」
ブルー 「それじゃ台所を借りるから。たかか鍋でも一仕事なんだ」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ ぼくもお手伝いする!」
キース 「俺も行こう。…お前たちはどうするんだ?」
ジョミー「んーと…。とりあえず見学しに行こうかな?」
サム  「俺も、俺も! 料理するブルーって見ておきたいし!」

生徒会長に惚れているサム君の発言、教頭先生は勘違いしたようで。

ハーレイ「うむ、ブルーは料理も完璧らしい。大いに見学すべきだろう」
ブルー 「ぶるぅほどではないけどね? でも出来る男は料理も必須さ」
ハーレイ「そうなのか?」
ブルー 「でなきゃ女性にモテないよ。手料理を待ってちゃダメなんだ」
ハーレイ「な、なんだって?」
ブルー 「今の時代の流れかな? 男もキッチンに立たなくちゃね」

愛する彼女に振る舞う手料理、と言われて教頭先生は顔面蒼白。
生徒会長の手料理と聞いて喜んでいたのに、時代遅れな男認定ですか…?

2012/11/22 (Thu)

 

☆手料理でピンチ


出来る男は料理も必須、と言われてしまった教頭先生。
手料理を作って貰うよりかは、振る舞う方がポイントが高いそうでして。

ハーレイ「そ、そういう時代になっていたのか…」
ブルー 「まあ、基本は彼女に作って貰うって方なんだけどさ」
キース 「確かに俺の大学時代も料理が出来るヤツはモテてたな」
ブルー 「だよね? 家事を女性に丸投げするのはもう古いんだ」
ハーレイ「私はお前に丸投げなどは…!」
ブルー 「そうかなぁ? お風呂にしますか、食事ですかが夢だろう?」
ハーレイ「…うっ…。それはそうだが…」
ブルー 「君の帰宅時間に合わせて両方の支度をするんだよ?」
シロエ 「思いっ切り家事に縛られますよね…」
ジョミー「残業とかでも待っていなくちゃダメなんだよね?」
スウェナ「そうなんじゃない? 私のママだと先に寝ちゃうけど」
キース 「俺のおふくろは待つタイプだが、坊主の嫁はそんなもんだな」
ブルー 「お寺の世界は古いから…。だけどぼくには合わないや」

ハーレイの夢には付き合いきれない、とバッサリ切り捨てる生徒会長。

ブルー 「というわけでね、感謝の手料理とぼくの気持ちは別件なんだ」
ハーレイ「だったら私も手伝おう。それなら構わないだろう?」
ブルー 「共同作業はお断り! 君と一緒に料理したくないし」
ハーレイ「べ、別にケーキに入刀するわけでは…」
ブルー 「ほら、もう妄想が入ったじゃないか! それが嫌なんだよ」
ハーレイ「し、しかし初めての共同作業と言えばケーキで…」
ブルー 「ウェディングケーキに入刀だって? 今日のは野菜!」

鍋なんだから、と生徒会長は激怒しておりますが。

Aブルー「おやおや…。ハーレイを苛めちゃダメじゃないか」
ブルー 「もう来たわけ!?」
A船長 「おはようございます。チェックアウトは正午なのですが」
Aブルー「こっちの方が面白そうだし、早めに来たのさ」

瞬間移動でゲストが二人。
教頭先生、助け舟を出して貰えるでしょうか?

2012/11/23 (Fri)

 

☆いい夫婦の助け舟


手料理に憧れる教頭先生を時代遅れだと詰った生徒会長。
教頭先生が手伝うと言い出せばブチ切れ、怒っていたのでございますが。

Aブルー「今日は感謝の日なんだろう? 苛めちゃダメだと思うけどね」
ブルー 「ハーレイの態度が悪いんだよ! 妄想全開で突っ走るから!」
ハーレイ「す、すまん…。お前が来てくれたから、つい嬉しくて…」
Aブルー「感激のあまり暴走するのも素敵じゃないか」
A船長 「勢いは大切だと思いますよ。でないと進展しませんし」
ブルー 「そういう話はしてないってば!」
Aブルー「でも、ここは許してあげないと…。感謝が台無し」
ブルー 「そりゃそうだけど…」
Aブルー「分かったんなら手料理開始! えっと、ハーレイは…」
ブルー 「手伝いは無しで! 手伝わせたんじゃ感謝にならない」
Aブルー「そう来たか…。じゃあ、共同作業は諦めるんだね」
ハーレイ「は、はい…。手伝いをしたかったのですが…」

なんとも惜しそうな教頭先生。
とはいえ、助け舟から放り出されても悲しいですし…。

ハーレイ「ブルー、色々すまなかった。料理の方はよろしく頼む」
ブルー 「オッケー、水に流しておくよ。ぼくもブルーが怖いんだ」
Aブルー「何か言ったかい?」
ブルー 「ううん、君は料理に向いてないな、って」
Aブルー「それはもちろん! ぼくは面倒なことは嫌いで」
A船長 「実は私も、ブルーの手料理というのは未だに一度も…」
ハーレイ「そうでしたか。それなら私は充分に幸せ者ですね」
Aブルー「結婚も婚約もしていないのに手料理だしね」
ブルー 「つまり破格のサービスなわけ! 感謝してよ?」
Aブルー「ハーレイが感謝してどうするのさ? 感謝は君だろ」
A船長 「今日は勤労感謝の日だそうですし…」
ブルー 「分かったよ、感謝をこめて料理を作ればいいんだろう!」

いい夫婦なんぞに横から四の五の言われなくても、と生徒会長は溜息。
そう言えば昨日は『いい夫婦の日』で、それが発端でしたっけ…。

2012/11/24 (Sat)

 

☆ちゃんこ鍋の準備


なんだかんだ言いつつ、手料理を作ることになった生徒会長。
手伝いと野次馬なシャン学メンバーやソルジャーを連れて、キッチンへ。

Aブルー「凄い量だね、この野菜…。全部切るわけ?」
ブルー 「丸ごと入れても食べられないだろ? でもその前に出汁だ」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ 大きなお鍋で仕込まないとね!」

コンロの上に据えられたのは「そるじゃぁ・ぶるぅ」愛用の銅鍋。
シチュー用ではなく、昆布出汁やカツオ出汁を使う料理の鍋でして。

ブルー 「ちゃんこ鍋の素なんかは論外なんだよ、こだわらなくちゃ」
キース 「あんた、意外に真面目なんだな」
ブルー 「味にはうるさい方なんだ。昆布もコレって決めてるし」

水を張った鍋に生徒会長が入れた昆布は最高級だそうでございます。
たっぷりと出汁を取り、それから味噌を溶くらしいですが。

ブルー 「ぶるぅ、取り分ける分を忘れないでよ」
ぶるぅ 「うん! こっちのお鍋に移しておくから」
キース 「取り分ける? 出汁が減ってきた時に足す分か?」
ブルー 「それは基本の作業だろう? ぼくが欲しいのは別口だけど」
全員  「「「別口?」」」
ブルー 「そう。えっと、手伝ってくれるのは誰だっけ?」
キース 「俺とシロエと…マツカあたりか」
スウェナ「私もやるわよ、切るだけでしょ?」
ブルー 「じゃあ、そのメンバーでお願いするよ」

買った野菜を鍋用に切って、と生徒会長は指示を出しまして。

ブルー 「見栄えのいいように盛り付けてよね、そこの器に」
キース 「適当に盛るんじゃダメなのか?」
ブルー 「見た目ってヤツも大切なんだよ」
ぶるぅ 「大丈夫、ぼくも手伝うから!」
ブルー 「それじゃ、よろしく。えっと、ジャガイモは…と」
キース 「あんたはジャガイモ係を希望か?」
ブルー 「ジャガイモは鍋に入れるんじゃないよ」
全員  「「「は?」」」

生徒会長こだわりの味の味噌ちゃんこ。
ジャガイモは鍋に入らないとは、いったいどんな使い方を?

2012/11/25 (Sun)

 

☆ジャガイモの出番


教頭先生の家のキッチンで料理を始めた生徒会長。
自分はジャガイモ担当と言いつつ、ジャガイモは鍋には入れないそうで。

キース 「味噌鍋にジャガイモというのは珍しいとは思ったが…」
シロエ 「どうするんですか、おつまみ用にじゃがバタですか?」
ブルー 「じゃがバタに出汁を使うかい? これは肉じゃが!」
ジョミー「に、肉じゃがって…」
Aブルー「まさかハーレイが言ってたヤツ? 手料理の定番とかいう…」
ブルー 「そうだけど?」

リクエストにはお応えしなくっちゃね、と生徒会長はニコニコと。

ブルー 「というわけで、ぼくは肉じゃが担当なわけ」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ それと味噌ちゃんこの仕上げだよね!」
キース 「ちょっと待て! すると霜降り肉を買っていたのは…」
ブルー 「もちろん肉じゃが用だってば。ちゃんこは豚肉!」
ぶるぅ 「えとえと、味噌ちゃんこには豚肉が合うの!」
ブルー 「買い出しの段階で気付かなかったというのがねえ…」
シロエ 「普段から料理をしている面子はいませんからね」
サム  「シロエたちだって合宿の時くらいだもんなあ」
スウェナ「私もたまに手伝うだけだわ」
ブルー 「そんなとこだろうね。まあ、頑張ってよ」

野菜を切るのは簡単だから、と生徒会長はジャガイモを剥きまして。

ブルー 「さて、ニンジンと玉ねぎと…」
Aブルー「簡単そうな料理だねえ? なのに手料理の定番なんだ?」
ブルー 「意外と奥が深いんだよ、これは」
Aブルー「炒めて煮るだけに見えるけど?」
ブルー 「料理が下手だと焦がしてしまうし、味付けも…ね」
ぶるぅ 「うん、お家の数だけレシピがあるかも!」
Aブルー「なるほど、ブルーならではの味に仕上がるのか」

ハーレイが夢を見るわけだ、とソルジャーは納得した様子。

ブルー 「えーっと、後はちゃんこの味を、と」

肉じゃがを仕上げた生徒会長、ちゃんこの味を調えております。
最高級の味噌を溶き入れ、いい味になったようですよ~!

2012/11/26 (Mon)

 

☆鍋を囲む面子


生徒会長の手料理は肉じゃがと究極の味噌ちゃんこ。
大きな銅鍋で仕込んだ味噌ちゃんこ、出来上がったようでございまして。

ブルー 「後は土鍋に分けるだけ…ってね。沢山作ると美味しいんだ」
ぶるぅ 「えとえと、お鍋は此処にあるけど…。どう分けるの?」
ブルー 「みんなで11人だから…。4人用が2つと3人用が1つ」
キース 「流石に教頭先生に一人鍋とは言わんようだな」
ブルー 「それを言ったらブチ殺されるよ、そこのブルーに」
Aブルー「別に殺しはしないけど? ただネチネチと嫌味を言うだけ」
ブルー 「ほらね、ロクでもないだろう? で、ハーレイの鍋には…」
キース 「俺が行こうか? シロエとマツカと」
ブルー 「そうするかい? 柔道部員と顧問で和気あいあいと」
シロエ 「いいですね! じゃあ、土鍋を向こうに運びましょうか」
Aブルー「あれっ、そこのニンニクは使わないわけ?」

皮だけ剥いて置いてあるけど、と言うソルジャー。
生徒会長が買った最高級のニンニクが置きっぱなしになっております。

ブルー 「今回、出番が無いようだから」
Aブルー「なんで?」
ブルー 「ハーレイはキースたちと一緒に鍋だし」
Aブルー「えっ? じゃあ、面子が変わればニンニクとか?」
ブルー 「うん。だけど出番が」
Aブルー「なるほどね…。ニンニクは精力剤なんだ?」
ブルー 「な、なんでそれを!」
Aブルー「気になったから君の思考を読んじゃった。つまり…」

ぼくとハーレイが鍋の面子ならニンニクが、とソルジャーはワクワク。

Aブルー「ハーレイの鍋に行きたがる人は無いと思っていたんだね?」
ブルー 「まあね。そうなったら君たちに押し付けようと」
Aブルー「でもってサービスにニンニクなんだ? それ、乗った!」
全員  「「「は?」」」
Aブルー「ハーレイの鍋にはぼくたちが行くよ」

だからニンニク、という注文にニンニクをすりおろし始めた生徒会長。
皆も手伝ってすぐに終わりましたが、ニンニク鍋って…。

2012/11/27 (Tue)

 

☆鍋と肉じゃが


仕上げに大量のニンニクをすりおろし、味噌ちゃんこ完成でございます。
リビングのテーブルにセットされた卓上コンロに土鍋が置かれて。

ブルー 「どうぞ、ハーレイ。お待ちかねの手料理だよ」
ハーレイ「…私の鍋には来てくれないのか?」
ブルー 「そこは感謝の範疇外! その代わりと言ってはなんだけど」
ハーレイ「は?」
ブルー 「もう一品つけることにしたのさ、御希望のヤツを。ぶるぅ!」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ ブルーが作った肉じゃがだよ!」

肉じゃがを盛り付けたお皿を配って回る「そるじゃぁ・ぶるぅ」。
教頭先生の前には特盛りのをドンッ! と。

ハーレイ「ほ、本当に作ってくれたのか…。ありがとう、ブルー」
ブルー 「どういたしまして。だから鍋メンバーから外れていいよね?」
ハーレイ「う、うむ…。正直、残念なのだが…」
Aブルー「まあまあ、ぼくたちとパァーッとやろうよ」
A船長 「あまり急ぎ過ぎてもいけないかと…。地道な歩みが大切です」
ハーレイ「そうですね…。手料理までは漕ぎ付けましたし」
ブルー 「誰が本気で手料理って言った? 勤労感謝の日だからだよ!」

生徒会長、ブツブツ言いながら教頭先生の鍋にニンニクのすりおろしを。

ハーレイ「…ニンニクか?」
ブルー 「明日も休みだし、かまわないだろ? 温まるよ、これ」
ぶるぅ 「ぼくのお鍋にもニンニクお願い! 美味しくなるし!」
ブルー 「了解。他のみんなは?」
キース 「ぶるぅのお勧めの範囲内で頼む。坊主はニンニク禁止だしな」
ブルー 「オッケー、それじゃ君たちにも」

ニンニクが入った味噌ちゃんこ鍋。
野菜やお肉もブチ込みまして、煮ている間に肉じゃがを賞味。

ハーレイ「美味いな、これは。…まさか作ってくれるとは…」
ブルー 「ちょっとお高くついちゃったけどね」
ハーレイ「材料費か? それくらいなら私が払うぞ、喜んで」

お前の手料理が食べられたのだし、と満面の笑みの教頭先生。
安請け合いしちゃって大丈夫ですか?

2012/11/28 (Wed)

 

☆手料理の代償


生徒会長の手作り肉じゃがに感激なさった教頭先生。
お高くついてしまったという材料費の方、支払うと言っておられますが。

ブルー 「本当に払ってくれるわけ? 喜んで?」
ハーレイ「もちろんだ。美味い手料理を作ってくれたし、そのくらいは」
ブルー 「ありがとう。…実は鍋の費用も嵩んじゃってさ…」
ハーレイ「この鍋か? お前が味付けしてくれたんだな?」
ブルー 「うん。煮えてきたようだけど、口に合うかどうか…」
ハーレイ「どれどれ…」

味噌ちゃんこの具と汁を器に掬った教頭先生、一口食べてみて。

ハーレイ「これも美味いな。店で食べるのとは一味違う」
ブルー 「そりゃあ、ぶるぅの直伝だしね。色々こだわりがあるんだよ」
ハーレイ「隠し味か?」
ブルー 「やっぱり決め手は材料かな。昆布も味噌も大切なんだ」
ハーレイ「それで費用が嵩んだのか。では、美味さに敬意を表さんとな」

いくらだったんだ、と微笑む教頭先生に生徒会長は。

ブルー 「ざっと、これだけ」
ハーレイ「な、なんだこれは!?」
ブルー 「仕入れにかかった費用だよ。ぼくの手間賃は入ってないから」

そこは勤労感謝の日でサービス、と生徒会長はにこやかに。

ブルー 「払えないんなら君の分だけでもOKさ。11で割って」
ハーレイ「い、いや、それは…」
Aブルー「あーあ、結局、甲斐性の問題になっちゃうのか…」
ブルー 「当たり前だろ、ハーレイが自分で言い出したんだし!」
A船長 「しかし、感謝の日だったのでは?」
ブルー 「そこは手料理でチャラになるわけ、ぼくは充分頑張った!」
Aブルー「確かにねえ…。うん、味噌ちゃんこも美味しいよ」
A船長 「身体の芯から温まりますね」
ハーレイ「美味い手料理を食い逃げというのは最低だろうな…」
ブルー 「おや、11で割るんじゃないんだ? 見直したよ」

教頭先生、先日の七五三の痛手も癒えない財布から思い切ってポンと。
勤労感謝の日が泣きますけど、貢ぐのが生甲斐ですもんね!

2012/11/29 (Thu)

 

☆愛が生まれる鍋


肉じゃがと究極の味噌ちゃんこ。食材は全て最高級。
半端ではなかった材料費の方、教頭先生が全額負担ということになり…。

ブルー 「それじゃ改めてハーレイの働きに感謝!」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ ハーレイ、御馳走様!」
ハーレイ「そ、それはブルーに言うべきだろう。作ったのだし…」
ブルー 「ふふ、好きだよ、ハーレイ。全てはぼくへの愛ってね」
ハーレイ「う、うむ…」
ブルー 「どうかした? なんだか顔が赤いけど」
ハーレイ「な、なんでもない。…少し暖房が効きすぎのようだ」
キース 「そうですか? 設定温度は変えてませんが」
シロエ 「鍋ですからねえ、ちょっと高めに感じるかも…」
Aブルー「暖房のせいじゃないと思うな、多分」
一同  「「「えっ?」」」
Aブルー「どうかな、ハーレイ? 暑くないかい?」

ソルジャーが尋ねた相手はキャプテンで。

A船長 「暑いと言うより、何かこう…。ポカポカというか…」
Aブルー「ムンムンでムラムラって感じじゃないかな?」
A船長 「しょ、食事の最中なのですが…」
Aブルー「隠さなくてもいいってば。ニンニクたっぷりの鍋なんだから」
ブルー 「サービスでうんと多めに入れたし、効いてくる頃かと」
A船長 「は? で、では、この鍋にはそういう効果が?」
Aブルー「食べ終わったら帰ってたっぷり楽しもう! いい夫婦の日!」
A船長 「それは昨日で終わりましたが?」
Aブルー「じゃあ、お互い勤労感謝ってことで」

和気あいあいと盛り上がっているソルジャー夫妻。
一方、教頭先生は…。

ハーレイ「ブ、ブルー、私はどうなるのだ?」
ブルー 「さあねえ? 孤独に噴火は慣れているだろ」
ハーレイ「そ、そんな…!」
Aブルー「良かったら、ぼくたちのベッドに混ざるかい?」
ハーレイ「ま、混ざる…」

教頭先生、想像しただけでツツーッと鼻血。
ドターン! と倒れてしまわれたのに、遠慮なく続く鍋パーティー。
とんだ勤労感謝の日ですが、これにて中継終了です~。

2012/11/30 (Fri)



 

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