シャングリラ学園つれづれ語り
☆新年は元老寺で
新年あけましておめでとうございます。元日の元老寺の朝。
シャン学メンバー、まだ庫裏の部屋で爆睡中なわけでして。
ぶるぅ 「かみお~ん♪ あけましておめでとう!」
一同 (((もう朝…?)))
まだ暗いのに元気一杯、廊下を跳ねてゆくお子様の声。
ぶるぅ 「起床、起床ーっ!」
一同 (((…眠いんだけど…)))
此処の年越しはハードなんだ、と愚痴りながらも起床。
シロエ 「おはようございます…。雪、積もってますね」
サム 「修正会の間から、積もり始めてたしよ…」
ジョミー「今年もハードだったよね…」
なんで夜中に法要が…、とジョミー君の深い溜息。
ジョミー「ついでに正座で、椅子席は貰えないしさ…」
キース 「仕方なかろう、俺よりはマシだ」
俺は法要で読経なんだぞ、と法衣のキース君が登場。
キース 「それより急げよ、山門で親父がお待ちかねだ」
一同 「「「あー…」」」
初日の出を拝みに行かないと…、と雪の境内を山門へ。
アドス 「間に合いましたな、横に並んで下さいよ」
イライザ「二礼、二拍手、一礼ですからね」
一同 「「「はいっ!」」」
昇る朝日にパンパン柏手、深々とお辞儀。
アドス 「それでは皆さん、庫裏の方へどうぞ」
イライザ「暖房も入れてありますよ」
お雑煮も出来ておりますわ、とイライザさんが座敷へ案内。
イライザ「まずは新年のご挨拶からですわね」
アドス 「改めまして、新年おめでとうございます」
一同 「「「おめでとうございます!」」」
挨拶の後は、お屠蘇が出まして、それからお雑煮タイム。
イライザ「熱いですから、お気を付けて」
アドス 「おせちも、遠慮なく召し上がって下さい」
和洋中と揃えましたぞ、とアドス和尚。
アドス 「おかわり用もございますしな」
イライザ「いくらでも、好きなだけお取り下さいね」
一同 「「「ありがとうございます!」」」
さあ食べるぞ、と誰もが大歓声。
今年は、どんな一年に…?
2025/01/01 (Wed)
☆最高のチョイス
今年も雪になった元日、元老寺で迎えたシャン学メンバー。
山門で初日を拝んだ後には、庫裏の座敷でおせちタイムで。
ぶるぅ 「おせち、今年もドッサリだね!」
アドス 「評判の店のを揃えましたぞ、如何ですかな?」
ブルー 「うん、最高! イライザさんのチョイス?」
それとも君が選んだわけ、と生徒会長の問い。
ブルー 「和洋中、どれも味もセンスも素晴らしいよね」
ぶるぅ 「盛り付けだって、凝ってるもんね!」
アドス 「どうも、お褒めに与りまして…」
恐れ入ります、とアドス和尚の視線がイライザさんに。
アドス 「この中から頼む、とリストを渡しましてな…」
ブルー 「イライザさんが選んだ、と」
イライザ「そうですの。お気に召しましたかしら?」
ブルー 「もちろんだよ!」
でなきゃ最高とは言わない、と生徒会長、手放しで称賛。
ブルー 「ぶるぅも、大喜びで食べてるしさ」
ぶるぅ 「全種類、制覇するんだも~ん!」
イライザ「良かったですわ。そういえば、皆さんに…」
お尋ねしてもよろしいかしら、とイライザさん。
イライザ「思い出したことがあるんですけれど…」
シロエ 「えっと…? 昨日の除夜の鐘ですか?」
イライザ「いえ、別件になりますわね」
チョイスで思い出しましたの、とイライザさんが傾げる首。
イライザ「クリスマスは、お楽しみになれまして?」
一同 「「「は?」」」
何故にクリスマス、と一同、キョトン。
ジョミー「クリスマスって? そりゃ、楽しかったけど…」
イライザ「やっぱり、大ウケでしたのね!」
選んだ甲斐がありましたわ、とイライザさんの嬉し気な顔。
イライザ「言った通りにして良かったでしょ?」
アドス 「その通りじゃな」
お母さんに感謝しろ、とアドス和尚が見るのはキース君。
アドス 「散々、文句を言っておったが…」
イライザ「喜んで頂いてこそですよ」
一同 「「「???」」」
何の話だ、と全く意味が不明ですけど。
クリスマス…?
2025/01/02 (Thu)
☆見せるべき衣装
今年も元老寺で雪の元日、おせちで賑やかな面々ですけど。
イライザさんのチョイスだそうで、クリスマスの話題な今。
ジョミー「キースに、何かして貰ったっけ?」
サム 「プレゼントを貰えたのは、お子様だけだぜ?」
イライザ「らしいですわね、サンタの役目でしたでしょ?」
衣装も揃えて頂いたとか…、とイライザさんの笑み。
イライザ「せっかくですから、私も衣装を選びましたの」
一同 「「「衣装?」」」
そんなの持って来てたっけ、と誰もが見合わせる顔。
サム 「クリスマスに、法衣は見てねえよな?」
シロエ 「見ていませんよ、サンタの衣装と私服だけです」
スウェナ「もしかして、アレのことじゃない?」
誰も見られなかったヤツ…、とスウェナちゃんが傾げる首。
スウェナ「武闘派のサンタだったとかいう…」
イライザ「ソレですわ。御覧になってらっしゃらないと?」
アドス 「本当ですかな、二枚も買った筈ですが…」
どうして見られなかったんです、とアドス和尚の質問が。
アドス 「せがれが、お見せしなかったと?」
シロエ 「そうなりますね」
イライザ「なんですって!?」
舶来モノのTシャツなのに…、とイライザさんが顰める顔。
イライザ「わざわざ取り寄せましたのよ?」
アドス 「送料も、しっかりかかりましたな…」
航空便を使いましたし、とアドス和尚も苦い顔付き。
アドス 「どなたも、御覧になれなかったので?」
ぶるぅ 「そだね、ぼくとブルーは、後になってから…」
ブルー 「洗濯物を覗き見させて貰ったんだけど…」
他のみんなは見てはいないよ、生徒会長。
ブルー 「その話も、昨日、したばかりでさ…」
ぶるぅ 「みんな、初耳だったよね…」
Tシャツの模様、と家事万能なお子様も証言。
ぶるぅ 「でもでも、見せる約束だったの?」
アドス 「約束とまでは申しませんが…」
イライザ「心得事ですわね…」
誂えた服を披露するのは、と口を揃えてますけど。
心得事…。
2025/01/03 (Fri)
☆見せなかった理由
雪の元老寺で元日ですけど、おせちタイムに出て来た話題。
クリスマスパーティーの日の、キース君のTシャツでして。
アドス 「せがれが自分で買った服なら、自己満足で…」
イライザ「着ないまま仕舞い込んでも、いいんですけど…」
コレクションの一つに過ぎませんし、とイライザさん。
イライザ「あのTシャツは、違いますでしょ?」
アドス 「ワシらが、クリスマスパーティー用に選んで…」
取り寄せた品になりますからな、とアドス和尚の眉間に皺。
アドス 「皆様に、お目にかけてこそでして…」
イライザ「盛り上がって頂くために、誂えましたのに…」
どうして披露しなかったんです、とキース君に厳しい視線。
イライザ「お父さんの好意を無にするなんて…」
アドス 「父ならマシじゃが、ワシの場合は師僧じゃぞ?」
師僧を何だと思ってるんじゃ、とアドス和尚も。
アドス 「馬鹿にしておるのか、お前は!」
キース 「いや、そうでは…!」
イライザ「だったら、どうして見せなかったの?」
キース 「そ、それは…」
言葉に詰まったキース君、冷汗ダラダラ。
アドス 「ワシらには言えん事情がある、と?」
イライザ「お師僧様に隠し事とか、有り得ませんわよ?」
キース 「そういうわけじゃないんだが…!」
後々まで尾を引きそうで…、とキース君が竦める首。
キース 「一生、笑いの種になりそうだったし…」
アドス 「…皆さん、そういう理由ですかな?」
せがれの苦しい言い訳では…、とアドス和尚の質問が。
アドス 「ウケを取れれば、一生モノのネタですぞ」
イライザ「持ちネタに出来て、最高ですのに…」
笑いの種なら本望でしょう、とイライザさんも不満そう。
イライザ「何処が駄目だと言うんです?」
キース 「普通だったら、そうかもしれないんだが…!」
アドス 「では、何じゃと?」
キース 「一生の時間が、半端ない長さなんだぞ…!」
現に未だに高校生で…、と叫んでますけど。
それは確かに…。
2025/01/04 (Sat)
☆耐え抜いた地獄
今年も元老寺で元日なシャン学メンバー、雪が積もった外。
庫裏の座敷は暖かいのに、おせちタイムにキース君が冷汗。
シロエ 「一生モノで引き摺るよりは、ってことですよ…」
ジョミー「そうなる気持ちは、理解出来るよね…」
サム 「だよなあ、今まで気付いてなかったけどよ…」
一生モノの時間が長すぎだぜ、とサム君、うんうん、と。
サム 「耐えまくってたのも、納得ってモンで…」
シロエ 「キース先輩の立場だったら、ぼくだって…」
暖房地獄も、酷寒地獄も、耐えますしね、とシロエ君も。
シロエ 「キース先輩、お疲れ様でした…」
ジョミー「ホント、そうだよ…」
サム 「仕方ねえよな、あの場合はよ…」
スウェナ「他に方法、無かったものね…」
見られないように隠し通すには…、とスウェナちゃん。
スウェナ「脱いでしまったら、おしまいだったし…」
アドス 「失礼、話が全く見えんのですが…」
イライザ「私もですわ、暖房地獄に酷寒地獄とか…」
それはどういう地獄ですの、とイライザさんの問い。
イライザ「もちろん、本物の地獄だったら、両方が…」
アドス 「揃っていますな、しかし、せがれは…」
地獄巡りが出来る器では…、とアドス和尚の不審そうな顔。
アドス 「よほど修行を積まない限りは、不可能でして…」
イライザ「愚息が行けるとは、思えませんのよ…」
銀青様なら分かりますけど、とイライザさんも相槌。
イライザ「現世の地獄のお話でしょう?」
アドス 「サウナにでも、入りましたかな?」
いや、サウナなら、脱ぐでしょうから…、とアドス和尚。
アドス 「我慢大会を開催でしたか?」
イライザ「余興だったら、ありそうですわね…」
意地でも脱がずに優勝ですの、とイライザさんが傾げる首。
イライザ「その後、外で寒さ我慢でしたのかしら?」
アドス 「耐える理由が無いと思うぞ」
イライザ「そうでした…」
寒さだったら着込みますわね、と言ってますけど。
我慢大会…。
2025/01/05 (Sun)
☆素行に問題アリ
雪の元老寺で元日ですけど、話題がクリスマスという状態。
おせちタイムに問題になった、キース君のサンタTシャツ。
アドス 「酷寒地獄に耐えた方のも、我慢大会ですかな?」
シロエ 「いえ、アレを我慢大会と呼ぶんでしたら…」
参加者はキース先輩だけで…、とシロエ君が始めた説明。
シロエ 「暖房地獄は、キース先輩がグッと我慢で…」
アドス 「他の皆さんは、違ったと?」
シロエ 「脱いでしまえば、快適でしたね」
サム 「半袖1枚でいけそうなほどだったけどよ」
脱げないキースには地獄だよな、とサム君の補足。
サム 「脱いだら、どうにもならねえし…」
ジョミー「Tシャツを見たい人が揃ってたしね…」
アドス 「なるほど、自業自得でしたか…」
イライザ「脱げばいいのに、隠してましたのね…」
酷寒地獄はどうでしたの、とイライザさんも興味津々。
イライザ「キースが一人で、我慢大会だったんでしょう?」
アドス 「追い出されたような気がするんじゃが…」
シロエ 「自発的に出て行った結果ですよ」
あの日も酷い雪でしたから…、とシロエ君の苦笑。
シロエ 「積もってる中で、吹きっさらしの屋上でした」
アドス 「それは確かに寒そうですな…」
ジョミー「貼るカイロだけでは、キツかったと思うよ」
部屋では暖房地獄だったけどね、とジョミー君。
ジョミー「全身、貼るカイロを装備だったしさ…」
アドス 「ゴージャスですなあ、何故、そうなったと?」
シロエ 「日頃の行いというヤツでしょうか…」
イライザ「あらまあ、素行に問題アリですの?」
いけませんわね、とイライザさんの視線がアドス和尚に。
イライザ「罰礼コースで如何かしら?」
アドス 「そうしたいんじゃが、元日じゃしな…」
イライザ「檀家さんがお見えになる日でしたわね…」
アドス 「初詣に来て下さる前で、罰礼は見苦しいわい」
イライザ「そうでしたわ…」
他には何があるかしら、と考え込んでますけど。
罰を下すと…?
2025/01/06 (Mon)
☆戻せない時間
今年も雪の元老寺で元日、何故か話題がクリスマスな面々。
サンタ役だったキース君のTシャツ、誂えたとの話でして。
イライザ「宿坊の方を手伝わせたら、初詣が駄目ですし…」
アドス 「副住職が不在では、檀家さんに申し訳ないぞ」
しかし時間が迫っておるな、とアドス和尚の目が時計に。
アドス 「サム殿とジョミー殿は、今年も来て頂いて…」
イライザ「よろしくお願い致しますわね」
サム 「いつものことだし、気にしてねえよ」
ジョミー「ぼくは嫌だけど、気になる件なら、上にはさ…」
上があるよね、とジョミー君が指差す天井。
ジョミー「キースのTシャツ、見たかったわけで…」
シロエ 「ぼくもですけど、もう過ぎた話ですからね…」
なにしろ年が変わりましたし…、とシロエ君の深い溜息。
シロエ 「話題だけなら、クリスマスの話でも…」
サム 「戻れちまうけどよ…」
ジョミー「時間は戻ってくれないよね…」
タイムマシンも持ってないしさ…、とジョミー君も。
ジョミー「武闘派のサンタって、どんなのだったか…」
スウェナ「また気になって来ちゃったわよね…」
除夜の鐘でも消せなかったわ、とスウェナちゃんの苦笑。
スウェナ「ホントに惜しくて、見てみたいのに…」
サム 「キースのことだし、捨てたかもなあ…」
シロエ 「その線は無いと思いますよ?」
洗濯して干してあったのなら…、とシロエ君の冷静な分析。
シロエ 「イライザさんが保管していそうです」
ジョミー「ソレ、ありそう!」
サム 「キースには渡してねえってか?」
キースの私物じゃねえもんな、とサム君、手をポンと。
サム 「勝手に処分出来ねえ仕様で、今も何処かに…」
アドス 「当たっていますな、何処に仕舞ったんじゃ?」
イライザ「衣装ケースですけど、どうかしましたの?」
アドス 「罰礼の代わりに、披露はどうかと…」
イライザ「ナイスですわ!」
直ぐにでも出して来られましてよ、と笑顔ですけど。
披露すると…?
2025/01/07 (Tue)
☆罰礼の代わりに
雪の元老寺で迎えた元日、おせちタイムにクリスマスの話。
キース君が隠し通したTシャツ、イライザさんのチョイス。
アドス 「今は要らんぞ、初詣の方を急がんと…」
イライザ「そうでしたわね、夜でよろしいかしら?」
アドス 「うむ。皆さん、今日もお泊まりじゃしな」
初詣の間に出しておいてくれ、とアドス和尚の注文が。
アドス 「夕食の席で披露させれば、お喜びになるぞ」
イライザ「承知しましたわ、キースも分かってるわね?」
今夜の披露は逃がさないわよ、とイライザさんの睨み。
イライザ「逃げた場合は、罰礼、幾つになるかしら?」
アドス 「三千回で良かろう、それを三日間ということで」
キース 「…うっ…」
既に青かったキース君の顔色、血の気が引いて真っ白な今。
アドス 「いいか、罰礼三千回を三日間じゃぞ?」
イライザ「それが嫌なら、皆さんにお見せしなさいね」
出しておきます、とイライザさんのダメ押し。
イライザ「お部屋の方に置いておくから、初詣の後に…」
アドス 「夕食の前に着替えるんじゃな」
キース 「……はい……」
分かりました、とキース君、悲壮な顔付き。
キース 「もしかして、上着は不可ですか?」
イライザ「当たり前でしょう、Tシャツだけです!」
アドス 「上はそうじゃな、ズボンは履いて貰わんと…」
パンツ一丁のサンタはいかん、とアドス和尚。
アドス 「南国だったら、それもアリなんじゃが…」
イライザ「地球の裏側の国だと、夏でしたわね」
シロエ 「知ってます! サーフィンをするサンタとか…」
サム 「いるらしいよな、暑いしよ…」
サーフィンなんだし、短パンとかな、とサム君も。
サム 「けどよ、こっちは冬の最中で、雪景色でよ…」
シロエ 「Tシャツを着るにも、暖房は必須ですし…」
アドス 「その話、使えそうですな…」
一同 「「「は?」」」
アドス 「罰礼の代わりですぞ?」
ネタを極めてこそなのでは、と言ってますけど。
えっと…?
2025/01/08 (Wed)
☆元日でもサンタ
今年も元老寺で迎えた元日、おせちタイムは雪景色でして。
其処で出て来たクリスマスの話、キース君のTシャツの件。
シロエ 「ネタというのは、Tシャツですよね?」
アドス 「そういうことになりますな」
サム 「極めるってえのは、何なんだよ?」
アドス 「せっかくの、サンタTシャツですぞ」
南国のサンタで閃きましてな…、とアドス和尚、楽しそう。
アドス 「もうクリスマスは終わりましたが、南国風は…」
ジョミー「終わってないとか?」
アドス 「まだの所が、もしかしたなら…」
存在するかもしれませんぞ、と指差す壁のカレンダー。
アドス 「キリスト教にも、色々あると聞きますし…」
ブルー 「正教会のことを言ってるのかな?」
アドス 「流石は銀青様、よくご存じで」
一同 「「「正教会?」」」
なんだソレは、と一同、キョトン。
シロエ 「えっと…? 宗派の一つでしたっけ?」
アドス 「そうなのですが、暦が違うそうでして…」
一同 「「「暦?」」」
ブルー 「太陽暦より、ちょっと遅いんだよ」
13日間だったかな、と生徒会長が顎に当てる手。
ブルー 「夏のクリスマスが、これから来るわけで…」
アドス 「ソレを使えば、せがれも無事にサンタを…」
勤め上げられる勘定ですな、とアドス和尚、うんうん、と。
アドス 「実際、あるかは、置いておきまして…」
ブルー 「クリスマスをやり直すわけだね、いいと思うよ」
イライザ「あらまあ、それじゃ今夜は、お料理の方も…」
クリスマス風に変更ですわね、とイライザさん。
イライザ「ローストチキンでよろしいかしら?」
一同 「「「イイネ!」」」
元日の夜にクリスマス、と誰もが歓声。
シロエ 「最高ですよ、クリスマスが二回も!」
サム 「会場が寺でも、気にしねえよな!」
アドス 「南国風にやるわけですから、当然、サンタも…」
イライザ「夏服ですわよ」
でも、短パンがあったかしら、と首を傾げてますけど。
短パン…。
2025/01/09 (Thu)
☆取り寄せは不可
雪の元老寺で迎えた元日、夜にクリスマスをやり直すとか。
暦が違う宗派の場合は、これからというのが根拠だそうで。
キース 「俺は、短パンは履かん主義だぞ!」
シロエ 「確かに、見たこと無いですね」
サム 「似合わねえ自覚ってヤツが、あるんでねえの?」
ジョミー「だよねえ、キースは硬派だしさ…」
履くわけないよね、とジョミー君。
ジョミー「持ってないものは、履けないし…」
マツカ 「取り寄せは出来ると思いますけど…」
夜までには、とマツカ君、控えめに申し出。
マツカ 「よろしかったら、お申し付け頂ければ…」
アドス 「有難いお言葉なのですが…」
なにしろ罰でございますので…、とアドス和尚、合掌。
アドス 「お取り寄せは却下になりますな」
イライザ「似合いそうな短パンなんて、贅沢ですもの」
要りませんわ、とイライザさんも。
イライザ「代わりの品が似合いですわよ」
アドス 「まったくじゃ。水泳用ので充分じゃわい」
どうせ南国のサンタなんじゃからな、とアドス和尚。
アドス 「サーフィンするには、ピッタリじゃぞ」
イライザ「スノボもいけそうな感じですわね」
いい具合に雪が積もってますし…、とイライザさんの笑み。
イライザ「駐車場の辺りでしたら、出来ますわよ」
アドス 「楽しそうじゃが、雪じゃしな…」
見物する方も寒いわけで…、とアドス和尚は反対の立場。
アドス 「庫裏から出るのは、遠慮したいわい…」
イライザ「言われてみれば、そうですわね…」
それにキースは素人ですし…、とイライザさんも。
イライザ「転ぶだけなの、見えていますわ…」
アドス 「技の一つも、出さん内にな」
パーティーに出るくらいしか出来んわい、と断言する人。
アドス 「キース、分かったな? ズボンは不可じゃ」
イライザ「海パンになさい」
キース 「なんで、そうなる!?」
アドス 「言った筈じゃぞ?」
罰の代わりになるんじゃしな、とキッパリと。
海パンでサンタ…。
2025/01/10 (Fri)
☆二枚とも披露で
雪の元日な元老寺ですけど、夜にクリスマスをやる方向へ。
しかも南国風のサンタで、キース君はTシャツに海パンで。
アドス 「Tシャツの柄は、どちらがいいかのう?」
イライザ「ボクサーでしょうねえ、海パンなんですもの」
機関銃では悪趣味になってしまいますわ、とイライザさん。
イライザ「ボクサーでしたら、短パンですし…」
アドス 「そうじゃな、機関銃は浮いてしまうわい」
ボクサー柄にしておけ、とアドス和尚、キース君に指示。
アドス 「でもって、機関銃の方もじゃな…」
イライザ「着替えるんですの?」
アドス 「いや、ボクサーのガウン代わりに…」
肩に羽織ってくればよかろう、と強烈な台詞。
アドス 「両肩には、サイズ的に無理があるんじゃが…」
イライザ「片方だけに羽織ればオッケーですわね」
アドス 「試合の時には、脱ぐんじゃしな」
颯爽と登場するべきじゃ、とTシャツ両方ともに出番が。
アドス 「会場入りには、BGMも欲しいトコじゃが…」
イライザ「ジングルベルでよろしいでしょ?」
サンタな時点で、お寺の行事を超えてますわよ、との意見。
イライザ「クリスマスソングくらい、気にしなくても…」
アドス 「そうじゃな、ジングルベルでいいじゃろう」
これで話は決まったわい、とアドス和尚の楽しそうな顔。
アドス 「では、初詣の方に行くとするかな」
キース 「待ってくれ、親父!」
アドス 「お前も早く支度してこい」
サム殿とジョミー殿も、お着替え下さい、と初詣モード。
アドス 「じきに檀家さんがおいでになりますぞ」
キース 「その前に、一つ聞きたいんだが!」
アドス 「何を聞くんじゃ?」
初詣のことなら知っておろう、とアドス和尚。
アドス 「檀家さんをお迎えして、新年のご挨拶を…」
キース 「親父、サングラスは許されるのか!?」
アドス 「初詣の席に出るのに、サングラスじゃと!?」
愚か者めが、と頭から湯気を立ててますけど。
当然ですよね…?
2025/01/11 (Sat)
☆サングラスは不可
今年も雪の元老寺で元日な面々、夜は二度目のクリスマス。
暦が違う宗派の場合は、これからなわけで、サンタが再び。
アドス 「不心得にも程があるわい、何を考えておる!?」
キース 「違うんだ、俺が言うのは、初詣じゃなくて…」
夜の方だ、とキース君の言い訳が。
キース 「南国のサンタなんだし、サングラスでも…」
アドス 「却下じゃ、却下!」
本場のサンタじゃないんじゃしな、とアドス和尚、一喝。
アドス 「顔が隠れるアイテムはいかん!」
イライザ「サングラスのサンタは、許しません!」
ちゃんと顔見せしなさいね、とイライザさんもダメ押し。
イライザ「でないと罰の意味が無いでしょ?」
アドス 「まったくじゃ。いいな、Tシャツに海パンで…」
ジングルベルで登場するんじゃぞ、と下った命令。
アドス 「機関銃なTシャツは、肩にかけて来い!」
イライザ「お部屋に揃えておきますからね」
初詣の方に行ってらっしゃい、とイライザさんが指す廊下。
イライザ「サムさんとジョミーさんも、お願いしますわ」
サム 「よーし、今年も頑張るぜ!」
ジョミー「やりたくないけど、夜はクリスマスだし…」
いつもよりかは頑張れそう、とジョミー君、親指をグッと。
ジョミー「キースのサンタが、バージョンアップで…」
サム 「登場となれば、お楽しみもよ…」
ジョミー「うんと増えるし、頑張って来る!」
それじゃ、と僧籍な面子とキース君は、本堂の初詣へ。
シロエ 「行っちゃいましたね、毎年ですけど」
マツカ 「でも、例年よりもマシそうです」
疲労困憊にはなりませんよ、とマツカ君の穏やかな笑み。
マツカ 「疲れてる場合じゃないですし…」
ぶるぅ 「そだね、パーティーあるもんね!」
きっと元気に戻って来るよ、と家事万能なお子様も。
ぶるぅ 「クリスマス用のお料理、手伝って来る!」
一同 「「「イイネ!」」」
夜が楽しみ、と盛り上がってますけど。
キース君、ピンチ…。
2025/01/12 (Sun)
☆作務衣で下っ端
雪の元老寺で元日ですけど、僧籍な面子は本堂でお仕事が。
檀家さんの初詣でして、サム君とジョミー君もお手伝いで。
シロエ 「ジョミー先輩、今年も下足番でしょうね…」
スウェナ「そうでしょ、サムと違って、いい加減だし…」
子供さんにお菓子を渡す役目は無理、とスウェナちゃん。
スウェナ「作法までは決まっていないと思うんだけど…」
シロエ 「法衣の裾の捌き方とか、ありそうですし…」
マツカ 「どちらかと言えば、袂でしょうね」
タスキ掛けとはいきませんから…、とマツカ君が傾げる首。
マツカ 「アドス和尚は、見栄えにうるさい筈です」
ブルー 「それで正解、ジョミーは下足番をやってるよ」
檀家さんの靴を揃えたりして、と生徒会長が指す本堂の方。
ブルー 「しかも作務衣で、袂も裾も無関係でさ…」
一同 「「「あー…」」」
下っ端という扱いなのか、と誰もが納得。
シロエ 「もしかして、使い走りもやらされてますか?」
ブルー 「そうだね、お茶を出すのは、サムなんだけど…」
お湯の支度はジョミーだよね、と生徒会長、可笑しそう。
ブルー 「ついでに、湯呑を洗うのも、ジョミーの役目!」
シロエ 「下足番と両方ですか!?」
マツカ 「どちらか、手薄になりませんか?」
本堂の外と中ですから…、とマツカ君の問い。
マツカ 「まさか、ダッシュで往復でしょうか…?」
ブルー 「ピンポーン!」
靴を揃えたら、裏に回って…、と生徒会長、クスクス笑い。
ブルー 「檀家さんの前では、走れないしね」
シロエ 「裏から入って、台所の方で洗い物なんですね…」
マツカ 「かなりハードな職場ですよね…」
ブルー 「仕方ないよね、所作が全く出来てないから」
下っ端で使い走りしか…、と生徒会長、バッサリ。
ブルー 「その分、夜に期待してるよ」
シロエ 「例年以上に、ということですか…」
スウェナ「キースは、逆だと思うわよ…」
夜は来るなと思っていそう、と言ってますけど。
多分…。
2025/01/13 (Mon)
☆元日から不運な人
雪が積もった元老寺で元日、夜はクリスマスをやるそうで。
僧籍な面子は、その前に本堂で、檀家さんの初詣のお仕事。
シロエ 「キース先輩、夜は見世物で確定ですしね…」
マツカ 「罰の代わりじゃ、逃げられませんし…」
お気の毒です…、とマツカ君が眺める本堂の方角。
マツカ 「スノボが無いだけ、マシでしょうけど…」
スウェナ「その点だけは、命拾いしたわね」
シロエ 「少しは運があるようですよ」
それとも運が向いて来たとか…、とシロエ君の説。
シロエ 「今年の厄は、今日のサンタで終わるかもです」
スウェナ「ソレは無いでしょ、キースなんだし」
マツカ 「気の毒だとは思いますけど、ぼくも同意で…」
むしろ不運な年になりそうな気が…、とマツカ君の意見。
マツカ 「元日早々、自分限定で厄を呼び込む展開で…」
一同 「「「あー…」」」
それはそうかも、と説得力が凄すぎる件。
シロエ 「例年以上に、不運な年を迎えましたか…」
マツカ 「無いとは言い切れないでしょう?」
スウェナ「ありそうすぎて、何も言えないわね…」
ちょっと期待をしてしまうけど…、とスウェナちゃん。
スウェナ「キース限定で厄な分には、無害なんだし…」
ブルー 「見てる分には、何も問題無いよね」
今夜も、うんと楽しまないと…、と生徒会長、笑顔全開。
ブルー 「キースは泣きたい気分だろうけど」
シロエ 「逃げたら、後がありませんしね…」
マツカ 「そうなるでしょうね、髪にお別れは確実かと…」
最上級の罰はソレなのでは、とマツカ君の怖すぎる指摘。
マツカ 「アドス和尚は、坊主頭をお望みですから…」
ブルー 「有無を言わさず丸坊主だよ、うん」
キースも百も承知してるし…、と生徒会長も。
ブルー 「海パンでサンタ、やり遂げるしかないってね!」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ 夜のお料理、仕込み完了!」
一同 「「「イイネ!」」」
夜になるのを待つだけだ、と盛り上がる座敷。
楽しみですよね!
2025/01/14 (Tue)
☆元日にクリスマス
雪の元老寺で迎えた元日、檀家さんの初詣が終わった夕方。
僧籍な面子が座敷に戻ったものの、キース君だけ不在な今。
ジョミー「やっと終わった! 寒かったよ…」
サム 「この雪で、外はキツイよなあ…」
作務衣じゃコートも着られねえし、とサム君の苦笑。
サム 「でもよ、これからパーティーだしよ」
ジョミー「うん、だから今年は頑張った!」
外されちゃったら泣けるしさ…、とジョミー君が竦める肩。
ジョミー「キースは今頃、泣いてそうだけど…」
シロエ 「でしょうね、サンタな時間ですから…」
自業自得とも言いますけれど、とシロエ君。
シロエ 「Tシャツを隠し通したばかりに、この有様で…」
ジョミー「泣くに泣けない状態かもね…」
アドス 「皆さん、揃っておられますかな?」
料理を運ばせてよろしいか、とアドス和尚が座敷に。
アドス 「せがれも、準備が出来る頃かと」
イライザ「出来てますわよ、きちんとチェックしましたわ」
南国風のサンタですの、とイライザさんも来て報告。
イライザ「お料理、すぐに運びますわね」
一同 「「「やったーっ!」」」
元日の夜にクリスマス、と皆が歓声、並べられる料理。
ジョミー「凄い、ホントにクリスマスだ!」
シロエ 「今のシーズンに、こんな食材、あるんですね…」
イライザ「しかも、お値段、破格でしたの」
底値らしくて、とイライザさんの笑顔。
イライザ「クリスマスは済んだばかりで、お正月ですし…」
ぶるぅ 「食材、出番が無い時期だもん!」
サム 「あー…。キースのサンタが時期外れなだけな…」
シロエ 「国によっては、これからですけどね…」
此処では済んだわけですし…、とシロエ君。
シロエ 「仕切り直すの、ぼくたちくらいですよ」
アドス 「今夜は楽しんで頂けますぞ」
イライザ「お料理、並べ終わりましたし、始めましょうね」
アドス 「BGMスタートじゃ!」
庫裏に大音量で響き渡る、ジングルベル。
パーティー開幕!
2025/01/15 (Wed)
新年あけましておめでとうございます。元日の元老寺の朝。
シャン学メンバー、まだ庫裏の部屋で爆睡中なわけでして。
ぶるぅ 「かみお~ん♪ あけましておめでとう!」
一同 (((もう朝…?)))
まだ暗いのに元気一杯、廊下を跳ねてゆくお子様の声。
ぶるぅ 「起床、起床ーっ!」
一同 (((…眠いんだけど…)))
此処の年越しはハードなんだ、と愚痴りながらも起床。
シロエ 「おはようございます…。雪、積もってますね」
サム 「修正会の間から、積もり始めてたしよ…」
ジョミー「今年もハードだったよね…」
なんで夜中に法要が…、とジョミー君の深い溜息。
ジョミー「ついでに正座で、椅子席は貰えないしさ…」
キース 「仕方なかろう、俺よりはマシだ」
俺は法要で読経なんだぞ、と法衣のキース君が登場。
キース 「それより急げよ、山門で親父がお待ちかねだ」
一同 「「「あー…」」」
初日の出を拝みに行かないと…、と雪の境内を山門へ。
アドス 「間に合いましたな、横に並んで下さいよ」
イライザ「二礼、二拍手、一礼ですからね」
一同 「「「はいっ!」」」
昇る朝日にパンパン柏手、深々とお辞儀。
アドス 「それでは皆さん、庫裏の方へどうぞ」
イライザ「暖房も入れてありますよ」
お雑煮も出来ておりますわ、とイライザさんが座敷へ案内。
イライザ「まずは新年のご挨拶からですわね」
アドス 「改めまして、新年おめでとうございます」
一同 「「「おめでとうございます!」」」
挨拶の後は、お屠蘇が出まして、それからお雑煮タイム。
イライザ「熱いですから、お気を付けて」
アドス 「おせちも、遠慮なく召し上がって下さい」
和洋中と揃えましたぞ、とアドス和尚。
アドス 「おかわり用もございますしな」
イライザ「いくらでも、好きなだけお取り下さいね」
一同 「「「ありがとうございます!」」」
さあ食べるぞ、と誰もが大歓声。
今年は、どんな一年に…?
2025/01/01 (Wed)
☆最高のチョイス
今年も雪になった元日、元老寺で迎えたシャン学メンバー。
山門で初日を拝んだ後には、庫裏の座敷でおせちタイムで。
ぶるぅ 「おせち、今年もドッサリだね!」
アドス 「評判の店のを揃えましたぞ、如何ですかな?」
ブルー 「うん、最高! イライザさんのチョイス?」
それとも君が選んだわけ、と生徒会長の問い。
ブルー 「和洋中、どれも味もセンスも素晴らしいよね」
ぶるぅ 「盛り付けだって、凝ってるもんね!」
アドス 「どうも、お褒めに与りまして…」
恐れ入ります、とアドス和尚の視線がイライザさんに。
アドス 「この中から頼む、とリストを渡しましてな…」
ブルー 「イライザさんが選んだ、と」
イライザ「そうですの。お気に召しましたかしら?」
ブルー 「もちろんだよ!」
でなきゃ最高とは言わない、と生徒会長、手放しで称賛。
ブルー 「ぶるぅも、大喜びで食べてるしさ」
ぶるぅ 「全種類、制覇するんだも~ん!」
イライザ「良かったですわ。そういえば、皆さんに…」
お尋ねしてもよろしいかしら、とイライザさん。
イライザ「思い出したことがあるんですけれど…」
シロエ 「えっと…? 昨日の除夜の鐘ですか?」
イライザ「いえ、別件になりますわね」
チョイスで思い出しましたの、とイライザさんが傾げる首。
イライザ「クリスマスは、お楽しみになれまして?」
一同 「「「は?」」」
何故にクリスマス、と一同、キョトン。
ジョミー「クリスマスって? そりゃ、楽しかったけど…」
イライザ「やっぱり、大ウケでしたのね!」
選んだ甲斐がありましたわ、とイライザさんの嬉し気な顔。
イライザ「言った通りにして良かったでしょ?」
アドス 「その通りじゃな」
お母さんに感謝しろ、とアドス和尚が見るのはキース君。
アドス 「散々、文句を言っておったが…」
イライザ「喜んで頂いてこそですよ」
一同 「「「???」」」
何の話だ、と全く意味が不明ですけど。
クリスマス…?
2025/01/02 (Thu)
☆見せるべき衣装
今年も元老寺で雪の元日、おせちで賑やかな面々ですけど。
イライザさんのチョイスだそうで、クリスマスの話題な今。
ジョミー「キースに、何かして貰ったっけ?」
サム 「プレゼントを貰えたのは、お子様だけだぜ?」
イライザ「らしいですわね、サンタの役目でしたでしょ?」
衣装も揃えて頂いたとか…、とイライザさんの笑み。
イライザ「せっかくですから、私も衣装を選びましたの」
一同 「「「衣装?」」」
そんなの持って来てたっけ、と誰もが見合わせる顔。
サム 「クリスマスに、法衣は見てねえよな?」
シロエ 「見ていませんよ、サンタの衣装と私服だけです」
スウェナ「もしかして、アレのことじゃない?」
誰も見られなかったヤツ…、とスウェナちゃんが傾げる首。
スウェナ「武闘派のサンタだったとかいう…」
イライザ「ソレですわ。御覧になってらっしゃらないと?」
アドス 「本当ですかな、二枚も買った筈ですが…」
どうして見られなかったんです、とアドス和尚の質問が。
アドス 「せがれが、お見せしなかったと?」
シロエ 「そうなりますね」
イライザ「なんですって!?」
舶来モノのTシャツなのに…、とイライザさんが顰める顔。
イライザ「わざわざ取り寄せましたのよ?」
アドス 「送料も、しっかりかかりましたな…」
航空便を使いましたし、とアドス和尚も苦い顔付き。
アドス 「どなたも、御覧になれなかったので?」
ぶるぅ 「そだね、ぼくとブルーは、後になってから…」
ブルー 「洗濯物を覗き見させて貰ったんだけど…」
他のみんなは見てはいないよ、生徒会長。
ブルー 「その話も、昨日、したばかりでさ…」
ぶるぅ 「みんな、初耳だったよね…」
Tシャツの模様、と家事万能なお子様も証言。
ぶるぅ 「でもでも、見せる約束だったの?」
アドス 「約束とまでは申しませんが…」
イライザ「心得事ですわね…」
誂えた服を披露するのは、と口を揃えてますけど。
心得事…。
2025/01/03 (Fri)
☆見せなかった理由
雪の元老寺で元日ですけど、おせちタイムに出て来た話題。
クリスマスパーティーの日の、キース君のTシャツでして。
アドス 「せがれが自分で買った服なら、自己満足で…」
イライザ「着ないまま仕舞い込んでも、いいんですけど…」
コレクションの一つに過ぎませんし、とイライザさん。
イライザ「あのTシャツは、違いますでしょ?」
アドス 「ワシらが、クリスマスパーティー用に選んで…」
取り寄せた品になりますからな、とアドス和尚の眉間に皺。
アドス 「皆様に、お目にかけてこそでして…」
イライザ「盛り上がって頂くために、誂えましたのに…」
どうして披露しなかったんです、とキース君に厳しい視線。
イライザ「お父さんの好意を無にするなんて…」
アドス 「父ならマシじゃが、ワシの場合は師僧じゃぞ?」
師僧を何だと思ってるんじゃ、とアドス和尚も。
アドス 「馬鹿にしておるのか、お前は!」
キース 「いや、そうでは…!」
イライザ「だったら、どうして見せなかったの?」
キース 「そ、それは…」
言葉に詰まったキース君、冷汗ダラダラ。
アドス 「ワシらには言えん事情がある、と?」
イライザ「お師僧様に隠し事とか、有り得ませんわよ?」
キース 「そういうわけじゃないんだが…!」
後々まで尾を引きそうで…、とキース君が竦める首。
キース 「一生、笑いの種になりそうだったし…」
アドス 「…皆さん、そういう理由ですかな?」
せがれの苦しい言い訳では…、とアドス和尚の質問が。
アドス 「ウケを取れれば、一生モノのネタですぞ」
イライザ「持ちネタに出来て、最高ですのに…」
笑いの種なら本望でしょう、とイライザさんも不満そう。
イライザ「何処が駄目だと言うんです?」
キース 「普通だったら、そうかもしれないんだが…!」
アドス 「では、何じゃと?」
キース 「一生の時間が、半端ない長さなんだぞ…!」
現に未だに高校生で…、と叫んでますけど。
それは確かに…。
2025/01/04 (Sat)
☆耐え抜いた地獄
今年も元老寺で元日なシャン学メンバー、雪が積もった外。
庫裏の座敷は暖かいのに、おせちタイムにキース君が冷汗。
シロエ 「一生モノで引き摺るよりは、ってことですよ…」
ジョミー「そうなる気持ちは、理解出来るよね…」
サム 「だよなあ、今まで気付いてなかったけどよ…」
一生モノの時間が長すぎだぜ、とサム君、うんうん、と。
サム 「耐えまくってたのも、納得ってモンで…」
シロエ 「キース先輩の立場だったら、ぼくだって…」
暖房地獄も、酷寒地獄も、耐えますしね、とシロエ君も。
シロエ 「キース先輩、お疲れ様でした…」
ジョミー「ホント、そうだよ…」
サム 「仕方ねえよな、あの場合はよ…」
スウェナ「他に方法、無かったものね…」
見られないように隠し通すには…、とスウェナちゃん。
スウェナ「脱いでしまったら、おしまいだったし…」
アドス 「失礼、話が全く見えんのですが…」
イライザ「私もですわ、暖房地獄に酷寒地獄とか…」
それはどういう地獄ですの、とイライザさんの問い。
イライザ「もちろん、本物の地獄だったら、両方が…」
アドス 「揃っていますな、しかし、せがれは…」
地獄巡りが出来る器では…、とアドス和尚の不審そうな顔。
アドス 「よほど修行を積まない限りは、不可能でして…」
イライザ「愚息が行けるとは、思えませんのよ…」
銀青様なら分かりますけど、とイライザさんも相槌。
イライザ「現世の地獄のお話でしょう?」
アドス 「サウナにでも、入りましたかな?」
いや、サウナなら、脱ぐでしょうから…、とアドス和尚。
アドス 「我慢大会を開催でしたか?」
イライザ「余興だったら、ありそうですわね…」
意地でも脱がずに優勝ですの、とイライザさんが傾げる首。
イライザ「その後、外で寒さ我慢でしたのかしら?」
アドス 「耐える理由が無いと思うぞ」
イライザ「そうでした…」
寒さだったら着込みますわね、と言ってますけど。
我慢大会…。
2025/01/05 (Sun)
☆素行に問題アリ
雪の元老寺で元日ですけど、話題がクリスマスという状態。
おせちタイムに問題になった、キース君のサンタTシャツ。
アドス 「酷寒地獄に耐えた方のも、我慢大会ですかな?」
シロエ 「いえ、アレを我慢大会と呼ぶんでしたら…」
参加者はキース先輩だけで…、とシロエ君が始めた説明。
シロエ 「暖房地獄は、キース先輩がグッと我慢で…」
アドス 「他の皆さんは、違ったと?」
シロエ 「脱いでしまえば、快適でしたね」
サム 「半袖1枚でいけそうなほどだったけどよ」
脱げないキースには地獄だよな、とサム君の補足。
サム 「脱いだら、どうにもならねえし…」
ジョミー「Tシャツを見たい人が揃ってたしね…」
アドス 「なるほど、自業自得でしたか…」
イライザ「脱げばいいのに、隠してましたのね…」
酷寒地獄はどうでしたの、とイライザさんも興味津々。
イライザ「キースが一人で、我慢大会だったんでしょう?」
アドス 「追い出されたような気がするんじゃが…」
シロエ 「自発的に出て行った結果ですよ」
あの日も酷い雪でしたから…、とシロエ君の苦笑。
シロエ 「積もってる中で、吹きっさらしの屋上でした」
アドス 「それは確かに寒そうですな…」
ジョミー「貼るカイロだけでは、キツかったと思うよ」
部屋では暖房地獄だったけどね、とジョミー君。
ジョミー「全身、貼るカイロを装備だったしさ…」
アドス 「ゴージャスですなあ、何故、そうなったと?」
シロエ 「日頃の行いというヤツでしょうか…」
イライザ「あらまあ、素行に問題アリですの?」
いけませんわね、とイライザさんの視線がアドス和尚に。
イライザ「罰礼コースで如何かしら?」
アドス 「そうしたいんじゃが、元日じゃしな…」
イライザ「檀家さんがお見えになる日でしたわね…」
アドス 「初詣に来て下さる前で、罰礼は見苦しいわい」
イライザ「そうでしたわ…」
他には何があるかしら、と考え込んでますけど。
罰を下すと…?
2025/01/06 (Mon)
☆戻せない時間
今年も雪の元老寺で元日、何故か話題がクリスマスな面々。
サンタ役だったキース君のTシャツ、誂えたとの話でして。
イライザ「宿坊の方を手伝わせたら、初詣が駄目ですし…」
アドス 「副住職が不在では、檀家さんに申し訳ないぞ」
しかし時間が迫っておるな、とアドス和尚の目が時計に。
アドス 「サム殿とジョミー殿は、今年も来て頂いて…」
イライザ「よろしくお願い致しますわね」
サム 「いつものことだし、気にしてねえよ」
ジョミー「ぼくは嫌だけど、気になる件なら、上にはさ…」
上があるよね、とジョミー君が指差す天井。
ジョミー「キースのTシャツ、見たかったわけで…」
シロエ 「ぼくもですけど、もう過ぎた話ですからね…」
なにしろ年が変わりましたし…、とシロエ君の深い溜息。
シロエ 「話題だけなら、クリスマスの話でも…」
サム 「戻れちまうけどよ…」
ジョミー「時間は戻ってくれないよね…」
タイムマシンも持ってないしさ…、とジョミー君も。
ジョミー「武闘派のサンタって、どんなのだったか…」
スウェナ「また気になって来ちゃったわよね…」
除夜の鐘でも消せなかったわ、とスウェナちゃんの苦笑。
スウェナ「ホントに惜しくて、見てみたいのに…」
サム 「キースのことだし、捨てたかもなあ…」
シロエ 「その線は無いと思いますよ?」
洗濯して干してあったのなら…、とシロエ君の冷静な分析。
シロエ 「イライザさんが保管していそうです」
ジョミー「ソレ、ありそう!」
サム 「キースには渡してねえってか?」
キースの私物じゃねえもんな、とサム君、手をポンと。
サム 「勝手に処分出来ねえ仕様で、今も何処かに…」
アドス 「当たっていますな、何処に仕舞ったんじゃ?」
イライザ「衣装ケースですけど、どうかしましたの?」
アドス 「罰礼の代わりに、披露はどうかと…」
イライザ「ナイスですわ!」
直ぐにでも出して来られましてよ、と笑顔ですけど。
披露すると…?
2025/01/07 (Tue)
☆罰礼の代わりに
雪の元老寺で迎えた元日、おせちタイムにクリスマスの話。
キース君が隠し通したTシャツ、イライザさんのチョイス。
アドス 「今は要らんぞ、初詣の方を急がんと…」
イライザ「そうでしたわね、夜でよろしいかしら?」
アドス 「うむ。皆さん、今日もお泊まりじゃしな」
初詣の間に出しておいてくれ、とアドス和尚の注文が。
アドス 「夕食の席で披露させれば、お喜びになるぞ」
イライザ「承知しましたわ、キースも分かってるわね?」
今夜の披露は逃がさないわよ、とイライザさんの睨み。
イライザ「逃げた場合は、罰礼、幾つになるかしら?」
アドス 「三千回で良かろう、それを三日間ということで」
キース 「…うっ…」
既に青かったキース君の顔色、血の気が引いて真っ白な今。
アドス 「いいか、罰礼三千回を三日間じゃぞ?」
イライザ「それが嫌なら、皆さんにお見せしなさいね」
出しておきます、とイライザさんのダメ押し。
イライザ「お部屋の方に置いておくから、初詣の後に…」
アドス 「夕食の前に着替えるんじゃな」
キース 「……はい……」
分かりました、とキース君、悲壮な顔付き。
キース 「もしかして、上着は不可ですか?」
イライザ「当たり前でしょう、Tシャツだけです!」
アドス 「上はそうじゃな、ズボンは履いて貰わんと…」
パンツ一丁のサンタはいかん、とアドス和尚。
アドス 「南国だったら、それもアリなんじゃが…」
イライザ「地球の裏側の国だと、夏でしたわね」
シロエ 「知ってます! サーフィンをするサンタとか…」
サム 「いるらしいよな、暑いしよ…」
サーフィンなんだし、短パンとかな、とサム君も。
サム 「けどよ、こっちは冬の最中で、雪景色でよ…」
シロエ 「Tシャツを着るにも、暖房は必須ですし…」
アドス 「その話、使えそうですな…」
一同 「「「は?」」」
アドス 「罰礼の代わりですぞ?」
ネタを極めてこそなのでは、と言ってますけど。
えっと…?
2025/01/08 (Wed)
☆元日でもサンタ
今年も元老寺で迎えた元日、おせちタイムは雪景色でして。
其処で出て来たクリスマスの話、キース君のTシャツの件。
シロエ 「ネタというのは、Tシャツですよね?」
アドス 「そういうことになりますな」
サム 「極めるってえのは、何なんだよ?」
アドス 「せっかくの、サンタTシャツですぞ」
南国のサンタで閃きましてな…、とアドス和尚、楽しそう。
アドス 「もうクリスマスは終わりましたが、南国風は…」
ジョミー「終わってないとか?」
アドス 「まだの所が、もしかしたなら…」
存在するかもしれませんぞ、と指差す壁のカレンダー。
アドス 「キリスト教にも、色々あると聞きますし…」
ブルー 「正教会のことを言ってるのかな?」
アドス 「流石は銀青様、よくご存じで」
一同 「「「正教会?」」」
なんだソレは、と一同、キョトン。
シロエ 「えっと…? 宗派の一つでしたっけ?」
アドス 「そうなのですが、暦が違うそうでして…」
一同 「「「暦?」」」
ブルー 「太陽暦より、ちょっと遅いんだよ」
13日間だったかな、と生徒会長が顎に当てる手。
ブルー 「夏のクリスマスが、これから来るわけで…」
アドス 「ソレを使えば、せがれも無事にサンタを…」
勤め上げられる勘定ですな、とアドス和尚、うんうん、と。
アドス 「実際、あるかは、置いておきまして…」
ブルー 「クリスマスをやり直すわけだね、いいと思うよ」
イライザ「あらまあ、それじゃ今夜は、お料理の方も…」
クリスマス風に変更ですわね、とイライザさん。
イライザ「ローストチキンでよろしいかしら?」
一同 「「「イイネ!」」」
元日の夜にクリスマス、と誰もが歓声。
シロエ 「最高ですよ、クリスマスが二回も!」
サム 「会場が寺でも、気にしねえよな!」
アドス 「南国風にやるわけですから、当然、サンタも…」
イライザ「夏服ですわよ」
でも、短パンがあったかしら、と首を傾げてますけど。
短パン…。
2025/01/09 (Thu)
☆取り寄せは不可
雪の元老寺で迎えた元日、夜にクリスマスをやり直すとか。
暦が違う宗派の場合は、これからというのが根拠だそうで。
キース 「俺は、短パンは履かん主義だぞ!」
シロエ 「確かに、見たこと無いですね」
サム 「似合わねえ自覚ってヤツが、あるんでねえの?」
ジョミー「だよねえ、キースは硬派だしさ…」
履くわけないよね、とジョミー君。
ジョミー「持ってないものは、履けないし…」
マツカ 「取り寄せは出来ると思いますけど…」
夜までには、とマツカ君、控えめに申し出。
マツカ 「よろしかったら、お申し付け頂ければ…」
アドス 「有難いお言葉なのですが…」
なにしろ罰でございますので…、とアドス和尚、合掌。
アドス 「お取り寄せは却下になりますな」
イライザ「似合いそうな短パンなんて、贅沢ですもの」
要りませんわ、とイライザさんも。
イライザ「代わりの品が似合いですわよ」
アドス 「まったくじゃ。水泳用ので充分じゃわい」
どうせ南国のサンタなんじゃからな、とアドス和尚。
アドス 「サーフィンするには、ピッタリじゃぞ」
イライザ「スノボもいけそうな感じですわね」
いい具合に雪が積もってますし…、とイライザさんの笑み。
イライザ「駐車場の辺りでしたら、出来ますわよ」
アドス 「楽しそうじゃが、雪じゃしな…」
見物する方も寒いわけで…、とアドス和尚は反対の立場。
アドス 「庫裏から出るのは、遠慮したいわい…」
イライザ「言われてみれば、そうですわね…」
それにキースは素人ですし…、とイライザさんも。
イライザ「転ぶだけなの、見えていますわ…」
アドス 「技の一つも、出さん内にな」
パーティーに出るくらいしか出来んわい、と断言する人。
アドス 「キース、分かったな? ズボンは不可じゃ」
イライザ「海パンになさい」
キース 「なんで、そうなる!?」
アドス 「言った筈じゃぞ?」
罰の代わりになるんじゃしな、とキッパリと。
海パンでサンタ…。
2025/01/10 (Fri)
☆二枚とも披露で
雪の元日な元老寺ですけど、夜にクリスマスをやる方向へ。
しかも南国風のサンタで、キース君はTシャツに海パンで。
アドス 「Tシャツの柄は、どちらがいいかのう?」
イライザ「ボクサーでしょうねえ、海パンなんですもの」
機関銃では悪趣味になってしまいますわ、とイライザさん。
イライザ「ボクサーでしたら、短パンですし…」
アドス 「そうじゃな、機関銃は浮いてしまうわい」
ボクサー柄にしておけ、とアドス和尚、キース君に指示。
アドス 「でもって、機関銃の方もじゃな…」
イライザ「着替えるんですの?」
アドス 「いや、ボクサーのガウン代わりに…」
肩に羽織ってくればよかろう、と強烈な台詞。
アドス 「両肩には、サイズ的に無理があるんじゃが…」
イライザ「片方だけに羽織ればオッケーですわね」
アドス 「試合の時には、脱ぐんじゃしな」
颯爽と登場するべきじゃ、とTシャツ両方ともに出番が。
アドス 「会場入りには、BGMも欲しいトコじゃが…」
イライザ「ジングルベルでよろしいでしょ?」
サンタな時点で、お寺の行事を超えてますわよ、との意見。
イライザ「クリスマスソングくらい、気にしなくても…」
アドス 「そうじゃな、ジングルベルでいいじゃろう」
これで話は決まったわい、とアドス和尚の楽しそうな顔。
アドス 「では、初詣の方に行くとするかな」
キース 「待ってくれ、親父!」
アドス 「お前も早く支度してこい」
サム殿とジョミー殿も、お着替え下さい、と初詣モード。
アドス 「じきに檀家さんがおいでになりますぞ」
キース 「その前に、一つ聞きたいんだが!」
アドス 「何を聞くんじゃ?」
初詣のことなら知っておろう、とアドス和尚。
アドス 「檀家さんをお迎えして、新年のご挨拶を…」
キース 「親父、サングラスは許されるのか!?」
アドス 「初詣の席に出るのに、サングラスじゃと!?」
愚か者めが、と頭から湯気を立ててますけど。
当然ですよね…?
2025/01/11 (Sat)
☆サングラスは不可
今年も雪の元老寺で元日な面々、夜は二度目のクリスマス。
暦が違う宗派の場合は、これからなわけで、サンタが再び。
アドス 「不心得にも程があるわい、何を考えておる!?」
キース 「違うんだ、俺が言うのは、初詣じゃなくて…」
夜の方だ、とキース君の言い訳が。
キース 「南国のサンタなんだし、サングラスでも…」
アドス 「却下じゃ、却下!」
本場のサンタじゃないんじゃしな、とアドス和尚、一喝。
アドス 「顔が隠れるアイテムはいかん!」
イライザ「サングラスのサンタは、許しません!」
ちゃんと顔見せしなさいね、とイライザさんもダメ押し。
イライザ「でないと罰の意味が無いでしょ?」
アドス 「まったくじゃ。いいな、Tシャツに海パンで…」
ジングルベルで登場するんじゃぞ、と下った命令。
アドス 「機関銃なTシャツは、肩にかけて来い!」
イライザ「お部屋に揃えておきますからね」
初詣の方に行ってらっしゃい、とイライザさんが指す廊下。
イライザ「サムさんとジョミーさんも、お願いしますわ」
サム 「よーし、今年も頑張るぜ!」
ジョミー「やりたくないけど、夜はクリスマスだし…」
いつもよりかは頑張れそう、とジョミー君、親指をグッと。
ジョミー「キースのサンタが、バージョンアップで…」
サム 「登場となれば、お楽しみもよ…」
ジョミー「うんと増えるし、頑張って来る!」
それじゃ、と僧籍な面子とキース君は、本堂の初詣へ。
シロエ 「行っちゃいましたね、毎年ですけど」
マツカ 「でも、例年よりもマシそうです」
疲労困憊にはなりませんよ、とマツカ君の穏やかな笑み。
マツカ 「疲れてる場合じゃないですし…」
ぶるぅ 「そだね、パーティーあるもんね!」
きっと元気に戻って来るよ、と家事万能なお子様も。
ぶるぅ 「クリスマス用のお料理、手伝って来る!」
一同 「「「イイネ!」」」
夜が楽しみ、と盛り上がってますけど。
キース君、ピンチ…。
2025/01/12 (Sun)
☆作務衣で下っ端
雪の元老寺で元日ですけど、僧籍な面子は本堂でお仕事が。
檀家さんの初詣でして、サム君とジョミー君もお手伝いで。
シロエ 「ジョミー先輩、今年も下足番でしょうね…」
スウェナ「そうでしょ、サムと違って、いい加減だし…」
子供さんにお菓子を渡す役目は無理、とスウェナちゃん。
スウェナ「作法までは決まっていないと思うんだけど…」
シロエ 「法衣の裾の捌き方とか、ありそうですし…」
マツカ 「どちらかと言えば、袂でしょうね」
タスキ掛けとはいきませんから…、とマツカ君が傾げる首。
マツカ 「アドス和尚は、見栄えにうるさい筈です」
ブルー 「それで正解、ジョミーは下足番をやってるよ」
檀家さんの靴を揃えたりして、と生徒会長が指す本堂の方。
ブルー 「しかも作務衣で、袂も裾も無関係でさ…」
一同 「「「あー…」」」
下っ端という扱いなのか、と誰もが納得。
シロエ 「もしかして、使い走りもやらされてますか?」
ブルー 「そうだね、お茶を出すのは、サムなんだけど…」
お湯の支度はジョミーだよね、と生徒会長、可笑しそう。
ブルー 「ついでに、湯呑を洗うのも、ジョミーの役目!」
シロエ 「下足番と両方ですか!?」
マツカ 「どちらか、手薄になりませんか?」
本堂の外と中ですから…、とマツカ君の問い。
マツカ 「まさか、ダッシュで往復でしょうか…?」
ブルー 「ピンポーン!」
靴を揃えたら、裏に回って…、と生徒会長、クスクス笑い。
ブルー 「檀家さんの前では、走れないしね」
シロエ 「裏から入って、台所の方で洗い物なんですね…」
マツカ 「かなりハードな職場ですよね…」
ブルー 「仕方ないよね、所作が全く出来てないから」
下っ端で使い走りしか…、と生徒会長、バッサリ。
ブルー 「その分、夜に期待してるよ」
シロエ 「例年以上に、ということですか…」
スウェナ「キースは、逆だと思うわよ…」
夜は来るなと思っていそう、と言ってますけど。
多分…。
2025/01/13 (Mon)
☆元日から不運な人
雪が積もった元老寺で元日、夜はクリスマスをやるそうで。
僧籍な面子は、その前に本堂で、檀家さんの初詣のお仕事。
シロエ 「キース先輩、夜は見世物で確定ですしね…」
マツカ 「罰の代わりじゃ、逃げられませんし…」
お気の毒です…、とマツカ君が眺める本堂の方角。
マツカ 「スノボが無いだけ、マシでしょうけど…」
スウェナ「その点だけは、命拾いしたわね」
シロエ 「少しは運があるようですよ」
それとも運が向いて来たとか…、とシロエ君の説。
シロエ 「今年の厄は、今日のサンタで終わるかもです」
スウェナ「ソレは無いでしょ、キースなんだし」
マツカ 「気の毒だとは思いますけど、ぼくも同意で…」
むしろ不運な年になりそうな気が…、とマツカ君の意見。
マツカ 「元日早々、自分限定で厄を呼び込む展開で…」
一同 「「「あー…」」」
それはそうかも、と説得力が凄すぎる件。
シロエ 「例年以上に、不運な年を迎えましたか…」
マツカ 「無いとは言い切れないでしょう?」
スウェナ「ありそうすぎて、何も言えないわね…」
ちょっと期待をしてしまうけど…、とスウェナちゃん。
スウェナ「キース限定で厄な分には、無害なんだし…」
ブルー 「見てる分には、何も問題無いよね」
今夜も、うんと楽しまないと…、と生徒会長、笑顔全開。
ブルー 「キースは泣きたい気分だろうけど」
シロエ 「逃げたら、後がありませんしね…」
マツカ 「そうなるでしょうね、髪にお別れは確実かと…」
最上級の罰はソレなのでは、とマツカ君の怖すぎる指摘。
マツカ 「アドス和尚は、坊主頭をお望みですから…」
ブルー 「有無を言わさず丸坊主だよ、うん」
キースも百も承知してるし…、と生徒会長も。
ブルー 「海パンでサンタ、やり遂げるしかないってね!」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ 夜のお料理、仕込み完了!」
一同 「「「イイネ!」」」
夜になるのを待つだけだ、と盛り上がる座敷。
楽しみですよね!
2025/01/14 (Tue)
☆元日にクリスマス
雪の元老寺で迎えた元日、檀家さんの初詣が終わった夕方。
僧籍な面子が座敷に戻ったものの、キース君だけ不在な今。
ジョミー「やっと終わった! 寒かったよ…」
サム 「この雪で、外はキツイよなあ…」
作務衣じゃコートも着られねえし、とサム君の苦笑。
サム 「でもよ、これからパーティーだしよ」
ジョミー「うん、だから今年は頑張った!」
外されちゃったら泣けるしさ…、とジョミー君が竦める肩。
ジョミー「キースは今頃、泣いてそうだけど…」
シロエ 「でしょうね、サンタな時間ですから…」
自業自得とも言いますけれど、とシロエ君。
シロエ 「Tシャツを隠し通したばかりに、この有様で…」
ジョミー「泣くに泣けない状態かもね…」
アドス 「皆さん、揃っておられますかな?」
料理を運ばせてよろしいか、とアドス和尚が座敷に。
アドス 「せがれも、準備が出来る頃かと」
イライザ「出来てますわよ、きちんとチェックしましたわ」
南国風のサンタですの、とイライザさんも来て報告。
イライザ「お料理、すぐに運びますわね」
一同 「「「やったーっ!」」」
元日の夜にクリスマス、と皆が歓声、並べられる料理。
ジョミー「凄い、ホントにクリスマスだ!」
シロエ 「今のシーズンに、こんな食材、あるんですね…」
イライザ「しかも、お値段、破格でしたの」
底値らしくて、とイライザさんの笑顔。
イライザ「クリスマスは済んだばかりで、お正月ですし…」
ぶるぅ 「食材、出番が無い時期だもん!」
サム 「あー…。キースのサンタが時期外れなだけな…」
シロエ 「国によっては、これからですけどね…」
此処では済んだわけですし…、とシロエ君。
シロエ 「仕切り直すの、ぼくたちくらいですよ」
アドス 「今夜は楽しんで頂けますぞ」
イライザ「お料理、並べ終わりましたし、始めましょうね」
アドス 「BGMスタートじゃ!」
庫裏に大音量で響き渡る、ジングルベル。
パーティー開幕!
2025/01/15 (Wed)
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