☆早くも年の瀬
ソルジャーとキャプテンまでが加わっていた鍋パーティー。
勤労感謝の日から1週間ほど日が経ちまして、今日からいよいよ12月で。
キース 「早いもんだな、今年も残り1ヶ月なのか」
ブルー 「大晦日はやっぱり君の家だよね、除夜の鐘だけは撞かないと」
キース 「今年も撞いてくれるのか? それは親父が喜びそうだ」
ブルー 「ほら、弟子が二人もいるからさ…。よろしく頼むよ」
ジョミー「ちょ、ちょっと! ぼくも行くわけ!?」
サム 「今更だろうが、毎年みんなで行ってるんだぜ?」
ジョミー「で、でも……」
ブルー 「お正月の坊主宣言かい? 誰も真面目に覚えちゃいないよ」
キース 「そうだな、親父も忘れているしな」
ジョミー「…それ、ホント?」
キース 「言わなかったら大丈夫だろう、肉まん騒動の一つや二つ」
ジョミー「よ、よかったぁ…。それならいいや」
ホッと息をつくジョミー君。
御本尊様の前で肉まんを食べた、と叱られたのは今年のお正月です。
シロエ 「あれは大騒ぎでしたもんねえ、精進料理なオチでしたけど」
ぶるぅ 「だって、精進料理だもん! お肉もどきは基本だもん!」
スウェナ「でも、あのお料理は凄かったわ。美味しかったし」
ブルー 「じゃあ、今年のクリスマス・パーティーはアレにする?」
ジョミー「それってパーティー料理じゃないし!」
サム 「うんうん、ドカンと派手じゃねえとな」
シロエ 「今日みたいなのも却下ですよね」
マツカ 「お好み焼きパーティーですからね…」
土曜日とあって生徒会長の家でお好み焼きパーティーの真っ最中。
同じパーティーでもクリスマスはやはり別格で。
ブルー 「ドカンと派手ねえ…。鍋パーティーもダメなのかな?」
キース 「鍋はケチがついたばかりだろうが!」
ブルー 「おや。美味しいって喜んで食べてたじゃないか」
キース 「…教頭先生を放置してな…」
勤労感謝の日の究極の味噌ちゃんこ鍋。
教頭先生、鼻血を出して倒れてしまわれたんですよね…。
2012/12/01 (Sat)
☆クリスマスと鍋
クリスマス・パーティーの料理は何にするか、と始まった気の早い話。
鍋はケチがついたばかりだからダメだ、とキース君が主張しております。
ブルー 「ハーレイを放置したって言われてもねえ…。自己責任だし」
ジョミー「そうなるわけ? 鼻血の元はニンニクだよ?」
シロエ 「会長がドカンと入れなかったら大丈夫だったと思うんですが」
ブルー 「まさか。なんでニンニクで鼻血が出るのさ」
キース 「しかしだな…。暑いと言っておられたじゃないか」
ぶるぅ 「ニンニクのお鍋は温まるもん!」
だけど鼻血は出ないよね、と「そるじゃぁ・ぶるぅ」。
生徒会長も頷きまして。
ブルー 「ぶるぅが正しい。ハーレイの鼻血は別件だ」
シロエ 「そりゃあ…。煽った人はいましたけれど…」
マツカ 「でも元凶はニンニクですよ?」
ブルー 「ちょっとムラムラしてくる程度で元凶扱いされてもさ…」
キース 「だが、あいつらは盛り上がっていたぞ」
ブルー 「いい夫婦だから当然だろう? 何かと言えば特別休暇だ」
サム 「あー…。なんか、しょっちゅう取ってるよな」
スウェナ「そうねえ、あの日も休暇中だったわね」
ブルー 「そんな連中に煽られたのが鼻血の原因! ニンニクは無縁!」
ジョミー「…だったらパーティーは鍋になるとか?」
シロエ 「クリスマス・パーティーに鍋ですか…」
キース 「ケチがついたって話はともかく、地味すぎないか?」
サム 「鍋だもんなあ…」
それじゃ大人の忘年会だ、という声が上がっておりますが。
ブルー 「誰が普通の鍋って言った? 鍋にも色々あるんだよ」
ぶるぅ 「えとえと…。チーズ・フォンデュも鍋だよね?」
ブルー 「鍋の内だろうね。エスニック風っていうのも楽しいし」
キース 「そう来たか…。まあ、鍋でもいいかもしれないな」
ブルー 「そもそも坊主はクリスマスとは無縁じゃないか」
キース 「それを言うなぁ!」
お坊さんの世界にクリスマスは無し。
キース君も無縁でしたよねえ…。
2012/12/02 (Sun)
☆クリスマスは地味に
パーティー料理の話が逸れて向かった先はキース君。
お坊さんの世界にクリスマスは無く、キース君の場合は特に厳しくて…。
ブルー 「サンタクロースお断りな路線だったんだよねえ、元老寺は」
シロエ 「クリスマスには門の結界を二重にしてたと聞きましたしね」
ジョミー「でもさ、お陰でキース、去年は得をしたじゃない」
サム 「うんうん、サンタクロースの橇で空中散歩だもんな」
キース 「あれは悪目立ちしたと言うんだ!」
スウェナ「そうかしら? なかなか出来ない経験だわ」
マツカ 「子供なら誰でもやりたいですよね」
キース 「俺は普通に高校生だ! 大学だって卒業したんだ!」
ブルー 「ふうん? だったら坊主に徹してクリスマス無しで」
シロエ 「そういう年もありましたっけね、クリスマスでも修行中な」
ジョミー「住職の資格を取るヤツだよね? 璃慕恩院の」
ブルー 「そうだよ、だからいずれは君も行くんだ」
ジョミー「やだよ、クリスマスがパアになるなんて!」
キース 「ブルーの弟子のくせにガタガタ言うな!」
ブルー 「じゃあ、副住職なキースはクリスマス無しだ」
キース 「待て、それとこれとは別件で!」
クリスマス・パーティーは別物なんだ、とキース君は叫びましたが。
ブルー 「だけどサンタクロースの橇に乗るのは嫌なんだろう?」
キース 「俺が言うのはパーティーの方で、サンタじゃない!」
ブルー 「うーん…。まあいいけどね、法衣でやろうってわけじゃなし」
サム 「それは流石に湿っぽいぜ」
シロエ 「とにかくパーティーには参加するんですよね、キース先輩」
キース 「当然だろうが! 内輪なら喜んで参加する!」
ジョミー「そっか、内輪ってことは今年は何もしなくていいんだ?」
ブルー 「学校を巻き込むヤツは大変だしねえ、内輪にしようよ」
今年は普通にパーティーだけ、と生徒会長。
去年みたいな馬小屋セットでチャリティーとかは無いようです。
ビジュアル的には地味なクリスマスかも…?
2012/12/03 (Mon)
☆内輪でクリスマス
シャングリラ学園を巻き込んでの大騒ぎだった去年のクリスマス。
今年は普通に内輪のパーティーにしよう、と生徒会長は申しております。
ブルー 「どうせクリスマスはパーティーだしねえ、ぶるぅの誕生日の」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ クリスマス・イブもパーティーだもん!」
キース 「それでやっぱり鍋になるのか?」
ブルー 「発言権があると思うのかい? 外されそうだったくせに」
ジョミー「キースはどうでもいいんだけどさ、鍋よりかはさ…」
サム 「丸ごとのチキンとか、ターキーだよな」
スウェナ「クリスマスっぽいのがいいわよね」
ブルー 「チーズ・フォンデュなら問題ないよ?」
シロエ 「会長…。思いっ切り鍋にこだわってますね」
ブルー 「揚げ足を取るのは好きなんだ。まあ、料理は色々考えようよ」
マツカ 「イブまでには時間がありますしね」
キース 「去年みたいに妙な練習も要らないからな」
ジョミー「練習もアレだけど、寒かったもんねえ、馬小屋セット…」
雪まで降ったし、と肩を竦めるジョミー君。
馬小屋セットではマリア役をやっていたわけですが。
??? 「そうか、今年は暇なんだ?」
全員 「「「!!?」」」
バッと振り返った先にはソルジャー(会話表記はAブルー)が。
ブルー 「何さ、いきなり!」
Aブルー「御挨拶だねえ、帰り道に寄っただけだけど」
ブルー 「帰り道?」
Aブルー「うん。ノルディの所に行って来たんだ」
ブルー 「ランチに付き合ってきたのかい? それとも、お茶かな」
Aブルー「両方だよ。ちょっとお願いしたかったから」
ブルー 「…あまり聞きたくないんだけど…」
Aブルー「特別休暇の過ごし方を相談しに行ったんだ」
ブルー 「ちょ、ちょっと! それってノルディと過ごすわけ!?」
Aブルー「どうしてそういう発想になるかな、既婚者相手に」
ブルー 「君ならやりかねないんだよ!」
エロドクターに特別休暇の件で相談。
ソルジャーは何を考えているのでしょうか…?
2012/12/04 (Tue)
☆休暇とクリスマス
特別休暇の過ごし方について、ノルディに相談に来たというソルジャー。
ノルディと言えばエロドクターなだけに、ロクな話ではなさそうです。
ブルー 「なんでノルディに相談なのさ! どういうつもりで!」
Aブルー「こっちの世界のクリスマスってヤツも魅力的だから」
ブルー 「…それでノルディと食事するとか、ディナーショーとか?」
Aブルー「ぼくは既婚者だって言った筈だけど?」
ブルー 「だったら何も相談することないだろう!」
Aブルー「ところがあるんだな、ぼくの大事なスポンサーだしね」
教頭先生が貢ぐ相手は生徒会長、ソルジャーに貢ぐのはエロドクター。
遊び人だけに報われなくても気にしない上に、お金持ちで。
Aブルー「クリスマスはぼくのシャングリラでもパーティーなんだ」
ブルー 「知ってるさ。毎年、それが終わったら来るもんね」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ 今年も一緒にパーティーしようね!」
Aブルー「それはもちろん。でも、その前に特別休暇!」
ブルー 「…サッパリ話が見えないんだけど…」
Aブルー「クリスマス・イブの前に休暇を取るわけ。22日と23日」
ブルー 「えっ?」
Aブルー「分からないかな、22日の夜はこっちでお泊まり!」
ぼくのハーレイと一緒にね、とソルジャーは嬉しそうでございます。
Aブルー「こっちの世界じゃ連休だろ? クリスマス気分も盛り上がる」
ブルー 「そうか、ノルディにホテルを予約させたんだ?」
キース 「ついでにディナーもついてそうだな」
Aブルー「ぼくもそのつもりだったんだけどさ…」
ジョミー「何か予定が狂ったわけ?」
Aブルー「ホテルよりも凄いことになっちゃった」
全員 「「「は?」」」
Aブルー「別荘を貸してくれるらしいよ、使用人つきで」
全員 「「「別荘!?」」」
Aブルー「うん、雪がたっぷり積もるんだってさ」
ホワイト・クリスマスっぽいだろう、とソルジャーは御機嫌。
ソルジャー夫妻に別荘を貸すとは、エロドクターも太っ腹ですねえ…。
2012/12/05 (Wed)
☆特別休暇は別荘で
クリスマス直前にソルジャーは特別休暇を取るそうで。
キャプテンと二人で過ごすという場所、エロドクターの別荘らしいです。
ブルー 「別荘でホワイト・クリスマスねえ…。まあ、いいけどさ」
Aブルー「凄いだろ? クリスマスツリーもイルミネーションもつく」
ブルー 「それは良かったね。じゃ、そういうことで」
早く帰れ、と生徒会長は手をヒラヒラと振っておりますが。
Aブルー「ちょっと待ってよ、せっかく寄り道してるのに…」
ブルー 「おやつならもう食べただろう! 足りなかったとか?」
Aブルー「いや、そうじゃなくて」
ブルー 「ぶるぅ、持ち帰り用を用意して。お土産が欲しいそうだ」
ぶるぅ 「オッケー!」
Aブルー「違うってば! ぶるぅ、ぼくはお土産が欲しいわけじゃない」
ぶるぅ 「あれっ、そうなの?」
Aブルー「ハーレイは甘いものは苦手だからね」
ついでに「ぶるぅ」にお土産というのも勿体ないそうでございます。
手間暇かけたお菓子も一口でペロリがソルジャーの世界の「ぶるぅ」で。
Aブルー「だからお土産は要らないんだよ。それよりもさ…」
ブルー 「ノルディの話なら断るからね!」
Aブルー「うーん…。まるで無関係ってことはないかな」
ブルー 「じゃあ、却下」
Aブルー「最後まで聞いてからでもいいだろう! たかが別荘の話だし」
ブルー 「生憎とぼくはノルディの別荘に興味は無いんだ」
Aブルー「そう言わずに。…今年のクリスマス前は暇みたいだから」
ブルー 「君とハーレイの別荘ライフに付き合うつもりは無いけれど?」
Aブルー「付き合えとまでは言っていないよ。ただ、ちょっと…」
ブルー 「…ちょっと?」
Aブルー「ぼくたちの休暇に華ってヤツを添えて欲しくて」
全員 「「「華?」」」
Aブルー「そう、ホワイト・クリスマスを更に華やかに!」
思い切り盛り上げて欲しいんだけど、とソルジャーの瞳がキラキラと。
ソルジャーとキャプテンの別荘ライフに華を添えろとは、これ如何に?
2012/12/06 (Thu)
☆盛り上げ役を所望
22日はエロドクターの別荘にお泊まりなソルジャー夫妻。
ホワイト・クリスマス気分に華を添えてほしい、と言い出しましたが…。
ブルー 「華って何さ?」
Aブルー「文字通りだよ、ぼくとハーレイの別荘ライフの盛り上げ役!」
キース 「まさか俺たちまで別荘に呼ぶ気じゃないだろうな?」
シロエ 「それは無いでしょう、そもそも別荘の場所を知りませんよ」
Aブルー「えーっと…。マツカの山の別荘から近いようだよ?」
マツカ 「らしいですね。父から聞いたことがあります」
サム 「だったら思い切り遠いじゃねえかよ、関係ねえな」
Aブルー「距離はどうとでもなるだろう? ブルーとぶるぅなら一瞬だ」
ブルー 「本気で来いと言ってるわけ? ぼくたちに?」
Aブルー「現地に来ないでどうやって華を添える気なのさ?」
ブルー 「みんなでカンパして花束だとか、プレゼントとか…」
Aブルー「ぼくに花束で盛り上がれと? ハーレイだっているんだよ?」
花束を貰うならハーレイからだ、とソルジャーは決めつけておりまして。
Aブルー「記念日に花を贈るというのはパートナーの役目だと思うんだ」
ブルー 「だったら、ぼくたちに何を求めてるわけ?」
キース 「この寒いのに雪の別荘地でどうしろと言うんだ、俺たちに?」
ジョミー「雪かきとか?」
マツカ 「雪かきなら専門の人がいますよ、管理人さんの仕事です」
シロエ 「使用人つきだって言ってますから、料理も必要無いですね」
サム 「やっぱり関係ねえじゃねえかよ、俺たちは」
Aブルー「分かってないねえ、盛り上げ役だよ?」
ブルー 「まるで見当がつかないってば、それだけじゃ!」
Aブルー「うーん…。アルテメシアじゃメジャーじゃないとか?」
ブルー 「何が?」
Aブルー「クリスマス・イブのキャロリング!」
全員 「「「きゃろりんぐ?」」」
なんだそれは、と軽くパニックに陥っている人もいるようで。
ソルジャーが求めるキャロリングとやら、あまり聞かないモノですねえ?
2012/12/07 (Fri)
☆クリスマスの行事
ソルジャーとキャプテンの別荘ライフに必要だという盛り上げ役。
キャロリングだとか言われましても、初耳な面子が多めでございまして。
サム 「きゃろりんぐ…って、美味いのかよ?」
ジョミー「キャラメルみたいな感じかな?」
スウェナ「雪の上に飴を流して固める遊びがあるらしいわよ」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ あれ、楽しいよね!」
キース 「そういう面子を希望なのか、あんたは?」
Aブルー「…ひょっとして、キースも知らないわけ?」
キース 「きゃろりんぐ…とかいうヤツか? 初めて聞いたが」
Aブルー「おかしいなぁ…。ノルディは普通に話してたのに」
シロエ 「何をです?」
Aブルー「キャロリングだよ。別荘地のクリスマスのオプションだって」
キース 「オプションだと? マツカ、お前は知ってたか?」
マツカ 「そういえば前に一度だけ…」
サム 「どんなのだよ?」
マツカ 「イブの夜に子供たちが回って来ました。歌を歌いながら」
一同 「「「歌?」」」
マツカ 「ええ、クリスマス・キャロルですよ」
Aブルー「そうそう、それ、それ。それがキャロリング!」
それをやりに来て欲しいんだけど、とソルジャーはニコニコ顔でして。
Aブルー「ノルディは手配しておくって言ってたけどさ」
ブルー 「だったらそれで充分だろう!」
Aブルー「うーん…。割増料金を出すらしいけど、子供たちだよ?」
イブの夜にも仕事があるのに別の日に一軒だけというのは可哀相だ、と
言われてみればそんな気も…。
Aブルー「雪の降る夜に一ヶ所だけでキャロリングはねえ…」
ジョミー「割増料金の額にもよると思うんだけど」
Aブルー「ダメダメ、バイト料が目当てじゃ興ざめだ」
ブルー 「元々そういう行事だろう? 別荘地でやってるんだから」
Aブルー「そりゃそうだけど…。同じ見るなら心が痛まない方がいい」
ここは一発、根っから暇人な面子にしたい、というソルジャー。
シャン学メンバー、雪の別荘地でキャロリングですか?
2012/12/08 (Sat)
☆暇ならキャロリング
ソルジャーとキャプテンが泊まるエロドクターの別荘。
そこへ来てキャロリングをやれ、と言われてしまったシャン学メンバー。
ブルー 「子供たちが可哀相はともかく、暇人って何さ!」
Aブルー「だって今年のクリスマス前は暇なんだろう?」
去年みたいな馬小屋セットはやらないんだし、とソルジャーは強気。
Aブルー「あれに比べればマシだと思うよ、キャロリングは」
ブルー 「なんで君たちの休暇に華を添えなきゃいけないんだか…」
キース 「いっそ托鉢に行ってやろうか? 念仏はいいぞ」
サム 「歌うよりかはお念仏だよな、キャロルってロクに知らねえし」
ブルー 「いいねえ、嫌がらせに托鉢コースで行こうか」
ジョミー「待ってよ、なんでクリスマス前に托鉢なわけ?」
シロエ 「ぼくも嫌ですよ、キース先輩たちだけで行って下さい」
Aブルー「誰が托鉢を頼むんだって? 頼みたいのはキャロリング!」
ブルー 「お断りだよ、そんな義理は無い」
Aブルー「ふうん? SD体制の下で苦労しているぼくなのに?」
全員 「「「……うっ……」」」
Aブルー「やっともぎ取った特別休暇で、とても楽しみにしてるのに…」
ブルー 「分かったよ、やればいいんだろう!」
Aブルー「本当かい? 嬉しいな、ワクワクしてきたよ」
SD体制云々というのはソルジャーの必殺技でして。
無理を通したい時に持ち出してくる魔法の呪文でございます。
Aブルー「ノルディにはキャロリングはキャンセルでいいと言っとこう」
ブルー 「…好きにしたら?」
Aブルー「でね、遠路はるばる来てくれるからにはクオリティ高めで」
全員 「「「クオリティ高め?」」」
Aブルー「当然だろう? 歌のレベルも服装もね」
全員 「「「は?」」」
Aブルー「歌が下手だとブチ壊しだ。ついでに衣装の方もよろしく」
キャロリングっぽく聖歌隊風の衣装で頼む、と言い出したソルジャー。
似合わなさそうな面子もいますが、それでも聖歌隊風の格好をしろと…?
2012/12/09 (Sun)
☆坊主とキャロリング
ソルジャーとキャプテンの特別休暇を盛り上げるために、キャロリング。
雪の別荘地まで出掛けるだけでも大変なのに…。
キース 「誰が聖歌隊風の衣装だ、誰が!」
Aブルー「君も含めて、そこの全員。ぶるぅは可愛くなりそうだね」
キース 「俺は坊主だ! クリスマスとは関係ないんだ!」
Aブルー「だけどクリスマスくらい、宗教の壁を越えなくちゃ」
君のお父さんもそうだったろう、と古い話を持ち出すソルジャー。
Aブルー「確か宗派の青年会の慰問でサンタクロースに扮したとか」
キース 「あれは恵まれない子供たちのためで、娯楽じゃない!」
Aブルー「その子供たちよりも酷い目に遭ったけどねえ、ぼくたちは」
キース 「く、くっそぉ…」
ジョミー「無理だよ、勝てるわけないってば。諦めたら?」
キース 「お前は去年がマリアだしな。聖歌隊の方がマシなんだろう?」
ジョミー「あっ、分かる? 女装に比べたら楽勝、楽勝」
Aブルー「だよねえ、女装しろとは言ってないんだ。たかが聖歌隊!」
白いガウンでキメてきてくれ、とソルジャーは至極ご機嫌で。
Aブルー「歌の方も頑張って練習してよ? 綺麗にハモると嬉しいな」
キース 「声明だったらいくらでも綺麗にハモッてやるが」
Aブルー「…しょうみょう…って、何さ?」
キース 「知らんのか? お経に節をつけたヤツでな、歌に近いぞ」
ブルー 「コンサートもあったりするんだけどね?」
シロエ 「コンサートですか?」
ブルー 「雅楽とか三味線とか、ジャズピアノなんかと組んだりするよ」
サム 「なんかすげえな、聖歌隊より派手そうだぜ」
キース 「そうだろう? 声明で行くのもいいと思うが」
Aブルー「いくら派手でも、お経はちょっと…」
ブルー 「衣装も思い切り派手になるけど? キンキラキンの袈裟で」
Aブルー「クリスマス気分が台無しだってば!」
聖歌隊の衣装でクリスマス・キャロルを歌ってくれ、と言われましても。
この面々では相当に無理があるのでは…。
2012/12/10 (Mon)
☆キャロリング、決定
キャロリングよりも声明がいい、というキース君の提案はあえなく却下。
ソルジャーの希望は何処までもクリスマスなキャロリングです。
Aブルー「聖歌隊の衣装ってヤツはね、着ればそれなりに様になるのさ」
サム 「そ、そうかぁ? なんか俺には似合わねえ気が…」
Aブルー「大丈夫だってば、ぼくが保証する」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ ぼく、頑張って服を作るね!」
Aブルー「ありがとう、ぶるぅ。これで衣装はバッチリだ」
歌も衣装に負けないように、とソルジャーは思い切り仕切っております。
Aブルー「綺麗な歌声を期待してるよ。今日から毎日練習だね」
キース 「ちょっと待て! なんでそこまで!」
Aブルー「だって、今年は暇なんだろう? 外で練習するわけじゃなし」
ジョミー「そ、そりゃあ去年は寒かったけどさ、でもさ…」
シロエ 「歌くらい下手でも御愛嬌でしょう?」
ブルー 「坊主にキャロルを期待されても困るんだけどな」
Aブルー「あ、そう。SD体制で苦労しているぼくを癒す気は無いと?」
全員 「「「……うっ……」」」
Aブルー「音楽は癒しになるんだけどねえ、ド下手じゃ真逆だ」
ブルー 「…一応、努力はしてみよう」
Aブルー「ありがとう。じゃあ、楽しみにしているからね」
22日の夜はよろしく、とソルジャーが帰ってしまった後は。
キース 「どうしろと言うんだ、どうしろと!」
ブルー 「諦めるしかないだろう? 22日の夜はキャロリングだよ」
ぶるぅ 「わーい、楽しそう!」
雪がたっぷりの別荘で歌うんだよね、と「そるじゃぁ・ぶるぅ」。
小さな子供だけに気分はお祭りらしいです。
ぶるぅ 「お洋服、急いで作らなくっちゃ! 真っ白なヤツでしょ?」
ブルー 「キャンドルホルダーも買わないと…。キャロリングには必須」
キース 「手燭で行きたくなってきたぜ…」
ブルー 「気持ちは分かるけど、仏具はマズイよ」
手燭は法要で使うキンキラキンの柄つき燭台。
ソルジャーが激怒しますってば…。
2012/12/11 (Tue)
☆キャロルの練習中
仏具な燭台も声明もソルジャーの怒りを買うことは必至。
シャン学メンバー、泣く泣くキャロリングの練習な日々でございますが。
ジョミー「休憩しようよ、もうヘトヘトだよ~」
ブルー 「頑張れと言いたい所だけれど…。ぶるぅ、お茶にしよう」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ みんな、飲み物、何にする?」
キース 「生姜湯で頼む。とろみもつけてな」
サム 「キース、最近、そればっかりだぜ。コーヒー、飽きたか?」
キース 「喉にいいんだ。声を潰したら親父が怖い」
シロエ 「そうですよねえ、普通の生活なら喉は潰れませんものね…」
マツカ 「毎日練習ですからね。…クリスマス・キャロルの」
キース 「去年みたいにチャリティーだったらマシだったんだが…」
サム 「社会の役には立たねえよなぁ、今年のヤツは」
スウェナ「思いっ切り無理があるわよねえ…」
アドス和尚には言い訳できない、と意見の一致を見ております。
なにしろソルジャーの存在自体が秘密なだけに、どうしようもなく。
キース 「親父は22日も内輪パーティーだと思っているんだ」
ジョミー「パーティーどころか去年以上にボランティアだよ!」
ブルー 「仕方ないだろう、逆らえるような相手じゃないし」
キース 「…それは分かっているんだが…」
ブルー 「文句を言わずに練習あるのみ! 失敗してもブルーは怖いよ」
シロエ 「トチッたら命は無さそうですよね…」
ブルー 「雪玉攻撃の一発や二発は覚悟した方がいいだろうね」
キース 「その一発が機銃掃射並みかもしれんぞ、あいつだけに」
全員 「「「………」」」
ブルー 「スウェナは避けてくれそうだけど、他はもれなく…」
サム 「連帯責任ってヤツなのかよ!?」
キース 「多分、八つ当たりをされるだろうな」
シロエ 「そうなってくると…」
マツカ 「頑張ってもらうしかないですね…」
ジョミー「えっ、ぼく?」
なんで、と目を丸くするジョミー君。
お経がダメなのは有名ですけど、まさかキャロルも…?
2012/12/12 (Wed)
☆キャロルも苦手
来る日も来る日もキャロリングの練習なシャン学メンバー。
本番でトチればソルジャー激怒は必至ですけど、危険な面子が若干一名。
ジョミー「どうしてぼくが頑張るわけ?」
キース 「お前が一番危ないんだ!」
ジョミー「言っとくけど、ぼくは音痴じゃないし!」
サム 「ああ、カラオケも得意だよな。でもな…」
ブルー 「キャロリングは一人でやるんじゃないんだ。そこが問題」
シロエ 「合わせて貰わないと困るんです。一人だけ先に歌われても…」
マツカ 「輪唱だったらいいんですけど、合唱ですから」
スウェナ「おまけに歌詞を間違えるのよね…」
キース 「覚えないのはお経だけかと思っていたが…」
普通の歌もダメだったのか、と言われたジョミー君、憤然と。
ジョミー「違うし! クリスマス・キャロルって普通じゃないし!」
サム 「どの辺がだよ?」
ジョミー「なんか言葉が古すぎるんだよ、古典みたいで」
キース 「だったら呪文だと思って覚えろ!」
ジョミー「シュワキマセリは覚えたんだけど、他のがさ…」
ブルー 「主は来ませり、が呪文じゃねえ…。全体的にアウトだろうね」
シロエ 「ぶるぅも全部覚えたんですよ、どうしてジョミー先輩が?」
キース 「多分、根っからダメなんだろう。趣味じゃないことは」
ジョミー「あっ、分かる? そうそう、そういう感じなんだよ」
サム 「だからってなぁ…。連帯責任は御免だぜ」
スウェナ「そうよ、周りが迷惑なのよ」
ブルー 「とにかく覚える! そしてペースを守ってきちんと歌う!」
キース 「休憩終わりだ。続けるぞ」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ 最初は『きよしこの夜』だよね!」
歌の合図は生徒会長。
ついでに小声で一番最初の音を取るのでございますが。
ジョミー「♪きーよーし~」
キース 「それがダメだと言っただろうがぁ! 2秒待つんだ!」
タイミングを読まずにフライングしたジョミー君。
こんな調子で一事が万事、雪の別荘地に綺麗な歌声は響くのでしょうか?
2012/12/13 (Thu)
☆危険なキャロリング
歌詞は間違えるわ、音程ならぬタイミングがズレるわというジョミー君。
フライングな歌いだしだけならともかく、途中もズレる傾向にあって。
ブルー 「ダメダメ、一人だけテンポが早過ぎるってば!」
キース 「またジョミーか…」
サム 「どうするんだよ、マジで当日が危ないぜ」
シロエ 「雪玉の機銃掃射は遠慮したいです、連帯責任は嫌ですよ」
ジョミー「友情ってことでいいじゃない! そうなった時は!」
キース 「お前には責任感ってヤツが無いのか?」
ブルー 「その辺が問題なんだよねえ…。他人を巻き込むのは最低だよ」
スウェナ「ジョミーのせいで失敗したら厳罰っていうのはどうかしら?」
マツカ 「厳罰…ですか?」
スウェナ「連帯責任だとか友情だとかで誤魔化せるのがマズイのよ」
キース 「なるほど…。確かにそうかもしれないな」
ブルー 「因果応報で酷い目に遭うなら、回避するために頑張るかもね」
ジョミー「ちょ、ちょっと…」
サム 「いいんじゃねえか? 失敗したら坊主頭とか」
ジョミー「えぇっ!?」
それは困る、とジョミー君は髪の毛を押さえております。
この年の暮れに坊主頭にされたら、坊主フラグは立ちまくりで。
ジョミー「やだよ、そんなの! 元老寺で除夜の鐘とかがあるのに!」
キース 「ああ、間違いなく坊主コースへ一直線だな」
ブルー 「アドス和尚が燃えるだろうねえ、君が頭を丸めたとなれば」
シロエ 「頭を丸めるのは謝罪の王道ですけども…」
マツカ 「キースのお父さんが勘違いするのは確実ですよ」
サム 「うんうん、仏弟子になる覚悟を決めたと思うよなあ」
スウェナ「そのまま修行に入ればいいのよ、専門コースの」
キース 「来年度の入試は済んでるんだが、特別推薦はアリだしな」
ブルー 「ぼくが頼めば一発OK! ダテに高僧はやっていないよ」
ジョミー「そ、そんなぁ…」
伝説の高僧、銀青様の推薦とあればキース君の大学も大歓迎。
ジョミー君がトチった場合は、お坊さんコース?
2012/12/14 (Fri)
☆坊主へカウントダウン
誰か一人でもトチろうものなら、えらいことになりそうなキャロリング。
危険因子と見なされたジョミー君、坊主フラグが立ちそうです。
キース 「本気で危機感を与えた方がいいと思うぞ、こいつの場合は」
サム 「だよなぁ、雪玉一斉掃射を受けてからでは手遅れだぜ」
ブルー 「ぼくのシールドでも防げないしね、ブルーの攻撃は」
スウェナ「やられちゃってから坊主頭じゃ遅いのよねえ…」
シロエ 「ええ、なんだかんだと逃げられそうです」
キース 「先に退路を断っておくべきだな」
ブルー 「うん、その方がいいだろう。失敗すれば坊主コースの方向で」
何かアイデアは…、と首を捻った生徒会長、ポンと両手を打ち合わせて。
ブルー 「そうだ、今は加行の最中だっけ。璃慕恩院の」
一同 「「「けぎょう?」」」
キース 「俺が行ったヤツだ、住職の資格を取る道場だ。今年も寒いな」
サム 「あー、アレかぁ…。キースの時も寒かったよなぁ」
ブルー 「あれを参考にビシバシやろう。一度トチれば罰礼10回」
シロエ 「ばつらい…って、何でしたっけ?」
キース 「南無阿弥陀仏に合わせて五体投地だ。キツイんだぞ」
ブルー 「トチッた分だけ罰礼も増える。合計千回で坊主コース決定」
ジョミー「そ、それってトチるの千回だよね?」
ブルー 「違うよ、合計千回だから。百回トチればアウトってことさ」
キース 「そいつはいいな。残りの稽古に身が入る」
サム 「あと三日しかねえもんな。今日を入れて四日」
マツカ 「いつものペースでミスっていたら、確実に百回いきますよね」
ジョミー「やだよ、そんなの!」
ブルー 「死ぬ気で頑張れば回避出来るさ。さあ、カウントを始めよう」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ ホワイトボードに書くんだね!」
ジョミー「う、嘘…。たった百回で坊主にされちゃうわけ!?」
壁に掛かったホワイトボードには残り日数が書かれております。
ヒイラギなどを飾り付けたボードで、お坊さんへのカウントダウン開始?
2012/12/15 (Sat)