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シャングリラ学園つれづれ語り

☆新年おめでとう


新年あけましておめでとうございます。
元老寺で除夜の鐘を撞いたシャン学メンバー、元旦に備えて昨夜は早寝。

ぶるぅ 「かみお~ん♪ あけましておめでとう! 起床、起床ーっ!」
ジョミー「うへぇ…。お寺の朝ってホント、早いよ」
サム  「毎年の事だろ、早くしないと初日の出に間に合わねえぜ」

各部屋から起き出した面々ですが、なんと窓の外は。

シロエ 「大雪ですよ…」
マツカ 「どおりで寒いと思いました」
スウェナ「30センチはありそうね」
ブルー 「やあ、おはよう。キースが根性で掃除してたよ、山門までね」

初日の出を拝むのは山門から。
キース君、真っ暗な内に起き出して雪かきをしていたそうでございます。
綺麗になった石畳を踏み、皆で山門へ出掛けまして。

アドス 「さあ、初日の出ですぞ」
イライザ「二礼二拍手一礼ですよ、間違えないで下さいね」
キース 「今年は特にペナルティーは無い。良心に任せることになった」
ジョミー「…そっちの方がプレッシャーだよ…」

とは言うものの、昨年で懲りたジョミー君はキッチリ練習したらしく。
揃って二礼二拍手一礼、良いお参りが出来ました。

アドス 「今年は幸先がいいですな。では、庫裏の方へ」
ぶるぅ 「わぁーい、おせちとお雑煮だぁ!」

来た道を戻る面々ですけど、大雪に加えて正月寒波。
踏んで来た石畳、ガッツリ凍って鈍い光が。

アドス 「ふうむ、少々滑りますぞ。お気を付けて」
キース 「どこぞの馬鹿が初滑りかもな」
ブルー 「うんうん、滑りそうな予感がするね」
ぶるぅ 「うわぁ、ツルツル!」

ツイーッと滑る「そるじゃぁ・ぶるぅ」の真後ろで。

ジョミー「どわぁぁぁっ!」

思い切り足を滑らせたジョミー君。
このまま転べば馬鹿は確定、必死に体勢を立て直し…。

サム  「つまんねえなあ、転んでおけよ」
ジョミー「やだよ、運気が落ちそうだし!」

正月早々、滑る、転ぶを披露しなくて一安心。
今年もいい年になりますように~!

2013/01/01 (Tue)

 

☆おせちで歓談


お正月から大雪になった元老寺。
庭に降り積もる雪を眺めつつ、まずは御屠蘇で御挨拶からでございます。

アドス 「では、改めまして…。あけましておめでとうございます」
全員  「「「おめでとうございまーす!」」」
イライザ「さあさあ、皆さん、御屠蘇をどうぞ」
ジョミー「え、えっと…。これってやっぱりお酒だよね?」
アドス 「わははは、去年を思い出されましたか。なに、大丈夫ですぞ」
イライザ「去年も御屠蘇では酔っておられませんでしたでしょ?」
ブルー 「縁起物だよ、頂きたまえ」
ジョミー「じゃ、じゃあ…少しだけ…」
アドス 「酔っ払いたいと仰るのでしたら、後ほど酒宴を」
ジョミー「遠慮します!」
キース 「つまらんな…。今年も期待しているんだが」
サム  「そうだぜ、パァーッと派手に一発、叫んでしまえよ」
ジョミー「嫌だってば!」

坊主宣言は二度と御免だ、とジョミー君。
御屠蘇の後はお雑煮とおせち。お煮しめなどの伝統おせちがたっぷりと。

キース 「ジョミー、今年は何も文句を言わんのか?」
ブルー 「去年でしっかり懲りたんだろう」
ジョミー「ぼくだって学習能力はあるし!」
シロエ 「伝統おせちに文句をつけたのが不幸の始まりでしたしね…」
スウェナ「今年は上手に回避しそうね、さっきも滑って転ばなかったし」
マツカ 「反射神経が凄いですよね、驚きました」
ブルー 「ダテにサッカーはやってない…かな?」
アドス 「いやあ、なかなかお見事でした。若い頃を思い出しますな」
ブルー 「サッカーをやっていたのかい?」
アドス 「いえいえ、スケートの方でして」
全員  「「「スケート!?」」」

似合わねえ、との声も上がる中、キース君も首を傾げております。

キース 「親父がスケートとは初耳だが…」
アドス 「わしの親父が好きだったんじゃ。昔はもっと寒くてのう…」

池が凍ると滑ったもんじゃ、とアドス和尚。
婿養子に来る前のことらしいですが、スケートとはまたアクティブな…。

2013/01/02 (Wed)

 

☆坊主とスケート


おせちを食べつつ歓談中のシャン学メンバー。
アドス和尚が若かりし日にスケートと聞き、誰もが仰天しておりますが。

キース 「…俺はスケートに連れて行って貰った覚えはないぞ」
イライザ「行ってませんよ。あなたは冬も柔道でしょう?」
アドス 「連れてやっても良かったんじゃが、寺の子じゃしのう…」
キース 「家が寺だと何かマズイのか?」
シロエ 「スケートリンクに入場規制は無さそうですけど」
ジョミー「あー、プールだと刺青お断りとかいうのがあるよね」
サム  「でも坊主だぜ? スキンヘッドはお断りかよ?」
スウェナ「確かに衣を着てなかったら、ヤクザっぽいかもしれないわね」
マツカ 「スケートリンクでスキンヘッドお断り…ですか?」
ブルー 「そんな規則は聞いたことがないよ」
キース 「俺も知らんぞ。どうしてスケートがダメなんだ?」
アドス 「親父は厳しい人でしてなあ、服装にも非常に厳格でして」
全員  「「「は?」」」
アドス 「坊主たるもの、人前に出る時は常に檀家さんを意識しろと」

スケートに行く時も着物なんじゃ、と言われてしまって一同、絶句。

キース 「そ、それは…。確かに悪目立ちしそうではある…」
ブルー 「そうだね、池で滑った時代はともかく、スケートリンクは…」
アドス 「いやいや、それだけではございませんぞ」
シロエ 「他にも理由があるんですか?」
アドス 「着物を着たら履物もそれなりに調えませんと」
ジョミー「履物って…。草履とかだと滑れないよ?」
アドス 「専用のヤツがございましてな。…どれ、久しぶりに」

お見せしましょう、と座敷を出て行ったアドス和尚。
暫くしてから箱を抱えて参りまして…。

アドス 「如何ですかな? 大学時代の愛用品でして、桐製ですぞ」
ジョミー「な、なにコレ…」
イライザ「あら、分かりません? 下駄スケートですわ」
全員  「「「下駄スケート!?」」」

鼻緒のついた下駄の裏に輝く金属製のブレード。
これは何かの冗談ですか?

2013/01/03 (Thu)

 

☆希少な下駄スケート


坊主たるもの、常に檀家さんを意識すべしと教えられていたアドス和尚。
大学時代の愛用品は下駄スケートとかいうモノで。

キース 「これが下駄だというのは分かる。しかし…」
シロエ 「裏側はスケート靴のブレードですよ?」
ジョミー「下駄スケートとか言ってたよね…」
イライザ「最近は見かけませんでしょう? 着物でスケートしませんし」
マツカ 「昔は流行ってたんですか?」
アドス 「そうですなぁ…。わしの時代には希少品でしたな」
ブルー 「五十年前くらいまでは普通にあったよ、下駄スケート」
サム  「ブルーもコレを履いて滑っていたのかよ!?」
ブルー 「まさか。ぼくは最初から靴だってば」

修行時代しか着物は着てない、と生徒会長は申しております。

キース 「だったら下駄スケートは誰が履いていたんだ?」
ブルー 「着物を着るのが仕事の人だよ、お坊さんでなくても色々と」
イライザ「舞妓さんや芸妓さんが履いているのを見かけましたわ」
アドス 「男性ですと、お茶人さんに坊主ですかな」

既に珍しい光景でしたが、とアドス和尚は懐かしそうに。

アドス 「下駄スケートを使う人が激減しまして、職人さんも廃業で」
イライザ「キースの分を作って貰っておけば良かったですわねえ…」
キース 「い、いや、俺はそこまでしてスケートは…!」
アドス 「そうじゃろうと思って、スケートには行かなかったんじゃ」
ブルー 「うーん…。ちょっと見たかった気がするね、それ」

子供のキースが下駄スケート、とクスクス笑う生徒会長。

ブルー 「そうだ、今からでも遅くはないかも」
キース 「何がだ?」
ブルー 「下駄スケートだよ、これで初滑りと洒落込まないかい?」
キース 「お断りだ! 今日は檀家さんが初詣にいらっしゃるんだぞ」
ブルー 「その後で滑ればいいじゃないか」

せっかく下駄スケートが出てきたんだし、と生徒会長はやる気満々。
気の毒なキース君、新年早々、スケートリンクで笑い物になる運命とか?

2013/01/04 (Fri)

 

☆下駄スケートで滑れ


キース君に向かって「下駄スケートで初滑り」などと言い出す生徒会長。
確かにレアなアイテムですけど、どう転んでも見た目は立派な下駄で…。

キース 「こんなのを履いて出掛けられるか、スケート場に!」
スウェナ「あら、ウケるかもしれないわよ?」
サム  「注目の的になるのは間違いねえよな」
シロエ 「どうせなら法衣か作務衣ですよね、下駄に合わせて」
ジョミー「リンクが白いし、法衣がいいんじゃないのかな?」
マツカ 「墨染の衣が映えそうですね」
キース 「お前ら、他人事だと思いやがって!」
イライザ「あらあら、キース。お友達に乱暴な言葉はいけませんわよ」
アドス 「まったくじゃ。せっかく誘って下さっとるのに」
キース 「俺に今更、下駄スケートで滑って来いと!?」

そういうことは子供の頃に言ってくれ、とキース君は叫んでおりますが。

アドス 「これも何かの御縁じゃろう。下駄スケートもいいもんじゃぞ」
ブルー 「そうだよ、この際、体験するべき!」
キース 「し、しかし…。下駄スケートは入場お断りだと思うぞ」
ジョミー「あ、そっかぁ…。変なヤツだし、ダメかもね」
サム  「氷が傷むとか言われちまうかもしれねえなぁ…」
ブルー 「ああ、その点は大丈夫! スケート場ってわけではないし」
全員  「「「は?」」」
ブルー 「外をご覧よ、大雪だろう? これを使えば素敵なリンクが」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ サイオンで雪を固めるんだよ!」

軽く溶かして固め直して、と「そるじゃぁ・ぶるぅ」。
たまにマンションの駐車場にリンクを作っているそうでして。

アドス 「ほほう、それなら宿坊の駐車場が空いておりますぞ」
イライザ「お正月の間は休業ですもの、お好きに使って下さいな」
ブルー 「いいのかい? だったら広いのが作れそうだ」
ぶるぅ 「わぁーい! ぼくも一緒にスケートしようっと!」

宿坊の駐車場、かなりの広さがございます。
キース君、下駄スケートと法衣で華麗に初滑りですか…?

2013/01/05 (Sat)

 

☆下駄スケートの復活


雪を固めたスケートリンクで下駄スケート。
アドス和尚とイライザさん、宿坊の駐車場を提供すると申し出まして…。

キース 「ま、待ってくれ、本気でスケートリンクを作るのか?」
ブルー 「そうだけど? 君が初詣の応対をしてる間に完成するさ」
スウェナ「もちろん法衣で滑るのよね?」
アドス 「それが一番よろしいでしょうな、下駄スケートですから」
キース 「お、親父、こいつらに乗せられてどうする!」
アドス 「懐かしの下駄スケートじゃぞ? 正月早々縁起がいいわい」
イライザ「そうですわよねえ、伝統を受け継ぐのはいいことですわ」
ブルー 「お正月こそ、昔ながらの遊びをしなくちゃ」

羽根つきと凧揚げも消えたよね、と生徒会長は回想しております。

ブルー 「お正月といえばアレだったのにさ、今は見ないねえ」
アドス 「ゲーム機も無かった時代ですしなぁ…」
イライザ「下駄スケートの復活は嬉しいですわね、皆さんもいかが?」
全員  「「「は?」」」
イライザ「キースだけでは少し寂しい気がいたしますの」
アドス 「ふむ…。皆さんにも下駄スケートを知って頂きたいですな」

ひとつ賞品を出しますか、とアドス和尚。
奥へ引っ込み、暫くしてからトロフィーを抱えて戻りまして。

アドス 「これを提供いたしましょう。前にゴルフで貰いましてな」
ブルー 「そりゃいいね。下駄スケート元老寺カップってね」
ジョミー「ちょ、ちょっと待ってよ、ぼくたちまで!?」
サム  「本気かよ? 下駄スケートは一つしかねえんだぞ?」
ブルー 「分かってないねえ、そこがいいんだ」
シロエ 「どういう意味です?」
ブルー 「下駄スケートでの練習時間が短くなるから楽しいんだよ」

ぶっつけ本番に近いところが面白い、と生徒会長。

ブルー 「どうせなら本格的にいこうか、課題曲つきで」
全員  「「「課題曲?」」」

課題曲だなどと言われましても。
下駄スケートを履いて課題も何も、元老寺カップはどうなりますやら…。

2013/01/06 (Sun)

 

☆課題曲も決定


下駄スケートを知って頂きたい、とアドス和尚がトロフィーを提供。
生徒会長もやる気満々、課題曲つきで元老寺カップとか言い出しました。

ブルー 「普通に滑るだけだと面白くないしね、芸もしなくちゃ」
ジョミー「芸って何さ?」
ブルー 「そりゃあもちろん、ダブルアクセルとかトリプルルッツ」
キース 「法衣でフィギュアの真似が出来るかぁ!」
アドス 「年に一度の正月じゃぞ? ご本尊様もお許し下さるじゃろう」
イライザ「着崩れが嫌なら減点対象になればいいでしょう?」
キース 「なんでこいつを焚きつけるんだ!」
アドス 「せっかくの元老寺カップじゃからのう、盛り上げるべきじゃ」
ブルー 「分かってくれて嬉しいよ。じゃ、そういうことで」
シロエ 「本気で元老寺カップですか!?」
ブルー 「決まってるだろう? 課題曲は当然、『かみほー♪』で!」
ぶるぅ 「わぁーい、楽しみ!」
アドス 「CDプレーヤーもお貸ししましょう、高音質ですぞ」
ブルー 「ありがとう、下駄スケートも恩に着るよ」
アドス 「いえいえ、わしの方こそ皆さんの滑りが楽しみで」
イライザ「外は冷えますから、暖かいものを差し入れいたしますわね」
キース 「勝手に話を進めるなぁーっ!」

悪乗りするな、と絶叫するだけ無駄というもので。
おせちタイムが終わると、キース君とアドス和尚は初詣のために本堂へ。

アドス 「銀青様、失礼いたします。スケートリンクはどうぞご自由に」
ブルー 「任せといてよ、キースも初詣が済んだら来るんだよ?」
キース 「く、くっそぉ…。なんでこうなる…」

文句を言いつつキース君が立ち去った後は…。

ブルー 「それじゃ早速、スケートリンクを作ろうか」
ジョミー「本当に『かみほー♪』で滑るわけ? 下駄スケートで?」
ブルー 「一年の計は元旦にあり! みんな揃って元老寺カップ!」

さあやるぞ、と生徒会長は燃えております。
雪を固めたスケートリンクで初滑りはともかく、『かみほー♪』ですか?

2013/01/07 (Mon)

 

☆リンクは完成


元老寺に限らず、お寺のお正月といえば檀家さんが初詣に訪れるもの。
アドス和尚とキース君は本堂に炬燵を据え、檀家さんを迎えております。

ジョミー「大雪でも初詣の人って来るんだねえ…」
ブルー 「そりゃそうさ。熱心な檀家さんとはそういうものだよ」
サム  「ジョミー、去年は下足番だっけな。今年は楽でいいだろう?」
ジョミー「まあね、法衣も着なくていいし…。でもさ…」

今年とどっちがマシなんだろう、とジョミー君。
キース君を除いたシャン学メンバー、宿坊の駐車場に行く途中でして。

シロエ 「元老寺カップですからねえ…。ぼくは今年が不幸です」
マツカ 「ぼくたち、去年はお座敷でのんびりしてましたから」
スウェナ「あら、面白いと思うわよ? 下駄スケートも」
ジョミー「スウェナはエントリーしてないじゃないか!」
サム  「仕方ねえだろ、フィギュアは男子と女子が別だし」
ブルー 「そうだよ、スウェナが不利になるのは見えているから」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ ぼくとスウェナは見学だもん!」
スウェナ「ちょっと体験するだけなのよね」
男子一同「「「…それってズルイ…」」」
ブルー 「ぶるぅも下駄のサイズが合わないんだよ」

四の五の言うな、と生徒会長はバッサリと。

ブルー 「さてと…。この駐車場を全面リンクにすればいいかな」
ぶるぅ 「わぁーい、楽しく滑れそう!」
シロエ 「やっぱり本気でやるんですか…」
ブルー 「もちろんさ。観覧席は道路の雪かきをしてからテントをね」

そっちは任せた、と道具一式を男子に丸投げ。
サム君たちが雪かきを始めた途端に青いサイオンが迸りまして。

ブルー 「はい、完成。ぶるぅとスウェナは今の間に滑るといいよ」
スウェナ「えーっと…。これは普通に履くだけでいいの?」
ブルー 「まさか。それだと脱げてしまうじゃないか」

ダブルアクセルどころではない、と生徒会長は申しております。
鼻緒がついた下駄スケートですが、それの脱げない履き方とは…?

2013/01/08 (Tue)

 

☆脱げない履き方


来るべき元老寺カップに備えて男子はテントを設営中。
不参加組は男子が来るまでの間、下駄スケートを体験するそうですが…。

ブルー 「まずは鼻緒を調べないと…。なにしろ古いヤツだから」
スウェナ「アドス和尚の大学時代って言ってたものね」
ブルー 「…よし、挿げ替えなくても大丈夫そうだ」

念のためにサイオンで強化しておこう、と生徒会長。

ブルー 「これでOK! スウェナが先に滑るかい?」
スウェナ「もちろんよ。元ジャーナリスト志望なのよ?」
ブルー 「未知の世界は体験してなんぼって?」
スウェナ「そうだけど…。履くだけじゃないって言ってたわよね?」
ブルー 「固定しないとダメなんだよ。えーっと、椅子は、と」
ぶるぅ 「んとんと、向こうに置いてあるけど…」
ブルー 「そこの男子! パイプ椅子を一つくれるかな?」
サム  「おっしゃあ!」

何に使うんだ、と椅子を持ってきたサム君、興味津々。
他の男子も手がお留守です。

ブルー 「なんだ、全員、気にしてるんだ?」
ジョミー「気になるよ! 下駄スケートなのに椅子なわけ?」
ブルー 「これが一番安定するんだ。スウェナ、座って」
スウェナ「はぁーい!」
ブルー 「次は靴を脱いで、下駄スケートを履く」

靴下の爪先を緩めるんだよ、と生徒会長は指導しております。
足袋風にしないと鼻緒にマッチしないのだそうで。

ブルー 「うん、大体こんな感じかな。ここから先が大切でさ」
シロエ 「ええっ、その紐で縛り付けるんですか!?」
ブルー 「固定しないと下駄だけ滑って行っちゃうじゃないか」
サム  「あー、そうか…。ジャンプとかしたら飛んで行くよな」
ブルー 「だからね、紐で縛るわけ。これにもコツがあるんだよ」
マツカ 「後で教えてくれるんですよね?」
ブルー 「まさか。技は目で見て盗みたまえ」
男子一同「「「えぇっ!?」」」

今の過程をもう一度、と真っ青になる男子たち。
下駄スケートが脱げない縛り方、今更盗めと言われても…。

2013/01/09 (Wed)

 

☆下駄スケート体験


履いただけだと脱げてしまうという下駄スケート。
そうならないように紐で縛るのですけど、生徒会長には教える気が無く。

ジョミー「無理だよ、技なんて盗めないよ!」
シロエ 「もう一度だけ最初からやって下さい、お願いします!」
ブルー 「ダメダメ、体験タイムは一人一回」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ ぼくがスウェナの後で滑るよ!」
サム  「そうだ、ぶるぅも履くんだよな?」
マツカ 「その時にしっかり見ておきましょう」

よっしゃあ! と拳を突き上げる男子たち。
その間に生徒会長はスウェナの手を取りまして。

ブルー 「じゃあ、立って。うんうん、そんな調子でリンクまでね」
スウェナ「バランスを取るのが難しいのね…」
ブルー 「そりゃあ、靴とは違うから…。転ばないようサポートするよ」

ぼくが一緒に滑ってあげる、とシャングリラ・ジゴロ・ブルー登場。
スケート靴を履くわけでもなく、普通にスニーカーですが…。

スウェナ「きゃあっ!」
ブルー 「おっと、危ない。下駄といえどもスケートなんだよ」
スウェナ「そ、そうみたいね…。手すりもないのに歩けるかしら」
ブルー 「大丈夫。ぼくが手すりの代わりってね」

最初はゆっくり歩いてみよう、と生徒会長はリードしております。
一周するとスウェナも慣れてきたようで。

ブルー 「少しスピードを出してみようか。右、左、右…」
スウェナ「右、左、右…」

掛け声をかけつつ、下駄スケートとスニーカーのペアがスイスイと。
その隣では「そるじゃぁ・ぶるぅ」がクルクル回って滑っていたり…。

サム  「なんか見た目は簡単そうだぜ?」
シロエ 「そうですね…。バランスさえ取れればいけそうです」
ジョミー「だよね、脱げなきゃ平気だよね!」
ブルー 「そこの男子たち! さっさとテントを設営する!」
男子一同「「「はぁーい…」」」

テントを設置している間にスウェナの体験タイム終了。
お次は「そるじゃぁ・ぶるぅ」ですけど、紐の結び方はマスター可能?

2013/01/10 (Thu)

 

☆下駄スケートのサイズ


元老寺カップの観覧用にテントを設置した男子たち。
手が空いたとあって、下駄スケートの履き方を学びにやって来ましたが。

ジョミー「…解くのを見たって分からなかったね」
サム  「なんかこう、紐をシュルッてえのか? 掴めねえよな」
シロエ 「結び方が大事だと思うんです。ぶるぅの方に期待しましょう」
マツカ 「そうですね…。頑張って技を盗まないと」
ブルー 「ぶるぅの体験タイムが済んだら順番に練習していいよ」
ぶるぅ 「でもでも、ぼくも滑ってみるんだもんね!」

早く履かせて、と「そるじゃぁ・ぶるぅ」は椅子に座って足をブラブラ。
生徒会長が履かせた下駄スケートはサイズ違いどころの騒ぎではなく。

ぶるぅ 「おっきな下駄だね、飛んで行きそう!」
ブルー 「うん、キッチリ縛っておかないとね」

よいしょ、と紐を取り出した生徒会長ですが。

シロエ 「ま、待って下さい、さっきと全然違うんですけど?」
ブルー 「何がだい?」
シロエ 「結び方です! 紐の掛け方からして違うみたいな…」
ブルー 「決まってるだろ、足のサイズが違うんだからさ」

外れないよう調整中、と生徒会長は涼しい顔で。

ブルー 「正統派はスウェナが履いていたヤツ。これはアレンジ」
男子一同「「「アレンジ…」」」
ブルー 「まあ、基本の部分は同じだよ。最後の結び方とかね」
ジョミー「あーっ!」
サム  「い、今の、見てたか?」
シロエ 「すみません、アレンジに気を取られていて…」
マツカ 「ぼくもです。ど、どうしましょう…」
ブルー 「さあねえ? 見て盗めって言った以上は自己責任で」

これで完成、と生徒会長、「そるじゃぁ・ぶるぅ」の両足をポンポンと。

ブルー 「はい、時間いっぱい滑っておいで。五分間だよ」
ぶるぅ 「わぁーい! ダブルアクセル、トリプルルッツ―!」

『かみほー♪』で滑りまくるんだもん、と「そるじゃぁ・ぶるぅ」。
御機嫌で歌いつつスイスイスイ。下駄スケートって簡単なんですか?

2013/01/11 (Fri)

 

☆華麗なる下駄スケート


「そるじゃぁ・ぶるぅ」の下駄スケートの体験タイムは五分間。
雪のリンクに飛び出して行き、下駄とも思えぬ華麗な滑りでスイスイと。

シロエ 「う、歌って踊ってるんですけど?」
ブルー 「そりゃそうさ。ぶるぅの十八番が課題曲だしね」
ジョミー「本気でやるわけ、『かみほー♪』の歌で?」
ブルー 「せっかくの元老寺カップじゃないか。派手にやらなきゃ」
シロエ 「で、でも…。フィギュアの曲に歌はつきませんよ?」
スウェナ「そういえば…。OKなのはアイスダンスの方だったかしら?」
ブルー 「細かいことは気にしない! 楽しくやれればいいんだよ」
ぶるぅ 「かみお~ん♪」
男子一同「「「わわっ!?」」」

『かみほー♪』のサビに差し掛かった「そるじゃぁ・ぶるぅ」。
下駄スケートで氷を蹴ると宙に舞い上がってクルクルクル。

ぶるぅ 「わーい、トリプルアクセル成功ーっ!!!」
ブルー 「その調子! トリプルルッツも綺麗にキメてよ」
ぶるぅ 「もっちろーん!」

氷を蹴ってクルクルクル。
あまりにも見事な滑りっぷりに、男子は唖然としております。

ジョミー「ほ……ホントにアレって下駄なわけ?」
ブルー 「それ以外の何に見えるんだい?」
サム  「だよな、どう見ても下駄だよなぁ…。で、サイオンは?」
ブルー 「多少は使っていると思うよ。君たちも使えばいいじゃないか」
男子一同「「「は?」」」
ブルー 「サイオンは禁止していない。自由に使って問題なし!」
シロエ 「無茶を言わないで下さいよ! 思念波が精一杯なんですよ?」
ブルー 「そうだったっけ? じゃあ、実力で」
男子一同「「「じ、実力…」」」

とても無理だ、と泣きが入っている男子。

ジョミー「転ばないのが限界っぽいような気がするんだけど…」
マツカ 「ですよね、ぼくも不安になってきました」
サム  「どうすんだよ、おい!?」

いきなり試練なシャン学メンバー。
下駄スケートで実力勝負な元老寺カップの明日はどっちだ!?

2013/01/12 (Sat)

 

☆下駄でも大技


元老寺カップの見本とばかりに見事に滑った「そるじゃぁ・ぶるぅ」。
下駄スケートでトリプルアクセル、トリプルルッツと決めまくりまして。

ぶるぅ 「わぁーい、フィニッシュー!」
ジョミー「な、なんで最後にジャンプなわけ!?」
ブルー 「スピンから華麗にトリプルルッツ。何か問題があるのかい?」
サム  「あんなの出来るわけねえだろう! 普通に!」
シロエ 「そうです、しかもアレです、座った姿勢でクルクルと!」
ブルー 「シットスピンと言いたまえ。難易度は低いと思うけど」
サム  「どの辺がだよ!?」
ブルー 「身体が柔らかくなくても出来るし」

足を頭の上に持ち上げるヤツよりマシだろう、などと言われましても。

シロエ 「まさか、ああいうのも入れろと言うんじゃないでしょうね?」
ブルー 「別に? 採点が思い切り低くていいなら滑るだけでもOKさ」
男子一同「「「す、滑るだけ…」」」
ブルー 「うん。『かみほー♪』に合わせて適当に…ね」

でたらめなステップだろうが気にしない、と生徒会長は申しております。
ただし腐っても元老寺カップ。観客の目があるわけで…。

ブルー 「アドス和尚とイライザさんに評価されるよ、君たちの滑り」
ジョミー「も、もしかして…やる気なしだと後でお勤め?」
ブルー 「さあねえ…。根性を鍛え直すとかで五体投地はアリかもね」
男子一同「「「五体投地!?」」」
ブルー 「南無阿弥陀仏に合わせてスクワット! いい修行だろう?」
シロエ 「お、お断りします!」
ブルー 「おや。新年早々、修行も素敵だと思ったけどな」
シロエ 「坊主フラグはジョミー先輩だけでいいです!」

ぼくは真面目に練習します、と拳を握ったシロエ君ですが。

シロエ 「あーーーっ!!!」
サム  「どうしたんだよ?」
シロエ 「ぶるぅ、下駄スケートを脱いでしまってますよ…」
ジョミー「み、見てなかった…」

愕然とする男子一同。
見そびれてしまった紐の解き方、こんな調子で大丈夫ですか?

2013/01/13 (Sun)

 

☆お手本を所望


「そるじゃぁ・ぶるぅ」が下駄スケートを脱ぐのを見そびれた男子たち。
紐の結び方の技を盗むどころか、見当もつかない状態に陥ってしまい…。

サム  「どうすんだよ、おい!? アレって適当でいいのかよ?」
シロエ 「さ、さあ…。多分、独特の結び方だと思うんですけど…」
マツカ 「結び終えた紐の処理みたいなのもありましたよ?」
ジョミー「そっか、端っこを何処かに押し込んでたよね…」

どう結ぶんだ、と悩み苦しむ男子一同。
結び方以前の問題として、紐の掛け方も全く分かっておりません。

ぶるぅ 「かみお~ん♪ はい、誰が一番最初に滑るの?」
ブルー 「ほら、下駄スケートが空いてるよ? 練習しないと」
ジョミー「え、えっと…。シロエが一番でいいんじゃないかな?」
シロエ 「なんでですか!」
ジョミー「だってさ、柔道やってるし…。運動神経良さそうじゃない」
サム  「それを言うならジョミーだぜ? そもそも、お前が最初に」
マツカ 「ですよね、石畳で滑りを披露していましたし」
ジョミー「無理だってば! スニーカーとは違うんだから!」

履き方が全然分からないし、と話は再び振り出しへ。
額を集めた男子一同、ひとしきり作戦会議を繰り広げまして。

シロエ 「会長、ちょっといいですか?」
ブルー 「なんだい?」
シロエ 「ぼくたちの真剣なお願いです。是非お手本を見せて下さい」
ブルー 「お手本?」
シロエ 「そうです、どんな風に滑ればいいのか、見本だけでも」
ジョミー「下駄スケートってよく分からないし、基本の技とか!」
ブルー 「基本も何も、普通のフィギュアと同じだけどねえ?」
シロエ 「フィギュアは馴染みが無いんです。お願いします!」
ブルー 「うーん…。紐の結び方を知りたいだけってバレバレだけど?」
ジョミー「分かってるんならケチらないでよ!」

ここは一発、見本をよろしく、と必死に食い下がるジョミー君たち。
一生のお願いとか言ってますけど、生徒会長は滑ってくれますかねえ…?

2013/01/14 (Mon)

 

☆下駄スケートの先達


下駄スケートの紐の結び方も掛け方も全く分からない男子一同。
なんとかして技を盗み出すべく、生徒会長に手本を頼み込んでおります。

シロエ 「ぼくたち、本当に真剣なんです! 一生のお願いです!」
ブルー 「そう言われてもねえ…。今年中にソレを何回聞くやら」
ジョミー「うっ…。でもさ、今年初の一生のお願いだし!」
ブルー 「今年初と来たか…。まあ、いいけどさ」

生徒会長、やおら下駄スケートを手にしましたが。

サム  「あれっ? ブルーは下駄スケートの経験、皆無なんじゃあ?」
マツカ 「そういえば…。着物でスケートはしていないとか…」
ジョミー「なのに結び方とか分かるんだ? なんで?」
ブルー 「そりゃね、経験豊富だからさ」

長生きしてると色々あるよ、と生徒会長、椅子に座って靴を脱ぎ…。

ブルー 「お正月って晴れ着が似合うと思わないかい?」
全員  「「「は?」」」
ブルー 「晴れ着だよ、晴れ着! 着物姿の女性っていいものだよね」
ジョミー「なんの話さ?」
ブルー 「着物の女性と初詣! これぞお正月の醍醐味だってば」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ ブルー、昔からモテてたもんね!」
シロエ 「えぇっ? じゃ、じゃあ、綺麗どころを引き連れて…とか?」
ブルー 「もちろんさ。初詣の後は初滑りと洒落込むことだってあるし」
サム  「そこで下駄スケートをしてたのかよ!?」
ブルー 「着物の女性をエスコートするには羽織袴が必須だからね」

昔取った杵柄、とリンクに向かう生徒会長。
足にはしっかり下駄スケートが。

シロエ 「あーーーっ!!!」
サム  「今度は何だよ?」
シロエ 「み、見てませんでしたよ、紐の掛け方…」
ジョミー「ぼくも…。ブルーがモテたって話だけしか…」
サム  「俺も話を聞くのに夢中で、ブルーの顔しか見てねえや…」

おしまいだぁぁぁ、と頭を抱える男子たちですが、時すでに遅し。
下駄スケートも経験アリの生徒会長、どんな滑りを見せるのでしょうか?

2013/01/15 (Tue)


 

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