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シャングリラ学園つれづれ語り

☆恵方巻をよろしく


ジョミー君とシロエ君が散々なスタートを切った今年の元日。
あれから順調に日は流れまして、梅もほころぶ二月の到来でございます。

ブルー 「さてと、明後日が節分だけど…。今年はどうする?」
キース 「日曜だしな…。各自、自宅で豆まきという手もあるが」
ジョミー「それってあんまり楽しくないし!」
??? 「そうだよね、ぼくもそう思う」
全員  「「「!!?」」」

バッと振り返った先に立っていたのは紫のマントの例の人。
いわゆるソルジャー(会話表記はAブルー)ご登場で。

Aブルー「恵方巻の予約をしただろう? 追加をお願いしたいんだけど」
ブルー 「そりゃ出来るけどさ…。ぶるぅ、追加だ」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ すぐにお電話するね!」

もしもし、と「そるじゃぁ・ぶるぅ」が電話した先は高級料亭。
パルテノンでも指折りの店で、上得意様にだけ恵方巻お届けサービスが。

ぶるぅ 「えっと、えっとね、恵方巻の追加、一本お願い!」
Aブルー「違う、二本で」
ぶるぅ 「間違えちゃった、二本だったぁ! お願いしまぁ~す♪」

それじゃよろしく、と追加注文は簡単に終わりましたが。

ブルー 「二本って…。恵方巻は一人一本だよ?」
Aブルー「忘れないで欲しいね、ぼくは結婚してるんだけど」
ブルー 「だったら三本要るだろう! ぶるぅの分はどうするのさ!」
Aブルー「お留守番には御褒美たっぷり! 市販のヤツをドカンとね」
全員  「「「お留守番?」」」
Aブルー「うん。ぼくとハーレイは節分をこっちで過ごそうかと」

楽しそうなイベントが盛りだくさん、と言われましても。
たかが節分、世間はバレンタインデーの前哨戦で盛り上がり中で。

ブルー 「バレンタインデーの方が楽しいだろうと思うけど?」
Aブルー「そっちはぼくのシャングリラにもあるからねえ…」

異文化体験、節分ツアー! とソルジャーはブチ上げているものの。
ソルジャー夫妻が来るとなったら、恵方巻を食べるだけではなさそうな?

2013/02/01 (Fri)

 

☆バカップルと節分


異文化を体験してみたい、と節分に押し掛けてきたのがソルジャー夫妻。
シャン学メンバーも朝早くから生徒会長の家に集合で。

ブルー 「まったく、なんでこうなるんだか…」
Aブルー「ぼくもハーレイも素人なんだよ、節分ってヤツは」

そうだよね? と同意を求められたキャプテン(会話表記はA船長)、
穏やかな笑みを浮かべつつ。

A船長 「ええ、ブルーの話を聞いただけでは右も左もサッパリで」
Aブルー「去年、覗き見してたんだよね。色々と楽しそうだったしさ」

みんなで笹とか持っていたし、とソルジャーは既にお祭り気分。
今年の節分も七福神巡りでスタートすることになりそうです。

ジョミー「またお寺だぁ…。あそこ、ぼくには鬼門なのにさ…」
サム  「坊主宣言しちまったもんなぁ…」
キース 「これも御仏縁というものだ。精進しますと誓うんだな」
ジョミー「やだよ、そんなの!」
シロエ 「落ち着いて下さい、ジョミー先輩。今年は矛先が逸れるかも」

あそこに熱々のバカップルが、とシロエ君は声をひそめて。

シロエ 「会長はバカップルで手一杯だと思います。大丈夫ですよ」
マツカ 「ジョミーどころじゃなさそうですよね」
ジョミー「そ、そっか…。そうかもね!」
Aブルー「ん? ぼくたちがどうかしたのかい?」
シロエ 「いえ、節分を楽しんで頂きたいな、と」
Aブルー「それはもう! 御利益もたっぷり頂かなくっちゃ」

お賽銭とかの用意もバッチリ、とソルジャーは得意げでございます。
キャプテンに財布を持たせておりまして…。

Aブルー「何かと物入りだろうしね。ちゃんとお小遣いを貰ってきたよ」
ブルー 「そ、それって、まさか…」
Aブルー「決まってるだろう、ノルディだってば!」
ブルー 「君のハーレイはそれでいいわけ!?」
A船長 「私はブルーが幸せでしたら、それで幸せなのですよ」

なんと言っても夫婦ですし、とバカップルは朝からイチャイチャと。
節分はデートの口実だったりするのかも…?

2013/02/02 (Sat)

 

☆バカップルと出発


節分といえば節分寒波。
今年も厳しい冷え込みになり、雪が降りしきる中を七福神巡りに出発で。

Aブルー「いいねえ、雪を見るとノルディの別荘を思い出すよ」
A船長 「雪景色が素晴らしかったですからね。…あなたもですが」
Aブルー「讃美歌でウットリしちゃってさ…。それが良かったかな?」

流されるまま、されるまま…、とキャプテンの腕に縋り付くソルジャー。
いつぞやの別荘ライフの夜の主導権、キャプテンにあったようでして。

Aブルー「お前って情熱的なんだなぁ、と実感したよ」
A船長 「そ、そうですか? 改めて言われると照れますね…」
ブルー 「そこの二人! もう目の前がバス停だから!」

恥ずかしい会話はやめたまえ、と眉を吊り上げる生徒会長。
七福神巡りのお寺に行くにはバスに乗らねばなりません。

ブルー 「バス停に先客はいないけれどね、バスに乗ったら人の目が!」
Aブルー「いいじゃないか、別に減るものじゃなし」
A船長 「…私は気になってきたのですが…」
Aブルー「出発前からヘタレないでよ、声がダメなら態度と思念波!」

こうやって、とグイとキャプテンに抱き付き、熱いキス。
思念は流れてきませんでしたが、キャプテンもノリノリでございます。

ブルー 「…余計に酷くなった気がする…」
キース 「他人のふりをして通すしかないな」
ブルー 「バスの中はそれでいいけどさ…。そこから後が」
一同  「「「あー…」」」

バカップルを連れて行動するのか、と誰もが遠い目。
路線バスが到着しまして、乗り込めば。

Aブルー「んーと…。席はあるけど、詰めた方がいい?」
ブルー 「は?」
Aブルー「お年寄りも多いようだし、二人で一つにしておくよ」

それがいいよね、とソルジャーが座らせたのはキャプテンで。

Aブルー「よろしく、ハーレイ」
A船長 「ええ、ブルー…」

しっかり抱えていますから、とキャプテンはソルジャーを背後から。
キャプテンの膝に座って二人で一つの席ですか~!

2013/02/03 (Sun)

 

☆抱っこで二人掛け


路線バスに乗り、七福神巡りのお寺を目指すシャン学メンバー。
それに同行しているソルジャー、キャプテンの膝の上にストンと腰を…。

一同  「「「………」」」

体格のいいキャプテンにソルジャーが後ろから抱えられての二人掛け。
そんな座り方が可能なシートは最後尾にしか無いわけでして。

ブルー (た、他人のふり…。他人のふり…)
Aブルー「隣の席が空いてるよ? 座らないわけ?」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ ぼくも抱っこがいいな!」

ねぇねぇブルー、と「そるじゃぁ・ぶるぅ」の瞳がキラキラ。
乗客の視線が生徒会長に集中しております。

ブルー 「ぶるぅ、他人様のお邪魔をしちゃいけないよ」
ぶるぅ 「えっ? ブルーとブルーはお友達でしょ?」

他人じゃないよ、と更なる一撃。
車内の人々、それこそ他人なのに生徒会長とバカップルに好奇の視線を。

ぶるぅ 「抱っこがいいよぅ、ハーレイのお隣、空いてるもん!」
A船長 「どうぞ、どうぞ。もう少し横に詰めましょうか?」

キャプテンが幅を取っているため、五人掛けシートの余りは三人分ほど。
抱っこで二人掛けが可能なスペースも一人分しか無さそうで。

Aブルー「右でも左でも早く座れば? 突っ立ってないで」
A船長 「他の皆さんも御遠慮なく。私たちは別に気にしませんから」
ぶるぅ 「ブルーってばぁ! 早く座ろうよぅ~!」

お膝に抱っこ、と「そるじゃぁ・ぶるぅ」は生徒会長の服をグイグイ。
もはや他人のふりをしたって無理、無茶、無駄でございます。

ブルー 「うう…。分かったよ、ぶるぅ。座ろうか」
ぶるぅ 「わぁーい!!!」
Aブルー「ほらほら、ハーレイ、横に寄ってあげて」
ブルー 「ちょっと待った! その前に、配置」
Aブルー「配置?」
ブルー 「そう、座席には詰めて座るもの! 優先座席が空席でもね」

後から乗ってくる人のためにも最大限の空間を残すべき、と生徒会長。
それは確かにマナーですけど、配置というのはどういう意味…?

2013/02/04 (Mon)

 

☆バカップルとお隣


キャプテンの膝に座って最後尾のシートに陣取るソルジャー。
その隣に座る羽目に陥った生徒会長、配置がどうのとか言い出しまして。

ブルー 「ぶるぅは身体が小さいからねえ、右は余裕だと思うんだよ」
Aブルー「…右?」
A船長 「では、私とブルーは少し左に」
ブルー 「逆、逆! ごめん、言い方がマズかった」

ぼくから見て右の意味だったんだ、と生徒会長が指差したのは乗車口。
整理券を発行する機械がございます。

ブルー 「こっち側は前にシートが無いだろう?」
A船長 「ああ、なるほど…。あちらより余裕があるわけですね」

反対側は前に二人掛けのシートがあるため、抱っこ座りには向きません。
乗車口側なら機械があっても、子供は膝でゆったり出来ます。

ブルー 「だからさ、ぼくとぶるぅはこっちに」
A船長 「分かりました。入りやすいよう空けますので」
ブルー 「あ、まだ配置が決まってないから! そこの男子たち!」
男子一同「「「は?」」」
ブルー 「返事したね? これで一蓮托生だ」

もはや他人のふりは出来ない、と言われて顔面蒼白の男子たち。
他の乗客の目は今度は男子に注がれております。

ブルー 「まだ二人分余ってるんだよ、後ろのシートは。誰が座る?」
キース 「お、俺はバスの中では座らん主義だ!」
シロエ 「ぼくもです。公共の交通機関では座らないことにしています」

柔道部の指導方針ですから、と逃げを打ったシロエ君ですが。

ブルー 「ふうん? その割にいつも座ってるよねえ、路線バス」
ジョミー「去年の節分もみんなで座って行ったじゃない!」
サム  「そうだぜ、俺たちの仲で遠慮するなんて水臭えじゃねえか」
スウェナ「逃げるなんてカッコ悪いわよ? そこで座るのが男でしょ!」
マツカ 「あのぅ…。スウェナ、今のは失言ですよ」

せっかく蚊帳の外だったのに、とマツカ君。
乗客の皆さん、スウェナちゃんをもチラチラと…。
げに恐るべし一蓮托生、バカップルとの珍道中です~!

2013/02/05 (Tue)

 

☆バカップルと一緒


返事したばかりに身バレな男子と、声を掛けて身バレしたスウェナ。
他の乗客の視線が注がれる中、誰か二人がバカップルの隣でございます。

スウェナ「私はイヤよ、男同士で座ればいいじゃない!」
ブルー 「スウェナの意見は一理あるね。男だけの席に女性はちょっと」
キース 「紅一点という言葉もあるぞ? 別にかまわないと思うのだが」
シロエ 「ですよね、身体も細いですからシートに余裕が出来ますし」

ぼくたちは立って行きますから、とスウェナちゃんを促すシロエ君。
キース君もレディー・ファーストとばかりに通路を空けておりますが。

ブルー 「…決まったね。残り二つはキースとシロエだ」
キース 「なんでそうなる!」
シロエ 「スウェナ先輩に譲りましたよ、ぼくたちは!」
ブルー 「そういう態度が許せないんだよ、逃げたり女性を陥れたり!」

それでも男か、と一喝されて、柔道部な二人に白羽の矢がバスッと。
もはや逃げ場は何処にも無くて。

キース 「おい、シロエ。最初はグー!!!」
シロエ 「えっ?」

一方的にジャンケン宣言をしたキース君、グーを素早くチョキに変え…。

キース 「よし、俺の勝ちだな。シロエ、あいつらの隣はお前だ」
シロエ 「ひ、酷いですよ、キース先輩!」
Aブルー「決まったんだ? どうぞ、ぼくたちは気にしないから」
A船長 「どうぞどうぞ、幅を取らないよう努力しますので」
Aブルー「一番邪魔なのは腕とかだしねえ、こう、ギュッと!」

思いっ切り強く抱き締めて、と微笑むソルジャーに応じるキャプテン。
密着度アップなバカップルの両隣、もう座るしかありません。

ぶるぅ 「わぁーい、抱っこだぁ! 抱っこ、大好き!」
Aブルー「ぶるぅも好きかい? 膝ってホントに座り心地が最高だよね」
隣の面子(((……見たくない、見たくない……)))

目的地に着くまでバカップルの隣で市中引き回しの刑な面子と、外野と。
どちらにしてもバスの中では晒し者ですし、早めの到着を祈るしか…。

2013/02/06 (Wed)

 

☆どこまでも身バレ


お膝で抱っこなバカップルの知り合いとバレて、市中引き回しの処刑中。
もっと車内が混んでくれれば、と誰もが祈っておりますと…。

運転手 「順番に前の方へとお詰め下さーい」

とあるバス停からドヤドヤと乗り込んで来た男女の一団。
何かのグループらしいですけど、どう見ても御老人でございます。

キース 「あっ、どうぞこちらへお座り下さい」
シロエ 「ぼくも立ちます! バスが揺れると危ないですよ」

席を譲るという善意の裏にはバカップルとの決別を願う切なる思いが。
そんな下心がマズかったのか…。

老人A 「失礼な! ワシらはそこまで落ちておらんわ!」
キース 「えっ?」
老人B 「お気持ちは有難いんですが…。ワシら、こういう者でして」

指差す先には揃いのバッジ。
山とピッケルを組み合わせた粋なデザインの品で。

老人A 「山岳同好会のOBなんじゃぞ、今日は例会じゃ」
老人B 「月に一回、終点まで行って神社にお参りしております」
キース 「し、失礼しました…」

良いお参りを、と頭を下げるキース君。
終点の神社とは千メートル近い山の山頂、若者でもキツイ登山道です。

Aブルー「珍しいねえ、キースがドジって」
A船長 「本当ですね。内輪でドジならまだ分かりますが…」
老人B 「おや、お知り合いですか?」
Aブルー「うん、この辺はみんな友達なんだよ」
一同  (((や、やられた…)))

御老人の団体様にも一気に身バレ。
いたたまれない気持ちの面子を他所に、バカップルは密着しております。

老人A 「若いもんはええのう、お盛んで」
Aブルー「あっ、分かる?」
老人B 「それはもう…。今日はどちらまで?」
Aブルー「何処だったっけ…。七福神巡りなんだけど」
老人A 「あそこに子授けはあったかいのう?」
老人B 「どうでしたかねえ…。しかし何事もまずは信心からで」

火伏せの神社へは月参り、と頷き合っている老人たち。
何やらおかしな雲行きですけど、どうなりますやら…。

2013/02/07 (Thu)

 

☆御利益をあなたに


バスの終点に聳える山の山頂には火伏せの御利益で名高い神社。
そこへのお参りを兼ねた登山が例会だという御老人たち、お達者印で…。

老人A 「あそこが子授け神社じゃったら良かったのう…」
老人B 「袖触れ合うも多生の縁と言いますしねえ…」
一同  「「「???」」」

謎の会話に『?』マークが乱舞中。
と、御老人たちと同じバッジの女性が近付いて参りまして。

老人C 「子授けに夫婦和合かい? 七福神じゃあ範疇外だねえ」
老人A 「そうじゃろう? ワシらが代参してやろうにも別物じゃしな」
老人B 「火伏せではどうにもなりませんしね」
老人C 「だから私が来たんじゃないか。こないだお参りしたんだよ」

娘夫婦になかなか子供が授からなくて、と女性は溜息。
ウエストポーチに手を突っ込むと…。

老人C 「ほれ、手を出して」
A船長 「は?」
老人C 「アンタだよ、アンタ! これは御利益のある飴なんだ」

バラバラバラッとキャプテンの手に飴玉が。
個別包装の袋から透ける飴玉は開く前の松茸にも似た妙な形で。

老人C 「コレ食べてしっかり頑張るんだよ、夫婦円満!」
老人A 「ほうほう、子授け飴とは効きそうな…」
Aブルー「え、えっと…。ぼくは子供は要らないんだけど…」

間に合ってるし、とソルジャーが言うのは「ぶるぅ」の事でございます。
しかし御老人たち、ワハハと笑い出しまして。

老人C 「なに言ってんのさ、旦那がしっかりしなくちゃね」
老人A 「目指せ生涯現役じゃ! 人生、大いに潤わんとのう」
老人B 「バスの中でもくっつくほどの熱さと御縁を末永く、ですよ」
A船長 「そ、そうですね…。頑張ります」
Aブルー「そっか、そっちに効く飴なんだ?」
老人C 「そういう形をしてるだろ? もうビンビンのガンガンってね」

御神体もソレの形なんだよ、との台詞に登山仲間から口笛などが。
車内の空気は猥談もどきで更に痛々しいものに…。
シャン学メンバー、針の莚でございますよ~!

2013/02/08 (Fri)

 

☆ようやく到着


子授けと夫婦和合に御利益があるという有難い飴玉。
口にするのもはばかられる形ですけど、ソルジャーは感激しております。

Aブルー「これでビンビンのガンガンかぁ…。良かったね、ハーレイ」
A船長 「まだお参りもしない内から御利益を頂いてしまいましたね」
老人C 「なぁに、これも御縁というヤツさ」
老人B 「おや、次のバス停が七福神では?」
老人A 「そうじゃな、乗り過ごしては大変じゃ」

ピンポーン♪ と降車ボタンを押してくれる御老人。
間もなくバスは停車しまして、逃げるように降りるシャン学メンバー。

老人たち「「「良いお参りを―!!!」」」
Aブルー「ありがとう、飴は大事に食べさせるねー!」

プシューッとバスの扉が閉まってブロロロ…と走り去りましたが。
一緒に下車した人々の視線はバカップルを遠慮なくジロジロと。

一同  (((む、無駄だけど他人、他人のふり…)))
Aブルー「いい人たちに会えたよね。その飴、しまっておかなくちゃ」
A船長 「何処にです?」
Aブルー「ん? もちろん青の間の例の所に」

貸して、と飴を受け取ったソルジャー、空間移動をさせたようです。
一般人にそれと気付かれないよう、ポケットに入れるふりをして。

ぶるぅ 「あれっ、キャンディー、片付けちゃったの?」

ゆっくり見たいと思ってたのに、と「そるじゃぁ・ぶるぅ」は純真無垢。
変わった形の飴玉だけに興味があったみたいです。

ブルー 「シッ、ぶるぅ! あれはね、大人の飴なんだよ」
Aブルー「子供にはちょっと早過ぎるってね。そこのみんなも」

万年十八歳未満お断り、と指を差されたシャン学メンバー、ガックリと。

キース 「早過ぎるだなんてレベルじゃないぞ…」
シロエ 「お願いですから、巻き込まないで下さいよ!」
ブルー 「此処から先では慎んで欲しいね、やっと人目がなくなったし」

バスの乗客たちは先にお参りに出掛けた模様。
気を取り直して七福神巡りといきたいですけど、大丈夫かな…?

2013/02/09 (Sat)

 

☆福笹に願いを


バカップルに振り回されたバスからやっと逃れたシャン学メンバー。
乗客の姿も無くなり、平常心を取り戻した所で七福神巡りでございます。

ブルー 「さて、まずは福笹を頂かなくちゃ」
Aブルー「色々とつけて貰うんだよね? お参りをしてさ」

去年バッチリ覗き見したよ、とソルジャーは心得ている様子。
これなら安心、とジョミー君たちは列に並んで巫女さんの手から福笹を。

巫女さん「どうぞ良いお参りを」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ ありがとう!」
キース 「あいつらは…、と。なんだ、最後に並んだのか」
ジョミー「そりゃそうじゃない? 初めてなんだし」
シロエ 「ジョミー先輩、坊主祈願はしないんですか?」
ジョミー「やらないよ! どっちかと言えば断る方だし!」

去年ウッカリやっちゃったから、と嘆いているのは坊主宣言。
お接待の甘酒で酔った末の苦い思い出です。

ジョミー「だからしっかり撤回しなくちゃ」
Aブルー「みんな、お待たせ! ジョミーのお願いはそれなんだね」
ジョミー「決まってるじゃない! 今年はガッツリ断るんだよ」
Aブルー「………。その割に書いてないようだけど?」
ジョミー「えっ、何を?」
Aブルー「お願い事だよ、コレに書き込むものだろう?」

ソルジャーが指差したのは福笹に結ばれた干支の絵馬。
今年の干支の蛇が可愛く描かれております。

Aブルー「初詣とかいうヤツに行ったら書いてるよね?」
ブルー 「あっちはお願い専用の絵馬で、これは単なる飾りだよ」

この干支の年にお参りしましたという印、と生徒会長は言いましたが。

Aブルー「えーーーっ? 飾りでも書けば効きそうだけどなぁ…」
ブルー 「それはまぁ…。まるで効かないってこともないかも」
Aブルー「だったら書いてもいいんだよね?」
ブルー 「好きにすれば?」
Aブルー「書く!」

筆ペンってヤツがあったよね、と瞬間移動で取り出すソルジャー。
生徒会長の家から拝借してきたみたいです。
はてさて、何を書くのやら…。

2013/02/10 (Sun)

 

☆願い事を絵馬に


福笹に最初からくっついている干支の絵馬。
祈願用ではないのですけど、ソルジャーは願い事を書きたいそうでして。

Aブルー「んーと…。あれってどういう字を書くのかな?」
ブルー 「は?」
Aブルー「飴をくれた人が言ってたヤツだよ、夫婦ナントカ…って」
ブルー 「夫婦円満なら丸いの円と満月の満!」

なんというモノを書いてくれるのだ、と誰もが頭を抱えましたが。

Aブルー「その漢字なら知ってるってば! それじゃなくって」
一同  (((ま、まさか…)))
Aブルー「ビンビンのガンガンな御利益のヤツを知りたいんだけど」

ズーン…と地面にめり込みそうな生徒会長とシャン学メンバー。
しかし知らないふりを通せば被害の拡大は確実で。

ブルー 「ふ、夫婦和合ね…。それなら、こう」

説明するのも嫌だったらしい生徒会長、取り出したメモにサラサラと。
覗き込んだソルジャー、大きく頷いてニッコリと。

Aブルー「いいねえ、夫婦仲良く合体なんだ? ズバリそのもの!」
ブルー 「ち、違うんじゃないかな、和気あいあいの意味かと…」
Aブルー「苦しい嘘はやめたまえ。君の頭の中には違う字がある」

難しすぎる漢字だけれど、とバッサリ切って捨てるソルジャー。
確かに和気あいあいを漢字で書くなら『和気藹々』ございます。

Aブルー「ふふ、仲良く合体って御利益ありそう! これは書かなきゃ」
一同  (((書かなくていい!!!)))

やめてくれ、という心の叫びも虚しくソルジャーの絵馬に躍る四文字。
おまけに相手はバカップルなだけに。

Aブルー「ハーレイ、お前も書くんだよ。はい、筆ペン」
A船長 「夫婦和合ですね。ブルー、末永くよろしくお願いします」
Aブルー「もちろんさ。これからも仲良く合体しようね」

もうビンビンのガンガンで、とバカップルの絵馬にはお揃いの文字。
可愛い蛇の絵柄も吹っ飛ぶ勢いで『夫婦和合』と黒々と…。
そんな絵馬つきの福笹を持っての七福神巡り、他の面子には前途多難…?

2013/02/11 (Mon)

 

☆意外な毘沙門天


夫婦和合と書き込んだ絵馬が自慢のバカップル。
しっかり腕を組みピタリと密着、空いた方の手に福笹でイチャイチャと。

Aブルー「ガッツリお願いして回らなくちゃね、七福神に」
A船長 「叶えて頂けると嬉しいですね」
ブルー 「言っておくけど、お願いするだけ無駄だから!」

七福神はそういう神様ではない、とビシッと指摘する生徒会長。

ブルー 「バスの人たちもそう言ってただろ、違うって!」
Aブルー「そりゃそうだけど…。でも、願い事はちゃんと書いたよ」
ブルー 「見せびらかさなくていいってば!」

恥ずかしいから隠しておけ、と言うだけ無駄というもので。
バカップルと絵馬の文字に行き交う人々が注目中。

一同  (((む、無駄だけど他人のふり…。他人のふり…)))
Aブルー「えっと、順番に回るんだよね?」
ブルー 「そうだよ、最初は毘沙門天。福を授けて下さる神様で…」

きちんとお参りするように、と生徒会長は先頭を切って柏手を。
シャン学メンバーとソルジャー夫妻もお賽銭を入れ、お参りしまして。

お坊さん「ようこそお参りでした」

こちらでお札を、と福笹に毘沙門天のお札を結んで頂けます。
ソルジャーも笹を差し出しましたが。

お坊さん「夫婦和合でらっしゃいますか。毘沙門天様は効きますよ」
Aブルー「えっ?」
お坊さん「夫婦和合も司っておられますから」
Aブルー「ハーレイ、ここは効くんだってさ。良かったね」
お坊さん「御主人も御一緒ですし、どうぞ御利益がありますように」

キャプテンの福笹にお札を結んだお坊さん。
左手首に巻いていた数珠を両手に持ち直し、ジャラジャラと繰って。

お坊さん「オン ベイシラ マンダヤ ソワカ!」
一同  「「「???」」」
お坊さん「お願いが叶いますよう、お祈りさせて頂きました」
Aブルー「嬉しいな、絵馬も書いておくものだね」
お坊さん「お願い事は神様に届きませんとね」

でないと叶えて頂けませんよ、と、お坊さん。
絵馬は効力アリですか!

2013/02/12 (Tue)

 

☆弁天様の御利益


毘沙門天の御利益に夫婦和合があるそうで。
お坊さんに祈願して貰ったソルジャー、御機嫌で絵馬を撫でております。

Aブルー「ほらね、書いてて正解だったし!」
A船長 「本当ですね。伝えることが大切なのですね」

他の神様にもお願いしましょう、とキャプテンもやる気満々ですが。

ブルー 「…無駄だと思うよ、次は弁天様だから」
Aブルー「え、今の所だって君は違うと言ったじゃないか」
ブルー 「ぼくだって知らなかったんだよ!」

毘沙門天は勝運に武芸だとばかり…、とブツブツ呟く生徒会長。
キース君も隣で頷いています。

Aブルー「だったら次の所も御利益あるかもしれないよ?」
ブルー 「それは無い! 今度こそ財運と技芸上達!」
Aブルー「技芸上達…? ハーレイ、今のを聞いたかい?」

これは頑張ってお祈りしないと、とキャプテンに思念でヒソヒソと。
キャプテンは急に頬を赤らめ、何故か密着度がグッと上昇。

一同  (((…???)))
Aブルー「行こうよ、まずはお賽銭から!」

此処はドカンと入れなくちゃ、とキャプテンに用意させたのは紙幣。
目をむくシャン学メンバーを他所に、ソルジャー夫妻は柏手を。
お坊さんは笹にお札を結んだだけでしたが…。

Aブルー「ふふ、効くといいねえ、弁天様」
ブルー 「お賽銭は無駄だったようだけど? 御祈祷無しだし」
Aブルー「別にいいんだ。夫婦和合は、今回、関係無いからね」
ブルー 「えっ?」
Aブルー「お願いしたのは技芸上達! 夜のテクニックも大切だよ」
A船長 「ブルーをもっと満足させられますよう、お祈りしました」
一同  (((そっちかい!)))
Aブルー「四十八手はモノにしたいよねえ、やっぱりさ」
A船長 「私はヌカロクが基本になるよう、お願いを」
Aブルー「嬉しいな。毎晩、ビンビンのガンガンなんだね!」

テクニックもいいけど硬さと長持ち、とソルジャーは大喜びですが。
行き交う人々の視線がグサグサ、またしても晒し者ですよ~!

2013/02/13 (Wed)

 

☆福禄寿の御利益


弁天様は技芸上達と聞き、テクニック上達を祈願したというバカップル。
公衆の面前でヌカロクだのビンビンのガンガンだのと…。

Aブルー「で、次の所は何に効くわけ?」
ブルー 「福禄寿だから富貴に子孫繁栄、延命長寿」

夫婦和合は関係ないね、と流そうとした生徒会長ですが。

Aブルー「ちょっと待った! 子孫繁栄ってことは子授けだよね?」
ブルー 「…それも無いとは言わないけれど…」
Aブルー「だったらまずは夫婦円満、でもって合体しなくっちゃ!」
A船長 「でないと子供は授かりませんね」

SD体制の世界では有り得ませんが、と言うキャプテンにソルジャーは。

Aブルー「でも理屈ではそうだしね? それに子供はどうせ産めない」
A船長 「あなたも私も男ですしね。子孫繁栄は無理ですねえ…」
Aブルー「子供が要らない分、こっちに回して貰おうよ」
A船長 「ええ、ブルー…」

こっちと言うのは絵馬に書かれた夫婦和合でございます。
シャン学メンバー、頭痛をこらえて福禄寿にバカップルとお参りを。
福笹にお札を結ぶお坊さん、ソルジャー夫妻に満面の笑顔で。

お坊さん「ようこそお参りでした。子宝が授かりますように」
Aブルー「ありがとう! 二人で思い切り頑張るね」
A船長 「ありがとうございます。精一杯、励ませて頂きます」
一同  (((言わなくていい!!!)))

お参りの人々の視線がグサグサ、逃げるように出たシャン学メンバー。
これ以上は勘弁願いたい、と目をやった先に。

お坊さん「どうぞ、甘酒のお接待です!」

去年ジョミー君が酔っ払ってしまった甘酒お接待のテント再び。
この際、ここで仕切り直しだと生徒会長も思ったらしく。

ブルー 「一休みしようよ、寒いから」
ジョミー「え、えっと…。これ、酔っ払うヤツだよね?」
ブルー 「飲みすぎなければ大丈夫! 甘酒なんだし」
キース 「休んで行こうぜ、俺も疲れた」

小休止、と甘酒に並ぶシャン学メンバー。
立ち昇る湯気が嬉しいですね!

2013/02/14 (Thu)

 

☆甘酒と湯呑み


バカップルに振り回されての七福神巡り、甘酒のお接待テントで小休止。
順に並べばお坊さんたちが湯呑みに甘酒を注いでくれます。

お坊さん「はい、どうぞ」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ ありがとう!」
ブルー 「ありがとう、これは温まるよね」
お坊さん「それはもう! よろしかったらお代わりもどうぞ」
ジョミー「ぼ、ぼくはお代わりは要らない…かな…」
キース 「遠慮せずに貰っておいたらどうだ? ん?」

列の最後はバカップルですが、ソルジャーが何やらゴソゴソと。
キャプテンに持たせたバッグを探っておりまして…。

キース 「あいつらは何をやっているんだ?」
サム  「財布を探しているんじゃねえか? おい、無料だぜ、ここは」
Aブルー「うん、そのくらいは知ってるよ。えーっと…」
A船長 「ありましたか? いつもの場所にある筈ですが」
一同  「「「???」」」
Aブルー「あ、あった、あった! 甘酒、これにお願い出来るかな?」

マイ湯呑み、とソルジャーが出してきたのは夫婦茶碗でございます。
ソルジャーの分とキャプテンの分がお接待の机に仲良く鎮座。

お坊さん「か、かまいませんが…。それを御持参でお参りに?」
Aブルー「お願い事がお願い事だし、こういう姿勢も大切かなぁ、って」

ほらね、と福笹に結んだ絵馬を指差すソルジャー。
干支の蛇の隣に『夫婦和合』の文字が躍っております。

お坊さん「ああ、なるほど…。良い心がけでらっしゃいますね」
Aブルー「だからね、夫婦茶碗でお願いしたいな」
お坊さん「はいはい、どうぞ!」

夫婦茶碗にたっぷり甘酒。
御機嫌なソルジャー夫妻ですけど、夫婦茶碗を持参とは…。

ブルー 「それって、いつも持ってるわけ?」
Aブルー「まさか。お取り寄せだよ、空間移動で青の間からね」
一同  「「「………」」」

マジックショーかい、と呆れる面々。
夫婦茶碗で仲良く甘酒なバカップルの姿に、お坊さんたちも注目中。
囁き合いが気になりますけど、気のせいですよね?

2013/02/15 (Fri)




 

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