☆お坊さんの好意
夫婦和合の文字が躍った絵馬に加えて、夫婦茶碗なバカップル。
露骨すぎる願い事を口にされまくるよりは、まだ微笑ましい光景でして。
Aブルー「これは「あ~ん♪」とはいかないねえ…」
A船長 「よろしかったら口移しで」
Aブルー「いいね、それ! じゃあ、早速」
ブルー 「やめたまえ!」
公衆の面前なんだから、とストップをかける生徒会長。
こんな所で熱烈なキスなぞされたら、また晒し者でございます。
Aブルー「ダメなのかい? お願い事の最中なのに?」
ブルー 「そういう時こそ慎むものだよ、精進潔斎と言うだろう!」
Aブルー「うーん…。ちょっと方向性が違う気が…」
熱々で祈願に回った方が、とソルジャーは不満そうですが。
お坊さん「すみません、少しよろしいですか?」
一同 「「「!!!」」」
叱られるぞ、と首を竦めるシャン学メンバー。
生徒会長も緊張の面持ちですけど、テントから声を掛けたお坊さんは。
お坊さん「夫婦和合を御祈願だそうで…。実はこちらの」
坊主B 「どうも、こちらで修行中の者です!」
坊主C 「こいつの実家、聖天さんをお祭りしてるんですよ」
一同 「「「…ショウテンさん…?」」」
聞き返すジョミー君たちの隣でウッと息を飲むキース君と生徒会長。
それもその筈、聖天さんという神様は…。
お坊さん「商売繁盛で有名ですけど、その実態はですね…」
坊主B 「夫婦和合と子孫繁栄なら聖天さんです!」
坊主C 「お姿からして夫婦和合ですよ、もう本当に効きますって!」
Aブルー「本当かい?」
坊主B 「象の頭の二人の神様が抱き合っておられるお姿です」
坊主C 「二股大根が絡み合った絵が御紋だったりするんですよ~」
Aブルー「二股大根?」
坊主C 「こう、大根が二股にですね…」
人の足みたいな形に分かれてるんです、と解説してくれるお坊さん。
それを絡めたのが聖天様の御紋だそうで。
神様が抱き合っておられるお姿といい、この流れ、ヤバくないですか…?
2013/02/16 (Sat)
☆聖天さんにお願い
夫婦和合なお願い事と夫婦茶碗と。
バカップルのアピールを目にしたお坊さんたち、聖天さんがどうこうと。
お坊さん「夫婦和合のお願いでしたら、聖天さんがイチオシですよ」
Aブルー「うん、本当に効きそうだよね。ねえ、ハーレイ?」
A船長 「ええ、私たちにはピッタリですね」
やはり精力もつくのでしょうか、とキャプテンは頬を染めております。
お坊さんたち、厳しい修行の息抜きとばかりに大盛り上がりで。
坊主B 「夫婦和合に子孫繁栄ですよ? もうバッチリです!」
坊主C 「こいつの実家、お参りの人が多いんですよ~」
お坊さん「とても御利益があるそうでしてね、よろしかったら」
坊主B 「無料で御祈祷いたします! お名前を書いて頂ければ…」
人助けも修行の内ですし、とメモを取り出すお坊さん。
修行中でもお師僧さんへの電話はOK、後で実家に連絡するとか。
坊主B 「父が心をこめて御祈祷させて頂きますので」
お坊さん「個人情報は漏らしませんから、御安心下さい」
Aブルー「別に漏れても気にしないけど…。ここに書いたらいいんだね」
サラサラと名前を書くソルジャー。
キャプテンも照れ笑いをしつつ、隣に名前を。
坊主B 「確かに承りました。どうぞ御利益がありますように」
お坊さん「他の皆さんも良いお参りを」
坊主C 「良いお参りをー!」
Aブルー「ありがとう! 御利益、思いっ切り期待しているからねー!」
精力がついて夫婦和合だ、と大喜びで手を振るソルジャー。
お坊さんたちとの会話のせいで周囲の視線がグサグサなのは至極当然。
一同 (((な、なんでこうなる…)))
Aブルー「良かったねえ、ハーレイ。また御利益を貰えたよ」
A船長 「他所でも御祈祷して頂けるとは、もう励むしかありませんね」
Aブルー「うん、ヌカロクで夫婦和合だってば!」
残りのお参りも張り切って行こう! とバカップルは誓いの熱いキス。
また晒し者のシャン学メンバー、もう御愁傷様としか言えませんです~!
2013/02/17 (Sun)
☆普通にお参り
甘酒のお接待でもエライ目に遭ったシャン学メンバー。
残る七福神巡りは四ヶ所ですけど、これ以上の災難は勘弁でございます。
ブルー 「いいかい、次は不動明王だから! 何もないから!」
Aブルー「無いってことはないだろう? 七福神に入ってるんだし」
キース 「あんたが期待する類ではない。お不動様は現世利益だ」
Aブルー「なんだ、それなら…」
ブルー 「間違えないように! お不動様は本来、煩悩消滅」
煩悩を消して下さるからね、と生徒会長。
バカップルのお願い事など吹っ飛びそうな感じですけど…。
Aブルー「煩悩じゃないよ、お願い事だし!」
ちゃんと書いた、と指差す先には例の絵馬。
『夫婦和合』とデカデカと。
Aブルー「だから御利益あるんだよ。間違いないって!」
A船長 「現世利益だけに効きそうですね」
お願い事と煩悩は別物、これは効くかもしれません。
バカップルは神妙にお参りしまして、次のお寺は恵比寿様。
Aブルー「恵比寿様は何に効くのかな?」
ブルー 「商売繁盛! 今度こそ君には関係ないよ」
ざまあみろ、と舌を出す生徒会長。
境内に入れば商売繁盛だけに大いに賑わっておりますが。
参拝者A「儲かりますようにー!」
参拝者B「商売繁盛、どうぞよろしく!」
ガランガランと鈴を鳴らすやら、叫ぶやら。
お堂の板壁をバンバン叩いている人も。
Aブルー「なんだい、あれは?」
ブルー 「恵比寿様は耳が遠いと言われていてね」
キース 「是非とも聞いて頂きたい、という人は大声を出すわけだ」
ブルー 「壁を叩くのも同じ理屈さ、注意を引くわけ」
Aブルー「そういえば、お願い事は神様に届かないとダメなんだっけね」
A船長 「しかし、商売繁盛では…。此処は関係ないですね」
Aブルー「次の所に期待しようよ、二ヶ所も残っているんだからさ」
一同 (((期待するな!!!)))
七福神巡り、二ヶ所続けて普通にお参り出来ました。
残る二つも今の調子でクリア出来たらゴールですよ~!
2013/02/18 (Mon)
☆七福神の御利益
不動明王に恵比寿様と無事に巡ったシャン学メンバー。
七福神巡りは残り二ヶ所とクライマックス、何事もなく終えたいところ。
Aブルー「えっと、次は…と」
ブルー 「お稲荷さん! 五穀豊穣、商売繁盛。無関係だね」
君のシャングリラが豊作になるよう祈りたまえ、と生徒会長。
ソルジャーは不満そうでしたけども、キャプテンは真剣にお参りで。
Aブルー「やけに真面目にお祈りしてたねえ?」
A船長 「豊作はしっかり祈りませんと。なにしろ私はこの身体ですし」
Aブルー「そうか、君が沢山食べられなければエネルギー切れ…」
それは大変、と取って返したソルジャー、お賽銭を入れて二度目の祈願。
五穀豊穣も夫婦和合に結びつくのか、とシャン学メンバーは軽く頭痛で。
キース 「これで最後が大黒天とは…」
ブルー 「諦めるんだね、もう終わりだしさ」
Aブルー「なになに、最後がどうかした?」
ブルー 「一番最後は大黒天! 五穀豊穣と不本意ながら子孫繁栄」
Aブルー「やったね、子孫繁栄には夫婦和合が大前提!」
気合を入れてお参りするぞ、とソルジャーは思い切り燃えております。
キャプテンとの密着度も一気にアップで、門をくぐって柏手を。
でもって声を張り上げまして…。
Aブルー「夫婦和合も、どうぞよろしく!」
A船長 「ヌカロクでお願いいたしますー!」
一同 (((うわぁぁぁぁぁ!!!)))
なんてことをしてくれるのだ、と叫ぼうにも周囲の視線がグサグサ。
泣きの涙で福笹に最後のお札を結んで貰って、逃亡するのが精一杯で。
ブルー 「び、びっくりした…」
Aブルー「なんで走って逃げるのさ? あそこが最後だったんだよ?」
お願い事は神様に届かないと、とソルジャーは真顔。
Aブルー「恵比寿様の所で叫んでた人がいたからねえ」
A船長 「見習って叫ばせて頂きましたが、いけませんでしたか?」
ブルー 「それは恵比寿様限定だよ!」
最後の最後で赤っ恥。
七福神巡り、御利益は全部バカップルに…?
2013/02/19 (Tue)
☆食べたい湯豆腐
七福神巡りの締めで大恥をかかされたシャン学メンバー。
よほどパニックになっていたらしく、逃走した先は門外ならぬ境内の奥。
ブルー 「うーん…。このまま裏手に回って瞬間移動で帰ろうか」
キース 「そうだな、去年もそのルートだし」
Aブルー「待ってよ、お昼御飯がまだだってば!」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ 帰ったらすぐに作るよ!」
Aブルー「そうじゃなくって…。七福神のお寺がやってる湯豆腐!」
去年は食べていただろう、と指摘するソルジャー。
Aブルー「せっかく来たんだ、御利益のある所で食べなくちゃ」
ブルー 「お稲荷さんのお寺だけど? 五穀豊饒に商売繁盛」
Aブルー「だったら余計に大切じゃないか! 五穀豊穣!」
ハーレイの身体を養わなくちゃ、とソルジャーは強気でございます。
キャプテンもまんざらではなさそうでして。
A船長 「ブルーを満足させるためには栄養が必要ですからねえ…」
ブルー 「わ、分かったよ! …とりあえず人は入れ替わったかな…」
もうほとぼりは冷めただろう、と来た道を戻るわけですが。
バカップルは密着中で『夫婦和合』の絵馬も健在、好奇の視線も継続中。
一同 (((……拷問だ……)))
急いで通り過ぎるに限る、と足を速めてやって来ました、湯豆腐のお寺。
お座敷に通されホッと一息、机の上には湯豆腐の土鍋。
Aブルー「嬉しいねえ。この湯豆腐がハーレイの逞しい身体を作る、と」
ブルー 「ここは精進料理だから! 精をつけないのが目的だから!」
Aブルー「なんだい、それは?」
ブルー 「修行僧向けの料理なんだよ、精がつく料理は修行の妨げ!」
Aブルー「えーーーっ? でもさ、お願いに来たんだからさ…」
御利益が欲しい所だけれど、とソルジャーがゴネておりますと。
仲居さん「八寸と天麩羅でございます。ごゆっくりどうぞ」
Aブルー「…ん?」
仲居さんが置いていった八寸のお皿にソルジャーの視線が釘付けに。
この人に料理が分かるんですかねえ…?
2013/02/20 (Wed)
☆最後まで御利益
ソルジャーが注目している八寸のお皿。
胡麻豆腐やガンモドキのお皿も並んでいる中、オードブル的な存在です。
ブルー 「ああ、珍しいかもね、若竹の木の芽和え」
季節じゃないし、と生徒会長。
一月の末辺りから早掘りと称して小さいタケノコが出回るとか。
ブルー 「この辺りは竹藪が多いし、季節を先取りって感じかな」
Aブルー「そうなんだ? …それよりも、横の」
一同 「「「???」」」
ソルジャーが指差したものは小茄子の田楽。
小さいだけにヘタをつけたまま、真っ二つに切ってありますが。
Aブルー「いい形をしてると思わないかい? ほら、ぷっくりと」
A船長 「そういえば…」
似ていますね、と頬を赤らめるキャプテン。
Aブルー「かなりサイズは小さめだけどさ、あの飴だって小さいし!」
これだって効くに違いない、と言われて頭に蘇る子授け飴。
小茄子の田楽、アレを二つに割った形に似ております。
Aブルー「五穀豊穣のお寺で出てくるんだから、これを食べれば…」
A船長 「栄養が一点集中ですね!」
ビンビンのガンガンでヌカロクですね、と頷くキャプテン。
ソルジャーはニッコリ微笑みまして。
Aブルー「というわけでさ、よかったら譲ってくれないかな?」
君たちの分もハーレイに、と声を掛けられたシャン学メンバー。
頼まれなくても今の流れで茄子など御免でございます。
ポイポイポイ、とキャプテンのお皿に小茄子が集合、ソルジャーは…。
Aブルー「有難いねえ、御利益たっぷり! はい、あ~ん♪」
一同 (((見たくない、見たくない…)))
バカップルめ、と泣きたい気持ちで湯豆腐定食。
もちろんメインの湯豆腐も「あ~ん♪」と仲良く食べさせ合いで。
Aブルー「美味しかったね、来て良かったよ」
ブルー 「…そうだろうねえ…」
とんだ七福神巡りだった、と誰もが溜息。
バカップル以外は福を逃したっぽく…。
これ以上の恥は勘弁ですから、お寺の裏から生徒会長の家へ瞬間移動~!
2013/02/21 (Thu)
☆恵方巻のお届け
エライ目に遭ったシャン学メンバー、生徒会長の家でグッタリですが…。
バカップルの方は至極ご機嫌、御利益を数えて大喜びで。
Aブルー「子授け飴と聖天さんと…。小茄子の田楽も効きそうだよね」
A船長 「七福神の他にそれだけあれば凄そうですよ」
Aブルー「うん、ビンビンのガンガンでヌカロクってね!」
子供が要らない分、夫婦和合がバージョンアップで凄くなるとか。
皆が頭痛を覚えていればチャイムの音がピンポーン♪ と。
管理人さんが恵方巻を受け取り、部屋までお届けでございます。
ぶるぅ 「かみお~ん♪ 恵方巻、持ってきてくれたよ!」
ブルー 「それは良かった。はい、君たちの分」
生徒会長が二本取り出し、バカップルの方へ差し出して。
ブルー 「いいかい、今年の恵方は南南東! 忘れないようにね」
Aブルー「えっ?」
ブルー 「恵方を向いて黙って食べる! それが恵方巻のお約束だよ」
夜になったら実行したまえ、と手渡そうとしたのですけれど。
Aブルー「うーん、今から貰ってもねえ…。その時でいいよ」
ブルー 「は?」
Aブルー「だから、その時! 最高のお願いスポットがあるんだろう?」
絶対に其処で食べなくちゃ、とソルジャーが言うのは去年の恵方社。
毎年、恵方に向きを変える小さな祠で、パワースポットに建っていて。
Aブルー「仕上げにあそこでお願いしなくちゃ意味無いし!」
一同 (((い、居座るのか…)))
Aブルー「夫婦和合ならハーレイと並んで食べるべきかな?」
ブルー 「知らないよ!」
Aブルー「だって、抱き合っていたら揃って恵方を向けないし…」
ブルー 「その発想は何処から来たわけ!?」
Aブルー「お坊さんが言ってた聖天さんだよ」
A船長 「二人の神様が抱き合っておられる御姿だと伺いましたね」
Aブルー「せっかくだから、あやからなくちゃ!」
夫婦和合を祈願するなら全力で、というバカップル。
恵方社の前で二人並んで恵方巻とは、また晒し者になりそうな…。
2013/02/22 (Fri)
☆恵方巻の食べ方
恵方巻を渡して追い出すつもりが、居座ってしまったバカップル。
夫婦和合の祈願の仕上げに、恵方社の前で二人仲良く食べるのだそうで。
Aブルー「やっぱりアレかな、腕を組むのがいいのかな?」
A船長 「そうですね。…いえ、それよりも」
Aブルー「何かいい手を思い付いたわけ?」
A船長 「私があなたを抱え込むのはどうでしょう? こう、後ろから」
ちょっと立ってみて下さいますか、と促すキャプテン。
ソルジャーがソファから立てば、背後からギュッと抱き締めまして。
A船長 「恵方巻がこのサイズですから…。出来ないことはないですね」
Aブルー「いいねえ、お前と密着しながら恵方巻だね!」
A船長 「両腕で抱き締めるのは無理ですが…。片手に恵方巻ですし」
Aブルー「ううん、全然オッケーだってば!」
ぼくの頭に食べこぼされても気にしない、と微笑むソルジャー。
バカップルが恵方巻を食べるスタイル、決まったようでございます。
Aブルー「夜になるのが楽しみだねえ」
A船長 「しっかりお願いしましょうね」
一同 (((……なんのイジメだ……)))
もう嫌だ、と泣けど叫べどバカップルが帰る筈もなく。
やがて日は暮れ、瞬間移動で恵方社の近所に飛んで残りは徒歩で。
ジョミー「うわぁ、今年も大勢いるね…」
キース 「日曜だからな…。よりにもよって」
サム 「こんな所で晒し者かよ…」
ブルー 「バカップル退散でも祈願するかい? あっ、ハーレイ!」
ハーレイ「おお、来たか。ちゃんと順番を取っておいたぞ」
コートを着込んだ教頭先生、今年も場所取りをしていた模様。
バカップルにも丁寧に頭を下げまして。
ハーレイ「こんばんは。節分体験ツアーだそうで」
Aブルー「そうなんだ。もう色々と最高でさ!」
A船長 「こちらでも是非、祈願したいと」
ハーレイ「そうですか。並んだ甲斐がありましたよ」
お役に立てて何よりです、と教頭先生。
バカップルのお参りスタイル、炸裂するまで秒読みですよ…。
2013/02/23 (Sat)
☆恵方巻でお参り
教頭先生が場所取りをしていた恵方社前。
居並ぶ人々をゴボウ抜きして、一番前での祈願が可能となっております。
ハーレイ「で、誰が最初にお参りするんだ? お客様か?」
客人以外「「「………」」」
ハーレイ「どうした、妙に元気が無いが…。そういう時こそ恵方巻だぞ」
しっかり食べてお参りしろ、と教頭先生。
バカップルが何をするのか御存知ないだけに無理もありません。
Aブルー「遠慮しないでお参りしてよ、ぼくたちは最後でいいからさ」
A船長 「ええ、皆さんのお参りを参考に致しますから」
参考も何もあったものではないのですけど。
バカップルに先にやられるよりかは、後の方がまだマシというもの。
ブルー 「だったら先に行かせてもらうよ」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ ぼく、一番!」
恵方社の前で柏手を打った「そるじゃぁ・ぶるぅ」。
老舗料亭の恵方巻を頬張り、無言でモグモグ食べ終えまして。
ぶるぅ 「美味しかったぁー! お酢もお米も最高だもんね!」
ブルー 「お願い事は?」
ぶるぅ 「あーーーっ!!!」
忘れちゃってた、と叫ぶ「そるじゃぁ・ぶるぅ」に大爆笑。
シャン学メンバーたち、自分は絶対忘れないぞと心に固く誓ったのに。
ジョミー「…どうだった?」
キース 「お前と同じだ」
シロエ 「結局、全員おんなじですか…」
ハーレイ「なんだ、どうしたんだ?」
私は恋愛成就を祈願したが、と教頭先生だけがお気楽。
他の面子はウッカリしっかりバカップル退散を祈ってしまい。
ブルー 「……別にいいんだ、無駄骨だろうし……」
ハーレイ「は?」
ブルー 「すぐに分かるさ、君にもね」
ハーレイ「???」
Aブルー「ハーレイ、ぼくたちの番みたいだよ」
A船長 「そうですね。二人でお願いいたしましょう」
キャプテン、ソルジャーを背後から左腕でギュッと。
お願い事を口に出せない分、姿勢でアピールしていくようでございます。
聖天さんにあやかったお参りスタイル、夫婦和合の恵方巻です~!
2013/02/24 (Sun)
☆トドメの恵方巻
キャプテンがソルジャーを背後からギュッと抱き締め、恵方巻タイム。
二人とも無言でモグモグ頬張ってますけど、お願い事が何かは一目瞭然。
ハーレイ「な、何なんだ、あれは?」
ブルー 「二人揃って恵方を向けるスタイルらしいよ」
ハーレイ「し、しかしだな…」
思い切り注目されているのだが、と教頭先生。
順番待ちの人々の視線、バカップルを避けて同行者たちにビシビシと。
ブルー 「君は遙かにマシなんだってば、ぼくたちは朝から晒し者でさ」
ハーレイ「朝から…?」
キース 「七福神巡りで派手にやられました」
こんなのはまだ序の口です、とキース君が嘆く間も密着中のバカップル。
ようやっと恵方巻を食べ終えまして…。
Aブルー「…どうだった? ハーレイ」
A船長 「勿論しっかりお願いしました、夫婦和合でヌカロクですよ!」
一同 (((ぎゃあぁぁぁぁぁ!!!)))
またやられた、とダッシュで逃げ出すシャン学メンバー。
教頭先生も一緒に駆け出しましたが、その後ろからはバカップルが。
Aブルー「なんで逃げるのさ、薄情者ーっ!」
A船長 「私たちが何かやりましたかーっ!?」
恵方巻のマナーは守りましたが、と大声で絶叫されましても。
ブルー 「追っかけてくるなら黙っててーっ!」
A船長 「だそうです、ブルー」
Aブルー「じゃ、黙ろうか」
ちょうどそういう気分だしね、と追い付いたバカップル、ピタリと沈黙。
生徒会長宅に瞬間移動で逃げ帰った後も無言でして。
ブルー 「あーあ、酷い目に遭っちゃった。で、豆まきの方だけど」
ハーレイ「今年も私が鬼をやるのか?」
ブルー 「そのつもりで用意はしてあるよ。…ん?」
朝から何かと言えば密着していたバカップルが距離を取っております。
生徒会長の目線を追ったシャン学メンバーたちもそれを確認。
一同 (((…???)))
追突防止の車間距離ならぬ人間(じんかん)距離。
夫婦和合を願った筈のバカップルに何があったんでしょう…?
2013/02/25 (Mon)
☆距離を取る二人
何かと言えばイチャイチャ、ベタベタ、密着していたバカップル。
恵方巻まで凄いスタイルで食べたというのに、何故か二人の間に距離が。
ブルー 「そこの二人! 夫婦喧嘩なら帰ってくれる?」
Aブルー「えっ?」
ブルー 「こんな所で冷戦状態は困るんだってば、豆まきするしね」
Aブルー「冷戦状態? ぼくたちが?」
なんでまた、と返したソルジャー、皆の視線に気が付いたようで。
Aブルー「ああ、ハーレイと距離を取ってることか…。勘違いだし!」
一同 「「「勘違い?」」」
Aブルー「喧嘩じゃなくって、むしろその逆!」
A船長 「今、近付くとマズイんです」
一同 「「「はぁ?」」」
Aブルー「くっついて恵方巻を食べちゃったからね、ちょっと気分が」
A船長 「お互い、抑えが利かなくなりそうでして…」
なにしろ無言で恵方巻を丸かぶりです、と続けるキャプテン。
A船長 「ブルーよりかは大きめだな、と思い始めてしまいまして…」
Aブルー「ぼくもなんだよ、ハーレイに海苔を巻いちゃった気分」
ブルー 「ちょ、ちょっと…」
もうそれ以上は言わなくていい、と生徒会長は顔面蒼白。
しかし…。
Aブルー「だからね、二人でくっついちゃうとヤリたくなるんだ」
キース 「何をだ?」
万年十八歳未満お断りゆえの素朴な疑問。
ソルジャーは我が意を得たりとばかりに得意げに。
Aブルー「いわゆるシックスナインというヤツ!」
ブルー 「やめたまえ!!!」
ジョミー「…しっくす…?」
A船長 「69です、私がブルーを、ブルーが私をというものでして」
シロエ 「はあ…」
サッパリ分からないんですけど、とシャン学メンバー。
生徒会長は口をパクパク、教頭先生は派手に鼻血で。
ぶるぅ 「大変、鬼さん、鼻血が出ちゃった!」
Aブルー「いいじゃないか、どうせ脱衣豆まきするんだろ?」
今なら鬼に金棒状態、とソルジャーはいけしゃあしゃあと。
教頭先生の大事な金棒、ビンビンのガンガンになりましたかねえ?
2013/02/26 (Tue)
☆鬼と金棒
密着して恵方巻を食べたばかりに、けしからぬ気分になったバカップル。
お互いに距離を取っていないと69をやりたくなるそうで…。
ブルー 「さっさと帰って実践したまえ、豆まきはもういいだろう!」
Aブルー「ぼくたちは節分ツアーに来たんだよ?」
A船長 「節分は豆まきで締めるものだとブルーが言っていましたが」
Aブルー「こっちのハーレイも金棒を装備出来た筈だし…」
脱衣豆まきをやらなきゃ損だ、とソルジャーは主張しております。
ブルー 「鬼の衣装は用意したけど、絶対嫌だ!」
Aブルー「なんで? ビンビンでガンガンの金棒つきだよ」
A船長 「ええ、窮屈そうでいらっしゃいますしね」
是非とも解放してあげて下さい、とキャプテンまでが。
69ネタで煽られた教頭先生、確かにズボンがキツイようです。
Aブルー「だからね、パァーッと豆まきしなくっちゃ!」
ブルー 「豆が当たると服は透けるけどね、それは視覚の問題だから!」
消えてなくなるわけではない、と生徒会長。
ブルー 「スッポンポンになったとしても見た目だけだよ」
Aブルー「窮屈なのは変わらないのか…。でもさ、金棒は拝めるよね?」
ブルー 「ぼくは拝みたくないってば!」
Aブルー「そう言わずにさ。君もいつかは御世話になるかもしれないよ」
その金棒に、とソルジャーはノリノリでございます。
教頭先生は鼻血が止まらず、もうビンビンのガンガンですけど。
ブルー 「………。豆まきの意味を知ってるのかい?」
Aブルー「鬼を追い出して福を呼ぶのが目的だろう?」
ブルー 「本来、厄除けの行事なんだよ! 追い出すべきは厄という鬼」
Aブルー「それで?」
ブルー 「ぼくたちにすれば、君たちこそが厄そのものだと思うけど?」
Aブルー「じゃあ、ぼくとハーレイが脱げばいいわけ?」
いつでもどうぞ、と笑顔のソルジャー。
豆が当たると服が透けるのが脱衣豆まきというヤツですが。
バカップルなぞに脱衣させたら、その場で69を始めてしまうのでは…?
2013/02/27 (Wed)
☆仕上げは豆まき
君たちこそが厄そのものだ、と言われてしまったバカップル。
ところがソルジャー、自分たちが厄なら脱ぐと開き直ってしまいまして。
Aブルー「節分のフィナーレは豆まきだしさ、いくらでも脱ぐよ」
A船長 「正直、恥ずかしいのですが…。それがブルーの望みでしたら」
ブルー 「脱がなくていい! 脱衣豆まきは本来、邪道!」
鬼に豆をぶつけて追い出すだけだ、と生徒会長。
ブルー 「だから今から普通に豆まき! 鬼の衣装は諦めた!」
Aブルー「ちょっと待ってよ、鬼はぼくたちなんだろう?」
ブルー 「それは単なる喩えというヤツ!」
Aブルー「せっかくだから鬼をやりたいんだけど」
ブルー 「えっ?」
Aブルー「ただし、ぼくたちが追いかける方! 鬼ごっこってね」
豆をぶつけながら逃げたまえ、と微笑むソルジャー。
Aブルー「捕まった人には厄をたっぷり! 69の見学会だ」
ブルー 「な、な、な……」
Aブルー「ぶるぅ、豆まきのアイテムは何処?」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ すぐに持ってくるね!」
はいどうぞ、と豆入りの桝が鬼を除いた全員に。
Aブルー「一番奥の部屋からだよね、それじゃ行こうか」
一同 (((…あ、悪夢だ…)))
バカップルに捕獲されたら69の見学会。
豆をまきつつ必死に逃げるシャン学メンバーたちですが。
ブルー 「捕まりたいわけ? ハーレイのスケベ!」
ハーレイ「いや、私は…!」
Aブルー「ほらほら、もうすぐ追い付いちゃうよ?」
一同 「「「鬼は~外~!!!」」」
バァン! と玄関の扉を開けた一同、我先に外へ。
背後で扉がバタンと閉まって、鍵をかける音がガッチャンと。
キース 「おい、家の鍵は?」
ブルー 「も、持ってない…」
Aブルー「あっても無駄だよ、それじゃ朝まで御世話になるね~♪」
節分の締めは夫婦和合で69、とソルジャーの声。
鬼に追われて廊下で難民、教頭先生の金棒も69を見損ねてションボリ。
今年の節分、福は逃したようですねえ…。
2013/02/28 (Thu)