☆波乱なハイキング
菖蒲の名所で菖蒲をゲット、とソルジャーは高らかに宣言しております。
お取り寄せより自生の菖蒲がどうとかと。
Aブルー「花屋の菖蒲は栽培品だと思うんだよね」
ブルー 「そうだよ、でないと不揃いになるし」
Aブルー「不揃いな菖蒲、大いに結構! 自生ってことは野生だからさ」
ワイルドなだけに効きそうなのだ、と採る気満々。
Aブルー「花菖蒲園のはダメだろうけど、池のは採ってもいいんだろ?」
ブルー 「ま、まあ…。特に禁止はされてないかな…」
Aブルー「アヒルの卵を拾っていいなら、菖蒲も別に構わないよね」
ハーレイと二人で刈り取るから、と微笑むソルジャー。
Aブルー「楽しみだなぁ、ワイルドな菖蒲湯! それにお弁当も」
ブルー 「…分かったよ…。君たちの分も用意しておく」
Aブルー「25日の土曜日だっけね、時間と集合場所もよろしく」
それじゃまたね、と言いたいことだけ言って、お帰りで。
キース 「…あいつらが来るのか…」
ジョミー「ハイキングのつもりだったのに…」
シロエ 「バカップルと一緒に山歩きですか…」
サム 「なんか思い切りツイてねえよな」
ブルー 「無視するに限るよ、ぼくたちは普通に楽しもう」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ ボートも乗るんだもん!」
マツカ 「そういえば、教頭先生も呼んだんでしたね」
ブルー 「ハーレイには目の毒かもねえ…」
どうせ山歩きでもイチャイチャなのだ、と生徒会長はフウと溜息。
ブルー 「仕方ない、ウサ晴らしにパァーッとお弁当多めで」
ぶるぅ 「三段重ねとピクニックバスケットにたっぷりだね!」
キース 「あいつらは放ってアヒルの卵を拾うとするか」
ジョミー「茹でたてを食べたら美味しいかもね」
ぶるぅ 「んとんと…。アヒルさんの卵、固まらないよ?」
ブルー 「茹でてもガッチリ固まらないからピータンとかになるわけ」
早めに食べるなら焼き菓子にするのがお勧めだそうでございます。
その場でカステラなんかが焼けたら、楽しいかも?
2013/05/16 (Thu)
☆カステラもいいね
ハイキングのお目当てはアヒルの卵を拾うこと。
ところが茹で卵には向かないそうで、お勧め料理は焼き菓子なのだとか。
ブルー 「白身が固まらないらしい。だけどピータンじゃ日数がね…」
ジョミー「そうだったんだ…。あっ、カステラとかも作れるかな?」
ぶるぅ 「アヒルさんの卵のカステラ、美味しいらしいよ?」
サム 「カステラって鍋で出来るんだっけか?」
マツカ 「そんな絵本がありましたね。大きな卵を拾って、お鍋で」
ぶるぅ 「んとんと…。蓋をして焼くヤツだよね?」
フライパンで出来るからお鍋でもOK、と「そるじゃぁ・ぶるぅ」。
これはやらねば損かもです。
ジョミー「カステラがいいな、卵を拾って」
キース 「焼き立てなら一層美味いだろうしな」
スウェナ「お鍋とコンロも持って行くの?」
シロエ 「凄い荷物になりそうですね」
ブルー 「そんな時のための下僕だってば、ハーレイに任せて安心だよ」
少々荷物が大きかろうが無問題、と生徒会長はにこやかに。
ブルー 「しっかりパッキングすればいいんだ、後は背負うだけ!」
キース 「あんた、鬼だな…」
ブルー 「かまわないだろ、ハーレイが来るって言ったんだからさ」
お弁当にお鍋に七輪に…、と生徒会長は指を折って数えております。
凄い荷物になりそうですけど、パッキングには自信があるとかで。
ブルー 「上手く纏めればバッチリってね。七輪は頭の上でもいいし」
一同 「「「頭?」」」
ブルー 「頭に荷物を乗せて運ぶのは王道だよ」
いろんな国でやっている、という主張はまさしく正論。
旅行用トランクなんかの重量物でも頭に乗せるプロはいるものです。
ブルー 「普段から柔道で鍛えているんだ。問題ない、ない」
キース 「やはり鬼としか思えないがな…」
ブルー 「本人がやると言った以上は、やり遂げてなんぼ!」
25日が楽しみだねえ、と生徒会長はウキウキと。
バカップルが来ることはこの際忘れて、菖蒲の名所へお出掛けですよ~。
2013/05/17 (Fri)
☆かさばる大荷物
やって来ました、お待ちかねの25日の土曜日です。
集合場所は生徒会長のマンションの駐車場、シャン学メンバーも早々に。
ジョミー「登山口までは瞬間移動でパパッと…だよね?」
キース 「そう言ってたな。バスだと時間を食うらしい」
Aブルー「やあ、おはよう。今日はよろしく」
??? 「おはようございます。よろしくお願いいたします」
出ました、私服のソルジャーとキャプテン(会話表記はA船長)。
Aブルー「野生の菖蒲が採れると思うと、もう楽しみで楽しみで…」
A船長 「菖蒲湯は本当に効きますからねえ、私も自信がつきました」
カラスが出た時は焦りましたが、とキャプテンはお花見を回想中。
A船長 「いざこれから、と言う時にバサバサと飛んで参りまして…」
Aブルー「桜の上からガン見なんだよ、ぼくは気にならないけどね」
ブルー 「その先、禁止!」
じきにハーレイも来るんだから、と生徒会長が玄関から。
なんと台車を押しております。
キース 「なんだ、それは?」
ブルー 「お弁当とカステラ用の鍋と七輪だってば」
ぶるぅ 「ハーレイなら持てると思うんだけど…」
サム 「すげえ量だな、七輪はマジで頭の上かよ?」
ブルー 「鍋とセットで縛っておいたよ、これが輪っかで」
頭に乗っけて台にするのだ、と布を捩って作った輪っか。
三段重ねのお弁当とピクニックバスケットは背負子で背負うとか。
シロエ 「凄いスタイルで山越えですねえ…」
ブルー 「別にいいだろ、バスに乗ってくわけじゃないんだし」
ハーレイ「おはよう。すまん、遅れてしまったか?」
ブルー 「ううん、全然。それより、荷物をよろしくね」
予定より少し増えちゃったけど、と示された教頭先生、絶句。
ハーレイ「弁当を背負うと聞いていたが?」
ブルー 「七輪と鍋も持って行くことになったんだ」
美味しいカステラを御馳走するよ、と生徒会長はニッコリ笑顔。
途端にフニャリと顔が緩んだ教頭先生、下僕街道まっしぐらかも…。
2013/05/18 (Sat)
☆登山と大荷物
凄い量になってしまったハイキング用のお弁当など。
下僕代わりの教頭先生、背負子を背負ってお次は頭の上に布製の輪っか。
ハーレイ「輪っかを被ってどうするんだ?」
ブルー 「鍋と七輪を載せるのさ。ちょっと屈んでくれるかな?」
どっこいしょ、と教頭先生の頭に七輪を載せる生徒会長。
七輪の上には囲炉裏に掛けるような感じの鉄鍋が縛りつけてあります。
ブルー 「これでよし…っと。はい、立ってみて」
ハーレイ「…こ、こうか?」
ブルー 「上手い、上手い。両手を放してもいけそうだよね」
山越えの道もバッチリだ、と生徒会長は微笑みまして。
ブルー 「準備オッケー! それじゃ行こうか」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ しゅっぱぁ~つ!」
瞬間移動でパッと姿を消した一同、現れた先は登山口。
登山と言ってもいわゆる里山、池までは半時間ほどで着くそうで。
Aブルー「誰もいないね…」
ブルー 「大抵の人は車で出掛ける場所だしね」
キース 「なるほどな。で、ここを登って行けばいいのか?」
ブルー 「うん。ひたすら一本道だから」
シロエ 「じゃあ、行きましょうか」
ぶるぅ 「わぁ~い、山だぁ~!」
教頭先生以外の面子は軽いリュックと水筒のみ。
軽い足取りで登ってゆく中、教頭先生だけがモタモタと。
ハーレイ「ま、待ってくれ、そんなに速くは歩けないのだが…」
ブルー 「その程度の荷物でギブアップかい?」
ハーレイ「いや、七輪と鍋が木の枝に引っ掛かりそうで…」
落とすわけにはいかんしな、と言う間にも細い木の枝がピシパシと。
ブルー 「だったら縛って固定だね」
ハーレイ「は?」
ブルー 「そこに座って」
ロープを取り出した生徒会長、七輪と鍋を帽子よろしく頭に固定。
ぶるぅ 「えとえと…。なんか七輪マンみたいだね!」
ブルー 「ハーレイの顔が赤くなったら点火って?」
一同 「「「し、七輪マン…」」」
それは確かに、と一同、爆笑。
七輪を被った教頭先生、間抜け度数がググンとアップ?
2013/05/19 (Sun)
☆七輪マンと山道
頭に七輪と鍋な教頭先生、姿はさながら七輪マン。
爆笑されて顔が真っ赤になった途端に、生徒会長が鍋に手を触れまして。
ブルー 「熱っ! 点火したと思ったらもう熱いってね」
Aブルー「なるほど、瞬間湯沸かし器なんだ?」
ブルー 「乗っかってるのは鉄鍋だしねえ、空炊きしても大丈夫!」
ぶるぅ 「ホントに熱いの?」
ペタリと触った「そるじゃぁ・ぶるぅ」。
小さな両手で鉄鍋をしきりにペタペタペタと。
ぶるぅ 「…熱くないよ?」
ブルー 「ハーレイの顔を見てごらん。まだ真っ赤だし!」
Aブルー「絶賛空炊き中ってね。真っ赤に燃える七輪マンだよ」
まだまだ熱く燃えそうだ、とソルジャーは教頭先生の耳にヒソヒソと。
ハーレイ「…!!!」
Aブルー「それでね、更なるパワーアップを目指して菖蒲を」
ブワッと鼻血の教頭先生、いったい何を聞かされたのやら。
鼻にティッシュが詰まったことで間抜け度数はドカンとアップ。
ブルー 「なんかホントにみっともないねえ…」
キース 「最初はあんたがやったんだろうが!」
ブルー 「そりゃそうだけどさ。…七輪マンとは距離を置きたい」
恥ずかしいから、とダッと駆け出す生徒会長。
サイオンの力を借りているらしく、急な傾斜もなんのその。
ブルー 「ハーレイ、お先に~!」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ 一本道だからね~!」
キース 「ぶ、ぶるぅまで…。くっそぉ、負けるか~!」
シロエ 「ぼくも行きまーす!」
えらい勢いで駆け登ってゆく面子を見送った一同ですが。
Aブルー「少し登ったら峠みたいだよ、後は下りだ」
ジョミー「そうなんだ? じゃあ、その先は走ろうかな…」
サム 「おう! 下りだったら負けねえぞ」
スウェナ「私も下りなら走れるわよ?」
マツカ 「教頭先生はどうするんですか?」
Aブルー「七輪って割れ物注意っぽいよね、お弁当もあるし」
A船長 「船長たるもの、安全第一が大前提です」
七輪とお弁当の安全第一。
教頭先生、捨てられフラグ?
2013/05/20 (Mon)
☆菖蒲池に到着
七輪マンな教頭先生が守るべきものは、七輪と大量のお弁当。
走るとバランスが崩れそうですし、山道に置き去りにされるのは当然で。
ジョミー「よーし、走るぞー!」
サム 「俺も行くぜ―っ!」
峠に着いたジョミー君たち、一斉にスタートを切って下へ下へと。
間もなく池が見えて来まして、先発隊が大きく手を振っております。
ぶるぅ 「かみお~ん♪ こっち、こっち!」
ブルー 「思ったより早い到着だね」
ジョミー「えーっと…。なんか向こうの方が賑やかだよ?」
キース 「花菖蒲園と駐車場があるんだ。バーベキュースポットもな」
シロエ 「人が多い所に行くのはマズイでしょう?」
何かと問題アリアリです、と指摘されて納得の後発組。
マツカ 「教頭先生のスタイルだけでも、思い切り人目を引きますよ」
ブルー 「七輪マンだしね。で、他の二人は?」
後発組 「「「え?」」」
置いてきたのは七輪マンだけと思っていれば、若干二名が行方不明。
ジョミー「一緒に走って来なかったっけ…?」
スウェナ「どうだったかしら?」
キース 「あいつらが行方不明となると、ロクなことにはならないな」
ブルー 「此処に場所を取って良かったよ。…ほら、あそこ」
一同 「「「???」」」
Aブルー「お待たせ―! お姫様気分って最高だよねえ」
壊れ物扱いで山道を下って森林浴、と御機嫌のソルジャー。
なんとキャプテンにお姫様抱っこをされております。
Aブルー「七輪なんかより、ぼくの方が遙かに大切だろう?」
A船長 「もちろんです。落っことさないよう、頑張りました」
ハーレイ「わ、私も七輪を死守したのだが…」
ブルー 「御苦労様。ぼくは君に運ばれる趣味は無いから」
さっさと荷物を下ろすように、と生徒会長は冷たい口調。
Aブルー「ホント、こっちのハーレイは報われないねえ…」
A船長 「お気の毒です…」
私たちは幸せになりましょう、と眺める先には自生の菖蒲。
菖蒲の名所はダテじゃなかったようですよ~。
2013/05/21 (Tue)
☆花菖蒲園に行こう
菖蒲の名所に辿り着いた御一行様。
悪目立ちしそうなだけに池の端っこにレジャーシートで、荷物を置いて。
ブルー 「人が増える前に花菖蒲園まで行って来ようか」
シロエ 「いいですね! えっと、荷物は…」
ブルー 「ハーレイに番をさせてもいいけど、せっかくだからね」
みんなで行こう、と取った方法は、いわゆるシールド。
がっちりガードで盗難の心配も無く、いざ池の向こうの花菖蒲園へ。
キース 「これはなかなか見事だな」
Aブルー「ずいぶん大きな花なんだねえ? いろんな色の花もあるしさ」
ブルー 「観賞用だし、品種改良を重ねているよ」
Aブルー「品種改良かあ…。それはそれで別の効き目があるかも」
一同 「「「は?」」」
Aブルー「こうバリエーション豊かだとねえ、四十八手も楽勝だとか!」
ブルー 「やめたまえ!」
菖蒲にそっちの効能は無い、と生徒会長は睨んでおりますが。
Aブルー「ここのは採ったらダメみたいだし、ノルディに頼もう」
A船長 「そうですね。あなたのマントに似た色の花が良さそうです」
あなたのように艶やかですし、と微笑むキャプテン。
Aブルー「花よりもぼくを見て欲しいんだけど?」
A船長 「もちろん、あなたが一番ですよ」
その場で始まるディープキス。
目が点になった他の面子は脱兎の如く花菖蒲園から脱出で。
ジョミー「び、びっくりした…」
サム 「一気に走って息が切れたぜ…」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ お茶にしようよ!」
駆け戻った場所でピクニックバスケットの蓋が開けられ、ポット登場。
一同 「「「いっただっきまーす!」」」
Aブルー「あ、ぼくとハーレイにもお茶を一杯」
ブルー 「ちょ、いつの間に!」
Aブルー「置き去りだなんて酷いじゃないか。おまけに迷子も」
ブルー 「…迷子?」
Aブルー「ぼくたちに見惚れて立ってたよ?」
デカイ迷子もいたものだ、と指差す先には教頭先生。
妄想タイムに入ってしまって取り残されたようですねえ…。
2013/05/22 (Wed)
☆ティータイムの後は
花菖蒲園でディープキスをかましてくれたバカップル。
大慌てで逃げた他の面々、ティータイムと洒落込んでいれば迷子が一人。
ブルー 「呆れたねえ…。その図体で迷子だなんて」
ハーレイ「い、いや、私は…」
Aブルー「立派な迷子ってヤツだろう? 誰もいないって慌ててたし」
A船長 「他の皆さんなら逃げましたよ、とお教えしまして御一緒に」
ブルー 「つまりガン見をしてたわけだね、君たちを」
Aブルー「そうなるねえ…。いっそカラスに挑戦してみる?」
ハーレイ「…カラス?」
Aブルー「菖蒲を見ながら一発やるから、そこで見学」
ブルー 「退場!!!」
さっさと帰れ、と柳眉を吊り上げる生徒会長。
ソルジャーは苦笑いたしまして。
Aブルー「それは勘弁願いたいね。菖蒲を採りに来たんだからさ」
ブルー 「だったら大人しくしていたまえ!」
Aブルー「分かったよ…。で、こっちのハーレイはお咎め無しかい?」
ブルー 「馬鹿に言うだけ無駄だしね。力仕事でもさせておくさ」
欲求不満は運動で解消、と指差す先にはボート乗り場が。
ブルー 「ぶるぅ、ボートに乗るんだろう?」
ぶるぅ 「うん! アヒルちゃんボートもあるんだね」
ブルー 「ハーレイにペダルを漕がせるといいよ、一周コースで」
ぶるぅ 「わぁーい! えとえと、みんなは?」
ジョミー「ボートもいいけど、やっぱり卵が気になるよ」
キース 「他のヤツらに先を越されたら悔しいからな」
シロエ 「それが目当てで来たんですしね」
サム 「おう! 拾ってカステラ作ろうぜ!」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ ぼくもボートの上から探す!」
アヒルさんの居場所を見つけるもん、と「そるじゃぁ・ぶるぅ」。
ブルー 「じゃあ、ハーレイとぶるぅがボートで…」
ジョミー「ぼくたちはアヒルの卵だね!」
Aブルー「ぼくとハーレイは菖蒲採りかな」
頑張っていこう! と気勢を上げる御一行様。
ピクニックバスケットでエネルギー充填、それぞれの道へと出発です~!
2013/05/23 (Thu)
☆カステラを目指せ
サンドイッチやスコーンが詰まっていたピクニックバスケット。
腹ごしらえも済み、ボートだのアヒルの卵拾いだのと分散いたしまして。
ジョミー「えーっと、卵、卵…と。何処を探せばいいんだろう?」
シロエ 「巣のありそうな場所じゃないですか? 菖蒲の中とか」
キース 「菖蒲か…。あいつらと鉢合わせしたくはないがな」
ほれ、と顎をしゃくった先にはバカップル。
自生の菖蒲をゲットするべく鎌を手にして池のほとりで品定め中で。
サム 「向こうの世界にも鎌ってヤツがあるのかよ?」
ブルー 「ノルディに借りて来たらしいよ」
キース 「準備万端、怠りなく…か。菖蒲ってヤツはそんなに効くのか」
ブルー 「あくまで心理的な効果だよねえ…」
次は花菖蒲湯にもチャレンジだろう、と生徒会長、深い溜息。
関わり合っては損とばかりに皆で池沿いに歩いていれば。
ジョミー「あったあ! なんか普通に落ちてるよ?」
マツカ 「落ちてますね…」
草の間にコロンコロンとアヒルの卵。
鶏卵よりも少し大きめです。
スウェナ「巣が無いんだけど…。古くないかしら?」
ブルー 「どれどれ…。うん、ザラザラしてるし産みたてだね」
キース 「なんで卵が落ちているんだ、確かに拾いに来たんだが…」
ブルー 「アヒルは基本が産み捨てなんだよ、卵を孵しもしないしさ」
一同 「「「…え?」」」
ブルー 「有精卵があったとしてもね、温めないから孵らないんだ」
孵化させたい場合は鶏や七面鳥などに托卵だとか。
ブルー 「というわけだから、拾った卵はもれなくカステラ!」
キース 「ヒヨコ入りの心配が無いわけだな」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ 卵、見付かった~!?」
ハーレイ「あっちの方にアヒルが沢山ウロついていたぞ」
ジョミー「えっ、ホント!?」
ぶるぅ 「池の中にも卵がゴロゴロ落ちてるみたい!」
いっぱい拾ってカステラ作ろう、と「そるじゃぁ・ぶるぅ」。
教頭先生がペダルを踏み込むアヒルちゃんボートで御機嫌ですよ!
2013/05/24 (Fri)
☆アヒルの卵と菖蒲採り
アヒルの卵で作るカステラ。美味だと聞いたシャン学メンバーは奮闘中。
池の上では「そるじゃぁ・ぶるぅ」がボートから指揮をしております。
ぶるぅ 「んとんと…。そこの池の中だよ」
ジョミー「うわあ、草の中にもいっぱいあるね!」
キース 「池の中にも産み捨てか…。アヒルってヤツはいい加減だな」
シロエ 「とにかく拾いまくりましょう!」
ズボンの裾を捲って池に踏み込む男子たち。
生徒会長とスウェナちゃんは陸上担当、せっせと拾い集めまして。
ブルー 「ぶるぅ、これだけあったら充分かな?」
ぶるぅ 「うん! お弁当を食べる間に焼けると思うよ♪」
ぼくはボートでもう一周、とキコキコ去ってゆくアヒルちゃんボート。
教頭先生、懸命にペダルを漕いでいらっしゃいます。
ブルー 「ハーレイは明日は筋肉痛かな?」
キース 「普段から鍛えていらっしゃるから大丈夫だろう」
ジョミー「それよりカステラが楽しみだよね」
サム 「おう! 七輪と鍋で作るんだよな」
焼き立てをガッツリ味わおう、とレジャーシートの所へ戻れば。
Aブルー「やあ。そっちの首尾はどうだったんだい?」
A船長 「私たちの方はもうバッチリです」
このとおり、と積み上げられた菖蒲の束が。
萎れないよう根元の部分に水を含ませた紙が巻いてあります。
Aブルー「これもノルディがくれたんだ。花屋さん御用達だって」
A船長 「本当に気の利く方でして…」
ブルー 「はいはい、分かった。あ、ぶるぅも来たかな?」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ アヒルちゃんボート、楽しかったぁ!」
ハーレイ「私でよければいつでも漕ぐぞ」
ブルー 「気分はぶるぅのパパってトコかい? ぼくは結婚しないけど」
Aブルー「もったいないねえ、こんなに尽くしてくれてるのにさ」
ブルー 「却下だってば! 七輪マンなんかお断りだよ」
その七輪もそろそろ出番だ、と生徒会長がセッティング。
豪華三段重ねなお弁当を広げる間に、カステラ作り用の火熾しです~!
2013/05/25 (Sat)
☆賞味期限と食べ頃
お弁当を食べている間にカステラを焼こうという段取り。
まずは七輪の火熾しからで、セットした炭を教頭先生が団扇でパタパタ。
ブルー 「ハーレイ、しっかり扇いでよ? 最初が肝心」
ハーレイ「うむ。…で、お前たちはカステラ作りか?」
ブルー 「そう! えーっと、卵は…」
ぶるぅ 「古いのは無いと思うんだけど…。調べなくちゃね」
ブルー 「片っ端から拾ったしね。古いのがあったら除けといて…、と」
生徒会長と「そるじゃぁ・ぶるぅ」が卵をチェック。
スーパーの袋に拾い集めたのを1個ずつ出しては、ヒョイと脇の方へ。
ブルー 「よし、産みたて!」
ぶるぅ 「これも産みたて~!」
Aブルー「お取り込み中を悪いんだけど…。ちょっといいかな?」
卵を選別している横から、ソルジャーが顔を出しまして。
Aブルー「日数が経ったヤツは混じってる?」
ブルー 「どうだろう? ジョミーの話じゃ拾いに来る人もいるからね」
Aブルー「日が経った卵があったら欲しいんだけど」
ぶるぅ 「んーと…。2週間くらいは冷蔵庫じゃなくても大丈夫だし…」
Aブルー「出来れば18日ほど経ったヤツかな、ぼくの理想は」
一同 「「「は?」」」
思い切り賞味期限切れでは、と皆の視線はソルジャーに。
しかしソルジャー、涼しい顔で。
Aブルー「他にもダメな卵があったら欲しいんだよね」
ブルー 「だ、ダメって…。賞味期限切れなんかどうするのさ?」
Aブルー「もちろん食べるに決まってるだろう」
ブルー 「危なすぎるし!」
ぶるぅ 「えとえと、卵の食中毒って怖いんだよ?」
Aブルー「腐った卵は食べないよ。ぼくが欲しいのはピチピチのヤツ!」
キース 「あんた、言うことが矛盾してるぞ」
シロエ 「そうですよ。14日を過ぎたら危ないんですよ?」
Aブルー「平気だってば、新鮮だから!」
そしてイチオシは18日目、とソルジャーは力説しております。
賞味期限切れのアヒルの卵が新鮮だなんて、どういう理屈でそうなると?
2013/05/26 (Sun)
☆18日目の卵を所望
生徒会長と「そるじゃぁ・ぶるぅ」はアヒルの卵の選別中。
古い卵があったら欲しいと頼むソルジャーですけど、賞味期限の問題が。
ブルー 「どう転んだら賞味期限切れの卵が新鮮なのさ!」
Aブルー「卵だからだよ、いずれは雛が孵るんだろう?」
一同 「「「は?」」」
Aブルー「雛になるってことは生きているよね、ピチピチだってば!」
ブルー 「ちょ、ちょっと…。君が欲しいのは雛鳥入りの18日目?」
Aブルー「もちろんさ。雛にならないのは要らないよ、うん」
賞味期限切れで食中毒はお断り、とソルジャーはウインクしております。
Aブルー「18日目になってなくても、雛鳥入りならもれなくOK!」
キース 「そ、そんな卵をどうする気だ?」
Aブルー「決まってるだろう、茹でて美味しく」
シロエ 「食べるんですか!?」
Aブルー「うん、何か?」
ジョミー「そ、それってヒヨコになりかけなんじゃあ…」
Aブルー「そこが売りらしいよ、最高なのが18日目!」
ヒヨコの形になっているのを殻ごと茹でて塩で食べるそうで。
キース 「あんた、ゲテモノ趣味だったのか!?」
Aブルー「失礼な! 食べるのはぼくじゃなくって、ハーレイ!」
一同 「「「えぇっ!?」」」
なんという恐ろしい嗜好なのだ、とキャプテンに集中する視線。
教頭先生も炭を扇ぎつつ青ざめていらっしゃいますが。
Aブルー「ノルディに教えて貰ったんだよ、ハーレイ向きだって」
ブルー 「…何が?」
Aブルー「雛になりかけのアヒルの卵! 18日目が特に凄いらしい」
茹でて食べればもうビンビンのガンガンで、と語るソルジャー。
Aブルー「ヤリまくるための食べ物だから、夜に食べろと」
A船長 「羽根は食べられないので吐き出すそうです」
Aブルー「なんてったかなぁ、確かバロットだったかな?」
この国の食べ物ではないそうだ、とソルジャーは拾った卵をガン見。
あわよくば雛鳥入りの卵をゲット、とサイオンで透視中みたいですよ~!
2013/05/27 (Mon)
☆孵らない卵
ソルジャーの希望は雛鳥入りのアヒルの卵。
茹でて食べればビンビンのガンガン、それをキャプテンにという考えで。
Aブルー「アヒルの卵を拾いに行くならお勧めです、とノルディがね」
A船長 「正直、ゲテモノだとは思うのですが…」
ブルーとの素晴らしい時間のために食べてみせます、と漢なキャプテン。
A船長 「それで、見付かりそうですか?」
Aブルー「うーん…。もしかして拾われちゃったのかな?」
他の人に、とソルジャーは卵の山を眺めて溜息。
Aブルー「18日目の卵どころか、雛鳥入りのが見付からないんだ」
ブルー 「そりゃそうだろうね、御愁傷様」
キース 「アヒルは卵を抱かないそうだ。ヒヨコ入りのはまず無いな」
Aブルー「えぇっ!? それじゃノルディが言ってたヤツは…」
ブルー 「それ専門に温めさせたヤツだと思うよ、鶏とかに」
Aブルー「鶏?」
キース 「托卵だ。親の代理をさせるらしいぞ」
Aブルー「ノルディはそんなの言わなかったよ!」
ブルー 「知らないんじゃないかな、獣医じゃないし」
Aブルー「じゃ、じゃあ、ハーレイにバロットを食べさせるのは…」
ブルー 「諦めるんだね、菖蒲湯があれば充分だろう?」
あんなに沢山採ったんだから、と生徒会長は冷たい口調。
ブルー 「さてと、卵のチェックも済んだし、カステラ作りだ」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ 全部使える卵だったね!」
お鍋いっぱいのカステラが出来るよ、と「そるじゃぁ・ぶるぅ」。
お弁当リュックの中から特大のボウルを取り出しまして。
ぶるぅ 「えーっと、卵を泡立てて…」
Aブルー「ちょっと待った!」
コレとコレと…、とソルジャーの手が伸び、卵をヒョイヒョイ。
ぶるぅ 「わぁーい! お手伝いしてくれるの?」
Aブルー「そうじゃなくって…。ぼくにも一応、見る目はあってさ」
貴重な卵をむざむざ逃してなるものか、とスーパーの袋にポイポイポイ。
カステラ用にまさに割ろうとしていた卵、グングン減ってゆきますが…?
2013/05/28 (Tue)
☆目指せバロット
卵の鮮度のチェックも済んで、いざカステラ。
ところが横から出てきたソルジャー、せっせと卵を取り分けております。
Aブルー「コレもいけるし、コレもだね」
ブルー 「いったい何をしてるわけ?」
Aブルー「分からないかな、有精卵だよ。あっ、コレもだ」
ぶるぅ 「えとえと…。有精卵だけでカステラ作るの?」
味は変わらないよ、と「そるじゃぁ・ぶるぅ」は大真面目。
ぶるぅ 「鶏さんの有精卵を売っているけど、栄養分もおんなじだよ?」
Aブルー「味の問題じゃないんだな。ぶるぅ、カステラはこっちの卵で」
減っちゃったけど作れるだろう、と指差す卵は、ほぼ半減。
ジョミー「酷いや、頑張って拾ったのに!」
キース 「あんた、卵で何をする気だ?」
Aブルー「ん? ぼくのシャングリラにも鶏はいるし!」
一同 「「「は?」」」
Aブルー「有精卵なら温めてやればちゃんとヒヨコになるからねえ…」
ブルー 「ま、まさか、君のシャングリラで自家製バロット!?」
Aブルー「ご名答! いいよね、ハーレイ?」
A船長 「は、はあ…。家畜飼育部には適当に言い訳しておきますか…」
Aブルー「黙って混ぜれば分からないってば、このくらい」
でなきゃ卵をすり替える、とソルジャー、やる気でございます。
Aブルー「何日目くらいから食べていいのか、ノルディに訊こう」
ブルー 「本気で卵を茹でる気かい!?」
Aブルー「もちろんさ! ぼくの理想は18日目!」
これだけあれば18日目の卵も山ほど、とソルジャーはウットリ。
キャプテンは真っ赤で、教頭先生は団扇片手に鼻血の危機。
Aブルー「羽根がジャリジャリしていたってね、それもパワーの源で」
A船長 「が、頑張ります…」
ぶるぅ 「も、もしかしてアヒルちゃんのヒヨコを茹でるの?」
Aブルー「そうだよ、卵の殻ごとね」
ぶるぅ 「えーーーっ! 可哀相だよ、酷いよ、鬼だよ~っ!!!」
あんまりだよう、と「そるじゃぁ・ぶるぅ」。
それが普通の反応ですよねえ…?
2013/05/29 (Wed)
☆やっぱりカステラ
有精卵なアヒルの卵を鶏に抱かせ、バロットにしようと企むソルジャー。
生きたヒヨコを茹でると聞いた「そるじゃぁ・ぶるぅ」は大泣きで。
ぶるぅ 「うわぁ~ん、アヒルちゃんが死んじゃうよぉ~!」
Aブルー「それを言うなら、有精卵だって生きてるわけでさ」
ぶるぅ 「違うもん! 温めないとヒヨコにならないもん!」
アヒルちゃんを茹でるなんて、と涙の抗議。
ぶるぅ 「生きたまんまで茹でるよりかはカステラだよう~!」
Aブルー「バロットだってば!」
ぶるぅ 「絶対、カステラ!」
パパパパパンッ! と何やら音が。
空だったボウルに卵の中身がドッカンと。
Aブルー「あーーーっ!!!」
ぶるぅ 「アヒルちゃん、可哀相だもん!」
美味しいカステラ作るんだもん、と「そるじゃぁ・ぶるぅ」。
卵入りの袋は見事に空っぽ、殻だけ地面に転がっていて。
Aブルー「……ぼ、ぼくのバロット……」
ブルー 「残念だったねえ、割られちゃったら後の祭りってね」
サム 「すげえな、ぶるぅ…。サイオンで全部割ったのかよ?」
キース 「そのようだな。あいつに勝つとは素晴らしい」
ぶるぅ 「アヒルちゃんのためなら頑張れるもん!」
Aブルー「…ぼくがぶるぅに負けるなんて…」
バロットの夢はどうなるのだ、とソルジャー、呆然。
Aブルー「あんなに沢山あったのに…。パワー全開の筈だったのに!」
A船長 「ほ、ほら、まだ菖蒲湯がありますから…」
Aブルー「食べなくて済んで良かった、とか思っていないだろうね?」
A船長 「…!!!」
Aブルー「……思ってたんだ?」
このヘタレが、と掴みかかろうとするソルジャーですが。
ブルー 「夫婦喧嘩なら帰ってくれる?」
ぶるぅ 「お弁当、美味しく食べたいもんね!」
Aブルー「そ、それは食べたい! せっかくここまで来たんだし!」
ぶるぅ 「じゃあ、焼けるまでの間にお弁当~!」
カステラの種はお鍋の中へ。
蓋をして七輪に乗っけた後は、三段重ねのお弁当です~!
2013/05/30 (Thu)
☆アヒルと菖蒲と
見事に砕けたバロットの夢。
ガッカリしているソルジャーですけど、色気より食い気でもあるらしく。
Aブルー「来た甲斐があったよ、豪華弁当! 美味しいよね」
ぶるぅ 「お願いだから、もうアヒルちゃんを茹でないでよ?」
Aブルー「そうだねえ…。ハーレイもどうやらヘタレっぽいし」
A船長 「も、申し訳ありません…」
Aブルー「次の機会に期待しとくよ、今は菖蒲湯で」
これだけあれば当分は、と刈り取った菖蒲の束にソルジャーはウットリ。
Aブルー「これが無くなったらノルディに頼んで花菖蒲だね」
A船長 「あなたのマントの色のをメインにお願いしたいですねえ…」
Aブルー「分かってるってば、バリエーション豊かに頑張ってよ?」
A船長 「もちろんです、ブルー…」
たちまち始まるディープキス。
教頭先生はボーッと見惚れておられますが。
ブルー 「懲りてないねえ、ヘタレのくせに」
ハーレイ「…す、すまん…。つい…」
ブルー 「馬鹿は放ってカステラだよ。そろそろいいかな」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ 焼き立てカステラ、食べたい人~!」
鍋の蓋が取られ、ホワンとカステラ。
豪華弁当のデザート、次々とお皿に取り分けられて。
一同 「「「いっただっきまーす!!!」」」
アヒルの卵で作ると美味との前情報を裏切らない味。
鶏卵よりも濃厚で…。
ジョミー「アヒルの卵って美味しいんだねえ」
キース 「他の菓子にも向いてるかもな」
ぶるぅ 「えとえと…。それじゃ時々、拾いに来る?」
Aブルー「いいねえ、その時は是非、誘ってよ」
ブルー 「…それって、もしかしなくても…」
Aブルー「決まってるじゃないか、目指せバロット! 今度は勝つ!」
ぶるぅ 「うわぁ~ん、酷いよ、やっぱり鬼だよう~!」
A船長 「しょ、菖蒲湯で充分ですので…」
Aブルー「ヘタレも一人で充分なんだよ!」
こっちのハーレイだけで沢山、と喚くソルジャー。
池ではアヒルがガァガァと…。
ハイキング中継、これにて終了~。
2013/05/31 (Fri)