☆女神は別扱い
やって来ました、22日の土曜日です。
フィシスさんの予言どおりに雨は午前中で止み、夜には晴れそうな気配。
ぶるぅ 「かみお~ん♪ 夜は降水確率ゼロだって!」
サム 「マジですげえな、フィシスさん…」
ブルー 「そりゃもう、ぼくの女神だからね。予言は絶対、外れないさ」
マツカ 「当てて貰っておいて、ぼくたちだけでホタル狩りって…」
シロエ 「なんだか悪いような気もしますよね」
ジョミー「ちゃんと御礼は贈ったし!」
高かったけど、と嘆くジョミー君、きちんとお菓子を贈ったようです。
ブルー 「ああ、あれね。フィシスがとっても喜んでいたよ」
ぶるぅ 「ぼくとブルーと、三人でお茶にしたんだよ♪」
美味しかったぁ、と「そるじゃぁ・ぶるぅ」。
ジョミー君の財布が空になったお菓子、生徒会長たちも食した模様。
ブルー 「フィシスにはあれで充分さ。別に気にする必要は無いよ」
キース 「しかし…。せっかくのホタル狩りだしな…」
ブルー 「君たちがゾロゾロいるのに、フィシスを連れて行ってもねえ」
雰囲気まるっとブチ壊し、と生徒会長は申しております。
ブルー 「デートは二人に限るんだよ。シールドすれば雨も大丈夫だし」
ぶるぅ 「ホタルを見てからお泊まりだよね!」
一同 「「「お泊まり?」」」
ぶるぅ 「うんっ! ウチに泊まりに来るんだって♪」
お客様だぁ、と「そるじゃぁ・ぶるぅ」は大はしゃぎ。
早い話が生徒会長、ホタル狩りでデートを企画中。
ブルー 「思い付いた日にフラッとね。サプライズってのも大切だから」
キース 「そ、そうか…。頑張ってくれ」
ブルー 「ありがとう。そういうわけだし、今日は君たちに付き合うよ」
夕食が済んだらお出掛けだ、と言われて大歓声のシャン学メンバー。
??? 「いいねえ、みんなでホタル狩り! ぼくも一緒に行きたいな」
一同 「「「!!?」」」
バッと振り返った先で翻る紫のマント。
もしかしなくても、余計な誰かが来てしまったのでは…?
2013/06/16 (Sun)
☆ホタルがお勧め
いよいよホタル狩りにお出掛けな22日が来ましたが。
何やら余計な人が一名、呼んでもいないのに飛び込んで来たみたいです。
言わずと知れたソルジャー(会話表記はAブルー)でして。
Aブルー「ホタル狩りだってね、ぼくとハーレイも連れてってよ」
ブルー 「なんで連れてく義理があるのさ!」
Aブルー「行きたいからに決まってるだろう? それともアレかい?」
日頃SD体制の下で苦労している人間を見捨てるのか、と最終兵器。
これを持ち出されると断れないのが辛い所で。
ブルー 「わ、分かったよ…。でもハーレイは?」
Aブルー「まだブリッジが忙しくてさ。後で来るって」
ハーレイの分の夕食はお気遣い無く、と言われましても。
ブルー 「つまり君はこっちで食べるんだね?」
Aブルー「もちろんだよ。地球の食事は美味しいし!」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ 今夜はスパイスたっぷりグリーンカレー!」
Aブルー「いいねえ、腹ごしらえしてお出掛けだね」
その頃にはハーレイも来られるだろう、とソルジャーはニコニコ。
キャプテンの方はあちらの世界で普通に定食らしいんですけど。
ブルー 「君のハーレイに気の毒だとかは思わないわけ?」
Aブルー「なんで? ノルディとのデートにハーレイは来ないよ」
あれも御馳走なんだけど、と罪の意識は皆無のソルジャー。
自分さえ良ければそれで満足、キャプテンは二の次らしいです。
キース 「しかしアレだな、あんたにホタルの風情が分かるのか?」
Aブルー「どっちかと言えば捕まえる方だね、ノルディもお勧め」
一同 「「「は?」」」
Aブルー「君たちがホタルを捕まえに行くらしい、、と言ったらさ…」
行く価値ありと言われたんだ、とソルジャーは親指を立てております。
Aブルー「だから来てみた。ハーレイも行くと言ってくれたし」
ブルー 「君たちにホタル狩りが似合うとは思えないけどねえ…」
なんでまた、と首を傾げる生徒会長。
エロドクターのお勧めだとは、これ如何に…?
2013/06/17 (Mon)
☆ホタルを捕るなら
またしてもエロドクターとデートしていたらしいソルジャー。
ホタル狩りに行くのを勧められたそうで、キャプテンと来る気満々です。
Aブルー「捕まえるってところがポイント高いらしいんだよ」
ブルー 「うーん…。それで、ぼくたちにどうしろと?」
Aブルー「一緒に捕まえさせてくれれば…。道具は足りそう?」
ブルー 「一応、多めに用意はしたんだ。一人で二つとか使うかもだし」
シロエ 「二刀流ですね! 頑張ってみます」
ぶるぅ 「えとえと、御飯の用意、出来たよ~!」
ダイニングの方からいい匂い。
シャン学メンバーは元より、ソルジャーも夢中で食べ終えた頃。
??? 「こんばんは。遅くなりまして…」
Aブルー「あ、ぶるぅが送ってくれたんだ?」
迎えが要るかと思っていたよ、とソルジャーはニッコリ。
キャプテン(会話表記はA船長)登場でございます。
A船長 「定食にプリンがついておりましたから、それを譲りまして」
Aブルー「なるほど。ぶるぅはプリンも好物だしね」
ついでに君はプリンが苦手、と笑われるキャプテンは甘い物がダメ。
利害が一致した結果、「ぶるぅ」に送って貰えたようです。
A船長 「それで、そろそろお出掛けですか?」
ブルー 「そのつもりだよ。ぶるぅ、食事の片付けは済んだ?」
ぶるぅ 「もうバッチリ! お出掛けしようよ♪」
キース 「待ってくれ。ホタル狩りの道具が無いようだが?」
ブルー 「出発点を旅館の側にしようと思っているから…」
道具を持参でお出掛けはマズイ、と生徒会長。
ブルー 「自然歩道でもたまにパトロールが来るんだよね」
サム 「ヤバイじゃねえかよ、見つかったら!」
ブルー 「そういう時には虫籠をシールドしとけばバレないって!」
一同 「「「虫籠?」」」
捕虫網はどう誤魔化すのだ、と額に汗なシャン学メンバー。
ホタルを捕るなら捕虫網が必須。魚捕りの網ではまず無理です。
パトロールのプロの厳しい監視を、潜り抜けるなんて不可能なのでは…?
2013/06/18 (Tue)
☆無敵の捕虫網
バカップルまで来てしまいましたが、ホタル狩りにお出掛けしなくては。
ところがどっこい、自然歩道にはパトロールの人が来るそうで。
キース 「おい、網がバレたら終わりだぞ? 虫籠以前に」
ジョミー「魚捕りでも目が細かい網を使うことはあるけど…」
捕虫網と違って底が浅いもんね、とジョミー君。
お父さんの釣りに付き合うことがあるだけに、網には詳しいみたいです。
ブルー 「入った虫をキープするには不向きだねえ」
ジョミー「深いタイプも売ってはいるけど…」
キース 「見ろ、思いっ切り怪しいじゃないか! 虫籠よりも!」
ブルー 「文句は見てから言いたまえ。ぶるぅ、1本持ってきて」
ぶるぅ 「オッケー!!」
ちょっと待ってね、と「そるじゃぁ・ぶるぅ」は駆けてゆきましたが。
ぶるぅ 「かみお~ん♪ お待たせ―!」
一同 「「「へ?」」」
それの何処が捕虫網なのだ、と目が点になるシャン学メンバー。
バカップルの方も同様で。
Aブルー「それって箒と言わないかい? ぼくの世界には無いけれど」
キース 「ああ。何処から見ても立派な箒だ」
シロエ 「ちょっと素材が変ですけれど、箒も色々ありますよね?」
キース 「もちろんだ。しかし変わった箒だな」
マツカ 「使い勝手が悪そうですけど…」
あまり埃が取れそうには、とマツカ君の指摘。
それもその筈、箒の素材はシュロとかではなく枝葉がついているような。
ブルー 「ふふ、箒に見えるなら大成功! パトロールの目も平気だよ」
お掃除ボランティアっぽい顔をしていればいい、と生徒会長。
ゴミ拾いとかはよくありますし…。
キース 「もしかしてソレは箒じゃないのか?」
ブルー 「ホタル捕りに使う由緒正しい道具だけれど?」
一同 「「「えぇっ!?」」」
ブルー 「廃れてから多分、数十年だよ。パトロールはまず知らないね」
これで無敵だ、と生徒会長は申しておりますが。
そもそも枝葉のついた箒は何で出来ていると言うのでしょうか…?
2013/06/19 (Wed)
☆捕虫網の素材
生徒会長が用意していた捕虫網ならぬ箒もどき。
由緒正しいホタル捕りの道具なのだと言っていますが、どう見ても箒で。
キース 「一万歩譲って、それがホタル捕りの道具だとして、だ」
ブルー 「譲るも何も道具だってば、本当に」
キース 「そういうことにしておこう。だが、ソレの材料は何なんだ?」
箒にしては半端すぎる、とキース君。
しっかり乾燥していますけど、細かい枝葉が大量についているような…。
ブルー 「この状態では知らないかもねえ…。メジャーなんだけどな」
シロエ 「えーっと…。よく見たら葉っぱじゃないですね」
スウェナ「何かのサヤに見えるけど…」
サム 「茎が真っ直ぐな豆って無いよな?」
キース 「いや、枝豆とかは真っ直ぐだ。しかし…」
こんな小さいサヤの豆など、とキース君はブツブツ。
確かにサヤの中身を食べるとしたら、とても小さな豆っぽいです。
ブルー 「サヤの中身は豆とは限らないんだよ」
マツカ 「全然見当がつきませんけど…」
Aブルー「ぼくはお手上げ! 農園には基本、ノータッチだしね」
A船長 「シャングリラの植物は把握していますが、こんなものは…」
ブルー 「本当に? まあ、君たちの世界では使わないかもね」
オリーブオイルとかも便利だしね、と生徒会長。
一同 「「「オリーブオイル?」」」
ブルー 「ここまで言っても分からないかな、コレは油が採れるんだ」
キース 「油だと?」
ジョミー「油って言うと…」
紅花だっけ、とジョミー君は首を捻っておりますが。
キース 「そうか、菜種か!」
ブルー 「やっと分かった? 種を採るのに干しておくのさ」
その後はお風呂の焚き付けなんかに…、と生徒会長は申しております。
ブルー 「最近は使う家も減ったからねえ、数を揃えるのに苦労したよ」
ぶるぅ 「でもホタルさんにはコレがいいんだって!」
捕虫網よりもホタルさん向き、と「そるじゃぁ・ぶるぅ」。
菜種の箒、利点は網とバレないだけではないとか…?
2013/06/20 (Thu)
☆ホタルの名所へ
ホタル向きだという菜種の箒。
そもそもどうやってホタルを捕るのか、それすら分からない状態ですが。
Aブルー「それがホタルに最適ねえ…。こっちの世界は謎が多いね」
キース 「俺にも分からないんだが?」
シロエ 「ホタルにはそれがいいと言っても…。どうやるんです?」
ブルー 「ん? これはね、ホタルの群れの中に入れてフワッと」
ゆっくり振ればホタルの方から吸い込まれるように、と生徒会長。
ブルー 「捕虫網だとホタルの羽を傷めたりするけど、こっちは安心」
ぶるぅ 「ホタルさんが自分で止まりに来るから平気らしいよ♪」
キース 「なるほど、木の枝に止まるのと同じか」
ブルー 「そう! 後は止まったホタルを虫籠に…ね」
ジョミー「箒だと思ったんだけど…」
サム 「秘密兵器だなんてビックリだよな」
ブルー 「分かった所で、そろそろ行こうよ。道具は後から瞬間移動で」
いくら箒でも最初から持っているのはちょっと、だそうでございます。
出発地点は旅館も建っているホタルの名所ということですし…。
Aブルー「人の少ない所に行ったら道具を運んでホタル狩りだね?」
ブルー 「サイオンは抜きにしといてよ?」
Aブルー「分かってるってば。フェアに全員、箒だよね」
ブルー 「余分のもあるし、やりたい人は二刀流でね」
Aブルー「だってさ。ハーレイ、チャレンジしてみたら?」
A船長 「そうですねえ…。とにかく始めてみませんと」
ブルー 「二人とも、捕る気満々なんだ?」
Aブルー「当然だろう? ホタル狩りはノルディのお勧めなんだし」
ブルー 「その辺が理解しかねるよ…」
エロドクターのくせに何故にホタル、と呟いた生徒会長ですが。
ブルー 「まあいいや。あれで意外に風流なのかも」
キース 「人は見かけによらないからな」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ お出掛けしようよ、遅くなっちゃう!」
しゅっぱぁ~つ! と元気な号令、溢れるサイオン。
タイプ・ブルーの三人分でサクッと瞬間移動です~。
2013/06/21 (Fri)
☆いざホタル狩りへ
明るかった家の中から移動した先は山あいの空き地。
料理旅館の裏手だそうで人影は無く、見上げれば星空に横たわる天の川。
ジョミー「うわぁ…。天の川まで見えるんだ?」
スウェナ「山を越えただけで違うのねえ…」
ブルー 「街の明かりが届かないとね、うんと違ってくるんだよ」
キース 「この空だけでも一見の価値あり、といった所か」
Aブルー「そんなことよりホタルだってば! 何処にいるわけ?」
ブルー 「川の方へ降りて行かないと…。其処にもいるけど」
ほらね、と指差す先にフワフワと。
ソルジャー、早速身構えておりますが…。
ブルー 「ダメダメ、此処で捕ったら叱られるってば」
マツカ 「川沿いに看板がある筈ですよ。捕らないで下さい、って」
Aブルー「うーん、残念…。あれなら素手で捕れそうなのに」
ブルー 「道具を出しても大丈夫な場所に行ってから!」
フライングするな、と厳しい口調の生徒会長。
旅館の前まで下りてゆきますと、確かに「捕らないで下さい」と看板が。
Aブルー「コレは無視していいんだよね?」
ブルー 「シッ、声が高い!」
人が大勢いるんだから、との言葉通りにホタル見物の観光客が。
川を見下ろす橋は満員御礼ですし、料理旅館の川沿いのお座敷も満杯で。
ブルー 「…流石に自然歩道に下りてく人は少ないってね」
キース 「もしかして街灯はその先までか?」
ブルー 「そうだけど? 観光客はあそこが限界」
サム 「なのにパトロールが来るのかよ?」
ブルー 「たまに無謀な観光客が突っ込んでった末にSOSがね」
だけど電波が届かないんだ、と言われて納得。
遭難している人がいないかチェックしながらのパトロールです。
ブルー 「ぼくたちはサイオンで夜目が利くけど、一応、コレも」
キース 「首から懐中電灯か…。手に持つ方がいいと思うが」
ブルー 「手が塞がったらホタル狩りは無理!」
スタイルに文句をつけるな、と言われましても。
いささか間抜けな格好ですねえ…。
2013/06/22 (Sat)
☆ホタルな自然歩道
サイオンで夜目が利くから大丈夫なのに、足元を照らすための懐中電灯。
それも両手を空けておくために首から提げるという有様で。
ジョミー「なんか格好悪いよね…」
キース 「と言うより、怪しすぎないか? なんで手を使わないのかと」
ブルー 「ああ、その点なら大丈夫! 行けば分かるさ」
ご覧の通り、と自然歩道へ続く石段を下り始めてみれば急傾斜。
手摺りは設置されてますけど、足を滑らせたら転びそうです。
シロエ 「確かに両手は空けておいた方が良さそうですね…」
サム 「転んだ時に片手じゃキツイぜ、納得した」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ 三段跳びでも平気だも~ん♪」
ピョンピョン下りてゆく「そるじゃぁ・ぶるぅ」。
一足お先に川沿いの自然歩道に到着しまして、大歓声。
ぶるぅ 「うわぁ~、ホタルさん、一杯だぁ~!」
Aブルー「ここからでも見えるね、沢山飛んでる」
A船長 「この光景は私たちの船では見られませんねえ…」
流星群よりも素晴らしいかも、と感激しているソルジャー夫妻。
流石に石段を下りる途中は大人しくしておりましたが…。
Aブルー「なんか夢みたいな景色だよね。青の間で見たら綺麗かも…」
A船長 「捕まえたホタルを放してみますか?」
Aブルー「いいねえ、明かりを消してホタルの光だけの中で一発!」
ブルー 「やめたまえ!!」
そんな不純な目的のためにホタルを捕るな、と生徒会長は怒りの形相。
ブルー 「第一アレだろ、こっちの世界の生物はダメと言ってたろ!」
Aブルー「そうだっけ…。綺麗な虫だけど病原菌でも持ってたら…」
A船長 「人間の身体には問題なくても、植物などもありますし…」
シャングリラには持って帰れませんね、とキャプテンは少し残念そう。
A船長 「その分、こちらで堪能しましょう」
Aブルー「うん、沢山捕って帰ろうね」
ホタル狩りだ、とソルジャーはワクワクしております。
自然歩道の街灯もそろそろ終点、秘密兵器な菜種箒の出番ですよね!
2013/06/23 (Sun)
☆デンジャラスな川辺
捕るのは禁止のホタルを捕るべく、自然歩道に下りた御一行様。
チラホラと居た観光客も、街灯が整備されている場所までが限界らしく。
キース 「…流石に誰もいなくなったな」
ブルー 「そりゃねえ、懐中電灯を持ってまで前進する人は少ないさ」
ヘビも出るし、と言われてドン引きのシャン学メンバー。
ジョミー「へ、ヘビって…」
ブルー 「ん? マムシとかだよ、水辺にはけっこう多いと聞くね」
キース 「聞き捨てならんな。噛まれたらシャレにならないぞ」
シロエ 「そうですよ、死ぬじゃないですか!」
血清を打たないと死ぬんですよね、とシロエ君が言い、一同、ガクブル。
スウェナ「そんなに危ない場所だったの?」
ブルー 「まあねえ、この時期の川辺はねえ…。おまけにマムシは」
サム 「出る上に何かあるのかよ?」
ブルー 「目が光るから、ホタルと間違えないようにと言われてるね」
シロエ 「ヤバすぎですよ!!!」
街灯のある方へ帰りましょう、とシロエ君は逃げ腰、他の面子も。
しかし…。
Aブルー「あーあ、君たち、やっぱり素人だねえ…」
キース 「なんだと!?」
Aブルー「分からないかな、ブルーのシールド。ヘビ避けらしいね」
一同 「「「へ?」」」
目を凝らし、サイオンを澄ませてみてもサッパリ謎でございます。
キース 「くっそぉ…。まだまだヒヨコってことか…」
ブルー 「そういうこと! さてと、もう何処からも見えないし…」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ 一人一本、菜種の箒~!」
はいどうぞ、と瞬間移動でヒョイヒョイ出てくる菜種箒。
二刀流用の予備もあるそうですけど、まずは一本から。
ぶるぅ 「それと虫籠! ホタルさん、大事にしてあげてよ?」
ブルー 「軽く摘んで入れればいいからね」
Aブルー「この中の草は?」
ブルー 「露草だよ。ホタルが好きな植物だってさ」
虫籠も配られ、肩から提げた御一行様。
マムシの危険は無いそうですから、菜種箒で捕りまくるべく、いざ出陣!
2013/06/24 (Mon)
☆付き添いな大人
観光客も来ない自然歩道は貸し切り状態。
乱舞しているホタルを捕るべく、秘密兵器だという菜種箒を突き出せば。
ジョミー「うわぁ、ホントだ! ホタルがスイ~ッと…」
キース 「振り回すだけで捕れるようだな」
ぶるぅ 「わぁーい、ホタルさんだぁ~!」
一匹、二匹…、と菜種箒に止まったホタルを虫籠へ。
「そるじゃぁ・ぶるぅ」も小さな身体で菜種箒を振っております。
Aブルー「ホントに捕れるとは思わなかったよ、網じゃないのに」
ブルー 「先人の知恵は凄いってね。…おっと」
来た、来た…、と旅館がある方を指差す生徒会長。
ブルー 「来たよ、噂のパトロール! 虫籠はシールドしとくから」
キース 「箒のフリをすればいいんだな?」
ブルー 「そうそう、お掃除ボランティアっぽく!」
間もなく懐中電灯を持ったオジサンが二人。
警備員A「こんばんは。こんな所で何をしてるんです?」
ブルー 「ホタル見物がてら、心霊スポットまで行こうかと…」
歩くだけではアレなのでゴミ拾いもしようと思ってるんだ、と大嘘を。
警備員B「ああ、それで箒ですか」
ブルー 「川に踏み込むのは危ないしね。これで引っ掛けて」
警備員A「なるほど、なるほど。学生さんなのに感心ですなぁ」
ブルー 「付き添いの大人もちゃんと来てるよ、ぼくたちの先生」
指差す先には菜種箒を握ったキャプテン。
パトロールの人たち、「御苦労様です」とキャプテンにお辞儀。
警備員A「この辺りはマムシがたまに出ますので、御注意下さい」
警備員B「お休みの日まで大変ですねえ…。どうぞお気を付けて」
では、と立ち去るパトロール。
後姿が見えなくなると、ソルジャーがプッと吹き出して。
Aブルー「は、ハーレイが先生だって…!」
A船長 「確かに私のそっくりさんがおいでなのですが…」
Aブルー「なんかヘタレがうつりそうだよ、挽回してよ?」
ホタル狩りで、と言われたキャプテン、箒を二本。
二刀流な姿、カッコイイかもしれませんね!
2013/06/25 (Tue)
☆虫籠バージョンアップ
教頭先生の代わりに先生呼ばわりされたキャプテン。
ヘタレがうつりそうだから挽回しろ、とソルジャーに言われて二刀流で。
Aブルー「頑張ってよ? うんと沢山、捕るんだからね」
A船長 「承知しております。よいしょ、っと…」
菜種箒を二本振り回す姿、なかなかにカッコイイものでございます。
一部の男子も真似をする中、ホタル狩りは順調に進みまして…。
ブルー 「けっこう捕れたね、1200匹には遠そうだけど」
Aブルー「なに言ってるのさ、夢は大きく果てしなくだよ!」
キース 「しかしだな、1200匹も捕るとなったら、一人分のノルマが」
シロエ 「ぼくたちと会長とぶるぅで8人、プラス2人で…」
マツカ 「一人で120匹ですか…。虫籠のサイズ的にも無理ですよ」
ぶるぅ 「んとんと、おっきいのを買ってもらったけど…」
120匹は無理だよね、と「そるじゃぁ・ぶるぅ」も。
しかし…。
Aブルー「大丈夫! そんなことかと思って用意を」
一同 「「「は?」」」
Aブルー「任せて安心、特製虫籠! 入らない分はこっちに入れてよ」
瞬間移動で出ました、虫籠。
いや、虫籠と言っていいものか…。
ブルー 「なんで酒樽?」
ぶるぅ 「これじゃホタルさん、見えないよう…」
Aブルー「上から覗けばいいじゃないか。ちゃんと改造したんだし!」
A船長 「蓋を取って網を張ってきました。…ダメでしょうか?」
ブルー 「そりゃあ、ダメとは言わないけれど…」
まあいいか、と生徒会長、川辺に生えていた露草を取って酒樽の中へ。
張られた網は工夫されていて、ちゃんと一応、虫籠っぽく。
ブルー 「じゃあ、もうちょっと頑張ろうか。ホタルはこっちへ」
キース 「そうだな、籠があるなら捕り放題だな」
ジョミー「1200匹超えもいけるかもだね!」
サム 「あれはお前が有罪なんだぜ、根性で捕って捕りまくれよな」
放生会のリベンジとばかりにホタル狩り。
大きな酒樽が場違いですけど、大は小を兼ねると言いますもんね!
2013/06/26 (Wed)
☆お持ち帰りでホタル
ソルジャーが用意していた酒樽を改造した虫籠。
大きいだけあって、次々にホタルを入れても余裕たっぷりでございます。
ジョミー「よいしょ、っと…。これで何匹くらいかなあ?」
ブルー 「1200匹に届いたかもねえ、数えるつもりは無いけれど」
キース 「だったら、そろそろ放してみるか?」
ブルー 「そうだね、仲間も沢山飛んでいるから喜びそうだ」
川のあちこちにホタルがフワフワ。
菜種箒で捕りまくられても、何処からかスイーッと飛んでくるもので。
ブルー 「放してやろうか、貸し切りで放生会のリベンジってね」
ぶるぅ 「あの時は他所へ飛んでっちゃったけど、今日は行かない?」
ブルー 「暫くはこの辺りを飛ぶと思うよ、ホタルが住んでる所だし」
サム 「綺麗だろうなぁ、早くやろうぜ」
Aブルー「待ってよ、ここで放すのかい? それじゃ逃げるよ」
ブルー 「元から逃がすつもりだけれど?」
ホタルの寿命は短いんだ、と生徒会長。
ブルー 「それに飼うのは難しい。元いた場所に放すべき!」
Aブルー「でも…。そうだ、君の家でパアッと放してみようよ」
リビングを暗くしてシールドして、とソルジャーの案。
Aブルー「シールドしといて、瞬間移動でホタルだけ川へ返すとかさ」
スウェナ「素敵ね、ホタルの光で明るくなりそう!」
キース 「それも風流かもしれないな。後で返すなら問題ないか…」
ジョミー「やろうよ、それって凄そうだよ!」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ ぼくもお家でホタルさん、見たい!」
連れて帰ろうよ、と「そるじゃぁ・ぶるぅ」も大賛成です。
ブルー 「うーん…。少しの間なら問題ないかな、リビングでも」
一同 「「「やったぁー!!!」」」
ブルー 「居ながらにしてホタル見物も良さそうだしね」
ぶるぅ 「ホタルさんを見ながらお茶にしようよ、とっても楽しみ!」
川辺でホタルもいいですけれど、ホタルが舞う中でティータイム。
ホタル狩りのフィナーレ、贅沢な時間になりそうですよ~!
2013/06/27 (Thu)
☆ホタルの見分け方
ホタル狩りの締めは生徒会長の家で。
暗くしたリビングにホタルを放して、眺めながらお茶を飲むという趣向。
キース 「蛍火の茶会か、そういうのをやってる神社があったな」
ブルー 「あっちは虫籠のホタルだしね? ぼくたちの方が本格派!」
ぶるぅ 「えとえと、冷たい緑茶がいいのかなぁ?」
ブルー 「そうだね、それと水羊羹かな」
ホタル狩りでたっぷり運動したし、と生徒会長が言えばソルジャーも。
Aブルー「クールダウンは嬉しいね。ぼくたちは夜が本番だから」
一同 「「「は?」」」
Aブルー「分からないかな、今夜は特別休暇なんだよ」
A船長 「ホタル狩りの後は二人でゆっくり楽しもうかと…」
ブルー 「その先、禁止! ぶるぅ、帰るよ!」
ぶるぅ 「オッケー! みんな、忘れ物しないでねー!」
一同 「「「はーい!」」」
パァァッと迸る青いサイオン。
たちまち生徒会長の家の玄関先に到着で。
ブルー 「お疲れ様。どうぞ入って」
一同 「「「お邪魔しまーす!」」」
中に入れば、生徒会長がリビングにシールドを張ったようです。
まずは冷たい緑茶と水羊羹が配られまして。
ぶるぅ 「みんな、暗くても見えるよね?」
ブルー 「ホタルの光もサイオンもあるし、大丈夫だよ」
キース 「俺たちの虫籠の分も一斉に放してやるんだな?」
ブルー 「それでこそ放生会のリベンジってね。それじゃ消すよ?」
Aブルー「ちょっと待った!」
消す前に一つ質問が、とソルジャーが挙手。
Aブルー「ホタルのオスって、どうやって見分ければいいんだい?」
ブルー 「えーっと…。確かオスの方が身体が大きかったかと」
Aブルー「なるほど…。らしいよ、ハーレイ。大きさだってさ」
A船長 「そうですか…。では、この中から探すしかありませんね」
Aブルー「うん。どのみち探すしかないわけだけどね」
頑張ろう、と手を握り合っている二人ですが…。
ホタルを見るのにオスとかメスとか、それは大事なことなんでしょうか?
2013/06/28 (Fri)
☆レアもののホタル
リビングにお茶の用意が整い、後はホタルを放すだけ。
電気を消そうという段階で、オスがどうとか言い出した人もいますけど。
ブルー 「じゃあ、消すね。消したら各自、自分のホタルを放すこと!」
一同 「「「オッケー!」」」
フッと消えました、リビングの照明。
廊下の明かりも完璧に遮られ、見えるのはホタルの光だけ。
ぶるぅ 「ホタルさん、飛んでけ~!」
スウェナ「素敵! フワフワ飛び始めたわ」
ブルー 「放生会の時もこんなのだったよ、君たちは見損ねてたけどね」
ジョミー「うう…。反省してます、そっか、こんなのだったんだ…」
Aブルー「特製虫籠も開けようか。頼むよ、ハーレイ」
A船長 「承知しております。よいしょ…っと」
パコンと外れた網の蓋。
大きな樽からブワッと飛び出したホタルに誰もが歓声、拍手喝采。
キース 「流石に凄いな、まさに乱舞だ」
シロエ 「何匹くらいいるんでしょうねえ、凄いですよ」
サム 「川でもここまで群れになってはいなかったしなぁ」
マツカ 「お茶を点てたくなってきますよ、ホタルの光で」
ブルー 「いいねえ、用意しようか、茶筅とか! …あれ?」
あの二人は何をしてるんだろう、と生徒会長。
ソルジャー夫妻、お茶も飲まずにホタルの群れを凝視しております。
ブルー 「もしもし? 何してるわけ、二人とも」
Aブルー「うーん…。暇なんだったら手伝ってよ。オスのホタル探し」
一同 「「「は?」」」
Aブルー「四斗樽に一杯分で1匹か2匹はいる筈なんだ」
ブルー 「四斗樽って…。もしかしなくても、あの虫籠かい?」
Aブルー「そう! オスのホタルはとてもレアでさ、生きたまま飲むと」
一同 「「「…生きたまま…?」」」
Aブルー「うん、飲めばビンビンのガンガンだって!」
A船長 「こちらのドクターが仰ったそうで、探しております」
御協力よろしくお願いします、とキャプテンまでが。
ホタルでビンビンのガンガンだなんて、そもそも食べられるんですか?
2013/06/29 (Sat)
☆勘違いな結末
レアものだというオスのホタルを懸命に探すソルジャー夫妻。
四斗樽一杯に1匹か2匹、生きたまま飲めばビンビンのガンガンだとか。
Aブルー「オスは身体が大きいんだよね? だけど探すのが大変で」
ブルー 「そういうことか…。多分、殆どオスだと思うけど?」
Aブルー「えっ、レアものがそんなに沢山!?」
頑張った甲斐があった、とソルジャー、狂喜しておりますが。
ブルー 「飛んでるホタルは大体オスだね、メスは滅多に飛ばないんだ」
Aブルー「ありがとう! ご協力に感謝だよ。ねえ、ハーレイ?」
A船長 「そうですね。ただ、寿命が短いそうですから…」
Aブルー「何日保つかな、青の間にシールドを張って飼わなきゃ」
A船長 「早速今夜から飲みましょう。喉に優しくはなさそうですが」
足とかが引っ掛かりそうです、と言いつつキャプテン、飲む気満々。
しかし…。
ブルー 「残念だったね、それってホタル違いさ」
Aブルー「えっ?」
ブルー 「ノルディが言うのはホタルイカだよ、海にいるヤツ!」
キース 「アレはそういうモノだったのか?」
ブルー 「オスが極端に少ないらしい。四斗樽の話も聞いたことが」
Aブルー「何処にいるわけ、ホタルイカは?」
ブルー 「この国じゃ一ヶ所しかないねえ…。漁をするのは夜なんだ」
この辺りだけど、と聞かされたソルジャー、顔面蒼白。
Aブルー「ミスったわけ? 今から間に合う?」
ブルー 「さあねえ、とにかく行ってみれば?」
Aブルー「行こう、ハーレイ! レアものゲットで特別休暇!」
A船長 「そ、そうですね…。イカなら普通に飲み込めそうです」
頑張ります、と姿を消したバカップル。
ブルー 「どおりで変だと思ったんだよ、ホタル狩りなんて」
キース 「馬鹿は忘れて茶会だな」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ ホタルさん、とっても綺麗!」
のんびり、まったり蛍火の茶会。
ホタルの乱舞を堪能しながら、マツカ君のお点前も。
バカップルの行方は不明ですけど、中継終了~。
2013/06/30 (Sun)