☆明日から新学期
さて、今日から九月でございます。
本来ならば新学期スタート、シャン学メンバーも登校となる筈ですが…。
ジョミー「今年は一日儲かったよね」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ 日曜日だもんね!」
シロエ 「ちょっと得をした気分ですよねえ、九月でも夏休みだなんて」
キース 「ああ。八月は色々ありすぎたからな」
ここでワンクッション欲しいところだ、とキース君まで。
サム 「でもよ、毎年恒例だぜ? マツカの海の別荘行きは」
スウェナ「そうだけど…。今年はちょっと酷すぎたわよ?」
例のカップル、とスウェナちゃんが溜息。
スウェナ「教頭先生、毎日鼻血だったもの。執事さんにも御迷惑が…」
マツカ 「いえ、それも仕事の内ですから」
お客様には気持ち良く過ごして頂かないと、とマツカ君。
マツカ 「そういう意味では、あちらのお二人も同じですよ」
ジョミー「そりゃそうだけど…。でもさぁ…」
キース 「俺たちも目の毒だったしな。今度こそスッパリ手を切りたい」
ブルー 「それは無理だと思うけどねえ?」
今月も来るに決まっている、と生徒会長は悟りの境地。
ブルー 「ぼくたちが地球に住んでいる以上、逃げ道はまず無いってね」
シロエ 「あー…。憧れの場所らしいですねえ…」
ブルー 「向こうの世界で地球に辿り着くまでは絶対に来るさ」
キース 「辿り着いても来やがるような気がするんだが…」
ブルー 「まあね。既に娯楽と化してるようだし」
別荘感覚で来るであろう、と言われて頭を抱えるシャン学メンバー。
ジョミー「じゃあ、いつまでもバカップルが…」
ブルー 「そういうこと! 覚悟を決めておきたまえ」
ついでにもう一つ覚悟をよろしく、と謎の台詞が。
一同 「「「もう一つ?」」」
ブルー 「うん。明日から楽しい新学期ってね」
ぶるぅ 「新学期にはお約束でしょ?」
お届け物に行く日だよね、と「そるじゃぁ・ぶるぅ」。
新学期には教頭先生に紅白縞のトランクスを五枚お届けでしたっけ…。
2013/09/01 (Sun)
☆感謝のトランクス
九月一日は日曜日だから、と生徒会長の家に出掛けたシャン学メンバー。
おやつや食事は良かったのですが、覚悟をよろしくと言われましても。
キース 「まだやるのか!」
ブルー 「当たり前だろ、明日から二学期だよ?」
ハーレイも楽しみに待っている筈、と生徒会長は自信満々。
ブルー 「新学期の度に青月印の紅白縞を五枚! これは外せない」
ぶるぅ 「ぼく、ちゃんとお使いに行ってきたもん!」
キース 「…しかしだな…」
ブルー 「四の五の言わない! もういい加減、慣れただろうに」
ジョミー「そりゃそうだけど…。でも……」
行きたくない、と全員の顔に書いてあったり。
しかしトランクスのお届け物は新学期恒例でございます。
ブルー 「君たちが入学する前から続いてるんだよ、由緒はあるんだ」
キース 「どういう由緒だ!」
ブルー 「え? ハーレイに日頃の感謝をこめて」
キース 「全くこもっていないだろうが!」
シロエ 「そうですよ。ハーレイの日だって最悪でした」
お祝いと言いつつ祝うどころか…、とシロエ君は深い溜息。
シロエ 「鼻血で倒れてそれっきりでしたし、その上に…」
サム 「明くる日はずっとトイレだぜ?」
マツカ 「賞味期限切れのビールでしたしね…」
ブルー 「普通は味で気付くものだよ、飲んだ方が悪い」
スウェナ「そうかしら?」
ぶるぅ 「んとんと…。冷やしてあったし、分かりにくいかもね」
だけど教えてあげたもん、と「そるじゃぁ・ぶるぅ」はニッコリと。
ぶるぅ 「お腹の薬を飲んでおいてね、って言ってあげたよ!」
ブルー 「そう! 賞味期限が切れていた件は暴露しといたし」
そこから後は自己責任で、と生徒会長は涼しい顔。
ブルー 「病院に行けば治療も出来たと思うよ」
キース 「いや、それだけはなさらないだろう…」
あんたに累が及ぶからな、とキース君が言えばニヤリと笑う生徒会長。
何もかも承知で極悪なコマンドを出したようですが、トランクスの方は?
2013/09/02 (Mon)
☆逃げるなら今の内
思い付いたら一直線な生徒会長。
シャン学メンバーにも有無を言わさず、九月二日の放課後となりまして。
キース 「…暑いのもアレだが、足が重いな…」
ジョミー「ぶるぅの部屋に行ったら最後、教頭室にも行かされるよね…」
シロエ 「覚悟がどうこう言ってましたし、嫌な予感しかしませんよ」
サム 「そうかぁ? 今朝のブルーは普通だったぜ」
キース 「あいつが朝から顔に出すわけがないだろう!」
銀青様だぞ、とキース君は肩をブルッと。
キース 「何を企んでいたとしてもだ、朝のお勤めは普通にやるな」
サム 「朝飯の時も別に普段と変わったトコは…」
シロエ 「会長はそういう人ですよ。油断も隙もありません」
サム 「あっ、そうだ! サービスに一品つけてくれたぜ」
一同 「「「は?」」」
サム 「夏バテ防止にってカレー風味サラダ!」
ブルーが作ってくれたんだ、とサム君はデレデレ。
生徒会長に惚れているだけに、手料理とくれば嬉しいらしく。
ジョミー「ふうん…。じゃあ、サムだけ行けば?」
サム 「何処にだよ?」
ジョミー「教頭室! いい思いをしたんなら差し引きゼロだよ」
キース 「なるほどな…。言われてみれば一理ある」
シロエ 「でも…。サム先輩だけって無理じゃないですか?」
絶対一蓮托生ですよ、とシロエ君。
シロエ 「ぼくたちは部屋に残ります、なんて通用しません」
マツカ 「ですよね、連れて行かれて終わりですよ」
キース 「待て。…飛んで火に入る夏の虫とか言うからな」
一同 「「「???」」」
キース 「好き好んで飛び込む必要は無い」
ジョミー「そ、それって…。もしかしなくても…」
キース 「最初からトンズラすればいいんだ」
サムには悪いが、とキース君。
キース 「あいつの手料理を食ったんだろう?」
サム 「食ったけど…」
キース 「なら、行ってくれ」
俺たちの分まで頑張ってこい、と肩を叩いていますけど。
サム君だけでも生徒会長は満足ですかねえ?
2013/09/03 (Tue)
☆一人いれば充分
生徒会長の手作りサラダを食べたばかりに、サム君がピンチ。
教頭先生への紅白縞のお届けイベントに一人で行け、と言われまして…。
サム 「マジかよ、マジで俺一人かよ?」
キース 「考えようによってはチャンスだぞ? ブルーと二人だ」
ぶるぅもいるが、と丸めこみにかかるキース君。
キース 「朝のお勤め以外でブルーと二人きりは無いだろう?」
サム 「…言われてみれば一度もねえかな…」
キース 「男らしさをアピール出来るぞ、敵前逃亡しないんだからな」
サム 「それはそうかも…」
キース 「まあ、頑張れ。一人でもいればブルーは喜ぶ」
サム 「分かった! 俺、行ってくるぜ」
キース 「よし! 骨は拾ってやるからな」
任せた、とサム君の背中をバンバンと。
すっかりその気になったサム君、骨がどうこうは聞こえなかったようで。
サム 「えっと、みんなは帰るんだよな?」
ジョミー「うん! 多分、いつものファミレスにいるよ」
シロエ 「来るんだったら待ってますから」
サム 「どうかなぁ…。ブルーとぶるぅがいるんだし…」
キース 「美味いものでも食いに行けるかもしれないぞ」
ぶるぅつきでも立派にデートだ、と言われてサム君は真っ赤。
サム 「そ、そうかぁ…。それもあるよな、ブルーとデートかぁ…」
キース 「実現するよう祈ってやるぜ」
ジョミー「そうだね、きっと御褒美があると思うな」
スウェナ「いいことあるわよ、絶対に!」
シロエ 「それじゃよろしく、サム先輩!」
行ってらっしゃい、と見送るシャン学メンバー。
弾んだ足取りで生徒会室の方へと向かうサム君を見送った後は。
キース 「急げ、さっさとずらかるぞ!」
ジョミー「だけど走ったらバレるんじゃない?」
マツカ 「その危険性はありますね…」
シロエ 「ですね、焦りの思念を拾われちゃったら終わりです」
キース 「なるほどな…。あれに紛れるか」
ワイワイと群れて下校して行く生徒の一団。
隠れ蓑にはバッチリかも?
2013/09/04 (Wed)
☆あと少しで校門
紅白縞のお届けイベントをサム君に押し付けたシャン学メンバー。
後は逃亡するだけですけど、生徒会長に悟られないよう下校しなくては。
キース 「これだけ群れていれば、まずバレんだろう」
シロエ 「みんな好き勝手に喋ってますしね」
紛れ込んだ一般生徒の群れは非常に賑やか。
話題の方も帰りに寄りたい店の話から夏休みの宿題の話まで。
ジョミー「夏休みの宿題、やってない人、けっこういるんだ…」
スウェナ「宿題免除の制度のせいでしょ、気が大きくなってしまうのよ」
マツカ 「今年もアイテム、人気でしたしね」
シャングリラ学園名物、夏休みの宿題免除アイテム。
毎年変わるアイテムを確保し、高値で売るのが生徒会長。
キース 「シッ、あいつの名前を口に出すな」
ジョミー「噂しただけで出そうだもんね…」
シロエ 「もうあと少しで校門ですよ」
スウェナ「あそこを出れば安全地帯ね」
見えて来ました、門衛さんの詰め所と校門。
サム君抜きのシャン学メンバー、一般生徒の群れに紛れてコソコソと。
生徒A 「やっぱアレだよ、再提出の期限ギリギリだろ?」
生徒B 「そこだよなあ…。優先順位をつけるとしたら数学か?」
生徒C 「グレイブ先生のは早めに出さないとヤバそうだぜ」
グレイブ先生の宿題をやらなかった人もいるようです。
凄い度胸だ、と笑い合いつつ校門の手前まで歩いて行けば。
??? 「忘れ物~っ! 忘れ物だってば、大切なヤツ~!」
生徒A 「あれっ? 生徒会長?」
生徒B 「すげえ勢いで走ってくるぜ?」
宿題の件じゃないだろうな、と青ざめる生徒たちはまだマシで。
キース 「やばい、バレたぞ!」
シロエ 「逃げますか?」
どうします、と言うよりも早く。
ブルー 「忘れてるってば、何より大事なトランクス~!!」
生徒一同「「「トランクス!?」」」
衆人環視の中、ブンブンと手を振って駆けて来る生徒会長。
この状態でトランクスなんて連呼されたら、あらぬ誤解を招きませんか?
2013/09/05 (Thu)
☆トランクスな誤解
もうあと少しで校門だ、という所で追手がかかったシャン学メンバー。
全力で駆けて来る生徒会長、トランクスを忘れていると叫んでおります。
ブルー 「聞こえないかな、トランクスだよ!」
生徒A 「トランクスとか言ってるぜ?」
生徒B 「…誰のだよ?」
ブルー 「忘れ物だってば、君たちの大事なトランクス~!!」
生徒一同「「「君たち?」」」
下校寸前の生徒たちの視線、シャン学メンバーに一気に集中。
そこへ生徒会長が息を切らしてハアハアと…。
ブルー 「や、やっとなんとか追い付いた…」
忘れ物をしちゃダメじゃないか、と生徒会長の右手がジョミー君の肩に。
もう片方の手はキース君の肩をガッツリ確保。
ブルー 「…最低限のマナーなんだよ、トランクスは」
ジョミー「ちょ、ちょっと!」
キース 「妙なことを言うな、妙なことを!」
焦りまくる二人に生徒たちの声がヒソヒソと。
生徒A 「なんかマナーって言ったよな?」
生徒B 「それじゃ、あの二人、ノーパンかよ?」
生徒C 「多分そういう意味だよなぁ…」
女子A 「今の、聞こえた? ノーパンだって!」
女子B 「それってスゴイ…」
でも二人ともイケてるから許す、と女子に言われましても。
キース 「馬鹿野郎! あんたのせいで余計なことに!」
ブルー 「ごめん、ごめん。だけどサムしか来なかったから…」
他のみんなはどうしたのかな、と心配で…、と生徒会長は声を落として。
ブルー 「なにしろモノがトランクスだし、こう、色々と…」
生徒A 「残りの二人もそうみたいだな?」
生徒C 「マジかよ、あいつら何してたんだ?」
生徒B 「校則に挑戦ってヤツじゃねえのか、新学期だし」
生徒A 「あー! 下着チェックは無いもんな!」
シロエ 「え? ええっ?」
マツカ 「ぼくたちも…ですか?」
特別生ともなれば目の付けどころが流石に違う、と集まる尊敬の眼差し。
スウェナちゃんを除くシャン学メンバー、完全に誤解されましたね…。
2013/09/06 (Fri)
☆誤解を解きたい
生徒会長に追い付かれたばかりか、ノーパンの誤解がドッカンと。
下着無しだと思い込まれたシャン学メンバー、どうにもならない状況で。
キース 「ち、違う、誤解だ! 俺たちはだな…!」
ブルー 「でも忘れただろ、トランクス」
そのまま帰るのは如何なものか、と更なる一撃。
生徒A 「生徒会長に預けてたらしいな?」
生徒B 「安全圏だよな、先生も持ち物チェックはしねえだろうし」
生徒C 「すげえな、勇者が四人もか!」
あの服装で校則違反、と熱い目で見られて、いたたまれない男子一同。
女子生徒たちはコッソリ写真を撮っていますし…。
キース 「あんた、どうしてくれるんだ! この事態を!」
ブルー 「身から出た錆って言うだろう? 自業自得さ」
忘れて帰った方がいけない、と生徒会長は涼しい顔。
ブルー 「分かったんなら後戻り! サムを待たせちゃ悪いだろう?」
キース 「わ、分かった、戻る! 戻るから誤解をなんとかしてくれ!」
ジョミー「そうだよ、ぼくたち、晒し者だよ!」
ブルー 「なるほどねえ…。どちらかと言えば英雄っぽいけど?」
まあ任せろ、と生徒会長、進み出まして。
ブルー 「そこの君たち。今、見たことは内緒にしといてくれるかな?」
生徒一同「「「は?」」」
ブルー 「ぼくたちにも色々と事情があってね、バレるとマズイ」
トランクスの件は最高機密というヤツで…、と声をひそめる生徒会長。
ブルー 「特に厳しいのが教頭先生。エラ先生より怖いんだよ」
生徒A 「…マジですか?」
ブルー 「そう。風紀の鬼とくればエラなんだけどさ、それ以上にね」
生徒B 「分かりました、誰にも喋りません!」
ブルー 「ありがとう。キースたちの名誉のためにも他言無用で」
生徒一同「「「はいっ!」」」
ブルー 「というわけだし、これで文句は無いだろう?」
君たちの名誉も秘密もバッチリ、とパチンとウインク。
誤解どころか印象付けられたシャン学メンバー、気分は公開処刑かも…。
2013/09/07 (Sat)
☆ノーパンな誤解
紅白縞のお届けイベントから逃げようとしたキース君たち。
生徒会長に捕まった挙句、ノーパンの英雄に祭り上げられるという悲劇。
キース 「…なんでこういうことになるんだ…」
ブルー 「忘れ物なんかするからだよ」
トランクスのために戻ろうね、と肩を叩かれた男子四人は悄然と。
シロエ 「…会長から逃げようだなんて、三百年ほど早かったですね…」
マツカ 「キースの砂風呂を忘れてましたよ…」
ジョミー「そういう事件もあったよねえ…」
キース 「…あれから色々ありすぎたからな…」
ブルー 「ブツブツ言わずにさっさと戻る! 回れ右!」
そして前進、と号令をかける生徒会長。
来た方へ戻ってゆくシャン学メンバーに生徒一同の熱い視線が。
キース 「もう完璧に誤解されたぞ、どうにもならんが」
ジョミー「ブルーが秘密って言ってくれたし、広がったりはしないよね」
シロエ 「その心配は無いでしょう。でも…」
マツカ 「なんだか視線が痛いですよね」
ブルー 「違うよ、あれは尊敬の眼差しと言うんだよ」
特別生の株が急上昇だ、と言われましても。
ジョミー「ノーパンだなんて最低だし!」
キース 「まったくだ。校則違反も心外だがな」
スウェナ「私もある意味、巻き添えなのよ? 悲惨だわ…」
キース 「すまん、そこは素直に謝ろう。しかし…」
あんたは許せん、と生徒会長にビシッと指を。
キース 「もう少しやりようがあっただろうが! 連呼しなくても!」
ブルー 「他にどう言えと? トランクスと言えばトランクスだし」
キース 「お届け物とか教頭室とか、そっちの方が誤解を招かん」
ブルー 「ダメダメ、ハーレイはシャイなんだからさ」
お届け物はこっそりと、が基本だそうでございます。
ブルー 「紅白縞が届く日だってだけで朝からドキドキしてるんだしね」
騒ぎになって見物客が大勢来たら喜び半減、と自説を唱えておりますが。
トランクスと連呼してノーパンな濡れ衣、確信犯に決まってますよねえ?
2013/09/08 (Sun)
☆ノーパンな墓穴
制服の下はノーパンである、と誤解されてしまった男子たち。
トランクスのお届け物から逃げるどころかガッツリ捕獲で、逃げ道なし。
ブルー 「やっぱりお届け物っていうのは面子が揃っていなくちゃね」
キース 「昔は一人で行ってたんだろうが!」
ブルー 「違うよ、ぶるぅと二人だってば」
一人じゃ危なくて行けやしない、と生徒会長はブツブツと。
ブルー 「相手はぼくに惚れているんだ、危険すぎだろ?」
ジョミー「だったら最初からやらなきゃいいのに…」
ブルー 「それじゃ人生、つまらない。スリルは人生のスパイスでさ」
キース 「あんたはいいとして、俺たちの人生をどうしてくれる!」
シロエ 「そうですよ! この先、視線が痛そうですけど」
マツカ 「あの人たちは事件を覚えているわけですしね…」
喋らなくても忘れませんよ、と溜息をつくマツカ君。
マツカ 「ぼくたちの顔を見る度に……そのぅ……」
ブルー 「ノーパンかい? 問題ない、ない!」
人の噂も七十五日、と生徒会長は自信たっぷり。
ブルー 「秋はイベントも多いしねえ? それに紛れてすぐ忘れるよ」
キース 「そう願いたいぜ。切実にな」
ブルー 「平気、平気! それよりも今日は紅白縞!」
それが大切、と先頭に立って「そるじゃぁ・ぶるぅ」のお部屋へと。
ぶるぅ 「かみお~ん♪ いらっしゃい!」
サム 「よお。なんかエライことになってたらしいな?」
ノーパンだってな、とサム君はニヤニヤ。
サム 「俺、先に来て良かったぜ。正直者って得をするんだな」
キース 「なんでお前が知っているんだ!」
サム 「えっ? そりゃあ、ぶるぅが中継でさ…」
ぶるぅ 「ブルーがね、面白くなるから見ていなさいって!」
キース 「くっそぉ、最初からその気だったか!」
ブルー 「さあねえ、いったい何のことやら…」
最近物忘れが酷くなって、と何処吹く風な生徒会長。
シャン学メンバーを襲ったノーパンな悲劇、やっぱり確信犯でしたか…。
2013/09/09 (Mon)
☆紅白縞を届けに
いくら悔やんでも悔やみ切れないノーパンの濡れ衣。
生徒会長に逆らったが最後、どうにもならないと諦めるしかないようで。
サム 「気の毒なことになっちまったけどよ、強く生きろな」
キース 「…言われなくてもそのつもりだ…」
ブルー 「檀家さんの前じゃなかっただけでも御の字だよ?」
キース 「頼む、それだけはやめてくれ!」
これ以上はもう勘弁してくれ、とキース君が土下座。
キース 「こいつらはともかく、俺には副住職という表の顔が…」
ブルー 「ふうん…。副住職が表だったら、特別生は裏の顔だね?」
キース 「いや、それは!」
ブルー 「裏の顔なら裏稼業が相応しいだろう?」
紅白縞のお届けイベントはそれにピッタリ、と生徒会長は満面の笑顔。
ブルー 「ぼくとハーレイとの大切な秘密のイベントだしねえ?」
キース 「…もう逆らう気も無いんだが…」
ブルー 「それは結構。なにしろ今回はチケット付きで」
一同 「「「チケット?」」」
ブルー 「敬老の日が近いだろう? それで一発!」
盛大にお祝いするべくチケット同封、と生徒会長はニコニコと。
ブルー 「せっかくだからトランクスの箱に入れたんだよ」
ぶるぅ 「えっとね、ハーレイに開けてもらうの!」
ジョミー「なんだ、それだけ?」
ブルー 「そう、それだけ。…敬老の日のお祝いはついてくるけど」
その日はみんなで宴会を、と言われて、めり込むキース君たち。
キース 「…宴会を回避しようとした挙句に、あの濡れ衣か…」
シロエ 「もう少し考えるべきでしたね…」
ブルー 「ふふ、後悔先に立たずってね」
サム 「俺、一人で来ておいて良かったぜ」
ジョミー「ぼくも一緒に来とけば良かった…」
いくら嘆けども後の祭りに違いなく。
ブルー 「ほらほら、気分を切り替える! 届けに行くよ」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ 敬老の日のチケットつき~!」
いざ出発! と教頭室への紅白縞のお届け行列。
トランクスが主役のお祭り、開幕です~。
2013/09/10 (Tue)
☆チケットをどうぞ
新学期を迎える度に青月印の紅白縞のトランクスを五枚。
生徒会長から教頭先生への恒例のプレゼント、行列を組んでのお届けで。
ぶるぅ 「ブルー、みんな揃って良かったね!」
ブルー 「うん。こういうのは賑やかに出掛けないとね」
トランクス入りの箱を掲げた「そるじゃぁ・ぶるぅ」が先頭に。
サム君以外は大いに懲りたシャン学メンバーもしおしおと…。
ブルー 「ほらほら、シャキッと! スマイル、スマイル!」
お祝い気分が吹っ飛ぶから、と教頭室前で生徒会長、扉をノック。
ブルー 「失礼します」
ハーレイ「ああ、入ってくれ」
待っていたぞ、と喜色満面の教頭先生。
ハーレイ「もう来ないのかと心配していた」
ブルー 「ごめん、ごめん。色々とあったものだから…」
はいどうぞ、と生徒会長はトランクス入りの箱を机の上に。
ブルー 「今回、ちょっとサプライズなんだ。開けてみてよ」
ハーレイ「サプライズ?」
何があるのだ、と包装紙を取り、箱を開いた教頭先生ですが。
ハーレイ「…こ、これは…」
ブルー 「ふふ、見ただけで鼻血の危機?」
ド真ん中の紅白縞にババーンと真っ赤なキスマーク。
それも前開きの部分に鮮やかに。
キース 「な、何なんだ、それは!」
ブルー 「チケットだってば、敬老の日の」
ハーレイ「…ち、チケット…?」
鼻を押さえる教頭先生に生徒会長はニッコリと。
ブルー 「そう、チケット。よく見てごらんよ」
ハーレイ「………。確かに、どうやら紙のようだな…」
ブルー 「驚いた? 透明っぽいのを選んだからねえ」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ アイロンプリントになってるの!」
一同 「「「アイロンプリント?」」」
ブルー 「これをプリントしてある服がね、入場チケットになるんだな」
ハーレイ「入場チケット?」
ブルー 「敬老の日のお祝いパーティー!」
ぼくの家で盛大に開催するから、とチケットを指差す生徒会長。
キスマークをプリントして来いだなんて、どういう趣向?
2013/09/11 (Wed)
☆チケットの使い方
生徒会長が用意したチケットはアイロンプリント。
敬老の日のパーティー会場、入場するには服にプリントするそうですが。
ハーレイ「…敬老の日というのは何だ?」
ブルー 「お年寄りを敬う日だよ。君も三百歳を越えているしね」
みんなで祝ってあげるから、と生徒会長は恩着せがましく。
ブルー 「ぼくと違って見た目もすっかり年寄りだろう? ぜひ来てよ」
ハーレイ「いや、年寄りと言われるほどでは…」
ブルー 「じゃあ要らない? お祝いパーティー」
ハーレイ「そ、それは…。そっちは悪い気分では…」
ブルー 「だよねえ、会場はぼくの家だし!」
ハーレイ「喜んでお邪魔させて貰おう。楽しみだな」
ブルー 「ちゃんとチケットを持って来てよ?」
でないと入れないからね、と生徒会長、アイロンプリントを指差して。
ブルー 「服の何処かにプリントしてくれば入場可能さ」
ハーレイ「…そ、そうか…。で、そのぅ……。これはお前が……?」
ブルー 「キスマークかい? もちろんぼくから心をこめて!」
何処に刷るのも君の自由だ、と極上の笑み。
ブルー 「君が勘違いをしていたヤツをね、現実にしてもいいんだよ?」
ハーレイ「…げ、現実?」
ブルー 「そう、現実。トランクスにプリントしたって構わない」
チェック出来ればそれでOKだそうでございます。
ブルー 「ただ、そのトランクスを履けるかどうか…。鼻血もあるしね」
ハーレイ「…そ、それは…。気合でなんとか…!」
ブルー 「ぼくのキスマークを股間にねえ…。気にしないけど」
ただし、と人差し指を立てる生徒会長。
ブルー 「会場に入るなり失神しても、ぼくは責任持たないよ?」
ハーレイ「…いや、まあ…。その辺は…」
ブルー 「もしかして会場には履いて来ない気でいるのかな?」
ハーレイ「…うむ…。流石にパーティー会場は…」
チケットとして提示するなら服の襟とかが妥当だろう、と教頭先生。
シャン学メンバーもいるんですから、実に正しい選択ですね!
2013/09/12 (Thu)
☆チケットとTPO
キスマークをプリントした服が必須な敬老の日のパーティー。
生徒会長はトランクスでも可だと言っていますが、教頭先生は襟だとか。
ブルー 「いいのかい、襟で? 本当に?」
ハーレイ「やはりだな…。TPOというものも考えないと」
ブルー 「ふうん…。まあいいけどね」
ただし、と生徒会長、アイロンプリントを指差しまして。
ブルー 「使い回しは出来ないよ、これ」
ハーレイ「そうなのか!?」
ブルー 「ほーら、やっぱり狙っていたね? 襟とトランクス」
両方にプリントする気でいたんだろう、と糾弾されて教頭先生は脂汗。
ハーレイ「…そ、それは…。そのぅ……」
ブルー 「即座に否定出来ない所が後ろめたさの証拠だよ、うん」
とにかく使用は一回こっきり! と生徒会長は申しております。
ブルー 「用紙の性質上、一回刷るのが限界なんだ。二度目は不可能」
ぶるぅ 「んとんと…。一回プリントしたら模様が消えるの!」
消えちゃったら二度目は刷れないよ、と「そるじゃぁ・ぶるぅ」も。
ブルー 「というわけでね、一度だけ! それでも襟かな?」
ハーレイ「…う、うう…」
ブルー 「残念だったねえ、取っておきのトランクスが作れなくって」
ぶるぅ 「取っておきって、なぁに?」
ブルー 「ん? コッソリ履いて楽しむためのトランクスかな」
この辺にババーンとキスマーク、とアイロンプリントを前開きの上に。
教頭先生、ゴクリと唾を飲み込んだものの。
ハーレイ「…襟にしておこう。TPOは大切だからな」
ブルー 「はいはい、分かった。それじゃパーティーをお楽しみにね」
16日の月曜日だよ、とニッコリ微笑む生徒会長。
ブルー 「チケットを忘れたら入れないからそのつもりで!」
ハーレイ「うむ。家に帰ったら早速プリントしておこう」
ブルー 「ぼくからの愛のキスマークだしね、愛情こめてよ?」
それじゃさよなら、と教頭室から廊下へと。
シャン学メンバーも一緒に退場、お届け物は完了ですね!
2013/09/13 (Fri)
☆チケットの正体
紅白縞のお届け物を済ませた生徒会長とシャン学メンバー。
帰り道では無難な会話を交わしたものの、元の溜まり場に戻った途端に。
キース 「何なんだ、あのチケットは!」
ブルー 「普通にアイロンプリントだけど?」
キース 「そんな話はしていない! 俺が言うのはあのキスマークだ!」
腰が抜けるかと思ったぞ、とキース君が怒鳴り、誰もがコクコク。
ジョミー「あんなチケットだと思ってないし!」
シロエ 「…ただの券だと思ってましたよ…」
ブルー 「たまにはサービスしないとねえ? 敬老の日だし」
素敵な夢のキスマーク、と生徒会長はニコニコと。
ブルー 「襟にプリントするよりも先に熱いキスだよ、あの紙に」
サム 「そうなのかよ?」
ブルー 「それはもう! 頭の中では妄想グルグル」
まずはお肌に乗せるトコから、と実に得意げでございます。
ブルー 「現に今、手の甲に乗せてるし…。帰ったらきっとあちこちに」
キース 「あんたはそれでかまわないのか!?」
気持ち悪いとは思わないのか、という指摘はもっともで。
ジョミー「間接キスって言うよね、それって…」
スウェナ「どうなのかしらね、堂々と箱に入れてたけれど…」
シロエ 「ああ、トランクスに間接キスをしていたことになりますか…」
キース 「そうなるな。俺には真面目に理解不能だ」
悪趣味の域を突き抜けている、とキース君。
しかし…。
ブルー 「かまわないんだよ、ぼくのじゃないから」
一同 「「「は?」」」
ブルー 「本物なわけがないだろう! 実はね、アレは…」
ぶるぅ 「ゼルのお家で貰って来たの! 寝てる間に口紅塗ったの!」
ぼくもお手伝いしたんだもん、と「そるじゃぁ・ぶるぅ」はエッヘンと。
ぶるぅ 「ちゃんとお髭を押さえておいたよ、邪魔になるから♪」
ブルー 「ゼルは爆睡していたからねえ、何をされたかも知らないよ」
知らぬが仏のなんとやら、と生徒会長。
教頭先生もさることながら、ゼル先生も知らぬが仏…。
2013/09/14 (Sat)
☆招待をよろしく
敬老の日のパーティーへの入場券は生徒会長特製アイロンプリント。
真っ赤なキスマークがババーンとついた、それは悪趣味な代物ですが…。
キース 「ゼル先生のキスマークだと!?」
ブルー 「うん。チョイスとしては悪くないだろ、武道家同士で」
シロエ 「そういう問題なんですか?!」
教頭先生は柔道、ゼル先生は剣道と居合。
どちらも腕自慢の武道家ですけど、そんな理由で選ばなくても…。
ブルー 「プラスあれかな、ゼルなら遊び心を分かってくれるし」
キース 「あんた、言うつもりは無いんだろうが!」
ブルー 「ゼルにはね。ハーレイの方はどうしようかなぁ…」
せっかく勘違いして大感激だし、と視線を教頭室の方角へと。
ブルー 「キスして頬ずりしているよ。黙っておくのが親切だよね」
ジョミー「…それでいいわけ?」
ブルー 「たまには夢を見させてあげてもかまわないかと」
キース 「俺は敬老の日が心配なんだが…」
シロエ 「チケットからしてアレですしね…」
サム 「何かやらかすつもりかよ?」
ブルー 「ううん、全然」
お楽しみはチケットの確認作業だけなんだ、と生徒会長。
ブルー 「それが済んだら普通にパーティー!」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ お赤飯とか炊くんだよ!」
キース 「そ、そうか…。単にキスマークを笑う会なのか」
ブルー 「そんなトコだね、ゼルの真っ赤なキスマーク!」
??? 「…ぼくもパーティーに出てもいいかな?」
一同 「「「!!?」」」
振り返った先に紫のマント。
ソルジャー(会話表記はAブルー)登場でございます。
Aブルー「パーティーといえば御馳走だろう? ぼくも出たいな」
ブルー 「君は招待してないんだけど!」
Aブルー「えーーーっ? だったらハーレイのチケットを…」
ブルー 「それは困る!」
Aブルー「じゃあ、御招待でお願いするよ」
食欲の秋だし是非よろしく、とソルジャーはニッコリ。
パーティーの料理、多めに準備するしかなさそうですねえ…。
2013/09/15 (Sun)