☆なんとか到着
鼻血の危機な教頭先生、気分は「そるじゃぁ・ぶるぅ」のパパ。
ダークスーツでキメたからにはあわよくば、と思ってらっしゃるわけで。
ハーレイ「そ、そのぅ…。私はぶるぅのパパ役をだな…」
ブルー 「ふざけないでよ、君は単なるスポンサーだろ!」
去年と同じく財布に徹しろ、と生徒会長は冷たい視線。
ブルー 「ブルーたちが来たからって調子に乗るのはお断りだよ」
Aブルー「えーーーっ? 仲良し家族もいいじゃないか」
A船長 「そうです、私たちは初心者ですから」
御教示よろしくお願いします、と頭を下げるキャプテン。
教頭先生、俄然、元気を取り戻しまして。
ハーレイ「はい! 及ばずながら、お手本になるべく頑張ります!」
ブルー 「ちょ、ちょっと…! 君は支払いだけ頑張ってれば…」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ アルテメシア大神宮だよーっ!」
Aぶるぅ「わぁっ、大人も子供もいっぱいだぁ~♪」
ぼくたちみたいな服の子供も沢山いるね、と「ぶるぅ」の歓声。
駐車場は満杯のようで、車がズラリ並んでおります。
ブルー 「さて、ハーレイ? どうするんだい、駐車場は?」
ハーレイ「私たちを降ろして、他に行くよう言ってあるが」
ブルー 「上出来、上出来。じゃあ、門前に横付けだね?」
ハーレイ「ああ、降りやすい所でな」
ブルー 「ありがとう。頼もしいね、パパ」
生徒会長、サービスとばかり投げキッス。
真っ赤になっている教頭先生、鼻血の方は止まったようで。
ハーレイ「到着です。前から順に降りて下さい」
ぶるぅ 「ぼく、いっちばぁ~ん!」
Aぶるぅ「ぼく、にばぁ~ん! パパ、ママ、早く~!」
Aブルー「行こうか、ママ」
A船長 「誰がママです、二人ともパパでよろしいでしょう!」
Aブルー「はいはい、分かった。それじゃ二人でパパ役ってことで」
キース 「…思いっ切り先が思いやられるぜ…」
行くか、と立ち上がるシャン学メンバー。
無事に神社に着きましたけれど、この先は無事に済むのでしょうか?
2013/11/16 (Sat)
☆お子様と肩車
七五三の親子連れで賑わうアルテメシア大神宮に到着。
何はともあれ御祈祷を、と参道を歩き始めれば両脇に露店がございます。
Aぶるぅ「美味しそう~! 端から全部食べたいな♪」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ 去年、ハーレイの肩車で食べたよ!」
Aぶるぅ「えっ、ホント?」
ぶるぅ 「うんっ! 高くてとっても気持ち良かったぁ~♪」
Aぶるぅ「そっかぁ、それって楽しそうだね!」
ぶるぅ 「でしょ、でしょ?」
キャイキャイとはしゃぐお子様が二人。
手を取り合って視線は教頭先生とキャプテンへ。
ハーレイ「な、なんだ?」
A船長 「肩車ですか。確かに多いようですね」
キャプテン、周囲を見回して納得ですが。
ハーレイ「だ、ダメです、あれはお勧めいたしません!」
A船長 「何故です? 親子らしくて良さそうですが」
Aブルー「そうだよ、あれはパパならではだね。…あ、ぼくもパパか」
Aぶるぅ「ぼく、肩車はハーレイの方がいいなぁ、ブルーじゃ低いし」
パパはどっちでもいいんだけどね、と「ぶるぅ」はニッコリ。
Aぶるぅ「ねえねえハーレイ、肩車~!」
A船長 「よし、うんと背が高くなった気分になれるぞ」
ハーレイ「ですから、お勧めいたしません、と!」
ぶるぅ 「ハーレイ、ぼくも肩車がいいな♪」
ハーレイ「…そ、そんな…! そして今年も買い食いなのか?!」
ぶるぅ 「食べちゃダメなの?」
ハーレイ「…そ、それは…」
教頭先生、冷汗ダラダラ。
去年、スーツと頭への食べこぼし防止にエライ格好をさせられた記憶が。
Aブルー「こっちのハーレイは何を焦っているんだい?」
ブルー 「シャワーキャップと化粧ケープが怖いらしいね」
こんな感じで、と思念で伝達した模様。
ソルジャー、プッと吹き出しまして。
Aブルー「なるほどねえ…。食べこぼし防止に必須なんだね」
なかなか素敵な格好じゃないか、と腕組みをしてニヤニヤニヤ。
教頭先生とキャプテン、二人揃ってシャワーキャップと化粧ケープとか?
2013/11/17 (Sun)
☆肩車で仲良く
肩車をねだる、お子様が二人。
キャプテンの方は乗り気ですけど、教頭先生は腰が引けている状態です。
Aぶるぅ「ねえねえ、ハーレイ、肩車~!」
ぶるぅ 「ぼくも! ぼくも去年みたいに肩車~!」
ハーレイ「し、しかしだな、ぶるぅ」
A船長 「よろしいではありませんか。ここは二人仲良く肩車で」
去年の惨事を御存知ないキャプテン、教頭先生を誘っております。
A船長 「異文化体験に来たのですから、パパの気分を極めたいと」
Aブルー「いいねえ、肩車の親子が二組! 是非やりたまえ」
A船長 「は、はいっ! さあ、ぶるぅ」
Aぶるぅ「わぁーい!」
キャプテンの肩車で御機嫌の「ぶるぅ」。
「そるじゃぁ・ぶるぅ」も教頭先生にキラキラ瞳でせっせとおねだり。
ぶるぅ 「ハーレイ、ぼくも~! ぼくもやりたい~!」
ハーレイ「…う、うう…」
ブルー 「ホントに困った男だねえ…。財布だけしかやりたくない、と」
ハーレイ「いや、そんなことは!」
ブルー 「じゃあ、肩車! パパ気取りならそのくらいはね」
せっかくのダークスーツが泣くよ、と生徒会長。
教頭先生、キャプテンと「ぶるぅ」組の肩車を暫し見詰めて。
ハーレイ「分かった。ぶるぅ、今年も肩車で行こう」
ぶるぅ 「ありがとう! ハーレイ、大好き!」
肩車をして貰った「そるじゃぁ・ぶるぅ」、早速周囲をキョロキョロと。
ぶるぅ 「えっと、えっとね…。串カツ、食べたぁ~い!」
ハーレイ「く、串カツ…」
Aぶるぅ「ぼくも串カツ! 買って、買って~!」
ブルー 「ほら、ハーレイ。君の財布の出番だよ。串カツ二人分!」
その格好では難しいし、と生徒会長、教頭先生の懐から勝手に財布を。
ブルー 「ぶるぅ、今年も味噌ダレかい?」
ぶるぅ 「うんっ!」
Aぶるぅ「ぼくも味噌ダレ~!」
ブルー 「了解。味噌ダレ二本ね」
買ってこよう、と足取りも軽く露店に向かう生徒会長。
味噌ダレの串カツとくれば食べこぼしは必至。パパ役二人に死亡フラグ?
2013/11/18 (Mon)
☆パパ役はこれで
今年も出ました、肩車で串カツ、しかも味噌ダレ。
ウキウキと買いに出掛けた生徒会長、両手に串を二本ずつ持って上機嫌。
ブルー 「はい、どうせなら一人二本がいいだろう?」
ぶるぅ 「わぁーい、ぶるぅは沢山食べるの大好きだもんね!」
Aぶるぅ「やったぁ、両手に串カツだぁ~!」
ブルー 「タレもたっぷりつけて貰ったよ」
だからね、と生徒会長はニヤリ。
ブルー 「ハーレイの服と頭が汚れるとマズイ」
ぶるぅ 「うんっ、今年もシャワーキャップだね!」
ハーレイ「…や、やるのか?」
A船長 「シャワーキャップとは何のことです?」
Aブルー「化粧ケープとセットものでね、パパの大事な装備品らしい」
A船長 「装備品?」
ブルー 「そうなんだよね、この二つが無いと服と頭が台無しでさ」
ちょっと持ってて、とジョミー君とキース君に串カツを預ける生徒会長。
ブルー 「ハーレイ、君はパパ役のお手本だって?」
ハーレイ「…ま、まあ…。そういう風に出来たらいいな、と…」
A船長 「大いに頼りにしております。どうぞよろしくお願いします」
ブルー 「だったら、まずはお手本をね。いいだろ、ハーレイ?」
パッと出ました、シャワーキャップ。
生徒会長、背伸びして教頭先生の頭に被せてニッコリ。
ブルー 「お次は化粧ケープだね」
ハーレイ「ひ、ヒラヒラはやめて欲しいのだが…!」
ブルー 「生憎、ぼくの趣味だから! シンプルなのは嫌いなんだ」
覚えておいて、とフリルひらひらの化粧ケープを肩にバサッと。
実はフィシスさん用のヤツなのですけど、教頭先生は御存知なくて。
ハーレイ「…お、お前の趣味なら仕方ないか…。しかしだな…」
ブルー 「君には全然似合わないって? 大丈夫、今日はパパの勲章!」
ハーレイ「そう言われると悪い気はせんか…」
Aブルー「聞いたかい、ハーレイ? ああいうのがパパの勲章だってさ」
ほら君も、とシャワーキャップを手にするソルジャー。
化粧ケープも持ってますねえ…。
2013/11/19 (Tue)
☆パパの勲章
教頭先生、食べこぼし防止用にシャワーキャップと化粧ケープを装備中。
パパの勲章だと言われましても、どう見ても笑えるお姿で…。
Aブルー「ほら、ハーレイ。君もコレをね」
A船長 「し、しかし…! あの格好の人は他にはいないようですが」
ブルー 「いないだろうねえ、去年もハーレイ限定だったし」
A船長 「で、では、私も謹んで遠慮させて…」
Aブルー「いいのかい、それで? ぶるぅがガッカリすると思うよ」
A船長 「ぶるぅ…ですか?」
Aブルー「そう!」
見てごらんよ、と指差すソルジャー。
生徒会長がキース君に預けていた串カツを「そるじゃぁ・ぶるぅ」に。
ブルー 「お待たせ、ぶるぅ」
ぶるぅ 「わぁーい、いっただっきまぁーす!」
両手に串カツ、「そるじゃぁ・ぶるぅ」は大喜び。
パクパク食べておりますけれども、味噌ダレがポタポタ、衣がパラパラ。
Aぶるぅ「ブルー、ぼくのは? ぼくにも串カツ~!」
ブルー 「ハーレイの服と頭についちゃうからねえ…。まだおあずけ」
Aぶるぅ「えーーーっ! ハーレイ、早くぅ~!」
キャプテンの肩で「ぶるぅ」が足をバタバタ。
Aぶるぅ「食べたい、食べたい、串カツ食べたいーっ!」
Aブルー「ぶるぅ、ハーレイはパパになりたくないそうだ」
A船長 「は…?」
Aブルー「だって、そうだろ? パパの勲章を嫌がってるしね」
これじゃ「ぶるぅ」が可哀相だ、とソルジャー、溜息。
Aブルー「仕方ない、パパ役交代だ。ぶるぅ、おいで」
Aぶるぅ「うんっ! 今度はブルーが肩車だね!」
A船長 「ま、待って下さい、私の立場は…!」
Aブルー「決まってるだろ、ママに格下げ」
A船長 「そ、それはどういう…」
Aブルー「スーツか着物か、とにかくフェミニン! まずは着替えかと」
ブルー 「そうだね、瞬間移動でパパッとやろう」
こういうのは形が大切だし、とソルジャーと生徒会長がニッコリ。
ママに格下げと言われたキャプテン、パパの勲章どころか女装ですか~!
2013/11/20 (Wed)
☆選ぶならこっち
シャワーキャップと化粧ケープはパパの勲章だそうでございます。
キャプテン、それを拒否したばかりにママに格下げと言われ女装の危機。
A船長 「フェ、フェミニンと言われましても…!」
Aブルー「何か? パパが嫌なら自動的にママになるしかないし!」
スーツか着物か、と迫るソルジャー。
Aブルー「早く決めてよ、着せる都合があるからね」
A船長 「そ、そんな…!」
Aブルー「ブルー、ところでハーレイに合うサイズのはあるのかい?」
ブルー 「んーと…。選び放題はちょっと無理かな、規格外だから」
キース 「おい、そんなサイズの着物とかスーツもあるのか、あそこは」
ブルー 「それはもちろん! コスプレも手掛ける店だしね」
今だと在庫はこんな感じで、と生徒会長、思念で伝達。
それなりのスーツやら着物なんかがあるようですが。
A船長 「わ、私がこれを着るのですか…?」
Aブルー「そうなるねえ、ママ」
A船長 「に、似合わないなどという次元ではなさそうですが…!」
サム 「うんうん、視覚の暴力だぜ」
ジョミー「でもさぁ、仕方ないよね、この状況だし」
スウェナ「シャワーキャップが嫌なんだったら、そっちになるわね」
でもコワイ、とシャン学メンバー、笑いを堪えつつ肩をブルブル。
その間に「そるじゃぁ・ぶるぅ」は串カツを食べ終えまして。
ぶるぅ 「かみお~ん♪ 次はお好み焼き~!」
Aぶるぅ「あーーーっ! ぼく、まだ食べられていないのにーっ!」
Aブルー「ぶるぅ、ぼくの肩車で食べるといいよ」
Aぶるぅ「うんっ! 少し低いけど、早く串カツ食べたいもん!」
A船長 「ま、待って下さい! やります、私がパパをやります!」
女装とシャワーキャップを秤にかけたキャプテン、決死の選択。
A船長 「この際、パパの勲章です!」
Aブルー「よく言った! じゃあ、その意気で頑張りたまえ」
A船長 「はいっ!」
キャプテンの頭にもシャワーキャップ。
ひらひら化粧ケープもお似合いですよ~!
2013/11/21 (Thu)
☆肩車で行こう
女装よりかはシャワーキャップと化粧ケープだ、と決意したキャプテン。
同じ格好の教頭先生と並んで「ぶるぅ」を肩車しつつ参道を。
ぶるぅ 「えっと、えっとね、次はタコ焼き~!」
Aぶるぅ「ぼくもタコ焼き~!」
買い食い三昧のお子様二人。
シャワーキャップと化粧ケープは大活躍で。
A船長 「つまりこういうことですか…」
ハーレイ「そうなのです。食べこぼし避けにはコレのようでして」
思い切り人目に立つのですが、と教頭先生、深い溜息。
ハーレイ「ですが今年は同士がいらして心強いです」
A船長 「こちらこそご指導よろしくお願いします。初心者ですから」
Aブルー「ぼくもぶるぅも七五三は初めてだしね」
この先は何があるんだい、とダークスーツのソルジャー、興味津々。
ブルー 「七五三の目的は買い食いじゃなくて御祈祷なんだよ」
Aブルー「えっ、御祈祷? それって思い切り御利益がある?」
ブルー 「それはもちろん。貸し切りコースでやるからね」
Aブルー「貸し切りコース?」
ブルー 「普通は何組も纏めてやるけど、そこは金額次第ってことで」
今年もよろしく、と言われた教頭先生、頼もしい笑顔。
ハーレイ「任せておけ! 御利益を沢山頂くといい」
ブルー 「ありがとう。…というわけで、終点かな?」
買い食いはここまで、と生徒会長。
立派な門の前を最後に露店が途切れて、その先はお参りの人が大勢。
ブルー 「ぶるぅ、鯛焼きを食べ終わったら御祈祷に行くよ」
ぶるぅ 「うんっ! 今年はぶるぅも一緒だね!」
Aぶるぅ「んとんと…。御祈祷って何をするの?」
ブルー 「神様にお願い事をするんだよ」
Aブルー「そう! お賽銭を入れて鈴を鳴らして」
ブルー 「ちょっと待った! そういうのとは違うんだけど」
Aブルー「違うのかい?」
ブルー 「すぐに分かるさ、百聞は一見に如かずだよ」
まずは御祈祷の申し込み、と生徒会長が促し、肩車終了の教頭先生。
パパの勲章を外した姿はカッコイイかも?
2013/11/22 (Fri)
☆お次は御祈祷
七五三の御祈祷は今年も貸し切りコースだとか。
教頭先生が支払いを済ませ、巫女さんに待合室へと案内された御一行様。
巫女さん「こちらで暫くお待ち下さい」
ブルー 「ありがとう。今日は混んでるみたいだね」
巫女さん「次の御祈祷が終わりましたら、すぐに御案内いたしますので」
それまでこちらでごゆっくり、とお茶菓子つきで御祈祷待ち。
去年と同じくVIP待遇、待合室といえども立派なもので。
Aブルー「素敵な部屋だね、ここで待ってればいいのかい?」
ブルー 「一応、順番があるからね。先の人たちは抜かせないよ」
Aブルー「ところで、さっきの話だけれど…。お賽銭は?」
ブルー 「ハーレイが払っていただろう? お納めすると言うんだけど」
Aブルー「ああ、なるほど! 纏めてドカンと!」
ブルー 「平たく言えばそうなるかな」
Aブルー「じゃあ、鈴は?」
ブルー 「鈴は神様の注意を引くためのアイテムだからさ、要らないよ」
神様に直接お願いに行くんだからね、と生徒会長。
ブルー 「神主さんが神様を呼んで、お願いを伝えてくれるシステム」
Aブルー「そうなんだ…。じゃあ、今も先の人のをやってるわけだね」
ブルー 「そういうこと!」
Aブルー「神様に直接、お願い事かぁ…」
なんか凄いね、と言ったソルジャー、暫し沈黙。
拝殿をサイオンで覗き見しているようですけれど…。
Aブルー「親子連れだけじゃないみたいだよ?」
ブルー 「そりゃまあ色々あるんじゃないかな、神社だからさ」
Aブルー「合格祈願と聞こえたけれど?」
ブルー 「学問の神様で有名だしね」
Aブルー「待ってよ、それじゃ七五三とは無関係でも御祈祷OK?」
ブルー 「御祈祷料を納めて申し込めばね」
Aブルー「先に言ってよ、そういう大事な話はさ!」
ブルー 「えっ?」
Aブルー「七五三ってヤツは、ぶるぅ専用だと思ってたんだよ!」
知らなかった、と慌てるソルジャー。
「ぶるぅ」の七五三に来た筈ですけど、何か勘違いしてましたか?
2013/11/23 (Sat)
☆御祈祷をお願い
貸し切りで御祈祷をして貰うために待合室で順番待ち。
その間に他の人の御祈祷を覗き見したソルジャー、突然慌て出しまして。
Aブルー「ハーレイ、今のを聞いたかい? ぶるぅ専用じゃないそうだ」
A船長 「そうらしいですね」
Aブルー「のんびりしている場合じゃないよ! 御祈祷だよ?」
A船長 「御祈祷がどうかしましたか?」
Aブルー「思い切りビッグチャンスじゃないか!」
神様を貸し切りでお願い出来るんだから、と拳をグッと握るソルジャー。
Aブルー「これは絶対外せない! 夫婦和合をお願いしよう!」
A船長 「それは頼まないといけませんね!」
何より大事な願い事です、とキャプテンも拳を握っております。
A船長 「二人で叫べばいいのでしょうか?」
Aブルー「声を合わせるのが大切かもね!」
ブルー 「ちょ、ちょっと待った!」
生徒会長が止めに入って、シャン学メンバーも顔面蒼白。
貸し切りの御祈祷の真っ最中に叫ばれたが最後、赤っ恥は必至。
キース 「や、ヤバイ…」
ジョミー「拝殿の前って人だらけだよ、絶対外まで聞こえるよ!」
人生終わった、と項垂れるシャン学メンバーですが。
ブルー 「聞こえるも何も、叫ぶだけ無駄だし!」
Aブルー「えっ、なんで? 神様に直接お願いだろう?」
ブルー 「何を神様にお願いするのか、最初にちゃんと言わないと!」
Aブルー「だからハーレイと二人で言うって!」
ブルー 「そうじゃなくって、もうシナリオは出来てるんだよ!」
一同 「「「は?」」」
シナリオとは、と全員キョトン。
ブルー 「御祈祷ってヤツは祝詞を読むんだ。ひらたく言えば呪文かな」
Aブルー「それで?」
ブルー 「御祈祷の度に祝詞を作って、それを読むわけ」
Aブルー「それがシナリオ?」
ブルー 「そういうこと! お願い事も誰が頼んだかもキッチリ書く!」
今回は七五三で作成済みだ、と告げる生徒会長。
ソルジャー夫妻が夫婦和合と絶叫しても、効き目は無いってことですか?
2013/11/24 (Sun)
☆お願いがしたい
神様に直接お願い出来ると聞いたソルジャー、夫婦和合を御希望ですが。
御祈祷で唱える祝詞は予め作成済みなのだそうで。
ブルー 「手順を踏まないと無効だからねえ、今更どうにも」
Aブルー「い、今から作って貰うとかは?」
ブルー 「もう手遅れ! 御祈祷料を納める時に申告するのがお約束!」
Aブルー「じゃ、じゃあ今日の御祈祷は…」
ブルー 「残念だけれど、ぶるぅ二人分の幸せ祈願ってところかな」
Aブルー「ぼ、ぼくたちも出席するのに?!」
ブルー 「親ってヤツはさ、子供の幸せを願うものだし」
ぶるぅのパパとママ役なんだろ、と生徒会長。
ブルー 「二人ともパパかもしれないけどねえ、ぶるぅの幸せが大切さ」
Aブルー「…そ、そんな…。せっかくのビッグチャンスなのに…」
ブルー 「諦めるんだね、ぶるぅのために」
ほら、お迎えが、と言う側からカラリと扉が開いて。
巫女さん「大変お待たせいたしました。こちらへどうぞ」
ぶるぅ 「わぁーい、貸し切り~!」
Aぶるぅ「とっても楽しみ!」
羽織袴のお子様二人がピョンピョンと。
拝殿に入れば見事に貸し切り、全員、ズラリと並んで座って。
神主さん「皆さん、頭を下げて下さい」
大きな幣がバッサバッサと振られ、いよいよ御祈祷の始まりですが。
神主さん「おぉぉぉぉぉぉ~~~~~」
Aブルー「な、なんだい、あれは?」
ブルー 「シッ! この声で神様をお迎えするんだよ」
A船長 「なるほど、異文化体験ですね」
唸り声にしか聞こえませんが、とキャプテン、なにげに罰当たり発言。
A船長 「これで神様が呼べるのですか…」
Aブルー「らしいね、お賽銭とかより効きそうだよ」
A船長 「同感です。どうでしょう、こっそりお願いするのは」
Aブルー「いいかもね! 神様たるものアドリブくらいは出来ないと」
ブルー 「ちょ、ちょっと…!」
不穏な言葉を交わすソルジャー夫妻。
アドリブがどうとか言ってますけれど、神様ってそういうキャラですか?
2013/11/25 (Mon)
☆御祈祷アドリブ
恐れ多くも神様相手にアドリブだなどと言うソルジャー。
生徒会長の声をサラッと無視して、キャプテンと思念で何やらコソコソ。
Aブルー「と、こんな感じでどうだろう?」
A船長 「やってみる価値はありそうですね」
Aブルー「でもって、大切なのはタイミングだよ」
そこを外すとアウトっぽいし、と口にした所で。
神主さん「アルテメシア在住、そるじゃぁ・ぶるぅの…」
Aブルー「なんかゴチャゴチャ言ってるけれども、これが願い事かぁ…」
A船長 「そのようです。無病息災とか聞こえましたし」
Aブルー「だったらチャンスはぶるぅの時だ」
A船長 「そこで一発、捻じ込むのですね!」
頑張りましょう、と応じるキャプテン。
それを聞いていたシャン学メンバー、マズイと顔を見合わせましたが。
神主さん「シャングリラ在住、そるじゃぁ・ぶるぅの…」
Aブルー「ハーレイ、今だ!」
A船長 「はいっ!」
滔々と読み上げられる祝詞にかぶさるバカップルの声。
Aブルー「夫婦和合で!」
A船長 「お願いしますー!」
一同 「「「うわぁぁぁーっ!」」」
もうダメだ、と頭を抱える一同を他所に、神主さんは慌てず騒がず。
神主さん「…と、かしこみ、かしこみもう~す~…」
A船長 「やりましたね!」
Aブルー「神様もアドリブが上手いんだねえ…」
それは絶対違うだろう、と泣きの涙の一同ですけど。
神主さん「おぉぉぉぉぉぉ~~~~~」
Aブルー「今度は何だい?」
ブルー 「神様をお送りするための声だってば!」
よくも罰当たりな真似をやってくれたな、と睨み付けている生徒会長。
御祈祷は終了、「お立ち下さい」と声がかかって。
巫女さん「皆さん、お疲れ様でした」
Aぶるぅ「ねえねえ、ぼくのパパとママのお願い、届いたかなぁ?」
巫女さん「どうでしょう? 聞いて下さるとよろしいですね」
流石は巫女さん、大人な対応でございます。
ということは、神主さんも大人な対応でアドリブ御祈祷バッチリですか?
2013/11/26 (Tue)
☆その道のプロ
夫婦和合でお願いします、と、かしこみ、かしこみ申す~。
七五三の御祈祷にバカップルが乱入、ドえらい祝詞が奏上されてしまい。
Aブルー「やったね、これでお願いバッチリ!」
A船長 「直接お願い出来ましたからね」
ソルジャー夫妻は大喜びですが、シャン学メンバーたちはブルブルで。
ジョミー「あ、あれって絶対、外まで聞こえた…」
キース 「それ以前に確実に叱られるぞ」
シロエ 「か、神主さんが来るんですけど…!」
どうなるのだ、と生徒会長も声も出ない様子。
神主さんがススス…と近付いて参りまして。
神主さん「お帰りの際に初穂料を追加でお納め願います」
一同 「「「は?」」」
神主さん「御祈祷が追加になりましたので、そのように」
Aブルー「ちょ、ちょっと待ってよ、ついでにお願いしただけだし!」
神主さん「七五三のお子様が夫婦和合でらっしゃいますか?」
一同 「「「………」」」
そうだった、と状況を思い出す御一同様。
「シャングリラ在住、そるじゃぁ・ぶるぅの」の後に叫んだわけでして。
神主さん「御祭神様に「ご両親の」とお伝えするなら追加になります」
Aブルー「つ、追加で! 追加しといてよ、ぶるぅのじゃないし!」
神主さん「既にお伝えしてあります。初穂料をよろしくお願いします」
私もプロでございますので、と颯爽と立ち去る神主さん。
巫女さんが必死に笑いをこらえつつ。
巫女さん「お帰りはこちらでございます。初穂料は受付で承ります」
先に立って行った巫女さん、受付の巫女さんに何やらヒソヒソ。
受付の巫女さん、頷きまして。
巫女さん「ようこそお参り下さいました。初穂料の追加だそうですが」
Aブルー「…え、えっと…」
ハーレイ「ああ、支払いの方は私が」
巫女さん「かしこまりました。七五三のお子様は、こちらをどうぞ」
ぶるぅ 「わぁーい、千歳飴ー!」
Aぶるぅ「貰っちゃったー!」
狂喜乱舞のお子様二人。
願い事の追加もアドリブでブチ込み、結果オーライ?
2013/11/27 (Wed)
☆御祈祷とお守り
初穂料を追加で支払い、ソルジャー夫妻の夫婦和合もブチ込めたようで。
お子様二人に千歳飴の袋を渡した巫女さん、キョロキョロと。
巫女さん「こちら、お守りでございますが…。これは、どなたが?」
一同 「「「は?」」」
巫女さん「御夫婦のお守りでございますけど」
Aブルー「それ、ぼくのだから! ほら、ハーレイも!」
A船長 「あ、有難く頂戴いたします」
よりにもよってダークスーツの二人が夫婦和合のお守りゲット。
あまつさえソルジャー、神社の名前が印刷された紙袋を早速開けて。
Aブルー「…なんか普通のお守りだけど…」
巫女さん「夫婦和合のお守りとしては、特に授与しておりませんので」
Aブルー「それで効くわけ?」
巫女さん「御祈祷をなさっておられますから、大丈夫ですよ」
Aブルー「じゃあ、いいや。これはベッドに置くのかい?」
ブルー 「やめたまえ!」
巫女さんも忙しいんだから、とソルジャーの首根っこを掴む生徒会長。
ブルー 「御祈祷が済んだらさっさと次へ! 記念撮影!」
Aブルー「でもさ、お守りの使い方がさ!」
ブルー 「基本は肌身離さずだよ!」
Aブルー「えっ? だったら、これをつけてヤればスゴイとか?」
ブルー 「は?」
Aブルー「だからさ、ぼくとハーレイが首からお守りを下げてヤッたら」
ブルー 「その先、禁止!」
もう喋るな、とソルジャーを引き摺り、生徒会長、ダッと逃走。
巫女さんや周囲の視線を浴びつつ、シャン学メンバーも必死に走って…。
ブルー 「き、君はまったく、なんてことを…!」
Aブルー「それはこっちの台詞だよ! せっかく御祈祷したんだし!」
ブルー 「もういい、それより記念撮影!」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ みんなで写真を撮るんだよ!」
Aブルー「いいねえ、今日の記念になるんだ?」
A船長 「ああ、日付が書いてあるのですね」
「七五三参拝記念」と書かれたボードに本日の日付。
キャプテン、まじまじと見ておりますけど、日付に何か問題でも…?
2013/11/28 (Thu)
☆七五三の記念
夫婦和合の御祈祷を追加でブチ込み、お守りまで貰ったソルジャー夫妻。
お次は記念撮影ですけど、キャプテンは何故か日付が気になる様子。
A船長 「そういえば11月の10日ですねえ…」
ブルー 「間違ってないと思うけど?」
A船長 「いえ、ぶるぅの七五三に来たのですから、いいのですが…」
どうも煮え切らないキャプテン。
生徒会長、首を傾げつつ。
ブルー 「いいも悪いも、今日は大安だよ? 何が問題?」
A船長 「22日なら良かったのに、と思いまして」
一同 「「「は?」」」
A船長 「11月22日は『いい夫婦の日』だと伺いましたし」
Aブルー「あー! 去年ノルディに教わったっけね!」
A船長 「特別休暇で二人でホテルに泊まりましたよ、こちらの世界で」
Aブルー「思い出したよ、その日付なら良かったねえ…」
夫婦和合の御祈祷記念に、と撮影用のボードを眺めるソルジャー。
Aブルー「これって変えたらダメなのかなぁ?」
A船長 「日付の部分は差し替えが出来るようですね」
ブルー 「そこで勝手なことを言わない! 今日は七五三!」
主役はぶるぅと決まってるんだし、と生徒会長はツンケンと。
ブルー 「ほらほら、さっさと並んで、並んで!」
ぶるぅ 「ぼく、真ん中ー! ぶるぅと並ぶ!」
Aぶるぅ「かみお~ん♪ 写真を撮るんだね!」
面白そう、と跳ねる「ぶるぅ」を写真屋さんがピシッと立たせまして。
写真屋 「はい、千歳飴の袋が見えるように持って下さいね」
Aぶるぅ「うんっ! これって美味しい?」
ブルー 「食べるのは写真を撮ってから!」
写真屋 「ご両親はお子様の後ろでお願いします」
Aブルー「了解。ハーレイ、お前がこっちだ。ブルー、君たちも」
ブルー 「…ハーレイだけで充分っぽいけどねえ?」
ハーレイ「そう言うな。去年も一緒に撮っただろう?」
写真屋 「他の皆さんも並んで下さーい!」
なんだかんだで生徒会長も親役ポジション。
フラッシュが光って、記念に一枚!
2013/11/29 (Fri)
☆記念にもう一枚
みんな笑顔で記念の一枚。
写真撮影も無事に終わって、お次はホテルへ宴会にお出掛けなのですが。
ブルー 「行こうか、ハーレイ。マイクロバスを呼ぶんだろ?」
ハーレイ「はい、表まで歩く間に来る筈ですよ」
連絡しましょう、と教頭先生が電話を取り出した所へ。
写真屋 「よろしかったら、記念撮影を別口で承りますが…」
一同 「「「は?」」」
写真屋 「日付を翌日とか前の日にとか、たまに指定がありますので」
こちらは変更可能です、とボードを指差す写真屋さん。
Aブルー「いいのかい?」
写真屋 「お安いご用でございます。11月22日でよろしいですか?」
Aブルー「それはもちろん!」
A船長 「良かったですねえ、記念写真が撮れますよ」
Aブルー「どうせだったら、こっちの方も替えられないかな?」
七五三じゃなくって夫婦和合、と恐ろしい言葉がソルジャーの口から。
写真屋 「…お宮参りとか、そういった用意はございますが…」
Aブルー「夫婦和合は無いんだね?」
写真屋 「なにしろニーズがありませんから」
Aブルー「だったら、書く!」
一同 「「「えぇっ?」」」
Aブルー「そこだけ書いて貼り付けるんだよ、かまわないだろ?」
写真屋 「そ、それはもちろんかまいませんが…」
Aブルー「じゃあ、書くもの!」
写真屋 「は、はいっ! 少々お待ちを!」
助手さんが走らされ、出ました、紙と極太の筆と墨汁が。
ソルジャー、早速デカデカと『夫婦和合』の四文字を。
Aブルー「これで頼むよ。でもってみんなで記念撮影!」
ブルー 「な、なんで全員?」
Aブルー「一緒に御祈祷してくれたんだし、記念に一枚!」
A船長 「そうですよ。皆さんも是非」
写真屋 「ボードはこれでよろしいですか?」
Aブルー「うん、上出来!」
写真屋 「それでは並んで下さいね。御夫婦はどうぞ真ん中へ!」
夫婦和合参拝記念、11月22日な特製ボード。
赤っ恥だと嘆く面々もパシャリと撮られた所で中継終了~。
2013/11/30 (Sat)