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シャングリラ学園つれづれ語り

☆今日からは二月


梅もほころぶ二月到来、しかし寒さはまだまだ真っ最中。
暦の上では間もなく立春、その前日が節分となっておりますけれども。

ブルー 「…今年の節分なんだけど…」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ ブルーとハーレイも来るんだって!」
キース 「そ、そうか…。嫌な予感はしていたんだが…」
ジョミー「やっぱりアレでは足りなかったわけ?」
シロエ 「例の煩悩ゲットですよね、どうだったんでしょう?」
ぶるぅ 「んとんと…。朝まで頑張ってたよね♪」
キース 「そのようだったが…」

俺は知らん、と深い溜息のキース君。
他の面々も御同様で。

ぶるぅ 「わんわん物語、見たかったのに…」
シロエ 「見られなくって良かったんですよ、あの場合は!」
ぶるぅ 「でも、ハーレイが犬だったんでしょ?」

見たかったよう、と子供は何処までも純真で。

ぶるぅ 「チョコレート色の大型犬って何だったのかなぁ?」
キース 「あいつが説明しに来ただろうが!」
サム  「来やがったよなあ、頼んでねえのに」
シロエ 「山ほど喋って行きましたけれど、何が何だか」
スウェナ「朝まで中継されたってことは間違いないのよ、それだけは」
マツカ 「それと報告がてら解説だとかで独演会がありましたよね」
ジョミー「なんか来たよね、新年早々…」

今年のお正月は大概だった、と泣きの涙の御一同様。
とはいえ、その後は学校恒例の新年行事で至って平和な日々なども。

キース 「悲惨だったのは正月だけだし、今月もだな…」
シロエ 「節分だけを耐えればいいとは分かってますけど…」
ジョミー「去年は思い切り恥かいたよね…」
サム  「でもよ、逆に考えれば予行演習は済んでるんだぜ?」
マツカ 「そうですね…。同じようなことしか起こりませんよね」
スウェナ「想定外だけは無いわけね」
ブルー 「そういう点ではお正月よりマシだと思うよ」

相手のパターンを読んで動け、と生徒会長。
事故だらけだった姫はじめよりは、幾らかマシになるのでしょうか?

2014/02/01 (Sat)

 

☆節分に来る人


姫はじめとやらでエライ目に遭ってから一ヶ月。
節分にソルジャー夫妻が来るそうですけど、去年で予行演習済みで…。

ブルー 「向こうのパターンさえ読んでおけばね、大丈夫かと」
シロエ 「そうですね! どうせ恥さらしな祈願だけですし」
キース 「行きのバスから大恥だった件もあるがな…」
サム  「なんか二人で座ってたよな?」
マツカ 「膝に乗っけて密着でしたね」
スウェナ「今年もやりかねないわよ、アレを」
ブルー 「そこはキッチリ他人のふり!」

何を言われても返事をするな、と生徒会長は申しております。

ブルー 「赤の他人ならバカップルだろうが関係ないし!」
ジョミー「でもさ、瞬間移動で行ったらバスとは無関係だよ?」
キース 「言われてみればそうだったな」
シロエ 「会長、バスはやめときましょう!」
ブルー 「その件だけどさ…。ブルーが絶対バスで行くんだ、と」
一同  「「「えぇっ?!」」」

あのソルジャーが公共の交通機関がお好みだとは意外すぎ。
如何にも貸し切りバスとかの方が好きそうですが…。

ブルー 「去年、行きのバスで御利益を貰ったとかで」
キース 「思い出したぞ、お達者印の団体様だな!」
シロエ 「そ、そういえば…」
サム  「子宝が授かる飴とか貰っていやがったよな」
ブルー 「あの飴が凄く効いたらしいよ、ブルーが言うには」
ジョミー「また貰えるとは限らないじゃない!」
キース 「あくまで偶然の産物だしな」
ブルー 「そこが宝くじ感覚で楽しみらしいよ、何が起こるか」

運が良ければ御利益ゲット、と言われましても。

キース 「あるか無いかも分からん御利益でバスなのか!」
ブルー 「ブルーは言い出したら最後、聞かないからねえ…」
シロエ 「じゃ、じゃあ、ぼくたちに出来るのは…」
ブルー 「道中の無事を祈るだけだよ、それしか無いさ」

キッチリ覚悟を固めておけ、という台詞にガクガクブルブル。
明日はいよいよ節分ですけど、シャン学メンバーの運命や如何に…?

2014/02/02 (Sun)

 

☆まずはバスから


やって来ました、節分の日。
今年もソルジャー夫妻と一緒に七福神巡りな御一同様、気分はドン底。

キース 「行きはバスでと言いやがったんだよな?」
ブルー 「上手く行ったら御利益ゲットだと思ってるしね」
サム  「柳の下に二匹目のドジョウっていねえよな?」
シロエ 「そうそういないと思いますけど…」
マツカ 「去年のは偶然でしたしね」

去年の節分、バスで乗り合わせたのが御老人の団体様。
かつての山岳同好会の面々だとかで、お達者印で。

スウェナ「確か例会で山登りに行くって言ってたわよね?」
ジョミー「うん、終点の山に登るって…」
キース 「山登り自体に問題は無い。あの時の恥は別件だ」
シロエ 「子供が授かる御利益の飴でしたよね」
ブルー 「わざわざ貰いに行って来たって話だったし、山は無関係!」
ジョミー「だったら今年、また出くわしても…」
ブルー 「飴は出ないね、まず間違いなく」

生徒会長の言葉に、一同、「よっしゃあ!」とVサイン。
バスの中での猥談地獄は飴さえ無ければ回避オッケー。

ブルー 「ブルーたちが抱っこで座っていてもね、無視あるのみだよ」
??? 「御挨拶だねえ、せっかく愛を確かめ合える座り方なのに」
一同  「「「で、で、で…」」」

出たぁぁぁーっ! と叫ぶ面々の前に瞬間移動で約二名。
ソルジャー(会話表記はAブルー)とキャプテン(会話表記はA船長)、
私服で登場でございます。

A船長 「おはようございます。本日はよろしくお願いします」
Aブルー「早く行こうよ、まずはバス停!」
ブルー 「言っておくけど、去年みたいな座り方はさ…」
Aブルー「ハーレイは身体がやたらデカイし、あれでいいんだよ」

他の乗客のために空席は出来るだけ残すべきだ、と言うソルジャー。

Aブルー「それにさ、ああして座ってるとさ…」
A船長 「また御利益を頂けるかも、とブルーも言っておりますし」

キャプテンの膝にソルジャーが座る二人掛け。
今年も決定らしいですねえ?

2014/02/03 (Mon)

 

☆バスに乗る人


今年もキャプテンの膝に座ってゆくのだ、と主張しているソルジャー。
止められる人などいる筈もなくて、皆で泣く泣くバス停へ。

ぶるぅ 「かみお~ん♪ バスが来たよ!」
ブルー 「いいね、恥をかかされる前に自衛が大切!」
シロエ 「向こうの二人はガン無視ですね!」
キース 「何を言われても聞こえないふりだ、それしかない」
Aブルー「つれないねえ…。同じバスで行く仲なのに」
ブルー 「君たちだけの二人の世界で完結したまえ!」

バスの中ではあくまで他人だ、と念を押して乗り込む生徒会長。
シャン学メンバーも粛々と続き、一番最後にソルジャー夫妻。

Aブルー「やったね、今年も一番後ろがバッチリ空席!」
A船長 「此処のシートは広々していていいですからね」

では、と早速座るキャプテン。
その膝の上にストンとソルジャー、早くも密着バカップル。

一同  (((た、他人のふり、他人のふり…)))
運転手 「ドアが閉まりまーす、発車オーライ!」
A船長 「ブルー、いよいよ出発ですよ」
Aブルー「今年もいいものが貰えるといいね」
一同  (((無い、無い、無い!!)))

そうそう二匹目のドジョウがいるか、と思いつつ、一同、ガン無視。
幸いバスは空いておりまして、皆、適当に座っていますが…。

運転手 「ドアが開きまーす」
??? 「ペラペラペーラ! ペラペーラ!」
運転手 「???」

乗り込んで来た若い外国人女性。
ツカツカと前へ行き、運転手に何やら見せております。

運転手 「オッケー、オッケー!」
女性  「アリガトゴザイマース!」
ジョミー「なんだ、言葉は分かってるんだ?」
キース 「いや待て。ありがとうくらいは基本だからな」

それにしても何処の言葉なんだか、と悩みまくりのキース君。

キース 「単語の一つも分からなかったが…」
シロエ 「大丈夫ですよ、今どきはスマホにタブレットですし」

ぼくたちに声はかかりません、とシロエ君。
いやはや便利な時代ですよね!

2014/02/04 (Tue)

 

☆一人旅な女性


節分は七福神巡りのお寺へお出掛け。
行きのバスからバカップルが密着、無視していれば外国人の乗客が…。

キース 「なるほど、確かにスマホを見ているようだな」
シロエ 「一昔前ならヤバかったですよね、道を訊かれるとか」
スウェナ「こんな客層だと危ないのよねえ、高校生って」
マツカ 「学校で英語を習っているのは確実ですしね」
サム  「ガイドブックに書いてあるのかもしれねえな」

道を訊くなら学生だとか、と笑うサム君。
バスの乗客、シャン学メンバーやバカップル以外はお年寄りばかり。

ジョミー「でもさあ、凄いね、女の人なのに一人旅って」
キース 「そうだな、俺もいつかは行きたかったが…」
サム  「なんだよ、お前、諦めたのかよ?」
キース 「卒業旅行の歩き遍路で懲りた」

もれなく余計な野次馬が、と言われて納得、シャン学メンバー。
キース君のお遍路の旅を野次馬感覚で追いかけましたし…。

キース 「というわけでな、バックパッカーの夢は諦めた」
シロエ 「えーっ? 面白そうじゃないですか」
キース 「それは見物のお前らだろうが!」
サム  「いいじゃねえかよ、ちょっと見に行くくらいはよ」
キース 「見るだけで済むとはとても思えん!」

特にアイツが、と生徒会長を指差すキース君。

キース 「あいつは絶対に何かやるんだ、そういうヤツだ」
シロエ 「確かに間違いないですね…」
スウェナ「野次馬根性はピカイチだものね。…あら?」

先ほどの外国人女性。
何を思ったのか、生徒会長の方へツカツカと。

女性  「ペラペーラ! ペラペラ?」
ブルー 「ペラ!」
女性  「オウ! ペラペラペーラ!」
ブルー 「ペーラペラ、ペラ!」

何やら噛み合っているらしい会話。

シロエ 「な、何なんです、アレ?」
キース 「分からん…。何を話しているのかサッパリ分からん」

聞き取るどころか単語の一つも分からないという謎言語。
生徒会長、普通に喋っていますけれども、外国語に堪能だったとか?

2014/02/05 (Wed)

 

☆マイナーな言語


意味不明な言語を喋る外国人女性と生徒会長、会話が弾んでいる様子。
シャン学メンバー、バカップルの存在も忘れてそちらをガン見。

ジョミー「思い切り普通に喋ってるよ?」
サム  「全然意味が分からねえよな、何処の言葉だ?」
マツカ 「ぼくにも見当がつきません。…多分マイナー言語ですよ」

有名どころなら単語が一つくらいは分かる筈、と言うマツカ君。

マツカ 「ウチは外国人のお客様も多いですから」
サム  「あー、御曹司! やっぱ喋れねえと駄目なのかよ?」
マツカ 「御挨拶くらいは…」
ジョミー「そうだったんだ!?」

スゲエ、と驚くシャン学メンバー。
そのマツカ君をして謎と言わしめる言語、何処の言葉か見当もつかず。

キース 「くっそぉ…。あいつに語学で負けるとは…」
ジョミー「仕方ないじゃない、年が違うよ」
シロエ 「それ以前に、キース先輩、会長に勝てたことありました?」
キース 「……言われてみれば無いような気が」
サム  「いいじゃねえかよ。どうせ頭が上がらねえだろ、副住職」
キース 「まあな…。坊主の世界では最初から負けだ」

緋色の衣には絶対勝てん、とキース君はガックリ諦めムード。

キース 「しかしだ、単語の一つも分からん言葉を操られると…」
サム  「惨めだってか?」
キース 「そういう気分がヒシヒシとな…」
スウェナ「つくづく損な性分ねえ…」

でも言葉だけは気になるわね、とスウェナちゃん。

スウェナ「いったい何処の言葉かしらね?」
シロエ 「会長に訊いてみましょうか?」
キース 「そうだな、後ろのバカから距離も取れるし」

行ってみよう、とバカップルから一番離れた生徒会長の席へ。

ブルー 「あっ、来たんだ?」
女性  「ペラペーラ!」
ブルー 「よろしく、ってさ。こちら、イングリッドさん」
ぶるぅ 「サンタさんの国のお隣から来たんだって!」
キース 「…そ、そうか…」

どおりでマイナー言語なわけだ、と納得ですが。
生徒会長、凄すぎでは?

2014/02/06 (Thu)

 

☆サイオンでコピー


一人旅中の外国人女性、サンタクロースの国の隣から来たそうですが。
その国の言葉を流暢に操る生徒会長、スキル高すぎ。

キース 「あんた、何カ国語が喋れるんだ?」
ブルー 「その気になったら全部いけるよ、とりあえず」
シロエ 「ぜ、全部って……地球上のを全部ですか?!」
ブルー 「そうだけど?」
女性  「ペラペーラ!」
ブルー 「ちょっと失礼。ペーラ、ペラペラ!」
女性  「オーウ! ペーラペラ!」

またしても弾んでいる会話。
何のことやらサッパリ不明で、キース君なぞは既にドン底。

キース 「…ち、地球上のを全部喋れるってか…。負けた…」
シロエ 「先輩、どうせ元から全戦全敗じゃないですか」
キース 「言わないでくれ。更に落ち込む」
サム  「そうかあ? もうドン底っぽいけどなあ?」
ジョミー「だよねえ? でもさ、ブルーって本気で凄すぎ」
スウェナ「全然会話が途切れてないわよ、何処で覚えたのかしら?」
ブルー 「あ、ごめん、ごめん。これには一応、仕掛けがね」

大きな声では言えないけれど、と続きは思念波。

ブルー 『一瞬でコピー可能なんだよ、言葉にしてもさ』
一同  「「「えーーーっ!!!」」」
ブルー 「シーッ!」

ズルイ、と叫ぼうとした御一同様、緘口令。
確かにサイオンの存在は極秘事項で。

ブルー 「というわけでね、通訳するから君たちも混ざれば?」
女性  「ペラペーラ!」
ブルー 「お友達とも話したいわ、と言ってるよ」
キース 「く、くっそぉ…。だが、観光の人は大事にせんとな」
マツカ 「この国のイメージがかかってますしね」
シロエ 「でもですね…。なんで英語じゃないんです?」

一人旅なら英語でしょう、とシロエ君。

ブルー 「ああ、それね。英語は封印しているらしいよ」
一同  「「「は?」」」
ブルー 「英語抜きで何処まで行けるかチャレンジだってさ」
一同  「「「へ?」」」

英語は抜きで外国旅行。
一人旅の女性、恐るべし…。

2014/02/07 (Fri)

 

☆有髪のお坊さん


英語を封印して母国語で通すイングリッドさん。
クソ度胸としか言いようがない凄さですけど、そういう縛りも一興で。

ブルー 「これがなかなか楽しいらしいよ、困りもするけど」
キース 「…そうだろうな、通じるヤツの方が珍しそうだ」
ブルー 「特に学生のパニックぶりが面白いとかで」
シロエ 「…いい性格をしてますね」

生徒会長、女性に通訳。
(ここから先は通訳省略、普通に書かせて頂きます)

女性  「よく言われるわ」
サム  「でもよ、相手がブルーじゃガックリだよなあ」
女性  「驚いたけれど、悪くはないわね」
キース 「あいつが例外すぎるんだ。俺は喋れん」
女性  「喋れなくても問題無いわよ、お坊さんでしょ?」
キース 「ちょ、なんで! どうして俺が坊主だと分かる!」
女性  「え、お友達に聞いたけど?」

それにしても変なお坊さんねえ、とキース君の頭をジロジロ。

女性  「お坊さんは沢山見たけど、みんな頭がツルツルだったわ」
キース 「俺だけじゃない! ブルーも坊主で!」

キース君の必死の叫びは生徒会長、通訳をスルー。
あまつさえ自分が坊主なことも喋ってはいないようでして。

女性  「言い訳は別にしなくていいわよ? 人には事情が色々と」
キース 「まあ、そうなんだが…」
女性  「きっと頭にアザがあるとか、そういう理由ね」
キース 「はあ?」
女性  「剃ったら丸見えになって格好悪いアザとかね」
キース 「そ、それは違う!」
女性  「年を取ったらハゲたりするわよ、早めの覚悟がオススメね」

アザの治療も進んでいるから、と一人で納得されましても。

シロエ 「格好悪いアザって、どんなのでしょう?」
ジョミー「なんか昔のホラー映画で数字のヤツが」
サム  「あー! 獣の数字で666な!」
キース 「俺は坊主でそっちじゃないっ!」
女性  「青春だわねえ…」

やっぱり学生は面白い、とイングリッドさん、マイペース。
もしかしなくても、こんな調子で珍道中?

2014/02/08 (Sat)

 

☆ズレまくった末に


お坊さんは頭がツルツルなもの、と思い込んでいるイングリッドさん。
キース君の髪の毛、アザ隠しだと勝手に解釈、そして納得。

キース 「どうしてそういうことになるんだ!」
女性  「他に考えられないでしょ? 髪の毛を残しておく理由」
キース 「それこそ星の数ほどあるんだ、残す理由は!」

そこにも立派な例外が、と生徒会長を指差しましたが。

女性  「ああ、この子と張り合うためだったのね?」
キース 「はあ?」
女性  「顔で負けてる分、ヘアスタイルで勝負したい、と」
キース 「そんなことは誰も言っていないが!」
女性  「ますますもって青春だわねえ…」

どんどん話が明後日の方へ。
キース君を除いたシャン学メンバー、必死に笑いを堪えております。

サム  「いやー、最高に笑えるぜ、これ」
ジョミー「喋れないと悲惨だよねえ、自分じゃ言い訳出来ないもんね」
シロエ 「キース先輩、立派にパニック状態ですよ」

英語で喚けば通じる筈、とシロエ君。

シロエ 「封印中だって話ですけど、言葉はちゃんと聞こえますよね」
スウェナ「そういえば…。一方的でも伝えられないわけじゃないわね」
サム  「なんか必死に叫んでるけど、もつれてやがるぜ」
マツカ 「だんだん気の毒になってきましたよ」
ジョミー「面白いから放っておこうよ」

ズレにズレまくった通訳を間に挟んでの会話。
肩で息をするキース君ですが、「変な坊主」のレッテルがベタリと。

女性  「ホントにおかしなお坊さんねえ、聞けば聞くほど」
キース 「だからだ、俺はこれでも副住職だ、と!」
女性  「あら、お寺の仕事はしているわけね?」
キース 「当然だろうが!」
女性  「それじゃ、お守りも売っているのかしら?」
キース 「は?」
女性  「お寺って色々売っているでしょ、お守りってヤツを」

旅の記念に集めているのよ、とニッコリ微笑むイングリッドさん。
なかなか面白そうですけれども、元老寺にお守りはありましたっけ…?

2014/02/09 (Sun)

 

☆異文化に懲りた人


一人旅中のイングリッドさん、お守りを集めているそうでございます。
キース君が副住職と聞いて、売っているのかと質問が。

女性  「売っているんなら欲しいんだけど」
キース 「いや、ウチは扱っていないんだが…」
女性  「あら、そうなの? ちょっと残念」

予定外のお寺のお守りゲットのチャンス、と思ったのだとか。

女性  「こんな所で遊んでる辺り、有名なお寺じゃないんでしょ?」
キース 「…微妙に傷つく言われ方だな」
女性  「傷ついたってコトは当たっているのね?」
キース 「悪かったな! ウチは知る人ぞ知る穴場の寺で!」
女性  「お守りも売っていないのに?」
キース 「良心価格の宿坊が売りだ! それと除夜の鐘とで地味に!」
女性  「宿坊に泊まる趣味は無いのよねえ…。一度で沢山」

もう懲り懲り、とイングリッドさん。

女性  「安く泊まれて異文化体験、と聞いたから期待してたのに」
シロエ 「朝晩のお勤めがあったんですね、分かります」
女性  「足は痛いし、何をやってるのかサッパリ謎だし…」
サム  「素人さんには普通に謎だぜ、この国のヤツでも無理だしよ」
マツカ 「お経自体が分かりませんしね」
スウェナ「そこへ正座がセットでしょ? 私でも嫌よ」
女性  「あらまあ、この国の人でも無理があるのね」

だったら余計に二度と御免よ、とウンザリした顔。

女性  「お守りだけにしておくわ。…ところで、ナントカの鐘は?」
キース 「除夜の鐘なら年に一度だ、ウチのは人気が高いんだがな」
シロエ 「キース先輩の家は立地条件がいいんですよ」
女性  「それはどういうイベントなの?」
キース 「年の終わりに一年間の煩悩を清め、新しい年に備えるんだ」
Aブルー「姫はじめとセットが最高なんだよ!」
女性  「……姫はじめ?」
一同  (((…や、ヤバイ…)))

後ろの座席で声を張り上げ、話に乱入してきたソルジャー。
バカップルなんぞに出て来られたら最悪なことになるのでは?

2014/02/10 (Mon)

 

☆異文化な行事


イングリッドさんから質問された除夜の鐘。
一年間の煩悩を流すと答えた途端に、姫はじめだと叫んだソルジャー。

Aブルー「除夜の鐘ってヤツは御利益たっぷり!」
女性  「………。後ろの二人もお友達なの?」
一同  「「「他人ですっ!」」」
女性  「言葉は通じるみたいだわねえ…」
キース 「関わると思い切り後悔するぞ!」
女性  「…ということは、やっぱり知り合いなのね」

ふうん…、とバカップルをチラ見するイングリッドさん。

女性  「あの座り方は何なのよ?」
シロエ 「ですから、他人ですってば! 知りませんよ!」
女性  「…そういうことにしてもいいけど…」
キース 「頼むから是非、そうしてくれ!」
女性  「分かったわ。それじゃあなたに訊くしかないわね」
キース 「何をだ?」
女性  「除夜の鐘とセットの姫はじめって、何よ?」

どういう御利益があるのかしら、と異文化に興味津々な様子。
セットものだと本気で信じているようで。

女性  「煩悩とやらを清めた後にするのが姫はじめね?」
キース 「そ、そういうわけではないんだが…!」
女性  「でも気になるわよ、姫はじめもね」

ケチっていないで教えて頂戴、と言われましても。

シロエ 「…なんだか視線が痛いような気が…」
ジョミー「ぼくたち、ガン見されてない?」

バスの乗客があちらこちらでヒソヒソ、コソコソ。
聞き耳を立てれば「姫はじめ」がどうこうとイヤンな台詞が。

サム  「やべえよ、余計な言葉を聞かれちまったみてえだぜ?」
シロエ 「バカップルとセットなのもバレたんでしょうか?」
キース 「…そこまで身バレはしていない、と思いたいんだが…」
女性  「姫はじめというのは何かマズイの?」
一同  (((うわぁぁぁ!!)))
女性  「どういう行事よ、その姫はじめ」
一同  (((まだ言うかーっ!!!)))

もうこれ以上は言わないでくれ、と泣きの涙の御一同様。
今年もバスは猥談地獄へまっしぐらですか?

2014/02/11 (Tue)

 

☆異文化な秘伝


姫はじめが気になるイングリッドさん、うら若い上にかなりの美人で。
ただでも目を引く外国人女性がアヤシイ単語を連発となると…。

女性  「なんでそんなに慌てるのよ?」
キース 「あんた、空気が読めないのか!」
女性  「……空気?」

イングリッドさん、車内をキョロキョロ。
あちこちで乗客が不自然に目を逸らしております。

女性  「…分かったわ。要は姫はじめが問題なわけね」
キース 「だから言うなと!」
女性  「もしかしなくても秘伝の類?」
一同  「「「は?」」」
女性  「この国に秘かに伝わる行事で、他人には教えられないとか」
一同  「「「………」」」

ものの見事に勘違い。
しかしチャンスなわけでして…。

キース 「ま、まあ、早い話がそういうことだ」
シロエ 「迂闊に喋ると仏様の罰が当たるんです」
女性  「神様じゃなくて?」
キース 「除夜の鐘は寺の行事だからな。当然、仏様の管轄だ」
女性  「…それなら無理に訊くのもねえ…」
シロエ 「ぼくたちの国にも色々と事情があるんですよ」
キース 「というわけで、忘れてくれると有難いんだが」
女性  「……気になるんだけど……」

仕方ないかしら、と考え込んでいるイングリッドさん。
頼むからもう忘れてくれ、と祈りのシャン学メンバーですが。

女性  「そうだわ、私にも権利はあるのよ!」
一同  「「「えっ?」」」
女性  「この国の言葉は喋れないけど、権利はある筈!」
キース 「何の権利だ?」
女性  「聞く権利! この国の血が流れていればいいんでしょ?」
キース 「あんた、ハーフか!?」
女性  「祖父がこの国の出身なのよ」

聞くだけならば秘伝もオッケー、とイングリッドさん、ニッコリと。

女性  「どうやら本物の秘伝らしいし、聞いて帰るわ」
一同  (((うわぁぁぁぁぁ!!!)))
女性  「旅の記念に最高だわね」

チャンス転じて大ピンチ。
姫はじめを語るしかなさそうですけど、この先、どうなる?

2014/02/12 (Wed)

 

☆秘伝を叫ぶ人


姫はじめは秘伝で外国の人には教えられない、と口から出まかせ。
逃げ切れたかと思っていれば、イングリッドさんにはこの国の血が…。

女性  「とりあえず何なのか教えて頂戴、姫はじめとやら」
一同  (((…ま、マズイ…)))
女性  「御利益の方もよろしくね」
キース 「…い、いや、それが…」
ブルー 「大きな声で言えるものではないんだよ、これが」

せめて声のトーンを落としてくれ、と生徒会長。
バスの乗客、またしてもガン見してますし…。

女性  「あら、そうなの? だけどさっきは叫んでたわよ?」

あっちの人が、と指差す先にバカップル。
相も変わらず密着中で、膝に抱っこで二人掛けですが。

Aブルー「姫はじめだったら任せといてよ!」
一同  (((ぎゃあああ!)))
女性  「お願いしてもいいかしら? ところで、ちょっと」

イングリッドさん、生徒会長をジロリ。

女性  「何で今のを通訳しないの?」
ブルー 「…そ、そ、それは…」
Aブルー「通訳だったら、ぼくもオッケー! ちなみに今のは!」
ブルー 「やめたまえ!!」

そっちの方がより恐ろしい、と生徒会長、顔面蒼白。

ブルー 「分かったから! ぼくが通訳するから!」
女性  「それでいいのよ、お友達にも通じてないと困るでしょ?」
一同  「「「困りませんっ!」」」
女性  「まあいいけど…。で、姫はじめって何かしらーっ?!」
一同  (((うわぁぁぁぁ!!!)))

大きな声でソルジャーに向かってお尋ねが。
キャプテンの膝に座ったソルジャー、負けじと声を張り上げまして。

Aブルー「一月の二日の夜の行事で、煩悩ゲット!」
女性  「煩悩って何ーっ!?」
Aブルー「除夜の鐘を撞いたら流れ去るヤツで、色々とーっ!」
A船長 「大晦日の夜に撞くのが除夜の鐘ですーっ!」
Aブルー「そこで流れた煩悩ゲットが姫はじめでーっ!」

イングリッドさんは興味津々で聞いてますけども。
この続き、思いっ切りヤバいのでは…?

2014/02/13 (Thu)

 

☆夫婦で仲良く


バカップルとイングリッドさん、姫はじめについて大きな声で会話中。
逃げ道を失くしたシャン学メンバー、針の筵でございます。

ジョミー「もうダメだあ…」
ブルー 「ぼくも通訳したくないけど…」

バスの乗客の視線がグサグサ、しかも話はヤバイ方へと。

女性  「煩悩ゲットって、どうやるわけーっ!?」
Aブルー「一月一日の夜だと早過ぎでーっ!」
Aブルー「二日の夜がいいんだそうですーっ!」
女性  「一月二日ねーっ?」
Aブルー「二日の夜に仲良くしてればゲットできるってさーっ!」
女性  「……仲良く?」
Aブルー「夫婦仲良く一晩中とかーっ!」
A船長 「それを姫はじめと言うんだそうですーっ!」
一同  (((ぎゃあああああ!)))

ついに言われた、と泣きの涙のシャン学メンバー。
乗客の視線がグサグサグッサリ、去年以上の猥談地獄というヤツで。

女性  「なるほどねえ…」
Aブルー「すっごく効くから! 夫婦の時間に御利益バッチリ!」
A船長 「もう素晴らしい毎日です! 充実してます!」
女性  「…もしかして、あなたたち、夫婦だとか?」
Aブルー「見たら分かると思うけど?」

ねえ? とキャプテンを振り返るなり熱いキッスが。
猥談地獄に続いてバカップル全開、ガン見する人やら咳払いやら。

キース 「…人生終わった…」
女性  「あら、向こうの二人もお友達でしょ?」
シロエ 「違いますってば!」
女性  「でも…」
Aブルー「姫はじめの時に夜食の差し入れを貰ったからーっ!」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ 頑張ってたもんねーっ!」
女性  「ふふ、小さな子供は正直ね」
ぶるぅ 「ぼく、いい子だもん!」

エッヘンと胸を張る「そるじゃぁ・ぶるぅ」。
バカップルとの関係もバレたシャン学メンバー、万事休す。

女性  「夫婦のためのイベントねえ…」
Aブルー「ホントのホントに効くんだってば!」

あれ以来ハーレイが凄くって、とソルジャー、ニコニコ。
まさか凄さを語る気だとか?

2014/02/14 (Fri)






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