生徒会長の提案、エア散華。
花びらを撒くふりをしながら歩くキース君、なかなか見事でございます。
「さんかーらーく」と生徒会長が唱える度に右手を優雅な仕草で上へと。
ジョミー「へえ…。なんかけっこうサマになってる」
マツカ 「凄いですねえ、ホントに舞ってるみたいですよ」
サム 「おっと、そろそろフィナーレだぜ」
ブルー 「しょーたーいほーさー、じーとうちょーう、さんかーらーく」
ゆっくりと右手を下ろし、エア散華を終えたキース君に全員、拍手喝采。
生徒会長も満足そうです。
シロエ 「凄かったですよ、キース先輩!」
キース 「そうか? どうも俺にはエアというのは…」
スウェナ「ああいう舞ってテレビで見たわよ、大河ドラマで」
サム 「俺も見た、見た! 歴史の勉強になるから見ろって言われて」
ジョミー「白拍子だっけ? 巫女さんみたいな格好のヤツ」
キース 「おい、お前ら…」
不吉な単語を口にするな、と顔を顰めたキース君ですが。
ブルー 「みんな、いい所を見ているね。白拍子のルーツは巫女舞だよ」
マツカ 「そうなんですか?」
ブルー 「白拍子を連想出来たってことはキースの舞の基礎はバッチリ」
キース 「散華と白拍子を一緒にする気か、罰当たりな!」
ブルー 「所詮エアだし、いいじゃないか。神楽舞をよろしく頼むよ」
キース 「く、くっそぉ…」
見事な舞だと評価されただけに、キース君に逃げ場はございません。
今はこれまでか、と思われましたが。
キース 「じゃあ、そう言うあんたはどうなんだ!」
ブルー 「えっ?」
キース 「俺より年季が入ってる分、更に優雅に舞える筈だよな?」
ブルー 「そりゃまあ…。で、ぼくの年季がどうしたって?」
キース 「俺を見世物にしやがって! あんたもやれ!」
ブルー 「エア散華は趣味じゃないんだよねえ…」
どうせならもっと本格的に、と生徒会長は何やら考え込んでおります。
エア散華ならぬ本物の散華が始まりそうな雰囲気ですよ~!
拍手ありがとうございました!
お田植え祭でキース君に神楽舞を舞わせようという生徒会長。
舞の腕前を皆で確認するのも一興、と提案してきたのがエア散華とやら。
キース 「すまん、あんた今、なんと言った?」
ブルー 「エア散華だけど」
キース 「何なんだ、それは! 俺はそんなものは知らないぞ!」
ブルー 「そうかなぁ? 若くないねえ、エアと言ったらエアだろうに」
キース 「だから何だと聞いている!」
ブルー 「エアバンドとか、エアギターとか…。知らないわけ?」
キース 「………。ま、まさか…」
ブルー 「やっと分かった? エア散華の意味」
キース 「なんで散華がエアになるんだ!」
ブルー 「散華じゃピントがズレるからだよ、散華の方に目が行くから」
エアと言ったらエアなんだ、と生徒会長は主張しております。
早い話が散華に使う紙の花びらは抜きで散華をやれということで…。
ブルー 「簡単なことだろ、散華を作る手間も省けて楽勝だ」
キース 「あんた、本気で言ってるのか? 仏様に失礼だろうが!」
ブルー 「坊主の言葉とも思えないねえ、お経自体は普段のヤツだよ」
サム 「だよなぁ、俺も朝のお勤めで読むもんな」
読経するだけで散華は無いぜ、とサム君も生徒会長の肩を持ち。
キース 「くっそぉ、なんでこういうことになる…」
ブルー 「君がどれだけ優雅に舞えるか、それを確かめなくっちゃね」
よく見るように、と言われたシャン学メンバー、興味津々。
キース君は左手にお盆を乗せたようなポーズでスタンバイ中。
ブルー 「じゃあ、ぼくが唱えるから頑張って」
サム 「俺は?」
ブルー 「キースを見るのが最優先だよ。ぼくだけでいい」
せーの、と掛け声をかけた生徒会長、朗々と読経を始めました。
それに合わせてキース君が滑るように歩き始めて…。
ブルー 「じーとうちょーう、さんかーらーく…」
キース君の右手が見えないお盆から何かを摘み上げ、ゆったりと上へ。
その所作はまさに舞そのもの。
これが噂のエア散華?
以下、拍手レスです~。
神楽舞も散華も似たようなものだ、と言われてしまったキース君。
反論しようとしたのですけど、田んぼの脇で言い争いは不毛なもので…。
ブルー 「そろそろ河岸を変えようか。打ち合わせには不向きだし」
シロエ 「どう転んでも田植えでしょう? それと神楽舞」
ブルー 「お田植え祭の準備が始まるんだよ、邪魔したら悪い」
サム 「田んぼなら此処にあるじゃねえかよ」
ブルー 「まさか全部を手で植えるって? 専用のヤツを用意するのさ」
その辺の空きスペースに、と言われてみれば未使用の場所が。
区画を示すためなのでしょう、テープで仕切りがされております。
ブルー 「小さめの田んぼを作って、そこの隣で神楽舞を…ね」
シロエ 「それでお祭りなんですか…」
ブルー 「クルーも見物しに来るんだから賑やかになるよ」
楽しみだよね、と農業専用スペースを出てゆく生徒会長。
お田植え祭をやらされる方のシャン学メンバーも続いてトボトボと。
居住区の共有スペースに戻った所で生徒会長がニッコリ笑って…。
ブルー 「田植えの方は簡単なんだ。こう苗を持って植えるだけさ」
ジョミー「だけど田んぼに入るんだよね?」
ブルー 「まあ、泥がつくのは仕方ないよね。そういうものだし」
シロエ 「約束事は無いんですね? 歌を歌えとか、そういうのは」
ブルー 「田植え歌の代わりに神楽舞だよ。キースの見せ場だ」
キース 「俺には無理だと言ってるだろうが、舞なんて!」
ブルー 「そうかなぁ? みんなの意見も聞いてみようよ」
ジョミー「ぼくはキースに一票でいいよ」
サム 「俺も、俺も!」
ブルー 「そんなのじゃなくて、舞の腕前」
全員 「「「は?」」」
ブルー 「優雅な動きが出来るかどうか、そこを見るのも一興かと」
キース 「あんた、どうしろと言うんだ、俺に!」
ブルー 「エア散華」
全員 「「「エア散華?」」」
散華ならまだ分かりますけど、エア散華とは何でしょう?
聞き間違いか、はたまた空耳アワー?
キース君に振られた役目は神楽舞な上に巫女さんで。
おまけに生徒会長曰く、舞は舞えなくても基礎はバッチリある筈だとか。
その根拠として散華などと申しておりますが…。
キース 「馬鹿野郎、散華の何処が基礎になるんだ!」
ブルー 「立派に基礎だと思うけどねえ?」
ジョミー「散華って、何さ?」
ブルー 「お寺の法要で撒く花びらだよ、紙で作ってあるんだけれど」
サム 「あー…。ひょっとしてアレかな、朝のお勤めで唱えてるヤツ」
ブルー 「そうそう。あのお経に合わせて撒くというのがお約束さ」
綺麗なんだよ、と生徒会長。
花びらの形に切っただけの散華もあるそうですが、模様入りなども。
シロエ 「それが神楽舞と何か関係あるんですか?」
ブルー 「直接は関係ないんだけどね、散華の作法はうるさいんだな」
ジョミー「厳しいわけ?」
ブルー 「まあね。お寺の儀式ってヤツは足の運びまで決まってるけど」
どちらの足から先に出るとか、畳を何歩で横切るだとか。
お寺の儀式は細かい作法に縛られまくっているそうですけど…。
ブルー 「足運びはまだマシなんだよ。ドジを踏んでもそう響かない」
キース 「そうでもないぞ。親父に何回怒鳴られたことか…」
ブルー 「アドス和尚の方針はともかく、見た目にバレなきゃ無問題」
サム 「なるほどなぁ…。右か左かなんて見てねえもんな」
ブルー 「一般人だと余計にね。そもそも作法を知らないからさ」
ところが散華はそうはいかない、と生徒会長はニッコリと。
ブルー 「紙の花びらが舞うんだよ? 素人さんでも注目するさ」
スウェナ「そうね、私も見てみたいもの」
ブルー 「そうだろう? だから優雅な動きをしないとダメってわけ」
シロエ 「ああ、それで舞の基礎だというわけですか」
ブルー 「ご名答。法衣の袖から腕が出すぎただけでもアウト」
とにかく美しい所作が大切、と生徒会長は力説しております。
確かに舞との共通点はありそうですけど、キース君の運命や如何に?
お田植え祭をやれと言われたシャン学メンバー。
よりにもよって女装祭りで、茜襷に菅の笠で田植えだそうでございます。
しかし、そんなものは序の口で。
キース 「俺だけ巫女さん役とはなんだ! 誰でもいいだろうが!」
ブルー 「言った筈だよ、君が有望株だって」
キース 「俺は坊主で神職じゃない! 巫女さんといえば神職だ!」
ジョミー「巫女さんってさぁ、バイトがメインだと思うけど?」
キース 「それは初詣の巫女さんだ! ちゃんと本職の人もいる!」
ブルー 「その本職に負けない巫女さんが欲しいんだよ、ぼくは」
神楽舞を舞うんだから、と生徒会長。
確かにバイトの巫女さんに神楽舞は無理がありますが…。
キース 「本職に負けない巫女さんだと? 正気か、あんたは」
ブルー 「至って正気で、真面目に本気。君を見込んでいるんだけどな」
シロエ 「でもキース先輩はお坊さんですよ。まず髪の毛が問題です」
サム 「あー、巫女さんって髪が長いのがデフォだよなあ」
スウェナ「つけ毛の人も多いわよ? バイトの人は」
ジョミー「それでも長く見えるようにしてるよねえ…」
マツカ 「極端に短い人っていうのは見かけませんよね」
お坊さんとは違うんじゃないの、と誰もが首を傾げております。
正真正銘の本職の坊主、キース君に巫女さんの素質は無いのでは…。
キース 「見ろ、ジョミーたちも違うと言ってるぞ」
ジョミー「あ、それと巫女さん役とは別だからね!」
サム 「そうそう、俺たちは引き受ける気は全くねえから」
ブルー 「焦らなくても大丈夫だよ。最初から期待はしていない」
スウェナ「そうなの?」
ブルー 「キースにしか出来ないと思うんだよね、神楽舞は」
キース 「俺は舞など舞ったことはない!」
ブルー 「舞の経験は無いだろうけど、基礎はバッチリある筈だよ」
キース 「どんな基礎だ、どんな!」
ブルー 「散華」
全員 「「「さんげ?」」」
ニッコリ笑う生徒会長。
基礎バッチリの散華って、なに?
