拍手ありがとうございました!
大晦日の夜に新しい年の恵方へ向きを変える恵方社。
来てみれば小さな祠でしたが、その前で恵方巻を食べようと並ぶ人の列が。
シロエ 「えっと…。池の向こう側まで回り込んでるみたいですよ」
サム 「こりゃ百人じゃ済まねえかな? 待ち時間も長くなりそうだぜ」
マツカ 「恵方巻ですし、冷えても不味くはならないでしょうけど…」
キース 「問題はこの寒さだな。また雪が降りそうな空模様だぞ」
スウェナ「でも並ぶしかないのよね。早く行きましょ」
ブルー 「大丈夫。そこはしっかり奥の手がある」
全員 「「「え?」」」
ブルー 「ついておいでよ、順番待ちはバッチリだから!」
生徒会長、行列を「ちょっと失礼」と横切り、恵方社だという祠の方へ。
叱られるのでは、とシャン学メンバーはドキドキですけど、願い事に来た
人たちは流石にお行儀が良く、快く道を空けてくれます。
ブルー 「よしよし、ちゃんと場所取りしてるね。お待たせ、ハーレイ!」
全員 「「「教頭先生!?」」」
祠の横に立っていたのはコートを着込んだ教頭先生。
笑顔で手招きしています。
ハーレイ「仕事を済ませてすぐに並びに来たんだぞ。一番だったが」
ブルー 「ごめん、ごめん。こっちにも色々都合があってさ」
ハーレイ「連れが後から来ますんで、と先に参って頂いている」
ブルー 「でないと列が進まないしね。もう並んでもいいのかな?」
次の人 「どうぞ、どうぞ。長い間お待ちだったようですよ」
ブルー 「それじゃ遠慮なく。はい、ハーレイの分の恵方巻」
ハーレイ「すまんな。代金の方は振込み済みだ」
ブルー 「ここのは本当に美味しいよ。でも、味よりも願い事だよね」
並んで、並んで…と割り込みの列を整理する生徒会長。
教頭先生は当然のように最後です。
ブルー 「ここもジョミーが一番福で」
キース 「妥当な線だな」
失敗するなよ、とキース君。
二礼二拍手一礼の作法も指導しています。
ジョミー君はラストチャンスを活かせるのか?
開運祈願の御祈祷済みという高級料亭の恵方巻。
同じ食べるなら最高の場所で恵方を向いて、と生徒会長は申しております。
今年の恵方は北北西ですが、磁石なんかを使わなくてもドンピシャという
凄いスポットがあるそうで…。
キース 「恵方社のある寺には何度か行ったが、恵方社は見た覚えが無いな」
ブルー 「とても小さな祠だからね。祠を乗っけた石の台座が回るんだよ」
シロエ 「中華料理のテーブルみたいですね」
ブルー 「理屈としては似てるかな。土台の上に円形の台座で、その上に祠」
毎年、大晦日の晩にお坊さんが祠に祈祷し、その後で数人がかりで台座を
回して祠の正面を恵方に向けて、再び御祈祷。
それが『恵方の改め式』で、お参りした人には年越し蕎麦のお接待が。
ジョミー「ちょ、ちょっと待ってよ。お坊さんが祈祷するわけ?」
ブルー 「お寺の境内なんだから、当然だろう。それが嫌なら残るんだね」
ぼくたちだけで出掛けるから、と言われてジョミー君は大慌て。
最強の恵方巻スポットを逃すわけにはいきません。
ジョミー「行くってば! もう後が無いし!」
ブルー 「その勢いで頑張りたまえ。さて、どうやって行こうかな?」
ぶるぅ 「近所の公園、誰もいないよ」
ブルー 「あ、本当だ。だったらパパッと飛んじゃおう」
寒いですからコートを着込んで、瞬間移動でいざ出発!
恵方巻が入った料亭の袋は「そるじゃぁ・ぶるぅ」が提げています。
降り立った小さな公園を出て、少し歩くと石の玉垣と石の鳥居が。
シロエ 「ここでしたか。ずっと神社だと思ってました」
ブルー 「山門が無くて鳥居だからね。だけどホントにお寺なんだよ」
本堂はあっち、と示された先にお堂と庫裏がございます。
しかし境内の殆どを占めるのはパワースポットで知られた池。
ブルー 「うーん、やっぱり先客多数か」
キース 「おい、ライバルは多いぞ、ジョミー」
境内にはズラリ行列が。
恵方社の前で恵方巻、と並ぶ人たちの最後尾は何処に…?
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七福神巡りで坊主祈願をしてしまったと知り、真っ青になったジョミー君。
仏様への誓いを撤回するには神様なんだ、と燃えていたのに…。
ジョミー「ど、どうしよう…。これって撤回出来ないの?」
ブルー 「七福神巡りは夕方で閉門、今から行っても入れないよ」
キース 「諦めて高僧を目指すんだな。もう後が無いぞ」
ブルー 「でなきゃダメ元で恵方巻だね。開運祈願の御祈祷済み」
ジョミー「お願い事をしながら食べるんだよね。それで効く?」
ブルー 「どうなんだか…。最高の場所を用意するから頑張りたまえ」
サム 「恵方を向いて食べるだけだろ? 場所も関係するのかよ?」
ブルー 「実は隠れた名所があってね。その名もズバリ恵方社なんだ」
全員 「「「恵方社?」」」
ブルー 「その年の恵方に向けて祠の向きが変わるんだよ」
キース 「そういえば…。しかし、あそこも寺だったような…」
ブルー 「ソレイド八十八ヶ所を創ったお大師様の宗派の、ね」
ジョミー「ま、また、お寺…?」
ブルー 「お寺の境内にあるだけだよ。七福神と同じで神社だってば」
キース 「恵方社は他に無いと聞いたな」
ブルー 「うん、この国でたった一つだけ! 凄く御利益ありそうだろ?」
恵方社はアルテメシアの中心部にひっそりとあるのだそうでございます。
境内の池は涸れたことが無く、パワースポットとしても有名。
ジョミー「行く、行く! そこでお願いする!」
ブルー 「これが最後のチャンスだからね。全身全霊で祈願したまえ」
恵方巻を食べるなら恵方社の前で、という人が最近多いのだそうで。
お願い事の数が多いのですから、叶えて頂くには祈願する方も根性が…。
ブルー 「いいかい。目を閉じて一言も喋らず、頭の中はお願い事だけ!」
ジョミー「それを恵方に向いてだよね?」
ブルー 「恵方社に向き合えば恵方に向く。祠に向かって黙々と、だよ」
努力あるのみ、と生徒会長。
恵方巻に託されたジョミー君の切なる願いは神様の元へ届くのか?
拍手ありがとうございました!
七福神巡りも無事に終わって、生徒会長の家でのんびりと。
この後に控えるのは節分のメインイベント、恵方巻と豆まきでございます。
キース 「ジョミーは当分、起きそうにないな」
ブルー 「いいんじゃないかな、恵方巻は日が暮れてからだしね」
シロエ 「特注品って聞いてますけど、届くんですか?」
ブルー 「うん、料亭から直接ね」
そうこうする内に日が暮れ、チャイムの音が。
マンションの管理人さんが恵方巻を受け取り、家へ届けに来てくれました。
ぶるぅ 「かみお~ん♪ 恵方巻だよ!」
ジョミー「えっ、なに、なに? 恵方巻?」
ガバッと飛び起きたジョミー君ですが、横に落ちていた福笹を見て思案顔。
どうやら記憶が無いようです。
ジョミー「あれ? いつの間に帰って来たんだっけ?」
ブルー 「湯豆腐を食べて、それからすぐに…ね。君も賛成してただろう」
ジョミー「湯豆腐って? そんなの何処で食べたっけ?」
キース 「絶望的だな…」
シロエ 「お寺に来たら精進料理ってジョミー先輩が言ったんですよ」
サム 「うんうん、最後の塔頭でな。でもって、そこで湯豆腐を食ったぜ」
スウェナ「もしかして覚えていないとか? 甘酒を飲んでそこから後は」
ジョミー「甘酒…。えっと、お坊さんたちがお接待してて…。あれれ?」
シロエ 「先輩、笑顔で手を振りましたよ。服は緋色が最高ですよね、って」
ブルー 「そうそう、緋色の衣を目指すと七福神にお願いもしたし」
ジョミー「ちょ、ちょっと…。それ、本当?」
ブルー 「嘘だと思うなら見てみるといい。これがぼくの記憶。こっちが…」
ジョミー「え? えぇっ?」
次々と思念波で見せられた皆の記憶に、ジョミー君、顔面蒼白です。
そりゃそうでしょう、七福神巡り七ヶ所の内の四ヶ所で坊主祈願では…。
ジョミー「やばいよ、これ…」
ブルー 「さあね?」
七福神へのお願い事は多数決で坊主祈願に軍配が。
ピンチに陥ったジョミー君ですけど、起死回生のチャンスはあるのかな?
拍手ありがとうございました!
お寺に来たら精進料理。
七福神巡りで訪れた最後の塔頭は、名物料理が湯豆腐だそうでございます。
ジョミー君も大賛成とあって、お昼は此処で。
ブルー 「寒い日は鍋に限るよね。湯豆腐が鍋かどうかは微妙だけどさ」
キース 「鍋…なんじゃないか? 最初から机に乗ってるんだし」
シロエ 「ですよね、料理よりも先に炭火が来ましたもんね」
ぶるぅ 「湯豆腐で炭火は珍しいんだよ。お豆腐もいいのを使ってるし!」
だから大好き、と「そるじゃぁ・ぶるぅ」。
炭火の上に置かれた鍋ではお豆腐がグツグツ煮えております。
お料理の方は精進とはいえ、天麩羅は揚げたて、炊き合わせも熱々。
ジョミー「なんか幸せな気分になるよね、雪を見ながら湯豆腐ってさ」
ブルー 「お願い事も出来たしね。頑張ってお参りしたんだ、きっと叶うよ」
ジョミー「そうこなくっちゃ! あ、この後はどうするの?」
ブルー 「恵方巻も豆まきも夜のものだし、ぼくの家に遊びに来ないかい?」
サム 「行く、行く! 俺は喜んで行くぜ」
キース 「この雪だしな…。そうさせて貰えると有難い。風邪は困るんだ」
お坊さんの毎日は読経がつきもの。
風邪を引いて喉をやられると非常に苦労するのだそうで…。
ブルー 「じゃあ、食べ終えたらぼくの家だね。帰りは直行便といこうか」
ぶるぅ 「人は多いけど、境内の奥には行かないもんね」
そこからパパッと瞬間移動、と帰りのルートも決まりました。
湯豆腐で温まった後は福笹を手に境内を歩き、観光客も来ない奥の方へと。
ブルー 「ここまで来れば大丈夫。飛ぶよ、ぶるぅ!」
ぶるぅ 「かみお~ん♪」
アッと言う間に生徒会長の家に到着です。
暖房の効いたリビングに座り、外の雪など眺めながら。
キース 「いいお参りが出来て良かった。俺も精進しないとな」
ブルー 「ジョミーには負けていられないって? もう寝てるけどね」
酔っ払った上にお腹も一杯、ジョミー君は幸せ気分で爆睡中。
目が覚めるのは夕方かな?
