初日の出のフライング柏手に始まり、伝統おせちへの文句に肉まん。
肉まんだけは濡れ衣でしたが、次から次へとドツボにはまったジョミー君。
とうとう未来に貯金する羽目になってしまって…。
アドス 「いやあ、正月早々、実にめでたい。説法会が楽しみですなあ」
ブルー 「まだまだ先になるけどねえ…。ジョミーは住職の資格が無いし」
アドス 「なあに、その内に取れますでしょう。ひとつ頑張って頂いて」
ささ、どうぞ、とジョミー君に杯を差し出すアドス和尚。
顔面蒼白のジョミー君ですけど、これを断ったら更なるドツボに…。
ジョミー「わ、分かったよ! 何十年かかるか知らないけれど!」
アドス 「百年後でも結構ですぞ。気長にお待ちしておりますわい」
ジョミー「期待されても困るんだけど…。って、これ、お酒!?」
アドス 「わしの秘蔵の大吟醸でしてな、祝い事にはこれが一番で」
一気に飲み干したジョミー君の杯に再び大吟醸がトクトクトク…と。
どうやら飲み口が最高らしく、ジョミー君、どんどん飲んでおります。
未成年なのにいいんでしょうか…?
シロエ 「大丈夫でしょうか、ジョミー先輩…。出来上がってませんか?」
ブルー 「もう充分に大トラだよ。午後の部の下足番には使えないね」
イライザ「よろしいんですのよ、未来に役立って下されば」
キース 「俺とジョミーで説法会か…。サムも来るなら賑やかになるな」
マツカ 「ぼくもお手伝いさせて頂きますよ、裏方でしたら」
スウェナ「私でも配膳くらいは出来そうね」
ぶるぅ 「じゃあ、ぼく、お料理を手伝いに来る! レシピも増やして」
ブルー 「だったら、ぼくはゲスト出演しようかな」
イライザ「銀青様に来て頂ければ最高ですわ。素敵な会になりますわね」
ジョミー「頑張るぞー! ハゲは坊主の職業病だぁー!」
坊主バンザイ、と出来上がっているジョミー君。
とんだ元日になりましたけど、お目出度いのはいいことです。
謹賀新年、今年もいい年になりますように~!
※シャングリラ学園シリーズの本編全話と番外編のバックナンバー、及び
「そるじゃぁ・ぶるぅ」誕生秘話とも言うべき『シャングリラのし上がり日記』を
収録しました『シャン学アーカイブ』を作ってみました。
各作品内のお話のタイトル別に簡単な説明などもついております。
バナーは暫定品ですが、ご興味がおありでしたらどうぞv
シャン学アーカイブ
拍手ありがとうございました!
未来に貯金だの精進料理を看板にだのと、考えがあるらしいイライザさん。
しかしジョミー君に貯金の才能は無く、強制的に集金するしか…。
ジョミー「え、えっと…。貯金しなくちゃいけないわけ? 絶対に?」
イライザ「今すぐとは申しておりませんわ。出世払いで構いませんのよ」
全員 「「「出世払い?」」」
イライザ「ええ。お坊さんになられた時で結構ですの」
ジョミー「ならないし! それくらいなら貯金するし!」
ブルー 「どうだかねえ…。ぼくも君の未来に期待してるし、その方向で」
アドス 「そうでございますな、出世払いも大いに結構」
キース 「おふくろ、出世払いというのは何だ?」
イライザ「あなたにも関係ありましてよ? 説法会をしたらどうかと」
アドス 「ほうほう…。キースやジョミー殿ならお若いですから」
イライザ「お寺に興味が無いような年頃の方も呼べると思うんですの」
ブルー 「なるほどね。そこでジョミーが説法を…、と」
イライザ「説法会は高僧に限ると決まったものでもございませんでしょ」
ブルー 「親しみやすい若いお坊さんが法話をするというのもいいねえ」
イライザ「そうですの。高僧になられたら会の評判も上がりますし」
アドス 「それで出世払いと言っておったか。名案じゃな」
イライザ「ジョミーさんが慣れない間はキースがメインで宜しいでしょ?」
説法会に来てくれた人に中華な精進料理を振舞うのだ、とイライザさん。
他所のお寺には無い料理だけに、それだけでも人が呼べそうで…。
ジョミー「ちょ、ちょっと! なんで勝手に話が進んで…」
アドス 「黙らっしゃい! イライザが許すと言っておるのですぞ」
ブルー 「御厚意を無にしちゃいけないねえ…。是非そうしたまえ」
サム 「俺も手伝いに来てやるよ、ジョミー。ブルーの弟子だし」
アドス 「おお、サム殿も来て下さいますか。それは有難い」
その会を元老寺の名物に、とアドス和尚は大喜び。
ジョミー君に立った坊主フラグは確定ですか?
元老寺の伝統おせちに文句をつけて叱られてしまったジョミー君。
その罰として本堂の前で、初詣にいらした檀家さんの下足番をする羽目に。
更に肉まんを食べたとあって坊主頭の大ピンチ!
肉まんの方は精進料理だと明らかになり、一安心かと思いきや…。
アドス 「精進料理を看板に、とな? それに未来に貯金とは何じゃ?」
イライザ「事の起こりは伝統おせちでございましょ? お気に召さなくて」
ブルー 「それはジョミーが我儘なだけ! 美味しかったよ」
ぶるぅ 「うん! 丁寧に作ってあったもん」
イライザ「お褒めに与って光栄ですわ。でも、お若い方には向きませんわね」
キース 「俺には馴染んだ味なんだがな…。若者向きではないってことか」
シロエ 「そういうわけでもないんですけど、珍しい方が優先と言うか…」
スウェナ「自分の家では出ないお料理に目が行くわよね」
サム 「だよな。家に帰ったらバッチリ普通のおせちだろうし」
ブルー 「みんな思いは同じだろうけど、ジョミーは口に出したしねえ」
アドス 「そこが問題になるわけで…。坊主は忍耐も大切ですぞ」
ジョミー「だから坊主じゃないってば! 素人だし!」
キース 「ブルー……いや、銀青様に気にかけて頂いておいて素人も何も」
アドス 「ございませんなあ、いずれ高僧になって頂きませんと」
話は更に過去へと遡りつつあるようです。
特大の頭芋で高僧フラグが立った所まで時計の針が逆戻り。
イライザ「そうでしょう? それで未来に貯金を、と」
サム 「ジョミーが貯金? 無理、無理、計画的に使えないヤツだし」
キース 「確かに万年金欠だったな。俺も絶対無理だと思うが」
イライザ「そんな貯金ではございませんの。裏方は任せて下さいな」
キース 「う、裏方? 強制的に徴収するのか、家に押し掛けて」
サム 「それなら確実に押さえられるよな、使い切る前に」
なんと、イライザさんがジョミー君の家まで集金に?
ジョミー君、パパとママに何と言い訳すれば…?
拍手ありがとうございました!
美味しかった食事の後は話がいきなり逆戻り。
元老寺の伝統おせちに文句をつけたジョミー君、ロックオンでございます。
ジョミー「お、おせちのことなら謝るよ! だから時効に…」
アドス 「いやいや、初詣は午後も続きますからなあ」
キース 「檀家さんも食事の御都合があるから、今が昼休みというだけで」
ジョミー「も、もしかして……まだこれから…」
ブルー 「そう、本堂の前で下足番! 坊主頭は免れたんだし問題ないよ」
ジョミー「だけど、ぼくだけ叱られ損だし! 濡れ衣だったし!」
肉まんは蕨だったんだから、と必死に叫ぶジョミー君。
座敷から見える外の雪は午前中よりも激しくなっております。
そんな天気に下足番では霜焼け、あかぎれ間違いなし。
アドス 「ふうむ…。確かに耳まで引っ張ったのはやりすぎでしたな」
ジョミー「そう思うんなら許してよ! 寒いのも坊主頭も嫌だってば!」
アドス 「しかしですな、因果応報、世の習い…とも申しまして」
キース 「そうだぞ、おふくろの心遣いを無にしやがって!」
ぶるぅ 「伝統おせちって大変なんだよ、下ごしらえも時間がかかるし」
ブルー 「食べたら一瞬の黒豆だって、煮るのはとても難しいんだ」
サム 「それをけなして時効はねえよな、今日一日は頑張っとけよ」
ジョミー「で、でも…。あそこ、本当に寒いんだよ!」
アドス 「裏山から吹き下ろしが来ますからなあ…。しかし…」
どうしたものか、と考え込んでいるアドス和尚。
ジョミー君を無罪放免とするか、午後も引き続き下足番を務めさせるのか。
そこへ…。
イライザ「差し出がましいようですけれど、未来に貯金は如何でしょう?」
全員 「「「未来に貯金?」」」
イライザ「お昼に作って下さいました、あのお料理。使えますわよ」
アドス 「使う…とな? 何に使うんじゃ?」
イライザ「元老寺の看板料理ですわ。レシピも教えて頂きましたし」
きっと役立つと思いますの、とイライザさん。
未来に貯金と言っていますが、それってどういう意味なのかな?
本物の肉料理もかくやという外見と味わいが凄い、中華の本場の精進料理。
肉まん事件で激怒していたアドス和尚も大満足です。
アドス 「いやあ、実に素晴らしいものを頂きました。御馳走様です」
ブルー 「凄かっただろう? 普茶料理なんて目じゃないよね」
アドス 「銀青様も御修行中には、あれを召し上がっておられたので?」
ブルー 「まさか。あんなの、この国のお寺じゃ御法度だってば」
肉が食べたくなったら高飛び、と生徒会長は澄ましております。
お坊さんの世界で高飛びと言えば、修行中にお寺を抜け出すことで…。
アドス 「銀青様ほどの御方が高飛びを? 信じられませんなあ…」
ブルー 「ぼくだって最初から高僧じゃないさ。下積み時代もあるんだよ」
キース 「あんた、当時の璃慕恩院のトップの直弟子じゃなかったか?」
ブルー 「そりゃそうだけどさ。仲間との付き合いも大事でね」
アドス 「朋輩は確かに大切ですな。後々、世話になることもございますし」
ブルー 「法類が友達だったりすると心強いよね、色々と」
シロエ 「なんですか、それ?」
キース 「法類か? 平たく言えば親戚付き合いしている寺だな」
ジョミー「親戚…じゃないわけ?」
アドス 「もちろん親戚もおりますぞ。それとは別に同じ宗派の寺ですな」
法類には二つの系統があるのだそうでございます。
住職の師弟、血縁のお寺が身附法類。
同じ宗派で御近所同士、何かと言えば助け合うのが寺附法類。
ジョミー「ミツキホウルイにテラツキホウルイ…? よく分からないや」
アドス 「なあに、追い追い分かって参りますとも。日々精進ですな」
ジョミー「え?」
アドス 「肉まんの件はお詫び致しますが、その前を思い出しまして」
ジョミー「何だっけ…?」
アドス 「そもそもはジョミー殿が伝統おせちに…」
ジョミー「ちょ、ちょっと待って! それって今更言いっこ無しだし!」
時効だよ、と絶叫しているジョミー君。
蒸し返された話の行方はいったいどうなる…?
