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中華料理の本場のお坊さんが考えたという精進料理。
元老寺の座敷の大きな机に、それがズラリと並んでおります。
ブルー 「ほら、これなんかキノコなんだよ。見た目はイカだけどね」
ぶるぅ 「セロリと一緒に炒めてみたよ! 熱い内に食べてね」
アドス 「そ、そうでした。昼御飯用でございましたな…」
ブルー 「暖房が効いてる部屋で良かったよね。とにかく食べよう」
話の続きは食べながら…、と生徒会長。
肉まんで濡れ衣を着せられてしまったジョミー君の件も、とりあえず保留。
ブルー 「修行中じゃないし、食前の作法は省略で。いただきます」
全員 「「「いただきます」」」
料理を作った「そるじゃぁ・ぶるぅ」も両手を合わせて「いただきます」。
はてさて、気になる素材とお味の方は…?
サム 「すげえや、ホントにカニ味噌だ! 味は違うと思ったのに」
キース 「カニ味噌だな…。これの材料は何なんだ?」
ぶるぅ 「えっとね、お豆腐と塩漬け卵の黄身とニンジンだよ」
スウェナ「調味料に秘密があるのかしら?」
ぶるぅ 「ううん、中華の調味料。合わせ方が大事なの!」
シロエ 「この焼き鴨が絶品ですよね。本物の鴨に見えますよ」
マツカ 「皮つきの鴨を焼きました、って感じです。これが湯葉だなんて…」
キース 「湯葉なのか?」
アドス 「精進料理に湯葉は定番ですが…。こんな使い方はしませんな」
ブルー 「だよね。普茶料理には豆腐と山芋のウナギの蒲焼があるけどさ」
ジョミー「ウナギの蒲焼? それも凄いね」
アドス 「いやいや、この料理には敵いませんぞ。焼き豚も実に美味い」
ブルー 「焼き豚と中華ハムは豆腐が材料。干し豆腐だけどね」
ジョミー「それじゃ、こっちの鶏肉は? オレンジの中に詰めてあるヤツ」
ぶるぅ 「筍だよ? 柔らかく煮て、それから潰して炒めるの!」
キース 「これが筍…。信じられんな」
見た目も味も大満足の精進料理。
肉まん騒動はひとまず忘れて、楽しく食べるのが一番ですよね!
蕨粉で作られたという問題の肉まん。普茶料理と呼ぶ精進料理らしいです。
生徒会長曰く、普茶料理のルーツの中華な国では更に凄いそうで…。
ブルー 「なんたって五千年の歴史だからね。そう簡単に諦めないさ」
ジョミー「諦めるって、何を?」
ブルー 「食べたいという食への欲求! お坊さんでも肉は食べたい」
アドス 「普茶料理はその発想から出来た料理だと聞きますなあ…」
ブルー 「でも、普茶料理はこの国の国民性に合わせてアレンジ済みだよ」
ジョミー「アレンジ済み?」
ブルー 「うん。せいぜい肉まん程度かな。ウナギとかもあるけど」
キース 「それだけあれば充分なような…。が、この料理は違うようだな」
テーブルに並んだ中華料理はお肉満載でございます。
災いを呼んだ肉まんの他にも色々と…。
ブルー 「この国じゃ、坊主が肉なんて…って発想だよね。厳格なんだ」
アドス 「もっての他でございますからな、先ほどの肉まんもそうですが」
ジョミー「あれは蕨だったじゃない! …肉まんそっくりの味だったけど」
アドス 「間違えられるほどの味と見かけがいかんのです!」
坊主は黙って精進料理、とアドス和尚は主張しておりますが。
ブルー 「その考えが普茶料理にも入っているんだよ。もどきの限界」
シロエ 「限界……ですか?」
ブルー 「そう、限界。知らない人が見て、肉だと思うようならアウトさ」
キース 「ここにある料理は肉だらけだぞ。これが本場の底力か?」
ブルー 「本場のお坊さんたちの執念と努力の賜物かな。味もそっくり」
アドス 「本当に精進料理だと仰るので? イライザが証人のようですが」
イライザ「お肉は使ってらっしゃいませんわ。でも本物にそっくりですの」
焼き豚に焼き鴨、中華ハム。
鶏肉と野菜の炒め物を飾り切りしたオレンジの器に詰めたもの。
深めのお皿にたっぷり盛られ、スプーンが添えられたカニ味噌なんかも…。
見た目は普通に中華料理のオンパレードです。
これが本場の精進料理…?
ジョミー君に坊主頭の危機をもたらした肉まんは、もどき料理の精進料理。
精進料理はポピュラーですけど、もどき料理って何なのでしょう?
蕨が豚肉そっくりに化けるんですから、ホントに凄い料理ですよね。
ジョミー「ぼく、本物の肉まんだと思ってたもの。もどき料理って何さ?」
ブルー 「アドス和尚は知ってたようだけど、普茶料理」
ジョミー「ふちゃ…料理?」
サム 「俺も名前は知らなかったぜ。すげえなぁ、って見ていただけで」
キース 「普茶料理という名は聞いてはいるが…。食ったことはないな」
ブルー 「それほどメジャーな料理じゃないしね。食べる機会は少ないかな」
アドス 「アルテメシアには普茶料理のお寺はありませんしなあ…」
ブルー 「隣の市まで行かないとね。しかも郊外のド田舎だ」
シロエ 「観光地じゃないってことですか?」
ブルー 「うん。本場のお寺そっくりのお堂とかもあるけど、マイナーだよ」
どうやらローカルなお寺みたいです。
本場のお寺にそっくりってことは、中華風な建築なんでしょうけど。
ブルー 「普茶料理のお寺は他の地方にも幾つかあるんだ。何処も中華風」
マツカ 「それで中華な精進料理になるわけですね」
ブルー 「そういうこと。そして普茶料理の神髄がもどき料理さ」
ぶるぅ 「本物そっくりに作るんだよ。お肉がダメでもお肉そっくりに!」
ブルー 「お坊さんは肉や魚がダメだろう? でも食べたいと思うよねえ」
アドス 「ううむ…。そういうものですかな?」
ブルー 「君だって普段は食べるじゃないか。修行中は当然、禁止だけども」
キース 「修行中に肉など言語道断! 御本尊様の前でも同じだ」
ブルー 「でも中華料理の本場の国では、そういう発想じゃないんだなぁ…」
食べたいものは食べたいんだよ、と生徒会長。
中華料理の本場と言えばグルメの国でございます。
四足の物はテーブル以外、二本足の物も親以外は食べると言われるお国柄。
お坊さんでも修行中に肉を食べるとか…?
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雪が降る中、本堂の前で凍えかけていたジョミー君。
そこへ肉まんが届けられ、大喜びで飛び付いたのが災いの元でございます。
「御本尊様の前で肉を食べた」とアドス和尚が大爆発。
仏門に入って御本尊様に許しを請うか、頭を丸めてアドス和尚に謝るか。
どちらにしても坊主頭は逃れられそうになかったのですが…。
ブルー 「面白いから様子見してたけど、もどき料理の肉まんではねえ…」
アドス 「そうだという証拠はございますかな? 御友人の他に」
イライザ「私、見学しておりましたの。今後のお料理の参考に…って」
アドス 「な、なんと…。では、あれは本当に蕨じゃと?」
イライザ「ええ。でも銀青様が何も仰いませんし、黙っていました」
ブルー 「ぼくの楽しみを奪わないでくれてありがとう。嬉しかったよ」
キース 「お、おふくろ…。俺と親父の立場はどうなる!?」
イライザ「銀青様にお尋ね下さいな。私は単なる証人ですもの」
アドス 「むむう…。ジョミー殿に詫びねばならんのか?」
キース 「そうなるな…。しかし……」
ブルー 「元が坊主じゃ頭を丸める意味が無いよね。キースは別として」
キース 「お、俺!? 俺が坊主に…?」
やばい、と頭を押さえるキース君。
坊主頭にするのが嫌で、サイオニック・ドリームで誤魔化しながらお坊さん
ライフを送ってきたのに、今度はキース君に坊主フラグが?
ジョミー「そうだね、ぼくだって坊主頭にしろって言われたもんね」
サム 「詫びの王道って説から行けば、ホント、自然な成り行きだよな」
ジョミー「でも、その前に気になるんだよ。あの肉まんってホントに蕨?」
ブルー 「おやおや、坊主頭になりたいのかい? せっかく命拾いしたのに」
ジョミー「そうじゃなくって、もどき料理って何なのかなぁ、って」
あの肉まんは本当に美味しかったんだ、とジョミー君は申しております。
材料が蕨とは信じられない味と外見。
もどき料理ってどういうものか、ジョミー君でなくても気になりますよね!
生徒会長曰く、ジョミー君が食べた肉まんの中身は蕨だそうでございます。
肉の隠語とか言うのではなく、本物の山菜の蕨だなどと言われても…。
アドス 「肉を蕨と呼ぶならともかく、蕨そのものとは信じられませんな」
キース 「何処から見ても蕨だろう! こうなんだからな」
肉まんを掴み、真っ二つに割るキース君。
まだ湯気の立つ肉まんの具は豚肉と筍が混ざっております。しかし…。
ぶるぅ 「豚肉は蕨で出来てるんだよ」
キース 「はあ?」
アドス 「なんですと? 豚の餌が蕨という意味ですかな?」
ぶるぅ 「違うよ、ホントに蕨だってば! それを油で揚げるんだよ!」
キース 「おい…。蕨を揚げたら天麩羅だろう? こうはならない」
ぶるぅ 「ううん、薄く延ばして揚げるんだってば!」
アドス 「では、色をどう説明なさるので? 蕨は黒っぽいものですぞ」
ぶるぅ 「だから蕨粉! えーっと、どうやって作るんだっけ…?」
ブルー 「蕨の根っこから作るんだよ。いわゆる澱粉」
キース 「葛粉やカタクリ粉みたいなものか?」
ブルー 「そうなるね。蕨粉を捏ねて、薄く延ばして油で揚げると…」
ぶるぅ 「豚肉そっくりになるんだよ。上手く作れば肉まんの具になるし!」
サム 「凄かったよなぁ、出来上がったヤツをそれっぽく刻んでさ」
シロエ 「筍とかも混ぜて味付けをして…。精進料理には見えませんよね」
アドス 「精進料理ですと!? あの肉まんが…?」
ブルー 「うん。そこの料理も全部そうだよ」
テーブルの上にズラリと並んだ中華料理の大きな皿。
前菜の盛り合わせや炒め物、肉料理にしか見えない品も色々と。
ブルー 「普茶料理ってヤツ、知らないかな?」
アドス 「中華料理の本場から来た禅寺の料理…でしたかな?」
ブルー 「そう。そこの得意は『もどき料理』なんだよ」
全員 「「「もどき料理?」」」
もどき料理って何なのでしょう?
肉まんの具が蕨というのが本当だったら、ジョミー君に光が見えるかな…?
※シャングリラ学園シリーズのアーカイブが出来ました。
バナーすら無い「できたて・ほやほや」の状態ですが、
とりあえずご紹介まで。
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シャン学アーカイブ
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