男子一同、いきなりピンチでございます。
ジョミー「滑れないんじゃ、元老寺カップなんて絶対無理だし!」
ブルー 「下駄スケートがあるじゃないか。一足あれば充分だろう?」
シロエ 「足りませんよ!」
ブルー 「練習時間が短いところが面白い。そう言った筈だけど?」
ジョミー「そうだけど…。でも…」
ブルー 「そもそもキースは練習時間が足りないんだよね」
初詣の真っ最中だから、と言われてみればそのとおり。
スニーカーでの滑りも何も、リンクに姿を見せないわけで。
サム 「仕方ねえか…。地道にやろうぜ」
マツカ 「コツコツやるのも大切ですよね」
ジョミー「えーっ! そこで納得しちゃうわけ?」
スニーカーでいくら練習したって、とリンクを蹴ったジョミー君ですが。
ジョミー「どわぁぁぁっ!?」
ぶるぅ 「すっごーい!」
ツルッと滑ったジョミー君。
素早く体勢を立て直したものの、氷はツルツルのようでして。
ジョミー「わっ、わっ、うわわわ…」
シロエ 「なんだか普通に滑ってますねえ…」
スウェナ「スピンとかにも見えないことはないわよね?」
サム 「滑れねえとか言ってなかったか?」
マツカ 「その筈ですけど…」
ツルンツルンと滑りまくっていたジョミー君、やっと戻って参りまして。
ジョミー「し、死ぬかと思った…」
ブルー 「どういたしまして。サイオンで調整した靴はどうだい?」
ジョミー「えっ?」
ブルー 「ブツブツ言うからやってあげたよ、全員分」
シロエ 「本当ですか!?」
ブルー 「リンク限定のスケート仕様! これなら文句は無いだろう?」
サム 「マジかよ、だったら頑張らなくちゃな!」
ブルー 「その代わり、メインは下駄スケートだよ?」
練習する以上はアクセルを跳べ、と生徒会長は申しております。
しかも基本はトリプルだそうで…。
ずぶの素人が挑戦するには、あまりにハードル高すぎませんか?
拍手ありがとうございました!
お手本を終えた生徒会長、四回転半を見てくれたか、と申しております。
半回転がついてくるのはアクセルのみで、難易度は最高でございますが。
ジョミー「よ、四回転半って……アレってアクセル?」
ブルー 「前向きに踏み切るのはアクセルジャンプだけだけど?」
シロエ 「そ、それってまさか…」
サム 「すげえや、ブルー! あれが跳べるヤツ、いねえよな!」
マツカ 「その筈です。…今のところは」
スウェナ「オリンピックの選手以上よ、いいもの見せてもらったわ!」
ブルー 「どういたしまして。…じゃあ、君たちも頑張って」
はい、と下駄スケートを差し出す生徒会長。
いつの間にやらスニーカーに履き替えてしまったようで。
男子一同「「「あーーーっ!!!」」」
ブルー 「まだ何か?」
シロエ 「い、いえ…。なんでもないです…」
分からずじまいの紐の結び方。
もう適当に結ぶより他に道は無く。
サム 「とにかく最初はシロエがやれよ」
シロエ 「そ、そんな…。ジョミー先輩でいいじゃないですか!」
ジョミー「ぼくはスニーカーでも滑れるもんね、朝も石畳で滑ったし!」
練習、練習…とリンクに飛び出したジョミー君ですけど。
ジョミー「あれ?」
サム 「何やってんだよ、景気良く滑れよ!」
ジョミー「滑ってるってば!」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ ジョミー、おっそーい!」
ツイーッと滑ってゆく「そるじゃぁ・ぶるぅ」。
生徒会長がクスクスと…。
ブルー 「スニーカーでは無理、無茶、無駄ってね」
ジョミー「スウェナと滑っていたじゃない! それに、ぶるぅも!」
子供靴だよ、と指差しているジョミー君。
スイスイ滑る小さな足には普通の靴が。
ブルー 「サイオンで調整してるのさ。君にはまだ無理」
ジョミー「それじゃ練習できないよ!」
シロエ 「そうです、靴が足りません!」
滑りに適したブレードつきの下駄スケートは一足だけ。
元老寺カップで競い合おうにも、練習不足で不戦敗ですか?
下駄スケートが使われていた頃、綺麗どころと滑ったらしい生徒会長。
思い出話に耳を傾けてしまった男子一同、紐の結び方を見逃しまして…。
シロエ 「ど、どうしましょう…。もう思いっ切り手遅れですよね」
ジョミー「まだ脱ぐ時があるじゃない! そっちに期待するしかないよ」
マツカ 「ですね、今度こそ頑張りましょう」
サム 「それよりブルーの滑りだぜ! 綺麗だろうなぁ…」
ジョミー「なんか変なこと言ってるし…。下駄スケートだよ?」
所詮は下駄でスケートなのだ、とジョミー君は鼻で笑っておりますが。
ブルー 「ぶるぅ、曲を流してくれるかな?」
ぶるぅ 「オッケー!」
アドス和尚ご自慢のCDプレーヤーから大音響で流れる『かみほー♪』。
生徒会長、スイーッとリンクに滑り出すと。
ジョミー「わわっ!」
シロエ 「いきなりトリプルルッツですか!?」
サム 「だから言ったろ、ブルーならきっと凄いって!」
スウェナ「ぶるぅに出来る技が出来ないわけないと思うわよ?」
マツカ 「もっと凄いかもしれません。…分かりませんけど」
サム 「すげえ、すげえや、プロに負けてねえぜ!」
即興とも思えぬ滑りを披露してゆく生徒会長。
スピンにステップ、どれを取っても、もう完璧な仕上がりで。
ジョミー「サビでトリプルアクセルは基本みたいだね…」
シロエ 「ああいう大技は最初に持ってくると聞きましたけど」
マツカ 「全然気にしていないみたいですね、流石です」
サム 「どんなフィニッシュか楽しみだよな!」
スウェナ「そうね、ひょっとしたら幻のアレが出るかも」
男子一同「「「は?」」」
ぶるぅ 「わぁーい、成功ーっ!!!」
氷を蹴った生徒会長、華麗にジャンプ。
見事な回転を決めて滑り終え、優雅に一礼。
ブルー 「見てくれた? ぼくの四回転半」
スウェナ「きゃあっ、やっぱりクアドラプルね!」
男子一同「「「!!!」」」
クアドラプルといえば四回転。
四回転半とは、まさかのアクセル?
拍手ありがとうございました!
下駄スケートの紐の結び方も掛け方も全く分からない男子一同。
なんとかして技を盗み出すべく、生徒会長に手本を頼み込んでおります。
シロエ 「ぼくたち、本当に真剣なんです! 一生のお願いです!」
ブルー 「そう言われてもねえ…。今年中にソレを何回聞くやら」
ジョミー「うっ…。でもさ、今年初の一生のお願いだし!」
ブルー 「今年初と来たか…。まあ、いいけどさ」
生徒会長、やおら下駄スケートを手にしましたが。
サム 「あれっ? ブルーは下駄スケートの経験、皆無なんじゃあ?」
マツカ 「そういえば…。着物でスケートはしていないとか…」
ジョミー「なのに結び方とか分かるんだ? なんで?」
ブルー 「そりゃね、経験豊富だからさ」
長生きしてると色々あるよ、と生徒会長、椅子に座って靴を脱ぎ…。
ブルー 「お正月って晴れ着が似合うと思わないかい?」
全員 「「「は?」」」
ブルー 「晴れ着だよ、晴れ着! 着物姿の女性っていいものだよね」
ジョミー「なんの話さ?」
ブルー 「着物の女性と初詣! これぞお正月の醍醐味だってば」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ ブルー、昔からモテてたもんね!」
シロエ 「えぇっ? じゃ、じゃあ、綺麗どころを引き連れて…とか?」
ブルー 「もちろんさ。初詣の後は初滑りと洒落込むことだってあるし」
サム 「そこで下駄スケートをしてたのかよ!?」
ブルー 「着物の女性をエスコートするには羽織袴が必須だからね」
昔取った杵柄、とリンクに向かう生徒会長。
足にはしっかり下駄スケートが。
シロエ 「あーーーっ!!!」
サム 「今度は何だよ?」
シロエ 「み、見てませんでしたよ、紐の掛け方…」
ジョミー「ぼくも…。ブルーがモテたって話だけしか…」
サム 「俺も話を聞くのに夢中で、ブルーの顔しか見てねえや…」
おしまいだぁぁぁ、と頭を抱える男子たちですが、時すでに遅し。
下駄スケートも経験アリの生徒会長、どんな滑りを見せるのでしょうか?
拍手ありがとうございました!
「そるじゃぁ・ぶるぅ」が下駄スケートを脱ぐのを見そびれた男子たち。
紐の結び方の技を盗むどころか、見当もつかない状態に陥ってしまい…。
サム 「どうすんだよ、おい!? アレって適当でいいのかよ?」
シロエ 「さ、さあ…。多分、独特の結び方だと思うんですけど…」
マツカ 「結び終えた紐の処理みたいなのもありましたよ?」
ジョミー「そっか、端っこを何処かに押し込んでたよね…」
どう結ぶんだ、と悩み苦しむ男子一同。
結び方以前の問題として、紐の掛け方も全く分かっておりません。
ぶるぅ 「かみお~ん♪ はい、誰が一番最初に滑るの?」
ブルー 「ほら、下駄スケートが空いてるよ? 練習しないと」
ジョミー「え、えっと…。シロエが一番でいいんじゃないかな?」
シロエ 「なんでですか!」
ジョミー「だってさ、柔道やってるし…。運動神経良さそうじゃない」
サム 「それを言うならジョミーだぜ? そもそも、お前が最初に」
マツカ 「ですよね、石畳で滑りを披露していましたし」
ジョミー「無理だってば! スニーカーとは違うんだから!」
履き方が全然分からないし、と話は再び振り出しへ。
額を集めた男子一同、ひとしきり作戦会議を繰り広げまして。
シロエ 「会長、ちょっといいですか?」
ブルー 「なんだい?」
シロエ 「ぼくたちの真剣なお願いです。是非お手本を見せて下さい」
ブルー 「お手本?」
シロエ 「そうです、どんな風に滑ればいいのか、見本だけでも」
ジョミー「下駄スケートってよく分からないし、基本の技とか!」
ブルー 「基本も何も、普通のフィギュアと同じだけどねえ?」
シロエ 「フィギュアは馴染みが無いんです。お願いします!」
ブルー 「うーん…。紐の結び方を知りたいだけってバレバレだけど?」
ジョミー「分かってるんならケチらないでよ!」
ここは一発、見本をよろしく、と必死に食い下がるジョミー君たち。
一生のお願いとか言ってますけど、生徒会長は滑ってくれますかねえ…?
自分たちの世界へ帰れなくなってしまったソルジャーと「ぶるぅ」。
生徒会長と同じマンションで暮らすようになって一年です。
秋のお彼岸が近付き、生徒会長が法要に出てみないかと勧誘を。
キャプテンにお念仏を托したソルジャー、出席を承諾しましたが…。
シャン学、ついに完結です。来週は後日談をお届けさせて頂きます!
(シャングリラ学園シリーズは2月から月イチ更新になりますv)
シャン学アーカイブに『眠りの誕生日』全3話を追加収録いたしました。
学園祭で頑張り過ぎて青い卵になってしまった「そるじゃぁ・ぶるぅ」。
お誕生日にしたいクリスマスの日に、卵は無事に孵化するでしょうか…?
